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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1325589
審判番号 不服2015-16511  
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-08 
確定日 2017-03-24 
事件の表示 特願2013-558000「シーンベースの可変圧縮」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月27日国際公開、WO2012/128743、平成26年 6月19日国内公表、特表2014-514800、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
1.手続
本願は、2011年(平成23年)3月18日を国際出願日とする国際特許出願であって、手続の概要は以下のとおりである。

手続補正 :平成25年 9月17日
拒絶理由通知 :平成26年 8月25日(起案日)
手続補正 :平成26年11月 5日
拒絶査定 :平成27年 5月18日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成27年 9月 8日
手続補正 :平成27年 9月 8日
拒絶理由(当審) :平成28年10月31日(起案日)
手続補正 :平成28年12月 5日

2.査定
原審での査定の理由は、概略、以下のとおりである。

本願の各請求項に係る発明(平成26年11月5日付け手続補正書による)は、下記刊行物Aに記載された発明および周知技術(前置報告書による刊行物Bも参照)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

刊行物A:特開2006-311078号公報
刊行物B:特開2002-344941号公報

3.当審における拒絶の理由(平成28年10月31日付け)
当審で通知した上記拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。

(1)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号、第2号に規定する要件を満たしていない。

(請求項1-請求項11について)
(A)請求項の「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のコンテンツを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のコンテンツを有する、受信することと、」の記載における、「第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信する」のコンテンツ、「第1のコンテンツタイプの第1のコンテンツ」、「第2のコンテンツタイプの第2のコンテンツ」は、どのような事項を特定しているか明確ではない。
(請求項10の同様の記載も同じである。)

(B)請求項の「許容レベル」とは、どのようなレベルか不明である。

(2)本願の各請求項に係る発明(平成27年9月8日付け手続補正書による)は、下記刊行物に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

刊行物1:特開2005-84770号公報
刊行物2:特開2005-130196号公報

第2 本願発明
本願の各請求項(請求項1ないし請求項13)に係る発明(以下、各請求項の項番を用いて「本願発明1」、「本願発明2」等と呼び、これらの総称を「本願発明」という。)は、平成28年12月5日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

【請求項1】
プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
前記プロセッサにより第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信することであって、前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する、受信することと、
少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することと、
前記コンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、前記コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択することであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、選択することと、
前記選択された圧縮方法に従って前記コンテンツの各部分を圧縮することと、
前記コンテンツを伝送することであって、前記コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、伝送することと
を含む方法。
【請求項2】
前記圧縮レベルの指示は、前記コンテンツを要求するクライアントコンピューティングデバイスから受信されることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテンツの前記第1の部分は第1のサイズを有し、前記コンテンツの前記第1の部分の圧縮されたサイズは、前記第2の圧縮方法を使用して前記コンテンツの前記第1の部分を圧縮した場合の結果よりも小さい請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2のコンテンツタイプの少なくとも1つは、コンテンツの前記部分の少なくとも1つに関連付けられているメタデータで指示される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び第2のコンテンツタイプの少なくとも1つが自動的に検出される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1及び第2コンテンツタイプの少なくとも1つが、景色、話者の性別、話者の属性、スポーツ、野生生物、ニュース、またはセクシュアルのうちの少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコンテンツタイプがニュースであり、前記第2のコンテンツタイプがスポーツである場合、前記第1の圧縮方法は、前記第2の圧縮方法より情報損失が大きい請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のコンテンツタイプが広角ビューであり、前記第2のコンテンツタイプがクローズアップビューである場合、前記第1の圧縮方法は、前記第2の圧縮方法より情報損失が少ない請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサおよびメモリと、
第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信するように構成されたコンポーネントであって、前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する、コンポーネントと、
少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求をクライアントから受信するように構成されたコンポーネントであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、コンポーネントと、
前記第1のコンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、前記コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択するコンポーネントであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、コンポーネントと、
前記選択された圧縮方法に従って前記コンテンツの各部分を圧縮する、コンポーネントと、
前記要求されたコンテンツを前記クライアントに伝送するように構成されたコンポーネントであって、前記コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、コンポーネントと
を備えるシステム。
【請求項10】
以前圧縮されたコンテンツをストレージから取り出すように構成されたコンポーネントをさらに備える請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンテンツに関連付けられているメタデータのストレージをさらに備える請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンテンツの少なくとも一部の部分に関連付けられているメタデータが存在し、前記第1の圧縮方法は前記第1の部分に関連付けられているメタデータに基づいて選択される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の圧縮方法は、前記第1のコンテンツタイプを動的に認識することに基づいて選択される請求項11に記載のシステム。

第3 当審が通知した拒絶の理由についての検討
1.拒絶の理由(1)について
上記拒絶の理由を通知したところ、本願の請求項1および請求項9の記載は以下のとおりの記載となった。

【請求項1】
プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
前記プロセッサにより第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信することであって、前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する、受信することと、
少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することと、
前記コンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、前記コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択することであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、選択することと、
前記選択された圧縮方法に従って前記コンテンツの各部分を圧縮することと、
前記コンテンツを伝送することであって、前記コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、伝送することと
を含む方法。

【請求項9】
プロセッサおよびメモリと、
第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信するように構成されたコンポーネントであって、前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する、コンポーネントと、
少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求をクライアントから受信するように構成されたコンポーネントであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、コンポーネントと、
前記第1のコンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、前記コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択するコンポーネントであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、コンポーネントと、
前記選択された圧縮方法に従って前記コンテンツの各部分を圧縮する、コンポーネントと、
前記要求されたコンテンツを前記クライアントに伝送するように構成されたコンポーネントであって、前記コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、コンポーネントと
を備えるシステム。

すなわち、補正(平成28年12月5日、以下同じ。)前の請求項1の「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のコンテンツを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のコンテンツを有する、受信することと」の記載を、「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することと」と補正すること、及び、補正前の請求項10を請求項9とし、その記載を「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求をクライアントから受信するように構成されたコンポーネントであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のコンテンツを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のコンテンツを有する、コンポーネントと」の記載から、「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求をクライアントから受信するように構成されたコンポーネントであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、コンポーネントと」の記載と補正することにより、第1の部分と第2の部分とが、一つのコンテンツのうちの、「第1のシーン」、「第2のシーン」であることが明確となった。
したがって、拒絶の理由(1)の(A)は解消した。

また、同(B)は、平成28年12月5日付け意見書の(4.1.2)の記載によれば、本願明細書の発明の詳細な説明に「さまざまな実施形態において、ユーザは、第1の圧縮方法を使用してコンテンツが圧縮される場合に生じるであろう忠実性よりも低い忠実性で一部のコンテンツタイプを視聴したいとユーザが望むことを指示することができる。そのような実施形態において、クライアントコンピューティングデバイスは、第1の圧縮方法を使用してコンテンツが圧縮される場合に可能となる忠実性よりも低い忠実性でユーザが視聴したいと望むものであるとユーザが前もって指示していた特定のシーンをコンテンツが含むことを認識するために、シーン認識アルゴリズムを採用することができる。コンテンツがそのようなシーンを含むことを認識すると、クライアントコンピューティングデバイスは、第1の圧縮方法よりも低い忠実性をもたらす第3の圧縮方法(たとえば、可逆または「より情報損失の多い」圧縮方法)を使用するようサーバコンピューティングデバイスに指示することができる。次いで、サーバコンピューティングデバイスは、第3の圧縮方法を使用して圧縮されるコンテンツを提供することができる。後に、受信されたコンテンツが、第3の圧縮方法を使用してコンテンツが圧縮される場合に可能となる忠実性よりも低い忠実性で受信されるべきであるとユーザが指示していない別のシーンを含むことをクライアントコンピューティングデバイスが決定すると、クライアントコンピューティングデバイスは、第1の圧縮方法(または異なる圧縮方法)の使用に戻るようサーバコンピューティングデバイスに要求することができる。」(【0012】)との記載があることからみて、「第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示」を行ったとしても「第1の圧縮方法を使用してコンテンツが圧縮される場合に可能となる忠実性よりも低い忠実性でユーザが視聴したいと望むものであるとユーザが前もって指示していた特定のシーンをコンテンツが含む」場合、第3の圧縮方法(たとえば、可逆または「より情報損失の多い」圧縮方法)を使用して、圧縮を行うことが開示されているから、第1のコンテンツタイプの圧縮レベルは、「許容レベル」といいうるものであり、拒絶の理由(1)の(B)は解消した。

2.拒絶の理由(2)について
(ア)本願発明1
まず、本願発明1について、拒絶の理由(2)を検討する。
本願発明1は、平成28年12月5日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
((A)ないし(G)は当審において付与した。以下「構成要件(A)」等として引用する。)

【請求項1】
(A)プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
(B)前記プロセッサにより第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信することであって、前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する、受信することと、
(C)少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することと、
(D)前記コンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、前記コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択することであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、選択することと、
(E)前記選択された圧縮方法に従って前記コンテンツの各部分を圧縮することと、
(F)前記コンテンツを伝送することであって、前記コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、伝送することと
(G)を含む方法。

(イ)刊行物の記載事項
(イ-1)刊行物1の記載
当審における拒絶の理由の通知において引用された特開2005-84770号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
本発明は、コンテンツ提供システムおよび方法、提供装置および方法、再生装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、ユーザの嗜好に合わせたコンテンツを提供できるようにしたコンテンツ提供システムおよび方法、提供装置および方法、再生装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク上のサーバからユーザ端末にコンテンツを提供する場合、サーバは、ユーザ端末のネットワーク環境に応じてコンテンツのビットレートや解像度を切り換えることにより、ユーザ端末の環境の違いに対応している。
【0003】
しかしながら、サーバは、ユーザの嗜好に応じて、コンテンツを選択して提供するのは困難である。
【0004】
ユーザの興奮度や趣味度を示す情動に基づいて、放送番組が選択される例として、特許文献1には、ユーザの顔を赤外線で撮影した顔画像に基づいて、ユーザの興奮度や興味度を示す情動が検出され、興奮度と興味度がともに低く元気がないと判定された場合には、これらを反転させた興味度と興奮度がともに高い元気が出るような放送番組が選択されることが開示されている。
【特許文献1】特開2001-100888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ネットワーク上のサーバからユーザ端末にコンテンツを提供する場合、サーバが、予め登録されているユーザの嗜好に基づいてコンテンツの品質、音量または解像度を変更したり、嗜好にあったコンテンツを選択するのは困難である。
【0006】
また、ユーザに提供されたコンテンツがユーザの嗜好に合わない場合、ユーザは、自分でコンテンツを変更する指令を入力する必要があり、サーバ側は、実際に提供したコンテンツがユーザの嗜好に合うか否かを、ユーザの指令によってしか知ることができないという課題があった。
【0007】
さらに、サーバ側は、リアルタイムにユーザの嗜好に基づきコンテンツを選択したり、調整して提供するのは困難であるという課題があった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの嗜好に基づいてコンテンツを提供するようにするものである。

