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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1326783
審判番号 不服2016-11099  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-22 
確定日 2017-04-25 
事件の表示 特願2014-518536「イマーシブシェルとデスクトップシェルの表示」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月 3日国際公開、WO2013/002817、平成26年 9月11日国内公表、特表2014-523583、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯

本願は、2011年10月9日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年5月27日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成27年10月6日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月8日に手続補正がなされたが、同年3月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。


第2.原査定の経緯
原査定(平成28年3月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.本願の請求項1-10に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2010-108190号公報
2.米国特許出願公開第2003/0052923号明細書
3.特開2006-091343号公報
4.阿久津良和,発売までに基本操作をマスターする! Windows 7 先取り完全ガイド 第1回,PCfan,日本,(株)毎日コミュニケーションズ,2009年 8月 1日,第16巻,第9号,第36?37ページ
5.水野源,リリース直前! Ubuntu 11.04“Natty Narwhal” 最新デスクトッププレビュー,SoftwareDesign,日本,(株)技術評論社,2011年 5月18日,通巻第313号(発刊第247号),第98?106ページ


第3.本願発明
本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、平成28年7月22日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
コンピューターデバイスのオペレーティングシステムの第1シェルにおいてアプリケーションを実行するステップであり、前記アプリケーションが、オフスクリーンの前記第1シェルの中でされ、もしくは、前記第1シェルが第2シェルのセカンダリー領域に対してスナップされて結合される場合に実行される、ステップと、
前記第1シェルにおいて実行されたアプリケーションからの通知を受取るステップと、
前記コンピューターデバイスの前記オペレーティングシステムの前記第2シェルの中に前記通知を表示するステップと、を含み、
前記第1シェルの機能は、第2シェルを介してアクセスすることができ、
前記第1シェル及び前記第2シェルは、前記コンピューターデバイスのディスプレイデバイス上に同時に表示され、
前記ディスプレイデバイス上のユーザインターフェイスは、プライマリー領域とセカンダリー領域とを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1シェルは、前記オペレーティングシステムの前記第2シェルの中でアクセス可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1シェルは、前記第2シェルによってアプリケーションとして取扱われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記表示は、ポップアップメニューを使用して実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポップアップメニューは、既定の時間だけ表示されるように構成されている、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1シェルは、前記受取りの最中には、現在のところユーザーインターフェイスにおいてみることができない、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1シェルはデスクトップシェルであり、前記第2シェルは前記オペレーティングシステムのイマーシブシェルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記デスクトップシェルは、少なくとも一つの前記アプリケーションのために複数のウインドウを使用し、前記イマーシブシェルは、アプリケーションごとに一つのウインドウをサポートする、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記デスクトップシェルは、前記デスクトップシェルの中で実行可能な複数のアプリケーションに対応する複数のウインドウの表示を含む、
請求項7または8に記載の方法。」


第4.引用文献、引用発明

a.引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の記載がある。(下線は当審において付加した。以下、同じ。)

(a)「【0002】
現在、パーソナルコンピュータ等の電子機器では、1つの表示装置に複数のウィンドウを同時に表示させることが多い。そして、ユーザはいずれかのウィンドウを選択してアクティブにし、アクティブになったウィンドウに対して所望の操作を行う。
【0003】
しかしながら、表示領域の比較的狭い画面を有する携帯電話機等の携帯電子機器において、一画面中に複数のウィンドウを同時に表示すると、各々のウィンドウが小さくなって視認性が悪くなるという問題がある。
【0004】
そこで、携帯電話機等の機器の大きさに制限がある携帯電子機器において、1つの表示装置に複数のデスクトップ画面を選択的に表示することで機器のサイズを小さく保ちつつ、より多くの情報を表示することが可能となる。このような携帯電子機器において、ユーザは、複数のデスクトップ画面のうちのいずれかのデスクトップ画面を選択してアクティブ画面とし、例えば、アクティブ画面上で所望のアプリケーションを起動して、操作を行ったりする。
【0005】
このような1つの表示装置に複数のデスクトップ画面を選択的に表示する技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、携帯電子機器の傾き又は加速度を計測するセンサと、センサの計測結果に基づいて、複数のデスクトップ画面のうちからアクティブ画面を自動的に選択する制御部とを備える携帯電子機器が提案されている。
【特許文献1】特開2007-206108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数のデスクトップ画面のそれぞれに対応する複数のアプリケーションを起動している場合、それぞれのアプリケーションによりエラー表示やユーザへの確認事項等の報知情報が複数生成されても、生成されたこれらの報知情報がアクティブ画面上に重複して表示されてしまい、ユーザがこれらの報知情報を適切に視認できない可能性がある。」(2頁-3頁)

