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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
管理番号 1326959
異議申立番号 異議2016-700771  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-24 
確定日 2017-03-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5869162号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5869162号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第5869162号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5869162号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成28年1月15日にその特許権の設定登録がされ、その後、平成28年8月24日付けで特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされたものであり、平成28年10月6日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年12月13日付けで意見書の提出及び訂正請求がなされ、これに対して、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より、平成29年1月26日付けで意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、」を、
「前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、」に訂正する。

(2)訂正事項2
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、」を、
「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技伏態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、」に訂正する。

(3)訂正事項3
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記事前決定手段の決定結果が前記小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、」を、
「前記事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、」に訂正する。

(4)訂正事項4
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項3の後に、
「前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、」を加える。

(5)訂正事項5
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項4の後に、
「前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、」を加える。

(6)訂正事項6
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、「前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、」の後に、
「前記所定の移行条件は、前記所定の表示結果の組合せの導出であり、」を加える。

(7)訂正事項7
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項6の後に、
「前記第2遊技状態制御手段は、前記第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御し、」を加える。

(8)訂正事項8
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項7の後に、
「前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値は、前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きく、」を加える。

(9)訂正事項9
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、」を、
「前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、」に訂正する。

(10)訂正事項10
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項9の後に、
「前記特定の表示結果の組合せは複数種類あり、」を加える。

(11)訂正事項11
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項10の後に、「前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異なり、」を加える。

(12)訂正事項12
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、「前記スロットマシンは、」の後に、
「前記第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段と、」を加える。

(13)訂正事項13
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、上記訂正事項12の後に、「前記第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果となったときに、前記特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果となったときに、前記特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段と、」を加える。

(14)訂正事項14
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記第3の遊技状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段を」と記載されているのを、
「前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段と、」に訂正する。

(15)訂正事項15
願書に添付した明細書の段落【0010】における、
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
表示結果が導出される前に、遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態において特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、
前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したことを条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、
を備え、
前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行は、必ず前記第2の遊技状態を介在し、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、
前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、
前記スロットマシンは、前記第3の遊技状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる操作手順を特定可能に報知することが可能な報知手段をさらに備える
ことを特徴としている。」を、
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
表示結果が導出される前に、遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態において特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、
前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、
を備え、
前記第1の遊技状態から前記第3の遊技伏態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、
前記所定の移行条件は、前記所定の表示結果の組合せの導出であり、
前記第2遊技状態制御手段は、前記第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御し、
前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値は、前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きく、
前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、
前記特定の表示結果の組合せは複数種類あり、
前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異なり、
前記スロットマシンは、
前記第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段と、
前記第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果となったときに、前記特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果となったときに、前記特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段と、
前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段と、
をさらに備える
ことを特徴としている。」に訂正する。

2 訂正の適否について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、「前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段」について、「前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したことを条件に」移行させるものを、「前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに」移行させるものとし、「所定の移行条件が成立したとき」のタイミングで移行することを限定するものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0257】には「RT(0)では、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)に移行し、」と記載されており、訂正事項1は、上記の記載及び図10に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的
訂正事項2は、「前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態への移行」について、「必ず前記第2の遊技状態を介在」する点を、「遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要」がある点に限定するものであるから、当該訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0261】には「RT(1)に滞在している場合には、直接、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行させる場合には、RT(1)において必ずしも成立するとは限らない移行役が成立することで移行するRT(0)を必ず介して移行することとなる。」と記載されており、訂正事項2は、上記の記載及び図10に基づくものである。
したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、「事前決定手段の決定結果」のうちの「特定結果」について、「小役入賞の発生を許容する」ものである点を、「第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれかの発生も許容する」ものに限定するとともに、「当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行」うものに限定するものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0193】には「一方で、小役GR(1)?(6)が当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に12枚を入賞させるか、11枚を入賞させるか、移行役を成立させるか、を選択することは不可能であり、小役GR(1)?(6)が当選し、左リールを第1停止とした場合には、それぞれ1/3の確率で12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。」と記載されており、訂正事項3は、上記の記載等及び図8に基づくものである。
したがって、訂正事項3は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的
訂正事項4は、「前記導出制御手段」が、「前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行」う点を限定するものであるから、当該訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0196】には「リプレイGR(1)(リプレイ(2)+リプレイ(3))が当選し、左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)が入賞し、左リールの停止操作が「網7」の引込範囲(20、0?5番図柄)内のタイミングまたは「白7」の引込範囲(13?19番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「リプレイ-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞する。」と記載されており、訂正事項4は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項4は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(5)訂正事項5
ア 訂正の目的
訂正事項5は、「前記導出制御手段」が、「前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行」う点を限定するものであるから、当該訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0197】には、「リプレイGR(2)(リプレイ(2)+リプレイ(4))が当選し、左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(4)が入賞し、左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングまたは「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「リプレイ-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞する。」と記載されており、訂正事項5は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項5は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項5は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(6)訂正事項6
ア 訂正の目的
訂正事項6は、「前記所定の移行条件」が、「前記所定表示結果の組合せの導出」である点を限定するものであるから、当該訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0245】には「RT(3)は、RT(0)においてリプレイ(3)(4)のいずれかが入賞したときに移行し、」と記載されており、訂正事項6は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項6は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(7)訂正事項7
ア 訂正の目的
訂正事項7は、「前記第2遊技状態制御手段」が、「前記第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御」する点を限定するものであるから、当該訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0242】には「RT(0)は、RT(1)(4)において移行役(1)?(3)のいずれかが成立するか、RT(2)(3)(5)において規定ゲーム数消化し、これらRT(2)(3)(5)が終了したときに移行し、RT(0)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、リプレイ(2)?(6)、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するまで継続し、・・・12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行することで終了する。」と記載されており、訂正事項7は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項7は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項7は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(8)訂正事項8
ア 訂正の目的
訂正事項8は、「前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値」が、「前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大き」い点を限定するものであるから、当該訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0154】には「12枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。・・・11枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。」と記載されており、訂正事項8は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項8は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項8は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(9)訂正事項9
ア 訂正の目的
訂正事項9は、「前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果」であることについて、「前記小役入賞」を「前記第1小役入賞」に限定するものであるから、当該訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の段落【0186】には「いずれかの入賞ラインに
「網7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(2)が入賞し、・・・いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(3)が成立する。」と記載され、段落【0187】には「いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(3)が入賞し、・・・いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(2)が成立する。」と記載されており、訂正事項9は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項9は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項9は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(10)訂正事項10
ア 訂正の目的
訂正事項10は、「前記特定の表示結果の組合せ」が、「複数種類」ある点を限定するものであるから、当該訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の【0186】には「小役GR(1)(12枚(1)+11枚(2))が当選し、・・・左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲(13?19番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカーリプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(3)が成立する。」と記載され、段落【0187】には「小役GR(2)(12枚(1)+11枚(3))が当選し、・・・左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカーリプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(2)が成立する。」と記載されており、訂正事項10は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項10は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項10は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(11)訂正事項11
ア 訂正の目的
訂正事項11は、「前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異な」る点を限定するものであるから、当該訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項11は、上記(10)で検討した段落【0186】、【0187】の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項11は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項11は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(12)訂正事項12
ア 訂正の目的
訂正事項12は、「前記第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段」を加えて限定するものであるから、当該訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の【0287】には「これに対してサブCPU91aは、RT(0)(1)(3)(4)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したとき、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選したときに、当選した小役GRまたはリプレイGRの種類に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を報知する操作手順報知を行うことが可能である。」と記載されており、訂正事項12は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項12は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項12は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(13)訂正事項13
ア 訂正の目的
訂正事項13は、「前記第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果となったときに、前記特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果となったときに、前記特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段」を加えて限定するものであるから、当該訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の【0293】には「RT(0)においてリプレイGR(1)(2)が当選した場合には、リプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることでRT(5)へ移行してしまうことを回避し、かつ遊技者にとって有利なRT(3)へ移行させることができるため、リプレイGR(1)の当選時には、リプレイ(3)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知し、リプレイGR(2)の当選時には、リプレイ(4)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知する。」と記載されており、訂正事項13は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項13は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項13は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(14)訂正事項14
ア 訂正の目的
訂正事項14は、「報知手段」を、「特定報知手段」とするとともに、「特定報知手段」が、「前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能」である点を限定するものであるから、当該訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
願書に添付した明細書の【0291】「RT(3)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、12枚を入賞させることで他の遊技状態へ移行することもなくメダルを獲得できるため、小役GR(1)(2)の当選時には、12枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知し、小役GR(3)(4)の当選時には、12枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(5)(6)の当選時には、12枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知する。」と記載されており、訂正事項14は、上記の記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項14は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項14は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

(15)訂正事項15
ア 訂正の目的
訂正事項15は、訂正事項1?14に係る訂正にともない、特許請求の範囲の記載と願書に添付した明細書の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の段落【0010】の記載を訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項15は、上記(1)?(14)で検討したとおり、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
そして、訂正事項15は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項15は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。

3 むすび
したがって、本件訂正の訂正事項1?14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項までの規定に適合し、訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件発明は、訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(当審において請求項1をA?Xに分説した。)。
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
B 前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
C 表示結果が導出される前に、遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
E 前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
F 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
G 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
H 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
I 前記第1の遊技状態において特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、
J 前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、
を備え、
K 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技伏態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、
L 前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
M 前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
N 前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
O 前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、
P 前記所定の移行条件は、前記所定の表示結果の組合せの導出であり、
Q 前記第2遊技状態制御手段は、前記第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御し、
R 前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値は、前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きく、
S 前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、
T 前記特定の表示結果の組合せは複数種類あり、
U 前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異なり、
V 前記スロットマシンは、
前記第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段と、
W 前記第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果となったときに、前記特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果となったときに、前記特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段と、
X 前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段と、をさらに備える、スロットマシン。」

2 取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して平成28年10月6日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
訂正前の本件発明は、引用発明(甲第5号証に記載された発明)と実質的に同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものである。または、訂正前の本件発明は、引用発明と甲第6号証及び甲第7号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

3 特許異議申立理由の概要
(1)特許異議申立書の理由の概要
特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証乃至甲第7号証を提出し、訂正前の本件発明について、以下のとおり主張している。

ア 異議理由1について
本件発明は、平成27年7月23日付けでなされた手続補正が新規事項を追加するものであるから、特許法第17条の2第3項の規定により特許を受けることができない。
イ 異議理由2について
本件発明は、発明の詳細な説明に記載されておらず、また、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明を実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号及び同条第4項第1号の規定により特許を受けることができない。
ウ 異議理由3について
本件特許は、甲第1号証(原出願の特許公開公報)及び甲第5号証から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
エ 異議理由4について
本件発明は、甲第5号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号により特許を受けることができない。
オ 異議理由5について
本件発明は、甲第5号証、甲第6号証及び甲第7号証から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<証拠方法>
甲第1号証:特開2010-99319号公報(本件特許の原出願の公開特許公報)
甲第2号証:特許第5709349号公報(本件特許の原出願の特許公報)
甲第3号証:特開2015-97889号公報(本件特許の公開特許公報)
甲第4号証:特許第5869162号公報(本件特許の特許公報)
甲第5号証:特開2008-200165号公報
甲第6号証:パチスロ必勝本DX2008 10月号 平成20年10月1日発行 48?49頁
甲第7号証:パチスロ必勝本2008 10月号 平成20年10月1日発行 54?55頁

(2)特許異議申立人の意見書の概要
特許異議申立人は、平成29年1月26日付け意見書において、証拠方法として甲第8号証乃至甲第23号証を提出し、訂正後の本件発明について、以下のとおり主張している。
本件発明と甲第5号証に記載された発明との相違点は、公知発明(甲第6号証乃至8号証)、周知技術(甲第6号証乃至甲第23号証)及び公知技術(甲第15号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

<証拠方法>
甲第8号証:パチスロ必勝本2008 10月号 平成20年10月1日発行 56?57頁
甲第9号証:特開2006-346473号公報
甲第10号証:特開2007-330532号公報
甲第11号証:特開2007-222409号公報
甲第12号証:パチスロ必勝本2007 6月号 平成19年6月1日発行 14?15頁
甲第13号証:パチスロ必勝本2007 12月号 平成19年12月1日発行 6?9頁
甲第14号証:パチスロ必勝本DX2008 10月号 平成20年10月1日発行 150?151頁
甲第15号証:特開2008-206707号公報
甲第16号証:特開2008-200133号公報
甲第17号証:特開2008-200134号公報
甲第18号証:特開2008-200135号公報
甲第19号証:特開2008-200136号公報
甲第20号証:パチスロ必勝本DX2008 4月号 平成20年4月1日発行 52?55頁
甲第21号証:特開2008-148810号公報
甲第22号証:特開2008-148811号公報
甲第23号証:特開2008-148812号公報

4 甲号証の記載
(1)甲第5号証
取消理由で通知した甲第5号証(特開2008-200165号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(1-a)「【0001】
本発明は、遊技メダルや遊技球等の遊技媒体を用いて遊技を行う回胴式遊技機(スロットマシン)に関する。」

(1-b)「【0029】
操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a、20b、20cの回転を開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a、20b、20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a、38b、38cなどが設けられている。なお、回胴停止ボタン38a、38b、38cが本発明の停止操作手段に相当している。
・・・
【0034】
筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a、20b、20cが設けられており、各回胴20a?20cの外表面には、後述のように複数種類の図柄が表示されている。これら回胴20a?20cの上方には、遊技全体の制御を司る主制御基板200(図4参照)が格納された主制御基板ユニット110と、各回胴を駆動するための回胴基板260(図4参照)が格納された回胴基板ユニット111が設けられている。回胴20a、20b、20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための電源基板280(図4参照)が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源ユニット120sも設けられている。」

(1-c)「【0043】
遊技開始にあたって、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、メダルのベットを行う。ベットする遊技メダル数は、通常、1枚または3枚に固定されている。遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、一枚投入ボタン32、あるいは三枚投入ボタン34を押すことにより、それぞれ1枚または3枚の遊技メダルをベットすることも可能である。
【0044】
遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a?20cが一斉に回転を開始する。それぞれの回胴20a?20cの外周面には複数の図柄が描かれているため、回胴20a?20cが回転すると、これら図柄が変動表示されることになる。また、前面扉2の前面側には、それぞれの回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a?38cが設けられている(図1参照)。回胴20a?20cの回転中に回胴停止ボタン38a?38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、変動表示されていた図柄がいずれかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a?20cの回転を停止させると、それぞれの回胴でいずれかの図柄が停止表示される。回胴20a?20cの停止は、主制御基板200のCPU200cが後述の回胴回転停止処理S107で行うように構成されている。したがって、主制御基板200のCPU200cが本発明の停止制御手段に相当している。
【0045】
本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴20a?20cあたり3つずつの図柄が表示される大きさに設定されている。このため、3つの回胴20a?20cが停止表示されると、表示窓20には、縦横3列ずつ、合計9つの図柄が表示されるようになっている。これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
・・・
【0047】
そして、有効な入賞ライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。図6は、本実施例の遊技機1に設定されている図柄組合せを示している。図6(a)は、遊技役の種類に図柄組合せと付与される特典を対応付けて示した説明図である。図6(a)では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄に遊技役を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄に遊技役が成立した場合に遊技者に付与される特典が表示されている。これらの図柄組合せは、主制御基板200に搭載されたROMに予め記憶されている。
・・・
【0050】
ベルの小役は、左回胴20aの図柄が「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれかであり、中回胴20bと右回胴20cの図柄が「ベル」の図柄組合せの3種類が設定されている。左図柄20aが「赤セブン」の場合は「ベルAの小役」と呼び、左図柄20aが「青セブン」の場合は「ベルBの小役」と呼び、左図柄20aが「バー」の場合は「ベルCの小役」と呼ぶ。これらのベルの小役に対して遊技者に付与される特典として、15枚の遊技メダルが払い出される。
【0051】
スイカの小役は、3つの回胴20a?20cのすべてが「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。スイカの小役に対する特典として、6枚の遊技メダルが払い出される。また、チェリーの小役は、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であり、中図柄20bおよび右図柄20cはどのような図柄の組合せであっても構わない図柄組合せが設定されている。チェリーの組合せに対しては、2枚の遊技メダルが払い出される。
【0052】
再遊技役(リプレイ)は、3つの回胴20a?20cがいずれも「再遊技」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。本実施例の遊技機1では、3つの回胴20a?20cのすべてが「Replay」の図柄で揃った図柄組合せからなる再遊技役Aと、左図柄20aが半円状の図柄で、中図柄20bと右図柄20cが「Replay」の図柄である図柄組合せからなる再遊技役Bの2種類の再遊技役が設定されている。再遊技役Aおよび再遊技役Bのいずれかの図柄組合せが揃えば、再遊技役の入賞を成立させることができる。再遊技役に付与される特典としては、新たな遊技メダルをベットすることなく、再度遊技を行う権利が付与される。つまり、再遊技役の入賞を成立させたときにベットしていた遊技メダルと同じ遊技メダルがベットされたものとしてもう一度遊技を行うことが可能となる。また、再遊技役Bは、後述するRT遊技(リプレイタイム遊技)の開始図柄であり、RT遊技を開始させる特典も有している。RT遊技に関する詳細は後述する。
【0053】
3つの回胴20a?20cが停止したときに、図6に示すいずれの遊技役も成立しなかった場合は、再び1枚または3枚の遊技メダルをベットした後、スタートレバー36を操作して回胴20a?20cを回転させることで、次のゲームを行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返すことによってゲームが進行するようになっている。
【0054】
なお、本実施例の遊技機1では、図6(a)に示す遊技役に加えて、図6(b)に示す特定図柄と呼ばれる図柄組合せが設定されている。本実施例では、左図柄20aが「Replay」、中図柄20bが「ベル」、右図柄20cが「ベル」の図柄組合せが特定図柄に設定されており、この特定図柄は、遊技メダルが払い出される遊技役とは異なり、遊技状態の切り替えに用いられる。この特定図柄による遊技状態の切り替えについては後述する。
【0055】
図6(a)で示したいずれの遊技役に当選するかは後述する内部抽選で決定される。内部抽選処理では、主制御基板200のCPU200cがスタートレバー36が操作されたタイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて遊技役を内部的に抽選する。内部抽選用乱数とは、主制御基板200がスタートレバー操作信号を受け取ったときに取得する乱数である。本実施例の内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0?65535の範囲の乱数値を取得することが可能となっている。内部抽選用乱数は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもでき、あるいは乱数発生用プログラムを用いてソフトウェア的に生成することもできる。なお、主制御基板200のCPU200cが本発明の遊技役抽選手段に相当している。
【0056】
ただし、内部抽選処理でいずれかの遊技役に当選したとしても、直ちに遊技役が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a?38cを操作することにより、対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えなければ当選した遊技役を成立させることはできない。逆にどのようなタイミングで回胴停止ボタン38a?38cを操作しても、内部抽選で当選した遊技役でなければ入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。このように内部抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役を成立させるための前提条件として内部的に行われる抽選となっている。内部抽選に当選した状態は、内部当選状態(または単に内部当選)と呼ばれている。内部抽選でいずれの遊技役に内部当選したかは内部当選フラグに設定される。内部当選フラグとは、内部抽選の結果を保存しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200のRAMの所定アドレスに設定されている。」

