• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04R
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04R
管理番号 1326826
審判番号 不服2015-19883  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-04 
確定日 2017-04-25 
事件の表示 特願2010-540028「プリント回路基板で形成された壁を有する聴覚補助装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 7月 9日国際公開、WO2009/083007、平成23年 3月10日国内公表、特表2011-508547、請求項の数(26)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2008年12月22日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2007年12月27日 デンマーク(DK) 2007年12月27日 米国(US))を国際出願日とする特許出願であって、平成23年4月22日付けで手続補正がなされ、平成24年12月7日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成25年6月13日付けで手続補正がなされ、同年9月9日付け最後の拒絶理由通知に対する応答時、平成26年2月14日付けで手続補正がなされ、同年8月18日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年12月19日付けで手続補正がなされたが、平成27年6月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年11月4日付けで拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされた。
その後、当審の平成28年8月17日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年11月22日付けで手続補正がなされ、さらに、当審の同年12月9日付け拒絶理由通知に対応する応答時、平成29年3月8日付けで手続補正がなされたものである。

第2 本願の特許請求の範囲について

本願の請求項1ないし26に係る発明は、平成29年3月8日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし26に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
入ってくる音を受け取ってオーディオ信号に変換するためのマイクロホンと、前記オーディオ信号に対して信号処理を実行するための信号プロセッサと、前記信号プロセッサの出力に接続され、信号処理された前記オーディオ信号を音声信号に変換するためのレシーバと、を収容するハウジングであって、前記レシーバを備える先端パーツと、前記先端パーツと相互接続される本体パーツを有するハウジングを備え、
前記ハウジングの前記先端パーツと前記先端パーツと相互接続される前記本体パーツを構成する部分は、外耳道内に挿入され、
前記ハウジングには、前記信号プロセッサを搭載したプリント回路基板がさらに収容されている聴覚補助装置であって、
前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面全体にわたって、前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って延びる壁であって、前記先端パーツの内部空間を前記本体パーツの内部空間の少なくとも一部から密閉する壁を前記ハウジング内に形成し、
前記プリント回路基板および前記信号プロセッサは、前記レシーバと、前記聴覚補助装置のバッテリ構成部品との間に配置され、
前記プリント回路基板によって形成される前記壁は、前記ハウジング内において前記レシーバから前記マイクロホンに伝達される内部フィードバック信号経路の途中に配置されることを特徴とする聴覚補助装置。
【請求項2】
前記プリント回路基板は、前記ハウジングの前記本体パーツの中の壁を形成する、請求項1に記載の聴覚補助装置。
【請求項3】
前記プリント回路基板は、前記ハウジングの前記本体パーツの端壁を形成する、請求項2に記載の聴覚補助装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、外耳道内のその所期の動作位置に定置されたときに、外耳道を閉塞させない、請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項5】
前記レシーバが前記ハウジングの前記先端パーツの中に収容される、請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項6】
前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置のプログラミング装置と接続するためのコネクタパッドをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項7】
前記ハウジングの前記本体パーツは、前記レシーバと機械的および電気的に接触するためのコネクタをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項8】
前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置の回路への電源供給用バッテリと接続するためのコネクタパッドをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項9】
前記プリント回路基板と前記バッテリとの相互接続のための前記コネクタパッドと相互接続される第一のスプリングをさらに備える、請求項8に記載の聴覚補助装置。
【請求項10】
前記第一のスプリングは、前記プリント回路基板を前記ハウジングに機械的にスナップ方式で結合させる、請求項9に記載の聴覚補助装置。
【請求項11】
前記ハウジングがさらに、
前記本体パーツに取り付けられる第一の端と、反対の第二の端を有する細長部材と、
前記細長部材の前記第一の端と前記第二の端の間を電気的に相互接続するための、前記細長部材の内部を延びる信号導体を備えており、
前記マイクロホンは、前記細長部材の前記第二の端側に設けられており、
前記聴覚補助装置は、前記信号導体と相互接続される第二のスプリングをさらに備え、
前記細長部材は、使用者の外耳道内に前記ハウジングを保持するために、耳介内の前記外耳道の外に定置されるように適合されている、請求項8から10のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項12】
前記第二のスプリングは、前記プリント回路基板を前記ハウジングに機械的にスナップ方式で結合させる、請求項11に記載の聴覚補助装置。
【請求項13】
前記プリント回路基板は、保護材料で封止される、請求項1から12のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項14】
前記先端パーツは特定の使用者の外耳道に個々にフィットする形状を有しており、前記本体パーツは複数の標準サイズから選択されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項15】
前記先端パーツと前記本体パーツが複数の標準サイズから選択されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、特定の使用者の外耳道に標準サイズのハウジングを個々にフィットさせるための、1つの標準サイズの先端パーツの周囲にフィットする外側のパーツをさらに備える、請求項15に記載の聴覚補助装置。
【請求項17】
前記ハウジングは、特定の使用者の外耳道に前記ハウジングをよりよくフィットさせるための、前記標準サイズの先端パーツの周囲にフィットする柔軟なパーツをさらに備える、請求項15に記載の聴覚補助装置。
【請求項18】
前記柔軟なパーツは、多数の標準サイズから選択されている、請求項17に記載の聴覚補助装置。
【請求項19】
前記ハウジングの前記先端パーツは、角度を変えられるように柔軟である、請求項1から18のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項20】
前記ハウジングの前記先端パーツに、スナップ方式の結合手段で取り付けられるように適合された耳垢フィルタをさらに備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項21】
前記細長部材は、複数の標準サイズから選択されている、請求項11に記載の聴覚補助装置。
【請求項22】
前記細長部材は、前記ハウジングに取り外し自在に取り付けられる、請求項11に記載の聴覚補助装置。
【請求項23】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記本体パーツに取り外し自在に取り付けられるバッテリドアを備え、前記細長部材が前記バッテリドアに取り付けられる、請求項11に記載の聴覚補助装置。
【請求項24】
前記ハウジングが、前記バッテリドアが前記ハウジングに取り付けられたときに、前記細長部材の中の前記信号導体と電気的に接触するためのコネクタをさらに備える、請求項23に記載の聴覚補助装置。
【請求項25】
耳鳴り緩和回路をさらに備える、請求項1から24のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。
【請求項26】
ノイズキャンセレーション回路をさらに備える、請求項1から25のいずれか一項に記載の聴覚補助装置。」