(b)「【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯電子機器の一例である携帯電話機1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが一つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0013】 ・・・(中略)・・・
【0014】 ・・・(中略)・・・
【0015】 ・・・(中略)・・・
【0016】 ・・・(中略)・・・
【0017】
図2は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図2に示すように、操作部11と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、LCD制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45と、が操作部側筐体部2に備えられ、LCD表示部21(表示部)と、スピーカ22と、ドライバIC23と、サブLCD表示部30とが表示部側筐体部3に備えられている。」(4頁)

(c)「【0025】
次に、図3を参照しながら操作部11、制御部45、LCD制御部42、及びLCD表示部21の機能について説明する。図3は、操作部11、制御部45、LCD制御部42、及びLCD表示部21の機能について示す機能ブロック図である。
【0026】
図3に示すように、制御部45は、アプリケーション管理部451と、デスクトップ管理部452と、ウィンドウ管理部453と、とを備える。
【0027】
アプリケーション管理部451は、複数のデスクトップ画面上にそれぞれ起動される複数のアプリケーションを管理する。そして、アプリケーション管理部451は、所定のアプリケーションによりユーザへの報知情報が生成された場合、デスクトップ管理部452へ通知する。
【0028】
報知情報とは、アプリケーションのエラー表示や、ユーザに対する注意事項、確認事項等である。そして、報知情報は、アプリケーションごとに生成される。
【0029】
デスクトップ管理部452は、複数のデスクトップ画面を管理し、仮想平面上に複数のデスクトップ画面を隣接して並ぶように配置する。図4は、仮想平面上に配置された複数のデスクトップ画面の一例を示す図である。図4に示すように、デスクトップ管理部452は、仮想平面上にデスクトップ画面51、52、53、54の4つの異なるデスクトップ画面をそれぞれ隣接して並ぶように配置する。
【0030】
具体的には、図4(a)では、デスクトップ画面51がアクティブ画面であり、図4(b)では、デスクトップ画面52がアクティブ画面である。また、図4(c)では、デスクトップ画面53がアクティブ画面であり、図4(d)では、デスクトップ画面53がアクティブ画面である。
【0031】
そして、デスクトップ画面51?54のうちの一画面を基準として、この一画面に仮想平面上で隣接する他のデスクトップ画面の存在する方向のそれぞれに対応付けられた操作部11の操作に応じて、これらのデスクトップ画面51?54のうちのいずれかのデスクトップ画面をアクティブ画面として、後述のウィンドウ管理部453により順次切り替えられてLCD表示部21に表示される。
【0032】
また、デスクトップ管理部452は、アプリケーション管理部451による報知情報が生成されたことの通知に応じて、所定のアプリケーションに対応するデスクトップ画面がアクティブ画面であるデスクトップ画面を基準として仮想平面上のいずれの位置に存在するかを判定する。
【0033】
ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452による制御に応じて、LCD制御部42を制御する。そして、ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452による判定の結果に基づいて、アクティブ画面の所定の領域に報知情報を表示するようにLCD制御部42を制御する。」(5頁-6頁)