(1-d)「【0061】
ここで、各遊技状態を対応する抽選テーブルとともに説明する。図8は、各遊技状態が切り替わる状態を示している。図8に示すように、通常遊技から特定遊技またはBB遊技に切り替わることができ、特定遊技からRT遊技、BB遊技または通常遊技に切り替わることができ、RT遊技から特定遊技またはBB遊技に切り替わることができ、BB遊技から通常遊技に切り替わる。これらの複数の遊技状態の切り替え(各遊技状態の開始及び終了)は、主制御基板200がROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって行われる。したがって、主制御基板200のCPU200cが本発明のリプレイタイム遊技開始手段、リプレイタイム遊技終了手段、特定遊技開始手段、特定遊技終了手段に相当している。
【0062】
まず、通常遊技について説明する。遊技を開始した直後(RAMクリア処理等を行って遊技状態を初期状態にしたとき)は、図7(c)の遊技状態フラグは全てのビットに「0」が設定される。したがって、遊技状態が最も一般的な遊技状態である通常遊技に設定されている。通常遊技状態では、通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図9(a)は通常遊技用抽選テーブルを示し、図9(b)は通常遊技用抽選テーブルに設定されている各遊技役と内部抽選用乱数の乱数範囲との対応関係を示している。図9(a)に示す通常遊技用の抽選テーブルでは、「ベルAの小役」に対して0?1333の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲内にあった場合には、ベルAの小役に内部抽選することを表わしている。同様に、「ベルBの小役」には1334?2667、「ベルCの小役」には2668?4000、「スイカの小役」には4001?4200、「チェリーの小役」には4201?4400、「赤7のBB役」には4401?4600、「青7のBB役」には4601?4700、「再遊技役A」には4601?13800、「再遊技役B」には4601?4700のそれぞれの乱数値が設定されている。13801?65535の乱数値には、いずれの遊技役も設定されておらず、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、「外れ」となる。
・・・
【0067】
また、本実施例の遊技機1では、ベルの小役の入賞を成立させる図柄組み合わせが停止表示されなかった場合(取りこぼしが発生した場合)に、ベル小役の取りこぼし目として特定図柄の組み合わせ(図6(b)参照)が停止表示されるように設定されている。すなわち、ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴20aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄(「赤セブン」か「青セブン」か「バー」のいずれか)が停止表示されなかった場合は、「再遊技」の図柄を左回胴20aに停止表示させる。そして、中回胴20b、右回胴20cについては、左回胴20aに停止表示された「再遊技」の図柄位置を含む入賞ライン上に「ベル」の図柄が停止表示される。これにより、「ベル」の小役を取りこぼした場合には、特定図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示される。なお、特定図柄組み合わせが停止表示されることは、特定遊技の開始条件となっている。よって、通常遊技中に特定図柄組み合わせが停止表示された場合には、前述した遊技状態フラグ(図7(c)参照)における特定遊技フラグがONに設定され、特定遊技が開始される。
【0068】
以上のように、通常遊技からは、特定遊技またはBB遊技のいずれかの遊技状態に切り換わることができる(図8参照)。すなわち、通常遊技中にBB役(赤7および青7のBB役)の入賞が成立すると、遊技状態がBB遊技に切り換わる。また、有効な入賞ライン上に特定図柄の組み合わせが停止表示されると遊技状態が特定遊技に切り換わる。
【0069】
次に、特定遊技について説明する。特定遊技は、上述した特定図柄の組合せが成立することで開始されるものであり、特定遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図10は、特定遊技用抽選テーブルを示している。図9に示した通常遊技用抽選テーブルと同様、特定遊技用抽選テーブルにも、複数の遊技役毎に、その遊技役を当選させる乱数範囲が設定されている。また、図10(b)には、特定遊技用抽選テーブルに設定されている各遊技役と、内部抽選乱数の乱数範囲との対応関係が示されている。図10に示す特定遊技用抽選テーブルと、図9に示す通常遊技用抽選テーブルとを比較すると、再遊技役全体の乱数範囲は通常遊技とほぼ同様であるが、通常遊技用抽選テーブルに対して特定遊技用抽選テーブルの方が再遊技役Bの乱数範囲が100から300に拡大されている。このため、特定遊技では、通常遊技よりも再遊技役Bに内部当選しやすい遊技状態となっている。また、拡大された再遊技役Bの乱数範囲(4701?4900の範囲)は、青7のBB役とは重複しておらず、再遊技役Aとのみ重複役を構成している。そして、この拡大された乱数範囲の乱数値に内部当選し、再遊技役Bの入賞が成立した場合はRT遊技が開始される。
【0070】
図8に示したように、特定遊技からRT遊技、BB遊技または通常遊技のいずれかの遊技状態に切り替わることができる。特定遊技中にBB役の入賞が成立すると、遊技状態がBB遊技に切り替わる。また、上述のように特定遊技は、再遊技役Bに内部当選する乱数範囲が拡大され、再遊技役Bが成立しやすくなっているため、特定遊技からRT遊技に切り替わり易くなっている。一方、特定遊技において、RT遊技またはBB遊技に切り替わらないまま、所定回数(本実施例では50回)の遊技が行われた場合には、特定遊技から通常遊技に戻る。
【0071】
次に、RT遊技について説明する。RT遊技では、RT遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図11は、RT遊技用抽選テーブルを示している。RT遊技用抽選テーブルは、図10で示した特定遊技用抽選テーブルと比較すると、再遊技役Aおよび再遊技役Bに内部当選する乱数範囲が拡大されている。特に、再遊技役Aに内部当選する乱数範囲が拡大されており、全乱数範囲のほぼ半分が再遊技役Aに内部当選する乱数範囲に設定されている。また、その分だけ、外れの乱数範囲が縮小されている。RT遊技では、このような抽選テーブルを用いて内部抽選処理が行われることから、RT遊技は高い確率で再遊技役の入賞を成立させやすい遊技状態となっている。再遊技役に入賞すると、遊技メダルを投入することなく次回の遊技を行うことができため、この再遊技役に頻繁に当選することで、遊技者が保持している遊技メダルを比較的減らさずに遊技が可能になる。よって、RT遊技が長ければ長いほど遊技者にとって有利な状態となり、BB役等のボーナス役に当選するチャンスをメダルを減らさずに享受させることができる。このRT遊技は、赤7または青7のBB役に入賞するか、特定図柄の組み合わせが停止表示されるまで継続する。
【0072】
また、本実施例の遊技機1では、RT遊技中にベルA、ベルB、ベルCの小役のいずれかに内部当選した場合には、主制御基板200から内部当選を示す制御コマンドがサブ制御基板220に送信され、サブ制御基板220はコマンドを受け取ると各種ランプ類12や演出表示装置10等を用いてベル小役に内部当選した旨を遊技者に報知するように構成されている。遊技者は、報知されたベル小役を狙って比較的容易にベル小役の入賞を成立させることが可能である。このため、RT遊技中は、遊技者はあまり遊技メダルを減らすことなく、むしろ効率よくベル小役の入賞を成立させて少しずつ遊技メダルを増やしながら、BB役の入賞を狙って遊技を続けることが可能である。RT遊技中のベル小役当選の報知は、サブ制御基板220によって行われる。」

(1-e)「【0081】
遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。以下、主制御基板200が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
・・・
【0089】
次に、回胴20a?20cの回転を停止させる回胴回転停止処理を行う(S107)。回胴回転停止処理では、すべての回胴20a?20cの回転速度が所定速度で安定したことを確認した後、各回胴20a?20cに対応する回胴停止ボタン38a?38cの操作を有効化する。そして、主制御基板200は、各回胴停止ボタン38a?38cからの操作信号に基づいて、各回転停止ボタン38a?38cが操作された時に各回胴20a?20cの回転位置を検出し、検出結果に基づいて各回胴20a?20cの停止位置を決定し、決定した位置で回胴20a?20cを停止させる制御を行う。
【0090】
各回胴20a?20cの停止位置を決定する際には、内部抽選処理S105の結果が参照され、何れの遊技役にも内部当選していない場合には、どのようなタイミングで回胴停止ボタンが操作されても、遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されないように、回胴の停止位置が決定される。一方、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるように、各回胴の停止位置が決定されるようになっている。
【0091】
次に、予め設定された特定図柄(図6(b)参照)の組合せが、入賞ライン上に揃っているか否かを判定する(S108)。上述のように、本実施例の遊技機1では、ベルの小役の入賞を成立させる図柄組み合わせが停止表示されなかった場合(取りこぼしが発生した場合)に、特定図柄の組み合わせが停止表示される。」

(1-f)「【0100】
以下、遊技状態設定処理について説明する。図14は、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。主制御基板200が、図14に示す遊技状態設定処理を行い、ROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって、複数の遊技状態を切り替えている。」

(1-g)「【0123】
次に、ベル報知処理を図19に基づいて説明する。まず、RT遊技中であるか否かを判定する(S361)。この結果、RT遊技中でないと判定された場合には(S361:NO)、ベル報知処理を終了する。一方、RT遊技中であると判定された場合には(S361:YES)、ベル小役に内部当選したか否かを判定する(S362)。ベル小役に内部当選したか否かは、主制御基板200から送信されるベル小役の内部当選を示す制御コマンドを受信したか否かによって判定することができる。
【0124】
この結果、ベル小役に内部当選していないと判定された場合には(S362:NO)、ベル報知処理を終了する。一方、ベル小役に内部当選したと判定された場合には(S362:YES)、ベル報知回数が0より大きいか否かを判定する(S363)。
【0125】
この結果、ベル報知回数が0より大きくないと判定された場合、すなわち、ベル報知回数の残り回数が0であった場合には(S363:NO)、すでにS343またはS344で設定された回数分のベル報知を行ったと判定できるので、ベル報知処理を終了する。一方、ベル報知回数が0より大きくないと判定された場合には(S363:YES)、遊技者にベル小役の内部当選を報知し(S364)、ベル報知回数を1減算する(S365)。ベル小役の内部当選報知では、演出表示装置10などを用いてベル小役に内部当選した旨を遊技者に報知する。ベルの小役は、図柄組合せが異なるベルA、ベルB、ベルCを含んでいるので、ベル小役の内部当選報知では内部当選したベル小役の種類も報知する。
【0126】
ベル小役の内部当選報知により、遊技者は、報知されたベル小役を狙って比較的容易にベル小役の入賞を成立させることができる。これにより、遊技者は、効率よくベル小役の入賞を成立させて少しずつ遊技メダルを増やしながら、BB役の入賞を狙って遊技を続けることが可能である。また、本実施例の遊技機1では、RT遊技から特定遊技に移行する条件がベル小役の取りこぼし目である特定図柄が揃った場合となっている。このため、ベル小役に内部当選しているにもかかわらず、ベル小役の入賞を成立させる図柄を停止表示されることができなかった場合は特定図柄が揃い、RT遊技から特定遊技に移行する。これに対し、ベル小役の内部当選を報知することで、ベル小役の報知を行うことで、容易にベル小役の入賞を成立させることができ、再遊技役の内部当選確率が高いRT遊技を継続させることができる。」

(1-h)段落【0056】の「回胴停止ボタン38a?38cを操作することにより、対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えなければ当選した遊技役を成立させることはできない。逆にどのようなタイミングで回胴停止ボタン38a?38cを操作しても、内部抽選で当選した遊技役でなければ入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。」の記載、及び段落【0090】の「ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるように、各回胴の停止位置が決定されるようになっている。」の記載等から、当選した遊技役に対応するタイミングで回胴停止ボタンが操作されたときには、その遊技役を成立させることができ、当該タイミングと異なるタイミングで回胴停止ボタンが操作されたときには、その遊技役を取りこぼすことになるといえる。
これらの記載を踏まえれば、段落【0055】、【0067】の記載は、遊技役抽選手段の決定結果がベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で当該ベル小役に対応するタイミングで前記回胴停止ボタンが操作されたときに、前記ベル小役の入賞が発生する図柄組み合わせを前記表示窓20に停止表示させ、当該ベル小役に対応するタイミングとは異なるタイミングで前記回胴停止ボタンが操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技メダルの付与も伴わない特定図柄(Replay-ベル-ベル)を前記表示窓20に停止表示させる制御を行うことであるといえる。

(1-i)段落【0072】には「遊技者は、報知されたベル小役を狙って比較的容易にベル小役の入賞を成立させることが可能である。」と記載されているから、当選したベル小役(ベルA、ベルB、ベルC)の種類を特定可能に報知することは明らかである。

以上の事項を総合すれば、甲第5号証には以下の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。
「a 複数種類の図柄が変動表示される回胴20a?20cを備え(段落【0034】、【0044】)、
b 回胴20a?20cが回転し、図柄が変動表示された後、回胴停止ボタンを押すと回胴20a?20cが回転を停止し、入賞ライン上で揃った図柄組み合わせがいずれかの遊技役であった場合には、成立した遊技役に応じて特典が付与される回胴式遊技機において(段落【0001】、【0044】、【0047】)、
c スタートレバー36が操作されたタイミングで、再遊技の付与を伴う再遊技役A及びBと、遊技メダルの付与を伴う小役を含む遊技役に当選させるかを内部的に抽選する遊技役抽選手段と(段落【0050】?【0052】、【0055】)、
d 前記回胴20a?20cの回転を停止させ図柄組み合わせを表示させる回胴停止ボタンと(段落【0029】)、
e ある遊技役に内部当選している場合には、よほど回胴停止ボタンの操作タイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組み合わせを停止表示させる制御を行う主制御基板200と(段落【0081】、【0090】)、
f 通常遊技状態に制御する主制御基板200と(段落【0061】)、
g 前記通常遊技状態とは異なる特定遊技状態に制御する主制御基板200と(段落【0061】、【0069】)、
h 前記通常遊技状態及び前記特定遊技状態よりも高い確率で再遊技役の入賞を成立させやすい遊技状態であるRT遊技状態に制御する主制御基板200と(段落【0061】、【0069】、【0071】)、
i 前記通常遊技状態において特定図柄(Replay-ベル-ベル)が成立した場合に前記特定遊技状態に移行させる主制御基板200と(段落【0054】、【0067】)、
j 前記特定遊技状態において再遊技役Bが成立した場合に前記RT遊技状態へ移行させる主制御基板200と、を備え(段落【0061】、【0069】)、
k 前記通常遊技状態から前記RT遊技状態に直接移行させることがなく、前記通常遊技状態から前記RT遊技状態への移行は、必ず前記特定遊技状態を介在し(段落【0061】、図8)、
前記主制御基板200は、
l’ 前記遊技役抽選手段の決定結果がベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で当該ベル小役に対応するタイミングで前記回胴停止ボタンが操作されたときに、前記ベル小役の入賞が発生する図柄組み合わせを前記表示窓20に停止表示させ、当該ベル小役に対応するタイミングとは異なるタイミングで前記回胴停止ボタンが操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技メダルの付与も伴わない特定図柄(Replay-ベル-ベル)を前記表示窓20に停止表示させる制御を行い(認定事項(1-h))、
m’ 遊技役抽選手段の抽選結果が再遊技役Bの入賞を許容する重複役となった場合に、再遊技役Bのタイミングで前記回動停止ボタンが操作されたときに、前記再遊技役Bの入賞が発生する図柄組み合わせを前記表示窓20に停止表示させ、再遊技役Bのタイミングとは異なるタイミングで前記回動停止ボタンが操作されたときに、前記再遊技役B以外の図柄組み合わせを前記表示窓20に停止表示させる制御を行い(段落【0061】、【0069】)、
o 特定図柄(Replay-ベル-ベル)が停止表示された場合に前記特定遊技状態に移行させ(段落【0061】、【0067】)、
p 再遊技役Bが成立した場合に前記RT遊技状態へ移行させ(段落【0061】、【0069】)、
q’ 特定遊技においてRT遊技に切り替わらないまま所定回数(50回)の遊技が行われた場合には、通常遊技に戻り(段落【0070】)、
s’ 特定図柄の表示結果は、Replay-ベル-ベルであり、ベルの小役は、左回胴20aの図柄が「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれかであり、中回胴20bと右回胴20cの図柄が「ベル」の図柄組合せの3種類が設定されており(【0050】、【0067】)、
x’ 前記RT遊技状態において当選したベル小役(ベルA、ベルB、ベルC)の種類を特定可能に報知することが可能なサブ制御基板220をさらに備えた(段落【0072】)、
回胴式遊技機。」

(2)甲第6号証
取消理由で通知した甲第6号証(パチスロ必勝本DX2008 10月号 平成20年10月1日発行 48?49頁)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(2-a)「押し順ベルは「第1停止の押し順に正解」「正しい絵柄を引き込む範囲で押す」と、2パターンの獲得方法がある。前者は必ずベースorギター絵柄のみで構成され、後者は必ずいずれかのリールにリプレイ絵柄を含む構成となるぞ(リプレイ・ギター・ギターなど)」(第48頁左下)

(2-b)ベル(9枚)には、ベースorギター絵柄のみで構成されるものと、いずれかのリールにリプレイ絵柄を含んで構成されるものがあることが図示されている。(第48頁「ベルの仕組み」)

(3)甲第7号証
取消理由で通知した甲第7号証(パチスロ必勝本2008 10月号 平成20年10月1日発行 54?55頁)には、以下の事項が記載されている。

第54頁の「コレだけは必ず実行しよう!!」の記載によれば、押し順ベル当選時に操作手順に応じて、9枚役に入賞し9枚のメダルを獲得したり、こぼし目が表示されてチャンスゾーン(CZ)に移行したりすることが分かる。

(4)甲第8号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第8号証(パチスロ必勝本2008 10月号 平成20年10月1日発行 56?57頁)には、以下の事項が記載されている。

「CZ中は滞在モードに応じて押し順ナビが発生」(56頁左上)、「CZ中の特殊リプレイ成立時に押し順ナビが発生しなければ、継続抽選に非当選、かつナビストックなしが確定する。その際、自力で押し順に正解すればART突入となるが、押し順不正解の場合は通常時へ転落してしまう」(57頁上段「継続抽選に非当選かつナビストックなし時は押し順ナビが発生しない」の囲みの下側)

(5)甲第9号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第9号証(特開2006-346473号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0111】
(4-2-3)再遊技賞
本実施例による再遊技賞には、再遊技1賞(第1再遊技賞)と再遊技2A賞(個別第2再遊技賞)と再遊技2B賞(個別第2再遊技賞)とが含まれる。再遊技1賞は、遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり、例えば「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役(第1役)」ともいう)が対応づけられている。再遊技2A賞(個別第2再遊技賞)は、遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり、例えば「プラム-プラム-赤7」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム赤7役(個別第2役)」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役」(第1役)ともいう)との2つが対応づけられている。再遊技2B賞(個別第2再遊技賞)は、遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり、例えば「プラム-プラム-白7」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム白7役(個別第2役)」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役」(第1役)ともいう)との2つが対応づけられている。
・・・
【0113】
また、スロットマシン1は、再遊技賞にかかる役のうち、「プラム赤7役」及び「プラム白7役」が入賞ライン上に表示された場合、次のゲームから所定ゲーム回数(例えば100ゲーム)の間、再遊技1賞の内部抽選の当選確率を変動させたRT1ゲーム(第1確率変動ゲーム)を実行する。すなわち、「プラム赤7役」及び「プラム白7役」はRT1ゲームの開始契機となるRT開始出目として機能する。
・・・
【0207】
また、本実施例では、再遊技2A賞が当選したゲームにおいて、RT開始出目となる「プラム赤7役」を構成する「赤7」図柄を表示させることができる停止操作図柄番号は「1」?「7」である。ただし、再遊技2B賞が当選したゲームでは、停止操作図柄番号が「1」?「7」を示す場合、RT開始出目とならない「プラム役」を構成する「プラム」図柄が表示される。一方、再遊技2B賞が当選したゲームにおいて、RT開始出目となる「プラム白7役」を構成する「白7」図柄を表示させることができる停止操作図柄番号は「8」?「14」である。ただし、再遊技2A賞が当選したゲームでは、停止操作図柄番号が「8」?「14」を示す場合、RT開始出目とならない「プラム役」を構成する「プラム」図柄が表示される。即ち、本実施例では、再遊技2A賞と再遊技2B賞とで、RT開始出目を表示する停止操作図柄番号が互いに重ならない関係にある。換言すれば、再遊技2A賞が当選した場合と再遊技2B賞が当選した場合との双方でRT開始出目を表示する共通のリール上の図柄位置がない。これは遊技者がRT開始出目を表示するための停止操作タイミングを特定できないようにするためである。遊技者が再遊技2A賞と再遊技2B賞とのどちらが当選しているかを知らなければ、再遊技2A賞や再遊技2B賞に応じたRT開始出目を表示するリール上の図柄位置を特定できない。このため、遊技者は再遊技2A賞と再遊技2B賞のどちらが当選しているかを勘に頼るしかなく、これにより、RT開始出目を必ず表示させるという遊技性の低下を防止することができる。」