第3 当審の拒絶の理由について

1.当審拒絶理由の概要

1-1.平成28年8月17日付け拒絶理由
当審において平成28年8月17日付けで通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。
「本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号・第2号に規定する要件を満たしていない。



(1)請求項1において、『マイクロホンと、オーディオ信号を発生するための信号プロセッサと、前記信号プロセッサの出力に接続され、前記オーディオ信号を音声信号に変換するためのレシーバと、を収容するハウジングであって、前記レシーバを備える先端パーツと相互接続される本体パーツを有するハウジングを備え』とあるが、
(a)かかる記載では、ここでいう『ハウジング』によって形成される内部空間が、先端パーツと、当該先端パーツと相互接続される本体パーツとから構成される内部空間のみを意味しているのか、あるいは他のパーツ(具体的には細長部材など)により構成される内部空間も含み得るのかが明らかでない。
(b)また、上記記載によれば、『ハウジング』内には、信号プロセッサやレシーバのみならず、『マイクロホン』も収容されるものと解されるが、上記(a)にも関連して、『マイクロホン』は、先端パーツと、当該先端パーツと相互接続される本体パーツとから構成される内部空間に収容されてなるものであるのか、あるいは他の内部空間に収納され得るものであるのかが明らかでない。
これら(a)(b)の点において、請求項1に係る発明は明確なものでない。
(c)さらに、解決しようとする課題等からして、この『ハウジング』の先端パーツと、当該先端パーツと相互接続される本体パーツとから構成される部分は、外耳道内に挿入(あるいは収容,定置)して使用されることを前提とするものであると解されるが、請求項1ではこの点が不明確であり、請求項1に係る発明は明確でない。また、先端パーツと相互接続される本体パーツとから構成される部分が外耳道内に挿入(あるいは収容,定置)されないものも含む得るというのであれば、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えて特許を請求するものであるといえる。

