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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1325774 |
審判番号 | 不服2016-3535 |
総通号数 | 208 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-03-08 |
確定日 | 2017-03-09 |
事件の表示 | 特願2012- 82813「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月17日出願公開、特開2013-212181〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成24年3月30日の出願であって,平成25年3月22日に手続補正書が提出され,平成26年6月13日付けで拒絶理由が通知され,それに対し,同年8月18日に意見書及び手続補正書が提出され,平成27年5月27日付けで最後の拒絶理由が通知され,これに対し同年7月29日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年12月17日付けで補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定がなされ,それに対して,平成28年3月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。 第2 平成28年3月8日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成28年3月8日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1?13の記載を含む補正であり,平成26年8月18日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ,以下のとおりである(下線部は補正を示す。)。 (補正前:平成26年8月18日付けの手続補正) 「【請求項1】 図柄変動表示を少なくとも実行可能な第一の表示手段と, 複数種類の保留アイコンを少なくとも表示可能な第二の表示手段と, 複数種類の先読み予告を少なくとも実行可能な予告手段と, を備えた遊技台であって, 前記第二の表示手段は,表示された保留アイコンの数により保留数を少なくとも報知可能な表示手段であり, 前記保留数とは,開始が保留されている前記図柄変動表示の数のことであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの少なくとも一つは,第一の保留アイコンであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの少なくとも一つは,第二の保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,大当りとなる場合にのみ表示される場合がある保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,前記第一の保留アイコンとは表示態様が少なくとも異なる保留アイコンであり, 前記複数種類の先読み予告のうちの少なくとも一つは,第一の先読み予告であり, 前記複数種類の先読み予告のうちの少なくとも一つは,第二の先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記保留アイコンを用いない先読み予告であり, 前記予告手段は,前記第一の先読み予告を開始した後で前記第二の先読み予告を少なくとも開始可能な手段であり, 前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告は,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示とは別の図柄変動表示が大当りとなることに関連して少なくとも終了される先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第二の先読み予告が開始される前に少なくとも終了される先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示が大当りとなることを少なくとも報知可能な先読み予告である, ことを特徴とする遊技台。」 (補正後:本件補正:平成28年3月8日付け手続補正) 「【請求項1】 図柄変動表示を実行可能な第一の表示手段と, 複数種類の保留アイコンを表示可能な第二の表示手段と, 複数種類の先読み予告を実行可能な予告手段と, を備えた遊技台であって, 前記第二の表示手段は,表示された保留アイコンの数により保留数を報知可能な表示手段であり, 前記保留数とは,前記図柄変動表示の開始が保留されている数のことであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの一つは,第一の保留アイコンであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの一つは,第二の保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,大当りとなる場合にのみ表示可能な保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,前記第一の保留アイコンとは表示態様が異なる保留アイコンであり, 前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第一の先読み予告であり, 前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第二の先読み予告であり, 前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第三の先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記保留アイコンを用いない先読み予告であり, 前記第三の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であり, 前記予告手段は,前記第一の先読み予告を開始した後で前記第二の先読み予告を開始可能な手段であり, 前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告と前記第三の先読み予告は,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示(以下,「第二の図柄変動表示」という。)が大当りとなることに関連して終了される先読み予告であり, 大当り遊技の実行中に前記複数種類の保留アイコンが表示されないように構成されており, 前記第一の先読み予告は,前記第二の先読み予告が開始される前に終了される先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示が大当りとなることを報知可能な先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記第二の図柄変動表示に応じた前記大当り遊技(以下,「第三の大当り遊技」という。)の実行中に開始される場合がある先読み予告であり, 前記第三の先読み予告は,前記第三の大当り遊技が終了してから前記第一の図柄変動表示が開始されるまでの間に開始される場合がある先読み予告である, ことを特徴とする遊技台。」 2.補正の適否 (1)補正事項 (ア)補正事項ア 補正事項アは,補正前の請求項1の複数箇所に記載されている「少なくとも」を削除するものである。 (イ)補正事項イ 補正事項イは,補正前の請求項1に記載の「前記保留数とは,開始が保留されている前記図柄変動表示の数のことであり,」を,「前記保留数とは,前記図柄変動表示の開始が保留されている数のことであり,」に補正するものである。 (ウ)補正事項ウ 補正事項ウは,補正前の請求項1に記載の「大当りとなる場合にのみ表示される場合がある保留アイコンであり,」を,「大当りとなる場合にのみ表示可能な保留アイコンであり,」に補正するものである。 (エ)補正事項エ 補正事項エは,「先読み予告」について,補正前の請求項1に,「前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第三の先読み予告であり,」及び「前記第三の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であり,」との記載を付加し,補正前の請求項1に記載の「前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告は,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であり,」を,「前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告と前記第三の先読み予告は,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であり,」に補正するものである。 (オ)補正事項オ 補正事項オは,補正前の請求項1に記載の「別の図柄変動表示が大当りとなる」を,「前記第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示(以下,「第二の図柄変動表示」という。)