【0049】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0050】
図1は、本発明を適用した提供システム1の全体の構成例を示す図である。
【0051】
この提供システム1においては、ネットワーク11を介して、ユーザ端末装置21とコンテンツ提供装置22が互いに接続されている。コンテンツ提供装置22は、ユーザ端末装置21に、ネットワーク11を介してコンテンツを提供する。また、提供されるコンテンツは、階層符号化されたコンテンツである。コンテンツ提供装置22が、ユーザ端末装置21にコンテンツを提供する3つの実施の形態を、以下に説明する。最初に図2乃至図9を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。

【0057】
図3は、図1のコンテンツ提供装置22の一例である(第1の実施の形態の)コンテンツ提供装置22-1の機能的構成例を示すブロック図である。
【0058】
コンテンツ提供装置22-1には、受信部301、認証登録部302、嗜好情報記憶部303、選択制御部304、コンテンツサーバ305、送信部306、メタ情報取得部307、およびQoSコントローラ308が設けられている。
【0059】
受信部301は、ネットワーク11を介して様々な情報を受信する。認証登録部302は、ユーザを識別するためのIDとPW(パスワード)が、正しいか否かを認証したり、嗜好情報を登録する処理を実行する。嗜好情報記憶部303は、IDおよびPW、並びに、IDに対応する嗜好情報等を記憶する。
【0060】
選択制御部304は、受信部301、認証登録部302、または嗜好情報記憶部303から取得した嗜好情報に基づき、コンテンツサーバ305から嗜好情報にあったコンテンツを選択する。選択されたコンテンツは、送信部306またはメタ情報取得部307に供給される。
【0061】
コンテンツサーバ305には、複数のコンテンツ(例えば、コンテンツA1,A2,A3,・・・,An(nは1以上の任意の自然数))が記録されている。例えば、同じタイトル(コンテンツA1)の映画であっても、記録レートが異なるコンテンツや、怖い箇所(シーン)が変更されている(別のストーリに変更されている)コンテンツ等の複数のコンテンツ(コンテンツA1-1乃至A1-k(kは1以上の任意の自然数))が記録されている。また、異なるジャンル(ニュース、スポーツ、ホラー等)のコンテンツもそれぞれ記録されている。送信部306は、認証登録部302、選択制御部304、またはQoSコントローラ308から供給された情報をネットワーク11を介して送信する。
【0062】
メタ情報取得部307は、選択制御部303から供給されたコンテンツから、メタ情報を取得し、QoSコントローラ308に出力する。すなわち、メタ情報は、コンテンツに含まれている(後述する図8)。QoSコントローラ308は、メタ情報と嗜好情報記憶部303から供給される嗜好情報に基づいて、コンテンツを調整し、調整したコンテンツを送信部306に出力する。
【0063】
次に、図4乃至図7を参照して、図3のコンテンツ提供装置22-1が、図2のユーザ端末装置21-1にコンテンツを提供する処理を説明する。最初に、図4および図5のフローチャートを参照して、図2のユーザ端末装置21-1におけるコンテンツ再生処理について説明する。なお、この処理は、ユーザによりコンテンツの提供を開始する指令が入力部101に入力されたとき開始される。
【0064】
ステップS1において、入力部101は、ユーザからコンテンツの提供を開始する指令を受け付ける。
【0065】
ステップS2において、処理部105は、ユーザ端末装置21-1自身の端末情報を送信部104に供給する。送信部104は、この端末情報をネットワーク11を介してコンテンツ提供装置22-1に送信する。具体的には、ユーザ端末装置21-1のネットワーク環境、表示部107の解像度、処理部105の能力等の端末情報が送信される。
【0066】
ステップS3において、入力部101は、ユーザからのIDとPWの入力を受け付ける。このとき、例えば、表示部107にIDとPWの入力画面を表示させ、入力部101への入力を促すようにてもよい。
【0067】
ステップS4において、送信部104は、ステップS3の処理で入力部101が取得したIDとPWをネットワーク11を介してコンテンツ提供装置22-1に送信する。いまの例の場合、全ての(複数の)ユーザのIDとPWは、コンテンツ提供装置22-1の嗜好情報記憶部303に記憶されており、コンテンツ提供装置22-1側でIDとPWの認証が行なわれる。コンテンツ提供装置22-1は、このステップS4で送信部104により送信されたIDおよびPWを受信し、嗜好情報記憶部303に記憶されているIDおよびPWと一致するか否かを判定することにより、認証を行い、認証結果を送信してくる(後述する図6のステップS104,ステップS107、およびステップS108の処理)。
【0068】
そこで、ステップS5において、受信部106は、コンテンツ提供装置22-1から送信されてきた認証結果を、ネットワーク11を介して受信する。受信部106は受信した認証結果を処理部105に供給する。
【0069】
ステップS6において、処理部105は、認証が成功したか否か(認証結果がOKであるか否か)を判定する。認証が成功していない(認証結果がNGであった)と判定された場合、ステップS7において、表示部107はエラーを表示し、処理は終了される。
【0070】
ステップS6において、認証が成功した(認証結果がOKであった)と判定された場合、ステップS8において、入力部101は、ユーザからのコンテンツの選択を受け付ける。例えば、処理部105は、表示部107にコンテンツ(ジャンルでもよい)の選択画面を表示させたり、音声出力部108に選択を促す音声を出力させて、入力部101への入力を促す。例えば、ユーザにより、コンテンツA1,A2,・・・An(nは1以上の任意の自然数)の中から、コンテンツA1が選択されたとする。
【0071】
ステップS9において、送信部104は、選択されたコンテンツA1を要求する信号をネットワーク11を介してコンテンツ提供装置22-1に送信する。コンテンツ提供装置22-1はこれを受信すると、要求されたコンテンツを構成するサブコンテンツ(例えば、サブコンテンツA1-1-1)を送信してくる(後述する図7のステップS116)。コンテンツは、複数のサブコンテンツに分割されている。例えば、1つのサブコンテンツは、1つのシーンを示す複数のフレームにより構成される。なお、これに限らず、サブコンテンツを1つのフレームとし、複数のサブコンテンツにより1つのシーンが構成されるようにしてもよい。
【0072】
コンテンツ提供装置22-1からサブコンテンツが送信されると、ステップS10において、受信部106はサブコンテンツを受信する。いまの例の場合、サブコンテンツA1-1-1が受信される。
【0073】
ステップS11において、表示部107は、サブコンテンツA1-1-1に基づく画像を表示する。ステップS12において、音声出力部108は、サブコンテンツA1-1-1に基づく音声を出力する。
【0074】
ステップS13において、ユーザ嗜好センシング部102は、ユーザの嗜好をセンシングする。具体的には、ユーザの脈拍数、呼吸数、呼吸周期、手足の筋肉の緊張度、脳血流量、脳波、発汗量、皮膚温度、瞳孔径、開眼度、瞬き、表情、手足の血流量、耳たぶの血流量、または手足の温度等をセンシングする。
【0075】
ステップS14において、嗜好情報抽出部103は、ステップS13の処理でセンシングされた結果を取得し、これに基づいて、ユーザの動的嗜好情報を抽出する。ユーザは、ステップS11およびステップS12で再生されたサブコンテンツA1-1-1を視聴することで、何らかの感情をもつため、嗜好情報抽出部103は、ユーザが、このコンテンツ(サブコンテンツA1-1-1)に対して、どのような感情を持っているかを示す嗜好情報を抽出する。

