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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1326197
審判番号 不服2015-18596  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-10-14 
確定日 2017-03-14 
事件の表示 特願2010-243670「コンテンツ利用履歴に基づいたネットワーク・コンテンツ・サービス管理方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 5月12日出願公開、特開2011- 96258〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2010年(平成22年)10月29日(パリ条約による優先権主張2009年(平成21年)年10月30日、大韓民国)の出願であって、平成26年10月8日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月23日付けで手続補正がなされたが、同年6月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月14日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同時に手続補正がなされたものである。
一方、当審において、平成28年4月19日付けで拒絶理由を通知し、応答期間内である同年6月30日に意見書及び手続補正書が提出された。


第2 本願発明

本願の請求項1?15に係る発明は、平成28年6月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「データ通信が可能なネットワークのデバイスのうち第1デバイスから、コンテンツに対する利用要請を受信する段階と、
前記ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報と、コンテンツ利用履歴情報と、前記コンテンツについてのコンテンツ属性情報と前記ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報とのうち少なくとも1つと、を収集して管理する段階と、
前記ネットワークのデバイスのうち、前記コンテンツを利用する第2デバイスに前記コンテンツを提供するように制御する段階と、を含み、
前記ユーザ属性情報は、前記ネットワークのデバイスの少なくとも一つのための少なくとも一人のユーザの使用権限及び前記コンテンツについての情報を含み、
前記コンテンツを提供するように制御する段階は、
前記ネットワークの前記デバイスから前記第1デバイスを介して選ばれ前記コンテンツを再生することが可能な少なくとも1つの第2デバイス、を制御し、前記コンテンツ属性情報と前記デバイス属性情報とに基づいて、前記第1デバイスの制御下で、ウェブから前記コンテンツを受信するために、選ばれた前記少なくとも1つの第2デバイス、を制御する
ことを特徴とするコンテンツ・サービス管理方法。」


第3 引用文献及び引用発明

1 平成28年4月19日付けの拒絶の理由に引用した特開2009-130750号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次のア?カの記載がある。(下線は、注目箇所に当審が付した。以下、同様。)


「【請求項1】
ネットワークを用いたコンテンツ配信方法であって、
制御端末からサーバへ、コンテンツを視聴する表示端末を指定する情報を通知するステップと、
前記サーバから前記表示端末へ、コンテンツを配信するステップとを有するコンテンツ配信方法。」


「【0011】
上記手段により例えば、一方の例えば携帯端末で認証を実行し、他方の例えば比較的大画面を有するTV端末で視聴等することができる。」


「【0013】
本実施例では、映像や音声や文字情報などのいくつかのメディアで構成する番組情報のようなコンテンツをInternet Protocolで配信する放送サービス(以下、IPTVと呼ぶ)を想定しているが、本発明の適用は本実施例に限定されない。」


「【0020】
使用状況の一例は、制御端末(140)が例えば携帯電話やPDA等の携帯端末、表示端末(120)が例えばリビングや書斎に置かれるTVだとして、ユーザが携帯端末を操作し、その近くのTVでコンテンツを視聴することが考えられる。
【0021】
サーバ(100)は、処理部(107)を中心として、ネットワークを用いて他の機器、特にクライアントと通信を行うための通信部(108)、クライアントを管理するクライアント管理部(103)、コンテンツを管理するコンテンツ管理部(106)、および配信状況を管理する配信管理部(110)から構成する。サーバ(100)は一体である必要はなく、例えばコンテンツ管理部とクライアント管理部とで分かれていてもよい。
【0022】
ここで、クライアント管理部(103)には、ユーザ毎に認証を行うためのユーザ認証情報(101)と、ユーザが持つ機器を認証するための機器認証情報(102)と、コンテンツへの課金状況を記録する課金情報(104)と、サーバの管理空間にログインしているユーザの状況を記録するログイン情報(111)を管理している。」


