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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08G
審判 全部申し立て 発明同一  C08G
管理番号 1326955
異議申立番号 異議2015-700285  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-10 
確定日 2017-03-03 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5732041号発明「モノマー、重合法およびポリマー」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5732041号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?8、21?23〕、〔9?20〕について訂正することを認める。 特許第5732041号の請求項1ないし11、13ないし17、19ないし23に係る特許を維持する。 特許第5732041号の請求項12、18に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5732041号の請求項1?20に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成22年4月15日(パリ条約による優先権主張 2009年4月16日 (GB)英国)を国際出願日とする特許出願であって、平成27年4月17日にその特許権の設定登録がされ、同年12月10日に特許異議申立人鈴木敏明(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成28年2月25日付けの取消理由が通知され、同年5月30日に意見書が提出されるとともに訂正の請求がされ、同年7月11日付けの訂正拒絶理由が通知され、同年8月30日に意見書が提出され、同年9月14日付けの取消理由(決定の予告)が通知され、同年12月14日に意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正の請求」という。)がされ、平成29年1月4日付けで特許異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知がなされ、意見を提出する機会が与えられたところ、特許異議申立人から同年2月8日に意見書が提出されたものである。
なお、平成28年5月30日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項(以下、法令名省略)の規定により、取り下げられたものとみなす。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正の請求による訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)。
(1)訂正事項1
請求項1において「Zは、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される直接結合または二価の連結原子もしくは基を表し」とあるのを、「Zは、直接結合、または、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される二価の連結原子もしくは基を表し」に訂正する。

(2)訂正事項2
請求項1において「ただし、
【化2】


と、
【化3】


と、
【化4】


とを、tert-ブトキシナトリウムの存在下で、Pd_(2)(dba)_(3)CHCl_(3)を触媒として用いて反応させて、下記式で表されるポリマーを形成する方法を除く。
【化5】


(式中、iは、0.81である。)」という記載を追加する。

(3)訂正事項3
請求項7において「式(III)のモノマーをコモノマーと反応させて共重合体を形成する、請求項1?6のいずれかに記載の方法」とあるのを、「式(III)のモノマーをコモノマーと反応させて共重合体を形成する、請求項1?4のいずれかに記載の方法」に訂正する。

(4)訂正事項4
請求項5において「Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に炭素環式環を表す、請求項1から4のいずれかに記載のモノマー」とあるのを、「式(III):
【化1】


[式中、Xは、重合可能な基であり;
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、炭素環式環を表し;
Ar^(1)および/またはAr^(2)は、一つの炭素炭素結合のみによって、そのそれぞれの隣接するAr基と結合し;
R^(1)は、Hまたは置換基を表し;
Zは、直接結合、または、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される二価の連結原子もしくは基を表し、R^(1)およびR^(2)は、水素;置換されていてもよいアルキル(ここで、1個以上の隣接していないC原子がO、S、N、C=Oおよび-COO-で置換されていてもよい);アルコキシ;アリール;アリールアルキル;ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より独立に選択される]
のモノマー;」に訂正する。

(5)訂正事項5
請求項5において「ただし、以下の式:
【化4】


で表される化合物を除く。」という記載を追加する。

(6)訂正事項6
請求項5において「Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、炭素環式環を表す、請求項1から4のいずれかに記載のモノマー」と記載されていた請求項2?4を引用する発明について書き下して、「Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されている、請求項5に記載のモノマー。」(新請求項21)、「Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基である、請求項5に記載のモノマー。」(新請求項22)、「Xがボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項5に記載のモノマー。」(新請求項23)に訂正する。

(7)訂正事項7
請求項9において「Yは、少なくとも1個のアリールまたはヘテロアリール基を含む基を表し;」の記載を削除する。

(8)訂正事項8
請求項10において
「【化3】


」とあるのを「【化6】


」に訂正する。

(9)訂正事項9
請求項12を削除する。

(10)訂正事項10
請求項18を削除する。

(11)訂正事項11
請求項14において「請求項9から13のいずれか」とあるのを「請求項9から11、13のいずれか」に訂正する。

(12)訂正事項12
請求項16において「請求項9から15のいずれか」とあるのを「請求項9から11、13から15のいずれか」に訂正する。

(13)訂正事項13
請求項19において「請求項9から18のいずれか」とあるのを「請求項9から11、13から17のいずれか」に訂正する。

(14)訂正事項14
請求項20において「請求項9から19のいずれか」とあるのを「請求項9から11、13から17、19のいずれか」に訂正する。

2 訂正の目的の適否、一群の請求項ごとに訂正の請求を行っているか否か、新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
また、訂正事項1は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、ポリマーを形成する方法の一部を除くものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項2は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、引用する請求項を減少させるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項3は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、訂正事項1?3は、一群の請求項ごとに請求されたものである。