【0089】
次に、図6および図7のフローチャートを参照して、図4および図5のユーザ端末装置21-1の処理に対応する、図3のコンテンツ提供装置22-1におけるコンテンツ提供処理について説明する。
【0090】
ステップS101において、受信部301は、ユーザ端末装置21-1から送信されてきた端末情報を受信する。この端末情報は、上述した図4のステップS2の処理で、ユーザ端末装置21-1の送信部104から送信されたものである。この端末情報には、ユーザ端末装置21-1のネットワーク環境、表示部107の解像度、処理部105の能力等の情報が含まれている。受信部301は、受信した端末情報を選択制御部304に送信する。この端末情報により、コンテンツ提供装置22-1は、ユーザ端末装置21-1にあった情報を、送信することができる。
【0091】
ステップS102において、受信部301は、ユーザ端末装置21-1から送信されてきたIDとPWを受信する。このIDとPWは、上述した図4のステップS3の処理で、ユーザにより入力され、ステップS4の処理で送信部104により送信されたものである。
【0092】
ステップS103において、認証登録部302は、ステップS102の処理で受信されたIDに対応するIDとPWを嗜好情報記憶部303から取得する。このIDとPWは、あらかじめユーザにより登録されているものである。
【0093】
ステップS104において、認証登録部302は、ステップS102の処理で受信されたIDおよびPW(図4のステップS3でユーザにより入力されたIDおよびPW)と、ステップS103の処理で取得されたIDおよびPW(あらかじめ嗜好情報記憶部303に記憶されているIDおよびPW)が一致するか否かを判定する。一致しないと判定された場合(図4のステップS3で入力されたIDとPWが間違っていた場合)、ステップS105において、認証登録部302は、認証の不成功を示す認証結果を出力する。送信部306は、この認証結果を、ネットワーク11を介してユーザ端末装置21-1に送信し、処理を終了する。ユーザ端末装置21-1は、この認証結果を受信し(図4のステップS5)、これに基づいて、認証が成功したか否かを判定する(図4のステップS6)。
【0094】
ステップS104において、IDおよびPWが一致すると判定された場合、ステップS107において、認証登録部302は、認証の成功を示す認証結果を送信部306に出力する。送信部306は、ステップS108において、この認証結果を、ネットワーク11を介してユーザ端末装置21-1に送信する。ユーザ端末装置21-1は、この認証結果を受信し(図4のステップS5)、これに基づいて、認証が成功したか否かを判定する(図4のステップS6)。
【0095】
ユーザ端末装置21-1は、図4のステップS6で認証が成功したと判定した場合、ステップS7において、コンテンツの選択を受け付け、ステップS8において、コンテンツの要求を送信する。
【0096】
そこで、コンテンツ提供装置22-1の受信部301は、ステップS109において、コンテンツの要求を受信し、この要求を選択制御部304に送信する。
【0097】
ステップS110において、選択制御部304は、ステップS103の処理で取得したIDおよびPW(認証が成功したときのIDおよびPW)に対応する、ユーザの静的嗜好情報を、嗜好情報記憶部303から取得する。ユーザは、あらかじめ自分のIDおよびPWとともに、自分自身の嗜好情報を、嗜好情報記憶部303に登録している。このように、あらかじめ登録されている嗜好情報を、以下、静的嗜好情報と称す。嗜好情報記憶部303に記憶される静的嗜好情報の例を、図8に示す。
【0098】
図8には、1人のユーザの静的嗜好情報400が示されている。静的嗜好情報400には、ユーザのIDおよびPWの他、ジャンル情報411および装置情報412が含まれている。
【0099】
図8の例の場合、ジャンル情報411のコンテンツのジャンルは、「スポーツ」、「ホラー」、および「ニュース」により構成され、それぞれのジャンルに対する画質、画像処理、音質、CPU(Central Processing Unit)処理能力、およびコストが登録されている。なお、画質は、Aがもっとも高画質であり、Cがもっとも低画質である(画質の高さは、A>B>Cである)。また、CPUの処理能力は、ユーザにより設定されるのではなく、画質、画像処理、音質、およびコスト等の情報に基づいて、コンテンツ提供装置22-1側が設定するものであり、CPUの能力がどの位必要であるかを示すパラメータである。
【0100】
ジャンルが「スポーツ」とされる場合、その画質は「A」とされ、画像処理は「動き優先」とされ、音質は「通常」とされ、CPU処理能力は「大」とされ、コストは「通常」とされる。また、ジャンルが「ホラー」とされる場合、その画質は「A」とされ、画像処理は「ぼかし」とされ、音質は「小さく」とされ、CPU処理能力は「大」とされ、コストは「通常」とされる。さらに、ジャンルが「ニュース」とされる場合、その画質は「C」とされ、画像処理は「なし」とされ、音質は「大きく」とされ、CPU処理能力は「小」とされ、コストは「低く(安く)」とされる。
【0101】
装置情報412の種類は、「PDA(Personal Digital Assistant)」、「TV(Television)」、および「PC(Personal Computer)」により構成され、それぞれの装置に対する画質、画像処理、音質、CPU処理能力、およびコストが登録されている。
【0102】
装置が「PDA」とされる場合、その画質は「C」とされ、画像処理は「小」とされ、音質は「低い」とされ、CPU処理能力は「小」とされ、コストは「小(安い)」とされる。また、装置が「TV」とされる場合、その画質は「B」とされ、画像処理は「中」とされ、音質は「高い」とされ、CPU処理能力は「中」とされ、コストは「中」とされる。さらに、装置が「PC」とされる場合、その画質は「A」とされ、画像処理は「大」とされ、音質は「中」とされ、CPU処理能力は「大」とされ、コストは「大(高い)」とされる。
【0103】
このように、ユーザの静的嗜好情報には、画質の嗜好やコストの嗜好も含まれるようにした場合、画質を課金(コスト)と連動させて、ネットワーク帯域を使いすぎないように制御(調整)することができ、もって、ユーザが自分の希望するコストの範囲でコンテンツを得ることができるために満足度を上げることができる。
【0104】
ステップS110においては、選択制御部304は、図8に示されるような静的嗜好情報400の中から、ステップS101の処理で取得した端末情報に対応する装置の情報を、装置情報412から取得するとともに、ステップ109の処理で受信したコンテンツの要求に対応するジャンルの情報を取得する。そして、取得した情報と、端末情報(ステップS101の処理で、受信部301が受信した端末情報)をQoSコントローラ308に供給する。選択制御部304は、例えば、装置がTVである、ジャンルがホラーである情報を取得する。
【0105】
次に、ステップS111において、QoSコントローラ308は、コンテンツの処理方法を決定する。具体的には、QoSコントローラ308は、ステップS101の処理で受信された端末情報(ユーザ端末装置21-1のネットワーク環境、表示部107の解像度、処理部105の能力等の情報)およびステップS110の処理で、選択制御部304が取得した静的嗜好情報(例えば、図8の静的嗜好情報400のうち、装置がTVである情報とジャンルがホラーである情報)に基づいて、コンテンツ処理方法を決定する。例えば、ジャンルがホラーである静的嗜好情報には、画像処理を「ぼかし」とする情報や、画質をA(高画質)とする情報が含まれており、装置がTVである静的嗜好情報には、画像処理を「中」とする情報や、画質を「B」とする情報が含まれているので、これらの平均とする画質や画像処理を行なうような、処理方法を決定する。また、例えば、端末情報に、ネットワークを介する伝送において、利用可能帯域が少ないといった情報が含まれていた場合、QoSコントローラ308は、さらに、画質を落とす処理をコンテンツの処理方法とする。
【0106】
ステップS112において、選択制御部304は、ステップS110の処理で取得した静的嗜好情報に基づいて、コンテンツサーバ305からサブコンテンツ(いまの例の場合、サブコンテンツA1-1-1)を取得する。ステップS8の処理で、ユーザ側により要求されたコンテンツ(例えば、コンテンツA1)には、タイトルが同じであっても、ストーリの異なる複数のコンテンツ(A1-1,A1-2,・・・,A1-k(kは1以上の任意の自然数))が存在する。ここでは、複数のコンテンツそれぞれを構成する複数のサブコンテンツ(いまの例の場合、複数のコンテンツのそれぞれ先頭のサブコンテンツA1-1-1,A1-2-1,・・・,A1-k-1)の中から、1つのサブコンテンツ(いまの例の場合、サブコンテンツA1-1-1)が選択制御部304により選択される。静的嗜好情報に、例えば、ホラーのコンテンツを好まない情報が含まれていた場合(図8において、ホラージャンルの画像処理が「ぼかし」とされていた場合)、選択制御部304は、コンテンツサーバ305に記録されている複数のコンテンツの中から、怖い情報を抜いたコンテンツ(ホラーのシーンにぼかしが入っていたり、怖いストーリのシーンが別のシーンに差し替えられているコンテンツ)を選択する。
【0107】
すなわち、コンテンツサーバ305には、同じコンテンツであっても、ストーリが異なるコンテンツA1-1乃至A1-kが記録されており、選択制御部304は、ストーリが異なる複数のコンテンツの中から、ユーザの嗜好にあったストーリのコンテンツを選択する(そして、さらにそのコンテンツA1-1の中のサブコンテンツを順次選択する)。
【0108】
ステップS113において、メタ情報取得部307は、図9に示されるようなサブコンテンツ450(いまの例の場合、サブコンテンツA1-1-1に対応するサブコンテンツ)からメタ情報462を取得する。図9の例の場合、サブコンテンツ450は、サブコンテンツヘッダ451とサブコンテンツデータ452により構成されている。サブコンテンツヘッダ451はまた、ユニークID情報461およびメタ情報462により構成されている。また、メタ情報462には、サブコンテンツ属性情報471が少なくとも含まれている。サブコンテンツ属性情報471は、サブコンテンツ継続長情報481、サブコンテンツ種別情報482、および処理情報483により構成されている。
【0109】
ユニークID情報461のフレームには、サブコンテンツ450を特定するための識別番号が格納される。サブコンテンツ継続長情報481のフレームには、サブコンテンツデータ452の継続時間が格納される。サブコンテンツ種別情報482のフレームには、サブコンテンツの種別(ジャンル)が格納されるとともに、サブコンテンツを説明するための情報(例えば、どの程度の恐怖を与えるサブコンテンツであるか否かを示す情報)が格納されている。処理情報483のフレームには、コンテンツデータ452の処理方法に関する情報が格納される。処理情報483のフレームに格納される処理方法に関する情報は、上述した図6のステップS111で、QoSコントローラ308が決定した処理方法とは異なり、このサブコンテンツ450に予め設定されている処理方法である。サブコンテンツデータ452のフレームには、サブコンテンツのデータが格納される。
【0110】
図9の例の場合、メタ情報462のフレームは、上述したような、サブコンテンツ継続長情報481のフレーム、サブコンテンツ種別情報482のフレーム、および処理情報483のフレームにより構成されるサブコンテンツ属性情報471のフレームを少なくとも含む。
【0111】
上述したように、1つのコンテンツ(例えば、図6のステップS109で要求された1つのコンテンツ)は、複数のサブコンテンツ(サブコンテンツ450)により構成される。具体的には、1つのコンテンツA1には、コンテンツA1-1乃至A1-kのk個のコンテンツが対応している。また、コンテンツA1-1は、サブコンテンツA1-1-1乃至A1-1-mにより構成され、コンテンツA1-2は、サブコンテンツA1-2-1乃至A1-2-mにより構成され、コンテンツA1-kは、サブコンテンツA1-k乃至A1-k-mにより構成される。コンテンツA1-3乃至コンテンツA1-(k-1)については、同様であるのでその説明は省略する。コンテンツA1-1乃至A1-kは、それぞれ別々のストーリであり、例えば、サブコンテンツA1-1-1乃至A1-1-mの全てを再生すると、1つの同じストーリのコンテンツA1-1となる。なお、サブコンテンツA1-1-1の続きを、サブコンテンツA1-3-2とし、さらにその続きを、サブコンテンツA1-k-3等のように、ストーリを換えて、選択制御部304が選択するようにしてもよい。
【0112】
サブコンテンツ450には、それぞれ、ジャンルやサブコンテンツを説明するための情報(サブコンテンツ種別情報482)が付加されており、この情報に基づいて、サブコンテンツが調整される。なお、メタ情報462に含まれる処理情報483は、サブコンテンツ450に予め設定されているものである。
【0113】
図7に戻って、ステップS114において、QoSコントローラ308は、メタ情報取得部307からメタ情報471(ステップS113の処理で、メタ情報取得部307が取得したメタ情報471)を取得する。このメタ情報471には、サブコンテンツ450に関する情報が含まれている。
【0114】
ステップS115において、QoSコントローラ308は、ステップS111の処理で決定した処理方法と、処理情報483のフレームに格納されている処理方法に基づいて、新たな処理方法を求め、この処理方法と、サブコンテンツ種別情報482に基づいて、サブコンテンツ450を調整(制御)する。具体的には、QoSコントローラ308は、ステップS111の処理で決定した処理方法と、処理情報483に格納されている処理方法をまとめる(合わせる)とともに、サブコンテンツ種別情報482が示すサブコンテンツの内容に基づいて、そのサブコンテンツの音量を小さくしたり、そのサブコンテンツ(いまの例の場合、サブコンテンツA1-1-1)を「ぼかす」などの調整を行なう。これにより、ユーザの静的嗜好情報に基づいて、サブコンテンツを調整することができる。なお、このとき、制御範囲でない(制御の必要のない)フレームは、制御(調整)を行なわずに、スキップされる。
【0115】
ステップS116において、送信部306は、ステップS115の処理で調整されたサブコンテンツ(いまの例の場合、サブコンテンツA1-1-1)を、ネットワーク11を介してユーザ端末装置21に送信する。ユーザ端末装置21-1は、これを受信し、再生するとともに、このサブコンテンツを視聴しているユーザの動的嗜好情報を抽出し、コンテンツ提供装置22-1に送信してくる。
【0116】
そこで、ステップS117において、コンテンツ提供装置22-1の受信部301は、ユーザ端末装置21-1から送信されてきた動的嗜好情報を受信する。ステップS118において、認証登録部302は、動的嗜好情報を、静的嗜好情報に変換して更新する。認証登録部302は、例えば、動的嗜好情報に、ホラーのコンテンツに対し、ユーザがより大きな恐怖を抱いていたとの情報が含まれていた場合、図8のホラーに対する画質をBに下げるなどの処理を実行し、これを静的嗜好情報として更新する。図8の例の場合、ジャンルがホラーである画質が、AからBに変更され、更新される。
【0117】
ステップS119において、QoSコントローラ308は、ステップS117の処理で受信された動的嗜好情報に基づいて、再度、コンテンツ処理方法を決定する。例えば、動的嗜好情報に、ホラーの場面(サブコンテンツの中の所定のフレーム)に対し、ユーザがより大きな恐怖を抱いていたとの情報が含まれていた場合、図8のホラーに対する画質をさらに下げるなどの処理方法を決定する。なお、いまの例では、QoSコントローラ308が、動的嗜好情報に基づいて、コンテンツ処理方法を再度決定するようにしたが、これに限らず、静的嗜好情報と動的嗜好情報に基づいて、コンテンツ処理方法を再度決定するようにしてもよい。処理方法が変更された場合、上述したように、サブコンテンツA1-1-1の次のサブコンテンツが、サブコンテンツA1-3-2に選択されるような場合も生じる。
【0118】
ステップS120において、選択制御部304は、コンテンツが終了したか否かを判定する。具体的には、図6のステップS109で要求された1つのコンテンツ(コンテンツA1)に対応する複数のサブコンテンツ(m個のサブコンテンツ)を、全てユーザ端末装置21-1に送信し終えたか否かが判定される。コンテンツが終了していないと判定された場合、処理はステップS112に戻りそれ以降の処理が繰り返される。すなわち、静的嗜好情報に基づいて、サブコンテンツが取得され、メタ情報と、決定された処理方法に基づいて、サブコンテンツが調整され、ユーザ端末装置21-1に送信される。そして、そのサブコンテンツを視聴したユーザの動的嗜好情報が取得され、動的嗜好情報に基づいて、再度、サブコンテンツの処理方法が決定される。このように、静的嗜好情報と動的嗜好情報に基づいて、コンテンツが調整され、ユーザ端末装置21-1に送信される。
【0119】
すなわち、静的嗜好情報に基づいて、サブコンテンツが取得され、メタ情報と、決定された処理方法に基づいて、サブコンテンツが調整され、ユーザ端末装置21-1に送信される。そして、そのサブコンテンツを視聴したユーザの動的嗜好情報が取得され、取得された動的嗜好情報に基づいて、再度、サブコンテンツの処理方法が決定される。このように、静的嗜好情報と動的嗜好情報に基づいて、コンテンツが調整され、ユーザ端末装置21-1に送信される。
【0120】
なお、2回目以降のステップS112の処理で、選択制御部304が、静的嗜好情報だけでなく、静的嗜好情報と動的嗜好情報を合わせた情報に基づいて、次のサブコンテンツ(例えば、サブコンテンツA1-1-2)を選択するようにしてもよい。