「【0024】
図2は、ユーザ認証情報(101)の内容例を示すデータテーブルである。クライアント管理部(103) で管理する認証情報には、ユーザID(管理番号)と一意のユーザ名、ユーザパスワード、ユーザの本名やその住所および連絡先などが記載されている。本実施例ではパスワードによるユーザ認証を前提に説明するが、指静脈や指紋、音声、顔画像、虹彩等の一般的生体認証などであってもよく、その場合には適宜ユーザ認証情報の項目が変わる。
【0025】
図3と図4は、それぞれ機器認証情報(102)の内容例を示すデータテーブルである。図3は認証をするデバイスの条件であり、図4は認証を行わないデバイスの条件(該当するデバイスを拒絶するための条件)を示している。図3および図4はどちらか一方を用いても、双方を用いてもよい。クライアント管理部(103)で管理する機器認証情報には、共通して、ユーザが利用する装置のデバイス情報(121,141)に含まれるデバイスIDやメーカ、機種、製造年月日、ハードウェアのレビジョン番号、ファームウェアのレビジョン番号等、を評価するための条件とする内容を保持する。これらの内容には、デバイスIDのうち一部の桁の変化に対応するワイルドカードや、年月日の範囲等による変動可能な表記があっても、特定の装置だけを例外的に条件とする表記であってもよい。
【0026】
図5は、課金情報(104)の内容例を示すデータテーブルである。クライアント管理部(103) で管理する課金情報には、前述のユーザIDに結び付けて、支払い方法及び名義人、配信済みのコンテンツID、コンテンツの配信方法や契約期間、および、コンテンツの配信サービスあるいは配信されたコンテンツを再生視聴したことにより発生するクライアントへの課金額などを記録する。コンテンツの配信方法としては、蓄積を行わないストリーミング型として「VoD」、蓄積を行うダウンロード型やプログレッシブダウンロード型であれば期間やそこで行われる回数を記録する。ここで「-1」は回数制限なしを表している。
【0027】
図6は、ログイン情報(111) の内容例を示すデータテーブルである。クライアント管理部(103) で管理するログイン情報は、ある時点でサービスを受けるためにログインしているユーザの情報を管理する。このログイン情報には、前述のようにサーバの管理空間に、ユーザ名とパスワードの伝達のように所定の手続きを行って認証されてログインをした際に、そのユーザIDやユーザ名、ログインの時刻とそれの期限、および、ログインや配信制御を行う制御端末と配信されたコンテンツを表示する表示端末のネットワーク上のアドレス(ポートを含む)、および、表示端末が持つデバイスの情報として、表示可能なコンテンツの種類や符号化方式や解像度、サンプリングレートなどのフォーマット等の情報を保持する。これら情報を用いて配信を行うコンテンツの種類やフォーマットを調整してもよい。ここで、ログインの有効期限とは、ユーザが特定時間操作を行わない際に、ログインや配信に関わる処理リソースを節約するために開放したり、第三者からの不正利用を防止するために再度パスワード等の入力を求める際などに用いることができる。また、制御端末と表示端末のアドレスが同一であってもよいし、表示端末が未定の場合にはアドレスが空白でもよく、この場合には後述の配信フローで説明する表示端末の指定により表示端末のアドレスを保持する。
【0028】
図7は、コンテンツ情報(105)の内容例を示すデータテーブルである。コンテンツ管理部(105)では、コンテンツデータおよび付随する情報から構成するコンテンツ情報(105)を管理する。コンテンツ情報は、コンテンツのID(管理番号)と、コンテンツのフォーマットや内容等の説明情報、コンテンツデータ、および、コンテンツのサイズや表示に適する装置の対象、そしてコンテンツの配信サービスあるいは配信されたコンテンツを再生視聴したことにより発生する料金、同内容で表示対象の異なるコンテンツのIDなどを記録する。なお、これら各種情報は、ハードディスク等の記録メディアを用いて記録され、コンテンツ管理部が管理するメモリ上に読み込まれてもよい。また、コンテンツデータと、コンテンツデータを説明するデータ(メタデータ)等としていくつかに分けて管理してもよい。インターネット等の通信路にて悪意の第3者から保護するためRSA暗号技術などを用いて暗号化されたコンテンツを解読して再生するための鍵情報を管理することも望ましい。なお、これら各種情報は、ハードディスク等の記録メディアを用いて記録され、クライアント管理部(103)が管理するメモリ上に読み込まれてもよい。
【0029】
図8は、鍵情報(109)の内容例を示すデータテーブルである。配信管理部(110)では、鍵情報として、各ユーザに配信を行ったコンテンツ毎にコンテンツID、鍵のデータ(暗号鍵および復号鍵の双方が必要であればその両方が望ましい)、コンテンツの利用を許可する有効期限または有効回数、および、コンテンツを再生するための装置種や条件がある場合にはその利用範囲等で構成する情報を管理する。
【0030】
図9は、デバイス情報(121)の内容例を示すデータテーブルである。デバイス情報は表示端末(120)が固有に持つ機器を特定可能な情報としてのデバイスIDや、メーカ名や機種名、製造年月日と、表示端末の内部のハードウェアやファームウェアのレビジョン番号、あるいはこれらの識別子を保持する。これら情報をサーバに送信することで機器認証を行う。なお、制御端末においても同様のデバイス情報(141)を持つ。デバイス情報は、ROM(Read Only Memory)等のような、ユーザが変更できない方法で端末内部に保持する必要がある。」


