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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1325237
審判番号 不服2016-10950  
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-20 
確定日 2017-03-07 
事件の表示 特願2014-547711「電子装置を保護するための方法、および電子装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月28日国際公開、WO2013/174296、平成27年 2月16日国内公表、特表2015-505098、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)5月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年(平成24年)5月25日、中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、平成27年8月11日付けで拒絶理由が通知され、同年11月6日付けで手続補正がされ、平成28年3月16日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年7月20日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がされたものである。


第2 平成28年7月20日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
(1)請求項1について
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を、
「【請求項1】
電子装置を保護するための方法であって、前記電子装置は電源の出力を制御するための制御スイッチを備え、
例外イベントが発生したかどうかを検出し、例外イベントが発生したことが検出された場合には、前記制御スイッチを制御するための制御信号を生成するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記制御スイッチを制御して、前記例外イベントが発生すると電源を切る電力管理チップへ電力を供給するための前記電源の出力チャネルを切断するステップと、
を含む、方法。」
とする補正(以下、「補正事項1」という。)を含んでいる。(下線は補正事項を示している。以下同様。)

(2)請求項9について
本件補正は、特許請求の範囲の請求項9を、
「【請求項9】
検出ユニット、生成ユニット、および制御ユニットを備えた電子装置であって、
前記制御ユニットは電源の出力を制御するための制御スイッチを備え、
前記検出ユニットは、例外イベントが発生したかどうかを検出するように構成され、
前記生成ユニットは、例外イベントが発生したことを前記検出ユニットが検出したとき、前記制御スイッチを制御するための制御信号を生成するように構成され、
前記制御ユニットは、前記生成ユニットにより生成された前記制御信号に基づいて、前記制御スイッチを制御して、前記例外イベントが発生すると電源を切る電力管理チップへ電力を供給するための前記電源の出力チャネルを切断するように構成された、
電子装置。」
とする補正(以下、「補正事項2」という。)を含んでいる。


2.補正の適否
(1)補正事項1について
本件補正のうち上記補正事項1は、補正前の請求項1に記載された「電力管理チップ」について、「前記例外イベントが発生すると電源を切る」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。

そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

ア 刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-278657号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「電源遮断装置」に関し、次の記載がある。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電源遮断装置に関し、より詳細にはマイコン暴走時におけるマイコンへの電力供給を遮断する電源遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイコンを使用した制御システムにおいて、マイコンの異常を監視する手段としてウォッチドック(WD)回路を使用することが一般的であった。図3は、従来のマイコンの異常監視装置を含んだシステムの概略構成を示している。
【0003】従来のマイコンを使用したシステムは、クロックパルスを出力するための発振子10aが接続されたマイコン10と、マイコン10から出力されるWDパルス2を取り込んで、マイコン10の動作の異常時にはマイコン10にリセット信号3を出力するWD回路4と、マイコン10やWD回路4等の各回路に定電圧電力を供給するレギュレ-タ5とを含んで構成されている。また、ACCのオン/オフ信号を取り込むための信号ライン6がインバ-タ7を介してマイコン10及びWD回路4に接続されている。
【0004】WD回路4は、マイコン10の所定の出力ポ-トから周期的に出力されるWDパルス2を取り込んで、所定期間内に正しい数だけのWDパルス2が計数されると、マイコン10が正常に動作していると判断する。一方、所定期間内に正しい数のWDパルス2が計数できなかった場合には、プログラム等の暴走によりマイコン10が誤動作をしていると判断して、マイコン10にリセット信号3を出力することによって、マイコン10のリセットを行い、初期状態からプログラムの実行をスタ-トさせることによってマイコン10の誤動作や暴走の発生を防止している。
【0005】また、アクセサリ(以下ACCとも記す)がオフされると、マイコン10はオフ信号を取り込んで、発振子10aの発振動作を停止させて、低消費電力モ-ドに入るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ACCのオフ時にあってもマイコン10のプログラムが暴走している場合には、マイコン10は低消費電力モ-ドに移行することができず、しかも、マイコン10をリセットすることができない。したがって、マイコン10はプログラムの暴走状態が続いてしまう。この状態で長時間放置しておくと、マイコン10がバッテリの電力を消耗してしまい、バッテリ上りを引き起こしてしまうという問題があった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、アクセサリのオフ後におけるマイコンの暴走によるバッテリの電力消費を阻止してバッテリ上りの発生を確実に防止することのできる電源遮断装置を提供することを目的としている。」(段落【0001】-【0007】)

