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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1326509
審判番号 不服2016-13594  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-09-09 
確定日 2017-04-17 
事件の表示 特願2014-193028「3Dリモートコントローラ用のGUIアプリケーション」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月26日出願公開、特開2015- 38750、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2008年(平成20年)9月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2007年(平成19年)9月7日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2010-524171号の一部を平成26年9月22日に新たな特許出願としたものであって、平成27年4月23日付け手続補正書により補正され、平成27年11月9日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年4月28日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成28年9月9日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要
平成28年4月28日付け拒絶査定(以下、「原査定」という。)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-21に係る発明は、以下の引用文献1-6に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1 特開平6-233352号公報
引用文献2 国際公開第2006/079939号
引用文献3 特開平4-19793号公報
引用文献4 特開2004-317733号公報
引用文献5 特開2005-301693号公報
引用文献6 特開平11-95907号公報

第3 本願発明
本願請求項1-21に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明21」という。)は、平成27年4月23日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-21に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「ワンド及びスクリーンと通信する電子デバイスであって、
前記スクリーン上に表示するメディアアプリケーションインタフェースを提供する手段と、
前記ワンドから送信を受信する手段であって、前記送信は、前記ワンドが前記スクリーンに対する第1の位置を指し示している間の、前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む、手段と、
前記ワンドから前記送信を受信したことに応えて、
前記第1の位置が前記スクリーンの端部に隣接する前記スクリーンの第1の部分を含むと判定するか、又は、前記第1の位置が前記スクリーンを越えて前記スクリーンの前記端部に隣接すると判定し、
前記第1の位置が前記スクリーンの前記端部に隣接する前記スクリーンの前記第1の部分を含むと判定したことに従って、第1のメディアアプリケーション動作を実行し、
前記第1の位置が前記スクリーンを越えて前記スクリーンの前記端部に隣接すると判定したことに従って、前記第1のメディアアプリケーション動作とは異なる第2のメディアアプリケーション動作を実行する
手段と、
を備えることを特徴とする電子デバイス。」

なお、本願発明2-21の概要は以下のとおりである。
本願発明2-7は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明8-14、15-21は、それぞれ、本願発明1-7に対応するプログラム、方法の発明であり、本願発明1-7とカテゴリ表現上の差異となる発明である。

第4 引用文献、引用発明
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0013】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を説明する。
図1、図2は実施例のリモートコントロールシステムの構成を示したものであり、図1は実施例のリモートコントロールシステムを採用したAVシステム例の説明図、図2はリモートコントロールシステムとしてのブロック図である。
【0014】図1において、10はAVセレクタアンプ、61はVTR、62はCDプレーヤ、63はTVチューナ、64はMDP(マルチディスクプレーヤ)、70はモニタ装置、71はスピーカを示す。
【0015】VTR61、CDプレーヤ62、TVチューナ63、MDP64はそれぞれ音声/映像信号出力がAVセレクタアンプ10に接続され、AVセレクタアンプ10において選択された音声/映像信号がモニタ装置70、スピーカ71から出力されるように接続されている。また、VTR61、CDプレーヤ62、TVチューナ63、MDP64にはそれぞれ赤外線受信部61a,62a,63a,64aが設けられており、通常はそれぞれ専用のリモートコマンダーによって出力される赤外線コマンド信号により遠隔操作可能とされている。ただし本実施例では各機器についての操作を1つのリモートコマンダーRによって実行できる。
【0016】本実施例となるリモートコントロールシステムはこのリモートコマンダーRとAVセレクタアンプ10内に内蔵された位置指定入力対応部(図2において説明)から構成されるものであり、リモートコマンダーRとしては、例えばx,y座標上での位置変位情報と、エンター情報のみを出力することができるものであればよく、図示するように操作部としてシャトルボールSのみを設けたものや、角速度センサ、加速度センサ等による位置変位情報を出力できるもの、或は図示しないがパソコンにおけるマウスのようにトラックボールの回転情報を出力できるもの、ジョイスティックによる操作方向情報を出力できるもの、4方向または8方向等の方向キーを備えたもの等であればよい。即ち、操作キーを多数設けることは不要である。信号伝送方式としては赤外線、電波、或は有線伝送等のいづれであってもよい。」