「【0031】
次に、サーバ(100)、表示端末(120)、制御端末(140)での動作例を説明する。
【0032】
図10は、サーバ(100)、表示端末(120)、制御端末(140)での実施例1での処理例を示すフロー図である。この処理フローの例では、制御端末においてログイン処理を行い、サーバでのユーザ認証に基づくユーザ証明書を取得した後、このユーザ証明書を表示端末に送り、表示端末とサーバ間で証明書に基づくコンテンツ復号鍵の授受、配信と表示処理を表示端末で行う。以下、それぞれの処理を時間軸に沿って説明する。なお、各処理はサーバあるいは両端末の処理部において主に処理され、それぞれに接続された各部と連携して実行されるとする。また、通信はサーバ、両端末ともに通信部を用い、インターネットを経由して行われるが、以下便宜上説明を割愛する。
【0033】
サーバ(100)には、既にサーバが提供するコンテンツ配信サービスを受けるためにユーザ登録が完了しているとする。このとき、ユーザ名、任意のパスワード等のユーザ認証情報(101)や、サービスを受ける際に発生する課金を支払うための課金情報(104)を登録し、ユーザがサービス利用に当たって不備の無いことがわかっているとする。また、サーバ上にはサービスとしての配信を行うコンテンツデータとその内容がコンテンツ情報(105)として別途登録してあるとする。さらに、コンテンツ配信を受けることができる正規端末の条件、あるいは、その中から除外される端末の条件を機器認証情報(102)として管理しているとする。
【0034】
図10の処理フローによると、まず、ユーザは制御端末(140)を用いてサーバにアクセスし、ログイン、すなわちユーザ認証を行う(ステップ1001,1041)。
【0035】
ユーザ認証では、例えばログイン画面で、ユーザ名と、パスワード等の情報を入力する。制御端末の処理部(145)は入力された情報を予め定められた形式でサーバに送付し、サーバ側これを受信する。サーバではクライアント管理部にて管理されるユーザ認証情報(101、図2)を用いて、得られたユーザ名とパスワードが正しいかを検証する。正しい場合にはこのユーザが正規にログインしたものとして認証し、ログイン情報(111、図6)に登録する。サーバはユーザがログインに用いた制御端末のアドレス(IPアドレスおよびポート番号)を記録し、また認証した時刻、および、予め定めた期間(例えば10分間)を加えた時刻をログインの期限として記録する。これは、ユーザが制御端末から離れた際に、第三者が不正な操作を行わないための予防のひとつである。さらに、期限を超えた場合には再度これらログイン処理を行ってもよい。なお、この例ではユーザ名とパスワードにて説明したが、ユーザの指静脈や指紋、虹彩、顔等の画像や声紋等の音響を用いた生体認証や、その他の認証手段であってもよく、その際にはサーバはこれらのユーザ情報を検証するためのユーザ認証情報を管理しクライアント認証を行う。なお、ユーザ認証に代えて、制御端末が持つデバイス情報(141)をサーバ側に送付し認証を行う、すなわち、制御端末の機器認証を行ってもよい。この制御端末のデバイス情報に関しては、表示端末のデバイス情報(121,図9)に準じるため説明を省略する。
【0036】
次の処理として、ログインが完了した後、サーバからユーザ証明書と呼ぶデータを送付し(ステップ1002)、制御端末がこれを受信する(ステップ1042)。
【0037】
図11は、ユーザ証明書の説明図である。ユーザ証明書には、制御端末を用いてユーザが認証されたことを証明し、これを用いて表示端末がサーバにコンテンツ配信を要求するための情報を記載したデータである。証明情報とも呼ぶ。この中には、例えばユーザIDやユーザ名、発行年月日や有効期限年月日および両時刻の情報とともに、認証IDを記載する。なお、この認証IDは容易に偽造できないよう、発行する年月日・時刻やユーザ名など場合に応じて動的に変化する情報を手がかりとするような暗号化手法を用いて生成することが望ましい。
【0038】
次に、制御端末はネットワーク上で利用可能な表示端末を検索する。この際、一般的なユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ(UPnP)標準にて定義されているような、宅内のネットワークに接続された機器の中から、表示端末として特定の用件を満たす「ディスカバリ」機能による機器探索手法を用いてもよい。具体的には、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)と呼ばれるプロトコルを用いて、制御端末からマルチキャスト通信によるネットワーク対応機器への同報通信により表示端末の問い合わせ要求を送信し(ステップ1043)、対応機器、特に本実施例の表示端末がこの問い合わせ要求を受信し(ステップ1021)、これに対しての応答を制御端末に送信する(ステップ1022)。この際には、それぞれの表示端末が持つ表示機能に関するネットワークアドレス、ポート番号、名称等からなるアドレス情報が得られる。なお、複数の機器による応答がほぼ同時にあってもよく、この場合でもすべての機器からの応答を制御端末が受信し内部で機器の情報を保持する。これらの応答に基づき、制御機器はネットワーク上に接続された表示端末をユーザに提示するよう表示部(146)に表示する(ステップ1044)。なお、表示部(146, 126)は、液晶や有機EL等のディスプレイを想定しているが、ディスプレイへ出力する出力部であってもよい。
【0039】
図12は、制御端末の表示部に表示した表示端末選択画面例の説明図である。この図では、「手元」として制御端末自らも表示端末として選択可能であることを示すと同時に、「TV H社 P50-XX01」や「カーナビ X社 ABC-0001」が表示端末となる候補として選択可能な状態、すなわちユーザが入力部(147)を用いたユーザインタフェースとして、ボタンの形で表示している。このような表示端末の候補の中から、ユーザがひとつを選択して決定する(ステップ1045)。なお、すべての端末が宅内ネットワークに接続できることを前提に説明したが、宅外のネットワークに関しても同様の機器探索手法を用いてもよい。また、ユーザが保持する特定の機器をネットワーク上の特定機器にて管理していてもよく、例えばサーバがこれらを管理し、ユーザが利用可能な機器を予め指定することでマルチキャストではなくユニキャストにより通信してもよい。さらに、インターネット、による機器ネットワーク、携帯電話網やWiMAXと呼ばれる広域無線ネットワーク等、あるいはIEEE1394やBluetooth等の異種ネットワーク上にて同様の通信を相互に行うことで、表示端末を指定してもよい。
【0040】
このようにユーザが決定した表示端末に関して得られた前述のアドレス情報を、制御端末からサーバに送信し(ステップ1046)、サーバが受信する(ステップ1003)。なお、このステップは表示端末が送信してもよく、その際には制御端末から表示端末に対して決定した旨の通知を行った後に表示端末からサーバに対して自端末の情報を通知する。また、これら表示端末に関する情報通知のステップは、次の機器認証に掛かるステップにて同時に行ってもよい。
【0041】
次に、制御端末から既に受信したユーザ証明書(図11)を表示端末に送り(ステップ1047,1023)、表示端末はユーザ証明書と端末デバイス情報(121、図9)をサーバに送る(ステップ1024,1004)。サーバでは、ユーザ証明書により、表示端末が当該ユーザの支配下において制御端末と共に用いられていることを識別できる。また、端末デバイス情報とサーバのクライアント管理部(103)で管理している機器認証情報(102,図3)とを比較して、当該の表示端末に対してコンテンツ配信を行うことが機能的にできるか、あるいは正規の端末であるかどうかの認証、すなわち端末認証を行い(ステップ1005)、その結果を表示端末に送信し(ステップ1025)、さらに表示端末から制御端末に結果を送信する(ステップ1025,1048)。正しく認証され、コンテンツ配信が可能である場合には、サーバは、コンテンツ管理部(106)で管理するコンテンツ情報(105,図7)のうち、表示端末に適して配信可能なコンテンツの一覧を制御端末に送信し(ステップ1006)、制御端末ではこの一覧を表示部(146)に表示する(ステップ1049)。なお、ここで表示端末に適して配信可能なコンテンツとは、端末デバイス情報に含むTVやカーナビ等の属性や、表示端末が表示可能な形式等により選定したり、予めユーザが登録あるいはサーバ内で推定したユーザの嗜好に基づいて選択あるいは順番付けを行ってもよい。
【0042】
図13は、制御端末の表示部に表示したコンテンツ選択画面の例を示す。この例では、タイトルおよび内容の要約、および、配信に掛かる料金を表形式にて表示している。ユーザはこの表示と入力部(147)を用いたユーザインタフェースにより、所望のコンテンツを選択させそのコンテンツIDを取得する(ステップ1050)。図では配信領域にチェックをつけるようにして選択している。なお、表示端末の表示部(126)に表示して表示端末で選択させてもよい。
【0043】
このように選択されたコンテンツのIDを制御端末から表示端末に送信し(ステップ1051,1027)、これを用いて表示端末はコンテンツの配信要求をサーバに対して行う(ステップ1028,1007)。なお、コンテンツの配信要求は、表示端末を介さず、制御端末からサーバに直接行ってもよい。
【0044】
次に、サーバは当該コンテンツの復号鍵を生成、あるいは既存データから取得し、表示端末に送付する(ステップ1008,1029)。
【0045】
図14は、サーバ鍵の例の説明図である。この例では、復号鍵の情報に加え、ユーザID、コンテンツID、有効期限または有効回数、および、利用範囲が記載されたデータからなるとしている。鍵情報とも呼ぶ。有効期限または有効回数等の配信条件がある場合には、表示端末において配信可能かどうかの判断を行ってもよい。図14の例で有効回数「-1」の場合には有効回数の制限が無いことを示すなどしているが、配信条件の規定やその表記は他の方法であっても何ら問題ない。なお、この復号鍵送付に掛かるステップは、コンテンツに暗号化が必要な場合であって、不要な場合には省略してもよい。
【0046】
表示端末にて復号鍵や配信条件を満足し配信準備が完了した場合には、表示端末から制御端末に対して配信準備が完了した旨の通知を送信し(ステップ1030)、制御端末では配信の制御用のユーザインタフェースを表示部(146)に表示、あるいは入力部(147)からのユーザ操作待ちを行う(ステップ1052)。
【0047】
ユーザが制御端末を用いて、再生、一時停止、早送り、早戻し等のコンテンツ再生制御を入力した場合、サーバにそれらの制御情報を送信し(ステップ1053,1009)、終了(停止)の場合以外には(ステップ1010)、サーバは表示端末にコンテンツを配信し(ステップ1011)、表示端末はこれを受けて、復号鍵がある場合にはそれを用いて復号して表示端末の表示部(126)にコンテンツを表示する(ステップ1031)。また、ユーザ操作が終了(停止)の場合には(ステップ1054)、制御端末から表示端末を経由するなどして表示終了要求をサーバに送付し(ステップ1055,1032,1009)、サーバはコンテンツ配信を終了し(ステップ1010)、コンテンツ配信に関するセッションを終了する。表示端末での復号鍵、あるいは証明書は不要であれば削除することで(ステップ1033)、不正利用防止としてもよい。
【0048】
なお、再びユーザが同一コンテンツに関して配信を要求した場合には、これらの処理ユーザ証明書の伝達や復号鍵伝達に掛かるステップを省略してコンテンツ配信のステップを行ってもよい。また、コンテンツ配信において表示端末での表示を行う代わりに、表示端末(120)のコンテンツ管理部(122)においてのコンテンツの記録(123)、すなわちダウンロードを行ったり、記録した部分の逐次的な表示、すなわちプログレッシブダウンロードを行ってもよい。」