(4)訂正事項4
訂正事項4は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
また、訂正事項4は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(5)訂正事項5
訂正事項5は、モノマーの一部を除くものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項5は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(6)訂正事項6
訂正事項6は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
また、訂正事項6は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、訂正事項4?6は、一群の請求項ごとに請求されたものである。

(7)訂正事項7
訂正事項7は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
また、訂正事項7は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(8)訂正事項8
訂正事項8は、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
また、訂正事項8は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(9)訂正事項9、10
訂正事項9、10は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の削除を目的とするものに該当する。
また、訂正事項9、10は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(10)訂正事項11?14
訂正事項11?14は、請求項が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
また、訂正事項11?14は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、訂正事項7?14は、一群の請求項ごとに請求されたものである。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正の請求は、第120条の5第2項ただし書第1ないし4号のいずれかに掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する第126条第5及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1?23について訂正することを認める。

第3 本件特許発明
本件訂正の請求により訂正された請求項1?23に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」?「本件特許発明23」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?23に記載された以下の事項により特定されるものである。

「【請求項1】
式(III):
【化1】

[式中、Xは、重合可能な基であり;
Arは置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールのスペーサー基を表し;
Ar^(1)およびAr^(2)は各々独立して、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基を表し;
Ar^(1)および/またはAr^(2)は、一つの炭素炭素結合のみによって、そのそれぞれの隣接するAr基と結合し;
R^(1)は、Hまたは置換基を表し;
Zは、直接結合、または、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される二価の連結原子もしくは基を表し、R^(1)およびR^(2)は、水素;置換されていてもよいアルキル(ここで、1個以上の隣接していないC原子がO、S、N、C=Oおよび-COO-で置換されていてもよい);アルコキシ;アリール;アリールアルキル;ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より独立に選択される]
のモノマーを重合するステップを含む、ポリマーを形成する方法;
ただし、
【化2】

と、
【化3】

と、
【化4】

とを、tert-ブトキシナトリウムの存在下で、Pd_(2)(dba)_(3)CHCl_(3)を触媒として用いて反応させて、下記式で表されるポリマーを形成する方法を除く。
【化5】

(式中、iは、0.81である。)
【請求項2】
Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基であり、重合が金属触媒の存在下で起こる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
Xが、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式(III):
【化1】

[式中、Xは、重合可能な基であり;
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、炭素環式環を表し;
Ar^(1)および/またはAr^(2)は、一つの炭素炭素結合のみによって、そのそれぞれの隣接するAr基と結合し;
R^(1)は、Hまたは置換基を表し;
Zは、直接結合、または、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される二価の連結原子もしくは基を表し、R^(1)およびR^(2)は、水素;置換されていてもよいアルキル(ここで、1個以上の隣接していないC原子がO、S、N、C=Oおよび-COO-で置換されていてもよい);アルコキシ;アリール;アリールアルキル;ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より独立に選択される]
のモノマー;
ただし、以下の式:
【化4】


で表される化合物を除く。
【請求項6】
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、置換されていてもよいフェニルを表す、請求項5に記載のモノマー。
【請求項7】
式(III)のモノマーをコモノマーと反応させて共重合体を形成する、請求項1?4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ポリマーが、フルオレン反復単位および式(III)のモノマーに由来する反復単位を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(II):
X-(Ar)p-Ar^(1)-(NR-Ar^(2))n-(Ar)q-X(II)
[式中、各Arは独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基を表し;
pは、0または正の整数であり;
qは、少なくとも1であり;
Xは、重合可能な基であり;
ポリマーは、pおよびqが両方とも0である対応するポリマーよりも短い最大光輝波長を有し;
Ar^(1)およびAr^(2)は各々独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基を表し、Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されており;
Rは、Hまたは置換基であり;
nは、1以上である]
のモノマーを重合するステップを含む、ポリマーを形成する方法。
【請求項10】
-Ar^(1)-(NR-Ar^(2))n-が、単位1、2および3から選択される、請求項9に記載の方法:
【化6】