「【0026】本実施例のリモートコントロールシステムを構成するため、このようなシャトルボール、トラックボール、ジョグシャトル、x,y角速度センサ等を備えることによって、位置変位情報を出力することができるリモートコマンダーRに対応して、AVセレクタアンプ10内に設けられる位置指定入力対応部は図2に示される。
【0027】図2において、11は音声入力セレクタ部を示し、外部機器として接続されているVTR61、CDプレーヤ62、TVチューナ63、MDP64から供給される音声信号から択一的に入力音声信号を選択する。
音声入力セレクタ部11で選択された音声信号は音量調節部12を介して増幅機13に供給されて増幅され、接続されたスピーカ71に供給されて音声として出力される。
【0028】また、14は映像入力セレクタ部を示し、外部機器として接続されているVTR61、CDプレーヤ62、TVチューナ63から供給される映像信号から択一的に入力映像信号を選択する。
映像入力セレクタ部14で選択された映像信号は映像切換部15を介して表示装置として接続されたモニタ装置70に供給され、映像として出力される。
【0029】以上のようにAVセレクタアンプとしての機能部位に加えて、リモートコマンダーRから送信される位置指定情報(x,y変位情報及びエンター情報)となるコマンドコードに対応する位置指定入力対応部20が設けられる。
【0030】21は電波によりリモートコマンダー1より送信されたコマンドコードを受信復調する電波受信部、22は赤外線により送信されたコマンドコードを受信復調する赤外線受信部である。もちろんこれらは、リモートコマンダーRにおいて採用されている伝送方式に対応していづれか一方を設けるのみでもよい。また有線伝送の場合は不要である。以下、実施例におけるリモートコマンダーRは赤外線変調信号として位置指定情報を出力するものとして説明する。
【0031】23はCPU23a,ROM23b,RAM23cを有するマイクロコンピュータによって形成される制御部であり、この制御部23は、後述するように赤外線受信部22から供給されるリモートコマンダーRの操作情報に対応して各種リモートコントロールシステムとしての制御を行なう他、AVセレクタアンプの制御部としても機能する。即ち、音声入力セレクタ部11、映像入力セレクタ部14の切換制御、音量調節部11のボリューム制御、映像切換部15の切換制御等をユーザーの操作入力に応じて実行する。
【0032】24は各種操作キーが設けられたパネル操作部を示し、パネル操作部24からの操作情報は制御部23に供給される。パネル操作部24には、制御部23に対して音声入力セレクタ部11及び映像入力セレクタ部14の切換制御を実行させるためのファンクション切換キーや映像切換部15の切換制御を実行させるための映像切換キー、ボリュームアップ/ダウンキー等が設けられる。
【0033】25はグラフィックコントローラであり、制御部23による指示に応じて所定のキャラクタ映像信号を発生させ、例えば映像入力セレクタ部14において選択された映像信号に重畳して出力し、映像切換部15を介してCRT表示部16に供給する。キャラクタ映像による表示内容としては図1のように、各種機器に応じてその操作内容を示す操作用画像SDと、位置指定画像として表示されている操作用画像SDのうちの特定の操作用画像SDを示す指の画像や矢印等の表示(以下、ポインタPとする)が用意される。操作用画像SDとしては1画面内に例えば複数個表示されるが、表示される操作用画像SDは例えば各機器毎に対応されてグループ分けされている。例えばVTR61用の操作用画像SDのグループとして、再生、録画、停止、早送り、巻戻、等の操作用画像SDが設定されており、これらは同時に表示される。」