a
上記【請求項1】の記載によれば、引用文献1には、
「サーバと、制御端末と、表示端末とからなるネットワークにおいて、
前記サーバは、
前記制御端末から、コンテンツを視聴する表示端末を指定する情報を受信し、
前記表示端末へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法。」が記載されている。

b
上記段落【0022】の記載によれば、上記aの「サーバ」は、「ユーザ毎に認証を行うためのユーザ認証情報」、「ユーザが持つ機器を認証するための機器認証情報」、「コンテンツへの課金状況を記録する課金情報」、「サーバの管理空間にログインしているユーザの状況を記録するログイン情報」とを管理するクライアント管理部を備えている。

c
上記段落【0024】?【0026】の記載によれば、
上記bの「ユーザ認証情報」は、「ユーザIDと一意のユーザ名、ユーザパスワード、ユーザの本名、住所、連絡先」を有し、上記bの「機器認証情報」は、「共通して、ユーザが利用する装置のデバイス情報に含まれるデバイスID、メーカ、機種、製造年月日、ハードウェアのレビジョン番号、ファームウェアのレビジョン番号等を評価するための条件とする内容」を有し、上記cの「課金情報」は、「ユーザIDに結び付けて、支払い方法及び名義人、配信済みのコンテンツID、コンテンツの配信方法や契約期間、クライアントへの課金額」を有している。

d
上記段落【0027】の記載によれば、上記bの「ログイン情報」は、「ログインしているユーザの情報を管理し、ユーザID、ユーザ名、ログイン時刻とその期限、制御端末と配信されたコンテンツを表示する表示端末のアドレス、表示端末が持つデバイス情報として、表示可能なコンテンツの種類や符号化方式や解像度、サンプリングレートなどのフォーマット等の情報」を保持し、これら情報を用いて、配信を行うコンテンツの種類やフォーマットを調整してもよいものである。

e
上記段落【0028】の記載によれば、上記aの「サーバ」は、「コンテンツデータおよび付随する情報から構成されるコンテンツ情報」を管理するコンテンツ管理部を備え、前記コンテンツ情報には、「コンテンツのIDとコンテンツのフォーマットや内容等の説明情報、コンテンツデータ、コンテンツのサイズや表示に適する装置の対象、コンテンツの配信サービスあるいは配信されたコンテンツを再生視聴したことにより発生する料金、同内容で表示対象の異なるコンテンツID」などが含まれる。

f
上記段落【0021】,【0029】,図14の記載によれば、上記aの「サーバ」は、「配信状況を管理する配信管理部」を備え、配信管理部では、「鍵情報として、各ユーザに配信を行ったコンテンツ毎にユーザID、コンテンツID、鍵のデータ、コンテンツの利用を許可する有効期限または有効回数、および、コンテンツを再生するための装置種や条件がある場合にはその利用範囲等で構成する情報」を管理するものである。

g
上記段落【0030】の記載によれば、表示端末は、表示端末が固有に持つ機器を特定可能な情報としてのデバイスID、メーカ名や機種名、製造年月日と、表示端末の内部ハードウェアやファームウェアのレビジョン番号、あるいはこれらの識別子を保持したデバイス情報をサーバに送信することにより機器認証を行う。

h
上記段落【0035】,【0036】の記載によれば、
ユーザは制御端末を用い、ログイン画面で、ユーザ名とパスワード等を入力すると、制御端末は入力された情報を予め定められた形式でサーバに送付し、
サーバ側で、これを受信し、サーバではクライアント管理部にて管理されるユーザ認証情報を用いて、得られたユーザ名とパスワードが正しいかを検証し、正しい場合にはこのユーザが正規にログインしたものとして認証し、ログイン情報に登録し、
ログインが完了した後、サーバからユーザ証明書を制御端末に送付し、制御端末でこれを受信するするものである。

i
上記段落【0038】?【0040】の記載によれば、上記aの「制御端末」は、制御端末の表示部に表示した表示端末選択画面に表示端末となる候補を選択可能に表示し、ユーザによる入力部からの選択により表示端末を決定し、決定された表示端末のアドレス情報をサーバに送信し、サーバは、表示端末のアドレス情報を受信するものである。

j
上記段落【0041】の記載によれば、制御端末からユーザ証明書を表示端末に送り、表示端末はユーザ証明書と端末デバイス情報をサーバに送り、サーバは、ユーザ証明書により、表示端末が当該ユーザの支配下において制御端末と共に用いられることを識別でき、表示端末から送られた端末デバイス情報とサーバのクライアント管理部で管理している機器認証情報とを比較して、表示端末に対して、コンテンツ配信を行うことが機能的にできるか、正規の端末であるかどうかの端末認証を行い、正しく認証されると、コンテンツ管理部で管理するコンテンツ情報のうち、表示端末に適して配信可能なコンテンツの一覧を制御端末に対して送信するものであり、ここで表示端末に適して配信可能なコンテンツとは、端末デバイス情報に含むTVやカーナビ等の属性や、表示端末が表示可能な形式等により選定したり、予めユーザが登録あるいはサーバ内で推定したユーザの嗜好に基づいて選択あるいは順番付けを行ってもよいものである。