(d)「【0036】
次に、図6を参照しながらアクティブ画面上に表示される報知情報の具体例について説明する。図6は、アクティブ画面であるデスクトップ画面51上に表示される報知情報の一例を示す図である。
【0037】
ここで、図6に示すデスクトップ画面51では、報知情報「メールの受信に失敗しました」を生成したアプリケーションが起動しており、デスクトップ画面52では、報知情報「動画を再生中です」を生成したアプリケーションが起動しており、デスクトップ画面53では、報知情報「不在1件」を生成したアプリケーション起動しており、デスクトップ画面54では、報知情報「ダウンロードに失敗しました」を生成したアプリケーションが起動していることとする。
【0038】
図6に示すように、デスクトップ管理部452は、報知情報「メールの受信に失敗しました」を生成したアプリケーションに対応するデスクトップ画面が、アクティブ画面であるデスクトップ画面51を基準として仮想平面上のいずれの位置に存在するかを判定する。
【0039】
デスクトップ管理部452は、判定した結果、報知情報「メールの受信に失敗しました」を生成したアプリケーションに対応するデスクトップ画面が、デスクトップ画面51であることをウィンドウ管理部453へ通知する。
【0040】
そして、ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452からの通知によって、報知情報「メールの受信に失敗しました」を生成したアプリケーションに対応するデスクトップ画面がアクティブ画面であるデスクトップ画面51であるため、報知情報を表示領域65に表示させるように制御する。
【0041】
同様に、デスクトップ管理部452は、報知情報「動画を再生中です」を生成したアプリケーションに対応するデスクトップ画面はデスクトップ画面53であり、仮想平面上においてデスクトップ画面53は、アクティブ画面であるデスクトップ画面51に対して下に位置することをウィンドウ管理部453へ通知する。
【0042】
そして、ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452からの通知により、仮想平面上においてデスクトップ画面53が、アクティブ画面であるデスクトップ画面51に対して下に位置するため、表示領域68に報知情報「動画を再生中です」を表示させるように制御する。
【0043】
また、デスクトップ管理部452は、報知情報「不在1件」を生成したアプリケーションに対応するデスクトップ画面はデスクトップ画面52であり、仮想平面上において、デスクトップ画面52はアクティブ画面であるデスクトップ画面51に対して右に位置することをウィンドウ管理部453へ通知する。
【0044】
そして、ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452からの通知により、仮想平面上においてデスクトップ画面52は、アクティブ画面であるデスクトップ画面51に対して右に位置するため、表示領域66に報知情報「不在1件」を表示させるように制御する。
【0045】
また、デスクトップ管理部452は、報知情報「ダウンロードに失敗しました」を生成したアプリケーションに対応するデスクトップ画面はデスクトップ画面54であり、仮想平面上において、デスクトップ画面54はアクティブ画面であるデスクトップ画面51に対して右下に位置することをウィンドウ管理部453へ通知する。
【0046】
そして、ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452からの通知により、仮想平面上においてデスクトップ画面54は、アクティブ画面であるデスクトップ画面51に対して右下に位置するため、表示領域69に報知情報「ダウンロードに失敗しました」を表示させるように制御する。
【0047】
このように本実施形態の携帯電話機1によれば、報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面を基準として、仮想平面上のいずれの位置に存在するかを判定する。そして、判定の結果、報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面である場合、表示領域65に報知情報を表示させるように制御し、報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面でない場合、表示領域61?64、及び表示領域66?69のうち、アクティブ画面から見て、この報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面が存在する方向に対応する領域に報知情報を表示させるように制御する。
【0048】
これにより、ユーザは、アクティブ画面以外はLCD表示部21に表示されない複数のデスクトップ画面において複数のアプリケーションを起動している場合であっても、報知情報を生成したアプリケーションがいずれのデスクトップ画面で起動しているかを容易に識別することができる。
【0049】
また、ウィンドウ管理部453は、デスクトップ管理部452により所定のアプリケーションに対応するデスクトップ画面が仮想平面上におけるアクティブ画面でないと判定された場合、報知情報が最新の報知情報であるかを判定する。
【0050】
そして、ウィンドウ管理部453は、報知情報が最新の報知情報である場合には、アクティブ画面の所定の領域に、この報知情報全体を表示するように制御する。また、報知情報が最新の報知情報でない場合には、アクティブ画面の所定の領域に、この報知情報の一部を表示するように制御する。」(6頁-8頁)

