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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1326877
審判番号 不服2016-2055  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-10 
確定日 2017-04-06 
事件の表示 特願2011- 30273「LEDモジュール、LED光源装置および液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月 6日出願公開、特開2012-169505〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年2月15日の出願であって、平成26年10月21日付けで拒絶理由が通知され、同年11月28日に特許請求の範囲が補正され、平成27年4月30日付けで拒絶理由が通知され、同年6月5日に特許請求の範囲が補正されたが、同年10月26日付け(同年11月10日送達)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して、平成28年2月10日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に特許請求の範囲及び明細書が補正されたものである。

第2 平成28年2月10日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年2月10日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
本件補正により、本件補正前の(平成27年6月5日付けの手続補正により補正された)特許請求の範囲の請求項1である、
「複数の各LEDの配光特性が同様の平面視非対称性であり、隣接するLED間で輝度の不均一性を防止するために、該複数の各LEDのアノードからカソードの方向が全て、該隣接するLED間で同一方向になるように該複数の各LEDが基板上に実装されているLEDモジュール。」
から、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1である、
「複数の各LEDの配光特性が同様の平面視非対称性であり、隣接するLED間で輝度の不均一性を防止するために、該複数の各LEDのアノードからカソードの方向が全て、該隣接するLED間で同一方向になるように該複数の各LEDが基板上に実装されており、
平面視において、前記各LEDの配光特性は、前記各LEDの中心に対して、隣接する他のLED側に偏るLEDモジュール。」
に補正することを含むものである。(なお、下線は、補正された箇所を示し、請求人が付したものである。)

2 補正の適否
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「各LEDの配光特性」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)について、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記1で本件補正後の請求項1として記載されたとおりのものである。

(2)引用例の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された特開2011-29634号公報(平成23年2月10日出願公開。以下「引用例」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審による。)。

ア 「【0001】
本発明は、半導体発光素子搭載用基板、バックライトシャーシ、表示装置、及び、テレビ受信装置に関し、より詳しくは、フリップチップ型の半導体発光素子を液晶表示装置のバックライト光源として用いる際に好適な半導体発光素子搭載用基板、バックライトシャーシ、表示装置、及び、テレビ受信装置に関する。」
イ 「【0041】
図3は、本発明に係る半導体発光素子搭載用基板を液晶表示装置のバックライト装置に使用した例を示す図である。
バックライト装置130は、バックライトシャーシ150上に、本発明に係る半導体発光素子搭載用基板(以下、LED基板という。)1を複数配置している。個々のLED基板1は、直線状(アレイ状)に複数のLEDチップ2を搭載しているとともに、長尺の短冊形状を有しており、長手方向が液晶表示装置の画面の水平方向に一致するように配置されている。」
ウ 「【0047】
図4は、本発明の一実施形態に係る半導体発光素子搭載用基板を示す図である。
LED基板1は、長尺の短冊形状を有しエポキシ樹脂等からなる絶縁基板3の上に、後述するLEDチップの電極を接続するための一対の矩形状の電極パターン4,5 及び、この一対の電極パターン4,5からそれぞれ引き出された配線パターン6を有している。そして、一対の電極パターン4,5と配線パターン6とはほぼ同じ厚みに形成されているが、一対の電極パターン4,5の方が配線パターン6よりも面積が大きくなるように形成されている。
【0048】
また、一対の電極パターン4,5は、略平行に所定の間隙を介して対向する対向部分Aを有し、この対向部分AにLEDチップ2が半田等を用いて実装される。なお、LEDチップ2は短冊形状のLED基板の幅方向のほぼ中央に載置される。図4に示したLED基板1では、対向部分AがLED基板1の長手方向(図4では左右の方向)に沿って形成されている。また、一対の電極パターン4,5からそれぞれ引き出された配線パターン6の引出し方向は相互に異なる方向となっている。」
エ 「【0052】
図5は、図4に示した半導体発光素子搭載用基板にLEDチップを搭載した際のX-Xに沿った断面を示す図である。
LEDチップ2は、一例として、絶縁性の透明のサファイア基板21上にAlInGa系のN型層22、活性層23、P型AlInGaN層24を積層した構造を有している。そして、P型層24に設けたアノード側の正電極25とN型層22に設けたカソード側の負電極26とをそれぞれ一対の電極パターン4,5に接続し、正電極25から負電極26へ順方向電流を流すことによって活性層23を発光させ、サファイア基板21を通して外部に光を取り出している。」
オ 「【0075】
図12は、本発明の他の実施形態に係る半導体発光素子搭載用基板を示す図である。
図12に示したLED基板1は、図4に示したLED基板1の配線パターン6を変更し、配線パターン36としたものである。この配線パターン36は隣接する電極パターン4,5と幅方向に同じ側、すなわち、上側と上側、下側と下側とを接続しているため、電極パターン4,5に載置するLEDチップ2は、隣接する者同士で正電極と負電極とが交互に配置されることになる。
【0076】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体発光素子搭載用基板を示す図である。
図13に示したLED基板1は、長尺の短冊形状を有しエポキシ樹脂等からなる絶縁基板3の上に、LEDチップ2の電極を接続するための一対の矩形状の電極パターン34,35 及び、この一対の電極パターン34,35からそれぞれ引き出された配線パターン46を有している。そして、一対の電極パターン34,35と配線パターン46とはほぼ同じ厚みに形成されているが、一対の電極パターン34,35の方が配線パターン46よりも面積が大きくなるように形成されている。
【0077】
また、一対の電極パターン34,35は、略平行に所定の間隙を介して対向する対向部分Aを有し、この対向部分AにLEDチップ2が実装される。なお、LEDチップ2は短冊形状のLED基板の幅方向のほぼ中央に載置され、LEDチップ2の電極はLED基板1の長手方向に沿って配列される。図13に示したLED基板1は、図4で示したLED基板1と、具体的な電極パターン及び配線パターンの形状が異なるが、LEDチップ2からの放熱のメカニズムやその他の構成については同じであるので、詳細な説明は省略する。」