k
上記段落【0042】,【0043】の記載によれば、上記aの「制御端末」は、コンテンツ選択画面においてユーザにより選択された所望のコンテンツのコンテンツIDを表示端末を介してか、表示端末を介さずに直接サーバに送り、コンテンツの配信要求を行うものである。

l
上記段落【0046】,【0047】の記載によれば、配信条件が満足され、配信準備が完了すると、制御端末では、配信の制御用のインタフェースを表示部に表示し、ユーザが制御端末を用いて、再生、一時停止、早送り、早戻し等のコンテンツ再生制御を入力した場合、サーバにそれらの制御情報を送信し、サーバは、表示端末にコンテンツを配信し、表示端末はこれを受けて、表示部にコンテンツを表示するものである。

m
以上によれば、引用文献1には、
『サーバと、制御端末と、表示端末とからなるネットワークにおいて、
前記サーバは、
前記制御端末から、コンテンツを視聴する表示端末を指定する情報を受信し、
前記表示端末へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記サーバは、ユーザ毎に認証を行うためのユーザ認証情報、ユーザが持つ機器を認証するための機器認証情報、コンテンツへの課金状況を記録する課金情報、サーバの管理空間にログインしているユーザの状況を記録するログイン情報を管理するクライアント管理部を備え、
前記ユーザ認証情報は、「ユーザIDと一意のユーザ名、ユーザパスワード、ユーザの本名、住所、連絡先」を有し、前記機器認証情報は、「共通して、ユーザが利用する装置のデバイス情報に含まれるデバイスID、メーカ、機種、製造年月日、ハードウェアのレビジョン番号、ファームウェアのレビジョン番号等を評価するための条件とする内容」を有し、前記課金情報は、「ユーザIDに結び付けて、支払い方法及び名義人、配信済みのコンテンツID、コンテンツの配信方法や契約期間、クライアントへの課金額」を有し、
前記ログイン情報は、「ログインしているユーザの情報を管理し、ユーザID、ユーザ名、ログイン時刻とその期限、制御端末と配信されたコンテンツを表示する表示端末のアドレス、表示端末が持つデバイス情報として、表示可能なコンテンツの種類や符号化方式や解像度、サンプリングレートなどのフォーマット等の情報」を保持し、これら情報を用いて、配信を行うコンテンツの種類やフォーマットを調整してもよいものであり、
また、前記サーバは、コンテンツデータおよび付随する情報から構成されるコンテンツ情報を管理するコンテンツ管理部を備え、
前記コンテンツ情報には、「コンテンツのIDとコンテンツのフォーマットや内容等の説明情報、コンテンツデータ、コンテンツのサイズや表示に適する装置の対象、コンテンツの配信サービスあるいは配信されたコンテンツを再生視聴したことにより発生する料金、同内容で表示対象の異なるコンテンツIDなど」が含まれ、
また、前記サーバは、配信状況を管理する配信管理部を備え、配信管理部では、「鍵情報として、各ユーザに配信を行ったコンテンツ毎にユーザID、コンテンツID、鍵のデータ、コンテンツの利用を許可する有効期限または有効回数、および、コンテンツを再生するための装置種や条件がある場合にはその利用範囲等で構成する情報」を管理し、
ユーザは前記制御端末を用い、ログイン画面で、ユーザ名とパスワード等を入力すると、制御端末は入力された情報を予め定められた形式で前記サーバに送付し、
前記サーバで、これを受信し、前記サーバではクライアント管理部にて管理されるユーザ認証情報を用いて、得られたユーザ名とパスワードが正しいかを検証し、正しい場合にはこのユーザが正規にログインしたものとして認証し、ログイン情報に登録し、
ログインが完了した後、前記サーバからユーザ証明書を前記制御端末に送付し、前記制御端末でこれを受信し、
前記制御端末は、制御端末の表示部に表示した表示端末選択画面に表示端末となる候補を選択可能に表示し、ユーザによる入力部からの選択により表示端末を決定し、決定された表示端末のアドレス情報をサーバに送信し、
前記サーバは、表示端末のアドレス情報を受信し、
制御端末からユーザ証明書を表示端末に送り、
表示端末はユーザ証明書と端末デバイス情報を前記サーバに送り、
前記サーバは、ユーザ証明書により、表示端末が当該ユーザの支配下において制御端末と共に用いられることを識別でき、表示端末から送られた端末デバイス情報とサーバのクライアント管理部で管理している機器認証情報とを比較して、表示端末に対して、コンテンツ配信を行うことが機能的にできるか、正規の端末であるかどうかの端末認証を行い、正しく認証されると、コンテンツ管理部で管理するコンテンツ情報のうち、表示端末に適して配信可能なコンテンツの一覧を制御端末に対して送信し、
ここで、前記端末デバイス情報は、表示端末が固有に持つ機器を特定可能な情報としてのデバイスID、メーカ名や機種名、製造年月日と、表示端末の内部ハードウェアやファームウェアのレビジョン番号、あるいはこれらの識別子を保持したものであり、表示端末に適して配信可能なコンテンツとは、端末デバイス情報に含むTVやカーナビ等の属性や、表示端末が表示可能な形式等により選定したり、予めユーザが登録あるいはサーバ内で推定したユーザの嗜好に基づいて選択あるいは順番付けを行ってもよいものであり、
制御端末は、コンテンツ選択画面においてユーザにより選択された所望のコンテンツのコンテンツIDを表示端末を介してか、表示端末を介さずに直接サーバに送り、コンテンツの配信要求を行い、
配信条件が満足され、配信準備が完了すると、前記制御端末では、配信の制御用のインタフェースを表示部に表示し、ユーザが制御端末を用いて、再生、一時停止、早送り、早戻し等のコンテンツ再生制御を入力した場合、サーバにそれらの制御情報を送信し、
前記サーバは、表示端末にコンテンツを配信し、表示端末はこれを受けて、表示部にコンテンツを表示する、
コンテンツ配信方法。』の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