(6)甲第10号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第10号証(特開2007-330532号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0045】
特に本実施形態では、リプレイA(第1再遊技役)、リプレイB(第2再遊技役)、及びリプレイC(第3再遊技役)の3種類のリプレイが通常状態、第1RT状態、及び第2RT状態の各遊技状態用の抽選テーブルにおいて設定されている。またリプレイA、リプレイB、リプレイCは、それぞれの入賞形態を示す図柄組合せが互いに異なっており、抽選テーブルでは、リプレイAが単独当選する場合、リプレイAとリプレイBとが重複当選する場合、リプレイAとリプレイCとが重複当選する場合とがあるように各リプレイと乱数値とが対応づけられている。
・・・
【0062】
また第2RT状態は、リプレイBまたはリプレイCの入賞を開始条件とする遊技状態である。第2RT状態でも、遊技中にビックボーナスあるいはレギュラーボーナス(RB)のフラグが内部当選状態となった場合、及び第2RT状態での遊技回数が所定回数(1回、5回、10回、50回、100回等)に達した場合のいずれか一方でも成立した場合に終了して他の遊技状態へ移行するように制御される。」

(7)甲第11号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第11号証(特開2007-222409号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0174】
このように、本実施の形態の遊技機1では、内部当籤役としてリプレイ及び特殊リプレイAが決定された場合、所定のリールである左リール3Lに対する停止操作の検出が最初に行われると(前述のパターン1)、特殊リプレイAに係る図柄の組合せが表示窓4L,4C,4Rにより表示される一方で、左リール3L以外の他のリールに対する停止操作の検出が最初に行われると(前述のパターン2)、リプレイに係る図柄の組合せが表示窓4L,4C,4Rにより表示される。また、内部当籤役としてリプレイ及び特殊リプレイBが決定された場合、特定のリールである右リール3Rに対する停止操作の検出が最初に行われると(前述のパターン3)、特殊リプレイBに係る図柄の組合せが表示窓4L,4C,4Rにより表示される一方で、右リール3R以外の他のリールに対する停止操作の検出が最初に行われると(前述のパターン4)、リプレイに係る図柄の組合せが表示窓4L,4C,4Rにより表示される。
・・・
【0177】
さらに、特殊リプレイAに係る図柄の組合せ及び特殊リプレイBに係る図柄の組合せが表示される場合には、リプレイに係る図柄の組合せが表示される場合と異なり、RTの作動が行われるようにしている。即ち、単に再遊技が行われる場合よりも、遊技者にとって有利な特典の付与が行われることとなる。従って、予め定めた押し順と合致する押し順を遊技者が採用したときにはそれに見合う特典を遊技者に与えることが可能となる。この結果、遊技者に対して、採用する押し順の予想を期待感を持って行わせ、自分に有利となる押し順を考える面白みを与えることが可能となるので、遊技の興趣を向上させることが可能となる。」

(8)甲第12号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第12号証(パチスロ必勝本2007 6月号 平成19年6月1日発行 14?15頁)には、以下の事項が記載されている。

15頁左下の「チャンスゾーン(CZ)について」に「CZ終了条件は特殊リプレイ成立のみ」と記載されている。

(9)甲第13号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第13号証(パチスロ必勝本2007 12月号 平成19年12月1日発行 6?9頁)には、以下の事項が記載されている。

9頁右上の「チャレンジゾーン(CZ)中のポイント」には、「CZ終了条件はチェリー入賞のみ」と記載されている。

(10)甲第14号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第13号証(パチスロ必勝本DX2008 10月号 平成20年10月1日発行 150?151頁)には、以下の事項が記載されている。

150頁左上にCZにおいて「特殊リプレイorパンク役入賞まで継続」することが記載されている。

(11)甲第15号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第15号証(特開2008-206707号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0129】
続いて、選択された演出番号「1-1」に対応する演出番号1-1用小分類テーブルを用いて、当籤役「赤チェリー+ベル2+ベル3」に対応する演出分類「黄7と青7を示唆する花火」および演出番号「1-1-1」が選択される。具体的には、演出番号1-1用小分類テーブルにおいて当籤役が「赤チェリー+ベル2+ベル3」である場合には、全て演出番号1-1-1が選択されることとなり、液晶表示部2bに黄7と青7を示唆する花火が打ちあがる演出が表示されて遊技者にベル2およびベル3が当籤したことを報知する。つまり、「赤チェリー+ベル2+ベル3」が内部当籤した場合には、三つの小役が同時に当籤していることとなり、その三つの役のうち、一番払出枚数が多いベル2(青7-ベル-ベル)およびベル3(黄7-ベル-ベル)が当籤したことを遊技者に報知する。」

(12)甲第16号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第16号証(特開2008-200133号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0245】
また、RT2に遊技状態を制御させるための図柄は、ベル2?ベル4のように入賞となる役ではなく、内部抽選により当選した役の取りこぼしにより導出される図柄としてもよい。例えば、通常の遊技状態またはRT3において、内部抽選によりベル2、ベル3、ベル4にそれぞれ単独で当選するものとし、これらの取りこぼし時にそれぞれ取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4が導出され得るものとした場合、取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4をRT2に遊技状態を制御させるための図柄としてもよい。この場合には、RTナビによりベル2?ベル4の当選が報知されたときには、報知されたベル2?ベル4に入賞させずに取りこぼし目2?取りこぼし目4を導出させるように停止操作を行うことで、RT2に遊技状態を制御させるものとすることができる。」

(13)甲第17号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第17号証(特開2008-200134号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0241】
また、RT2に遊技状態を制御させるための図柄は、ベル2?ベル4のように入賞となる役ではなく、内部抽選により当選した役の取りこぼしにより導出される図柄としてもよい。例えば、通常の遊技状態またはRT3において、内部抽選によりベル2、ベル3、ベル4にそれぞれ単独で当選するものとし、これらの取りこぼし時にそれぞれ取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4が導出され得るものとした場合、取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4をRT2に遊技状態を制御させるための図柄としてもよい。この場合には、RTナビによりベル2?ベル4の当選が報知されたときには、報知されたベル2?ベル4に入賞させずに取りこぼし目2?取りこぼし目4を導出させるように停止操作を行うことで、RT2に遊技状態を制御させるものとすることができる。」


(14)甲第18号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第18号証(特開2008-200135号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0245】
また、RT2に遊技状態を制御させるための図柄は、ベル2?ベル4のように入賞となる役ではなく、内部抽選により当選した役の取りこぼしにより導出される図柄としてもよい。例えば、通常の遊技状態またはRT3において、内部抽選によりベル2、ベル3、ベル4にそれぞれ単独で当選するものとし、これらの取りこぼし時にそれぞれ取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4が導出され得るものとした場合、取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4をRT2に遊技状態を制御させるための図柄としてもよい。この場合には、RTナビによりベル2?ベル4の当選が報知されたときには、報知されたベル2?ベル4に入賞させずに取りこぼし目2?取りこぼし目4を導出させるように停止操作を行うことで、RT2に遊技状態を制御させるものとすることができる。」

(15)甲第19号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第19号証(特開2008-200136号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0250】
また、RT2に遊技状態を制御させるための図柄は、ベル2?ベル4のように入賞となる役ではなく、内部抽選により当選した役の取りこぼしにより導出される図柄としてもよい。例えば、通常の遊技状態またはRT3において、内部抽選によりベル2、ベル3、ベル4にそれぞれ単独で当選するものとし、これらの取りこぼし時にそれぞれ取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4が導出され得るものとした場合、取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4をRT2に遊技状態を制御させるための図柄としてもよい。この場合には、RTナビによりベル2?ベル4の当選が報知されたときには、報知されたベル2?ベル4に入賞させずに取りこぼし目2?取りこぼし目4を導出させるように停止操作を行うことで、RT2に遊技状態を制御させるものとすることができる。」

(16)甲第20号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第20号証(パチスロ必勝本DX2008 4月号 平成20年4月1日発行 52?55頁)には、以下の事項が記載されている。

53頁上段には、「中段チェリー・スイカには強弱が存在」、「強スイカ+1枚役」と記載されている。

(17)甲第21号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第21号証(特開2008-148810号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0061】
子役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、例えば、子役・リプレイ用データポインタが「1」のときは、当たり要求フラグは「00000001」であり、これは、「特殊青」として規定されているので、内部当籤役が「特殊青」に決定される。また、子役・リプレイ用データポインタが「0」のときは、「ハズレ」であり、いずれの子役、リプレイにも内部当籤しない。さらに、例えば、子役・リプレイ用データポインタの「6」において、「黄チェリー+ハートチェリー+青チェリー」のように規定されているのは、内部当籤役として「黄チェリー」、「ハートチェリー」、「青チェリー」の3つに同時当籤することを示している。なお、子役・リプレイ用データポインタの「9」?「13」については、RB中のみに使用される内部当籤役のコンビネーションである(図8を参照)。」

(18)甲第22号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第22号証(特開2008-148811号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0059】
子役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、例えば、子役・リプレイ用データポインタが「1」のときは、当たり要求フラグは「00000001」であり、これは、「特殊青」として規定されているので、内部当籤役が「特殊青」に決定される。また、子役・リプレイ用データポインタが「0」のときは、「ハズレ」であり、いずれの子役、リプレイにも内部当籤しない。さらに、例えば、子役・リプレイ用データポインタの「6」において、「黄チェリー+ハートチェリー+青チェリー」のように規定されているのは、内部当籤役として「黄チェリー」、「ハートチェリー」、「青チェリー」の3つに同時当籤することを示している。なお、子役・リプレイ用データポインタの「9」?「13」については、RB中のみに使用される内部当籤役のコンビネーションである(図8を参照)。」

(19)甲第23号証
特許異議申立人により平成29年1月26日付け意見書において提出された甲第23号証(特開2008-148812号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0058】
子役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、例えば、子役・リプレイ用データポインタが「1」のときは、当たり要求フラグは「00000001」であり、これは、「特殊青」として規定されているので、内部当籤役が「特殊青」に決定される。また、子役・リプレイ用データポインタが「0」のときは、「ハズレ」であり、いずれの子役、リプレイにも内部当籤しない。さらに、例えば、子役・リプレイ用データポインタの「6」において、「黄チェリー+ハートチェリー+青チェリー」のように規定されているのは、内部当籤役として「黄チェリー」、「ハートチェリー」、「青チェリー」の3つに同時当籤することを示している。なお、子役・リプレイ用データポインタの「9」?「13」については、RB中のみに使用される内部当籤役のコンビネーションである(図8を参照)。」

5 対比
本件発明と甲5発明とを対比すると、甲5発明の「回胴式遊技機」、「遊技役抽選手段」、「回胴停止ボタン」、「通常遊技状態」、「特定遊技状態」、「RT遊技状態」、「特定図柄(Replay-ベル-ベル)が成立した場合」、「再遊技役Bが成立した場合」、「ベルA、ベルB、ベルC」、「対応するタイミング」は、本件発明の「スロットマシン」、「事前決定手段」、「導出操作手段」、「第1の遊技状態」、「第2の遊技状態」、「第3の遊技状態」、「第1の移行条件が成立したとき」、「第2の移行条件が成立したとき」、「複数種類の特定結果」、「対応する操作手順」に、それぞれ、相当する。

したがって、本件発明と甲5発明とは、
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
B 前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
C 表示結果が導出される前に、遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
E 前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
F 第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
G 前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
H 前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
I 前記第1の遊技状態において特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、
J 前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、
を備え、
K 前記第1の遊技状態から前記第3の遊技伏態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、
L’前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が小役入賞の発生を許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
M 前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
O 前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、
P 前記所定の移行条件は、前記所定の表示結果の組合せの導出であり、
S’前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、
X’前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段と、をさらに備える、スロットマシン。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成N)
導出制御手段に関して、本件発明は、前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段がされたときに所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行うのに対して、甲5発明は、遊技役抽選手段の抽選結果が再遊技役B(所定表示結果)の入賞を許容する重複役(第1所定結果)となる場合はあるが、第2所定結果となる場合がない点。

[相違点2](構成Q)
第2遊技状態制御手段に関して、本件発明は、第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御するのに対して、甲5発明は、所定回数(50回)の遊技が行われた場合には、通常遊技に戻るものであり、ゲーム数に上限がある点。

[相違点3](構成V、W)
本件発明は、第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段と、第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、事前決定手段の決定結果が第1所定結果となったときに、特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、事前決定手段の決定結果が第2所定結果なったときに特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段を備えるのに対し、甲5発明は、そのような手段を備えていない点。

[相違点4](構成L)
導出制御手段に関して、本件発明は、事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない表示結果の組合せを導出させる制御を行うのに対して、甲5発明は、再遊技の付与も遊技メダルの付与も伴わない特定図柄を含む抽選結果は、1つの入賞役(ベル)しか含んでおらず、第1の小役入賞および第2の小役入賞といった複数の入賞役を含むものではない点。

[相違点5](構成R、X)
本件発明は、前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値は、前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きく、前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段を備えているのに対し、甲5発明は、RT遊技状態においてベル小役の種類を特定可能に報知するものであり、第2の操作手順を特定可能に報知することにより、遊技用価値が大きい第2の小役入賞を発生させるものではない点。

[相違点6](構成T、U)
本件発明は、特定の表示結果の組合せは複数種類あり、事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異なるのに対して、甲5発明は、通常遊技状態から特定遊技状態に移行させる特定図柄(特定の非入賞表示結果)は1種類のみである点。

[相違点7](構成S)
特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果である点に関して、本件発明は、当該小役入賞が、第1小役入賞であるのに対し、甲5発明は、当該小役入賞が、ベル小役の入賞であって、第2小役入賞とは払い出し枚数の異なる第1小役入賞ではない点。

6 判断
(1)特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は、平成29年1月26日付けの意見書において、甲第8号証乃至甲第23号証を追加するとともに、訂正後の本件発明について以下の主張をしている。

ア 相違点1?3について(「5-3-1 相違点1の主張に対する反論」(意見書第20?28頁))
甲第7号証乃至甲第11号証に記載されているように、2種類の所定結果について、それぞれの所定結果に対応した入賞条件となる操作手順で停止操作を行うことにより、所定結果である昇格リプレイに入賞すること、及び第2の遊技状態を報知状態に制御し、第1所定結果及び第2所定結果のそれぞれに対応する操作手順を報知することは、周知技術である。
また、甲第6号証、及び甲第12号証乃至甲第14号証に記載されているように、第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態を継続させることは、周知技術である。
よって、相違点1?3に係る構成は、上記周知技術を組み合わせたものに過ぎない。

イ 相違点4、5について(「5-3-2 相違点2の主張に対する反論」(意見書第28?40頁))
甲第6号証には、「第1操作手順」、「第2操作手順」及び「第1の操作手順でも第2の操作手順でもない操作手順」の3通りの操作手順と、第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果とを備えることが記載されている。
また、甲第15号証、甲第20乃至甲第23号証に記載されているように、重複当選役の払出し枚数が異なる点は、周知技術に過ぎない。
さらに、甲第15号証には、三つの小役が同時に当籤した場合に、払出し枚数が多い小役について報知することが記載されている。
よって、相違点4、5に係る構成は、甲第6号証、甲第15号証に記載の公知技術及び上記周知技術を組み合わせたものに過ぎない。

ウ 相違点6について(「5-3-3 相違点3の主張に対する反論」(意見書第40、41頁)
甲第16号証乃至甲第19号証に記載されているように、特定の非入賞表示結果は複数種類あり、決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかであるかに応じて、導出されうる特定の表示結果の組合せの種類が異なることは周知技術である。
よって、上記相違点6に係る構成は、上記周知技術を組み合わせたものに過ぎない。

(2)当審の判断
事案に鑑み、相違点4?6について検討する。
ア [相違点4](構成L)について
甲第6号証には、ギター又はベース絵柄で構成される役と、リプレイ絵柄を含む構成の役とが同時成立しているベル(9枚)となった場合に、押し順ベルは「第1停止の押し順に正解」するか、「正しい絵柄を引き込む範囲で押す」ことで獲得され、「第1停止の押し順に正解」するとギター又はベース絵柄で構成される役となり、「正しい絵柄を引き込む範囲で押す」とリプレイ絵柄を含む構成の役となり、押し順ベルのリプレイ絵柄を含む取りこぼし目を停止させることによりCZが開始される遊技機が記載されている(以下「甲第6号証記載の事項」という。)。
また、本件発明の「操作手順」とは、導出操作手段が操作されるタイミングであっても、導出操作手段が操作される順序であってもよいから(願書に添付した明細書の段落【0047】参照)、甲第6号証の「第1停止の押し順に正解」は本件発明の「第1の操作手順」、同様に、「正しい絵柄を引き込む範囲で押す」は「第2の操作手順」、「押し順ベルのリプレイ絵柄を含む取りこぼし目を停止させる」は「第1の操作手順でも第2の操作手順でもない操作手順」、ギター又はベース絵柄で構成される役は「第1の小役入賞」、リプレイ絵柄を含む構成の役は「第2の小役入賞」と解することができる。
甲5発明と甲第6号証記載の事項とは、共に遊技状態が、通常遊技(通常時)、特定遊技(CZ)、RT遊技(ART)と変化するものであるとともに、小役の取りこぼし目により次の遊技状態に移行する点で共通するものである。
したがって、甲5発明に甲第6号証記載の事項を適用することにより、上記相違点4に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ [相違点5](構成R、W)について
上記相違点5に係る本件発明の構成の「前記第2小役入賞」、「前記第1小役入賞」については、構成Lで、「事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の賞表示結果の組合せを導出させる制御を行い、」と特定されているから、取りこぼし目が移行役となる重複当選役における小役入賞を意味するものであり、上記アで検討した甲第6号証記載の事項のベル(9枚)の構成が前提となる。
甲第6号証記載の事項のベル(9枚)においては、「ギター又はベース絵柄で構成される役」(第1小役入賞)と「リプレイ絵柄を含む構成の役」(第2小役入賞)は、共に9枚のメダルが付与され、これらの役の取りこぼし目を停止させることによりCZが開始されるものであり、ARTにおいて複数の小役入賞のうちの遊技価値の大きい方の小役入賞を発生させるための操作手順を報知するものではない。
特許異議申立人は、甲第15号証、甲第20号証乃至甲第23号証に記載されているように、重複当選役の払出し枚数が異なる点は、周知技術(以下、「周知技術A」という。)に過ぎないものであり、また、甲第15号証には、三つの小役が同時に当籤した場合に、払出し枚数が多い小役について報知することが記載されていると主張している(上記(1)イ参照。)。
しかしながら、上記周知技術Aは、例えば、甲第21号証には「黄チェリー+ハートチェリー+青チェリー」に重複当選している場合、黄チェリー又は青チェリーに入賞すると払出し枚数は2枚であり、ハートチェリーに入賞すると払い出し枚数は4枚であるというように、単に重複当選役の小役の払出し枚数が異なる点を示すものであり、これらの役の取りこぼし目が移行役となるものではない。また、甲第15号証の三つの小役の同時当籤役も、取りこぼし目が移行役となるものではない。
すなわち、上記周知技術Aの重複当選役、及び上記甲第15号証の三つの小役の同時当籤役は、移行役を含まない点において、甲第6号証記載の事項のベル(9枚)とは、当選役としての技術的意味が異なるものであるから、甲第6号証記載の事項のベル(9枚)を、上記周知技術A及び上記甲第15号証のものに置換する動機付けがない。
したがって、上記周知技術Aに基づいて、甲第6号証記載の事項のベル(9枚)を、「第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値が第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きい」重複当選役に置換して甲5発明に適用することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
また、上記甲第15号証の記載に基づいて、甲第6号証記載の事項のベル(9枚)を、「第3の遊技状態において」(付与される遊技用価値の大きい第2小役入賞が発生する)「第2操作手順を特定可能に報知する」ものに置換して甲5発明に適用することも、当業者が容易になし得たこととはいえない。