〔なお上記(b)に関して、もし、『マイクロホン』は、先端パーツと、当該先端パーツと相互接続される本体パーツとから構成される内部空間以外の空間に収納され得るものだとするならば、請求人が審判請求書において主張する「プリント回路基板を、マイクロホンとレシーバ(これらはプリント回路基板に対して互いに反対の位置に配置されています)の間での内部フィードバックを抑制する、音響バリアとして機能させることができます。」といった作用効果は必ずしも奏しないものであると解される点に注意されたい。〕
(2)請求項1において、『マイクロホンと、オーディオ信号を発生するための信号プロセッサと』とあるが、かかる記載の技術的に意味するところが不明瞭(特に、『マイクロホン』と『信号プロセッサ』との関係は? 『信号プロセッサ』がオーディオ信号を発生するのであれば、『マイクロホン』は何のためにあるのか?)であり、請求項1に係る発明は明確でない。
〔請求項1において、『マイクロホン』が入ってくる音を受け取ってオーディオ信号に変換するものであり、『信号プロセッサ』はそのオーディオ信号に対して(聴力損失の補償などの)必要なデジタル信号処理演算を実行するものであることが明確に理解し得るような記載(表現)とされたい。〕

(3)請求項1において、『前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面全体にわたって延びる前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って延びる壁を前記ハウジング内に形成し、・・』なる記載(特に下線を付した記載部分)は意味不明瞭である。
〔『・・前記ハウジングの横断面全体にわたって延びる』とは、『前記本体パーツ』にかかるのか、あるいは『壁』にかかるのか?
『壁』にかかるとした場合、例えば上記記載を『前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面全体にわたって、前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って延びる壁を前記ハウジング内に形成し、・・』のように日本語として分かり易く記載(表現)されたい。〕

(4)請求項12において、『前記ハウジングに取り付けられた細長部材の中の信号線と相互接続される第二のスプリングをさらに備え、・・』とあるが、
唐突に、信号線が中にある『細長部材』なるものがハウジングに取り付けられている旨記載されており、かかる『細長部材』が何のためのものであるのかが不明であって、請求項12に係る発明は明確なものでない。
〔発明の詳細な説明によれば、『細長部材』は、その中の信号線によって『マイクロホン』と『ハウジング』の中の構成部品とを電気的に接続するためのものであること、あるいは『マイクロホン』を収容するものであると解することができるが、上記『(1)(b)』に関連して、もし、『マイクロホン』が、先端パーツと、当該先端パーツと相互接続される本体パーツとから構成される内部空間に収容されてなるものだとした場合に齟齬が生じることになる点に注意されたい。〕

(5)請求項15について、当該請求項15に係る発明は『聴覚補助装置』という物の発明であるが、『前記先端パーツは特定の使用者の外耳道に個々にフィットするようにカスタムメイドされ、前記本体パーツは複数の標準サイズで製造される・・』との記載は、製造に関して技術的な特徴や条件が付された記載がある場合に該当するため、当該請求項15にはその物の製造方法が記載されているといえる。
ここで、物の発明に係る特許請求の範囲にその物を製造方法が記載されている場合において、当該特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号にいう『発明が明確であること』という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情(以下『不可能・非実際的事情』という)が存在するときに限られると解するのが相当である(最高裁第二小法廷平成27年6月5日平成24年(受)第1204号、平成24年(受)第2658号)。
しかしながら、本願明細書等には不可能・非実際的事情について何ら記載がなく、当業者にとって不可能・非実際的事情が明らかであるとも言えない。
したがって、請求項15及び当該請求項に従属する請求項に係る発明は明確でない。

(6)請求項16における『前記先端パーツと前記本体パーツが複数の標準サイズで製造される・・』との記載についても、上記(5)と同様のことがいえ、請求項16及び当該請求項に従属する請求項に係る発明は明確でない。

(7)請求項19における『前記柔軟なパーツは、多数の標準サイズで製造される・・』との記載についても、上記(5)と同様のことがいえ、請求項19及び当該請求項に従属する請求項に係る発明は明確でない。

(8)請求項22における『前記細長部材は、複数の標準サイズで製造される・・』との記載についても、上記(5)と同様のことがいえ、請求項22及び当該請求項に従属する請求項に係る発明は明確でない。」

1-2.平成28年12月9日付け拒絶理由
当審において平成28年12月9日付けで通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。
「本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