が大当りとなる」に補正するものである。 (カ)補正事項カ 補正事項カは,補正前の請求項1に,「大当り遊技の実行中に前記複数種類の保留アイコンが表示されないように構成されており,」との記載を付加する補正である。 (キ)補正事項キ 補正事項キは,補正前の請求項1に,「前記第二の先読み予告は,前記第二の図柄変動表示に応じた前記大当り遊技(以下,「第三の大当り遊技」という。)の実行中に開始される場合がある先読み予告であり,」との記載を付加する補正である。 (ク)補正事項ク 補正事項クは,「先読み予告」について,補正前の請求項1に,「前記第三の先読み予告は,前記第三の大当り遊技が終了してから前記第一の図柄変動表示が開始されるまでの間に開始される場合がある先読み予告である,」との記載を付加する補正である。 (2)補正の目的 (ア)補正事項アについて 補正事項アは,補正前の記載から不要な記載である「少なくとも」を削除する補正であるから,明りょうでない記載の釈明を目的とする補正である。 (イ)補正事項イについて 補正事項イは,平成27年5月27日付け拒絶理由通知において,「開始が保留されている前記図柄変動表示の数」との記載が,何の開始か不明であると指摘されたのに対して,「前記図柄変動表示の開始が保留されている数」との補正により,「図柄変動表示」の開始であることを明確にしたものであるから,明りょうでない記載の釈明を目的とする補正である。 (ウ)補正事項ウについて 補正事項ウは,平成27年5月27日付け拒絶理由通知において,「大当りとなる場合にのみ表示される場合がある」との記載により一の発明を特定できないと指摘されたのに対して,「大当りとなる場合にのみ表示可能」との補正により明確になったものであるから,明りょうでない記載の釈明を目的とする補正である。 (エ)補正事項エについて 補正事項エは,「先読み予告」について,第一の先読み予告と第二の先読み予告と,同じ図柄変動表示を対象として実行される先読み予告である「第三の先読み予告」を有することを限定するとともに,当該「第三の先読み予告」について,「前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であ」ることに限定するものであるから,限定的減縮を目的とする補正である。 (オ)補正事項オについて 補正事項オは,「第一の図柄変動表示とは別の図柄変動表示」を「第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示」に具体的に限定するものであるから,限定的減縮を目的とする補正である。 (カ)補正事項カについて 補正事項カは,「複数種類の保留アイコン」について,「大当り遊技の実行中に」「表示されないように構成」することに限定するものであるから,限定的減縮を目的とする補正である。 (キ)補正事項キについて 補正事項キは,「第二の先読み予告」について,「前記第二の図柄変動表示に応じた前記大当り遊技の実行中に開始される場合がある」ことに限定するものであるから,限定的減縮を目的とする補正である。 (ク)補正事項クについて 補正事項クは,上記補正事項エにより「先読み予告」を限定する構成として特定された「第三の先読み予告」について,「前記第三の大当り遊技が終了してから前記第一の図柄変動表示が開始されるまでの間に開始される場合がある」ことに限定するものであるから,限定的減縮を目的とする補正である。 (3)小括 補正後の請求項1に記載された発明は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって,本件補正は,特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮,または,同第4号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的とする補正に該当する。 また,本件補正は,新規事項を追加するものではない。 3.独立特許要件 そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,すなわち,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か,について以下に検討する。 (1)刊行物に記載された事項 原査定の拒絶理由に引用された本願の出願前に頒布された特開2011-110257号公報(以下,「刊行物」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【0022】 〔第1実施形態〕 まず,遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。 ・・・ 【0025】 遊技領域7の中央付近には,液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では,第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示,更新表示,または,巡回表示ともいう)が行なわれる。よって,演出表示装置9は,各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では,表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており,当該演出図柄表示領域に,たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは,各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は,演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが,第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに,その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ,第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに,その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので,遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。」 (イ)「【0037】 また,演出表示装置9の表示画面には,第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと,第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお,第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように,合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば,変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。」 (ウ)「【0158】 次いで,CPU56は,検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S216)。そして,第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。また,CPU56は,第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S218)。そして,CPU56は,入賞時演出処理での入賞時判定の判定結果に基づいて第1始動入賞についての入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S219)。 ・・・ 【0160】 この実施の形態では,始動入賞に基づく判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドに基づいて保留記憶データの内容を,当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し,変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう,所謂先読み予告が行なわれる場合がある。この実施の形態の場合,先読み予告としては,保留予告演出が設けられており,先読み予告として,保留予告演出のみが実行される例を示す。なお,先読み予告の変形例としては,後述するような大当り中予告演出がある。 【0161】 保留予告演出は,大当り遊技状態中以外の通常遊技状態において,保留記憶データ(保留記憶内のデータ)について,当該保留記憶データに基づいた変動表示により大当りとなるか否かを保留記憶表示の表示態様により示唆する予告報知を行なう予告報知演出である。また,先読み予告の変形例としての大当り中予告演出は,大当り遊技状態中に記憶された保留記憶データ(保留記憶内のデータ)について,大当り遊技状態中の所定のタイミングで,当該保留記憶データに基づいた変動表示により大当りとなるか否かを示唆する予告報知を行なう予告報知演出である。 【0162】 保留予告演出による大当りとなるか否かの示唆は,実際に大当りとなるときに行なわれる大当りの示唆と,実際にははずれとなるときに行なわれる大当りの示唆(所謂ガセ)とを含む。保留予告演出においては,大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた予告演出態様としての保留予告態様のうちから保留予告態様が選択され,選択された保留予告態様で保留予告演出が行なわれる。