(イ-2)刊行物2の記載
当審における拒絶の理由の通知において引用された特開2005-130196号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている。

【0031】
端末情報16は、映像端末5に固有で、標準的なデータ定義に従って記述される情報として映像端末5から標準的な手順に従ってコンテンツ配信サーバ4に送信される。端末情報16は、少なくとも、映像端末5の表示可能な時間・空間解像度や、受信可能な映像データフォーマット、例えば符号化方式やビットレートなどを含んでいる。また、映像端末5とコンテンツ配信サーバ4とをつなぐネットワークの状況(QoS)の情報を含むこともある。
【0032】
コンテンツ配信サーバ4では、映像フォーマット判定部17がコンテンツ視聴権12を解析し、送信すべき映像データ7の情報(ロケータや再生開始時刻など)を取得する。また、端末情報16に従って、映像端末5に送信すべき映像データ7の最適なデータフォーマット、すなわち適応化映像データ18のデータフォーマットを決定する。データフォーマットの種別には、例えばMPEG-4、MPEG-2、Motion-JPEG、JPEG、Windows(登録商標) Media Video、DivXなどがある。また、画面サイズにあわせた解像度等もフォーマット情報の一部である。次に、決定した送出映像データフォーマットに対して、コンテンツ配信サーバ4自身からそのまま送出可能な映像データか、自分自身でリアルタイムに映像データフォーマットの変換を行いながら送出すべきデータか、あるいは他と連携して動作する別のサーバから送出することが適当な映像データか、などの判断を行い、映像フォーマット変換部19にフォーマット情報20を送信し、送信すべき映像データ7の情報(ロケータや再生開始時間)を映像データサーバ21に送信する。映像データの送出時に、前記のネットワークの状況(QoS)に従い送出することもある。
【0033】
映像データサーバ21は、映像データのロケータ情報で指示される場所に格納される映像データ7を要求された再生開始時間から、映像フォーマット変換部19に送信する。
【0034】
映像フォーマット変換部19は、映像データサーバ21からの映像データ7を、映像フォーマット判定部17からのフォーマット情報20で示される映像データフォーマットに変換したものを、適応化映像データ18として映像端末5に送信する。なお、フォーマット変換の必要がない場合には映像データ7がそのまま適応化映像データ18として映像端末5に送信される。

(ウ)刊行物に記載された発明
以上の記載によれば、刊行物1には次の発明(以下、刊行物1発明という。)が記載されている。

(ウ-1)刊行物1の【0001】-【0008】、【0051】等の記載によれば、刊行物1には、「ネットワーク上のサーバからユーザ端末にコンテンツを提供する、コンテンツ提供装置におけるコンテンツを提供する方法」に関する発明が開示されているといえる。

刊行物1の【0057】-【0120】には、コンテンツ提供装置22-1におけるコンテンツ提供処理のステップとして、以下の処理を行うことが開示されているから、これを以下検討する。

(ウ-2)刊行物1の【0091】-【0093】、【0097】の記載によれば、コンテンツ提供装置で行う処理として、ユーザのIDとPW(パスワード)を受信し、これにより、ユーザの認証を行うこと、および、上記IDとPWに対応するユーザの静的嗜好情報が、嗜好情報記憶部に登録されていることが開示されている。上記静的嗜好情報は、ユーザがあらかじめ自分のIDおよびPWとともに登録していることも開示されているから、登録するためには上記静的嗜好情報を受信していることは明らかである。
そうすると、刊行物1のコンテンツ提供装置は、ユーザのIDとPWおよび、当該IDとPWに対応する静的嗜好情報を受信し登録するステップを有している。

(ウ-3)刊行物1の【0096】の記載によれば、コンテンツ提供装置はコンテンツの要求を受信している。
刊行物1の【0061】の記載によれば、上記要求されるコンテンツ(例えば、コンテンツA1)は、コンテンツサーバに記録されているコンテンツであって、同じコンテンツA1であっても、記録レートや「怖い箇所(シーン)が変更されている(別のストーリに変更されている)」すなわち、ホラーの恐怖の度合いが異なるコンテンツとして、複数のコンテンツ(コンテンツA1-1乃至A1-k(kは1以上の任意の自然数))として記録されていることが開示されていて、刊行物1の【0106】、【0111】の記載によれば、上記コンテンツA1-1乃至A1-kは、複数のコンテンツそれぞれを構成する複数のサブコンテンツ(コンテンツA1-1は、サブコンテンツA1-1-1乃至A1-1-mにより構成され、コンテンツA1-2は、サブコンテンツA1-2-1乃至A1-2-mにより構成され、コンテンツA1-kは、サブコンテンツA1-k-1乃至A1-k-mにより構成される。)から成ることも開示されている。
上記のとおり、kは1以上の任意の自然数であるから、k=2の場合を引用文献1に記載された発明として認定すれば、コンテンツA1は、記録レートが異なるコンテンツとしてA1-1とA1-2の二つのコンテンツを有し、さらにA1-1およびA1-2は、それぞれサブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m、サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-mから成ることが開示されている。
そして、刊行物1の【0106】の記載によれば、ユーザにより、コンテンツ(A1)が要求されると、静的嗜好情報に基づいて、A1-1乃至A1-kから、コンテンツを選択(例えば、先頭のサブコンテンツA1-1-1が選択され)することが記載されている。
以上まとめると、刊行物1に記載されたコンテンツ提供装置は、コンテンツ(A1)の要求を受信するステップを有するものであって、上記要求を受信すると、記録レートやホラーの恐怖の度合いが異なるコンテンツとしてA1-1とA1-2の二つのコンテンツを有し、さらにA1-1およびA1-2は、それぞれサブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m、サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-mから成るコンテンツA1から、静的嗜好情報に基づいて、コンテンツを選択する(例えばA1-1-1を選択する)ステップを有している。

(ウ-4)刊行物1の【0111】の記載によれば、「サブコンテンツA1-1-1の続きを、サブコンテンツA1-3-2とし、さらにその続きを、サブコンテンツA1-k-3等のように、ストーリを換えて、選択制御部304が選択するようにしてもよい。」とあって、上記1ないしmの順に選択されたコンテンツ(A1-1、あるいはA1-2)は、ユーザ端末でその順に再生されていることは、下記の(ウ-5)のとおりであるから、コンテンツA1を選択することは、「サブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m」と「サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-m」から、1ないしmが再生される間、コンテンツA1-1とコンテンツA1-2とから(サブ)コンテンツを適宜選択しているといえる。
したがって、上記(ウ-3)で検討したコンテンツ(A1)を選択するステップは、「サブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m」と「サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-m」から、1ないしmが再生される間、コンテンツA1-1とコンテンツA1-2とを適宜選択することを含むステップであることが開示されている。