カ「【図4】 【図5】


キ「【図12】 【図13】


上記図5に、「LEDチップ2は、正電極25を有するアノード側と負電極26を有するカソード側で構造が異なるものである」ことが示されており、各LEDチップ2とも同様の構成であることは明らかである。また、上記アないしエ、カ及びオの「図13に示したLED基板1は、図4で示したLED基板1と、具体的な電極パターン及び配線パターンの形状が異なるが、LEDチップ2からの放熱のメカニズムやその他の構成については同じである」(段落0077)との記載を踏まえて、キの図13に示したLED基板1についてみれば、引用例には、
「直線状に複数のLEDチップ2を搭載しているLED基板1であって、
長尺の短冊形状を有しエポキシ樹脂等からなる絶縁基板3の上に、LEDチップ2の電極を接続するための一対の矩形状の電極パターン34,35 及び、この一対の電極パターン34,35からそれぞれ引き出た配線パターン46を有しており、
一対の電極パターン34,35は、略平行に所定の間隙を介して対向する対向部分Aを有し、この対向部分AにLEDチップ2が実装され、
各LEDチップ2は、正電極25を有するアノード側と負電極26を有するカソード側で構造が異なるものであり、
LEDチップ2のP型層24に設けたアノード側の正電極25とN型層22に設けたカソード側の負電極26とをそれぞれ一対の電極パターン34,35に接続し、
LEDチップ2の電極はLED基板1の長手方向に沿って配列されるLED基板1。」(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

(3)対比・判断
本願補正発明と引用発明1を対比する。
ア 引用発明1の「LED基板1」は、本願補正発明でいう「LEDモジュール」といえる。

イ 引用発明1において、「各LEDチップ2は、正電極25を有するアノード側と負電極26を有するカソード側で構造が異なるものである」から、その配光特性もアノード側とカソード側で異なるものと認められる。
してみると、本願補正発明と引用発明1の「複数のLEDチップ2を搭載しているLED基板1」とは、ともに、「複数の各LEDの配光特性が同様の平面視非対称性であり」、「該複数の各LEDが基板上に実装されて」いる「LEDモジュール」といえる。

ウ 引用発明1は、「LEDチップ2のP型層24に設けたアノード側の正電極25とN型層22に設けたカソード側の負電極26とをそれぞれ一対の電極パターン34,35に接続し」、「LEDチップ2の電極はLED基板1の長手方向に沿って配列される」ものであるから、引用例の図13を参照すれば明らかなように、本願補正発明と同様に「該複数の各LEDのアノードからカソードの方向が全て、該隣接するLED間で同一方向になるように該複数の各LEDが基板上に実装されており」、これにより、隣接するLED間で輝度の不均一性が防止されているものと認められる。

エ 上記イで指摘したように、引用発明1は、LEDチップ2の配光特性がアノード側とカソード側で異なるものであり、上記ウで指摘したように、LEDチップ2のアノード側とカソード側の電極がLED基板1の長手方向に沿って配列されるものであるから、引用例の図13を参照すれば明らかなように、本願補正発明と同様に「平面視において、前記各LEDの配光特性は、前記各LEDの中心に対して、隣接する他のLED側に偏る」ものといえる。