[式中、Ar^(3)は、各出現で独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、任意のAr^(1)、Ar^(2)、Ar^(3)は、直接結合または二価の連結原子もしくは基によって互いに結合してもよい]。
【請求項11】
n=1である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
(削除)
【請求項13】
隣接するAr基が、pおよび/またはqが1より大きい場合には、縮合する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基である、請求項9から11、13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
Xが、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、炭素環式環を表す、請求項9から11、13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、置換されていてもよいフェニルを表す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(削除)
【請求項19】
ポリマーが共重合体である、請求項9から11、13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ポリマーが、フルオレン反復単位および式(II)のモノマーに由来する反復単位を含む、請求項9から11、13から17、19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されている、請求項5に記載のモノマー。
【請求項22】
Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基である、請求項5に記載のモノマー。
【請求項23】
Xがボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項5に記載のモノマー。」

第4 平成28年9月14日付けの取消理由(決定の予告)の概要
本件特許発明5、6は、その優先日前の特許出願であって、その優先日後に出願公開がされた特許出願である甲1出願の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面に記載された発明と同一であって、第29条の2の規定に該当するものであるから、本件特許発明5、6に係る特許は、第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
また、請求項1?4、7?11、13?17、19、20に係る特許を取り消すべき理由は発見しない。

第5 平成28年9月14日付けの取消理由(決定の予告)についての判断
1 甲1出願
特願2009-90537号(特開2009-263665号)

2 甲1出願の記載事項
「【0291】
・・・
(合成例30)
【0292】
【化73】

【0293】
目的物29(4.00g)、p-ブロモフェニルボロン酸(3.05g)、トルエン(30ml)、エタノール(15ml)、及び2.6M炭酸ナトリウム水溶液(20ml)を加え、超音波洗浄器で振動を与えながら真空脱気し、窒素で系内を置換した。そこへ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.27g)を加え75℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムを加え脱水乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)にて単離し、熱ジメトキシエタンからの再結晶精製により目的物30(2.25g)を得た。」

3 甲1出願に記載された発明
上記2より、甲1出願には、「


」(以下、「甲1発明2」という。)が記載されているといえる。

4 対比、判断
(1)本件特許発明5
甲1発明2は、その構造式からみて、本件特許発明5の式(III)を満たすものであるが、甲1発明2は本件特許発明5から除かれており、本件特許発明5と甲1発明2が同一であるとはいえない。

(2)本件特許発明6、21?23
本件特許発明6、21?23は、訂正後の請求項5を引用するものであるから、本件特許発明5と同様に、甲1発明2と同一であるとはいえない。

5 まとめ
したがって、本件特許発明5、6、21?23は、その優先日前の特許出願であって、その優先日後に出願公開がされた特許出願である甲1出願の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面に記載された発明と同一ではなく、第29条の2の規定に該当するものではないから、本件特許発明5、6、21?23に係る特許は、第113条第2号に該当しない。
また、本件特許発明1、3、4、7、8は、その優先日前の特許出願であって、その優先日後に出願公開がされた特許出願である甲1出願の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面に記載された発明と同一ではなく、第29条の2の規定に該当するものではないから、本件特許発明1、3、4、7、8に係る特許は、第113条第2号に該当しない。
さらに、請求項1?11、13?17、19、20に係る特許は、第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではなく、第113条第4号に該当しない。

第6 結語
上記第5のとおりであるから、平成28年9月14日付けの取消理由(決定の予告)によっては、訂正後の請求項5、6、21?23に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の請求項5、6、21?23に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項1?4、7?11、13?17、19、20に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項12、18に係る特許は訂正により削除されたため、本件特許の請求項12、18に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III):
【化1】

[式中、Xは、重合可能な基であり;
Arは置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールのスペーサー基を表し;
Ar^(1)およびAr^(2)は各々独立して、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基を表し;
Ar^(1)および/またはAr^(2)は、一つの炭素炭素結合のみによって、そのそれぞれの隣接するAr基と結合し;
R^(1)は、Hまたは置換基を表し;
Zは、直接結合、または、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される二価の連結原子もしくは基を表し、R^(1)およびR^(2)は、水素;置換されていてもよいアルキル(ここで、1個以上の隣接していないC原子がO、S、N、C=Oおよび-COO-で置換されていてもよい);アルコキシ;アリール;アリールアルキル;ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より独立に選択される]
のモノマーを重合するステップを含む、ポリマーを形成する方法;
ただし、
【化2】