(ウ-5)刊行物1の【0115】の記載によれば、選択されたサブコンテンツ(A1-1-1)は、ネットワークを介してユーザ端末に送信され、ユーザ端末では上記サブコンテンツを受信し再生をしているから、コンテンツ提供装置はサブコンテンツ(A1-1-1)を伝送するステップを有している。
また、【0117】、【0118】の記載によれば、要求された1つのコンテンツ(コンテンツA1)に対応する複数のサブコンテンツ(m個のサブコンテンツ)を、全てユーザ端末装置21-1に送信し終えるまで、コンテンツA1-1あるいはコンテンツA1-2を適宜選択して送信することも開示されている。
以上のことから、刊行物1のコンテンツ提供装置は、要求された1つのコンテンツ(コンテンツA1)を伝送するステップを有しており、上記伝送するステップは、上記要求された1つのコンテンツに対応する複数のサブコンテンツ(m個のサブコンテンツ)を、コンテンツA1-1あるいはコンテンツA1-2を適宜選択しながら伝送するステップであることが開示されている。

(ウ-6)まとめ
以上まとめると、刊行物1発明として、以下のとおりのものを認定することができる。((a)ないし(g)は当審において付与し、以下「構成要件(a)」等として引用する。)

(a)ネットワーク上のサーバからユーザ端末にコンテンツを提供する、コンテンツ提供装置におけるコンテンツを提供する方法であって、
(b)ユーザのIDとPWおよび、当該IDとPWに対応する静的嗜好情報を受信し登録するステップと、
(c)コンテンツ(A1)の要求を受信するステップと、
(d)上記コンテンツの要求を受信すると、記録レートやホラーの恐怖の度合いが異なるコンテンツとしてA1-1とA1-2の二つのコンテンツを有し、さらにA1-1およびA1-2は、それぞれサブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m、サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-mから成るコンテンツA1から、静的嗜好情報に基づいて、コンテンツを選択する(例えば、先頭のサブコンテンツA1-1-1を選択する)ステップを有し、
(e)コンテンツ(A1)を選択するステップは、「サブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m」と「サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-m」から、1ないしmが再生される間、コンテンツA1-1とコンテンツA1-2とを適宜選択することを含むステップであり、
(f)要求された1つのコンテンツ(A1)を伝送するステップを有しており、上記伝送するステップは、上記要求された1つのコンテンツに対応する複数のサブコンテンツ(m個のサブコンテンツ)を、コンテンツA1-1あるいはコンテンツA1-2を適宜選択しながら伝送するステップである、
(g)ことを含む方法。

(エ)対比
本願発明1と刊行物1発明とを対比する。

(エ-1)本願発明1の構成要件(A)、(G)と刊行物1発明の構成要件(a)、(g)とを対比する。
刊行物1発明のコンテンツ提供装置は、刊行物1の【0057】、【0058】の記載によれば、「受信部301、認証登録部302、嗜好情報記憶部303、選択制御部304、コンテンツサーバ305、送信部306、メタ情報取得部307、およびQoSコントローラ308」が設けられたものであり、コンテンツサーバを有するコンテンツ提供装置は、「プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイス」と称しても良いことは明らかであるから、上記コンテンツ提供装置におけるコンテンツを提供する方法は、コンテンツ提供装置によって実行されるコンテンツの提供の方法であって、構成要件(b)ないし(f)を含む方法であるから、本願発明1の構成要件(A)、(G)に相当する。

(エ-2)本願発明1の構成要件(B)と刊行物1発明の構成要件(b)とを対比する。
刊行物1発明では、静的嗜好情報を受信している。上記静的嗜好情報は、構成要件(d)を参酌すると、記録レートやホラーの恐怖の度合いが異なるコンテンツA1-1あるいはA1-2のいずれのサブコンテンツを選択するかの判断の基となる情報である。
記録レートは、コンテンツの圧縮のレベルを表しているといえるから、静的嗜好情報は、圧縮レベルやホラーの恐怖の度合いが、A1-1というタイプのコンテンツ、あるいは、A1-2というタイプのコンテンツのいずれを選択するかを指示しているといえ、これにより、例えば、A1-1というタイプのコンテンツを選択するための静的嗜好情報を受信することは「所望の圧縮レベルと恐怖の度合いである第1のコンテンツタイプのコンテンツを選択する指示を受信」していることであり、このことは、本願発明1の「第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信すること」と対比すると、「圧縮レベルに関連して、第1のコンテンツタイプについての指示を受信」している点で共通する。
もっとも、本願発明1では、上記指示の受信が「第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信すること」であるのに対し、刊行物1発明では、「所望の圧縮レベルと恐怖の度合いである第1のコンテンツタイプのコンテンツを選択する指示を受信すること」である点で相違する。
また、刊行物1発明においても上記受信に関して、受信のための処理手段を有していることは明らかであり、当該処理手段が、コンテンツ提供装置が有する上記(エ-1)で検討したプロセッサであることは普通に想定できるから、前記プロセッサにより受信している点も、刊行物1発明と相違がないといえる。
また、刊行物1発明では、圧縮レベルについて「記録レート」と定義されるのみであるから「前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する」という特定事項を有していない。
以上まとめると、刊行物1発明は、「前記プロセッサにより圧縮レベルに関連して、第1のコンテンツタイプについての指示を受信」している点で、本願発明1と共通している。
もっとも、上記指示の受信が、本願発明1では、「第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信すること」であるのに対し、刊行物1発明では、「所望の圧縮レベルと恐怖の度合いである第1のコンテンツタイプのコンテンツを選択する指示を受信すること」である点、圧縮レベルについて、本願発明では、「前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する」という特定事項を有しているのに対し、刊行物1発明では当該構成を有していない点で相違する。

(エ-3)本願発明1の構成要件(C)と刊行物1発明の構成要件(c)ないし(e)とを対比する。
刊行物1発明は、コンテンツ(A1)の要求を受信するステップを有している。
上記要求されたコンテンツ(A1)は、A1-1およびA1-2という異なるタイプのコンテンツから成り、各異なるタイプのコンテンツA1-1およびA1-2は、それぞれ、サブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m、サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-mから成っている。
上記サブコンテンツは、各コンテンツのシーンと称してもよく、コンテンツA1が1ないしmと再生される間、コンテンツA1-1のサブコンテンツである「サブコンテンツA1-1-1ないしA1-1-m」とコンテンツA1-2のサブコンテンツである「サブコンテンツA1-2-1ないしA1-2-m」が適宜選択されうるのであるから、A1-1のサブコンテンツが選択された部分をコンテンツタイプがA1-1(第1のコンテンツタイプ)である第1のシーンと称し、A1-2のサブコンテンツが選択された部分をコンテンツタイプがA1-2(第2のコンテンツタイプ)である第2のシーンと称することができることは明らかである。
してみると、刊行物1発明において、コンテンツ(A1)の要求を受信するステップは、第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することといえるからこの点で、本願発明1の構成要件(C)と相違がない。

(エ-4)本願発明1の構成要件(D)、(E)と刊行物1発明とを対比する。
刊行物1発明では、リアルタイムでコンテンツの圧縮方法を選択し、上記選択された圧縮方法によって圧縮する構成を有していないから、刊行物1発明は、構成要件(D)、(E)を有していない。

(エ-5)本願発明1の構成要件(F)と刊行物1発明の構成要件(f)とを対比する。
刊行物1発明は、要求された1つのコンテンツ(A1)を伝送するステップを有しているから、「前記コンテンツを伝送すること」を有している。
当該コンテンツ(A1)は、第1の部分であるコンテンツA1-1のサブコンテンツと第2の部分であるコンテンツA1-2のサブコンテンツとを有しており、第1の部分(コンテンツA1-1のサブコンテンツ)と第2の部分(コンテンツA1-2のサブコンテンツ)とは記録レートが異なるのであるから、異なる圧縮方法であり、第1の部分(コンテンツA1-1のサブコンテンツ)の記録レート(圧縮方法)を第1の圧縮方法、第2の部分(コンテンツA1-2のサブコンテンツ)の記録レート(圧縮方法)を第2の圧縮方法と称することができ、各部分を適宜選択しながら伝送しているから、第1の部分と第2の部分とを伝送していることも明らかである。
したがって、刊行物1発明は、「前記コンテンツを伝送することであって、前記コンテンツの前記第1の部分は第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、伝送すること」を有している点で、本願発明1と対応している。
もっとも、「第1の圧縮方法」、「第2の圧縮方法」が、本願発明1では、「前記第1の圧縮方法」、「前記第2の圧縮方法」、すなわち、構成要件(D)、(E)で特定される圧縮方法であるのに対し、刊行物1発明では、上記構成要件(D)、(E)に相当する構成を有していないから、「前記第1の圧縮方法」、「前記第2の圧縮方法」ではない点で相違する。

(エ-6)まとめ(一致点・相違点)
以上まとめると、本願発明1と刊行物1発明とは以下の一致点で一致し相違点で相違する。

(一致点)
プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
圧縮レベルに関連して、第1のコンテンツタイプについての指示を受信することと、
少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することと、
前記コンテンツを伝送することであって、前記コンテンツの前記第1の部分は第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、伝送することと
を含む方法。

(相違点)
(相違点1)
上記指示の受信が、本願発明1では、「第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信すること」であるのに対し、刊行物1発明では、「所望の圧縮レベルと恐怖の度合いである第1のコンテンツタイプのコンテンツを選択する指示を受信すること」である点、圧縮レベルについて、本願発明1では、「前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する」という特定事項を有しているのに対し、刊行物1発明では当該構成を有していない点

(相違点2)
本願発明1は「前記コンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、前記コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択することであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、選択することと」、「前記選択された圧縮方法に従って前記コンテンツの各部分を圧縮することと」の構成を有しているのに対し、刊行物1発明は、当該構成を有していない点

(相違点3)
「第1の圧縮方法」、「第2の圧縮方法」が、本願発明1では、「前記第1の圧縮方法」、「前記第2の圧縮方法」、すなわち、構成要件(D)、(E)で特定される圧縮方法であるのに対し、刊行物1発明では、上記構成要件(D)、(E)に相当する構成を有していないから、「前記第1の圧縮方法」、「前記第2の圧縮方法」ではない点