2 平成28年4月19日付けの拒絶の理由において、先行技術文献として示した「川上健太 他、高付加価値型IPTVサービスの実現アーキテクチャの検討、電子情報通信学会技術研究報告(NS2008-18)、日本、2008.06.12発行、Vol.108,No.91、pp.1-6」(以下、「引用文献2」という。)には、次のア?エの記載がある。


「2.ETSI TISPAN NGN Release2概要
ETSI TISPNでは,2006年6月からIPTVの実現方式に関する検討が本格的に開始され,2007年11月に要求条件文書[5][6]が,2008年2月にアーキテクチャ文書がそれぞれ完成した[8][9].
ETSI TISPANで規定されているIPTVアーキテクチャには,セッション管理に3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で規定されているIMS(IP Multi-media Subsystem[7])を使用するIMS-based IPTV architecture[8]と,IMSを使用しないDedicated IPTV subsystem[9]の2種類が存在する.2.1?2.2節では,各アーキテクチャの概要を説明する.
2.1.IMS-based IPTV architecture[8][10]
ETSI TISPAN NGN Release2で規定されているIMS-based IPTV architectureは,主に以下の5つの機能群に分類される.(図1参照)
・UE(User Equipment):ユーザ端末に相当.SIP(Session Initiation Protocol)を用いた配信サーバとのセッション確立や,ストリーム制御メッセージの送受信,コンテンツの受信等を行なう.
・Media delivery,Distribution & Storage:配信サーバに相当.ストリームの制御(再生,一時停止,巻戻しetc)を行なうIPTV Medeia Control Function(MCF)と,トリームを送出するIPTV Media Delivery Functions(MDF)で構成される.
・Application and IPTV Service Functions:IPTVサービスの提供に必要となる様々な機能を提供.具体的には,UEからのセッション確立要求に基づき適切なMDFを選択するIPTV Service Control Functions(SCF)や,UEに番組表を提供するSSF(Service Selection Function)等で構成される.
・Transport Functions:転送系の機能を提供.IPレイヤでの端末認証等を行なうNASS(Network Attachment Sub-System),転送系のリソース管理を行うRACS(Resource and Admission Control Sub-system),ストリームの転送を行なうTransport Processing Functionsで構成される.なお,Transport Processing Functionsには,NAT/NAPT制御やpi-hole制御を行うBGF(Border Gateway Function)が含まれる.
・Core IMS:IMSの中で,CSCF(Call Session Control Function)等のSIPネットワーク要素を抽出した機能群.UE?MDF間のセッション管理等を行う.
図2にETSI TISPANで規定されているPull型のCoDサービス(ユーザの要求に応じて提供されるユニキャスト型のストリーミング配信サービス)の提供シーケンスの一例を示す[10].図2では,SIP INVITE/200 OKを用いて端末?配信サーバ間のストリーム配信用セッションと,ストリーム制御用セッションを確立する.実際にコンテンツを視聴する場合,端末は配信サーバに対してRTSP PLAY等のストリーム配信の開始要求を送信し,それに基づき配信サーバは該当する端末にコンテンツを配信する.」(p.1右欄第5行?p.2左欄末行)





「《シナリオ1-1》 自宅内で,携帯電話(起動端末&操作端末)を用いて自宅のテレビ(受信端末)と配信サーバとのセッションを確立し,コンテンツをテレビで視聴する一方で,ストリーム制御は携帯電話で行なう(図3参照).本ユースケースでは,携帯電話が操作端末として動作する事により,携帯電話の画面にテレビで視聴しているコンテンツのチャプター一覧を表示し,その中から視聴するチャプターを選択してテレビで再生する,といった操作が可能となる.
また,携帯電話で視聴コンテンツを操作する事により,視聴履歴やお気に入りコンテンツ等のユーザ固有の情報を携帯電話に保存し,持ち出す事が可能となる.これにより,各ユーザは受信端末に依存せず,自分に最適化されたサービスを利用する事が可能となる,」(p.3右欄第11?24行)




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上記下線部、及び、図2、図3の記載によれば、引用文献2には、「IPTV方式のサービスとして、操作端末からのコンテンツ配信要求に対して、制御サーバと操作端末とからの制御に基づいて、制御サーバとは別の配信サーバが受信端末にコンテンツを配信すること」(以下、「引用文献2記載の技術」という。)が記載されている。


第4 対比

1 本願発明と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。

(1)引用発明は、「サーバと、制御端末と、表示端末とからなるネットワーク」におけるコンテンツ配信方法であるから、「制御端末」は、「データ通信が可能なネットワークのデバイス」といえ、引用発明の「制御端末」は、「コンテンツ選択画面においてユーザにより選択された所望のコンテンツのコンテンツIDを表示端末を介してか、表示端末を介さずに直接サーバに送り、コンテンツの配信要求を行」うものであるから、引用発明は、本願発明の「データ通信が可能なネットワークのデバイスのうち第1デバイスから、コンテンツに対する利用要請を受信する段階」を有している。

(2)引用発明のサーバがクライアント管理部において管理する「ユーザIDと一意のユーザ名、ユーザパスワード、ユーザの本名、住所、連絡先」を有する「ユーザ毎に認証を行うためのユーザ認証情報」は、本願発明の「ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報」に相当する。
また、引用発明のサーバがクライアント管理部において管理する「ユーザIDに結び付けて、支払い方法及び名義人、配信済みのコンテンツID、コンテンツの配信方法や契約期間、クライアントへの課金額」を有する「課金情報」は、「配信済みのコンテンツID」、すなわち、「コンテンツの利用履歴」を管理しているから、本願発明の「コンテンツ利用履歴情報」に相当する。
また、引用発明は、「サーバと、制御端末と、表示端末とからなるネットワーク」におけるコンテンツ配信方法であるから、「表示端末」は、「データ通信が可能なネットワークのデバイス」といえ、引用発明のサーバがクライアント管理部において管理する「共通して、ユーザが利用する装置のデバイス情報に含まれるデバイスID、メーカ、機種、製造年月日、ハードウェアのレビジョン番号、ファームウェアのレビジョン番号等を評価するための条件とする内容」を有する「ユーザが持つ機器を認証するための機器認証情報」は、本願発明の「ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報」に相当する。
また、引用発明のサーバがコンテンツ管理部において管理する「コンテンツのIDとコンテンツのフォーマットや内容等の説明情報、コンテンツデータ、コンテンツのサイズや表示に適する装置の対象、コンテンツの配信サービスあるいは配信されたコンテンツを再生視聴したことにより発生する料金、同内容で表示対象の異なるコンテンツID」を含む「コンテンツデータおよび付随する情報から構成されるコンテンツ情報」のうち、コンテンツデータを除いた「コンテンツのIDとコンテンツのフォーマットや内容等の説明情報、コンテンツのサイズや表示に適する装置の対象、コンテンツの配信サービスあるいは配信されたコンテンツを再生視聴したことにより発生する料金、同内容で表示対象の異なるコンテンツID」を含む「付随する情報」は、本願発明の「コンテンツについてのコンテンツ属性情報」に相当する。
したがって、引用発明は、収集しているか否かは別として、本願発明の「前記ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報と、コンテンツ利用履歴情報と、前記コンテンツについてのコンテンツ属性情報と前記ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報とのうち少なくとも1つと、を収集して管理する段階」と共通する「前記ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報と、コンテンツ利用履歴情報と、前記コンテンツについてのコンテンツ属性情報と前記ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報とのうち少なくとも1つと、を管理する段階」に相当する構成を有しているといえる。