オ 以上のとおりであって、本願補正発明と引用発明1に格別の相違点は認められない。

(4)小括
したがって、本願補正発明は、引用例に記載された発明(引用発明1)でであり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成27年6月5日に補正された特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載される事項によって特定されるものであところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載されたとおりのものである。再掲すれば、次のとおり。
「複数の各LEDの配光特性が同様の平面視非対称性であり、隣接するLED間で輝度の不均一性を防止するために、該複数の各LEDのアノードからカソードの方向が全て、該隣接するLED間で同一方向になるように該複数の各LEDが基板上に実装されているLEDモジュール。」

2 引用例の記載事項
(1)上記引用例には、原査定が指摘する図15?17に関して、次の記載がある(下線は、当審による。)。

ク 「【0079】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体発光素子搭載用基板を示す図であり、図15(A)は半導体発光素子搭載用基板の一部概略図、また、図15(B)は図15(A)の一部を拡大した図である。
【0080】
LED基板1は、長尺の短冊形状を有しエポキシ樹脂等からなる絶縁基板3の上に、後述するLEDチップの電極を接続するための一対の電極パターン14,15を有しており、この電極パターン14,15はそれぞれ長手方向に延びている。そして、一方の電極パターン14の幅W1は他方の電極パターン15の幅W2よりも、例えば2倍程度広く形成されている。
【0081】
また、一対の電極パターン14,15は略平行に所定の間隙を介して対向する対向部分Aを有するとともに、この対向部分Aには幅の狭い電極パターン15から幅の広い電極パターン14側に突出する突出部15aが形成され、幅の広い電極パターン14側には、突出部15aと所定の間隙Bを介して対向するように凹部14aが形成されている。
【0082】
そして、フリップチップ型のLEDチップ2の電極は、電極パターン15の突出部15aとこの突出部15aと間隙Bを介して対向する電極パターンの凹部14aを形成した部分に半田等を用いて接続される。ここで、電極パターン15の突出部15aとこの突出部15aと対向する電極パターンの凹部14aとの間隙Bは、一対の電極パターンの幅方向の略中央に位置するため、LEDチップ2も一対の電極パターンの幅方向の略中央に載置されることになる。
【0083】
ここで、電極パターン14の幅W1と電極パターン15の幅W2とを異ならせているのは、後述するようにLEDチップ2からの熱を、電極パターン14,15を介して効率よく絶縁基板3に伝わるようにするためであり、また、突出部15aを設けているのは、LEDチップ2を半田ペーストによって電極パターン14、15に接続する際に、リフロー工程での信頼性を高めるためである。
【0084】
図15に示すLED基板1では、一対の電極パターン14,15は絶縁基板3の長手方向に沿って複数形成され、複数個のLEDチップ2を搭載することができるようになっている。そして、幅の広い電極14及び幅の狭い電極15は、それぞれ絶縁基板3の幅方向に同じ側に形成されており、搭載されるLEDチップ2が直列接続となるように、幅の広い電極14と長手方向に隣接する幅の狭い電極15とが配線パターン16によって連結されている。また、配線パターンの幅16は電極パターン14,15の幅よりも狭くなっており、配線パターン16の面積は電極パターン14,15の面積よりも小さくなっている。
【0085】
LEDチップ2の電極はそれぞれ、間隙Bを介してLED基板1の幅方向に対向して載置されるため、LEDチップ2の正負それぞれの電極は、LED基板1の長手方向に沿った載置長さを長くすることができ、LED基板1を取り扱う際に、長手方向に折れ曲がった場合でも、実装したLEDチップ2の電極とLED基板1の電極パターン14,15の接続部に加わるストレスが小さくなり、LEDチップ2の接続不良を少なくすることができる。
【0086】
図16は、図15(A)に示した半導体発光素子搭載用基板にLEDチップを搭載した際のX-Xに沿った断面を示す図である。また、図17は、図16に示したLEDチップをY方向から見た図である。
LEDチップ2の構成は、基本的に図5で示したLEDチップ2の構成と同じであるので詳細な説明は省略するが、本実施態様では、後述する理由から、P型層24に設けた正電極25’の面積を、N型層22に設けた負電極の面積よりも大きくしている。」

ケ「【図15】(A) (B)