(e)「【0065】
次に、本実施形態の制御部45の処理の流れについて説明する。図9は、制御部45の処理の流れについて示すフローチャートである。
【0066】
ステップS1において、アプリケーション管理部451は、所定のアプリケーションにより生成された報知情報を受け付け、デスクトップ管理部452へ通知する。
【0067】
ステップS2において、デスクトップ管理部452は、ステップS1において通知された報知情報を生成したアプリケーションの起動しているデスクトップ画面が、アクティブ画面であるか否か判定する。アクティブ画面である場合(Yes)には、ステップS3へ移る。一方、アクティブ画面でない場合(No)には、ステップS6へ移る。
【0068】
ステップS3において、ウィンドウ管理部453は、アプリケーションにより生成された報知情報が最新の報知情報であるか否かを判定する。最新の報知情報である場合(Yes)には、ステップS4へ移る。一方、最新の報知情報でない場合(No)には、ステップS5へ移る。
【0069】
ステップS4において、ウィンドウ管理部453は、報知情報が最新の報知情報であるため、アクティブ画面であるデスクトップ画面の表示領域65に報知情報の全体を他の報知情報とは異なる態様で表示する。
【0070】
ステップS5において、ウィンドウ管理部453は、報知情報が最新の報知情報以外であるため、アクティブ画面であるデスクトップ画面の表示領域65に報知情報の全体を他の報知情報と同様の態様で表示する。
【0071】
ステップS6において、ウィンドウ管理部453は、報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面が、アクティブ画面に対して、上、下、左、右、左上、左下、右上、右下のいずれの位置に存在するかを判定する。
【0072】
ステップS7において、ウィンドウ管理部453は、アプリケーションにより生成された報知情報が最新の報知情報であるか否かを判定する。最新の報知情報である場合(Yes)には、ステップS8へ移る。一方、最新の報知情報でない場合(No)には、ステップS9へ移る。
【0073】
ステップS8において、ウィンドウ管理部453は、ステップS6において判定されたアクティブ画面の位置に応じて表示領域61?64、及び表示領域66?69に報知情報の一部を他の報知情報とは異なる態様で表示させる。
【0074】
ステップS9において、ウィンドウ管理部453は、アクティブ画面の位置に応じて表示領域61?64、66?69に報知情報の一部を他の報知情報と同様の態様で表示させる。
【0075】
ステップS10において、ウィンドウ管理部453は、操作部11の操作に応じてアクティブ画面が切り替えられたか否かを判定する。アクティブ画面が切り替えられた場合(Yes)には、ステップS2へ移り、再度ステップS2?ステップS9の処理を繰り返す。一方、アクティブ画面が切り替えられなかった場合(No)には、一連の処理を周囲了する。」(9頁-10頁)