と、
【化3】

と、
【化4】

とを、tert-ブトキシナトリウムの存在下で、Pd_(2)(dba)_(3)CHCl_(3)を触媒として用いて反応させて、下記式で表されるポリマーを形成する方法を除く。
【化5】

(式中、iは、0.81である。)
【請求項2】
Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基であり、重合が金属触媒の存在下で起こる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
Xが、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式(III):
【化1】

[式中、Xは、重合可能な基であり;
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、炭素環式環を表し;
Ar^(1)および/またはAr^(2)は、一つの炭素炭素結合のみによって、そのそれぞれの隣接するAr基と結合し;
R^(1)は、Hまたは置換基を表し;
Zは、直接結合、または、CR^(1)R^(2)、SiR^(1)R^(2)、PR^(1)、NR^(1)、OおよびSから選択される二価の連結原子もしくは基を表し、R^(1)およびR^(2)は、水素;置換されていてもよいアルキル(ここで、1個以上の隣接していないC原子がO、S、N、C=Oおよび-COO-で置換されていてもよい);アルコキシ;アリール;アリールアルキル;ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より独立に選択される]
のモノマー;
ただし、以下の式:
【化4】

で表される化合物を除く。
【請求項6】
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、置換されていてもよいフェニルを表す、請求項5に記載のモノマー。
【請求項7】
式(III)のモノマーをコモノマーと反応させて共重合体を形成する、請求項1?4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ポリマーが、フルオレン反復単位および式(III)のモノマーに由来する反復単位を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(II):
X-(Ar)p-Ar^(1)-(NR-Ar^(2))n-(Ar)q-X(II)
[式中、各Arは独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基を表し;
pは、0または正の整数であり;
qは、少なくとも1であり;
Xは、重合可能な基であり;
ポリマーは、pおよびqが両方とも0である対応するポリマーよりも短い最大光輝波長を有し;
Ar^(1)およびAr^(2)は各々独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基を表し、Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されており;
Rは、Hまたは置換基であり;
nは、1以上である]
のモノマーを重合するステップを含む、ポリマーを形成する方法。
【請求項10】
-Ar^(1)-(NR-Ar^(2))n-が、単位1、2および3から選択される、請求項9に記載の方法:
【化6】

[式中、Ar^(3)は、各出現で独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、任意のAr^(1)、Ar^(2)、Ar^(3)は、直接結合または二価の連結原子もしくは基によって互いに結合してもよい]。
【請求項11】
n=1である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
(削除)
【請求項13】
隣接するAr基が、pおよび/またはqが1より大きい場合には、縮合する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基である、請求項9から11、13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
Xが、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、炭素環式環を表す、請求項9から11、13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
Ar、Ar^(1)およびAr^(2)が、各々独立に、置換されていてもよいフェニルを表す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(削除)
【請求項19】
ポリマーが共重合体である、請求項9から11、13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ポリマーが、フルオレン反復単位および式(II)のモノマーに由来する反復単位を含む、請求項9から11、13から17、19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
Ar^(1)およびAr^(2)が、酸素原子によって結合されている、請求項5に記載のモノマー。
【請求項22】
Xが、金属挿入反応に関与可能な脱離基である、請求項5に記載のモノマー。
【請求項23】
Xが、ボロン酸、ボロン酸エステルおよびハロゲンからなる群から選択される、請求項5に記載のモノマー。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-02-20 
出願番号 特願2012-505234(P2012-505234)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C08G)
P 1 651・ 161- YAA (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 井津 健太郎  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 前田 寛之
守安 智
登録日 2015-04-17 
登録番号 特許第5732041号(P5732041)
権利者 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 住友化学株式会社
発明の名称 モノマー、重合法およびポリマー  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 小野 誠  
代理人 小野 誠  
代理人 金山 賢教  
代理人 重森 一輝  
代理人 坪倉 道明  
代理人 安藤 健司  
代理人 櫻田 芳恵  
代理人 市川 英彦  
代理人 金山 賢教  
代理人 市川 英彦  
代理人 城山 康文  
代理人 小野 誠  
代理人 青木 孝博  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 安藤 健司  
代理人 重森 一輝  
代理人 重森 一輝  
代理人 坪倉 道明  
代理人 城山 康文  
代理人 櫻田 芳恵  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 安藤 健司  
代理人 市川 英彦  
代理人 青木 孝博  
代理人 坪倉 道明  
代理人 櫻田 芳恵  
代理人 城山 康文  
代理人 金山 賢教  
代理人 青木 孝博  
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