「【0036】このように構成されているリモートコントロールシステムの動作について以下、図7?図17を用いて説明する。
図7はリモートコマンダー1から送信された位置指定情報(x,y変位情報、エンター)に基づいて制御部23が実行する処理を示すフローチャートであり、図8は、各種機器の操作のための操作用画像SDの表示切換動作を概念的に示すものである。
【0037】上記したようにROM23b又はRAM23c内には、各種機器に対する各種操作を行なうコマンドコードが記憶されているが、これらに対応する操作用画像は機器毎にグループ分けされており、例えば本実施例では、説明上、VTR61に対する再生、停止、録画等の各種コマンドコードに対応する各種操作用画像、CDプレーヤ62に対する再生、停止等の各種コマンドコードに対応する各種操作用画像、TVチューナ63に対するチャンネル切換等のコマンドコードに対応する各種操作用画像、MDP64に対する再生、停止等の各種コマンドコードに対応する各種操作用画像、及びAVセレクタアンプに対する入力切換、音量等のコマンドコードに対応する操作用画像が、それぞれ切り換わって表示されるものとする。
【0038】以下説明する第1の実施例の動作では、現在AVセレクタアンプ10において入力選択されている機器に関する操作を容易に実行できるようにしたもので、操作用画像SDとしては現在入力選択されている機器に関する操作用画像SDのグループが表示される。例えば音声入力セレクタ部11及び映像入力セレクタ部14においてVTRが選択されていれば、まずVTR操作に関する操作用画像SDが表示される。そしてこの際に、リモートコマンダーRからのx,y変位情報によりポインタPが画面上で移動され、或る操作用画像SD(例えばVTR再生)が示された位置で、リモートコマンダーRからエンターコマンドが供給されると、そのエンターされた操作用画像に対応する(『VTR再生』)というコマンドコードがROM23b又はRAM23cから読み出され、赤外線送信部26から出力される。
【0039】ここで、リモートコマンダーRを操作してポインタPを画面上で左端にもってくると、操作画像SDのグループが、入力切換操作のための操作画像SDのグループに切り換えられて表示され、入力切換操作を行なうことができるようになるものである。さらに、画面上でポインタPが或る特定のエリアに入った際には、特定の操作用画像が表示され、その操作が行なうことができるようにされる。以下、図7のフローチャートに基づいてリモートコマンダー1による操作情報が入力された際の動作を説明する。
【0040】当初、AVセレクタアンプ10ではVTR61が入力選択されておりVTR61からの再生信号が映像信号としてはモニタ装置70に供給され、図11のような映像を表示しているとする。
【0041】ここで、例えばユーザーがリモートコマンダーRの操作を行ない、何らかのコマンドコードが送信されて赤外線受信部22から制御部23に取り込まれると、制御部23は映像切換部15を端子Ttから端子Tgに切り換える制御を行ない、グラフィックコントローラ25の出力として映像入力セレクタ部14からの映像信号に所定のキャラクタ画像がスーパーインポーズされてモニタ装置70に供給され、例えば図12のようにポインタP及び、VTR61に関する操作用画像SDが表示される。
つまり、図7に示すように制御部23は、コマンドコードが入力されると(F201)、タイマのリセットをしてカウントを開始し(F204)、現在の入力選択機器に関する操作用画像SDを表示させる(F206)。つまり、グラフィックコントローラ25に対して表示データを指示する。
【0042】なお、ステップF204のタイマカウントは、操作用画像SD及びポインタPの表示を不要な場合に消去させるもので、リモートコマンダーRから最後に何らかのコマンドが送信された後、一定時間以上コマンド送信がなかった時点で操作用画像SD及びポインタPを消去し(F202,F203) 、画面上にいつまでも無用に操作用画像SD及びポインタPが表示されていることによる煩わしさを解消するための処理である。
【0043】次に、入力されたコマンドコードがエンターコマンドであったかx,y変位情報であったかを判別する(F207)。そしてエンターコマンドであった場合はその時点のポインタPの位置によって示される操作用画像に対応するコマンドコードをROM23b又はRAM23cから読み出して送信することになる (→F208) 。一方x,y変位情報であったら、それに応じてポインタPを画面上で移動させる (→F209,F210)。
【0044】例えば図12のようにモニタ装置70の画面上で操作用画像SDとしてVTR61に対する巻戻、再生、早送り、停止、一時停止、録画等の操作用画像が表示された後、ポインタPが図13のように『早送り』の操作用画像SD上に移動されている時点で、リモートコマンダーRからエンターコマンドが供給されたら、制御部23は『VTR早送り』のコマンド信号を送出して赤外線送信部26から出力させ、VTR61の赤外線受信部61aに受信されるようにする。これによりVTR61では早送りが実行される。
【0045】x,y変位情報が入力された場合は、それに応じてポインタPを画面上で移動させることになり、つまり、新たなポインタPの位置を算出し(F209)、その算出された位置に画面上でポインタPが移動するようにグラフィックコントローラ25にデータを送り、表示上での移動を実現させる(F210)。
【0046】このためにCPU32aにおいては、モニタ装置の画面に対応したxy座標系を備えており、これによりポインタPの位置、動作、及び操作用画像SDとの対応を判別している。つまり、図9のように表示画面に対応して例えばx方向に255ドット、y方向に192ドットの座標系を構築し、この座標値としてポインタPの位置P_(0)を把握する。そして、x,y変位情報が入力されると、それまでのポインタPの位置P_(0)の座標値に対してx,y変位情報を加算し、新たなポインタPの位置を算出する。
