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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04W 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W |
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管理番号 | 1326291 |
審判番号 | 不服2016-4730 |
総通号数 | 209 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-05-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-03-31 |
確定日 | 2017-04-04 |
事件の表示 | 特願2014-518135「無線通信システム、無線局および基地局」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月 5日国際公開、WO2013/179400、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯及び本願発明 1.手続の経緯 本願は,2012年(平成24年)5月29日を国際出願日とする出願であって,平成26年11月20日付けで手続補正書が提出され,平成27年8月28日付けで拒絶理由が通知され,同年11月6日付けで意見書とともに手続補正書が提出され,平成28年1月21日付けで拒絶査定され,同年3月31日付けで拒絶査定不服審判が請求されるのと同時に手続補正され,同年11月25日付けで拒絶理由を当審から通知し,平成29年1月30日付けで意見書とともに手続補正書が提出されたものである。 2.本願発明 本願の請求項1から6に係る発明は,平成29年1月30日付け手続補正書における特許請求項の範囲の請求項1から6に記載された事項により特定されるとおりの次のものである。(下線は請求人が付与。) 【請求項1】 基地局と無線局とを含む無線通信システムであって、 前記無線局が特定の種別である場合に、前記基地局は、前記無線局の種別が前記特定の種別であることを示す種別情報を含む第1の制御信号を前記無線局から受信した後、第2の制御信号を前記無線局へ送信することによって、または前記第2の制御信号を前記無線局から受信することによって、データ通信可能なように通信モードの遷移を設定し、 前記無線局が前記特定の種別である場合に、前記基地局および前記無線局は、前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行い、 前記無線局が前記特定の種別でない場合に、前記基地局および前記無線局は、前記無線局の状態に応じて、前記基地局から前記無線局へ送信され、または前記無線局から前記基地局へ送信される前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行うか否かを切り替え、 前記通信モードの遷移の設定は第3の制御信号を使用して解放可能である、 ことを特徴とする無線通信システム。 【請求項2】 前記第2の制御信号は、前記基地局から前記無線局へ送信され、前記基地局および前記無線局がデータ通信可能な通信モードへ遷移する複数のタイミングを示す信号であり、 前記基地局および前記無線局は、前記第2の制御信号が示す複数のタイミングに前記データ通信可能な通信モードへ遷移してデータ通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 【請求項3】 前記基地局および前記無線局は、前記複数のタイミングにおいて同一の無線パラメータによって前記データ通信を行うことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 【請求項4】 前記複数のタイミングは、一定の周期のタイミングであり、 前記無線局は、前記基地局へ定期的にデータを送信することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 【請求項5】 データ通信可能なように通信モードの遷移を設定することにより無線通信を行う無線局であって、 第1の制御信号を基地局へ送信した後に、前記通信モードの遷移を設定させる第2の制御信号を前記基地局から受信することにより、前記基地局とともに前記通信モードの遷移を設定し、前記第2の制御信号の受信より後に第3の制御信号を前記基地局から受信する通信部と、 前記第2の制御信号を受信した後、前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行って前記無線通信を実施するように制御する制御部と、 を有し、 前記通信モードの遷移の設定は前記第3の制御信号を使用して解放可能であり、 自局の状態に応じて、前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行うか否かを切り替える、 ことを特徴とする無線局。 