(1)請求項11における特に『前記ハウジングがさらに、前記本体パーツに取り付けられる第一の端と、反対の第二の端を有する細長部材と、前記細長部材の前記第一の端と前記第二の端の間を電気的に相互接続するための、前記細長部材の内部を延びる信号導体を備えており』とあるが、
(a)かかる記載事項と、当該請求項11が従属する請求項1における『前記マイクロホンと前記レシーバとは、前記プリント回路基板に対して反対の位置に配置される・・』なる記載事項(最後の段落部分)との関係が明らかでない(請求項11の記載によれば、細長部材の内部には信号導体が延びていること、また、発明の詳細な説明の記載からして、細長部材の第二の端側にマイクロホンを設け得るものであると解されるが、その場合、例えば本願の図2や図3に示されるように耳への装着状態などにあっては、マイクロホンとレシーバとが、プリント回路基板に対して反対の位置に配置されるとは限らないはずである。)。
(b)さらに、上記記載のみでは、何のために細長部材の内部を信号導体が延びているのかその技術的意味が不明である。
これらの点において請求項11に係る発明は明確なものでない。」

2.当審拒絶理由についての判断

これに対して、平成28年11月22日付け手続補正及び平成29年3月8日付け手続補正により特許請求の範囲が補正され、具体的には、
ア.上記「1-1.(1)(a)(b)」、「1-1.(4)」及び「1-2.(1)(a)(b)」の指摘に対して、
請求項1において、「前記マイクロホンと前記レシーバとは、前記プリント回路基板に対して反対の位置に配置される・・」なる記載を、「前記プリント回路基板によって形成される前記壁は、前記ハウジング内において前記レシーバから前記マイクロホンに伝達される内部フィードバック信号経路の途中に配置される・・」とする補正がなされ、また、請求項1を引用する請求項11において、「前記ハウジングに取り付けられた細長部材の中の信号線と相互接続される第二のスプリングをさらに備え・・」なる記載を、「前記ハウジングがさらに、前記本体パーツに取り付けられる第一の端と、反対の第二の端を有する細長部材と、前記細長部材の前記第一の端と前記第二の端の間を電気的に相互接続するための、前記細長部材の内部を延びる信号導体を備えており、前記マイクロホンは、前記細長部材の前記第二の端側に設けられており、前記聴覚補助装置は、前記信号導体と相互接続される第二のスプリングをさらに備え・・」とする補正がなされ、
その結果、請求項1において、「ハウジング」によって形成される内部空間は、先端パーツ及び本体パーツによって構成される内部空間以外にも他の部材(具体的には「細長部材」)によって構成される内部空間も含まれ得るものであり、「マイクロホン」は、先端パーツ及び本体パーツによって構成される内部空間以外にも他の部材(「細長部材」)によって構成される内部空間に収容され得るものであることが把握でき、また、請求項11において、細長部材の内部を信号導体が延びていることの技術的意味も明らかなものとなった。

イ.上記「1-1.(1)(c)」の指摘に対して、
請求項1において、「前記ハウジングの前記先端パーツと前記先端パーツと相互接続される前記本体パーツを構成する部分は、外耳道内に挿入され」るものであることを明確にする補正がなされた。

ウ.上記「1-1.(2)」の指摘に対して、
請求項1において、マイクロホンが「入ってくる音を受け取ってオーディオ信号に変換する」ためのものであり、信号プロセッサが「前記オーディオ信号に対して信号処理を実行する」ためのものであることを明確にする補正がなされた。

エ.上記「1-1.(3)」の指摘に対して、
プリント回路基板について、「前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面全体にわたって延びる前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って延びる壁を前記ハウジング内に形成し、壁の片側の内部空間を、壁の反対側にある内部空間から密閉し」なる意味不明瞭な記載を、「前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面全体にわたって、前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って延びる壁であって、前記先端パーツの内部空間を前記本体パーツの内部空間の少なくとも一部から密閉する壁を前記ハウジング内に形成し」と明確にする補正がなされた。

オ.上記「1-1.(5)?(8)」の指摘に対して、
請求項14,15,18,21の各請求項において、製造方法による特定を含まない表現とする補正がなされた。

したがって上記「ア.」ないし「オ.」によれば、当審の拒絶理由で指摘した不備な点はすべて解消され、本件出願は、特許法第36条第6項第1号・第2号に規定する要件を満たしているものと認められる。

3.当審拒絶理由についてのむすび

以上のとおりであるから、当審で通知した拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第4 原査定の理由について