【0047】例えば現在のポインタPの位置P_(0)がxy座標で(x,y)=(128,66)であるときに、リモートコマンダーRからx方向の変位情報として+50、y方向の変位情報として+30という数値が送られてきたとすると、新たなポインタPの位置P_(1)は(x,y)=(178,96)として算出され、このデータがグラフィックコントローラ25に送られて、画面上でポインタPが位置P_(1)に移動される。なお、x,y変位情報を加算した際にx<0となった場合は、x=0、x>255となった際にはx=255とされるとし、y<0となった場合は、y=0、y>192となった際にはy=192とされるとする。
【0048】上記エンターコマンドが入力された場合には、このポインタPの位置と表示位置が一致する操作用画像SDが選択されてコマンド送出されるが、この処理は、各操作用画像SDの表示位置も、CPU23a内でxy座標上のエリアを示す数値により把握されているため、その座標値の一致により選択された操作用画像が判別できるものである。
【0049】ここで、本実施例では、ポインタPの位置に基づいて新たな操作用画像グループの表示を行なうか否かを判断するため、ステップF209,F210 でポインタ移動させた際には、ポインタPの位置となる座標値のxの値が0となっているか、つまり、ポインタPが画面上で左端にまで移動させられたかを判別する(F211)。
【0050】左端ではない場合は、ステップF212に進み、ポインタPが例えば図10のxy座標の内でエリアAとして示す範囲内に入っているか否かを判別する。エリアAは例えば(200<x<245,0<y150)のエリアとして設定されているとする。
ポインタPがこのエリアA内に入るように移動された場合はステップF212からF214に進み、図14に示すように音量調節のための操作用画像SDのグループを表示させる。つまり、音量アップ,音量ダウン,ミュートの操作を示す操作用画像を表示させる。
【0051】例えば図14のようにポインタPが音量アップの操作用画像を示しているときにエンターコマンドが入力され、ステップF208に進んだ時は、制御部23は音量調節部12に対して音量アップ制御信号を送信することになる。
【0052】ポインタPがエリアA内に位置しなくなった場合はステップF212からF213に進み、音量操作用画像が表示されていればこれを消去し(音量操作用画像が表示されていない場合はそのまま何も処理を行なわずに)、ステップF201に戻る。つまり、ポインタPをエリアAの外に移動させればそれに応じて音量操作用画像は消去され、例えば図12の表示状態に戻る。
【0053】このように、音量調節操作のように頻繁に実行される操作については、特別に操作エリアを設定しておき、ポインタPがその操作エリアに入った時点で自動的に操作用画像を表示させ操作可能とすることで、操作性は格段に向上する。
【0054】ポインタPが図15のように画面上で左端にまで移動された場合、つまり図9にP_(3)として示すように座標値x=0となった場合は、ステップF211からF215に進み、それまで表示していたVTR61用の操作用画像を消去し、図16のように入力切換のための操作用画像SDを表示させる。リモートコマンダーRを操作するユーザーにとっては画面上でポインタPを左に振り切ることによってそれまでの画面の左ページ側として他の画面が現われるようなイメージとなる。
なお、ここで、ポインタPのx座標値を0から254に変更し、ポインタPは入力切換用の画面の右端に現われるようにする(F216)。
【0055】このように入力切換用の画面が表示されている間は、処理はステップF205からF217に進むことになる。そして、コマンドコードの入力に応じてそのコマンド内容が判別され(F217)、x,y変位情報であったら、それに応じて上記同様にxy座標上で新たなポインタ位置を算出し(F218)、画面上でその新たなポインタ位置までポインタを移動させる(F219)。ここで、ポインタPのx座標位置=255となっているか否かを判別し、x座標位置=255でなければ、そのままステップF201に戻る。
【0056】ポインタが移動されて、ステップF220でx座標位置=255、つまり入力切換操作画面上でポインタPが右端にまで振り切られた場合には、現在表示していた入力切換操作画面を消去して、元の表示状態、即ち現在入力選択されている機器に対する操作用画像SDが表示された図15の状態となるように表示を切り換える(F221)。この際にポインタ位置となるxの値はx=1とし、ポインタPが画面の左端近辺に現われるようにする(F222)。これは、リモートコマンダーRを操作するユーザーにとっては画面上でポインタPを右に振り切ることによって画面の右ページ側として元の画面が現われるようなイメージとなる。
【0057】入力切換操作のための操作用画像が表示されている図16の画面においてポインタPが例えば『MDP』の表示エリア内に移動されている際に、エンター操作がなされた場合は、制御部23はステップF223の処理で入力切換のコマンド信号を出力することになる。つまり音声入力セレクト部11、映像入力セレクト部14においてMDPの入力端子が選択されるように制御する。
そして、このように入力切換が実行された場合は、入力切換操作のための操作用画像を消去し、選択された機器に対応する操作用画像のグループを表示させる。従ってこの場合図17のようにMDP64に対応する操作用画像SDが表示される。」