(オ)判断
上記相違点について検討する。
相違点1ないし相違点3に関して、総合的に判断すると、本願発明1では、コンテンツの第1の部分が有する第1のコンテンツタイプの第1のシーンと第2の部分が有する第2のコンテンツタイプの第2のシーンとは、コンテンツのタイプに応じてリアルタイムで異なる圧縮方法で圧縮をして伝送することが可能であるのに対し、刊行物1発明では、コンテンツA1の異なるコンテンツタイプのA1-1とA1-2とは、それぞれ異なるシナリオ(コンテンツタイプ)であって、上記シナリオに合った異なる圧縮方法を用いて既に圧縮された構成であって、コンテンツタイプに応じてリアルタイムで異なる圧縮方法で圧縮して伝送する構成でない点で異なるから、相違点1ないし相違点3の相違点が生じているものと認めることができる。
そして、刊行物1発明は、異なるコンテンツタイプのA1-1とA1-2とは、異なるシナリオであって、上記シナリオに合う符号化方法を用いて、既に圧縮されていることを前提とした発明であって、これらの異なるシナリオのA1-1とA1-2に対して、シナリオに応じてリアルタイムで異なる圧縮方法で圧縮を行うことは想定することができず、刊行物2に、コンテンツ配信サーバがコンテンツを配信する際に、一つのコンテンツを、所望の圧縮フォーマットで圧縮して送信することが開示されているとしても、当該刊行物2に記載された技術思想を刊行物1発明に組み合わせて、異なるコンテンツタイプのA1-1とA1-2について、送信時にリアルタイムで異なる圧縮方法で圧縮することは想定することができないのであるから、本願発明1は、刊行物1発明及び刊行物2に記載された技術思想から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

以上のとおり、本願発明1は、刊行物1、刊行物2の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるということはできない。

(カ)他の請求項について
本願発明2-8は、本願発明1をさらに限定したものであるので、本願発明1と同様に、当業者が刊行物1、刊行物2の記載に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願発明9は方法の発明である本願発明1のカテゴリをシステムのカテゴリとした発明であって、本願発明1で検討した相違点に相当する構成を含むものであるから、本願発明1で検討したのと同様に、当業者が刊行物1、刊行物2の記載に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
さらに、本願発明10-13は、本願発明9をさらに限定したものであるので、本願発明9と同様に、当業者が刊行物1、刊行物2の記載に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

第4 原審での査定の理由についての検討
(ア)
上記第3 2.(ア)で認定した本願発明1について検討する。

(イ)刊行物の記載事項
(イ-1)刊行物Aの記載
原審で審査官が引用した特開2006-311078号公報(以下、「刊行物A」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。)

【0001】
本発明は、デジタル画像データを効率良く記録することが可能な高能率符号化記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル化された映像の画像データに対して高能率な符号化を施して情報を圧縮することにより、長時間のコンテンツを記録媒体に記録したり、衛星回線、地上回線、および電話回線などの伝送路で送受信したりするサービスが多く利用されている。これらのサービスにおいては、動画像および音声の高能率符号化方式として国際規格であるMPEG2、MPEG4-ASP、MPEG4-AVCなどが用いられている。これらの規格では、隣接画素(空間方向)の相関、および、隣接フレーム間もしくは隣接フィールド間(時間方向)の相関を利用して情報量を圧縮する画像符号化方式が用いられている。

【0024】
画像ビットストリームバッファ210は、マルチプレクサ209から受信された出力画像ビットストリームを格納し、必要に応じて記録媒体もしくは伝送路211に送信する。

【0049】
また特許文献2には、テレビ番組を記録媒体に録画する場合に番組別に符号化レートを変動させる方法が記載されている。この方法は、番組内容に依存して大まかな符号化難易度の傾向があることを利用するものである。処理が行われる際は、電子番組ガイド(以下「EPG」と称する)から番組ジャンル情報が取得され、この情報を基準に好ましい符号化レートがテーブルから参照され、その符号化レートで符号化処理が行われる。
【0050】
これらの方法により、設定された符号化レートに対して無駄な符号化情報を省いたり、予め認識できるコンテンツの情報を使用したりすることが可能になり、大局的な制御を行うことができる。
【特許文献1】特許3307367号
【特許文献2】特開2002-44604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0051】
しかし、上記の特許文献1または特許文献2に記載の方法では、瞬間的に符号化難易度が高くなるシーンに対する符号化処理については改善されていなかった。そのため、シーンに応じて時間方向相関を高める方法や、画像の特性に応じた情報の削減に関する方法は考慮されていないという欠点があった。
【0052】
具体的には、特許文献1に示されるような高能率符号化記録装置は将来入力されるデータを事前に知ることができない構成となっているため、瞬間的に符号化難易度の高いシーンが入力された場合に圧縮率を高めて画質の劣化を低減させることが困難であるという問題があった。
【0053】
また、特許文献2に示されるような高能率符号化記録装置は、番組のジャンル情報に依存して番組ごとに1つの設定を行うため、1つのジャンルの番組を1つの記録媒体全体に記録する際には有効ではないという問題があった。さらに、ジャンルによって区分けされた番組の中にもシーン毎に特徴が存在するため、1つの番組中が同一の制御では充分な効果が発揮されず、例えば瞬間的に符号化難易度が高いシーンが入力されたときにシーンに合わせた有効な制御ができないという問題もあった。これら以外にも、EPG情報が存在しない入力ソースはジャンル情報が取得できないため、有効な処理ができないという問題もあった。
【0054】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シーンごとに符号化の制御を行うことにより、少ない符号量で最適な符号化処理を行う高能率符号化記録装置を提供することを目的とする。

【0063】
〈高能率符号化記録装置10の構成〉
本発明の第1実施形態における高能率符号化記録装置10の構成について図1を参照して説明する。本実施形態における高能率符号化記録装置10は、EPG情報入力端子101と、番組情報取得回路102と、ジャンル/キーワード検索回路103と、シーン情報データベース(記録媒体)104と、画像特性算出回路105と、シーン検出回路106と、シーン分別回路107と、データベース管理回路108と、符号化制御パラメータ補正回路109と、符号化シンタックス制御回路110と、ジャンル予測回路111と、対象画像入力端子201と、入力画像メモリ202と、2次元ブロックデータ変換回路203と、減算器204と、直交変換回路205と、量子化回路206と、符号化回路207と、符号化テーブル208と、マルチプレクサ209と、画像ビットストリームバッファ210と、記録媒体もしくは伝送路211と、逆量子化回路212と、逆直交変換回路213と、加算器214と、デブロック回路215と、参照画像メモリ216と、動きベクトル検出回路217と、動き補償予測回路218と、符号量制御回路219とを有する。このうち、対象画像入力端子201以降に記載の構成要件は図12に示す従来の画像符号化記録装置と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
EPG情報入力端子101は、EPG情報を入力して番組情報取得回路102に送信する。EPG情報は、地上アナログ放送の特定チャンネル・特定時刻にTV映像信号のブランキング区間に同期データとともに送信されてくる情報や、地上・BSデジタル放送でパケット化された符号化データであるTS(トランスポートストリーム)と呼ばれるデータの中に特定の識別情報とともに周期的に送られてくるSI(番組配列情報)から取得可能である。
【0065】
番組情報取得回路102は、受信したEPG情報から、処理を行っている番組のジャンル情報および番組内容を示すテキストデータを取得し、ジャンル/キーワード検索回路103に送信する。
【0066】
ジャンル/キーワード検索回路103は、ジャンル情報および番組内容を示すテキストデータを受信するとともに後述するシーン情報データベース104に格納されているキーワード情報を読み込み、番組内容を示すテキストデータの中にキーワード情報の中のキーワードがあるかどうか検索する。検索の結果抽出されたキーワード情報のジャンル情報IDおよび番組情報取得回路102から受信したジャンル情報は、シーン分別回路107に送信される。ここで、EPG情報が取得できないなどの理由でジャンル情報およびキーワード情報の抽出によるデータがともに取得できなかった場合には、情報取得不可を示す情報をシーン分別回路107およびジャンル予測回路111に送信する。
【0067】
シーン情報データベース104は、メインジャンル情報と、このメインジャンル情報を細分化するための番組詳細を示すキーワードとしてのサブジャンル情報と、このサブジャンル情報に対応するジャンル情報IDとで構成されたキーワード情報を格納している。またこのジャンル情報ID毎に、符号化制御を行うために予め設定された符号化制御パラメータを設定するためのデータであるシーン識別信号を格納している。またこのジャンルID毎に、出現頻度を累積加算したデータを格納している。
【0068】
画像特性算出回路105は、入力画像メモリ202から符号化対象であるデジタル画像データを取得し、画像情報の空間的または時間的な相関や輝度および色差レベルに関する画像特性情報をフレーム毎に算出し、シーン検出回路106に送信する。
【0069】
本実施形態においてはこの画像特性情報として、デジタル画像データのフレームごとに算出される平均輝度レベル値と、デジタル画像データのフレームごとに算出される平均色差レベル値と、デジタル画像データのフレームごとに算出されるフレーム内における隣接画素間の差分絶対値の総和値と、デジタル画像データの連続する2フレーム間において算出される同一位置に属する画素間の差分絶対値の総和値とを算出する。
【0070】
シーン検出回路106は、受信した画像特性情報を用いてシーンの変化点を検出する処理を行う。行った結果、シーン変化点が検出されたフレームであるかどうかを示すシーン区切り情報を作成し、シーン分別回路107に送信する。また、このとき画像特性情報もシーン分別回路107に送信する。
【0071】
シーン分別回路107は、シーン検出回路106から受信したシーン区切り情報によりシーンの区切りを認識する。また、シーン検出回路106から受信した画像情報特性の1シーン区間の平均値(以下、「シーン特性情報」と称する)を算出し、ジャンル/キーワード検索回路103から受信したジャンル情報IDと合わせてデータベース管理回路108へ送信する。
【0072】
データベース管理回路108は、シーン特性情報と符号量制御回路219から取得した符号化難易度および動きベクトル距離に関する符号化結果情報とからシーン識別信号を作成する。そして、このシーン識別信号およびシーン分別回路107から受信したジャンル情報IDを基にシーン情報データベース104をアクセスして符号化制御パラメータ補正データを取得し、符号化制御パラメータ補正回路109に送信する。
【0073】
符号化制御パラメータ補正回路109は、現在制御している符号化パラメータと受信した符号化制御パラメータ補正データを比較し、異なると判断した場合には必要な処理モジュールに対して補正を行うように符号化シンタックス制御回路110に符号化制御パラメータ補正データを送信する。
【0074】
符号化シンタックス制御回路110は、受信した符号化制御パラメータ補正データに応じて、制御する処理モジュールに符号化制御パラメータ補正データを送信する。
【0075】
ジャンル予測回路111は、シーン検出回路106からシーン区切り情報を取得し、ジャンル情報未取得フラグが存在する場合は予測ジャンル情報を作成してシーン分別回路107に送信する。
【0075】
ジャンル予測回路111は、シーン検出回路106からシーン区切り情報を取得し、ジャンル情報未取得フラグが存在する場合は予測ジャンル情報を作成してシーン分別回路107に送信する。
【0076】
〈高能率符号化記録装置10の動作〉
本発明の第1実施形態における高能率符号化記録装置10の動作について説明する。
【0077】
本実施形態における高能率符号化記録装置10の動作のうち、符号化対象となる映像のデジタル画像データの流れについては従来の画像符号化記録装置20の場合と同様であるため説明を省略する。
【0078】
まず、符号化対象となるデジタル画像データの入力とは別に、EPG情報がEPG情報入力端子101から入力される。取得されるEPG情報の例として、デジタル放送で伝送されるEPG情報の大まかな内容を図2に示す。
【0079】
次に、図2に示すEPG情報から番組情報取得回路102でジャンルを特定するための情報として符号化処理中の番組の「番組名」、「番組記述」、「ジャンル」、「番組詳細情報」が取得され、ジャンル/キーワード検索回路103に送信される。
【0080】
ジャンル/キーワード検索回路103では、番組情報取得回路102から受信された情報のうち「ジャンル」からジャンル情報が作成される。また、ジャンル/キーワード検索回路103ではシーン情報データベース104からキーワード情報が取得され、番組情報取得回路102から受信された「番組名」「番組記述」「番組詳細情報」の情報内容にキーワード情報の中のキーワードが含まれているかどうか検索される。
【0081】
シーン情報データベース104に格納されているキーワード情報のデータ構成例を図3に示す。このキーワード情報は、メインジャンル情報およびこのメインジャンル情報を細分化するための番組詳細を示すキーワードとしてのサブジャンル情報と、このサブジャンル情報に対応するジャンル情報IDとで構成されている。
【0082】
ジャンル/キーワード検索回路103で作成されたジャンル情報と、検索された結果抽出されたキーワード情報のジャンル情報IDとは、シーン分別回路107に送信される。このとき、EPG情報が取得できないなどの理由により、ジャンル/キーワード検索回路103でジャンル情報とキーワード情報の抽出によるジャンル情報IDがともに取得不可能な場合は、ジャンル/キーワード検索回路103からシーン分別回路107にジャンル情報取得不可を示す情報が送信される。
【0083】
一方、入力画像メモリに入力された符号化対象となるデジタル画像データが画像特性算出回路105に送信され、画像情報の空間的または時間的な相関に関する情報や輝度および色差レベルに関する情報である画像特性情報が算出される。