(イ)「【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電源遮断装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るマイコンに対する電源遮断装置を含むシステムを概略的に示した回路構成図である。なお、図3に示した構成部品と同一の機能を有する構成部品については、同一の符号を付すこととする。
【0023】電源遮断装置20を含んだマイコンシステムは、クロックパルスを出力するための発振子1aが接続されたマイコン1と、マイコン1から出力されるWDパルス2を取り込んで、マイコン1を監視し、マイコン1の異常時にはマイコン1にリセット信号3を出力するリセット回路を含んだWD回路4と、マイコン1、WD回路4等の各構成要素に定電圧電力を供給するレギュレ-タ5と、マイコン1とレギュレ-タ5との間に介装された電源経路接断回路9と、マイコン1の発振子1aからの信号を取り込んで、電源経路接断回路9に接断信号を出力する暴走検出回路8とを含んで構成されている。また、ACCのオン/オフ信号を取り込むための信号ライン6がマイコン1、WD回路4及び暴走検出回路8に接続されている。
【0024】尚、ACCのオン信号は、通常車内のオ-ディオ等に電源を供給するためのアクセサリスイッチがオン操作されることによって発生するものであり、オン操作されることによりオン信号、即ちACCの信号ライン6にハイレベルの信号が供給されるものである。また、オフ信号、即ちアクセサリスイッチがオフ操作されるとACCの信号ライン6がロ-レベルとなる。このようにアクセサリスイッチがオン操作されることによりオ-ディオ等に電源が供給される。
【0025】暴走検出回路8は、ACCのオフ信号に同期させてマイコン1の発振子1aの出力パルスを取り込んでカウントするカウンタ回路11と、ACCのオン/オフ信号を取り込む入力端子12a及びカウンタ回路11からの信号を取り込む入力端子12bを備えたNAND回路12と、NAND回路12の出力を反転して出力するインバ-タ13とを含んで構成されている。また、カウンタ回路11のリセット端子Rにロ-レベルの信号を受けるとカウンタ回路11がリセットされるようになっている。
【0026】電源経路接断回路9は、電界効果トランジスタ(FET)等のスイッチングトランジスタ14を含んで構成され、スイッチングトランジスタ14のゲ-トには、暴走検出回路8を構成するインバ-タ13の出力側が接続されている。そして、暴走検出回路8と電源経路接断回路9とを含んで電源遮断装置20が構成されている。なお、スイッチングトランジスタ14は、そのゲ-トにロ-レベルの信号を受けると導通状態となり、ハイレベルの信号を受けると遮断状態となるようになっている。
【0027】上記のように構成された電源遮断装置20の動作を図2を用いて説明する。図2は、電源遮断装置20が、正常な停止状態からACCのオン(時間t_(0) )による通常動作への移行段階(時間t_(0) ?t_(1) )と、通常動作からACCのオフ後のマイコンの暴走状態(時間t_(1) ?t_(2) )に移行し、該暴走状態から電源の遮断状態(時間t_(2) ?t_(3) )に移行して、電源の遮断状態からACCがオンされ、リセットによる通常の動作状態(時間t_(3) 以降)に至るまでの動作を説明するためのタイミングチャ-トを示している。
【0028】まず、時間t_(0) において正常な停止状態からACCがオンされると(図2(a))、インバ-タ7で反転されたACCのオン信号がマイコン1とWD回路4と暴走検出回路8のNAND回路12の入力端子12aに入力される。マイコン1は、低消費電力モ-ドから通常モ-ドに移行して、発振子1aが作動し始め(図2(b))、発振子1aにより出力されるクロック信号に合わせてマイコン1のプログラムが実行される。WD回路4においては、マイコン1から出力されるWDパルス2を取り込んで、マイコン1の動作を監視する(図2(c))。
【0029】正常な動作状態から時間t_(1) においてACCがオフされると、インバ-タ7によって反転されたACCのオフ信号がマイコン1とWD回路4と暴走検出回路8のNAND回路12の入力端子12aとカウンタ回路11とに入力される。ACCのオフ信号を取り込んだマイコン1は、通常であれば発振子1aの動作を停止させて低消費電力モ-ドに移行するはずであるが、マイコン1のプログラムが暴走している場合には、マイコン1の発振子1aの作動を停止させることをせず、マイコン1の発振子1aの動作は継続される(図2(b))。一方、WD回路4へのWDパルス2の出力は停止される(図2(c))。
【0030】ACCのオフ信号をトリガに暴走検出回路8においては、カウンタ回路11が、ACCオフ後の発振子1aのクロック信号のカウントアップを開始する(図2(e))。所定時間経過後(時間t_(3) )、カウンタ回路11においてカウントアップしたクロック信号が所定のクロック信号数に到達すると、カウンタ回路11は、マイコンの暴走検出を示すハイ信号を、NAND回路の入力端子12bに出力する。NAND回路12の一方の入力端子12aには、ACCオフの信号によるハイ信号が入力されているので、NAND回路12はロ-信号を出力し、インバ-タ13によって反転されたハイ信号が、電源接断回路9のスイッチングトランジスタ14のゲ-トに出力され、スイッチングトランジスタ14をオフして、マイコン1とレギュレ-タ5との間の電源供給ライン16が遮断され、マイコン1への5Vの電源供給が強制的に停止される(図2(f))。また、マイコン1とレギュレ-タ5との間の電源供給ライン16が遮断されるので、発振子1aの動作も強制的に停止させられる(図2(a))。」(段落【0022】-【0030】)