コ「【図16】 【図17】


(2)上記図16に、「LEDチップ2は、正電極25を有するアノード側と負電極26を有するカソード側で構造が異なるものである」ことが示されており、各LEDチップ2とも同様の構成であることは明らかである。また、上記クの記載によれば、引用例には、図15?17に示されるLED基板1として、
「長尺の短冊形状を有しエポキシ樹脂等からなる絶縁基板3の上に、LEDチップの電極を接続するための一対の電極パターン14,15を有しているLED基板1であって、
電極パターン14,15は、それぞれ長手方向に延びており、略平行に所定の間隙を介して対向する対向部分Aを有するとともに、この対向部分Aには幅の狭い電極パターン15から幅の広い電極パターン14側に突出する突出部15aが形成され、幅の広い電極パターン14側には、突出部15aと所定の間隙Bを介して対向するように凹部14aが形成されており、
各LEDチップ2は、正電極25を有するアノード側と負電極26を有するカソード側で構造が異なるものであり、
LEDチップ2の電極は、電極パターン15の突出部15aとこの突出部15aと間隙Bを介して対向する電極パターンの凹部14aを形成した部分に半田等を用いて接続され、
電極パターン14,15は、絶縁基板3の長手方向に沿って複数形成され、複数個のLEDチップ2を搭載することができるようになっており、幅の広い電極14及び幅の狭い電極15は、それぞれ絶縁基板3の幅方向に同じ側に形成されており、搭載されるLEDチップ2が直列接続となるように、幅の広い電極14と長手方向に隣接する幅の狭い電極15とが配線パターン16によって連結されているLED基板1。」(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

3 対比・判断
本願発明と引用発明2を対比する。
(1)引用発明2の「LED基板1」は、本願発明でいう「LEDモジュール」といえ、また、引用発明2の「LEDチップ2」は、図16に示され、【0086】に記載されているように、P型層24に設けた正電極25’の面積をN型層22に設けた負電極の面積よりも大きくしている点を除けば、図5に示されるLEDチップ2、すなわち、引用発明1のLEDチップ2と基本的に構成が同じであるから、上記第2[理由]2(3)イでの指摘と同様に、本願発明と引用発明2は、ともに、「複数の各LEDの配光特性が同様の平面視非対称性であり」、「該複数の各LEDが基板上に実装されているLEDモジュール」といえる。

(2)引用発明2において、「複数個のLEDチップ2」は、「(それぞれ長手方向に延びており、配線パターン16によって連結されている)電極14と電極15」の「(間隙Bを介して対向する)凹部14aと突出部15a」に「直列接続となるように」搭載されているから、引用例の図15及び図16を参照すれば明らかなように、本願発明と同様に、「該複数の各LEDのアノードからカソードの方向が全て、該隣接するLED間で同一方向になるように該複数の各LEDが基板上に実装されて」いるものと認められる(引用例の図15において、P型層24に設けた正電極25’は下側の電極14に接続され、N型層22に設けた負電極26は上側の電極15に接続されているから、各LEDのアノードからカソードの方向は、全て、図面上において下から上に向かう方向となっており、引用発明2の「複数個のLEDチップ2」は、本願発明と同様に「該隣接するLED間で同一方向になるように該複数の各LEDが基板上に実装されて」いるといえる。)。
そして、引用発明2のLEDチップ2の配光特性は、上記第2[理由]2(3)イの指摘と同様に、アノード側とカソード側で異なるものと認められるところ、引用例の図15では、アノード側が全て下でカソード側が全て上となっているから、複数のそれぞれのLEDチップ2の配光特性は、同じように図面上において上下方向で異なり、図面上において左右方向である隣接するLED間では異なることにはならない。
また、引用例の図12に示されるような隣接LED間でアノードとカソードの方向が交互となるものに比べ、基板1の長手方向における輝度の変化は小さいものと認められ、隣接するLED間における輝度の不均一性が防止されているといえる。(例えば、光の指向性がアノード側に寄っている場合、引用例の図15においては、どのLEDにおいても基板1の下部が明るく、上部が暗くなるが、引用例の図12では、この上下の明暗がLED毎に交互に生じることになるから、基板の長手方向、すなわち、図面の左右方向についてみれば、特に、基板の上部や下部において、引用例の図12のものに比べて、図15の方(引用発明2)が明るさの変化が少ないことは明らかである。)

(3)以上のとおりであり、本願発明と引用発明2に格別の相違点は認められない。

4 むすび
したがって、本願発明は、引用例に記載された発明(引用発明2)であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-02-02 
結審通知日 2017-02-07 
審決日 2017-02-20 
出願番号 特願2011-30273(P2011-30273)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 北島 拓馬大西 孝宣金高 敏康吉野 三寛  
特許庁審判長 河原 英雄
特許庁審判官 森 竜介
恩田 春香
発明の名称 LEDモジュール、LED光源装置および液晶表示装置  
代理人 山崎 敏行  
代理人 山崎 宏  
代理人 田中 光雄  
代理人 磯江 悦子  

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