また,先読み予告の変形例としての大当り中予告演出においては,大当りとなるか否かの示唆は,実際に大当りとなるときに行なわれる大当りの示唆と,実際にははずれとなるときに行なわれる大当りの示唆(所謂ガセ)とを含む。大当り中予告演出においては,大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた予告演出態様としての大当り中予告態様のうちから大当り中予告態様が選択され,選択された予告演出態様としての大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれる。なお,大当り中予告演出においては,大当りとなる期待度によらず固定的に定められた大当り中予告態様で大当り中予告演出を行なうようにしてもよい。また,大当り中予告演出については,実際に大当りとなることが確定するときにのみ実行するようにしてもよい。たとえば,大当りが複数種別定められている場合には,大当り中予告演出を実行する対象としては,すべての大当り種別を対象としてもよく,次のように一部の大当り種別を対象としてもよい。たとえば,確変大当りと非確変大当りとの種別が設定されている場合には,遊技者にとって有利な確変大当りのみを対象として大当り中予告演出を実行するようにしてもよく,ラウンド数が異なる大当り種別が複数定められているときには,遊技者にとって有利なラウンド数の大当り(たとえば,2ラウンド大当りと15ラウンド大当りとのうちの15ラウンド大当り)のみを対象として大当り中予告演出を実行するようにしてもよい。」 (エ)「【0216】 図19(A)においては,演出表示装置9において,「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄が停止表示されている状態が示されている。演出表示装置9においては,表示画面における下部左側の表示領域が,第1保留記憶表示部18cの表示領域として割当てられており,表示画面における下部右側の表示領域が,第2保留記憶表示部18dの表示領域として割当てられている。第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいては,1つの保留記憶データが発生するごとに,表示領域の左側から右側に向けて白色の丸印等の所定の色および形状よりなる保留記憶画像180が1つずつ追加される態様で表示される。このような保留記憶画像180の表示数により,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて,保留記憶数が示される。したがって,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいては,最も左側に表示されている保留記憶画像180が最も過去の保留記憶データを示している。」 (オ)「【0225】 保留予告演出が実行されないときには,図20(1D)のように,白色の丸印等の所定の色および形状よりなる通常の保留記憶画像180が追加表示される。保留予告演出が実行されるときには,図20(1C),(1E)または(2C,),(2E)のように,追加表示される保留記憶画像180が,大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた保留予告態様のうちから選択された保留予告態様で表示される。 【0226】 図20(1C)に示す黒色の丸印は,保留予告演出における第1保留予告態様の保留記憶画像180の表示である。図20(1E),(2C)に示す黒色の三角印は,保留予告演出における第2保留予告態様の保留記憶画像180の表示である。図20(2E)に示す黒色の四角印は,保留予告演出における第3保留予告態様の保留記憶画像180の表示である。これら第1保留予告態様?第3保留予告態様について設定されている大当りとなる期待度の大小関係は,第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様である。」 (カ)「【0236】 図21(1A)?(1D)を参照して,(1A)に示すように大当り表示結果が表示された後,(1B),(1C)に示すように第1ラウンド?第9ラウンドの大当り遊技状態の演出が特定のキャラクタを表示せずに行なわれる。大当り遊技状態の演出においては,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dによる保留記憶表示が行なわれない。そして,大当り中予告演出が実行されないときには,図21(1D)に示すように第10ラウンド以降も,大当り遊技状態の演出が特定のキャラクタを表示せずに行なわれる。なお,大当り遊技状態中においては,前述のような保留予告演出が実行されない態様で,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dによる保留記憶表示を行なうようにしてもよい。 【0237】 図21(2A)?(2D),図22(3A)?(3D),または,図22(4A)?(4D)を参照して,(2A),(3A)または(4A)に示すように大当り表示結果が表示された後,(2B),(2C),(3B),(3C)または(4B),(4C)に示すように第1ラウンド?第9ラウンドの大当り遊技状態の演出が特定のキャラクタを表示せずに行なわれる。そして,第9ラウンドが終了したタイミングにおいて,大当り遊技状態中に生じた第1保留記憶データおよび第2保留記憶データ中に,表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとなる保留記憶データが含まれているか否かを判定した後,(2D),(3D)または(4D)に示すように,第10ラウンドが開始したタイミングにおいて,大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた予告演出態様としての大当り中予告態様のうちから選択された大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれる。 【0238】 図21(2D)に示す第1キャラクタ94Aは,大当り中予告演出における第1大当り中予告態様の表示である。図22(3D)に示す第2キャラクタ94Bは,大当り中予告演出における第2大当り中予告態様の表示である。図22(4D)に示す第3キャラクタ94Bは,大当り中予告演出における第3大当り中予告態様の表示である。これら第1大当り中予告態様?第3大当り中予告態様について設定されている大当りとなる期待度の大小関係は,第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様である。」 (キ)「【0368】 図44は,S707の保留記憶表示制御処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。図45は,保留記憶表示制御処理において実行される入賞時先読み予告演出決定処理を示すフローチャートである。 【0369】 保留記憶表示制御処理において,演出制御用CPU101は,大当り遊技状態中であるか否かを判断する(S520)。具体的に,演出制御プロセスフラグの値を確認することに基づいて,演出制御プロセス処理が大当り表示処理(S804),ラウンド中処理(S805),ラウンド後処理(S806),大当り終了演出処理(S807)のような大当り遊技状態中に実行される処理であるとき(演出制御プロセスフラグがこれら処理に対応するものであるとき)に,大当り遊技状態中であると判断する。大当り遊技状態中であるときは,大当り遊技状態の開始時において,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを含まないファンファーレ画面が表示された後,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理が実行されないことにより,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれによる保留記憶表示が中止される。 ・・・ 【0372】 第1未処理数カウンタが「1」以上であるときは,第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別判定結果記憶バッファに記憶された第1保留記憶のデータのうち,まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶のデータ(まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶が複数ある場合は,それらのうち最も過去の第1保留記憶)を保留判定対象として選択する(S520C)。一方,第1未処理数カウンタが「1」以上でないときは,まだ保留記憶表示が実行されていない第2未処理数カウンタが「1」以上のときであるので,第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別判定結果記憶バッファに記憶された第2保留記憶のデータのうち,まだ保留記憶表示が実行されていない第2保留記憶のデータ(まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶が複数ある場合は,それらのうち最も過去の第2保留記憶)を保留判定対象として選択する(S520D)。 ・・・ 【0375】 次に,S503により,S502において保留予告演出が選択されたか否かを判断する(S503)。保留予告演出が選択されなかったときには,処理を終了する。