(3)引用発明は、「サーバと、制御端末と、表示端末とからなるネットワークにおいて、前記サーバは、制御端末から、コンテンツを視聴する表示端末を指定する情報を受信し、表示端末へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法」であるから、引用発明の「表示端末」は、本願発明の「第2デバイス」に相当し、引用発明は、本願発明の「前記ネットワークデバイスのうち、前記コンテンツを利用する第2デバイスに前記コンテンツを提供する段階」に相当する構成を有している。

(4)引用発明の「ログイン情報」は、「ログインしているユーザの情報を管理し、ユーザID、ユーザ名、ログイン時刻とその期限、制御端末と配信されたコンテンツを表示する表示端末のアドレス、表示端末が持つデバイス情報として、表示可能なコンテンツの種類や符号化方式や解像度、サンプリングレートなどのフォーマット等の情報」を有するものであり、ユーザのログインの期限、制御端末、表示端末のアドレスをサーバで管理しているから、「ネットワークのデバイスの少なくとも一つのための少なくとも一人のユーザの使用権限」についての情報を含んでいる。
また、引用発明の「鍵情報」は、「各ユーザに配信を行ったコンテンツ毎にユーザID、コンテンツID、鍵のデータ、コンテンツの利用を許可する有効期限または有効回数、および、コンテンツを再生するための装置種や条件がある場合にはその利用範囲等で構成する情報」であるから、「コンテンツについての情報」を有する情報である。
したがって、引用発明の「ログイン情報」と「鍵情報」とは、本願発明の「前記ネットワークのデバイスの少なくとも一つのための少なくとも一人のユーザの使用権限及び前記コンテンツについての情報」を含むものである。

(5)引用発明において、「制御端末は、制御端末の表示部に表示した表示端末選択画面に表示端末となる候補を選択可能に表示し、ユーザによる入力部からの選択により表示端末を決定」しているから、引用発明の表示端末は、制御端末を介して選ばれるものである。
また、引用発明において、サーバは、表示端末が当該ユーザの支配下において制御端末と共に用いられることを識別でき、表示端末への端末認証を行うから、引用発明の表示端末は、サーバにより制御されるといえる。
また、引用発明において、「前記サーバは、ユーザ証明書により、表示端末が当該ユーザの支配下において制御端末と共に用いられることを識別でき、表示端末から送られた端末デバイス情報とサーバのクライアント管理部で管理している機器認証情報とを比較して、表示端末に対して、コンテンツ配信を行うことが機能的にできるか、正規の端末であるかどうかの端末認証を行い、正しく認証されると、コンテンツ管理部で管理するコンテンツ情報のうち、表示端末に適して配信可能なコンテンツの一覧を制御端末に送信し」ているから、引用発明の表示端末は、コンテンツ配信を行うことが機能的にできるもの、すなわち、コンテンツを再生することが可能であるといえる。
したがって、引用発明は、本願発明と同様に「前記ネットワークの前記デバイスから前記第1デバイスを介して選ばれ前記コンテンツを再生することが可能な少なくとも1つの第2デバイス、を制御」する構成を有している。

(6)引用発明において、「表示端末に適して配信可能なコンテンツとは、端末デバイス情報に含むTVやカーナビ等の属性や、表示端末が表示可能な形式等により選定され」るものであり、「ログイン情報」が管理する「ユーザID、ユーザ名、ログイン時刻とその期限、制御端末と配信されたコンテンツを表示する表示端末のアドレス、表示端末が持つデバイス情報として、表示可能なコンテンツの種類や符号化方式や解像度、サンプリングレートなどのフォーマット等の情報」を用いて、「配信を行うコンテンツの種類やフォーマットを調整してもよい」ものである。
また、引用発明において、コンテンツの配信要求は、「コンテンツのID」を送信することにより行われ、配信する表示端末は「表示端末のアドレス情報」により特定されるから、引用発明において、表示端末のコンテンツの受信は、「コンテンツ属性情報」といえる「コンテンツ情報」が有する「コンテンツID」や、「ログイン情報」で管理される「表示端末のアドレス、表示端末が持つデバイス情報」に基づいて行われるといえる。
そうすると、本願発明の「前記コンテンツ属性情報と前記デバイス属性情報とに基づいて、」「第2デバイス、を制御する」ことと、引用発明の「コンテンツ情報」が有する「コンテンツID」や、「ログイン情報」で管理される「表示端末のアドレス、表示端末が持つデバイス情報」に基づいて、表示端末へのコンテンツの配信を制御することとは、いずれも、「前記コンテンツ属性情報とデバイスの情報とに基づいて、」「第2デバイス、を制御する」点で共通する。

(7)引用発明の「前記制御端末では、配信の制御用のインタフェースを表示部に表示し、ユーザが制御端末を用いて、再生、一時停止、早送り、早戻し等のコンテンツ再生制御を入力した場合、サーバにそれらの制御情報を送信し、前記サーバは、表示端末にコンテンツを配信し、表示端末はこれを受けて、表示部にコンテンツを表示する」ことと、引用発明の「前記第1デバイスの制御下で、ウェブから前記コンテンツを受信するために、選ばれた前記少なくとも1つの第2デバイス、を制御する」こととは、いずれも、「前記第1デバイスの制御下で、前記コンテンツを受信するために、選ばれた前記少なくとも1つの第2デバイス、を制御する」点で共通する。