そして、上記相違点5に係る本件発明の構成(構成R、X)により「RT(0)(1)(3)(4)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したとき、・・・、当選した小役GRまたはリプレイGRの種類に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を報知する操作手順報知を行なうことが可能である。」(段落【0354】)という効果を奏するものであり、この効果は、甲5発明、甲第6号証記載の事項、甲第15号証記載の事項及び周知技術Aから予測し得るものではない。

ウ [相違点6](構成T、U)について
上記相違点6に係る本件発明の構成の「前記特定の賞表示結果の組合せ」については、構成Lで、「事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において」「当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、」と特定されているから、重複当選役における取りこぼし目を意味するものであり、上記イと同様に、上記アで検討した甲第6号証記載の事項のベル(9枚)の構成が前提となる。
甲第6号証記載の事項のベル(9枚)は、重複当選役の取りこぼし目を停止させることによりCZが開始されるものであり、ベルの種類に応じて導出され得る取りこぼし目の種類が異なることは記載されていない。
特許異議申立人は、甲第16号証乃至甲第19号証には、特定の表示結果の組合せは複数種類あり、決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかであるかに応じて、導出され得る特定の表示結果の組合せの種類が異なることは周知技術(以下、「周知技術B」という。)であると主張する(上記(1)ウ参照)。
しかしながら、甲第16号証乃至甲第19号証には、内部抽選によりベル2、ベル3、ベル4にそれぞれ単独で当選するものとし、これらの取りこぼし時にそれぞれ取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4が導出され得るものとした場合、取りこぼし目2、取りこぼし目3、取りこぼし目4をRT2に遊技状態を制御させるための図柄としてもよいことが記載されており、ベル2、ベル3、ベル4は、取りこぼし目は移行役となるものの、単独で当選する役であり、重複当選役ではない。
すなわち、特許異議申立人が主張する上記周知技術Bは、重複当選役でない点で甲第6号証記載の事項のベル(9枚)とは異なるものである。
したがって、上記周知技術Bに基づいて甲第6号証記載の事項のベル(9枚)の取りこぼし目を複数種類設けるとともに、ベルの種類に応じて取りこぼし目の種類が異なるように構成して甲5発明に適用することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

そして、上記相違点6に係る本件発明の構成(構成T、U)により「左リールにおいて12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)を構成する「黒7」「網7」「白7」の引込範囲がそれぞれ異なり、小役GR(1)?(6)の当選時においては、左リールを第1停止とし、左リールの停止操作のタイミングを選択することで、12枚を入賞させるか、11枚を入賞させるか、移行役を成立させるか、を選択することが可能となる。」(段落【0254】)という効果を奏するものであり、この効果は、甲5発明、甲第6号証記載の事項、周知技術Bから予測し得るものではない。