1.原査定の理由の概要

この出願の請求項1,2,4?22,25,26に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開平10-66196号公報
2.特表2003-505996号公報
3.米国特許第5048090号明細書
4.国際公開第2007/014950号
5.特表2002-521889号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)

2.原査定の理由についての判断

2-1.本願の請求項1に係る発明について
(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開平10-66196号公報(以下、「引用例」という。)には、「耳あな形補聴器」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【請求項1】 外耳道入口の形状に適合するように形成した中空のシェル部材とこのシェル部材の外界側開放端を塞ぐパネル部材を有し、一対の電池接片を前記パネル部材内面に配置した耳あな型補聴器において、前記一対の電池接片のいずれか一方に形成したねじ孔と、前記シェル部材の側面に形成した貫通孔を備え、ねじを前記貫通孔に挿通して前記ねじ孔に螺合させ、前記パネル部材と前記シェル部材を結合することを特徴とする耳あな形補聴器。」

イ.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネル部材とシェル部材を結合して成る耳あな形補聴器に関する。」

ウ.「【0007】耳あな形補聴器のケース体は、図1に示すように、電子部品を配置するパネル部材1と、中空のシェル部材2で形成されている。パネル部材1の内側面には、一対の電池接片3,4が固定されており、これらの電池接片3,4の夫々の先端には、小突起3a,4aが形成されている。また、一方の電池接片3には、ねじ孔3bが形成されている。シェル部材2の側面には、貫通孔2aが形成され、シェル部材2の端部には、耳せん取付部材5が設けられている。
【0008】パネル部材1には、補聴用電子部品を実装するフレキシブルプリント基板6が配設されている。フレキシブルプリント基板6には、小突起3a,4aに対向するように孔6aが形成されている。そして、フレキシブルプリント基板6は、孔6aに小突起3a,4aを挿通し、更に小突起3a,4aと孔6aの縁部を半田付けすることにより電池接片3,4に固定されている。
【0009】また、フレキシブルプリント基板6には、マイクロホン7及びイヤホン8が配設されている。イヤホン8は、イヤホンサスペンション9で覆われ、イヤホンサスペンション9を介してシェル部材2の内壁に取付けられている。これにより、イヤホン8は、シェル部材2に対して振動隔離の状態で取付けられることになる。」

・上記引用例に記載の「耳あな形補聴器」は、上記「ア.」、「イ.」、「ウ.」の段落【0007】の記載事項、及び図1によれば、外耳道入口の形状に適合するように形成した中空のシェル部材2と、このシェル部材2の外界側開放端を塞ぐパネル部材1とで形成されるケース体を有し、シェル部材2とパネル部材1とを結合してなる耳あな形補聴器に関するものである。
・上記「ウ.」の段落【0008】の記載事項、及び図1によれば、ケース体には、補聴用電子部品を実装するフレキシブルプリント基板6がケース体の横断面の一部分にわたって延びるように配設されている。
・上記「ア.」、「ウ.」の段落【0007】、【0009】の記載事項、及び図1によれば、フレキシブルプリント基板6からみてパネル部材1側に一対の電池切片3,4及び電池12とマイクロホン7とが配設され、フレキシブルプリント基板6からみてその反対側にイヤホン8が配設され、イヤホン8は、イヤホンサスペンション9を介してシェル部材2の内壁に取付けられてなるものである。

したがって、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「外耳道入口の形状に適合するように形成した中空のシェル部材と、前記シェル部材の外界側開放端を塞ぐパネル部材とで形成されるケース体を有し、前記シェル部材と前記パネル部材とを結合してなる耳あな形補聴器であって、
前記ケース体には、補聴用電子部品を実装するフレキシブルプリント基板が当該ケース体の横断面の一部分にわたって延びるように配設され、
前記フレキシブルプリント基板からみて前記パネル部材側に一対の電池切片及び電池とマイクロホンとが配設され、前記フレキシブルプリント基板からみてその反対側にイヤホンが配設され、前記イヤホンは、イヤホンサスペンションを介して前記シェル部材の内壁に取付けられてなる、耳あな形補聴器。」