【請求項6】 データ通信可能なように通信モードの遷移を設定することにより無線通信を行う基地局であって、 無線局が特定の種別である場合に、前記無線局の種別が前記特定の種別であることを示す種別情報を含む第1の制御信号を前記無線局から受信した後に、前記通信モードの遷移を前記無線局に設定させる第2の制御信号を前記無線局へ送信することにより、前記無線局とともに前記通信モードの遷移を設定し、前記第2の制御信号の送信より後に第3の制御信号を前記無線局へ送信する通信部と、 前記無線局が前記特定の種別である場合に、前記第2の制御信号を送信した後、前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行って無線通信を実施するように制御する制御部と、 を有し、 前記通信モードの遷移の設定は前記第3の制御信号を使用して解放可能であり、 前記無線局が前記特定の種別でない場合に、前記無線局の状態に応じて、前記無線局について前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行うか否かを切り替える、 ことを特徴とする基地局。 以下において,上記請求項に係る発明を,その請求項の番号に従って,「本願第1発明」などといい,「本願第1発明」から「本願第6発明」までを併せて「本願発明」という。 第2 当審拒絶理由について 1.当審拒絶理由の概要 平成28年11月25日付けで当審から通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。 理 由 [理由1](進歩性) 本件出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 [理由2](実施可能要件) 本件出願は,発明の詳細な説明の記載が下記の点で,特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 [理由3](サポート要件) 本件出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 [理由4](明確性) 本件出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 1.理由2から理由4(36条4項1号,同条6項1号,同項2号)に関し 請求項1に記載された発明は明確でない。そして,請求項1に係る発明は,発明の詳細な説明に記載されたものであるということはできず,また,当業者が請求項1に記載された発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということもできない。 請求項5に記載された発明は明確でない。そして,請求項5に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載されたものであるということはできず,また,当業者が請求項5に記載された発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということもできない。 請求項6に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載されたものであるということはできず,また,当業者が請求項6に記載された発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということもできない。 2.理由1(29条2項)に関し 請求項1,5及び6に記載された発明を,国際公開第2012/041122号(2012年(平成24年)4月5日国際公開)に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができた発明であるということができる。 2.当審拒絶理由についての判断 (1) 理由2から理由4(36条4項1号,同条6項1号,同項2号)に関し 平成29年1月30日付け手続補正により,特許請求の範囲は補正され,この補正によって理由2から理由4は解消した。 (2) 理由1(29条2項)に関し 当審拒絶理由において引用した「国際公開第2012/041122号」(2012年(平成24年)4月5日国際公開。以下「引用刊行物」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 なお,当審訳として,引用刊行物の日本語公報に対応する「特表2013-542656号公報」(平成25年11月21日国内公表)を参考する。 ア 引用刊行物及び記載事項 (当審訳 (下線は当審が付与。) この実施形態は,LTEシステム又はUMTS(ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム,ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム)にも適用可能である。 