エ まとめ
したがって、上記ア?ウで検討したとおり、相違点4に係る本件発明の構成は、甲5発明、及び甲第6号証記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、相違点5、6に係る本件発明の構成は、甲5発明、甲第6号証記載の事項、甲第15号証記載の事項、及び上記周知技術A、Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、相違点1?3、7について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明、甲第6号証記載の事項、甲第15号証記載の事項及び上記周知技術A、Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、平成28年8月24日付け特許異議申立書において、異議理由1として、平成27年7月23日付け手続補正により、「前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり」(訂正後の請求項1の構成S)との事項を追加する補正は新規事項の追加であること、
異議理由2として、発明の詳細な説明には、当該構成Sについて記載されていないので、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでなく、また、発明の詳細な説明は、当業者が本件発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていないこと、
異議理由3として、本件特許は、当該構成Sを含むため、分割要件を満たさず、請求項1に係る発明は、原出願の特許公開公報(甲第1号証)及び甲第5号証に対して進歩性を有さないことを主張している。
しかしながら、異議理由1について、本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0185】?【0191】及び図8には、当該構成Sについて記載されているといえるので、当該構成Sを追加する補正は、新規事項の追加とはいえず、
異議理由2について、上記のとおり当該構成Sは、発明の詳細な説明に記載されているので、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであり、また、発明の詳細な説明は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえ、
異議理由3について、原出願の願書に最初に添付した明細書の段落【0184】?【0190】及び図8には、当該構成Sについて記載されているといえるので、本件特許は分割要件を満たすため、請求項1に係る発明が原出願の特許公開公報(甲第1号証)及び甲第5号証に対して進歩性を有さないということもできない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スロットマシン
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンとしては、特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-275377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、遊技状態が移行することによる興趣を高めることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
表示結果が導出される前に、遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態において特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、
前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに条件に前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、
を備え、
前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、
前記所定の移行条件は、前記所定の表示結果の組合せの導出であり、
前記第2遊技状態制御手段は、前記第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御し、
前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値は、前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きく、
前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、
前記特定の表示結果の組合せは複数種類あり、
前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異なり、
前記スロットマシンは、
前記第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段と、
前記第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果となったときに、前記特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果となったときに、前記特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段と、
前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段と、
をさらに備える
ことを特徴としている。
本発明の手段1のスロットマシンは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置に表示結果が導出される前に遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB、RB)への移行を伴う特別入賞(特別役)及び該特別入賞以外の一般入賞(小役、再遊技役)を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段(内部抽選)により前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞(特別役)が発生しなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定(特別役の当選フラグ)を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
遊技者にとって有利となる前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作手順を示唆する操作手順示唆手段と、
前記特別遊技状態とは異なる遊技状態であって、前記操作手順示唆手段により前記操作手順が示唆される特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態に制御するための権利(報知状態の権利)を付与する権利付与手段(当選役種類報知抽選)と、
前記権利付与手段により付与された前記権利の数(報知状態の残り回数)を記憶する権利数記憶手段と、
複数ゲームにわたる演出を含み、前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定されている可能性を示唆するとともに、最終的に前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定されているか否かを報知する特定演出(特別役当選示唆演出)を実行する特定演出実行手段と、
前記特定演出(特別役当選示唆演出)は複数種類(演出パターン1?7)からなり、該複数種類の特定演出(特別役当選示唆演出)から前記特定演出実行手段が実行する特定演出の種類(演出パターン)を選択する特定演出選択手段と、
を備え、
前記事前決定手段(内部抽選)は、複数種類の一般入賞(ベル、チェリー、チェリー+1枚、リプレイ(1))について該一般入賞の発生を許容する旨及び前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨を同時に決定することが可能であり、
前記特定演出実行手段は、前記事前決定手段(内部抽選)により前記一般入賞のうち前記特別入賞の発生を許容する旨と同時に決定される可能性が異なる複数種類の同時一般入賞のうちいずれかの種類の同時一般入賞(ベル、チェリー、チェリー+1枚、リプレイ(1))の発生を許容する旨が決定されたことを契機に前記特定演出(特別役当選示唆演出)を実行する同時一般入賞時特定演出実行手段を含み、
前記特定演出選択手段は、前記同時一般入賞時特定演出実行手段が前記特定演出(特別役当選示唆演出)を実行する場合に、前記事前決定手段(内部抽選)により発生が許容する旨が決定された前記同時一般入賞(ベル、チェリー、チェリー+1枚、リプレイ(1))の種類及び前記権利数記憶手段により記憶されている前記権利の数(当選役種類報知の残り回数)に応じて異なる割合で前記複数種類の特定演出(演出パターン1?7)からいずれかの種類の特定演出(演出パターン)を選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別入賞の発生を許容する旨と同時に決定される可能性のある同時一般入賞の発生を許容する旨が決定されたことを契機に特定演出が実行されるので、特定演出に伴い特別入賞の発生が許容されていることに対する遊技者の期待感を高めることができるとともに、同時一般入賞が発生した後、特定演出により特別入賞の発生が許容されているか否かが報知されるまでの期間にわたり特別入賞の発生に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、複数種類の特定演出から選択されたいずれかの種類の特定演出が実行されるとともに、事前決定手段により発生が許容する旨が決定された同時一般入賞の種類及び権利数記憶手段により記憶されている権利の数に応じて異なる割合で特定演出の種類が選択されるようになっており、発生した同時一般入賞の種類及び実行された特定演出の種類の組合せから操作手順示唆手段を作動させる権利の数が示唆され、操作手順示唆手段を作動させる権利の数を推測することが可能となるため、特定演出の結果、特別入賞の発生を許容する旨が決定されていないことが報知された場合であっても、遊技者にとって特定演出が有意なものとなる。
尚、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。また、複数の遊技状態に応じて定められた賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、導出操作手段の操作手順とは、導出操作手段が操作されるタイミングであっても良いし、可変表示装置が複数の可変表示領域から構成され、それぞれに表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段が個々に設けられている場合には、導出操作手段が操作される順序であっても良い。
また、遊技者にとって有利となる前記導出操作手段の操作手順とは、例えば、事前決定手段により発生する旨が許容された入賞が発生する条件となる操作手順や、遊技者にとって有利な遊技状態への移行契機となる表示結果が導出される条件となる操作手順などが該当する。
また、遊技者にとって有利となる前記導出操作手段の操作手順を示唆するとは、遊技者にとって有利となる導出操作手段の操作手順を認識可能な情報を報知するものであれば良く、遊技者にとって有利となる導出操作手段の操作手順を直接的に報知するものであっても良いし、事前決定手段の決定結果を報知することなどにより遊技者にとって有利となる導出操作手段の操作手順を間接的に報知するものであっても良い。
また、前記特定演出選択手段は、前記事前決定手段により発生が許容する旨が決定された前記同時一般入賞の種類及び前記権利数記憶手段により記憶されている前記権利の数に応じて異なる割合で前記複数種類の特定演出からいずれかの種類の特定演出を選択するとは、例えば、同時一般入賞の種類及び権利の数をパラメータとしてこれらの組合せによって異なる割合で特定演出の種類を選択するものであれば良い。
【0011】
本発明の手段2のスロットマシンは、手段1に記載のスロットマシンであって、
前記特定演出選択手段は、前記権利数記憶手段により記憶されている前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数(5)以上であることを条件に、前記複数種類の特定演出(演出パターン1?7)のうち所定の種類(演出パターン7)の特定演出を選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定の種類の特定演出が実行されることで操作手順示唆手段を作動させる権利の数が所定数以上残っていることが確定するため、操作手順示唆手段が作動することで遊技者にとって有利となる状況が継続することへの期待感を高めることができる。
【0012】
本発明の手段3のスロットマシンは、手段2に記載のスロットマシンであって、
前記特定演出選択手段は、複数種類の前記同時一般入賞のうち所定の同時一般入賞(チェリー+1枚)の発生を許容する旨が決定されたことを条件に、前記所定の種類の特定演出(演出パターン7)を選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、操作手順示唆手段を作動させる権利の数が所定数以上残っていることが確定する所定の種類の特定演出は、所定の同時一般入賞の発生を許容する旨が決定されたときのみ実行されるので、他の同時一般入賞の発生を許容する旨が決定されたことを契機として、所定の種類以外の特定演出が実行されても、操作手順示唆手段を作動させる権利の数が所定数以上残っている可能性があり、このような状況であっても操作手順示唆手段が作動することで遊技者にとって有利となる状況が継続することへの期待感を高めることができる。
【0013】
本発明の手段4のスロットマシンは、手段1?3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記特定演出選択手段は、
前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定されているときに、前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定されていないときよりも、予め定められた種類の特定演出(演出パターン3?6)を選択する比率が高くなる割合で前記特定演出の種類(演出パターン)を選択し、
前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定されていないときには、前記権利数記憶手段に記憶されている前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数(1)以上である場合に、前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数未満(0)である場合よりも、前記予め定められた種類の特定演出(演出パターン3?6)を選択する比率が高くなる割合で前記特定演出の種類(演出パターン)を選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別入賞の発生を許容する旨が決定されている可能性の高い予め定められた特定演出が実行され、結果的に特別入賞の発生が許容されていない旨が報知された場合には、操作手順示唆手段を作動させる権利の数が所定数以上残っている可能性が高まるため、特別入賞が期待できる特定演出で外れた場合であっても操作手順示唆手段が作動することで遊技者にとって有利となる状況が継続することへの期待感を高めることができる。
【0014】
本発明の手段5のスロットマシンは、手段1?4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記特定演出選択手段は、前記権利数記憶手段に記憶されている前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数(5)以上である場合に、前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数(5)未満である場合よりも、所定ゲーム数(1ゲーム)以下で終了する第1の種類の特定演出(演出パターン7)及び前記所定ゲーム数(1ゲーム)を超えて継続する第2の種類の特定演出(演出パターン1?6)のうち前記第1の種類の特定演出を選択する比率が高くなる割合で前記特定演出の種類(演出パターン)を選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定演出が短い期間で終了してしまい、特別入賞の発生が許容されていることに対する遊技者の期待感を持続できない場合でも、操作手順示唆手段が作動することで遊技者にとって有利となる状況が継続することへの期待感を高めることができる。
【0015】
本発明の手段6のスロットマシンは、手段1?5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記特定演出実行手段は、第3の種類の特定演出(演出パターン1?3)及び第4の種類の特定演出(演出パターン4?6)のうち第4の種類の特定演出(演出パターン4?6)が選択されている場合にのみ、遊技の進行に関与しない操作(MAXBETスイッチ6の操作)がなされたときに特別演出(カットイン演出)を実行する特別演出実行手段を含み、
前記特定演出選択手段は、前記権利数記憶手段に記憶されている前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数(1)以上である場合に、前記権利の数(報知状態の残り回数)が所定数未満(0)である場合よりも、前記第3の種類の特定演出(演出パターン1?3)及び前記第4の種類の特定演出(演出パターン4?6)のうち前記第4の種類の特定演出(演出パターン4?6)を選択する比率が高くなる割合で前記特定演出の種類(演出パターン)を選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定演出において遊技の進行に関与しない操作がなされることで、操作手順示唆手段を作動させる権利の数が所定数以上残っていることを知ることができるため、遊技の進行に関与しない演出のための操作を伴う演出に対して遊技者が積極的に参加する意欲を高めることができる。
【0016】
本発明の手段7のスロットマシンは、手段1?6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記可変表示装置は、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(リール2L、2C、2R)を有し、
前記複数の可変表示領域(リール2L、2C、2R)の全てに表示結果が導出されたことにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域(リール2L、2C、2R)を通る複数の入賞ライン(入賞ラインL1?L5)のうちいずれかの入賞ライン上に導出された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能であって、
前記事前決定手段(内部抽選)は、
前記同時一般入賞のうち第1の同時一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨を単独で決定する第1の決定(チェリー)、前記第1の同時一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨及び前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨を同時に決定する第2の決定(特別役+チェリー)、前記第1の同時一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨及び前記同時一般入賞のうち前記第1の同時一般入賞と異なる第2の同時一般入賞(1枚)の発生を許容する旨を同時に決定する第3の決定(チェリー+1枚)、前記第1の同時一般入賞(チェリー)の発生を許容する旨、前記第2の同時一般入賞(1枚)の発生を許容する旨及び前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨を同時に決定する第4の決定(特別役+チェリー+1枚)を行うことが可能であり、
前記第1の決定(チェリー)がなされる確率と前記第2の決定(特別役+チェリー)がなされる確率との合算確率に占める前記第2の決定(特別役+チェリー)がなされる確率の比率と、前記第3の決定(チェリー+1枚)がなされる確率と前記第4の決定(特別役+チェリー+1枚)がなされる確率との合算確率に占める前記第4の決定(特別役+チェリー+1枚)がなされる確率の比率と、が異なる確率で前記第1?4の決定を行い、
前記導出制御手段は、
前記第1の決定(チェリー)または前記第2の決定(特別役+チェリー)がなされた第1の条件が成立したときに、前記複数の入賞ライン(入賞ラインL1?L5)のうちの第1の入賞ラインに(入賞ラインL2?L5)、第2の入賞ライン(入賞ラインL1)よりも高い割合で前記第1の同時一般入賞(チェリー)が入賞する図柄の組合せ(チェリー-ANY-ANY)を導出させる制御を行い、
前記第3の決定(チェリー+1枚)または前記第4の決定(特別役+チェリー+1枚)がなされた第2の条件が成立したときに、前記第2の入賞ライン(入賞ラインL1)に、前記第1の入賞ライン(入賞ラインL2?L5)よりも高い割合で前記第1の同時一般入賞(チェリー)が入賞する図柄の組合せ(チェリー-ANY-ANY)を導出させる制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の決定または第2の決定がなされている場合には、第1の入賞ラインに第1の同時一般入賞が入賞する図柄の組合せが導出される可能性が高く、第3の決定または第4の決定がなされている場合には、第2の入賞ラインに第1の同時一般入賞が入賞する図柄の組合せが導出される可能性が高い。すなわち第1の決定または第2の決定がなされている場合に第1の同時一般入賞が発生した場合と、第3の決定または第4の決定がなされている場合に第1の同時一般入賞が発生した場合と、で第1の同時一般入賞が入賞する図柄の組合せが導出されやすい入賞ラインが異なる。そして、第1の決定がなされる確率と第2の決定がなされる確率との合算確率に占める第2の決定がなされる確率の比率と、第3の決定がなされる確率と第4の決定がなされる確率との合算確率に占める第4の決定がなされる確率の比率と、が異なるため、第1の同時一般入賞が発生した際に、第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された入賞ラインによって特別入賞の発生が許容されていることに対する期待度に変化を持たせることができる。さらに、第1の入賞ラインに第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された場合にも、第2の入賞ラインに第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された場合にも、ともに特別入賞の発生が許容されている可能性が示唆されるが、第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せが導出された入賞ラインから特別入賞の発生が許容されているか否かを判別することは不可能であり、第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せがいずれの入賞ラインに導出された場合でも、特別入賞の発生が許容されていることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
尚、第1の入賞ラインに、第2の入賞ラインよりも高い割合で前記第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御とは、第1の入賞ラインに100%の割合で前記第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御を含む。また、第2の入賞ラインに、第1の入賞ラインよりも高い割合で前記第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御とは、第2の入賞ラインに100%の割合で前記第1の同時一般入賞が発生する図柄の組合せを導出させる制御を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図5】入賞として定められた役の構成を示す図である。
【図6】遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。
【図7】リプレイGRを構成する再遊技役の組合せを示す図である。
【図8】リプレイGR当選時において操作手順別に入賞ラインに揃う再遊技役、小役GR当選時において操作手順別に入賞ラインに揃う小役等を示す図である。
【図9】(a)は、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率を示す図であり、(b)は、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率の大小関係を示す図である。(c)は、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率を示す図であり、(d)は、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚を含む役または役の組合せの当選確率の大小関係を示す図である。
【図10】RTの移行状況を示す図である。
【図11】RTの概要を示す図である。
【図12】特別役当選示唆演出の演出パターン別の構成を示す図である。
【図13】特別役当選示唆演出の態様を示す図である。
【図14】特別役当選示唆演出の態様を示す図である。
【図15】特別役当選示唆演出の演出パターンの選択率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0019】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0020】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0021】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0022】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0023】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0024】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
【0025】
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
【0026】
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
【0027】
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を投射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
【0028】
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
【0029】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では遊技状態に関わらず3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0030】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
【0031】
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0032】
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0033】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0034】
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0035】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0036】
電源ボックス100の前面には、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0037】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1?L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0038】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち下向きの山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち上向きの山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0039】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0040】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1?L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1?L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0041】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0042】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0043】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0044】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0045】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0046】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0?16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0047】
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0048】
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0049】
メインCPU41aは、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。
【0050】
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
【0051】
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
【0052】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0053】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行うタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0054】
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
【0055】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0056】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
【0057】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0058】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0059】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0060】
本実施例においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
【0061】
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
【0062】
尚、本実施例では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
【0063】
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
【0064】
本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0065】
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
【0066】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
【0067】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
【0068】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行われる毎に送信される。
【0069】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
【0070】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0071】
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT(0)?(6)のいずれかであるか、BB中であるか、RB中であるか等)及びRTの残りゲーム数、現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後及びゲームの終了時に送信される。
【0072】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0073】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0074】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0075】
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨及び設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
【0076】
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
【0077】
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。
【0078】
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。
【0079】
操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上有効な状態であるか、無効な状態であるか(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。)、を示すコマンドであり、これらスイッチの検出状態が変化したときに、その操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信される。
【0080】
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
【0081】
通常コマンド送信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
【0082】
ドアコマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のドア監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられたドアコマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
【0083】
ドアコマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファとは別個に設けられており、ドアコマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。ドアコマンド送信用バッファには、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。尚、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信が命令されるようになっている。
【0084】
操作検出コマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のスイッチ監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられた操作検出コマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
【0085】
操作検出コマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファ及びドアコマンド送信用バッファとは別個に設けられており、操作検出コマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。操作検出コマンド送信用バッファには、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態、及びその時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドが格納される。また、操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、当該操作検出コマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納される操作検出コマンドによって上書きされるようになっている。尚、これらスイッチのうちいずれかの検出状態が変化したときに、操作検出コマンド送信要求が設定されるようになっており、この操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信が命令されるようになっている。
【0086】
本実施例においてメインCPU41aは、0.56msの間隔でタイマ割込処理を実行する。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1?4が繰り返し行われるようになっており、これらタイマ割込1?4に固有な処理が2.24msの間隔で行われることとなる。そして、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を行うコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。
【0087】
一方、サブCPU91aでは、後述する受信用バッファにバッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行った場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
【0088】
しかしながら、本実施例では、前述のようにメインCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行するとともに1回のコマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドのうちの1つのみ送信することで、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。
【0089】
本実施例では、起動処理またはゲーム処理においてゲームの進行に応じてドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに格納する。ドアコマンドは、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定された場合、またはドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合に、ドアコマンド送信用バッファに格納される。操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10のいずれかの検出状態が変化した場合に、操作検出コマンド送信用バッファに格納される。
【0090】
タイマ割込2内のコマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納された未送信のドアコマンドの送信要求、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信要求が検知されると、遅延時間が設定され、設定した遅延時間が経過した時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドが送信される。
【0091】
具体的には、コマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを検知すると、0?17の範囲に設定された遅延用乱数値を取得し、RAM41cの特別ワークに設けられた遅延カウンタに設定する。
【0092】
この際、当該遅延カウンタ値を設定したコマンド送信処理及びその後のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理において遅延カウンタ値を1ずつ減算していき、遅延カウンタ値が0となった時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを送信する。
【0093】
すなわち、コマンド送信処理において検知されたコマンドは、コマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)の倍数に相当する時間、詳しくはその際取得した遅延カウンタの値から1を減算した値にコマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)を乗じた時間{遅延カウンタの値は0?17の値なので0?35.84ms}が経過した後、送信されることとなる。
【0094】
尚、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、基本処理に割り込んで行うタイマ割込処理(メイン)内で行われるため、コマンドの遅延により処理が滞ってしまうことがない。
【0095】
また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち通常コマンド送信用バッファには複数のコマンドを蓄積できるようになっている。このため、コマンドの送信が遅延されることに伴ってゲームの進行が停止してしまうことを回避できる。尚、通常コマンド送信用バッファが未送信のコマンドで満タンの場合はこの限りでない。
【0096】
また、コマンド格納処理では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納する際にこれらコマンドをその生成順に格納するとともに、コマンド送信処理では通常コマンド送信用バッファに格納された順番でコマンドを送信するようになっている。すなわち通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成された順番で送信されるようになっている。
【0097】
尚、電源投入コマンド及び初期化コマンドについては、最優先で送信されるようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されるよりも前に他の通常コマンド(以下、ドアコマンド、操作検出コマンド、電源投入コマンド及び初期化コマンド以外のコマンドを通常コマンドと呼ぶ)が既に格納されている場合(初期化コマンドの場合、その前に通常コマンド送信用バッファ内の格納データもクリアされるため、既に通常コマンドが格納されていることはない)であっても、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが優先して送信される。
【0098】
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
【0099】
尚、通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドが電源投入コマンド、初期化コマンドである場合、または通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態でドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドを優先して送信し、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドが送信された後、ドアコマンドを送信する。送信待ちの通常コマンドを送信した後、通常コマンド送信用バッファに未送信の通常コマンドが残っている場合には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信する。
【0100】
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
【0101】
尚、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、送信待ちの操作検出コマンドを優先して送信し、送信待ちの操作検出コマンドが送信された後、通常コマンドまたはドアコマンドを送信する。
【0102】