図5において、「表示領域65」はアクティブ画面の中央の領域に位置しており、引用文献1において、アクティブ画面のアプリケーションが報知情報が生成した際には、報知情報は、アクティブ画面の中央の領域に表示されるものと認められる。
以上総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「操作部11と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、LCD制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45とが操作部側筐体部2に備えられ、LCD表示部21(表示部)と、スピーカ22と、ドライバIC23と、サブLCD表示部30とが表示部側筐体部3に備えた携帯電話機1の報知情報を表示させる方法において、
前記制御部45は、アプリケーション管理部451と、デスクトップ管理部452と、ウィンドウ管理部453と、を有し、
前記アプリケーション管理部451は、複数のデスクトップ画面上にそれぞれ起動される複数のアプリケーションを管理し、所定のアプリケーションによりユーザへの注意事項、確認事項等である前記報知情報が生成された場合、前記デスクトップ管理部452へ通知し、
前記デスクトップ管理部452は、複数のデスクトップ画面を管理し、仮想平面上にデスクトップ画面51、52、53、54の4つの異なるデスクトップ画面をそれぞれ隣接して並ぶように配置し、また、前記アプリケーション管理部451による前記報知情報が生成されたことの通知に応じて、所定のアプリケーションに対応するデスクトップ画面がアクティブ画面であるデスクトップ画面を基準として仮想平面上のいずれの位置に存在するかを判定し、
前記ウィンドウ管理部453は、前記デスクトップ管理部452による制御に応じて、前記LCD制御部42を制御し、前記デスクトップ管理部452による判定の結果に基づいて、アクティブ画面の所定の領域に前記報知情報を表示するようにLCD制御部42を制御し、さらに、前記デスクトップ画面51?54のうちの一画面を基準として、この一画面に仮想平面上で隣接する他のデスクトップ画面の存在する方向のそれぞれに対応付けられた前記操作部11の操作に応じて、これらのデスクトップ画面51?54のうちのいずれかのデスクトップ画面をアクティブ画面として、順次切り替えてLCD表示部21に表示させるものであって、
報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面を基準として、仮想平面上のいずれの位置に存在するかを判定し、
判定の結果、報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面である場合、アクティブ画面の中央の領域に報知情報を表示させるように制御し、
報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面でない場合は、アクティブ画面から見て、この報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面が存在する方向に対応する領域に報知情報を表示させる、
方法。」

b.引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の記載がある。

(a)「[0001] 1. Field of the Invention
[0002] The present invention relates to the field of computer systems. More specifically, the present invention relates to exclusive use display surface areas, and their applications to persistently visible display of contents, such as advertisements. 」(1頁)
(当審訳:
[0001]1.発明の分野
[0002]本発明は、コンピュータシステムの分野に関する。より具体的には、本発明は、表示画面領域を排他的に使用し、その領域のアプリケーションが広告のようなコンテンツを永続的に表示することに関するものである。)

(b)「[0019] Referring now to FIGS.1a-1f, wherein six block diagrams illustrating an overview of the present invention in accordance with three embodiments are shown. As illustrated, in accordance with the present invention, displace surface 102 of display device 100 (of a computer system) are divided into display areas 104 and 106a - 106aa. Display area 104 is referred to as the shared display area (SDA), where any number of applications 108 (executing on the computer system or remotely, and of a display area sharing type) may render contents in their corresponding windows (disposed inside SDA 104). Display areas 106a-106aa are referred to as exclusive-use display areas (EDA), where only assigned applications 110 (executing on the computer system or remotely, and of an exclusive use type, in terms of display area) may correspondingly render contents into these areas. For FIG.1a, one EDA 106 a disposed along the bottom edge of display surface 102 is set aside or reserved. Whereas, in FIGS.1b-1c, three EDAs 106b-106d and 106e-106g disposed along the left and top edges and along the right and bottom edges of displace surface 102 respectively, are set aside or reserved. In FIGS.1d-1e, six EDAs 106h-106m and 106n-106s disposed in two rows along the left and top edges and along the right and bottom edges of displace surface 102 respectively, are set aside or reserved. Finally, in FIG.1f, eight EDAs 106t-106aa disposed along the perimeter of displace surface 102 are set aside or reserved. As a result, contents rendered into EDAs 106a-106aa by applications 110 are persistently visible to an end-user, without resorting to prior art“rigging”techniques, such as“always on top”. As will be described in more detail below, by selectively associating with an application 110, an application 108 may selectively render a portion of its output display in this persistently visible manner, thereby enabling applications (such as advertisement rendering), to overcome the prior art disadvantage of losing visibility to some of the rendered contents (such as banner advertisements), when the rendered contents (such as a displayed page), is scrolled up and down within a display window (such as a browser window).」(2頁)
(当審訳
[0019] 図1a-1fを参照すると、3つの実施形態による本発明の概要を示す6つのブロック図が示されている。図示のように、本発明によれば、(コンピュータシステムの)表示装置100の表示画面102が表示領域104と、106a-106Aaに分割される。表示領域104は、共有表示領域(SDA)と呼び、任意の数のアプリケーション108(コンピュータシステムまたは遠隔で実行され、表示領域が共有される)は、それらに対応するウィンドウ(SDA104内に配置される)にコンテンツを描画することができる。表示領域106a-106aaは、排他的表示領域(EDA)と呼ばれ、割り当てられたアプリケーション110(コンピュータ・システムまたはリモートで実行され、表示領域では排他領域が使用される)だけに対応して、この領域にコンテンツを描画する。図1aの場合では、表示画面102の下縁部に沿って配置された1つのEDA106aが別に確保されるか、または予約されている。これに対し、図1b-1cには、表示面102の左縁部と上縁部に沿って、及び右縁部と下縁部に沿って配置された、それぞれ3つのEDA106b-106d、106e-106gが別に確保されるか、または予約されている。図1d-1eでは、表示画面102の左縁部及び上縁部に沿って、及び右縁部と下縁部に沿って2列に配置された6つのEDA106h-106mおよび106n-106sが別に確保されるか、または予約されている。最後に、図1fでは、表示画面102の外周に沿って配置された8つのEDA106t-106aaが別に確保されるか、または予約されている。結果として、アプリケーション110によってEDA106a-106aaに描画されるコンテンツはエンドユーザにとって永続的に見ることができ、従来技術の「常に上」におく技術に頼らないでよい。以下でより詳細に説明するように、アプリケーション110と関連付けるかを選択することによって、アプリケーション108は、この永続的に見える手段で選択的に出力表示手段の一部に描画でき、それゆえ、アプリケーション(広告描画等)は、表示ウィンドウ(ブラウザウィンドウなど)内で描画されたコンテンツ(表示されているページなど)がスクロールされる時に、描画された内容の一部(バナー広告等)が見えなくなるという従来技術の欠点を克服する。)