【0091】
画像特性算出回路105で上記のように算出された画像特性情報は、シーン検出回路106に送信される。シーン検出回路106では、受信したこれらの画像特性情報を用いてシーンが切り替わるシーン変化点を検出する処理が行われる。このシーン変化点として、瞬間的に画面が切り替わるシーンチェンジの検出と、連続的な期間を有して画面がオーバーラップして変化する(画面が次第に明るくなるフェードインおよび画面が次第に消えていくフェードアウトを含む)状態の検出とが行われる。

【0115】
またシーン分別回路107では、シーン検出回路106からフレーム毎の画像特性情報が受信され、ジャンル/キーワード検索回路103からジャンル情報IDが受信される。この画像特性情報から、1つのシーンが続いている区間の平均値(以下、「シーン特性情報」と称する)が算出され、ジャンル/キーワード検索回路103から受信されたジャンル情報IDと合わせられ、データベース管理回路108へ送信される。

【0126】
このシーン識別信号とジャンル情報IDとによって、符号化処理を制御するパラメータとしてシーン情報データベース104に格納されているテーブルのデータ(以下、「符号化制御パラメータ補正データ」と称する)がデータベース管理回路108で取得される(S55)。この符号化制御パラメータ補正データの構成例を図7に示す。データベース管理回路108からシーン情報データベース104のこのテーブルがアクセスされることにより、動きベクトルの検出範囲を示すMVMax、参照フレームを挿入する間隔を指定する値を示すSyntaxM、目標符号長のフレームタイプ別の重み付け乗数を示すA(T)、VBR符号化時の最大割当レートを示す値であるMaxRate、VBVバッファをどの程度充足度に向かって制御するかを示すパラメータであるTargetVBV、輝度信号用量子化マトリクス値であるQmatL、色差信号用量子化マトリクス値であるQmatCの符号化パラメータが取得される。


【0134】
次に、符号化制御パラメータ補正データは、シーン区切り情報とともにデータベース管理回路108から符号化制御パラメータ補正回路109に送信される。符号化制御パラメータ補正回路109では、現在制御されている符号化パラメータと受信した符号化制御パラメータ補正データとが比較される。比較された結果、異なると判断された場合には必要な処理モジュールに対する制御信号が作成され、符号化シンタックス制御回路110に送信される。具体的には、シーンが変化した際には符号化パラメータの変化による制御信号が符号化シンタックス制御回路110に送信されるが、シーンの変化がなく符号化パラメータが大きく変動しない場合には制御信号は送信されない。本実施形態においては、符号化パラメータのうち1つしか変動していない場合は制御信号は送信されない。
【0135】
符号化シンタックス制御回路110において、受信された制御信号が対応する処理モジュールに送信される。具体的には、MVMaxに関しては動きベクトル検出回路217に、SyntaxMは符号化回路207、動きベクトル検出回路217、動き補償予測回路218、および符号量制御回路219に、A(T)、MaxRate、およびTargetVBVに関しては符号量制御回路219に、QmatL、QmatCに関しては量子化回路206、符号化回路207、逆量子化回路212に送信され、制御が行われる。

(イ-2)刊行物Bの記載
原審で審査官が引用した特開2002-344941号公報(以下、「刊行物B」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。)

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インターネット、携帯電話等によるマルチメディア配信システムにおいて、音声や画像などのコンテンツを再生する端末側でその音声、画質のコンテンツ品質の制御を行えるようにしたコンテンツ品質制御システムに関する。

【0022】図1は、本発明の実施の形態1のコンテンツ品質制御システムであり、送信コンテンツ蓄積型のビデオ配信システムの例である。図1において、1は送信装置、2は通信路、3は受信装置(たとえば、携帯端末)である。受信装置が携帯端末のときには、通信路2は基地局を介した無線回線を含む。
【0023】図1の送信装置1において、5は入力部、6はエンコーダ、7はコンテンツ蓄積部、8はコンテンツ送出部、9は送信系制御部である。コンテンツ送出部8および送信系制御部9は前記通信路2に接続されている。図1の受信装置3において、10は受信系制御部、11はコンテンツ受信部、12はデコーダ、13は出力部、15はコンテンツ蓄積部、16は復号コンテンツ選択部、17はキーやダイヤル等によりコンテンツの圧縮率を選択するマンマシンインタフェース部である。
【0024】次に、本発明の実施の形態1のコンテンツ品質制御システムの動作について説明する。まず、図1において、まず、受信系制御部10は、受信ユーザが希望するコンテンツ品質を通信路2を介して送信系制御部9に送信する。入力部5から入力された音声と動画像のコンテンツは、受信系制御部10から受信したリクエストに基づいた送信系制御部9の指示に従って、エンコーダ6により種々の種類の符号化によって種々のレートで音声および画像の圧縮符号化が行われ、コンテンツ蓄積部7に蓄えられる。その後、送信系制御部9の指示により、複数の種類に符号化されたコンテンツがコンテンツ蓄積部7から取り出され、そのコンテンツは、コンテンツ送出部8で変調され、通信路2を介して受信装置3に送信される。
【0025】受信装置3において、受信ユーザは好みに応じてマンマシンインタフェース部17でコンテンツ品質レベルを選択し、受信系制御部10に送出する。通信路2から受信されたコンテンツは、受信系制御部10の指示によりコンテンツ受信部11で復調され誤り訂正復号が行われ、コンテンツ蓄積部15に蓄積される。その後、受信ユーザによって選択された品質を有するコンテンツが復号コンテンツ選択部16によってコンテンツ蓄積部15から読み出され、デコーダ12で復号された後、出力部13に送られて再生される。

【0029】図3は、上記実施の形態2のビデオ配信システムにおけるコンテンツ品質制御のフローチャートである。図3において、まず、サービスが開始されると(ステップS10)、ビデオ配信を受ける受信ユーザはマンマシンインタフェース部17によってコンテンツを選択し(ステップS11)、コンテンツの送信を送信装置1にリクエストする(ステップS12)。
【0030】次に、送信装置1では、受信装置3からコンテンツ品質の変更リクエストがあるか否かを判定し(ステップS13)、変更リクエストがあれば(ステップS13でYesの場合)、コンテンツの圧縮率を変更して受信装置3に送信し(ステップS14)、変更リクエストがなければ(ステップS13でNoの場合)、圧縮率を変更しないでコンテンツをそのまま受信装置3に送信する(ステップS16)。