メインCPU41aは、約100ms毎にドア開放検出スイッチ25の検出状態を監視する。詳しくは、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込1?4のいずれでも行う、すなわち0.56ms毎に行うポート入力処理においてドア開放検出スイッチ25からの検出信号を正論理化した入力状態(ドア開放検出スイッチ25ON=1(ドア開放状態)、ドア開放検出スイッチ25OFF=0(ドア閉塞状態))を取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行う、すなわち2.24ms毎に行うドア監視処理において、前述のポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約100ms(ドア監視処理45回)論理和し続け、その結果を使用してドア開放検出スイッチ25の検出状態を判定する。そして、約100msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出された場合には、ドア開放検出スイッチ25のONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出されていない場合には、ドア開放検出スイッチ25のOFFと判定する。この判定の結果と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、が一致すればドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化なしと判定し、一致しなければドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを、変化後の検出状態を示すドアコマンドに更新し、ドアコマンド送信要求2を設定して当該ドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定した場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
【0103】
また、メインCPU41aは、電源投入時または1ゲーム終了時に、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求する。一方ドア監視処理においては、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンドの送信要求ありと判定し、ドアコマンド送信要求2を設定してドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
【0104】
このようにドアコマンドの送信を命令する場合には、併せて外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新も要求されるため、ドア開放信号の出力状態は、ドアコマンドの送信命令にリンクして更新されるようになっている。
【0105】
本実施例では、前述のようにドアコマンドを通常コマンドよりも優先して行うとともに、ドアコマンドについても他のコマンドと同様にランダムに決定された遅延時間が経過した後に送信される。一方、コマンドの遅延時間の最大が35.84msであるので、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態でドアコマンドの送信が要求された場合には、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに約72ms必要とするが、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも短いと、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合に、その変化し続けている間は、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドが送信されないこととなるため、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしてしまう可能性がある。このため、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
【0106】
メインCPU41aは、約10ms毎に1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を監視する。詳しくは、0.56ms毎に行う前述のポート入力処理において1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10からの検出信号を正論理化した入力状態(ON=1、OFF=0)をそれぞれ取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行う、すなわち2.24ms毎に行うスイッチ監視処理において、前述のポート入力処理において取得した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約10ms(ドア監視処理5回)それぞれ別個に論理和し続け、その結果を使用して1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を判定する。そして、約10msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもONが検出された場合には、該当するスイッチのONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もONが検出されていない場合には、該当するスイッチのOFFと判定する。この判定の結果と、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態と、が一致すれば検出状態に変化なしと判定し、一致しなければいずれかのスイッチの検出状態が変化したと判定し、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドを、変化後の検出状態を示すとともに、その時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドに更新し、操作検出コマンド送信要求を設定して当該操作検出コマンドの送信を命令する。
【0107】
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0108】
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0109】
受信用バッファには、最大で128個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
【0110】
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う。
【0111】
尚、本実施例では、サブCPU91aがタイマ割込処理(サブ)を行う時間間隔(1.12ms)が、メインCPU41aがコマンドを送信する時間間隔(2.24ms)よりも短い間隔であるため、通常のゲームに伴う動作が行われていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されることとなり、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはなく、メインCPU41aから送信されたコマンドを受信すると、その後最初に行われるタイマ割込処理(サブ)によって受信したコマンドは読み出され、コマンドに対応する処理が行われる。
【0112】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0113】
尚、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0114】
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
【0115】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
【0116】
制御パターンテーブルには、特定のコマンド(待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、サブCPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。
【0117】
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。尚、特別役の当選を報知する確定演出が実行されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。
【0118】
打止状態の発生を示す打止コマンド受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。
【0119】
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨及びその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
【0120】
初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信するとデモ演出が実行されることとなる。
【0121】
特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための特別役告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。尚、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。
【0122】
サブCPU91aは、ドアコマンドの受信に基づき、前面扉1bが開放されている旨を示すドア開放報知を行う。詳しくは、サブCPU91aがドアコマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信しなかった場合に、受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行う。ドア開放報知では、演出効果LED52を点滅させ、液晶表示器51にドア開放報知画面を表示させるとともに、エラー警告音を出力する。そして、その後ドアコマンドを受信し、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信せずにドアコマンドが示す検出状態が確定検出状態となり、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止し、もとの演出に復帰する。
【0123】
また、最後にドアコマンドを受信してから、100ms経過しないうちに新たにドアコマンドを受信したときは、その前に受信したコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とせず、新たなドアコマンドの受信後、100ms経過してもさらにドアコマンドを受信しなかった場合に、最後に受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行い、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する。
【0124】
このため、ドア開放報知を行っていない状態で、ドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知は行われず、ドア開放報知を行っている状態で、ドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知を停止しない。
【0125】
また、ドアコマンドを受信した後、100ms以内に新たにドアコマンドを受信し、さらにその後100ms以内に新たにドアコマンドを受信した場合など、100ms以内の間隔で連続してドアコマンドを受信した場合には、その間、ドア開放報知の状態は維持し(ドア開放報知を行っていない状態であれば、ドア開放報知を開始することがなく、ドア開放報知を行っている状態であれば継続する)、最後に受信したドアコマンドの後、100ms経過した時点で確定した検出状態に基づきドア開放報知の状態を決定し、それまでドア開放報知が行われており、かつ確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を継続し、確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する一方、それまでドア開放報知が行われておらず、かつ確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知は行わず、確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を開始する。
【0126】
このように本実施例では、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行わず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいてドア開放報知を行うようになっている。
【0127】
遊技制御基板40などのスロットマシン1の内部の部品に対して何らかの不正行為を行うには前面扉1bを開放する必要があるが、本実施例では、前面扉1bが開放されると、その旨が報知されるため、このような不正を効果的に防止できるとともに、不正がなされても早期に発見することができる。
【0128】
従来、前面扉の開放を報知するものにおいては、遊技制御手段の制御負荷を軽減するために演出制御手段がエラー報知を行うにも関わらず、遊技制御手段に入力された信号に基づいて遊技制御手段が前面扉が開放したか否かを判定する必要があり、遊技制御手段の制御負荷を十分に軽減することができない。
【0129】
これに対して本実施例では、メインCPU41aがドア開放検出スイッチ25の検出状態を約100ms毎に監視し、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した際に、変化後の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行わず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいてドア開放報知を行うようになっているため、メインCPU41aは、前面扉1bの開放を報知するにあたって、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放しているか否かの判定(ドア開放検出スイッチ25のチャタリング防止判定など)を行う必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
【0130】
また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化していない場合でも、メインCPU41aの起動時及び1ゲーム終了時には、その時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するので、サブCPU91aが変化時のドアコマンドを取りこぼした場合であっても、起動時及び1ゲーム終了時には必ずドア開放検出スイッチ25の検出状態を取得できるため、このように変化時のドアコマンドを取りこぼした後、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化しない場合でも、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の変化がドア開放報知に反映されない状態が継続してしまうことを防止できる。
【0131】
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔と、ドアコマンドの送信間隔と、の誤差を極力抑えられるようになっている。
【0132】
尚、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態では、ドアコマンドよりも遅延中の通常コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。また、電源投入コマンド及び初期化コマンドについては、ドアコマンドを含む全てのコマンドよりも優先して送信するようになっており、他のコマンドを先に送信することによりサブCPU91aの復帰が遅れてしまうことがない。
【0133】
また、本実施例では、ドアコマンドの送信を命令するドアコマンド送信要求2が一度設定されると、当該命令に基づくドアコマンドが送信されるまで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化してもドアコマンドが更新されないようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信待ちの状態においてドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合にも、ドアコマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
【0134】
また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられており、ドアコマンドを通常コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
【0135】
また、本実施例では、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、ドアコマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んでドアコマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらにドアコマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられることで、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
【0136】
また、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
【0137】
サブCPU91aは、操作検出コマンドの受信に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作がなされたか否かを判定する。詳しくは、サブCPU91aが操作検出コマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たに操作検出コマンドを受信しなかった場合に、受信した操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態を確定検出状態とし、前回の確定検出状態と比較していずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチが操作された旨を判定し、いずれかのスイッチがONの状態からOFFの状態に変化していれば、該当するスイッチの操作が解除された旨を判定する。
【0138】
このため、操作検出コマンドを受信し、いずれかのスイッチの検出状態が変化している場合でも、その後100ms以内に、変化前と同じ検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、スイッチの操作またはその操作の解除は判定されない。
【0139】
このように本実施例では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上、有効な状態であるか、無効な状態であるか、を示す操作検出コマンドが、これらスイッチの検出状態が変化したときに、これらスイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信されるようになっており、サブCPU91aもメインCPU41aが検出した操作を、その操作が有効に操作されたか否かに関わらず特定できるので、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作が有効になされて遊技の制御が進行するタイミングと一致するタイミングに加えて、これらのスイッチの操作が無効な状態で操作された場合、すなわち遊技の進行の制御に直接関わらないタイミングで演出を実行することが可能となる。
【0140】
すなわち演出用の操作を行うために、新たな検出手段を搭載せずとも、本来であればゲームを進行させるために搭載され、メインCPU41aが検出する操作手段を用いて、これら操作手段がゲームの進行上は無効化されている状態であっても演出用の操作を行うことが可能となり、サブCPU91aは、これら操作手段の操作を利用して演出を実行できるので、演出のタイミングに多様性を持たせることができる。
【0141】
また、操作検出コマンドから各スイッチの操作が有効な状態であるか、無効な状態であるか、を特定できるようになっており、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、スイッチの操作の受付が有効な期間にされているか否かに応じて適切な演出を実行することができる。
【0142】
また、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたり、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を示す操作検出コマンドを送信するのみで、その検出状態からスイッチが操作されているか否かの判定は行わず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信した操作検出コマンドが示す検出状態に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10が操作されているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいてこれらスイッチの操作状況を把握できるようになっているため、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたって、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行制御上は関係のないスイッチについてまで操作されているか否かの判定(チャタリング防止判定など)を行う必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
【0143】
尚、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行上は関係のないスイッチが操作された場合のみ、操作検出コマンドを送信するようにしても良く、このような構成とした場合には、サブCPU91aが、有効に操作されたことに伴う他のコマンドと重複して操作検出コマンドを受信する必要がなく、無駄な操作検出コマンドの受信を除外できることとなるため、サブCPU91a側の制御負荷を軽減することができる。
【0144】
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、操作検出コマンドの送信によって通常コマンドやドアコマンドの送信が遅れてしまうことがない。
【0145】
尚、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合には、遅延中の操作検出コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。
【0146】
また、本実施例では、操作検出コマンドの送信を命令する操作検出コマンド送信要求が一度設定されると、当該命令に基づく操作検出コマンドが送信されるまで、いずれかのスイッチの検出状態が変化しても操作検出コマンドが更新されないようになっており、操作検出コマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
【0147】
また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファ及びドアコマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられており、通常コマンドやドアコマンドを操作検出コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
【0148】
また、本実施例では、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、操作検出コマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んで操作検出コマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらに操作検出コマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられることで、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
【0149】
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、RT(0)(リプレイタイム(0)或いは初期遊技状態)、RT(1)(リプレイタイム(1))、RT(2)(リプレイタイム(2))、RT(3)(リプレイタイム(3))、RT(4)(リプレイタイム(4))、RT(5)(リプレイタイム(5))、RT(6)(リプレイタイム(6))があるが、どの遊技状態においても賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBであるか、RT(0)?(6)のいずれであるか、に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1?L5が有効化されるようになっており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1?L5が有効化されることとなる。
【0150】
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0151】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0152】
このスロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナス(1)(2)をBB(1)(2)とする)が、小役としてチェリー、1枚(1)(2)、12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、ベルが、再遊技役としてリプレイ(1)?(6)が定められている。
【0153】
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー-ANY-ANY」の組合せが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L3または入賞ラインL4、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、2枚のメダルが払い出されることとなる。
【0154】
1枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ-黒7-白7」の組合せが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。1枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ-網7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。尚、以下では、1枚(1)、1枚(2)をまとめて単に1枚と呼ぶことがある。12枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。12枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「網7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。12枚(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-ベル-白チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。尚、以下では、12枚(1)?(3)をまとめて単に12枚と呼ぶことがある。11枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。11枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「網7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。11枚(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、11枚のメダルが払い出される。尚、以下では、11枚(1)?(3)をまとめて単に11枚と呼ぶことがある。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、9枚のメダルが払い出される。
【0155】
リプレイ(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7-リプレイ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(4)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7-リプレイ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(5)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-黒チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(6)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)?(6)が入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0156】
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7-網7-網7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルとチェリーの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
【0157】
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「BAR-BAR-BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7-黒7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
【0158】
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が360枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
【0159】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0?16383の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役及び役の組合せについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役及び役の組合せの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組合せの判定値数から、特別役、小役、再遊技役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役または再遊技役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の小役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の再遊技役が重複して当選する判定値の範囲、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は排他的なものではなく、1ゲームにおいて複数種類の役が同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
【0160】
本実施例では、図6及び図7に示すように、遊技状態が、RT(0)であるか、RT(1)?(5)であるか、RT(6)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及び役の組合せが異なる。
【0161】
遊技状態がRT(0)では、RB、BB(1)、BB(2)、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚(1)、RB+チェリー+1枚(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚(1)、BB(1)+チェリー+1枚(2)、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚(1)、BB(2)+チェリー+1枚(2)、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、リプレイ(1)、リプレイGR(1)(リプレイ(2)+リプレイ(3))、リプレイGR(2)(リプレイ(2)+リプレイ(4))、リプレイGR(3)(リプレイ(5)+リプレイ(6))、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)(12枚(1)+11枚(2))、小役GR(2)(12枚(1)+11枚(3))、小役GR(3)(12枚(2)+11枚(1))、小役GR(4)(12枚(2)+11枚(3))、小役GR(5)(12枚(3)+11枚(1))、小役GR(6)(12枚(3)+11枚(2))、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0162】
遊技状態がRT(1)?(5)では、RB、BB(1)、BB(2)、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚(1)、RB+チェリー+1枚(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚(1)、BB(1)+チェリー+1枚(2)、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚(1)、BB(2)+チェリー+1枚(2)、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)、小役GR(6)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0163】
遊技状態がRT(6)では、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)、小役GR(6)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0164】
遊技状態がRBでは、チェリー、チェリー+1枚(1)、チェリー+1枚(2)、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)、小役GR(6)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0165】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せ及び現在の遊技状態に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
【0166】
そして、いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0167】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
【0168】
メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0169】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(例えば、BB(1)+リプレイ(1)当選時と、BB(2)+リプレイ(1)当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0170】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0171】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0172】
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0?167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0?20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0?20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0?20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0173】
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0174】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0175】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0176】
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0177】
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0178】
また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0179】
本実施例では、入賞ラインとして図1に示すL1?L5の態様を採用しており、役の構成図柄のうち中リールの構成図柄が、中段に停止し、かつ左、右リールの構成図柄が、上段、中段、下段のいずれかに停止すれば、当該役がいずれかの入賞ライン上に揃うこととなる。このため、中リールについては、4図柄以内の間隔で配置された図柄(「スイカ」「リプレイ」「ベル」)であれば、停止操作のタイミングに関わらず、必ずいずれかの入賞ラインに停止させることが可能であり、左、右リールについては、6図柄以内の間隔で配置された図柄(左リールでは「オレンジ」「ベル」「リプレイ」、右リールでは「スイカ」「ベル」「リプレイ」「白チェリー」)であれば、停止操作のタイミングに関わらず、必ずいずれかの入賞ラインに停止させることが可能である。また、中リールについては、停止操作の順番に関わらず、図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えるためには、その図柄を含む5図柄の範囲で停止操作を行う必要があるが、左、右リールについては、停止操作の順番に関わらず、図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えるためには、その図柄を含む7図柄の範囲で停止操作を行えば良い。
【0180】
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
【0181】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合(BB(1)+チェリー、BB(1)+ベルなど)には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0182】
尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
【0183】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB(1)+リプレイ(1)など)には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0184】
複数種類の小役が同時に当選している場合(チェリー+1枚(特別役と同時当選している場合も同じ)や小役GR(1)?(6))には、当選した小役のいずれについても入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した双方の小役を引込可能な停止操作位置については、当選した小役のうち払出枚数の多い小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の少ない小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、払出枚数の多い小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、払出枚数の多い小役を引き込めない場合にのみ、払出枚数の少ない小役を入賞させることが可能となる。
【0185】
また、本実施例では、図8に示すように、小役GR(1)?(6)が当選している場合に、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、さらに左リールを第1停止とした場合には、その停止操作がなされたタイミングに応じて異なる図柄の組合せを入賞ライン上に停止させる制御が行われる。
【0186】
小役GR(1)(12枚(1)+11枚(2))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲(20、0?5番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲(13?19番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(3)が成立する。
【0187】
小役GR(2)(12枚(1)+11枚(3))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(2)が成立する。
【0188】
小役GR(3)(12枚(2)+11枚(1))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(3)が成立する。
【0189】
小役GR(4)(12枚(2)+11枚(3))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(1)が成立する。
【0190】
小役GR(5)(12枚(3)+11枚(1))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(1)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(2)が成立する。
【0191】
小役GR(6)(12枚(3)+11枚(2))が当選し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「白7-ベル-白チェリー」が揃い、RT(0)(1)(4)からRT(2)への移行契機となる12枚(3)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-スイカ-スイカ」が揃い、11枚(2)が入賞し、左リールを第1停止とし、かつ左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-スイカ-リプレイ」が揃い、RT(1)からRT(0)への移行契機となる移行役(1)が成立する。
【0192】
このように本実施例では、左リールにおいて12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)を構成する「黒7」「網7」「白7」の引込範囲がそれぞれ異なり、小役GR(1)?(6)の当選時においては、左リールを第1停止とし、左リールの停止操作のタイミングを選択することで、12枚を入賞させるか、11枚を入賞させるか、移行役を成立させるか、を選択することが可能となる。
【0193】
一方で、小役GR(1)?(6)が当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に12枚を入賞させるか、11枚を入賞させるか、移行役を成立させるか、を選択することは不可能であり、小役GR(1)?(6)が当選し、左リールを第1停止とした場合には、それぞれ1/3の確率で12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。本実施例では、RT(0)?RT(6)において小役GR(1)?(6)の当選確率がそれぞれ約1/48であり、約1/8で小役GR(1)?(6)のいずれかが当選することとなるため、RT(0)?(6)では、それぞれ約1/24の確率で12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。
【0194】
また、左リールの領域のうちどの領域についても12枚(1)?(3)、11枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)を構成する「黒7」「網7」「白7」をいずれかの入賞ラインに引き込む領域が存在しており、「黒7」「網7」「白7」を入賞ラインに引き込むことを回避可能な領域が存在せず、意図的に12枚、11枚、移行役を入賞または成立を回避することは不可能であり、小役GR(1)?(6)が当選した場合には、12枚、11枚、移行役のいずれかが入賞または成立することとなる。
【0195】
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイGR(1)?(3))には、図8に示すように、当選した再遊技役のうち同時当選した再遊技役のグループ及び左リールの停止操作のタイミングまたは右リールの停止操作のタイミングに応じて定められた再遊技役を入賞ラインに停止させる制御が行われる。
【0196】