上記刊行物1の記載、刊行物1の図1、2、及びこの分野の技術常識を考慮すると、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

〈引用発明〉
「マイコン1と、マイコン1、WD回路4等の各構成要素に定電圧電力を供給するレギュレ-タ5と、マイコン1とレギュレ-タ5との間に介装された電源経路接断回路9と、電源経路接断回路9に接断信号を出力する暴走検出回路8とを含むマイコンシステムにおいて、
暴走検出回路8においてマイコン1の暴走が検出されると、暴走検出回路8は、暴走検出を示す信号を、電源経路接断回路9のスイッチングトランジスタ14のゲ-トに出力し、スイッチングトランジスタ14をオフして、マイコン1とレギュレ-タ5との間の電源供給ライン16を遮断する、方法。」

イ 対比
補正発明と引用発明を対比する。

(ア)引用発明の「マイコン1、WD回路4等の各構成要素に定電圧電力を供給するレギュレ-タ5」は、補正発明の「電源」に相当する。

(イ)引用発明の「マイコン1とレギュレ-タ5との間の電源供給ライン16を遮断する」「スイッチングトランジスタ14」を含む「電源経路接断回路9」は、補正発明の「電源の出力を制御するための制御スイッチ」に相当する。

(ウ)引用発明の「マイコン1と、マイコン1、WD回路4等の各構成要素に定電圧電力を供給するレギュレ-タ5と、マイコン1とレギュレ-タ5との間に介装された電源経路接断回路9と、電源経路接断回路9に接断信号を出力する暴走検出回路8とを含むマイコンシステム」は、「電子装置」ともいい得るものであり、引用発明の「電源経路接断回路9」を含む「マイコンシステム」において、「マイコン1とレギュレ-タ5との間の電源供給ライン16を遮断する、方法」と、補正発明の「電子装置を保護するための方法であって、前記電子装置は電源の出力を制御するための制御スイッチを備え」ることとは、いずれも、「電子装置の電源を遮断する方法であって、前記電子装置は電源の出力を制御するための制御スイッチを備え」る点で共通する。

(エ)引用発明において、「マイコン1」が「暴走」することは、マイコン1の通常の動作状態ではなく、異常な例外的な状態であるから、補正発明の「例外イベント」に相当する。
引用発明において、「暴走検出回路8においてマイコン1の暴走が検出されると、暴走検出回路8は、暴走検出を示す信号を、電源経路接断回路9のスイッチングトランジスタ14のゲ-トに出力」するから、暴走検出回路8はマイコン1の暴走を検出すると、電源経路接断回路9を制御するための制御信号を生成しているといえる。
したがって、引用発明の「暴走検出回路8においてマイコン1の暴走が検出されると、暴走検出回路8は、暴走検出を示す信号を、電源経路接断回路9のスイッチングトランジスタ14のゲ-トに出力」する構成は、補正発明の「例外イベントが発生したかどうかを検出し、例外イベントが発生したことが検出された場合には、前記制御スイッチを制御するための制御信号を生成するステップ」に相当する。

(オ)引用発明の「マイコン1」と、補正発明の「前記例外イベントが発生すると電源を切る電力管理チップ」とは、いずれも、「制御チップ」である点で共通する。
また、引用発明の「電源供給ライン16」は、レギュレ-タ5からマイコン1に電力を供給するから、「制御チップへ電力を供給するための電源の出力チャネル」といえるものである。
したがって、引用発明において、「暴走検出回路8」から出力される「暴走検出を示す信号」を、「電源接断回路9のスイッチングトランジスタ14のゲ-ト」で受けて、「スイッチングトランジスタ14をオフして、マイコン1とレギュレ-タ5との間の電源供給ライン16を遮断する」構成と、補正発明の「前記制御信号に基づいて、前記制御スイッチを制御して、前記例外イベントが発生すると電源を切る電力管理チップへ電力を供給するための前記電源の出力チャネルを切断するステップ」とは、いずれも、「前記制御信号に基づいて、前記制御スイッチを制御して、制御チップへ電力を供給するための前記電源の出力チャネルを切断するステップ」である点で共通する。