ユーザー装置は,ネットワーク側にアクセスし,RRC接続の確立を請求するのに,図5に示すように,次の手順を完了する必要があり,以下の工程を含む: S101では,ユーザー装置及び基地局は,同期を確立する; S102では,ユーザー装置は,次の接続確立性質を基に,対応するRRC接続確立原因を選択し,RRC接続確立原因に対応するインデックスはRRC接続確立要求に含む; S103では,ユーザー装置は,基地局にRRC接続設定要求を送信する; S104では,ネットワーク側の負荷に応じて基地局は,ユーザー装置のRRC接続確立原因を合わせ,ユーザー装置の接続要求を受け入れることができるかどうかを判断し,もし可能なら,その後,ステップS105に進み,もし不可なら,その後,ステップS106に進む; S105では,基地局が,ユーザー装置の確立するRRC接続に同意した場合,ユーザー装置へRRC接続設定(RRC connection setup)メッセージをフィードバックする; S106では,基地局は,ユーザー装置が確立するRRC接続に同意しない場合,ユーザー装置へRRC接続拒否(RRC connection reject)メッセージをフィードバックする。 これらのうち,ステップS101,S103,S105とS106は全て既存メカニズムに一致するものである。 ステップS102では,ネットワーク側とユーザー装置によってRRC接続確立原因のリストを事前に合意し,ユーザー装置は,リストからRRC接続確立原因のアクセス性質に一致するのを選択する。 本発明のRRC接続確立原因リストのRRC接続確立原因の設定には,以下の情報の一つ以上の組合せとすることができる:呼サービス種別情報,ユーザー装置種別情報,ユーザー装置のグループ(Group)情報,ユーザー装置の優先度情報,ビジネスの優先度情報,ビジネスモデルのタイプ情報,PLMN(Public Land Mobile Network,公衆陸上モバイルネットワーク)タイプ情報,アクセスクラス(Access Class)情報だけでなく,及びビジネスのQoS要求タイプ情報。 呼ビジネスタイプ情報は呼ビジネス分類の情報として定義され,以下の1つ以上を含む:発呼あるいは着呼の音声呼,発呼あるいは着呼のビデオストリーミング呼,発呼あるいは着呼の相互音声呼,発呼あるいは着呼のデータ呼,及び発呼あるいは着呼のシグナリングトラフィックなど。 中でも,データ呼は,わかりやすく唯一のクラスにすることができ,更に細かいカテゴリに分類することもでき,例えば:HTTPインターネットサービス,FTPダウンロードサービス,検針サービス,監視サービス,インテリジェント輸送サービス,そして資産追跡サービスなど。 ユーザー装置の種別情報は以下のように,ユーザー装置の種別情報1つ以上を含み定義される:H2Hユーザー装置,M2Mユーザー装置,そして他の種類のユーザー装置。) イ 引用刊行物記載発明 以上によれば,引用刊行物には次の発明(以下「引用刊行物記載発明」という。)が記載されているといえる。 ユーザー装置及び基地局は,同期を確立するステップ(S101), ユーザー装置は,次の接続確立性質を基に,対応するRRC接続確立原因を選択ステップ(S102)であって,RRC接続確立原因に対応するインデックスはRRC接続確立要求に含む,ステップ(S102), ユーザー装置は,基地局にRRC接続設定要求を送信するステップ103, ネットワーク側の負荷に応じて基地局は,ユーザー装置のRRC接続確立原因を合わせ,ユーザー装置の接続要求を受け入れることができるかどうかを判断ステップ(S104)であって,もし可能なら,その後,基地局が,ユーザー装置の確立するRRC接続に同意した場合,ユーザー装置へRRC接続設定(RRC connection setup)メッセージをフィードバックするステップ(S105)へ進み,もし不可能なら,その後,基地局は,ユーザー装置が確立するRRC接続に同意しない場合,ユーザー装置へRRC接続拒否(RRC connection reject)メッセージをフィードバックするステップ(S106)へ進む,ステップ(S104) を備え, ネットワーク側とユーザー装置によって事前に合意したリストにはユーザー装置種別情報を設定することができる 通信システム。 ウ 対比及び検討 (ア) 本願第1発明について 本願第1発明と引用刊行物記載発明を比較すると次のことがいえる。 引用刊行物記載発明における「ユーザー装置」,「ユーザー装置種別情報」は,本願第1発明における「無線局」,「特定の種別」にそれぞれ相当する。 しかし,本願第1発明と引用刊行物記載発明には次の相違があるといえる。 本願第1発明においては,「前記基地局は、前記無線局の種別が前記特定の種別であることを示す種別情報を含む第1の制御信号を前記無線局から受信した後、第2の制御信号を前記無線局へ送信することによって、または前記第2の制御信号を前記無線局から受信することによって、データ通信可能なように通信モードの遷移を設定し」,そして「前記基地局および前記無線局は、前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行」うのが「前記無線局が特定の種別である場合」との特定があり,更に,「前記基地局および前記無線局は、前記無線局の状態に応じて、前記基地局から前記無線局へ送信され、または前記無線局から前記基地局へ送信される前記第2の制御信号による設定に基づく前記通信モードの遷移を行うか否かを切り替え」るのが「前記無線局が前記特定の種別でない場合」との特定がある。 一方,引用刊行物記載発明には,「無線局が特定の種別である場合」,「無線局が前記特定の種別でない場合」といった特定はない。そのため,本願第1発明における「無線局」が,「特定の種別である場合」になされる事項の特定も,「特定の種別でない場合」になされる事項の特定もない点で相違がある。 