リプレイGR(1)(リプレイ(2)+リプレイ(3))が当選し、左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲(6?12番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「黒7-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)が入賞し、左リールの停止操作が「網7」の引込範囲(20、0?5番図柄)内のタイミングまたは「白7」の引込範囲(13?19番図柄)内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「リプレイ-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞する。図3に示すように、左リールにおいてリプレイ(3)を構成する「黒7」、リプレイ(2)を構成する「リプレイ」は6コマ以内の間隔で配置され、中リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「リプレイ」は4コマ以内の間隔で配置され、右リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「スイカ」は6コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(1)が当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(2)(3)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
【0197】
リプレイGR(2)(リプレイ(2)+リプレイ(4))が当選し、左リールの停止操作が「網7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「網7-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(4)が入賞し、左リールの停止操作が「黒7」の引込範囲内のタイミングまたは「白7」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「リプレイ-リプレイ-スイカ」が揃い、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞する。図3に示すように、左リールにおいてリプレイ(4)を構成する「黒7」、リプレイ(2)を構成する「リプレイ」は6コマ以内の間隔で配置され、中リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「リプレイ」は4コマ以内の間隔で配置され、右リールにおいてリプレイ(2)(3)を構成する「スイカ」は6コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(2)が当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(2)(4)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
【0198】
リプレイGR(3)(リプレイ(5)+リプレイ(6))が当選し、右リールの停止操作が「黒チェリー」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「ベル-ベル-黒チェリー」が揃い、RT(0)からRT(4)への移行契機となるリプレイ(5)が入賞し、右リールの停止操作が「BAR」の引込範囲内のタイミングでなされた場合には、いずれかの入賞ラインに「ベル-ベル-BAR」が揃い、RT(0)からRT(4)への移行契機となるリプレイ(6)が入賞する。図3に示すように、右リールにおいてリプレイ(5)(6)を構成する「ベル」は6コマ以内の間隔で配置され、中リールにおいてリプレイ(5)(6)を構成する「ベル」は4コマ以内の間隔で配置され、右リールにおいてリプレイ(5)を構成する「黒チェリー」、リプレイ(6)を構成する「BAR」は6コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(3)が当選した場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(5)(6)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
【0199】
このように本実施例では、リプレイGR(1)(2)が当選した場合には、リプレイ(2)?(4)のいずれも入賞させることは可能であるが、リプレイGR(1)が当選したか、リプレイGR(2)が当選したか、によって、リプレイ(3)(4)の入賞条件となる左リールの停止操作のタイミングが異なり、リプレイ(3)(4)の入賞条件となる左リールの停止操作のタイミングが一致すれば、RT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞するが、一致しない場合には、RT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞することとなる。尚、リプレイGR(1)が当選したか、リプレイGR(2)が当選したか、が分からなければ、意図的にリプレイ(3)(4)を入賞させることは不可能であり、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合には、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、1/2の確率でRT(0)からRT(3)への移行契機となるリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞し、1/2の確率でRT(0)からRT(5)への移行契機となるリプレイ(2)が入賞することとなる。本実施例では、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)の当選確率がそれぞれ約1/6.3であり、約1/3.14でリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選することとなるため、RT(0)では、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、約1/6.3の確率でリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞し、約1/6.3の確率でリプレイ(2)が入賞することとなる。
【0200】
また、リプレイGR(3)が当選した場合には、停止操作の手順に関わらず、RT(0)からRT(4)への移行契機となるリプレイ(5)またはリプレイ(6)が必ず入賞することとなる。本実施例では、RT(0)においてリプレイGR(3)が約1/94の確率で当選するため、RT(0)では、約1/94の確率でリプレイ(5)またはリプレイ(6)が入賞することとなる。
【0201】
本実施例においてメインCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
【0202】
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0203】
従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時に用いるリールの停止制御パターンと、小役と特別役の同時当選時に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとすることで、リールの停止態様に応じて特別役の当選を判別できることができるものの、リールの停止態様に応じて特別役の当選以外の情報を示唆するものではなかった。また、従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時の停止態様と、小役と特別役の同時当選時の停止態様と、が異なるため、その停止態様に応じて特別役に当選しているか否かを遊技者から判別できてしまい、特別役に当選していない場合には、期待感が損なわれてしまうという問題がある。
【0204】
そこで本実施例では、本実施例では、チェリー、BB(BB(1)(2))+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB(BB(1)(2))+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、入賞ラインに「チェリー-ANY-ANY」を揃える制御を行うが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選している場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5のみに揃える制御を行うのに対して、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL1?L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL1に揃える制御を行い、「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL1に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみ「チェリー-ANY-ANY」を入賞ラインL2?L5に揃える制御を行うようになっている。
【0205】
すなわち、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段のみに停止させる制御を行い、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段よりも高い割合で中段に揃える制御を行うようになっている。
【0206】
このため、図9(a)に示すように、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選している場合には、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段または下段のみに停止し、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合には、左リールにおいて「チェリー」図柄が中段に停止する可能性が高い。すなわちチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、チェリーが入賞した場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選している場合にチェリーが入賞した場合と、で左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置が異なる。
【0207】
そして本実施例では、図9(a)及び(b)-(1)に示すように、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C+E)に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C)の比率よりもチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D+F)に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)の比率が高くなる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。
【0208】
これにより、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方がBBまたはRB、すなわち特別役と同時に当選している割合が高まることとなるため、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
【0209】
さらに、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であっても中段であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置から特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段、中段、下段のいずれに停止した場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
【0210】
また、本実施例では、図9(a)及び(b)-(2)に示すように、内部抽選においてBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値(A+C)に占めるBB+チェリーの当選確率の合算値(A)の比率よりもBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B+D)に占めるBB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B)の比率が高くなる確率にてBB+チェリー、RB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。
【0211】
これにより、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方がBB、すなわちRBよりも多くのメダルの獲得が期待できる特別役と同時に当選している割合が高まることとなるため、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によってBB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
【0212】
さらに、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置からBBが当選しているか、RBが当選しているか、を判別することは不可能であり、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段、中段、下段のいずれに停止した場合でも、BB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
【0213】
また、本実施例では、図9(a)及び(b)-(3)に示すように、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(A1+B1+C1+D1+E1+F1)に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B1+D1+F1)の比率よりも設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(A2+B2+C2+D2+E2+F2)に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値(B2+D2+F2)の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行っている。
【0214】
これにより、チェリーと1枚のうちスイカが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が、設定値として設定4?6、すなわち設定1?3が設定されている場合よりも遊技者にとって有利な設定値が設定されている割合が高まることとなるため、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができる。
【0215】
さらに、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置から設定値として設定1?3が設定されているか、設定4?6が設定されているか、を判別することは不可能であり、左リールにおいて「チェリー」図柄が上段、中段、下段のいずれに停止した場合でも、設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されていることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
【0216】
また、本実施例では、左リールにおいてチェリーを構成する「チェリー」を引き込むことが可能な停止操作位置と左リールにおいて1枚(1)(2)を構成する「スイカ」を引き込むことが可能な停止操作位置とが異なり、左リールにおいてこれら「チェリー」と「スイカ」とを同時に狙って停止操作を行うことができないようになっている。また、チェリーは、左リールにおいていずれかの入賞ラインに「チェリー」が停止するのみで入賞するが、1枚(1)(2)は、中、右リールにおいてそれぞれ同時に引き込むことが可能な停止操作位置が存在しない図柄「中リールでは「黒7」と「網7」、右リールでは「白7」と「黒7」)にて構成されており、1枚(1)、1枚(2)の双方を入賞させることが可能な停止操作の手順は存在しない。すなわち、チェリー+1枚の当選時には、左リールにおいて「チェリー」を狙って停止操作を行っていれば、チェリーを確実に入賞させることができるが、チェリーと同時に当選する1枚が1枚(1)であるか、1枚(2)であるか、が分からなければ、1枚(1)、1枚(2)についてはどちらか一方しか入賞させることができず、どちらか一方は取りこぼすこととなる。このため、1枚(1)(2)よりもチェリーを狙って停止操作を行うことを遊技者に対して促すことが可能となり、特別役の当選可能性などが示唆される左リールの「チェリー」の停止位置に対して効果的に着目させることができる。
【0217】
尚、本実施例では、内部抽選においてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行っているが、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚のみ抽選対象として、チェリー、チェリー+1枚が当選する場合にはBBまたはRBと必ず同時に当選するようにしても良い。
【0218】
また、本実施例では、チェリー、チェリー+1枚とBB、RBがともに同時当選するが、チェリー、チェリー+1枚とBB、RBのうちいずれか一方のみが同時当選する構成であっても良い。
【0219】
また、本実施例では、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄が上段、下段にのみ停止し、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄がの中段に停止しやすくなっているが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しているか、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しているか、によって停止しやすい位置が異なる構成であれば良く、例えば、一方の場合に上段、中段、下段のうちの特定の位置に停止しやすく、他方の場合に特定の位置とは異なる位置に停止しやすい構成であっても良い。
【0220】
また、本実施例では、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段のみに停止させる制御を行い、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を上段、下段よりも高い割合で中段に揃える制御を行うようになっているが、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリ一」図柄を中段よりも高い割合で上段、下段に揃える制御を行うようにしたり、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、「チェリー」図柄を中段のみに揃える制御を行うようにしても良い。
【0221】
また、本実施例では、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしても良い。
【0222】
また、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしても良い。
【0223】
また、内部抽選においてチェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてチェリー、BB+チェリー、RB+チェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしても良い。
【0224】
また、本実施例では、内部抽選においてBB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてBB+チェリー、RB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによってBB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてBB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリーの当選確率の合算値の比率と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率と、が異なる確率にてBB+チェリー、RB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して停止させる位置が異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによってBB及びRBのうちより有利度の高いBBの当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようにしても良い。
【0225】
また、本実施例では、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率よりも設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようになっているが、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率よりも設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。
【0226】
また、設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか一方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率よりも設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか他方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。
【0227】
また、設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか一方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率よりも設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか他方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーの当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。
【0228】
また、設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか一方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率よりも設定値が1?3または設定値が4?6のいずれか他方の場合におけるチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚、BB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、BB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようにしても良い。
【0229】
また、本実施例では、特別役が当選しているか否かに関わらず、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようになっているが、内部抽選において、設定値が1?3の場合におけるBB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率よりも設定値が4?6の場合におけるBB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるBB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚の当選確率の合算値の比率が高くなる確率にてBB+チェリー、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚の抽選を行い、かつ設定値が1?3の場合におけるチェリー、チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚の当選確率の比率と、設定値が4?6の場合におけるチェリー、チェリー+1枚の当選確率の合算値に占めるチェリー+1枚の当選確率の比率と、が同じとなる確率にてチェリー、チェリー+1枚の抽選を行い、チェリー、BB+チェリー、RB+チェリーが当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、チェリー+1枚、BB+チェリー+1枚、RB+チェリー+1枚が当選しており、左リールにおいて「チェリー」図柄を停止させることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御するようにしても良く、このようにすることで、BBまたはRBが同時に当選していることを条件に、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置の違いによって設定値が遊技者に有利な設定値であるか否かを推測することができるようになる。
【0230】
また、本実施例では、設定値が設定1?3の場合と設定4?6の場合とで左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置が異なるようになっているが、有利度の異なる複数種類の設定値のうち少なくとも1の設定値と他の少なくとも1の設定値とで左リールにおいて「チェリー」図柄が停止しやすい位置が異なるものであれば良い。
【0231】
また、本実施例では、BBまたはRBが当選している場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合で、かつ設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインL1に、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、BBまたはRBが当選している可能性が高く、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性が高く、かつ有利度の高い設定値が設定されている可能性が高い旨を示唆するようになっており、チェリーが入賞した際に、有利な状態であることに対する遊技者の期待度にメリハリを持たせることができることから好ましいが、BBまたはRBが当選している場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合、或いは設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合の少なくともいずれか一方の場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインとは異なる入賞ラインに、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、BBまたはRBが当選している可能性が高い旨が示唆されない場合でも、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されることとなり、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されない場合でも、BBが当選している可能性が高い旨が示唆されることとなるため、一方では不利な可能性が示唆されても他方で有利な可能性を期待させることができる。
【0232】
また、BB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BBまたはRBが当選している場合、或いは設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合の少なくともいずれか一方の場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインとは異なる入賞ラインに、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性が高い旨が示唆されない場合でも、BBまたはRBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されることとなり、BBまたはRBが当選している可能性或いは有利度の高い設定値が設定されている可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されない場合でも、RBよりも有利度の高いBBが当選している可能性が高い旨が示唆されることとなるため、一方では不利な可能性が示唆されても他方で有利な可能性を期待させることができる。
【0233】
また、設定1?6のうちより有利度の高い設定4?6が設定されている場合において、入賞ラインL1?L5のうち、BBまたはRBが当選している場合、或いはBB及びRBのうちでより有利度の高いBBが当選している場合の少なくともいずれか一方の場合に「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすい入賞ラインとは異なる入賞ラインに、「チェリー-ANY-ANY」が揃いやすくすることで、有利度の高い設定値が設定されている可能性が高い旨が示唆されない場合でも、BBまたはRBが当選している可能性或いはRBよりも有利度の高いBBが当選している可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されることとなり、BBまたはRBが当選している可能性或いはRBよりも有利度の高いBBが当選している可能性の少なくとも一方の可能性が高い旨が示唆されない場合でも、有利度の高い設定値が設定されている可能性が高い旨が示唆されることとなるため、一方では不利な可能性が示唆されても他方で有利な可能性を期待させることができる。
【0234】
また、本実施例では、図9(c)及び(d)に示すように、チェリー+1枚、特別役+チェリー+1枚の当選確率の合算値(d+h)に占める特別役+チェリー+1枚の当選確率の合算値(d)の比率が最も高く、次いでチェリー、特別役+チェリーの当選確率の合算値(c+g)に占める特別役+チェリーの当選確率の合算値(c)の比率が高く、次いでベル、特別役+ベルの当選確率の合算値(b+f)に占める特別役+ベルの当選確率の合算値(b)の比率が高く、次いでリプレイ(1)、特別役+リプレイ(1)の当選確率の合算値(a+e)に占める特別役+リプレイ(1)の当選確率の合算値(e)の比率が高くなる確率にてチェリー、チェリー+1枚、ベル、リプレイ(1)、特別役+チェリー、特別役+チェリー+1枚、特別役+ベル、特別役+リプレイ(1)の抽選を行っている。
【0235】
これにより、チェリー+1枚が同時当選している場合、すなわち左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が中段である場合に特別役に当選している割合が最も高く、次いでチェリーが単独で当選している場合、すなわち左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が上段または下段である場合に特別役に当選している割合が高く、次いでベルが当選している場合、すなわち「ベル-ベル-ベル」がいずれかの入賞ラインに揃った場合に特別役に当選している割合が高く、次いでリプレイ(1)当選している場合、すなわち「リプレイ-リプレイ-リプレイ」がいずれかの入賞ラインに揃った場合に特別役に当選している割合が高くなる。このため、入賞した小役の種類、入賞した小役がチェリーであれば、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が、上段、下段であるか、中段であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
【0236】
また、サブCPU91aは、小役の当選時に、当選した小役の種類を報知する小役告知演出を実行する。小役告知演出は、特別役に当選していないときよりも特別役に当選しているときの方が高い割合で実行されるため、小役告知演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が示唆されることとなる。
【0237】
また、小役告知演出は、第1の小役告知演出と第2の小役告知演出があり、サブCPU91aは、小役告知演出を実行する際に、その一方を選択し、選択した種類の小役告知演出を実行する。この際、特別役に当選している場合には、特別役が当選していない場合よりも第2の小役告知演出が選択される比率が高いので、第2の小役告知演出が実行されると、第1の小役告知演出が実行された場合よりもさらに特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
【0238】
また、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が第2の小役告知演出が選択される比率が高いので、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が示唆する特別役が当選している可能性、有利度の高い特別役が当選している可能性と、小役告知演出の種類と、がリンクし、これらリールの表示態様と演出によって特別役の当選、有利度の高い特別役の当選に対する遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。
【0239】
また、サブCPU91aは、小役告知演出を実行する際に、その開始タイミングを選択し、選択したタイミングから小役告知演出を開始する。開始タイミングは、ゲーム開始時、第1停止時、第2停止時、第3停止時の4つのタイミングであり、特別役が当選している場合には、第3停止時が選択される比率が最も高く、次いで第2停止時、第1停止時、ゲーム開始時の順でその比率が下がるので、第3停止時から開始した場合に、最も特別役に当選している可能性が高い旨が示唆され、第3停止時、第2停止時、第1停止時の順でその可能性は下がる。
【0240】
また、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が第2停止時、第3停止時が選択される比率が高いので、左リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が示唆する特別役が当選している可能性、有利度の高い特別役が当選している可能性と、小役告知演出の開始タイミングと、がリンクし、これらリールの表示態様と演出の開始タイミングによって特別役の当選、有利度の高い特別役の当選、有利度の高い設定値が設定されていることに対する遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。
【0241】
本実施例では、図11に示すように、BB中またはRB中を除いてRT(0)?(6)のいずれかに制御される。
【0242】
RT(0)は、RT(1)(4)において移行役(1)?(3)のいずれかが成立するか、RT(2)(3)(5)において規定ゲーム数消化し、これらRT(2)(3)(5)が終了したときに移行し、RT(0)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、リプレイ(2)?(6)、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するまで継続し、いずれかの特別役が当選してRT(6)に移行するか、リプレイ(2)が入賞してRT(5)に移行するか、リプレイ(3)(4)が入賞してRT(3)に移行するか、RT(5)(6)が入賞してRT(4)に移行するか、12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行することで終了する。RT(0)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1未満となるが、RT(1)?(6)では抽選の対象とならない役であり、RT(3)への移行契機となるリプレイ(3)(4)を入賞させることが可能となるリプレイGR(1)(2)と、RT(4)への移行契機となるリプレイ(5)(6)を入賞させることが可能となるリプレイGR(3)が高確率(リプレイGR(1):約1/6.3、リプレイGR(2):約1/6.3、リプレイGR(3):約1/93.6)で当選する。
【0243】
RT(1)は、BBまたはRBの終了後に移行し、RT(1)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立するまで継続し、いずれかの特別役が当選してRT(6)に移行するか、12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立してRT(0)に移行することで終了する。RT(1)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。
【0244】
RT(2)は、RT(0)(1)(4)において12枚(1)?(3)のいずれかが入賞したときに移行し、規定ゲーム数(本実施例では5000G)消化してRT(0)に移行するか、特別役が当選してRT(6)に移行することで終了する。RT(2)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。
【0245】
RT(3)は、RT(0)においてリプレイ(3)(4)のいずれかが入賞したときに移行し、規定ゲーム数(本実施例では30G)消化してRT(0)に移行するか、特別役が当選してRT(6)に移行することで終了する。RT(3)におけるリプレイ(1)の当選確率は、高確率(約1/1.48)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。
【0246】
RT(4)は、RT(0)においてリプレイ(5)(6)のいずれかが入賞したときに移行し、RT(4)に移行してからのゲーム数に関わらず、いずれかの特別役が当選するか、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立するまで継続し、いずれかの特別役が当選してRT(6)に移行するか、12枚(1)?(3)が入賞してRT(2)に移行するか、移行役(1)?(3)のいずれかが成立してRT(0)に移行することで終了する。RT(4)におけるリプレイ(1)の当選確率は、高確率(約1/1.34)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。
【0247】
RT(5)は、RT(0)においてリプレイ(2)が入賞したときに移行し、規定ゲーム数(本実施例では999G)消化してRT(0)に移行するか、特別役が当選してRT(6)に移行することで終了する。RT(3)におけるリプレイ(1)の当選確率は、通常確率(約1/7.3)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。
【0248】
RT(6)は、RT(0)?(5)のいずれにおいても特別役が当選したときに移行し、RT(6)に移行してからのゲーム数に関わらず、当選した特別役が入賞するまで継続し、当選した特別役が入賞してBBまたはRBに移行することで終了する。RT(6)におけるリプレイ(1)の当選確率は、高確率(約1/2.43)であり、RT(3)(4)よりも低く、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であるが、RT(0)?(2)(5)よりも高い。リプレイGR(1)?(3)は抽選対象とならない。
【0249】
これらRT(0)?RT(6)のうちRT(0)(1)(2)(5)におけるリプレイ(1)の当選確率は、それぞれ異なるもののその差は微少であり、ほぼ同じ確率である。
【0250】
また、RT(0)?(5)における特別役の当選確率及び小役の当選確率は同一の確率であり、RT(6)では、特別役が抽選対象とならないが、小役の当選確率は、RT(0)?(5)と同一確率である。
【0251】
また、これらRT(0)?(5)のうちRT(3)(4)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(0)(1)(2)(5)(6)よりも高く、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上となるため、RT(0)(1)(2)(5)(6)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。
【0252】
また、RT(0)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(1)(2)(5)とほぼ同じ確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となるが、リプレイGR(1)?(3)が高確率(リプレイGR(1)(2):約1/3.14、リプレイGR(3):約1/94)で当選し、1ゲームあたりのメダルの払出率もRT(1)(2)(5)より高く、かつRT(1)(2)(5)から直接移行することのない遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性があるため、RT(1)(2)(5)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。
【0253】
また、RT(1)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(2)(5)とほぼ同じ確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となり、かつ1ゲームあたりのメダルの払出率がRT(2)(5)とほぼ同じであるが、RT(2)(5)よりも遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性があるRT(0)へ移行することが期待できる(RT(2)では5000G、RT(5)では999G消化したとき以外は、RT(0)へ移行することがないのに対して、RT(1)では、約1/24の確率で成立する移行役(1)?(3)が成立することでRT(0)へ移行することとなる)ため、RT(2)(5)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。
【0254】
また、RT(2)(5)は、リプレイ(1)の当選確率がRT(1)とほぼ同じ確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT(1)とほぼ同じであるが、RT(1)よりも遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性があるRT(0)へ移行することが期待できないため、RT(1)に比較して相対的に不利な遊技状態となる。また、RT(5)では999G消化することでRT(0)へ移行するのに対して、RT(2)では5000G消化するまではRT(0)へ移行することがないので、RT(5)は、RT(2)に比較して相対的に不利な遊技状態となる。
【0255】
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図10に示すように、RT(0)?(5)のいずれかにおいて特別役が当選すると、RT(6)に移行し、その後、特別役が入賞してBBまたはRBに移行し、BBまたはRBが終了すると、RT(1)に移行する。
【0256】
RT(1)では、移行役(1)?(3)のいずれかが成立することで遊技者にとって有利なRT(3)(4)に移行する可能性のあるRT(0)に移行する。また、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)に移行し、一度RT(2)に移行すると特別役が当選するか、規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することはない。移行役(1)?(3)または12枚(1)?(3)は小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに成立または入賞可能であり、小役GR(1)?(6)の当選時には、それぞれ1/3の確率で、12枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)が入賞または成立するので、RT(1)では小役GR(1)?(6)が当選した場合の1/3の確率でRT(0)またはRT(2)のいずれかに移行することとなる。尚、RT(1)からはRT(3)?(5)に直接移行することはない。
【0257】
RT(0)では、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)に移行し、RT(3)に移行後、特別役が当選した場合を除いて規定ゲーム数(30G)消化後、再びRT(0)に戻る。リプレイ(2)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行することのない遊技者にとって不利なRT(5)に移行し、規定ゲーム数(999G)消化後、再びRT(0)に戻る。リプレイ(2)?(4)は、リプレイGR(1)またはリプレイGR(2)が当選したときに入賞させることが可能であり、リプレイGR(1)(2)の当選時には、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、1/2の確率でリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞し、1/2の確率でリプレイ(2)が入賞するので、リプレイGR(1)(2)の当選時には、リプレイ(3)の入賞条件となる操作手順、リプレイ(4)の入賞条件となる操作手順のいずれかで停止操作を行うことにより、それぞれ1/2の確率で遊技者にとって有利なRT(3)、遊技者にとって不利なRT(5)のいずれかに移行する。