以上の記載(特に、下線部)、及び図面によれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、括弧内は、対応する明細書の段落、図面番号、図面内の記号を示す。

「リモートコントロールシステムの位置指定入力対応部20であって、(【0016】)
位置指定入力対応部20は、赤外線受信部22、制御部23、グラフィックコントローラ25を備え(【0029】【0030】【0031】【0033】【図2】)、
赤外線受信部22は、角速度センサ、加速度センサ等による位置変位情報を出力できるリモートコマンダーRから送信される位置指定情報(x,y変位情報及びエンター情報)となるコマンドコードを受信復調するものであり(【0016】【0029】【0030】)、
制御部23は、赤外線受信部22から供給されるリモートコマンダーRの操作情報に対応して各種リモートコントロールシステムとしての制御を行なうものであり(【0031】)、
グラフィックコントローラ25は、制御部23による指示に応じて、操作用画像SDやポインタPのキャラクタ映像信号を発生させて映像信号に重畳して出力し、モニタ装置70に供給するものであり(【0033】【0041】)、
制御部23は、
ユーザーがリモートコマンダーRの操作を行ない、何らかのコマンドコードが送信されて赤外線受信部22から制御部23に取り込まれると、ポインタP及び、VTR61に関する操作用画像SDが表示され(【0041】【図7】F201,F206)、
次に、入力されたコマンドコードがエンターコマンドであったかx,y変位情報であったかを判別し(【0043】【図7】F207)、
エンターコマンドであった場合はその時点のポインタPの位置によって示される操作用画像に対応するコマンドコードを送信し(【0043】【図7】F208)、
一方、入力されたコマンドコードがx,y変位情報であったら、それに応じてポインタPを画面上で移動させ (【0043】【図7】F209,F210)、ポインタPが画面上で左端にまで移動させられたかを判別し(【0049】【図7】F211)、
左端ではない場合は、ポインタPがxy座標の内でエリアAとして示す範囲内に入っているか否かを判別し(【0050】【図7】F212)、ポインタPがこのエリアA内に入るように移動された場合は、音量調節のための操作用画像SDのグループを表示させ(【0050】【図7】F214)、
ポインタPが画面上で左端にまで移動された場合は、それまで表示していたVTR61用の操作用画像を消去し、入力切換のための操作用画像SDを表示させる(【0054】【図7】F215)、
処理を実行する位置指定入力対応部20。」

第5 当審の判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

引用発明における「リモートコマンダーR」、「モニタ装置70」、「位置指定入力対応部20」は、それぞれ、本願発明1における「ワンド」、「スクリーン」、「電子デバイス」に相当する。
引用発明の位置指定入力対応部20が備える、制御部23、及び、グラフィックコントローラ25は、それぞれ、「リモートコマンダーRの操作情報に対応して各種リモートコントロールシステムとしての制御を行なうもの」、及び、「制御部23による指示に応じて、操作用画像SDやポインタPのキャラクタ映像信号を発生させて映像信号に重畳して出力し、モニタ装置70に供給するもの」であるから、引用発明の位置指定入力対応部20が、「リモートコマンダーR」、及び、「モニタ装置70」と通信するのは明らかである。
したがって、本願発明1と引用発明は、「ワンド及びスクリーンと通信する電子デバイス」である点で一致する。

引用発明における、「グラフィックコントローラ25」は、「操作用画像SDやポインタPのキャラクタ映像信号を発生させて映像信号に重畳して出力し、モニタ装置70に供給するもの」であり、「ユーザーがリモートコマンダーRの操作を行ない、何らかのコマンドコードが送信されて赤外線受信部22から制御部23に取り込まれると、ポインタP及び、VTR61に関する操作用画像SDが表示され」る。この「VTR61に関する操作用画像SD」は、「メディアアプリケーションインタフェース」といえる。
したがって、本願発明1と引用発明は、「前記スクリーン上に表示するメディアアプリケーションインタフェースを提供する手段」を備える点で一致する。