以上総合すると、引用文献2には、以下の技術(以下、「引用文献2に記載の技術」という。)が記載されているといえる。

「ディスプレイに、複数の画面を同時に表示すること。」


第5.当審の判断

1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

(a)引用発明の「携帯電話機1」は、本願発明1の「コンピューターデバイス」に相当する。

(b)引用発明の「携帯電話機1」がオペレーティングシステムを有していることは明らかであり、通常、オペレーティングシステムは、アプリケーションの管理や、デスクトップの管理、ウィンドウの管理を行うものであるから、引用発明においては「制御部45」がオペレーティングシステムが有し、該オペレーティングシステムが「アプリケーション管理部451」、「デスクトップ管理部452」、「ウィンドウ管理部453」を制御し、デスクトップ画面の管理をするものと認められ、さらに、引用発明においては「アプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面でない場合」があり、オフスクリーンでアプリケーションが実行するステップがあるものと認められる。
したがって、引用発明のアクティブでない「デスクトップ画面」が、本願発明1の「第1シェル」に相当し、引用発明の、前記「オフスクリーンでアプリケーションが実行するステップ」が、本願発明1の「コンピューターデバイスのオペレーティングシステムの第1シェルにおいてアプリケーションを実行するステップであり、前記アプリケーションが、オフスクリーンの前記第1シェルの中で実行される、ステップ」に相当する。

(c)引用発明の「報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面でない場合は、アクティブ画面から見て、この報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面が存在する方向に対応する領域に報知情報を表示させる」ことは、アクティブでない「デスクトップ」のアプリケーションが「報知情報」を生成し、アクティブな「デスクトップ」の中に「報知情報」を表示するすることであるから、引用発明のアクティブな「デスクトップ画面」と、本願発明1の「第2シェル」とは、「他の画面」である点では共通し、引用発明の「報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面がアクティブ画面でない場合は、アクティブ画面から見て、この報知情報を生成したアプリケーションが起動しているデスクトップ画面が存在する方向に対応する領域に報知情報を表示させる」と、本願発明1の「前記第1シェルにおいて実行されたアプリケーションからの通知を受取るステップと、前記コンピューターデバイスの前記オペレーティングシステムの前記第2シェルの中に前記通知を表示するステップ」とは、「前記第1シェルにおいて実行されたアプリケーションからの通知を受取るステップと、前記コンピューターデバイスの前記オペレーティングシステムの他の画面の中に前記通知を表示するステップ」の点では共通する。