保留予告演出が選択されたときには,保留判定対象の保留記憶のデータについて,図31に示す保留予告態様選択テーブルを用いて第1保留予告態様?第3保留予告態様のうち,いずれかの保留予告態様を選択する(S504)。具体的に,S504においては,次のように保留予告態様の選択を行なう。保留判定対象の保留記憶データにおける当り判定結果および変動パターン種別に関する判定結果のデータを,第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別判定結果記憶バッファ,または,第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別判定結果記憶バッファにおいて確認し,図31に示す保留予告態様選択テーブルのうちから,当該保留判定対象に対応する保留予告態様選択テーブルを選択する。たとえば,保留判定対象が確変大当りAとなるときには,図31(A)の確変大当りA時保留予告態様選択テーブルを選択する。そして,保留予告態様選択用の乱数としてのSR4を抽出し,そのSR4の抽出データに基づいて,選択した保留予告態様選択テーブルを用いて保留予告態様を,第1保留予告態様?第3保留予告態様のいずれかに選択する。 ・・・ 【0387】 S525においては,保留判定対象に応じて,保留予告演出が行なわれていない通常の保留記憶表示の表示態様で,第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dの保留記憶表示を追加することにより,保留記憶表示を加算更新する表示を行ない(S525),後述するS527に進む。第1保留記憶が保留判定対象であるときには,第1保留記憶表示部18cで保留記憶表示を追加する。第2保留記憶が保留判定対象であるときには,第2保留記憶表示部18dで保留記憶表示を追加する。 【0388】 一方,S523で第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグがセットされているときは,保留判定対象に応じて,S504で選択された保留予告態様で保留予告演出を行なう保留記憶表示を,第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおいて追加することにより,保留記憶表示を加算更新する表示を行なう(S524)。第1保留記憶が保留判定対象であるときには,第1保留記憶表示部18cで保留記憶表示を追加する。第2保留記憶が保留判定対象であるときには,第2保留記憶表示部18dで保留記憶表示を追加する。これにより,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのいずれか一方または両方において,図20に示すような態様で保留予告演出が実行されることとなる。次に,その時点でセットされている第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグをリセットし(S526),S527に進む。 ・・・ 【0395】 図46は,演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。前述したように,演出図柄変動中処理において,変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件,または,図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに,この演出図柄変動停止処理が実行される。なお,変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ,演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また,図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにのみ,演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。 ・・・ 【0398】 一方,大当りとなるときには,演出制御用CPU101は,停止図柄表示フラグをセットし(S883),大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または突然確変開始指定コマンドを受信したことを示す突確変開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S884)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突確変開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には,演出制御用CPU101は,停止図柄表示フラグをリセットする(S885)。 【0399】 そして,そのときに表示されている第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおける保留記憶表示を消去する(S886)。S886において保留記憶表示を消去するときには,前述のような保留予告データも消去する。これにより,大当り遊技状態に移行するときには保留記憶表示および保留予告演出が行なわれず,大当り遊技状態中においても,保留記憶表示および保留予告演出が行なわれない。このように,保留予告演出を行なっているときにおいて,大当り遊技状態に移行されるときに,行なっている保留予告演出が中止されるので,保留予告演出の対象となっている変動表示をストックした状態で,大当り遊技状態に移行することが防がれる。これにより,遊技者の射幸心を過度に煽らず,遊技者に健全な遊技を提供することができる。また,大当り遊技状態に移行されるときに,保留予告データが消去されるので,大当り遊技状態の終了後に保留予告演出が再開されるのを防ぐことができる。次に,ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S887)。」 (ク)「【0413】 次に,図50を参照して,先読み予告の変形例としての大当り中予告演出を実行するときにラウンド後処理で実行される大当中先読み予告演出決定処理の内容を説明する。大当中先読み予告演出決定処理において,演出制御用CPU101は,大当り中予告演出の保留判定対象として,第1当り判定結果記憶バッファおよび第2当り判定結果記憶バッファの記憶データを確認することにより,第1保留記憶データ内および第2保留記憶データ内に,確変大当りAまたは確変大当りBとなる入賞保留記憶の当り判定結果があるか否かを判定する(S711)。 【0414】 演出制御用CPU101は,S711での保留判定対象の判定結果に基づいて,図32に示す大当り中予告選択有無判定テーブルを用いて大当り中予告演出を選択するか否かを判定する(S712)。具体的に,S712においては,次のように判定を行なう。S711の判定において,確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果があると判定されたときには,図32(A)に示す第1大当り中予告選択有無判定テーブルを選択する。一方,S711の判定において,確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果がないと判定されたときには,図32(B)に示す第2大当り中予告選択有無判定テーブルを選択する。そして,大当り中予告選択有無判定用の乱数としてのSR5を抽出し,そのSR5の抽出データに基づいて,選択した大当り中予告選択有無判定テーブルを用いて大当り中予告演出を選択するか否かを前述のように判定する。 【0415】 次に,S713により,S712において大当り中予告演出が選択されたか否かを判断する(S713)。大当り中予告演出が選択されなかったときには,処理を終了する。大当り中予告演出が選択されたときには,S711での保留判定対象の判定結果に基づいて,図33に示す大当り中予告態様選択テーブルを用いて第1大当り中予告態様?第3大当り中予告態様のうち,いずれかの大当り中予告態様を選択する(S714)。具体的に,S714においては,次のように保留予告態様の選択を行なう。S711での判定により確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果があると判定されたときには,図33(A)の第1大当り中予告態様選択テーブルを選択する。一方,S711での判定により確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果がないと判定されたときには,図33(B)の第2大当り中予告態様選択テーブルを選択する。そして,大当り中予告態様選択用の乱数としてのSR6を抽出し,そのSR6の抽出データに基づいて,選択した大当り中予告態様選択テーブルを用いて大当り中予告態様を,第1大当り中予告態様?第3大当り中予告態様のいずれかに選択する。 ・・・ 【0417】 次に,図49を用いてラウンド後処理におけるS1978の終了後の処理を説明する。演出制御用CPU101は,大入賞口開放中フラグをリセットする(S1986)。そして,次ラウンドのラウンド中の演出に応じたプロセスデータを選択する(S1987)。第10ラウンドの実行前に行なわれるS1978の大当り中先読み予告演出において,大当り中予告演出を実行することが決定されたときには,前述のように選択される大当り中予告態様で大当り中予告演出を行なうためのデータがS1987において選択される。