(2)対比
そこで、本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)と引用発明とを対比すると、
ア.引用発明における「外耳道入口の形状に適合するように形成した中空のシェル部材と、前記シェル部材の外界側開放端を塞ぐパネル部材とで形成されるケース体を有し、前記シェル部材と前記パネル部材とを結合してなる耳あな形補聴器であって、前記ケース体には、補聴用電子部品を実装するフレキシブルプリント基板が・・・・配設され、前記フレキシブルプリント基板からみて前記パネル部材側に一対の電池切片及び電池とマイクロホンとが配設され、前記フレキシブルプリント基板からみてその反対側にイヤホンが配設され、前記イヤホンは、イヤホンサスペンションを介して前記シェル部材の内壁に取付けられてなる・・」によれば、
(a)引用発明における「マイクロホン」にあっても、入ってくる音を受け取ってオーディオ信号に変換するものであること、そして、引用発明における「イヤホン」にあっても、そのオーディオ信号を音声信号に変換するものであることは自明なことであり、引用発明の「マイクロホン」、「イヤホン」は、それぞれ本願発明1でいう「マイクロホン」、「レシーバ」に相当する。
(b)引用発明における「シェル部材」、シェル部材と結合する「パネル部材」、「ケース体」が、それぞれ本願発明1でいう「先端パーツ」、先端パーツと相互接続される「本体パーツ」、「ハウジング」に相当するといえ、
(c)引用発明における「マイクロホン」及び「イヤホン」にあっても、ケース体に収容されるものであることは明らかであり(引用例の図1も参照)、特に「イヤホン」についてみると、イヤホンサスペンションを介してシェル部材の内壁に取付けられてなるものであることから、「シェル部材」はイヤホンを備えるとみることもできる。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「入ってくる音を受け取ってオーディオ信号に変換するためのマイクロホンと、前記オーディオ信号を音声信号に変換するためのレシーバと、を収容するハウジングであって、前記レシーバを備える先端パーツと、前記先端パーツと相互接続される本体パーツを有するハウジング」を備えるものである点で共通するといえる。
ただし、本願発明1では、「前記オーディオ信号に対して信号処理を実行するための信号プロセッサ」もハウジングに収容され、レシーバはその「信号処理された」オーディオ信号を音声信号に変換する旨特定するのに対し、引用発明では、そのような信号プロセッサを設けることの明確な特定がない点で相違している。

イ.引用発明における「外耳道入口の形状に適合するように形成した中空のシェル部材と、前記シェル部材の外界側開放端を塞ぐパネル部材とで形成されるケース体を有し、前記シェル部材と前記パネル部材とを結合してなる耳あな形補聴器であって」によれば、
引用発明にあっても、「耳あな形」補聴器であり、シェル部材は「外耳道入口の形状に適合するように形成」されていることから、ケース本体のうち少なくともシェル部材の一部分は外耳道内に挿入されるものであるといえ、
本願発明1と引用発明とは、「前記ハウジングの少なくとも前記先端パーツを構成する一部分は、外耳道内に挿入」されるものである点で共通するということができる。
ただし、本願発明1では、先端パーツだけでなく、「前記先端パーツと相互接続される前記本体パーツ」を構成する部分も外耳道内に挿入される旨特定するのに対し、引用発明では、そのような明確な特定を有していない点(つまり、シェル部材と結合されるパネル部材を構成する部分についても外耳道内に挿入されるものであるか否かは不明である点)で相違している。

ウ.引用発明における「・・耳あな形補聴器であって、前記ケース体には、補聴用電子部品を実装するフレキシブルプリント基板が当該ケース体の横断面の一部分にわたって延びるように配設され」によれば、
引用発明における「フレキシブルプリント基板」は、本願発明1でいう「プリント回路基板」に相当するといえ、
引用発明における「耳あな形補聴器」は、本願発明1でいう「聴覚補助装置」に相当するものである。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記ハウジングには、プリント回路基板がさらに収容されている聴覚補助装置」である点で共通する。
ただし、本願発明1では、プリント回路基板は「前記信号プロセッサを搭載した」ものであると特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有していない点で相違している。

エ.引用発明における「前記ケース体には、補聴用電子部品を実装するフレキシブルプリント基板が当該ケース体の横断面の一部分にわたって延びるように配設され」によれば、
引用発明にあっても、「フレキシブルプリント基板」が、ケース体の横断面の一部分にわたって延びる「壁」を形成しているといえるから、
本願発明1と引用発明とは、「前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面の少なくとも一部分にわたって延びる壁を前記ハウジング内に形成」してなるものである点で共通するということができる。
ただし、プリント回路基板による壁が、本願発明1では、ハウジングの横断面「全体」にわたって、「前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って」延び、「前記先端パーツの内部空間を前記本体パーツの内部空間の少なくとも一部から密閉する」ものであると特定するのに対し、引用発明では、ケース体の横断面の「一部分」にわたって延びているにすぎない点で相違している。