ここで,上記相違について検討するに,引用刊行部には,「無線局」が,例えば「非モバイルデバイス」であるといった「特定の種別」であるか否かといった事項についての記載はない。 このことから,引用刊行物記載発明を基に,上記相違のように構成することを,当業者が適宜なしえたという理由はないといわざるを得ない。 また,本願第1発明のように構成したことによる効果も,引用刊行物記載発明から予測し得たということもできない。 したがって,本願第1発明を,引用刊行物記載発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 (イ) 本願第2発明から本願第4発明について 本願第2発明から本願第4発明は,本願第1発明を直接的若しくは間接的に引用する発明である。 したがって,上記「(ア) 本願第1発明について」に述べたのと同様ことがいえる。 よって,本願第2発明から本願第4発明を,引用刊行物記載発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 (ウ) 本願第5発明について 本願第5発明と引用刊行物記載発明を比較すると次のことがいえる。 引用刊行物記載発明における「ユーザー装置」は,本願第1発明における「無線局」に相当する。 しかし,本願第5発明に係る「無線局」については,「基地局から受信」した「通信モードの遷移を設定させる」「第2の制御信号」であって,「第2の制御信号による設定に基づく通信モードの遷移を行うか否かを切り替える」のが,「自局の状態に応じて」であるとの特定があるのに対して,引用刊行物記載発明にはそのような特定がない点で相違する。 ここで,上記相違について検討するに,引用刊行物には,例えば「非モバイルデバイス」の「移動状態」などの「自局の状態」に応じて何かをなすといった事項についての記載はない。 このことから,本願第5発明を,引用刊行物記載発明に基づいて,上記層のように構成することを,当業者が適宜なしえたという理由はないといわざるを得ない。 また,本願第5発明のように構成したことによる効果も,引用刊行物記載発明から予測し得たということもできない。 したがって,本願第5発明を,引用刊行物記載発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 (エ) 本願第6発明について 本願第6発明を特定する事項をみると,本願第6発明についても,上記「(ア) 本願第1発明について」に述べたのと同様のことがいえる。 したがって,本願第6発明を,引用刊行物記載発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 3.当審拒絶理由についてのまとめ 以上のとおりであり,当審拒絶理由における理由1から理由4は解消したということができる。 したがって,当審拒絶理由に基づいて,本願を拒絶することはできない。 第3 原査定の理由について 1.原査定の理由の概要 原査定の理由の概要は次のとおりである。 理由 1.(進歩性)この出願の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1-8 ・引用文献等 1-2 <引用文献等一覧> 1.国際公開第2011/129660号 2.特開2012-80415号公報 2.原査定の理由についての当審判断 (1) 引用文献1及び記載事項 原査定の理由によれば,その引用文献1(国際公開第2011/129660号)には次の記載がある。 ア 記載事項1 (当審訳 [81] 図2は、本明細書の一実施例に係る固定リソース割当方法を示す図である。 [82] 図2を参照すると、端末は、固定リソース割当情報を含む第1のマップメッセージを基地局から受信する(S201)。ここで、前記第1のマップメッセージは、DL/UL PA A-MAPを意味する。しかし、前記第1のマップメッセージがDL/UL PA A-MAPに限定されず、MAC control messageまたはヘッダー(Header)であってもよい。 [83] また、前記固定リソース割当情報は、上述したように、DL/UL PA A-MAPに含まれる固定リソース割当周期情報(Allocation Period)、固定リソースが割り当てられる領域情報(Resource Index)などを含む。 [84] 次に、端末は、前記固定リソース割当情報に含まれた固定リソース領域を通じて、基地局と固定的にダウンリンクまたはアップリンクデータバーストを送受信する(S202)。 [85] その後、端末が、固定リソース割当解除タイプ情報を含む第2のマップメッセージを、基地局から受信する(S203)。前記第2のマップメッセージは、DL/UL PA A-MAPを意味する。この場合、前記PA A-MAPに含まれた前記固定リソース割当周期情報は、一例として、‘Ob00’(De-allocation)に設定される。 [86] 前記PA A-MAPに含まれる固定リソース割当解除タイプ情報(De-allocation Type)は、固定的に割り当てられたリソースの割当解除が、永久的割当解除(permanent de-allocation)であるか、または一時的(temporal)割当解除であるかを示す。 [87] ここで、一時的割当解除は、リソースが一回のみ割当解除されることを含む。 [88] すなわち、前記一時的割当解除は、固定リソース割当解除が一つのフレーム区間のみ発生する場合、または連続して多数のフレーム区間で発生する場合であってもよい。 [89] 固定リソース割当解除が連続して多数のフレーム区間で発生する場合、前記第2のマップメッセージは、de-allocationが何回連続して発生するかを示すリソース割当解除区間情報(Num de-allocation)(一例として、リソース割当解除フレームの個数)情報を含むことになる。 [90] したがって、端末は、基地局から受信するDL/UL PA A-MAPに含まれた固定リソース割当解除タイプ情報に基づいて、すなわち、1)既に割り当てられた固定リソースがPA A-MAPの受信時点で永久的に解除される場合には、再び固定リソース割当が必要なとき、帯域幅要請過程(Bandwidth Request Procedure)を通じて基地局から固定リソースを再び割り当てられたり、2)固定的に割り当てられたリソースが一時的割当解除である場合には、前記一時的割当解除の後、次の周期に、以前に割り当てられた固定リソース領域を通じて基地局とデータバーストを送受信できるようになる。(【0067】?【0076】)) イ 記載事項2 (当審訳 [130] 図7は、本明細書の一実施例に係る無線通信システムを示すブロック図である。 [131] 基地局710は、制御部711、メモリ712及び無線通信(RF)部(radio frequency unit)713を含む。 [132] 制御部711は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。無線インターフェースプロトコルの層は、制御部711により具現されることができる。 [133] 制御部711は、永久的または一時的リソース割当解除を指示するリソース割当解除タイプ情報を含むPA A-MAPを端末に伝送するように無線通信部を制御することができる。 [134] メモリ712は、制御部711と接続され、E-MBS関連パラメータアップデートのためのプロトコルやパラメータを格納する。RF部713は、制御部711と接続され、無線信号を送信及び/または受信する。 [135] 端末720は、制御部721、メモリ722及び無線通信(RF)部723を含む。 [136] 制御部721は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。無線インターフェースプロトコルの層は、制御部721により具現されることができる。 [137] 制御部721は、固定リソース割当解除が一時的解除であることを指示するリソース割当解除タイプ情報を含むPA A-MAPを受信する場合、一時的解除区間の以降、既に割り当てられた固定リソース領域を通じて基地局とデータバーストを送受信するように無線通信部を制御することができる。 [138] メモリ722は、制御部721と接続され、E-MBS関連パラメータアップデートのためのプロトコルやパラメータを格納する。RF部723は、制御部721と接続され、無線信号を送信及び/または受信する。 [139] 制御部711,721は、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリ712,722は、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。RF部713,723は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現されるとき、上述した技法は、上述した機能を行うモジュール(過程、機能など)で具現され得る。モジュールは、メモリ712,722に格納され、制御部711,721により実行されることができる。メモリ712,722は、制御部711,721の内部または外部に設けることができ、よく知らされた多様な手段で制御部711,721と接続されることができる。(【0113】?【0122】)) (2) 引用文献1記載発明 上記引用文献1における記載及び原査定の理由によれば,その文献には次の発明(以下「引用文献1記載発明」という。)が記載されているということができる。 基地局及び端末を含む無線通信システムであって,端末は,固定リソース割当情報を含む第1のマップメッセージを基地局から受信し,固定リソース割当情報に含まれた固定リソース領域を通じて,基地局と固定局にダウンリンク又はアップリンクデータバーストを送受信し,固定リソース割当解除タイプ情報を含む第2のマップメッセージを基地局から受信し,前記固定リソース割当情報は,固定リソース割当周期情報,固定リソースが割り当てられる領域情報を含み,前記固定リソース割当解除タイプ情報は,固定的に割り当てられたリソースの割当解除が永久的解除であるか,又は一時的割当解除であるかを示す,無線通信システム。 (3) 引用文献2及び記載事項 原査定の理由によれば,その引用文献2(特開2012-80415号公報)には次の記載がある。 ア 記載事項1 【0034】 [1-1.無線通信システムの構成] 図1は、無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図1に示したように、無線通信システム1は、基地局10と、MME(Mobility Management Entity)12、S-GW(Serving Gateway)14、およびPDN(Packet Data Network)-GW16を含むコアネットワークと、MTC端末20と、MTCサーバ30と、を備える。 