これにより,第10ラウンドにおいて,S1978の大当り中先読み予告演出において決定された大当り中予告態様で大当り中予告演出が実行されることとなる。」 (ケ)上記(イ)の段落【0037】には,演出表示装置9の表示画面には,第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと,第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられること,上記(エ)の段落【0216】には,保留記憶画像180の表示数により,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて,保留記憶数が示されること,上記(オ)の段落【0225】には,白色の丸印は,通常の保留記憶画像180であること,段落【0226】には,黒色の四角印は,保留予告演出における第3保留予告態様の保留記憶画像180の表示であること,とが記載されていることから,刊行物には,複数の保留表示態様の保留記憶画像180を表示可能な演出表示装置9の第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18dが記載されているといえる。 (コ)上記(イ)の段落【0037】には,演出表示装置9の表示画面には,第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと,第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられ,変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数を把握できること,上記(エ)の段落【0216】には,保留記憶画像180の表示数により,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて,保留記憶数が示されること,とが記載されていることから,刊行物に記載された保留記憶数とは,変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数のことであるといえる。 (サ)上記(エ)の段落【0216】には,1つの保留記憶データが発生するごとに,白色の丸印の保留記憶画像180が1つずつ追加される態様で表示されること,上記(オ)の段落【0225】には,白色の丸印は,通常の保留記憶画像180であること,段落【0226】には,黒色の四角印は,保留予告演出における第3保留予告態様の保留記憶画像180の表示であること,大当りとなる期待度の大小関係は,第1,2保留予告態様<第3保留予告態様であること,とが記載されていることから,刊行物には,複数種類の保留表示態様の保留記憶画像180のうちの一つは,通常(白色の丸印)の保留記憶画像180であり,複数種類の保留表示態様の保留記憶画像180のうちの一つは,第3保留予告態様(黒色の四角印)の保留記憶画像180であり,第3保留予告態様の保留記憶画像180は大当りとなる期待度が大きい保留記憶画像180であり,第3保留予告態様の保留記憶画像180は,通常の保留記憶画像180とは表示態様が異なる保留記憶画像180であることが記載されているといえる。 (シ)上記(ウ)の段落【0160】には,先読み予告が行なわれる場合があり,先読み予告としては,保留予告演出と大当り中予告演出とがあることが記載されていることから,刊行物に記載された複数種類の先読み予告のうちの一つは,保留予告演出であり,複数種類の先読み予告のうちの一つは,大当り中予告演出であるといえる。 (ス)上記(オ)の段落【0226】には,黒色の四角印は,保留予告演出における第3保留予告態様の保留記憶画像180の表示であることが記載されていることから,刊行物に記載された保留予告演出は,第3保留予告態様の保留記憶画像180を用いた先読み予告を含むことは明らかである。 (セ)上記(エ)の段落【0216】には,保留記憶画像180の表示数により,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて,保留記憶数が示されること,上記(カ)の段落【0236】には,大当り遊技状態においては,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dによる保留記憶表示が行なわれないこと,段落【0237】には,大当り遊技状態の第10ラウンドが開始したタイミングにおいて,選択された大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれること,段落【0238】には,第1キャラクタ94Aは,大当り中予告演出における第1大当り中予告態様の表示であること,とが記載されていることから,刊行物に記載された大当り中予告演出は,保留記憶画像180を用いない先読み予告であることは明らかである。 (ソ)上記(カ)の段落【0237】には,大当り遊技状態の第10ラウンドが開始したタイミングにおいて,選択された大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれること,上記(キ)の段落【0369】には,大当り遊技状態中であるときは,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれによる保留記憶表示が中止されること,段落【0398】?【0399】には,大当りとなるときには,そのときに表示されている第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおける保留記憶表示を消去することが記載されている。 このことから,保留予告演出における保留記憶表示が表示されているときに,大当り遊技状態となると,当該保留記憶表示が中止(消去)され,その後の第10ラウンドが開始したタイミングで大当り中予告演出が行われることが記載されているといえる。 したがって,刊行物には,保留予告演出を行った後で,大当り中予告演出を開始可能であること,かつ,保留予告演出は,大当り中予告演出が開始される前に中止される先読み予告であることが記載されているといえる。 (タ)上記(キ)の段落【0372】には,第1当り判定結果記憶バッファに記憶された第1保留記憶のデータのうち,まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶のデータを保留判定対象として選択すること,第2当り判定結果記憶バッファに記憶された第2保留記憶のデータのうち,まだ保留記憶表示が実行されていない第2保留記憶のデータを保留判定対象として選択すること,段落【0375】には,保留予告演出が選択されたときには,保留判定対象の保留記憶データにおける当り判定結果のデータを,第1当り判定結果記憶バッファまたは第2当り判定結果記憶バッファにおいて確認し,保留判定対象が確変大当りAとなるときには,確変大当りA時保留予告態様選択テーブルを用いて保留予告態様を選択すること,段落【0387】,【0388】には保留判定対象に応じて,第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおいて保留記憶表示を加算更新する表示を行なうこと,上記(ク)の段落【0413】には,大当り中予告演出の保留判定対象として,第1当り判定結果記憶バッファおよび第2当り判定結果記憶バッファの記憶データを確認すること,段落【0415】には,大当り中予告演出が選択されたときに,確変大当りAとなる当り判定結果があると判定されたときには,第1大当り中予告態様選択テーブルを用いて大当り中予告態様を選択すること,段落【0417】には,第10ラウンドにおいて,決定された大当り中予告態様で大当り中予告演出が実行されること,とが記載されている。 このことから,第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留予告演出と大当り中予告演出とは,同じ判定結果記憶バッファに記憶されている確変大当りAとなる保留記憶データを用いて実行されることは明らかである。 そして,上記(ウ)の段落【0160】には,先読み予告は,保留記憶データの内容を,当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し,変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行うものであること,先読み予告としては,保留予告演出と大当り中予告演出とがあること,段落【0161】には,保留予告演出は,大当り遊技状態中以外の通常遊技状態において,予告報知を行なう予告報知演出であり,大当り中予告演出は,大当り遊技状態中の所定のタイミングで,予告報知を行なう予告報知演出であること,上記(キ)の段落【0369】には,大当り遊技状態中であるときは,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれによる保留記憶表示が中止されること,との記載を参酌すれば,保留予告演出と大当り中予告演出とにおいて,同じ判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶データの中で同じ保留記憶データが予告対象となり得ることは,明らかである。 したがって,保留記憶データと保留記憶に応じて行われる変動表示とは一対一に対応することは明らかであるから,刊行物に記載された第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留予告演出と大当り中予告演出とは,確変大当りAとなる同じ変動表示を予告対象として実行される先読み予告であるといえる。 (チ)上記(ウ)の段落【0160】には,先読み予告は,保留記憶データの内容を,当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し,変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知であること,先読み予告としては,保留予告演出と大当り中予告演出とがあること,段落【0161】には,保留予告演出は,大当り遊技状態中以外の通常遊技状態において,予告報知を行なう予告報知演出であり,大当り中予告演出は,大当り遊技状態中の所定のタイミングで,予告報知を行なう予告報知演出であること,上記(キ)の段落【0369】には,大当り遊技状態中であるときは,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれによる保留記憶表示が中止されること,とが記載されている。 そして,大当り遊技状態中において中止される第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの保留記憶表示は,当該大当り遊技状態に対応する変動表示よりも後の変動表示を予告対象とした保留記憶表示であることは自明である。 したがって,刊行物に記載された保留予告演出は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示で大当り遊技状態となると中止される先読み予告であるといえる。 (ツ)上記(カ)の段落【0236】には,大当り遊技状態においては,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dによる保留記憶表示が行なわれないこと,との記載から,刊行物には,大当り遊技状態においては,複数の保留表示態様の保留記憶画像180の表示が行われないことが記載されているといえる。 (テ)段落【0162】には,大当り中予告演出については,実際に大当りとなることが確定するときにのみ実行するようにしてもよいことが記載されていることから,刊行物に記載された大当り中予告演出は,大当りとなることが確定するときに実行可能な先読み予告であるといえる。 (ト)上記(ウ)の段落【0160】には,先読み予告は,保留記憶データの内容を,当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し,変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行うものであること,先読み予告としては,保留予告演出と大当り中予告演出とがあること,上記(カ)の段落【0237】には,大当り遊技状態の第10ラウンドが開始したタイミングにおいて,選択された大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれること,とが記載されている。 そして,大当り中予告演出が行われているタイミングにおける大当り遊技状態に対応する変動表示は,大当り中予告演出が予告対象とする変動表示よりも前の変動表示であることは自明である。 したがって,刊行物に記載された大当り中予告演出は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示に応じた大当り遊技状態中に開始される先読み予告であるといえる。 上記の記載事項(ア)?(ク),及び上記の認定事項(ケ)?(ト)から,刊行物には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「演出図柄の変動表示が行われる演出表示装置9の演出図柄表示領域と,(記載事項(ア)) 複数の保留表示態様の保留記憶画像180を表示可能な演出表示装置9の第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18dとを備え,(認定事項(ケ)) 演出制御用マイクロコンピュータ100により,先読み予告が行なわれる場合があり,先読み予告としては,保留予告演出と大当り中予告演出とがあり,(記載事項(ウ)) 保留記憶画像180の表示数により,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて,保留記憶数が示され,(記載事項(エ)) 保留記憶数とは,変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数のことであり,(認定事項(コ)) 複数種類の保留表示態様の保留記憶画像180のうちの一つは,通常(白色の丸印)の保留記憶画像180であり, 複数種類の保留表示態様の保留記憶画像180のうちの一つは,第3保留予告態様(黒色の四角印)の保留記憶画像180であり, 第3保留予告態様の保留記憶画像180は大当りとなる期待度が大きい保留記憶画像180であり, 第3保留予告態様の保留記憶画像180は,通常の保留記憶画像180とは表示態様が異なる保留記憶画像180であり,(認定事項(サ)) 複数種類の先読み予告のうちの一つは,保留予告演出であり, 複数種類の先読み予告のうちの一つは,大当り中予告演出であり,(認定事項(シ)) 保留予告演出は,第3保留予告態様の保留記憶画像180を用いた先読み予告を含み,(認定事項(ス)) 大当り中予告演出は,保留記憶画像180を用いない先読み予告であり,(認定事項(セ)) 保留予告演出を行った後で,大当り中予告演出を開始可能であり,(認定事項(ソ)) 第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留予告演出と大当り中予告演出とは,確変大当りAとなる同じ変動表示を予告対象として実行される先読み予告であり,(認定事項(タ)) 保留予告演出は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示で大当り遊技状態となると中止される先読み予告であり,(認定事項(チ)) 大当り遊技状態においては,複数の保留表示態様の保留記憶画像180の表示が行われず,(認定事項(ツ)) 保留予告演出は,大当り中予告演出が開始される前に中止される先読み予告であり,(認定事項(ソ)) 大当り中予告演出は,大当りとなることが確定するときに実行可能な先読み予告であり,(認定事項(テ)) 大当り中予告演出は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示に応じた大当り遊技状態中に開始される先読み予告である,(認定事項(ト)) パチンコ遊技機1。(記載事項(ア))」 (2)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 (a)引用発明の「演出図柄の変動表示」及び「演出表示装置9の演出図柄表示領域」は,それぞれ本願補正発明の「図柄変動表示」及び「第一の表示手段」に相当する。 このことから,引用発明の「演出図柄の変動表示が行われる演出表示装置9の演出図柄表示領域」は,本願補正発明の「図柄変動表示を実行可能な第一の表示手段」に相当する。 (b)引用発明の「保留記憶画像180」及び「演出表示装置9の第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18d」は,それぞれ本願補正発明の「保留アイコン」及び「第二の表示手段」に相当する。 このことから,引用発明の「複数の保留表示態様の保留記憶画像180を表示可能な演出表示装置9の第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18d」は,本願補正発明の「複数種類の保留アイコンを表示可能な第二の表示手段」に相当する。 (c)引用発明の「演出制御用マイクロコンピュータ100」は,これにより「先読み予告が行なわれる場合があり,先読み予告としては,保留予告演出と大当り中予告演出とがあ」ることから,本願補正発明の「複数種類の先読み予告を実行可能な予告手段」に相当するといえる。 (d)引用発明の「保留記憶数」は,本願補正発明の「保留数」に相当する。 そして,引用発明の「保留記憶画像180の表示数により,第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて,保留記憶数が示され」ることは,本願補正発明の「前記第二の表示手段は,表示された保留アイコンの数により保留数を報知可能な表示手段であ」ることと,同じ意味を持つ。 (e)引用発明の「変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数」は,本願補正発明の「図柄変動表示の開始が保留されている数」に相当する。 このことから,引用発明の「保留記憶数とは,変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数のこと」は,本願補正発明の「前記保留数とは,前記図柄変動表示の開始が保留されている数のこと」に相当する。 (f)引用発明の「通常(白の丸印)の保留記憶画像180」及び「第3保留予告態様(黒色の四角印)の保留記憶画像180」は,それぞれ本願補正発明の「第一の保留アイコン」及び「第二の保留アイコン」に相当する。 このことから,引用発明の「複数種類の保留表示態様の保留記憶画像180のうちの一つは,通常(白色の丸印)の保留記憶画像180であり,複数種類の保留表示態様の保留記憶画像180のうちの一つは,第3保留予告態様(黒色の四角印)の保留記憶画像180であり,」「第3保留予告態様の保留記憶画像180は,通常の保留記憶画像180とは表示態様が異なる保留記憶画像180であ」ることは,本願補正発明の「前記複数種類の保留アイコンのうちの一つは,第一の保留アイコンであり,前記複数種類の保留アイコンのうちの一つは,第二の保留アイコンであり,」「前記第二の保留アイコンは,前記第一の保留アイコンとは表示態様が異なる保留アイコンであ」ることに相当する。 (g)上記(f)で検討したことから,引用発明の「第3保留予告態様の保留記憶画像180は大当りとなる期待度が大きい保留記憶画像180であ」ることは,第3保留予告態様の保留記憶画像180が大当りとなる場合に表示可能であるから,本願補正発明の「前記第二の保留アイコンは,大当りとなる場合にのみ表示可能な保留アイコンである」ことと,「第二の保留アイコンは,大当りとなる場合に」「表示可能な保留アイコンであ」る点で共通する。 (h)引用発明の「保留予告演出」及び「大当り中予告演出」は,それぞれ本願補正発明の「第一の先読み予告」及び「第二の先読み予告」に相当する。 このことから,引用発明の「複数種類の先読み予告のうちの一つは,保留予告演出であり,複数種類の先読み予告のうちの一つは,大当り中予告演出であ」ることは,本願補正発明の「前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第一の先読み予告であり,前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第二の先読み予告であ」ることに相当する。 (i)上記(f),(h)で検討したことから,引用発明の「保留予告演出は,第3保留予告態様の保留記憶画像180を用いた先読み予告であ」ることは,本願補正発明の「前記第一の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であ」ることに相当する。 (j)上記(b),(f)で検討したことから,引用発明の「大当り中予告演出は,保留記憶画像180を用いない先読み予告であ」ることは,本願補正発明の「前記第二の先読み予告は,前記保留アイコンを用いない先読み予告であ」ることに相当する。 (k)上記(c),(h)で検討したことから,引用発明の「保留予告演出を行った後で,大当り中予告演出を開始可能であ」る構成は,本願補正発明の「前記予告手段は,前記第一の先読み予告を開始した後で前記第二の先読み予告を開始可能な手段であ」ることと同じ意味をもつといえる。 (l)引用発明の「確変大当りAとなる同じ変動表示」は,本願補正発明の「同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)」に相当する。 以上のことと,上記(h)で検討したこととから,引用発明の「第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留予告演出と大当り中予告演出とは,確変大当りAとなる同じ変動表示を予告対象として実行される先読み予告であ」ることは,本願補正発明と「前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告と」「は,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であ」る点で共通する。 (m)引用発明の「予告対象の変動表示よりも前の変動表示」及び「大当り遊技状態」は,それぞれ本願補正発明の「前記第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示(以下,「第二の図柄変動表示」という。)」及び「大当り」に相当する。 以上のことと,上記(h)で検討したこととから,引用発明の「保留予告演出は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示で大当り遊技状態となると中止される先読み予告であ」ることは,本願補正発明の「前記第一の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示(以下,「第二の図柄変動表示」という。)が大当りとなることに関連して終了される先読み予告であ」ることに相当する。 (n)上記(b),(m)で検討したことから,引用発明の「大当り遊技状態においては,複数の保留表示態様の保留記憶画像180の表示が行われ」ない構成は,本願補正発明の「大当り遊技の実行中に前記複数種類の保留アイコンが表示されないように構成されて」ていることに相当する。 (o)上記(h)で検討したことから,引用発明の「保留予告演出は,大当り中予告演出が開始される前に中止される先読み予告であ」ることは,本願補正発明の「前記第一の先読み予告は,前記第二の先読み予告が開始される前に終了される先読み予告であ」ることに相当する。 (p)上記(h),(l)で検討したことから,引用発明の「大当り中予告演出は,大当りとなることが確定するときに実行可能な先読み予告であ」ることは,予告対象の変動表示が大当りとなるときであるから,本願補正発明の「前記第二の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示が大当りとなることを報知可能な先読み予告であ」ることに相当する。 (q)引用発明の「予告対象の変動表示よりも前の変動表示に応じた大当り遊技状態中」は,本願補正発明の「前記大当り遊技(以下,「第三の大当り遊技」という。)の実行中」に相当する。 以上のことと,上記(h)で検討したこととから,引用発明の「大当り中予告演出は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示に応じた大当り遊技状態中に開始される先読み予告であ」ることは,本願補正発明の「前記第二の先読み予告は,前記第二の図柄変動表示に応じた前記大当り遊技(以下,「第三の大当り遊技」という。)の実行中に開始される場合がある先読み予告であ」ることに相当する。 (r)引用発明の「パチンコ遊技機1」は,本願補正発明の「遊技台」に相当する。 上記(a)?(r)により,本願補正発明と引用発明とは, 「図柄変動表示を実行可能な第一の表示手段と, 複数種類の保留アイコンを表示可能な第二の表示手段と, 複数種類の先読み予告を実行可能な予告手段と, を備えた遊技台であって, 前記第二の表示手段は,表示された保留アイコンの数により保留数を報知可能な表示手段であり, 前記保留数とは,前記図柄変動表示の開始が保留されている数のことであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの一つは,第一の保留アイコンであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの一つは,第二の保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,大当りとなる場合に表示可能な保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,前記第一の保留アイコンとは表示態様が異なる保留アイコンであり, 前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第一の先読み予告であり, 前記複数種類の先読み予告のうちの一つは,第二の先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記保留アイコンを用いない先読み予告であり, 前記予告手段は,前記第一の先読み予告を開始した後で前記第二の先読み予告を開始可能な手段であり, 前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告とは,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示(以下,「第二の図柄変動表示」という。)が大当りとなることに関連して終了される先読み予告であり, 大当り遊技の実行中に前記複数種類の保留アイコンが表示されないように構成されており, 前記第一の先読み予告は,前記第二の先読み予告が開始される前に終了される先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示が大当りとなることを報知可能な先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記第二の図柄変動表示に応じた前記大当り遊技(以下,「第三の大当り遊技」という。)の実行中に開始される場合がある先読み予告である, ことを特徴とする遊技台」 である点で一致し,以下の点で相違する。 [相違点1] 「第二の保留アイコン」について,本願補正発明は「大当りとなる場合にのみ」表示可能であるのに対し,引用発明は「大当たりとなる場合に」表示可能な点。 [相違点2] 「複数種類の先読み予告のうちの一つ」として,本願補正発明は,第一の先読み予告及び第二の先読み予告と同じ第一の図柄変動表示を対象とし,先に開始された第二の図柄変動表示に応じた大当り遊技が終了してから,第一の図柄変動表示が開始されるまでの間に開始される場合がある,第二の保留アイコンを用いた第三の先読み予告を実行可能であるのに対し,引用発明は,予告対象の変動表示よりも前の変動表示に応じた大当り遊技状態が終了してから,予告対象の変動表示の前に第3保留予告態様の保留記憶画像180を表示する保留予告演出を行うか否か明記されていない点。 (3)判断 上記相違点について検討する。 [相違点1について] 本願出願前に遊技機の分野において,大当り確定の場合にのみ用いられる保留表示態様で保留表示を行う構成は周知技術(特開2010-35942号公報の段落【0468】?