よって、本願発明1と引用発明は、以下の点で一致、ないし相違している。

(一致点)
「コンピューターデバイスのオペレーティングシステムの第1シェルにおいてアプリケーションを実行するステップであり、前記アプリケーションが、オフスクリーンの前記第1シェルの中で実行される、ステップと、
前記第1シェルにおいて実行されたアプリケーションからの通知を受取るステップと、
前記コンピューターデバイスの前記オペレーティングシステムの他の画面の中に前記通知を表示するステップと、を含む、
方法。」

(相違点)
上記「他の画面」が、本願発明1では、「第2のシェル」であって、「前記第1シェルの機能は、第2シェルを介してアクセスすることができ、前記第1シェル及び前記第2シェルは、前記コンピューターデバイスのディスプレイデバイス上に同時に表示され、前記ディスプレイデバイス上のユーザインターフェイスは、プライマリー領域とセカンダリー領域とを含む」ものであるのに対して、引用発明では、一つのシェルしかなく、「アクティブでないデスクトップ画面」が「アクティブなデスクトップ画面」を介してアクセスするものではなく、ディスプレイには一つのデスクトップ画面しか表示されない点。


(2)相違点についての判断
上記相違点について検討する。

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、ディスプレイに複数の画面を同時に表示するという技術が記載されている。
しかしながら、引用発明の「携帯電話機」は、引用文献1の段落【0002】、【0003】に記載されるように、携帯電話機等の携帯電子機器においては、一画面中に複数のウィンドウを同時に表示すると、各々のウィンドウが小さくなって視認性が悪くなることから、1つの表示装置に複数のデスクトップ画面を選択的に表示することで機器のサイズを小さく保ちつつ、より多くの情報を表示することを可能としたものであるから、引用発明に、複数の画面を同時に表示するという引用文献2に記載の技術を適用することには阻害要因があると認められる。
さらに、仮に、引用発明に引用文献2に記載の技術を適用したとしても、全ての画面がアクティブとなり、アプリケーションからの報知を各アプリケーションの画面に表示ができるが、報知が生じたアプリケーションの画面と異なる画面に報知を表示するものではなくなってしまう。
また、原査定の拒絶の理由に引用された他の引用文献3-5には、複数のシェルを有し、第1シェルの機能は、第2シェルを介してアクセスすることができることは記載されていない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2-5に記載の技術に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。

2.請求項2-9について
本願発明2-本願発明9も、本願発明1の「第2のシェル」を有し、「前記第1シェルの機能は、第2シェルを介してアクセスすることができ、前記第1シェル及び前記第2シェルは、前記コンピューターデバイスのディスプレイデバイス上に同時に表示され、前記ディスプレイデバイス上のユーザインターフェイスは、プライマリー領域とセカンダリー領域とを含む」ものであるから、当業者であっても引用発明及び引用文献2-5に記載の技術に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。


第6.原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-本願発明9は「前記第1シェルの機能は、第2シェルを介してアクセスすることができ、前記第1シェル及び前記第2シェルは、前記コンピューターデバイスのディスプレイデバイス上に同時に表示され、前記ディスプレイデバイス上のユーザインターフェイスは、プライマリー領域とセカンダリー領域とを含む」ものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明することができたものとは認められない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。


第7.むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-04-10 
出願番号 特願2014-518536(P2014-518536)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 萩島 豪鈴木 大輔上嶋 裕樹  
特許庁審判長 新川 圭二
特許庁審判官 土谷 慎吾
山澤 宏
発明の名称 イマーシブシェルとデスクトップシェルの表示  
代理人 伊東 忠重  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 大貫 進介  
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