そうすると、補正発明と引用発明は、次の点で一致する。

「電子装置の電源を遮断する方法であって、前記電子装置は電源の出力を制御するための制御スイッチを備え、
例外イベントが発生したかどうかを検出し、例外イベントが発生したことが検出された場合には、前記制御スイッチを制御するための制御信号を生成するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記制御スイッチを制御して、制御チップへ電力を供給するための前記電源の出力チャネルを切断するステップと、
を含む、方法。」

他方、補正発明と引用発明は次の点で相違する。

<相違点1>
「電子装置の電源」の「遮断」が、補正発明では、「電子装置を保護するため」であるのに対し、引用発明ではそのような特定のない点。

<相違点2>
「制御チップ」が、補正発明では、「前記例外イベントが発生すると電源を切る電力管理チップ」であるのに対し、引用発明ではそのような特定のない点。

ウ 判断
以下の(ア)-(エ)の事項を総合勘案すると、引用発明において上記相違点2に係る補正発明の構成を採用することは、当業者といえども容易に推考し得たこととはいえない。

(ア)引用発明の「マイコン1」は、刊行物1の段落【0002】の「従来のマイコンを使用した制御システムにおいて」との記載を参酌すると、何らかの制御に用いられるものと考えられ、また、段落【0006】の「ACCのオフ時にあってもマイコン10のプログラムが暴走している場合には、マイコン10は低消費電力モ-ドに移行することができず、しかも、マイコン10をリセットすることができない。したがって、マイコン10はプログラムの暴走状態が続いてしまう。この状態で長時間放置しておくと、マイコン10がバッテリの電力を消耗してしまい、バッテリ上りを引き起こしてしまうという問題があった。」との記載、及び段落【0029】の「ACCのオフ信号を取り込んだマイコン1は、通常であれば発振子1aの動作を停止させて低消費電力モ-ドに移行する」との記載を参照すると、マイコン1自身を低消費電力モードに移行する「電力管理」を実施するものといえる。

(イ)一方、マイコン1は、他の構成要素に電力を供給するものではなく、また、例外イベント、すなわちマイコン1の暴走時には、自身に向けて供給される電力が遮断されることがあっても、当該例外イベントによってマイコン1が主体的に他の構成要素に供給する電源を切るものではない。

(ウ)また、刊行物1のほかに原査定の拒絶の理由に引用された刊行物2(特開平07-093062号公報)、刊行物3(特開平11-338831号公報)のいずれにも、上記相違点2に係る補正発明の構成について、記載も示唆もされていない。

(エ)ほかに引用発明において上記相違点2に係る補正発明の構成を採用することが当業者にとって容易であったといえる根拠は見当たらない。

したがって、その他の相違点について判断するまでもなく、補正発明は引用発明及び刊行物2、3に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

よって、本件補正の補正事項1は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

(2)補正事項2について
本件補正のうち上記補正事項2は、補正前の請求項9に記載された「電力管理チップ」について、「前記例外イベントが発生すると電源を切る」との限定を付加するものであって、補正前の請求項9に記載された発明と補正後の請求項9に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。

そこで、本件補正後の前記請求項9に記載された発明が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について検討するに、請求項9に記載された発明は、補正発明のカテゴリーを方法の発明から物の発明に変更し、「電子装置」の発明としたものであるから、上記2.(1)で検討したのと同様に、引用発明及び刊行物2、3に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

よって、本件補正の補正事項2は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

3.むすび
本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。


第3 本願発明
本件補正は上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1-16に記載された発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-16に記載された事項により特定されるとおりのものである。

そして、請求項1に記載された発明である補正発明、及び請求項9に記載された発明は、上記第2の2.のとおり、いずれも引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

また、請求項2-8、10-16に記載された発明は、それぞれ補正発明、請求項9に記載された発明を、さらに限定した発明であるから、いずれも引用発明及び刊行物2、3に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

したがって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-02-20 
出願番号 特願2014-547711(P2014-547711)
審決分類 P 1 8・ 575- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田川 泰宏佐賀野 秀一  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 山田 正文
土谷 慎吾
発明の名称 電子装置を保護するための方法、および電子装置  
代理人 佐伯 義文  
代理人 木内 敬二  

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