【0035】受信装置3において、通信路2より受信されたコンテンツは、受信系制御部10の指示に基づいて、コンテンツ受信部11でデータの誤り訂正・復号化され、コンテンツ蓄積部20に蓄積される。ユーザは、コンテンツ選択部21のスイッチ、キー等を用いて、コンテンツ蓄積部20に蓄積されたコンテンツをリアルタイムで選択する。選択されたコンテンツは、デコーダ12で復号された後、出力部13に送られて再生される。実施の形態3においては、コンテンツ蓄積部20に蓄積されたコンテンツの最適の品質をリアルタイムで選択することができる。
【0036】図5は、コンテンツ配信が行われるときの画像と音声のコンテンツのデータ量(コンテンツ品質)の変化例を示している。コンテンツはコンテンツの内容の時間軸で示されるように、スポーツ、ニュース、ライブと言うように時間と共に変化するものとする。図5の中段には、コンテンツの変化に対応した画像データおよび音声データが時間軸上で表示される。縦軸の0レベルの上側が画像データ、下側が音声データを示す。縦軸の長さは上側が画像データ量D1、下側が音声データ量D2を示し、両データを合わせたものが全データ量Dである。なお。L1は画像データ量の上限、L2は音声データ量の上限を示している。
【0037】本発明においては、図5中に示されるように、たとえば、ユーザがスポーツの画像を見ているときに、ある部分のみの画質をよくしたい場合には、ユーザのリクエストによって所望のエリアのみの画質を高くできる。そのときには、図5の画像データ量D1がD1’のように増加する。また、たとえば、ライブの途中で音質のみを良くしたいときには、ユーザのリクエストによって所定時間の間、音声の音質のみを良くすることができる。そのときには、図5のライブの部分において音声データ量D2がD2’のように増加する。
【0038】図6は、受信装置が携帯端末23である場合のユーザインタフェースの一例である。携帯端末23は表示画面24中に動画を表示する小画面25があり、その小画面25中に高画質を選択する選択エリア26がある。また、携帯端末23の側面には、画質、音質を調整する調整ジョグダイヤル27および選択エリア26を上下左右に移動できる上下左右カーソルボタン28が設けられる。さらに、表示画面24中には、スポーツ、ニュース、ライブ等の選択ソフトボタンがある。
【0039】本発明においては、ユーザは、画面の表示に従って、画質、音質調整ジョグダイヤル23および/または上下左右カーソルボタン28を操作して、例えば、スポーツ画面の一部である選択エリア26をリアルタイムで選択して、その部分を高画質で表示させることができる。このようにリアルタイムで画面のコンテンツ品質レベルを部分的に変更することが可能となる。

(ウ)刊行物に記載された発明
以上の記載によれば、刊行物Aには次の発明(以下、刊行物発明Aという。)が記載されている。((a)ないし(e)は当審において付与し、以下「構成要件(a)」等として引用する。)

(a)デジタル画像データを効率良く記録することが可能な高能率符号化記録装置において画像を記録もしくは送信する方法であって、
(b)EPG情報から取得した符号化処理中の番組の「番組名」、「番組記述」、「ジャンル」、「番組詳細情報」と符号化対象であるデジタル画像データからフレーム毎に算出した画像特性情報とから、符号化制御パラメータ補正データを取得し、
(c)画像特性情報を用いてシーンが切り替わるシーン変化点を検出する処理が行われ、
(d)シーンの区切り毎に、現在制御されている符号化パラメータと取得した符号化制御パラメータ補正データとが比較され、異なると判断された場合には必要な処理モジュールに対する制御信号が作成され、
(e)対応する処理モジュールは、作成された制御信号に基づき符号化処理を行う方法。

(エ)対比
刊行物発明Aと、本願発明1とを対比する。
(エ-1)本願発明1の構成要件(A)、(G)と刊行物発明Aの構成要件(a)、(e)とを対比する。
刊行物発明Aにおいて、「高能率符号化記録装置」は、通常、プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスからなるから、刊行物発明Aの「高能率符号化記録装置」により実行される方法は、「プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスによって実行される方法」ということができこの点で、本願発明1と刊行物発明Aとは相違がない。

(エ-2)本願発明1の構成要件(B)と刊行物発明Aの構成要件(b)とを対比する。
『EPG情報から取得した符号化処理中の番組の「番組名」、「番組記述」、「ジャンル」、「番組詳細情報」』は、構成要件(c)ないし(e)で特定されるように、符号化処理を行うための制御信号を作成する為のものであり、上記制御信号には「VBR符号化時の最大割当レートを示す値であるMaxRate」も含まれるから、圧縮レベルも変更しているといえる。
そして、上記番組の「ジャンル」、「番組詳細情報」は、コンテンツタイプといえ、番組の「ジャンル」、「番組詳細情報」に応じて、圧縮レベルを変えるためには、「ジャンル」、「番組詳細情報」に応じた圧縮レベルを指示する必要があることは明らかであるから当該指示を受信しているといえる。
また、上記「第3 1.」で検討したように、「許容レベル」は、「第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示」に加えて、シーンに応じて「第3の圧縮方法」を用いることがあることを示しているといえるが、刊行物発明Aにおいても、圧縮レベルは、「ジャンル」、「番組詳細情報」だけではなく、「符号化対象であるデジタル画像データからフレーム毎に算出した画像特性情報」も用いて決定されているから、「ジャンル」、「番組詳細情報」に応じて決定される圧縮レベルは、許容レベルといえる。
したがって、刊行物発明Aは、本願発明1の構成要件(B)を備えているといえる。

(エ-3)本願発明1の構成要件(C)と刊行物発明Aとを対比する。
刊行物発明Aは、コンテンツの要求を受信することに関する特定事項を有していないから、本願発明1の構成要件(C)を有していない。

(エ-4)本願発明1の構成要件(D)ないし(F)と刊行物発明Aの構成要件(b)ないし(e)とを対比する。
まず、本願発明1の「コンテンツの各部分」は、本願発明1の構成要件(C)で「前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する」と特定されているから、各部分の間では、コンテンツタイプが異なることを必須としている。
当該要件を、刊行物発明Aに当てはめて考えると、コンテンツタイプが異なることは、「ジャンル」、「番組詳細情報」が異なることであり、上記「ジャンル」、「番組詳細情報」は番組に対して与えられるものであるから、「第1の部分」、「第2の部分」は、異なる番組であるといえる。
刊行物発明Aは、番組(のデジタル画像データ)が高能率符号化記録装置に入力されると、これを順次符号化処理し送信することを前提とした発明であって、上記番組が異なれば、ジャンル等(コンテンツタイプ)が異なることも当然想定できるから、「コンテンツの各部分を圧縮」し「伝送する」ことが行われていることは明白である。
そして、上記圧縮の際に、ジャンル等の情報を用いて圧縮レベルを変えている(選択している)ことは、上記(エ-2)で検討したとおりであるから、「コンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択することであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、選択」し、「前記選択された圧縮方法に従ってコンテンツの各部分を圧縮」し、「コンテンツを伝送することであって、コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されて」いることは明白である。
もっとも、本願発明1では、コンテンツが「前記コンテンツ」すなわち、構成要件(C)で要求されたコンテンツであるのに対し、刊行物発明Aは、当該構成要件(C)に相当する構成を有していないから、「前記コンテンツ」ではない点で相違する。

(エ-5)まとめ(一致点・相違点)
以上まとめると、本願発明1と刊行物発明Aとは以下の一致点で一致し相違点で相違する。

(一致点)
プロセッサと、メモリとを有するコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
前記プロセッサにより第1のコンテンツタイプの圧縮レベルの指示を受信することであって、前記圧縮レベルは不可逆圧縮の許容レベルを指定する、受信することと、
コンテンツの各部分の圧縮方法を、リアルタイムで、コンテンツの各部分に関連付けられているコンテンツタイプに基づいて動的に選択することであって、第1の圧縮方法は前記指示された圧縮レベルに関連付けられ、第2の圧縮方法は別の圧縮レベルに関連付けられている、選択することと、
前記選択された圧縮方法に従ってコンテンツの各部分を圧縮することと、
コンテンツを伝送することであって、コンテンツの前記第1の部分は前記第1の圧縮方法を使用して圧縮されており、前記第2の部分は前記第2の圧縮方法を使用して圧縮されている、伝送することと
を含む方法。

(相違点)
(相違点1)
本願発明1は、「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する、受信することと」の構成を有しているのに対し、刊行物発明Aは、当該構成を有していない点

(相違点2)
(「圧縮方法が選択」され、「圧縮」され、「伝送」される)コンテンツが、本願発明では、「前記コンテンツ」であるのに対し、刊行物発明Aでは「前記コンテンツ」ではない点

(オ)判断
上記相違点1、2について検討する。
上記相違点を刊行物発明Aに照らして検討すると、「第1の部分」、「第2の部分」はそれぞれ、「第1の番組」、「第2の番組」となることは、上記(エ-4)で検討したとおりである。
ここで、当該技術分野の技術常識からみて、上記「第1の番組」、「第2の番組」は、それぞれ、それ自体が一つのコンテンツであって、「第1の番組」あるいは「第2の番組」のうちの一つが、コンテンツタイプが異なる(シーンを有する)「第1の部分」、「第2の部分」と分けられることは、刊行物発明Aでは想定されていない。
それに対して、本願発明1では、「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信することであって、前記第1の部分は前記第1のコンテンツタイプの第1のシーンを有し、前記第2の部分は第2のコンテンツタイプの第2のシーンを有する」のであるから、一つのコンテンツが、コンテンツタイプが異なる(シーンを有する)「第1の部分」、「第2の部分」を有しているのであるから、前提となるコンテンツが異なるものであって、刊行物発明Aのコンテンツを、本願発明1のコンテンツとすることは、当業者が容易に為し得たことであるということはできない。
加えて、刊行物発明Aにおいて「少なくとも第1の部分と第2の部分とを有するコンテンツの要求を受信すること」を適用する場合、「第1の番組」と「第2の番組」とを有するコンテンツの要求を受信すること、すなわち、一つのコンテンツの要求で、(異なるコンテンツタイプの)二つの番組を要求する構成を刊行物発明Aに適用することになる。
この点に対して、審査官は、前置報告書において、周知の事項であるとして、刊行物B(特開2002-344941号公報)を引用しているが、当該刊行物をみても、一つの要求で、二つの番組を要求する構成は開示されておらず、また、当該技術分野における技術常識を勘案しても、当該相違点は、刊行物発明Aから、容易に想到し得たものであるということはできない。

以上のとおり、本願発明1は、刊行物A、刊行物Bの記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるということはできない。

(カ)他の請求項について
本願発明2-8は、本願発明1をさらに限定したものであるので、本願発明1と同様に、当業者が刊行物A、刊行物Bの記載に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願発明9は方法の発明である本願発明1のカテゴリをシステムのカテゴリとした発明であって、本願発明1で検討した相違点に相当する構成を含むものであるから、本願発明1で検討したのと同様に、当業者が刊行物A、刊行物Bの記載に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
さらに、本願発明10-13は、本願発明9をさらに限定したものであるので、本願発明9と同様に、当業者が刊行物A、刊行物Bの記載に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-03-13 
出願番号 特願2013-558000(P2013-558000)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
P 1 8・ 537- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 後藤 嘉宏  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 渡邊 聡
冨田 高史
発明の名称 シーンベースの可変圧縮  
代理人 江口 昭彦  
代理人 大貫 敏史  
代理人 内藤 和彦  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 土屋 徹雄  

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