オ.引用発明における「前記フレキシブルプリント基板からみて前記パネル部材側に一対の電池切片及び電池とマイクロホンとが配設され、前記フレキシブルプリント基板からみてその反対側にイヤホンが配設され・・」によれば、
(a)引用発明における「一対の電池切片及び電池」は、本願発明1でいう「バッテリ構成部品」に相当し、
(b)引用発明にあっても、「イヤホン」と、「一対の電池切片及び電池」及び「マイクロホン」とは、それぞれフレキシブルプリント基板を挟んで一方側と反対側に配設されているのであるから、フレキシブルプリント基板は、「イヤホン」と、「一対の電池切片及び電池」及び「マイクロホン」との間に配置されているといえ、さらにその結果として、フレキシブルプリント基板によって形成される壁は、ケース体内においてイヤホンからマイクロホンに伝達される内部フィードバック信号経路の途中に配置されているとみることができる。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記プリント回路基板は、前記レシーバと、前記聴覚補助装置のバッテリ構成部品との間に配置され、前記プリント回路基板によって形成される前記壁は、前記ハウジング内において前記レシーバから前記マイクロホンに伝達される内部フィードバック信号経路の途中に配置される」ものである点で共通するということができる。
ただし、本願発明1では、プリント回路基板に搭載した「前記信号プロセッサ」についても、レシーバとバッテリ構成部品との間に配置される旨特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有してない点で相違している。

よって、本願発明1と引用発明とは、
「入ってくる音を受け取ってオーディオ信号に変換するためのマイクロホンと、前記オーディオ信号を音声信号に変換するためのレシーバと、を収容するハウジングであって、前記レシーバを備える先端パーツと、前記先端パーツと相互接続される本体パーツを有するハウジングを備え、
前記ハウジングの少なくとも前記先端パーツを構成する一部分は、外耳道内に挿入され、
前記ハウジングには、プリント回路基板がさらに収容されている聴覚補助装置であって、
前記プリント回路基板は、前記聴覚補助装置の前記ハウジングの横断面の少なくとも一部分にわたって延びる壁を前記ハウジング内に形成し、
前記プリント回路基板は、前記レシーバと、前記聴覚補助装置のバッテリ構成部品との間に配置され、
前記プリント回路基板によって形成される前記壁は、前記ハウジング内において前記レシーバから前記マイクロホンに伝達される内部フィードバック信号経路の途中に配置されることを特徴とする聴覚補助装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明1では、「前記オーディオ信号に対して信号処理を実行するための信号プロセッサ」もハウジングに収容され、レシーバはその「信号処理された」オーディオ信号を音声信号に変換する旨特定するのに対し、引用発明では、そのような信号プロセッサを設けることの明確な特定がない点。

[相違点2]
本願発明1では、先端パーツだけでなく、「前記先端パーツと相互接続される前記本体パーツ」を構成する部分も外耳道内に挿入される旨特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有していない(つまり、シェル部材と結合されるパネル部材を構成する部分についても外耳道内に挿入されるものであるか否かは不明である)点。

[相違点3]
相違点1にも関連して、本願発明1では、プリント回路基板は「前記信号プロセッサを搭載した」ものであり、当該「信号プロセッサ」についても、レシーバとバッテリ構成部品との間に配置される旨特定するのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。

[相違点4]
プリント回路基板による壁が、本願発明1では、ハウジングの横断面「全体」にわたって、「前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って」延び、「前記先端パーツの内部空間を前記本体パーツの内部空間の少なくとも一部から密閉する」ものである旨特定するのに対し、引用発明では、ケース体の横断面の「一部分」にわたって延びているにすぎない点。