【0469】,図49(a),(b)には,大当たり当選となることを,第1保留表示領域Gaまたは第2保留表示領域Gbにおける「当」との表示により把握できることが示されている。特開2010-57725号公報の段落【0078】?【0079】,図8には,始動記憶表示60において,特殊表示として「V」を表示する第1特殊表示の場合には,15ラウンドである特別結果の導出が確定であることを報知することが示されている。特開2011-229548号公報の段落【0079】には,大当り当選値と一致している大当り抽選乱数の保留の場合には,保留表示部25dとして星図形「☆」の図柄を表示させることが記載されている。以下,「周知技術1」という。)である。 そして,引用発明と周知技術1とは,大当りに関連した保留表示態様で保留表示を行う点で共通していることから,引用発明の第二の保留アイコン(第3保留予告態様(黒色の四角印)の保留記憶画像180)を,大当たりの場合に表示可能とする構成に換えて,当該周知技術1を適用し,大当り確定の場合にのみ表示可能とする,上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易になし得たことである。 [相違点2について] 本願出願前に遊技機の分野において,大当り遊技の終了時に,大当り遊技の開始よりも前に実行されていた保留表示を用いた先読み予告と同様の先読み予告を再開する構成は周知技術(特開2010-246698号公報の段落【0094】,【0098】?【0099】,図22,25には,大当り終了時処理において,先読み演出再開処理を行って,保留図柄100,101として先読み図柄を表示することが記載されている。特開2011-229548号公報の段落【0078】?【0079】,【0157】?【0164】,図3,15には,大当り遊技終了時処理において,大当り遊技終了時事前判定処理を行って,保留表示部25dの表示を用いた予告演出が行われることが記載されている。以下,「周知技術2」という。)である。 そして,引用発明と周知技術2とは,大当り遊技の開始よりも前に当該大当り遊技よりも後の変動表示を予告対象として保留表示を用いた先読み予告が実行され,大当り遊技の開始後にも当該変動表示を予告対象として先読み予告を行う点で共通していることから,引用発明の大当り遊技の開始前の第二の保留アイコンを用いた第一の先読み予告及び大当り遊技中の第二の保留アイコンを用いない第二の先読み予告を行う構成に,当該周知技術2を適用し,大当り遊技の終了時に第二の保留アイコンを用いた先読み予告(第三の先読み予告)を行う構成とする,上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易になし得たことである。 また,本願補正発明の作用効果は,引用発明及び周知技術1?2からみて,当業者の予測し得ない格別なものではない。 ここで,審判請求人の主張について検討する。 審判請求書において,請求人は,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(刊行物)について,「しかしながら,引用文献1には,先読み予告の対象である第一の図柄変動表示よりも先に開始された第二の図柄変動表示が大当りとなった場合に,当該大当りに係る第三の大当り遊技の実行中において第一の先読み予告として表示されていた第二の保留アイコンを含む保留アイコンを消去し,当該第三の大当り遊技の終了後に開始される,第一の図柄変動表示を対象とした先読み予告(第三の先読み予告)において,第一の先読み予告で使用していたのと同じ第二の保留アイコンを用いることについての記載は一切なく,示唆すらもありません。」(第17頁第27行?第18頁第5行) 「一方,引用文献1には,上記本願発明特有の効果を奏するような構成については記載も示唆もありません。 」(第18頁第24?25行) と主張している。 しかしながら,上記[相違点2について]で検討したとおり,本願出願前に遊技機の分野において,請求人の主張する上記本願発明特有の効果を奏するような構成は周知技術(上記周知技術2)であり,引用文献1の保留予告演出及び大当り中予告演出を行う構成に,当該周知技術2を適用することは,当業者が容易になし得たことである。 したがって,請求人の主張は採用できない。 よって,本願補正発明は引用発明及び周知技術1?2に基づいて当業者が容易に発明できたものであり,特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 本件補正は,上記のとおり却下されることとなったので,本願の請求項1?14に係る発明は,平成26年8月18日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,上記「第2[理由]1.本件補正の概要」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 1.刊行物 原査定の拒絶理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物の記載事項及び引用発明の認定については,上記「第2[理由]3.(1)刊行物」に記載したとおりである。 2.対比 本願発明と引用発明とを対比する。 本願発明は,上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明に対し,「先読み予告」について「第三の先読み予告」に関連した限定,「第一の図柄変動表示とは別の図柄変動表示」を「第一の図柄変動表示よりも先に開始された図柄変動表示」にする限定,「複数種類の保留アイコン」について「大当り遊技の実行中に」「表示されないように構成」する限定,及び「第二の先読み予告」について「前記第二の図柄変動表示に応じた前記大当り遊技の実行中に開始される場合がある」ことにする限定を省くことを含むものである。 そして,上記「第2[理由]3.(2)対比」を参酌すると,本願発明と引用発明とは, 「図柄変動表示を少なくとも実行可能な第一の表示手段と, 複数種類の保留アイコンを少なくとも表示可能な第二の表示手段と, 複数種類の先読み予告を少なくとも実行可能な予告手段と, を備えた遊技台であって, 前記第二の表示手段は,表示された保留アイコンの数により保留数を少なくとも報知可能な表示手段であり, 前記保留数とは,開始が保留されている前記図柄変動表示の数のことであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの少なくとも一つは,第一の保留アイコンであり, 前記複数種類の保留アイコンのうちの少なくとも一つは,第二の保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,大当りとなる場合に表示される場合がある保留アイコンであり, 前記第二の保留アイコンは,前記第一の保留アイコンとは表示態様が少なくとも異なる保留アイコンであり, 前記複数種類の先読み予告のうちの少なくとも一つは,第一の先読み予告であり, 前記複数種類の先読み予告のうちの少なくとも一つは,第二の先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第二の保留アイコンを用いた先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記保留アイコンを用いない先読み予告であり, 前記予告手段は,前記第一の先読み予告を開始した後で前記第二の先読み予告を少なくとも開始可能な手段であり, 前記第一の先読み予告と前記第二の先読み予告は,同じ前記図柄変動表示(以下,「第一の図柄変動表示」という。)を対象として実行される先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示とは別の図柄変動表示が大当りとなることに関連して少なくとも終了される先読み予告であり, 前記第一の先読み予告は,前記第二の先読み予告が開始される前に少なくとも終了される先読み予告であり, 前記第二の先読み予告は,前記第一の図柄変動表示が大当りとなることを少なくとも報知可能な先読み予告である, ことを特徴とする遊技台。」 である点で一致し,以下の点で相違する。 [相違点] 「第二の保留アイコン」について,本願発明は「大当りとなる場合にのみ」表示される場合があるのに対し,引用発明は「大当たりとなる場合に」表示される場合がある点。 3.判断 上記相違点について検討する。 [相違点について] 上記相違点に係る本願発明の構成は,上記「第2[理由]3.(3)判断」に[相違点1について]に係る判断として記載したのと同様の理由により,引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に想到することができたものである。 さらに,本願発明の作用効果も,引用発明及び周知技術1から当業者が予測できる範囲のものであり,格別顕著なものとはいえない。 したがって,本願発明は,引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって,その余の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-01-05 |
結審通知日 | 2017-01-10 |
審決日 | 2017-01-23 |
出願番号 | 特願2012-82813(P2012-82813) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 清水 徹 |
特許庁審判長 |
長崎 洋一 |
特許庁審判官 |
小島 寛史 加舎 理紅子 |
発明の名称 | 遊技台 |
代理人 | 吉延 彰広 |
代理人 | 中 大介 |