2 したがって、本願発明と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「データ通信が可能なネットワークのデバイスのうち第1デバイスから、コンテンツに対する利用要請を受信する段階と、
前記ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報と、コンテンツ利用履歴情報と、前記コンテンツについてのコンテンツ属性情報と前記ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報とのうち少なくとも1つと、を管理する段階と、
前記ネットワークのデバイスのうち、前記コンテンツを利用する第2デバイスに前記コンテンツを提供するように制御する段階と、を含み、
前記ネットワークのデバイスの少なくとも一つのための少なくとも一人のユーザの使用権限及び前記コンテンツについての情報を有し、
前記コンテンツを提供するように制御する段階は、
前記ネットワークの前記デバイスから前記第1デバイスを介して選ばれ前記コンテンツを再生することが可能な少なくとも1つの第2デバイス、を制御し、前記コンテンツ属性情報とデバイスの情報とに基づいて、前記第1デバイスの制御下で、前記コンテンツを受信するために、選ばれた前記少なくとも1つの第2デバイス、を制御する
ことを特徴とするコンテンツ・サービス管理方法。」

[相違点1]
管理する「ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報と、コンテンツ利用履歴情報と、前記コンテンツについてのコンテンツ属性情報と前記ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報とのうち少なくとも1つ」について、本願発明では収集するのに対し、引用発明では収集するとの特定がない点。
[相違点2]
「ネットワークのデバイスの少なくとも一つのための少なくとも一人のユーザの使用権限及び前記コンテンツについての情報」を、本願発明では「前記ユーザ属性情報」が含むのに対し、引用発明では「ユーザ属性情報」(引用発明における「ユーザ認証情報」)とは別の「ログイン情報」と「鍵情報」とが有している点。
[相違点3]
コンテンツを受信するために、第2のデバイスの制御を行うための「デバイスの情報」が、本願発明では、「前記デバイス属性情報」であるのに対し、引用発明では、「デバイス属性情報」(引用発明における「機器認証情報」)とは別の「ログイン情報」で管理される「端末デバイス情報」である点。
[相違点4]
第2のデバイスが受信するコンテンツが、本願発明では、「ウェブから」受信されるのに対し、引用発明では、そのような特定のない点。


第5 判断

上記相違点1?4について検討する。

[相違点1]について
引用発明において、収集するとの特定はないものの、管理される情報は、入力されたり、端末からの受信により保持されることは自明であるから、引用発明において、「ネットワークのデバイスの少なくとも1人のユーザについてのユーザ属性情報と、コンテンツ利用履歴情報と、前記コンテンツについてのコンテンツ属性情報と前記ネットワークのデバイスについてのデバイス属性情報とのうち少なくとも1つ」を収集することは自明の事項である。
したがって、相違点1は、実質的なものではないか、当業者が容易に想到し得た事項である。

[相違点2]について
情報の呼称や、情報をどのような単位で管理するかは当業者が適宜決定する事項であり、引用発明において、「ログイン情報」と「鍵情報」とは、いずれも「ユーザID」を含み、「ユーザID」は、「ユーザ認証情報」に対応付けられるものであるから、引用発明において、「ログイン情報」で管理される「制御端末へのユーザのログインの期限、制御端末、表示端末のアドレス」と「鍵情報」で管理される「配信を行ったコンテンツ毎にコンテンツID、鍵のデータ、コンテンツの利用を許可する有効期限または有効回数、および、コンテンツを再生するための装置種や条件がある場合にはその利用範囲等で構成する情報」を「ユーザ属性情報」と称すること、あるいは「ログイン情報」で管理される「制御端末へのユーザのログインの期限、制御端末、表示端末のアドレス」と「鍵情報」で管理される「配信を行ったコンテンツ毎にコンテンツID、鍵のデータ、コンテンツの利用を許可する有効期限または有効回数、および、コンテンツを再生するための装置種や条件がある場合にはその利用範囲等で構成する情報」を「ユーザIDと一意のユーザ名、ユーザパスワード、ユーザの本名、住所、連絡先」を有する「ユーザ認証情報」と一元的に管理することは当業者が容易に想到し得た事項である。

[相違点3]について
情報の呼称や、情報をどのような単位で管理するかは当業者が適宜決定する事項であるから、引用発明の「ログイン情報」で管理される「端末デバイス情報」を「デバイス属性情報」と称すること、あるいは、「ログイン情報」で管理される「端末デバイス情報」を「共通して、ユーザが利用する装置のデバイス情報に含まれるデバイスID、メーカ、機種、製造年月日、ハードウェアのレビジョン番号、ファームウェアのレビジョン番号」を有する「機器認証情報」として管理することは当業者が容易に想到し得た事項である。

[相違点4]について
引用文献1の段落【0032】には、「通信はサーバ、両端末ともに通信部を用い、インターネットを経由して行われる」と記載され、同段落【0021】には、「サーバ(100)は一体である必要はなく、例えばコンテンツ管理部とクライアント管理部とで分かれていてもよい」と記載されているから、引用発明において、通信はインターネット経由で行われ、コンテンツデータを保管するコンテンツ管理部は任意の場所でよいものである。そうすると、引用発明において、コンテンツをウェブから受信する構成とすることは、引用文献1の記載に基づいて、当業者が容易に想到し得た事項である。
この点に関連して、引用文献1の段落【0013】に記載されているように、引用発明は、IPTVサービスに関する技術であるが、IPTVサービスにおいて、制御サーバとは別の配信サーバからコンテンツを配信することは、上記の引用文献2記載の技術として知られている。

[本願発明の効果について]
以上判断したとおり、上記相違点1?4に係る構成はいずれも、当業者が容易に想到し得たものであり、また、各相違点を総合しても本願発明は当業者が想到することが困難なものとはいえない。
そして、本願発明の作用効果も、引用文献1に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第6 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-10-07 
結審通知日 2016-10-17 
審決日 2016-11-01 
出願番号 特願2010-243670(P2010-243670)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 啓介小林 秀和  
特許庁審判長 新川 圭二
特許庁審判官 山田 正文
高瀬 勤
発明の名称 コンテンツ利用履歴に基づいたネットワーク・コンテンツ・サービス管理方法及び装置  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
代理人 木内 敬二  
代理人 崔 允辰  
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