引用発明における、「赤外線受信部22は、角速度センサ、加速度センサ等による位置変位情報を出力できるリモートコマンダーRから送信される位置指定情報(x,y変位情報及びエンター情報)となるコマンドコードを受信復調するもの」であり、この「リモートコマンダーRから送信される位置指定情報(x,y変位情報及びエンター情報)となるコマンドコード」は、「角速度センサ、加速度センサ等による位置変位情報」を含むから、引用発明における「赤外線受信部22」は、本願発明1でいう「前記ワンドから送信を受信する手段」であって、「前記送信は、前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む、手段」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明は、「前記ワンドから送信を受信する手段であって、前記送信は、前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む、手段」を備える点で共通する。

したがって、本願発明1と引用発明の一致点、相違点は次のとおりである。

[一致点]
「ワンド及びスクリーンと通信する電子デバイスであって、
前記スクリーン上に表示するメディアアプリケーションインタフェースを提供する手段と、
前記ワンドから送信を受信する手段であって、前記送信は、前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む、手段と、
を備える電子デバイス。」

[相違点]
相違点1
「ワンドから送信を受信する手段」における「前記送信」が、本願発明1では、「前記ワンドが前記スクリーンに対する第1の位置を指し示している間の、前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む」のに対し、引用発明では、「前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む」とはいえるものの、「前記ワンドが前記スクリーンに対する第1の位置を指し示している間の、前記ワンドに組み込まれた少なくとも1つの動き検出要素の出力を含む」ものではない点。

相違点2
本願発明1は、「前記ワンドから前記送信を受信したことに応えて、
前記第1の位置が前記スクリーンの端部に隣接する前記スクリーンの第1の部分を含むと判定するか、又は、前記第1の位置が前記スクリーンを越えて前記スクリーンの前記端部に隣接すると判定し、
前記第1の位置が前記スクリーンの前記端部に隣接する前記スクリーンの前記第1の部分を含むと判定したことに従って、第1のメディアアプリケーション動作を実行し、
前記第1の位置が前記スクリーンを越えて前記スクリーンの前記端部に隣接すると判定したことに従って、前記第1のメディアアプリケーション動作とは異なる第2のメディアアプリケーション動作を実行する手段」を備えるのに対し、引用発明はそのような手段を備えていない点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1、2について検討する。
引用発明は、ユーザーがリモートコマンダーRの操作を行うことによりポインタPを画面上で移動させるものであって、該ポインタPの位置が画面上の左端にまで移動させられたか、エリアA内に入るように移動されたか、を判別して、それにより操作用画像SDの表示処理を行うものであるから、引用発明は、リモートコマンダーRが、モニタ装置70に対するある位置を指し示している間の出力を送信するものではない。
ただ、リモートコマンダーRは、モニタ装置70に表示されたポインタPの移動を制御するものであるから、該リモートコマンダーRが、モニタ装置70に表示されたポインタPの位置を指し示すようにすること自体は、当業者が容易に想到し得るといえるかもしれない。
しかしながら、ポインタPは、モニタ装置70の画面上に表示されるものであって、画面を越えて表示されるものではないから、上記のように、リモートコマンダーRが、モニタ装置70に表示されたポインタPの位置を指し示すようにしたとしても、本願発明1の上記相違点2に係る特定事項の「(ワンドが指し示している)前記第1の位置が前記スクリーンを越えて前記スクリーンの前記端部に隣接すると判定」する構成には至らない。
また、原査定で引用された引用文献2乃至6をみても、引用発明において、上記相違点2に係る上記特定事項を採用することが容易に想到し得るとする証拠は見当たらない。上述したように、引用発明は、ユーザーがリモートコマンダーRの操作を行うことによりポインタPを画面上で移動させるものであるから、たとえ、ワンドが指し示す(スクリーンを越えた位置を含む)位置を用いて操作するユーザインターフェースが周知の技術であったとしても、モニタ装置70に表示されたポインタPの位置を判別して、それにより操作用画像SDの表示処理を行う引用発明においては、そのような技術を採用する動機付けはない。

したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2乃至6に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

2.本願発明2-21について
本願発明2-21も、本願発明1の上記相違点に係る構成と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、本願発明2-21は、引用発明及び引用文献2乃至6に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1-21に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-04-05 
出願番号 特願2014-193028(P2014-193028)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 加内 慎也  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 山田 正文
千葉 輝久
発明の名称 3Dリモートコントローラ用のGUIアプリケーション  
代理人 大塚 康徳  
代理人 下山 治  
代理人 高柳 司郎  
代理人 永川 行光  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康弘  
代理人 坂田 恭弘  

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