【0035】 本発明の実施形態は、図1に示した基地局10およびMTC端末20などの無線通信装置に適用することができる。なお、基地局10は、例えば、eNodeB、リレーノード、または家庭用小型基地局であるHome eNodeBであってもよい。また、MTC端末20はユーザ端末(UE:User Equipment)の一例であり、本発明の実施形態は、携帯電話やPC(Personal Computer)などの非MTC端末にも適用可能である。 【0036】 基地局10は、MTC端末20と通信する無線基地局である。図1においては1台の基地局10のみを示しているが、実際には多数の基地局10がコアネットワークに接続される。また、図1においては記載を省略しているが、基地局10は非MTC端末などの他のユーザ端末とも通信する。 イ 記載事項2 【0060】 <2.各実施形態の説明> 本発明は、一例として「2-1.第1の実施形態」?「2-7.第7の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態は、MTC端末20に付与されたMTCグループの識別子であるMTC-GP_RNTIを用いて実現される。そこで、各実施形態の詳細な説明に先立ち、MTC-GP_RNTIを各MTC端末20に付与する方法を説明する。 【0061】 (MTC-GP_RNTIの付与) 図8は、C-RNTIおよびMTC-GP_RNTIの付与方法の一例を示したシーケンス図である。図8に示したように、まず、Step1?Step4からなるRandom Access Procedureにおいて、MTC端末20にC-RNTIが付与される。 【0062】 より具体的に説明すると、MTC端末20は、無線フレーム中のランダムアクセスウィンドウに向けてプリアンブルを送信する(Step1)。基地局10は、MTC端末20からのプリアンブルの受信に成功すると、MTC端末20に対してランダムアクセスレスポンスを送信する(Step2)。基地局10は、このランダムアクセスレスポンスにおいてTemporary C-RNTIをMTC端末20に付与する。 【0063】 そして、MTC端末20は、ランダムアクセスレスポンスを受信すると、L2/L3メッセージを基地局10に送信する(Step3)。これに対し、MTC端末20は、基地局10から送信されるコンテンションレゾリューションメッセージを受信することでランダムアクセスが成功したと判断し(Step4)、Step2において付与されたTemporary C-RNTIをC-RNTIとして使用するようになる。 【0064】 その後、Step5およびStep6からなるMTCカテゴリー設定Procedureが行われる。より具体的に説明すると、MTC端末20は、自端末がMTC端末であるか否かを示すMTCカテゴリーという情報が設定されているので、自端末がMTC端末であることを把握している。このため、MTC端末20は、MTCカテゴリーを基地局10に通知し(Step5)、基地局10から通知確認信号を受信する(Step6)。なお、MTCカテゴリーには、例えば1カ月以上のロングスリープモードに対応しているか否かなど、MTC端末20の能力を示す情報が含まれてもよい。 (4) 引用文献2記載発明 上記引用文献2における記載及び原査定の理由によれば,その文献には次の発明(以下「引用文献2記載発明」という。)が記載されているということができる。 基地局とMMEと,S-GWとPDN-GWとを有するコアネットワークと,MTC端末と,MTCサーバと,を備える無線通信システムであって,MTC端末は,基地局がMTC端末に対してRNTIを付与する過程において,自端末がMTC端末であることを示すMTCカテゴリーを基地局に通知し,前記MTCカテゴリーには,MTC端末の能力を示す情報を含む,無線通信システム。 (5) 対比及び検討 引用文献1記載発明及び引用文献2記載発明各々と本願発明とを比較すると,上記「第2」の「2.当審拒絶理由についての判断」において検討したのと同様のことがいえる。 3.原査定の理由についてのまとめ したがって,本願発明を,引用文献1記載発明及び引用文献2記載発明を基に,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 第4 むすび 以上のとおりであるから,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。 また,ほかに本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-03-22 |
出願番号 | 特願2014-518135(P2014-518135) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04W)
P 1 8・ 537- WY (H04W) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | ▲高▼橋 真之、松本 光平、東 昌秋、遠山 敬彦 |
特許庁審判長 |
水野 恵雄 |
特許庁審判官 |
山本 章裕 近藤 聡 |
発明の名称 | 無線通信システム、無線局および基地局 |
代理人 | 酒井 昭徳 |