(3)判断
まず、上記[相違点4]について検討すると、
引用発明においては、フレキシブルプリント基板からみてパネル部材側にマイクロホンが配設され、その反対側にイヤホンが配設されていることから、結果的に、フレキシブルプリント基板によって形成される壁は、ケース体内においてイヤホンからマイクロホンに伝達される内部フィードバック信号経路の途中に配置されているといえるものの、そもそも引用例には、ケース体内においてイヤホンからマイクロホンに伝達される内部フィードバック信号に関する記載はなく、さらに引用例の図1からも明らかなように、フレキシブルプリント基板には少なくともシェル部材とパネル部材とを結合するためのねじを通すための孔あるいは切欠き(さらに言えば、電池切片3に形成されたねじ孔3bの部分を避けるための孔あるいは切欠き)を設ける必要があることや、フレキシブルプリント基板はパネル部材の内側に形成される内部空間からはみ出た上方(シェル部材の内側に形成される内部空間側)に位置していることも考慮すると、当該フレキシブルプリント基板を、あえてケース体の横断面の「全体」にわたって、「パネル部材の長手方向にわたる範囲を横切って」延びるようにし、シェル部材の内部空間をパネル部材の内部空間の少なくとも一部から「密閉」するように構成すべき動機付けがないばかりか、むしろ阻害要因があるといえ、本願発明1における、プリント回路基板が、ハウジングの横断面「全体」にわたって、「前記本体パーツの長手方向にわたる範囲を横切って」延び、「前記先端パーツの内部空間を前記本体パーツの内部空間の少なくとも一部から密閉する」壁をハウジング内に形成するという発明特定事項を導き出すことはできない。

また、原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特表2003-505996号公報(特に段落【0055】、図6Bを参照)には、補聴器のプラスチックケース74内に、マイクロホン18に接続される信号処理回路20を収容したことが記載され、同じく原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された米国特許第5048090号明細書(特に第3欄13?23行、第4欄39?44行、FIG.3?5を参照)には、送信器ハウジング部内において、送信器10と電池収容室9との間に、当該送信器ハウジング部の横断面にわたって(当該送信器ハウジング部の長手方向にわたる範囲を横切って)延びるように送信器コンタクト回路基板15や接続回路基板16を配置したことが記載され、同じく原査定の拒絶の理由に引用文献4として引用された国際公開第2007/014950号(特に6頁4?13行を参照)には、補聴器のハウジングや耳当てなどを複数の標準サイズから選択することが記載され、原査定時に引用文献5として提示された特表2002-521889号公報(特に段落【0041】、図1を参照)には、補聴器のマイクロフォンセクション140に、その横断面にわたって延びるように信号処理回路134を搭載した回路基板135を配置したことが記載されているにすぎず、本願発明1の上記発明特定事項については記載も示唆もない。

そして、本願発明1は、上記発明特定事項を有することにより、プリント回路基板(信号プロセッサモジュール)が音響バリアとして機能し、聴覚補助装置のハウジング内でレシーバからマイクロホンに伝達される音響信号によって引き起こされる内部フィードバックを抑制するという格別の効果(本願明細書の段落【0029】を参照)を奏するものである。

よって、他の相違点(相違点1?3)について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2?5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2-2.本願の請求項2,4?22,25,26に係る発明について
請求項2,4?22,25,26は、請求項1に従属する請求項であり、請求項2,4?22,25,26に係る発明は、本願発明1の発明特定事項をすべて含みさらに発明特定事項を追加して限定するものであるから、上記「2-1.(3)」と同じ理由により、引用発明及び引用文献2?5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2-3.本願のその他の請求項(請求項3,23,24)に係る発明について
なお、請求項3は、原査定時に「審査を行っていない請求項」とされたものであり、請求項23,24は、原査定時に「拒絶の理由を発見しない請求項」とされたものであるが、これら請求項3,23,24についても、請求項1に従属する請求項であり、請求項3,23,24に係る発明は、本願発明1の発明特定事項をすべて含みさらに発明特定事項を追加して限定するものであるから、上記「2-1.(3)」と同じ理由により、引用発明及び引用文献2?5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないものである。

3.原査定の理由についてのむすび

以上のとおりであるから、本願の請求項1,2,4?22,25,26に係る発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第5 むすび

以上のとおり、当審で通知した拒絶理由、及び原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-04-10 
出願番号 特願2010-540028(P2010-540028)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04R)
P 1 8・ 121- WY (H04R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲吉▼澤 雅博  
特許庁審判長 森川 幸俊
特許庁審判官 関谷 隆一
井上 信一
発明の名称 プリント回路基板で形成された壁を有する聴覚補助装置  
代理人 特許業務法人快友国際特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