【0258】
また、RT(0)では、リプレイ(5)(6)が入賞することで、遊技者にとって有利なRT(4)に移行する。リプレイ(5)(6)はリプレイGR(3)の当選時に必ず入賞するので、リプレイGR(3)の当選時には必ず遊技者にとって有利なRT(4)に移行する。
【0259】
また、RT(0)では、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)に移行し、一度RT(2)に移行すると特別役が当選するか、規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することはない。12枚(1)?(3)は小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに入賞可能であり、小役GR(1)?(6)の当選時には、1/3の確率で12枚(1)?(3)が入賞するので、RT(0)では小役GR(1)?(6)が当選した場合の1/3の確率でRT(2)に移行することとなる。
【0260】
RT(4)では、移行役(1)?(3)のいずれかが成立することで再びRT(0)に戻り、12枚(1)?(3)のいずれかが入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)に移行し、一度RT(2)に移行すると特別役が当選するか、規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することはない。移行役(1)?(3)または12枚(1)?(3)は小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに成立または入賞可能であり、小役GR(1)?(6)の当選時には、それぞれ1/3の確率で、12枚(1)?(3)、移行役(1)?(3)が入賞または成立するので、RT(4)では小役GR(1)?(6)が当選した場合の1/3の確率でRT(0)またはRT(2)のいずれかに移行することとなる。
【0261】
このように本実施例では、RT(1)に滞在している場合には、直接、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行させる場合には、RT(1)において必ずしも成立するとは限らない移行役が成立することで移行するRT(0)を必ず介して移行することとなる。さらにRT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行させる場合にも、RT(0)において必ずしも成立するとは限らないリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させる必要がある。すなわちRT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するためには、必ずしも成立するとは限らない複数の条件を満たすことが必要となるため、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行するまでのゲーム性が単調化することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するまでの興趣を効果的に高めることができる。
【0262】
尚、本実施例では、RT(1)からRT(0)へ移行する条件として、移行役の成立を適用しているが、RT(1)からRT(0)へ移行する条件は、必ずしも成立するとは限らない条件であれば上記の効果が得られる。必ずしも成立するとは限らない条件とは、RT(1)において100%成立する条件(例えば、RT(0)への移行条件が規定ゲーム数経過することのみである場合など)以外の条件、すなわちRT(1)からRT(0)へ移行する条件とともにRT(0)へ移行しない他の条件(本実施例では11枚、12枚の入賞)が成立し得るものであり、RT(1)からRT(0)へ移行する条件が成立することが不確定なものであれば良く、例えば、RT(1)において当選確率100%を含まない抽選に当選すること、複数の操作手順のうち特定の操作手順で停止操作されることなどが該当し、さらには、RT(1)からRT(0)への移行条件が規定ゲーム数経過することで成立するものであっても、他にRT(0)へ移行しない条件(例えば、特定役の入賞など)が成立し得る場合には、このような条件であっても必ずしも成立するとは限らない条件に該当する。
【0263】
また、本実施例では、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件として、リプレイ(3)?(6)の入賞を適用しているが、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件は、必ずしも成立するとは限らない条件であれば上記の効果が得られる。必ずしも成立するとは限らない条件とは、RT(0)において100%成立する条件(例えば、RT(3)(4)への移行条件が規定ゲーム数経過することのみである場合など)以外の条件、すなわちRT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件とともにRT(3)、RT(4)へ移行しない他の条件(本実施例では12枚、リプレイ(2)の入賞)が成立し得るものであり、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行する条件が成立することが不確定なものであれば良く、例えば、RT(0)において当選確率100%を含まない抽選に当選すること、複数の操作手順のうち特定の操作手順で停止操作されることなどが該当し、さらには、RT(0)からRT(3)、RT(4)への移行条件が規定ゲーム数経過することで成立するものであっても、他にRT(3)、RT(4)へ移行しない条件(例えば、特定役の入賞など)が成立し得る場合には、このような条件であっても必ずしも成立するとは限らない条件に該当する。
【0264】
また、本実施例では、RT(0)から遊技者にとって有利なRT(3)、RT(4)へ直接移行させる構成であるが、RT(0)からRT(3)、RT(4)へ移行させる場合に、RT(0)において成立することが不確定な所定の条件が成立することで移行する他の遊技状態を介してRT(3)、RT(4)へ移行させるもの、すなわちさらに他の遊技状態を介してRT(3)、RT(4)に移行させる構成、さらには、RT(0)から複数の遊技状態を介してRT(3)、RT(4)へ移行させる構成であっても良く、このような構成とした場合でも、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するためには、必ずしも成立するとは限らない複数の条件を満たすことが必要となるため、遊技者にとって有利なRT(3)やRT(4)へ移行するまでのゲーム性が単調化することがなく、RT(1)からRT(3)やRT(4)へ移行するまでの興趣を効果的に高めることができる。
【0265】
また、本実施例では、RT(1)において11枚と12枚が同時に当選し、これら当選した11枚及び12枚の双方を取りこぼした際に導出される移行役が成立したときに、RT(1)からRT(0)に移行するようになっており、RT(1)において11枚と12枚とが同時に当選し、かつ11枚及び12枚の双方を取りこぼしてメダルを獲得できなかった場合であっても、遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行させることが可能なRT(0)へ移行するので、RT(1)においては、11枚(1)と12枚(2)が同時に当選した場合には、当選した11枚、12枚を取りこぼしたか否かに関わらず、遊技者にとって利益となる。
【0266】
尚、本実施例では、RT(1)において11枚と12枚が同時に当選し、これら当選した11枚及び12枚の双方を取りこぼした際に導出される移行役が成立したときに、RT(1)からRT(0)に移行するようになっているが、RT(1)からRT(0)への移行条件は、これに限らず、特定の一般役の入賞であっても良いし、1ゲームのみRT(0)?RT(6)よりも小役の当選確率が高まるシングルボーナスの付与を伴うシングルボーナス(以下、SBと称す)の入賞であっても良い。また、これらの役が単独で入賞した場合に限らず、同時に複数の役が入賞ラインに揃ったことに伴う複合入賞が生じた場合にRT(1)からRT(0)に移行する構成としても良い。
【0267】
また、RT(1)においてRT(1)において入賞条件となる操作手順の異なる11枚と12枚が同時に当選し、そのうち払出枚数の少ない11枚の入賞時に、RT(1)からRT(0)へ移行させるようにしても良く、このようにすれば、払出枚数の異なる複数種類の小役が同時に当選し、当選した小役のうち払出枚数の少ない方の小役を入賞させた場合、すなわち獲得できるメダル数が少ない場合であっても、遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行させることが可能なRT(0)へ移行するので、RT(1)においては、11枚(1)と12枚(2)が同時に当選した場合には、当選した11枚、12枚を取りこぼしたか否かに関わらず、遊技者にとって利益となる。また、このような構成とした場合には、RT(0)へ移行することとなる払出枚数の少ない小役は常に払出枚数の多い小役または特別役、SBなどと同時に当選させることが好ましく、このようにすることで、RT(0)へ移行させることができなかった場合には、常にRT(0)への移行条件となる小役よりも多い数のメダルまたは遊技者にとって有利なBBやRB、SBが付与されることとなるため、いずれの場合であっても遊技者にとって有利となる。
【0268】
また、本実施例では、RT(0)において12枚が入賞したときに、遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行することがなく、かつRT(3)(4)よりも再遊技役の当選確率の低い相対的に不利なRT(2)へ移行するようになっており、RT(1)からは、RT(3)(4)への移行契機となるRT(0)だけでなく、移行役が成立する前に12枚が入賞することで遊技者にとって不利なRT(2)へ移行することもあるため、RT(0)では、遊技者に対して緊張感の伴うより興趣の高いゲーム性を提供することができる。
【0269】
尚、本実施例では、RT(1)から遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する条件として、12枚の入賞が適用されているが、他の小役や再遊技役、SBの入賞、さらにはこれらの取りこぼし時に導出される特定の停止態様となったときにRT(2)へ移行する構成としても良い。
【0270】
また、RT(1)からRT(2)へ移行することなく、RT(1)へ移行すると、RT(0)への移行条件が成立するまでRT(1)が維持される構成であっても良い。
【0271】
また、RT(0)においては、メダルの増加が期待できないRT(5)、メダルの増加が期待できるRT(3)の双方に移行する可能性がある。そしてRT(3)は、終了後再びRT(0)に戻るため、RT(0)からRT(3)へ一度移行すると、RT(3)が終了しても再びRT(3)へ移行する機会が提供されることとなり、RT(3)に周期的に制御することが可能となる。一方、RT(0)からRT(5)へ移行すると、当該RT(5)が終了するまでRT(3)へ移行することがないが、RT(5)が終了すると再びRT(0)となるため、このような場合でも周期的にRT(3)へ移行する機会が訪れることとなる。すなわちRT(0)は、メダルの増加が期待できるRT(3)へ移行する可能性のあるチャンスゾーンとして機能し、このようなチャンスゾーンがRT(5)へ移行した場合でもRT(3)へ移行した場合でも周期的に訪れることとなる。
【0272】
また、RT(0)では、メダルの増加が期待できるRT(3)、RT(4)のいずれにも移行する可能性があり、RT(3)へ移行すると、規定ゲーム数消化することにより終了するのに対して、RT(4)へ移行すると、移行役が成立してRT(0)に再び戻るか、12枚が入賞してRT(2)へ移行するまで継続するようになっている。すなわちRT(0)からは、終了条件の異なる複数種類の遊技者にとって有利なRTへ移行するので、ゲームの流れが単調化することがない。
【0273】
尚、本実施例では、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することでRT(3)へ移行し、リプレイ(5)またはリプレイ(6)が入賞することでRT(4)へ移行するようになっているが、これら遊技者にとって有利なRTへの移行契機は、これらリプレイ(3)?(5)の入賞に限らず、他の役の入賞であっても良いし、特定の役を取りこぼした際に導出される特定の停止態様が成立することであっても良い。
【0274】
また、RT(3)へは、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選し、かつリプレイ(3)(4)の入賞条件となる操作手順にて停止操作がなされたことを条件に移行するようになっているが、特定の役の当選時において、停止操作の操作手順に関わらず、必ず導出される停止態様を契機としてRT(3)へ移行するようにしても良い。
【0275】
また、RT(0)では、終了条件の異なる複数種類の遊技者にとって有利なRTへ移行させることが可能であるが、少なくとも1種類の有利なRTへ移行させることが可能な構成であれば良い。
【0276】
また、RT(0)では、リプレイ(2)が入賞することで遊技者にとって不利なRT(5)へ移行し、12枚が入賞することで、RT(5)よりもさらに遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する構成であるが、RT(0)からはいずれか一方の不利なRTのみへ移行する構成であっても良い。また、RT(5)へ移行することとなるリプレイ(2)が遊技者にとって有利なRT(3)へ移行することとなるリプレイ(3)またはリプレイ(4)と同時に当選するようになっているが、それぞれ別個に当選するようにしても良い。また、RT(0)から遊技者にとって不利なRT(2)、RT(5)へ移行しない構成であっても良い。
【0277】
また、本実施例では、BBまたはRBの終了後に、RT(1)へ移行するようになっているが、RT(2)やRT(5)において移行条件(特定役の入賞、特定役の取りこぼし時に導出される特定の停止態様の成立など)が成立したときにRT(1)へ移行する構成でも良い。
【0278】
本実施例では、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選した場合に、12枚、11枚、移行役のいずれかを入賞または成立させることが可能となる。
【0279】
前述のようにRT(1)において移行役が成立することで遊技者にとって有利なRT(3)(4)へ移行する可能性のあるRT(0)に移行するのに対して12枚が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(2)に移行してしまうこととなるため、RT(1)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚を入賞させることなく移行役を成立させることで、RT(2)へ移行してしまうことを回避し、かつRT(0)へ移行させることができる。
【0280】
また、前述のようにRT(0)においても12枚が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(2)に移行してしまうこととなるため、RT(0)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚の入賞を回避することでRT(2)への移行を回避することができる。さらにRT(0)においては、小役GR(1)?(6)が当選した際に、11枚を入賞させることでRT(2)への移行を回避し、さらに11枚のメダルを獲得することも可能となる。
【0281】
また、前述のようにRT(4)においても12枚が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(2)に移行してしまうこととなるうえに、移行役が成立するとRT(4)よりも不利なRT(0)に戻ってしまうため、RT(4)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚の入賞を回避することでRT(2)への移行を回避することができ、移行役の成立を回避することでRT(0)へ戻ってしまうことも回避できる。さらにRT(4)においては、小役GR(1)?(6)が当選した際に、11枚を入賞させることでRT(2)への移行、RT(0)へ戻ることを回避し、さらに11枚のメダルを獲得することも可能となる。
【0282】
また、前述のようにRT(3)においては12枚が入賞しても他の遊技状態へ移行することがないため、RT(3)において小役GR(1)?(6)が当選した際に、12枚を入賞させることで12枚のメダルを獲得することが可能となる。
【0283】
しかしながら、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に12枚の入賞を回避すること、意図的に移行役を成立させること、意図的に移行役の成立を回避すること、意図的に11枚を入賞させることは不可能であり、それぞれ1/3の確率で12枚、11枚、移行役が入賞または成立することとなる。
【0284】
また、本実施例では、リプレイGR(1)が当選した場合に、リプレイ(2)またはリプレイ(3)のいずれかを入賞させることが可能となり、リプレイGR(2)が当選した場合に、リプレイ(2)またはリプレイ(4)のいずれかを入賞させることが可能となる。
【0285】
前述のようにRT(0)においてリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞することで遊技者にとって有利なRT(3)に移行するのに対してリプレイ(2)が入賞すると特別役が当選するか規定ゲーム数消化するまでは他のRTに移行することのないRT(5)に移行してしまうこととなるため、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した際に、リプレイ(2)を入賞させることなくリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることで、RT(5)へ移行してしまうことを回避し、かつRT(3)へ移行させることができる。
【0286】
しかしながら、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的にリプレイ(2)の入賞を回避してリプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることは不可能であり、1/2の確率でリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞するが、1/2の確率でリプレイ(2)が入賞してしまうこととなる。
【0287】
これに対してサブCPU91aは、RT(0)(1)(3)(4)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したとき、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選したときに、当選した小役GRまたはリプレイGRの種類に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を報知する操作手順報知を行うことが可能である。
【0288】
操作手順報知は、左リールに停止させるべき「7」の色または模様を報知することにより遊技者にとって有利となる操作手順を報知する。
【0289】
詳しくは、RT(1)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、移行役を成立させることでRT(2)へ移行してしまうことを回避し、かつRT(0)へ移行させることができるため、小役GR(1)(3)の当選時には、移行役(3)が成立する条件となる「白7」を示唆する白色を報知し、小役GR(2)(5)の当選時には、移行役(2)が成立する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(4)(6)の当選時には、移行役(1)が成立する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知する。
【0290】
RT(0)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、11枚を入賞させることでRT(2)へ移行してしまうことを回避し、かつメダルも獲得できるため、小役GR(1)(6)の当選時には、11枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(2)(4)の当選時には、11枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知し、小役GR(3)(5)の当選時には、11枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知する。
【0291】
RT(3)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、12枚を入賞させることで他の遊技状態へ移行することもなくメダルを獲得できるため、小役GR(1)(2)の当選時には、12枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知し、小役GR(3)(4)の当選時には、12枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(5)(6)の当選時には、12枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知する。
【0292】
RT(4)において小役GR(1)?(6)が当選した場合には、11枚を入賞させることでRT(2)へ移行してしまうこと、RT(0)へ戻ってしまうことを回避し、かつメダルも獲得できるため、小役GR(1)(6)の当選時には、11枚(2)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知し、小役GR(2)(4)の当選時には、11枚(3)が入賞する条件となる「白7」を示唆する白色を報知し、小役GR(3)(5)の当選時には、11枚(1)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知する。
【0293】
RT(0)においてリプレイGR(1)(2)が当選した場合には、リプレイ(3)またはリプレイ(4)を入賞させることでRT(5)へ移行してしまうことを回避し、かつ遊技者にとって有利なRT(3)へ移行させることができるため、リプレイGR(1)の当選時には、リプレイ(3)が入賞する条件となる「黒7」を示唆する黒色を報知し、リプレイGR(2)の当選時には、リプレイ(4)が入賞する条件となる「網7」を示唆する網模様を報知する。
【0294】
このため、遊技者は操作手順報知によって報知された色または模様の「7」図柄を左リールに狙って停止操作を行うことにより、その時点で遊技者にとって有利となる停止態様を導出させることが可能となる。
【0295】
尚、操作手順報知は、RTの種類、当選役の種類に応じて遊技者にとって有利な操作手順を遊技者が認識可能なものであれば良く、現在の遊技状態と当選役の種類そのもの、或いは停止させるべき図柄組合せ、停止させるべき役の種類によって異なる図柄、現在の遊技状態と当選役の種類を示唆する画像などを液晶表示器51に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであっても良い。更には、指標となる図柄(目的図柄の近くに位置し、目的図柄よりも目立つ図柄など)、当該指標図柄を示唆する画像などを報知するようにしても良い。また、操作手順がリールの停止順であれば、その停止順を示唆する画像、音声、対応するLEDの点灯態様などによって報知するようにしても良い。
【0296】
また、本実施例では、RT(0)(1)(3)(4)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときにも、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選したときにも、操作手順(停止させるべき「7」図柄の種類)が同じであれば同一の態様で操作手順報知を行うようになっており、遊技者は、常に報知態様から示唆される色または模様の「7」図柄を狙って停止操作を行えば良いので、遊技者を混乱させることを防止できることから好ましいが、RTの種類の違いや当選役の種類によって同じ操作手順を報知する場合に、異なる態様で報知するようにしても良い。
【0297】
サブCPU91aは、RT(3)においては、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに操作手順報知を行う。このため、RT(3)では、操作手順報知に従って停止操作を行うことにより12枚を入賞させてメダルを獲得することが可能となる。
【0298】
また、サブCPU91aは、RT(4)に移行した際に、継続ゲーム数を複数のゲーム数から決定し、決定した継続ゲーム数に到達するまで小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに、11枚を入賞させるための操作手順報知を行う。このため、RT(4)に移行すると、その際決定された継続ゲーム数が経過するまでは操作手順報知に従って措定し操作を行うことで、RT(2)へ移行すること、RT(0)に戻ることを回避し、かつメダルを獲得することが可能となる。また、移行時に決定された継続ゲーム数が経過した後は、移行役を成立させるための操作手順報知を行うようになっており、継続ゲーム数が経過した後に操作手順報知に従って停止操作を行えば、RT(2)へ移行することを回避しつつ、再びRT(0)へ移行させることが可能となる。
【0299】
また、サブCPU91aは、RT(1)において特殊条件が成立している場合には、小役GR(1)?(6)のいずれかが当選したときに操作手順報知を行う。特殊条件は、BB(1)の当選、RT(0)(3)(4)中の特別役の当選、BB中のチェリー+1枚(2)の当選であり、これらの特殊条件が満たされた後、最初に移行したRT(0)において小役GR(1)?(6)のいずれかが当選すると操作手順報知が実行される。このため、これら特殊条件が満たされた後のRT(1)では、操作手順報知に従って停止操作を行うことによりRT(0)へ移行させることが可能となる。
【0300】
また、サブCPU91aは、RT(0)において、小役GR(1)?(6)が当選したとき及びリプレイGR(1)(2)が当選したときに操作手順報知が実行される報知状態に制御することが可能である。RT(0)において報知状態に制御されると、小役GR(1)?(6)が当選したとき及びリプレイGR(1)(2)が当選したときに操作手順報知が実行されるため、操作手順報知に従って停止操作を行うことによりRT(3)へ移行させることが可能となる。
【0301】
また、サブCPU91aは、RT(0)において報知状態に制御する報知状態回数を0?n回(nは2以上の整数)の間で決定する報知状態抽選を実行する。報知状態抽選は、RT(2)(5)に移行後、消化ゲーム数が特定のゲーム数に到達する毎、RT(3)(4)において再遊技役が所定回数連続したとき、BB(1)の当選時に実行され、当選した報知状態回数を記憶する。また、報知状態回数が残っている状態で新たに当選した場合には、残っている回数に対して新たに当選した回数が加算される。
【0302】
そしてサブCPU91aは、RT(0)へ移行した際に、報知状態回数が残っているか否かを確認し、報知状態回数が残っている場合には、報知状態回数を1減算し、報知状態に制御する。このため、報知状態回数が残っている場合には、その回数にわたり、RT(0)とRT(3)を1セットとして繰り返しRT(0)とRT(3)に継続して制御させることが可能となる。
【0303】
尚、報知状態回数は、設定変更がなされたとき以外にクリアされることはなく、報知状態回数が残っている状態で、RT(2)やRT(5)へ移行してしまった場合には、そのまま報知状態回数は維持されることとなる。このため、RT(2)やRT(5)が長い期間継続した場合や、BBやRBの後、RT(1)からRT(0)へ移行しない状態が続くと、報知状態回数が貯まっている可能性が高まる。そして、報知状態回数が多数貯まっている状態では、RT(0)に移行することでRT(0)とRT(3)が長期間ループすることとなる。
【0304】
本実施例においてサブCPU91aは、RT(0)?(6)において、複数ゲームにわたり継続し、最終的に特別役に当選しているか否かを示す演出結果を導く特別役当選示唆演出を実行する。
【0305】
サブCPU91aは、特別役と同時当選する可能性のあるリプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚の当選時に特別役当選示唆演出を実行するか否か及び実行する特別役当選示唆演出の演出パターンを決定する特別役当選示唆演出抽選を実行し、いずれかの演出パターンの特別役当選示唆演出に当選した場合には、当選した演出パターンの特別役当選示唆演出を実行する。
【0306】
特別役当選示唆演出は、図12に示すように、演出パターン0?7の8種類からなり、さらに演出パターン1?6には、それぞれ特別役の非当選を示す「-1」の演出パターンと、特別役の当選を示す「-2」の演出パターンと、が定められている。
【0307】
演出パターン0は、特別役当選示唆演出を実行しないパターンであり、当該演出パターンが決定された場合には、特別役当選示唆演出は実行されない。
【0308】
演出パターン1-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(i)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン1-2は、3ゲーム目までは演出パターン1-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
【0309】
演出パターン2-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(i)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン2-2は、3ゲーム目までは演出パターン2-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
【0310】
演出パターン3-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(j)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン3-2は、3ゲーム目までは演出パターン3-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
【0311】
演出パターン4-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(j)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン4-2は、3ゲーム目までは演出パターン4-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
【0312】
演出パターン5-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(k)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン5-2は、3ゲーム目までは演出パターン5-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
【0313】
演出パターン6-1は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図14(g)(h)(k)(m)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図14(p)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン6-2は、3ゲーム目までは演出パターン6-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図14(n)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
【0314】
尚、演出パターン3?6の3ゲーム目において、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させたにも関わらず、MAXBETスイッチ6の操作がなされずに、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信しなかった場合には、カットインを伴わず、カットインを伴うパターンであったか否かを判別することはできないようになっている。
【0315】
演出パターン7は、1ゲーム目に、図13(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図13(b)(e)(f)に示すように鼠花火を制作する花火制作演出(鼠)を実行してそのまま終了するパターンである。
【0316】
特別役当選示唆演出抽選では、図15に示すように、当選した小役の種類、特別役の当選の有無、報知状態回数の残存数(ストック)に応じて異なる確率で演出パターン0?7を選択する。
【0317】
本実施例では、演出パターン(0)?(7)のうち演出パターン(1)?(7)が当選する比率が、チェリー+1枚>チェリー>ベル>リプレイ(1)の関係となり、特別役と同時当選する比率と一致する。すなわち特別役と同時に当選する比率が高い一般役ほど特別役当選示唆演出が実行される可能性が高く、特別役の当選が期待できる一般役が入賞したときほど高い確率で特別役当選示唆演出が実行されることとなるため、特別役当選示唆演出の開始契機となる一般役の入賞時における特別役の当選期待度と、特別役当選示唆演出の実行確率と、がリンクすることとなり、特別役当選示唆演出により効果的に特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0318】
また、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(桜柄)の演出パターン2、4、6が当選する比率が、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、リプレイ(1)、チェリーが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
【0319】
一方で、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(通常)の演出パターン1、3、5が当選する比率が、ベルが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
【0320】
すなわちリプレイ(1)、チェリーが入賞したときと、ベルが入賞したときと、で特別役の当選が期待できる演出のパターンが異なり、前者では花火制作演出(桜柄)が実行された方が特別役の当選が期待できる一方、後者では花火制作演出(通常)が実行された方が特別役の当選が期待できるようになっている。
【0321】
また、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
【0322】
さらに、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6のうち、花火打上+カットイン(大)演出の演出パターン3?6が当選する比率が、リプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
【0323】
また、チェリー+1枚が当選した場合には、特別役と同時に当選している場合のみ演出パターン0が当選するようになっており、左リールの中段にチェリーが停止して特別役当選示唆演出が実行されない場合には、特別役の当選が確定することとなる。
【0324】
また、本実施例では、演出パターン(0)?(7)のうち演出パターン(1)?(7)が当選する比率が、チェリー+1枚が当選した場合を除いて、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、リプレイ(1)、ベル、チェリー(左リール中段にチェリーが停止した場合を除く)の入賞時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、特別役当選示唆演出が実行されなかった場合よりも報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる。
【0325】
また、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(桜柄)の演出パターン2、4、6が当選する比率が、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が当選している場合には、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、リプレイ(1)、チェリーが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる。
【0326】
一方で、花火制作演出(通常)及び花火制作演出(桜柄)の演出パターン1?6のうち、花火制作演出(通常)の演出パターン1、3、5が当選する比率が、ベルが当選している場合には、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる。
【0327】
すなわちリプレイ(1)、チェリーが入賞したときと、ベルが入賞したときと、で報知状態回数(ストック)が1以上残存している可能性の高い演出のパターンが異なり、前者では花火制作演出(桜柄)が実行された方が報知状態回数(ストック)が1以上残存していることに期待できる一方、後者では花火制作演出(通常)が実行された方が報知状態回数(ストック)が1以上残存していることに期待できるようになっている。
【0328】
また、前述のようにリプレイ(1)、チェリーが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。
【0329】
また、前述のようにベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、ベルが入賞した場合には、花火制作演出(桜柄)よりも花火制作演出(通常)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。
【0330】
また、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、報知状態回数(ストック)が1以上残存している可能性が高くなる。
【0331】
また、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。
【0332】
さらに、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6のうち、花火打上+カットイン(大)演出の演出パターン3?6が当選する比率が、報知状態回数(ストック)が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、報知状態回数(ストック)が1以上残存している可能性が高くなる。
【0333】
また、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高いうえに、報知状態回数が1以上残存している可能性も高くなる。
【0334】
また、演出パターン1?7のうち、演出パターン6、すなわち花火制作演出(桜柄)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行される演出パターンがリプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選している場合に当選する確率と、演出パターン6がリプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率と、の合算確率に占める、演出パターン6がリプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率の比率が、演出パターン1?5、7のそれに比較して最も高く、リプレイ(1)、チェリーの入賞時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、花火制作演出(桜柄)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されることで、最も特別役に当選している可能性が高くなる。
【0335】
そして、リプレイ(1)、チェリー、チェリー+1枚が単独で当選し、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存している場合にのみ演出パターン6が当選するので、リプレイ(1)、チェリー入賞時の特別役当選示唆演出において最も特別役の当選が期待できる花火制作演出(桜柄)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されたにも関わらず、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存していることが確定する。
【0336】
また、演出パターン1?7のうち、演出パターン5、すなわち花火制作演出(通常)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行される演出パターンがベルが単独で当選している場合に当選する確率と、演出パターン5がベルと特別役とが同時に当選している場合に当選する確率と、の合算確率に占める、演出パターン6がベルと特別役とが同時に当選している場合に当選する確率の比率が、演出パターン1?4、6、7のそれに比較して最も高く、ベルの入賞時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、花火制作演出(通常)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されることで、最も特別役に当選している可能性が高くなる。
【0337】
そして、ベルが単独で当選し、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存している場合にのみ演出パターン5が当選するので、ベル入賞時の特別役当選示唆演出において最も特別役の当選が期待できる花火制作演出(通常)及び花火打上+カットイン(大)演出の双方が実行されたにも関わらず、特別役に当選していない場合には、報知状態回数(ストック)が1以上残存していることが確定する。
【0338】
また、演出パターン1?7のうち、演出パターン7、すなわち他の演出パターンに比較して継続ゲーム数の短い演出パターンが一般役が単独で当選している場合に当選する確率と、演出パターン7が一般役と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率と、の合算確率に占める、演出パターン7が一般役と特別役とが同時に当選している場合に当選する確率の比率が、演出パターン1?6のそれに比較して最も低く、特別役当選示唆演出が実行された際に、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い場合には、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性が低くなる。
【0339】
また、演出パターン7は、最も特別役に当選している可能性が高いチェリー+1枚の当選時においてのみ当選するにも関わらず、特別役当選示唆演出が実行された際に、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い場合には、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性が低くなる。
【0340】
一方で、演出パターン7は、報知状態回数(ストック)が5以上残存している場合のみ当選するので、最も特別役に当選している可能性が高いチェリー+1枚の当選時において、特別役当選示唆演出が実行された際に、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い場合には、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性が低くなるが、報知状態回数(ストック)が5以上残存していることが確定する。
【0341】
このように本実施例では、特別役と同時に当選する可能性のあるリプレイ(1)、ベル、チェリー、チェリー+1枚が当選したことを契機に特別役当選示唆演出が実行されるので、特別役当選示唆演出に伴い特別役が当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができるとともに、リプレイ(1)、ベル、チェリーが入賞した後、特別役当選示唆演出により特別役が当選しているか否かが報知されるまでの期間にわたり特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
【0342】
また、特別役当選示唆演出は、複数種類の演出パターンからなり、これら複数種類の演出パターンから選択されたいずれかのパターンの特別役当選示唆演出が実行されるとともに、特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類及び報知状態回数の残り回数に応じて異なる確率で演出パターンが選択されるようになっており、特別役当選示唆演出が実行される契機となった一般役の種類及び特別役当選示唆演出の演出パターンの組合せから報知状態回数の残り数が示唆され、推測することが可能となるため、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合であっても、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。
【0343】
尚、本実施例では、特別役が当選しているか否かに関わらず、特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類及び報知状態回数の残り回数に応じて異なる確率で演出パターンが選択されるようになっているが、少なくとも特別役に当選していない場合において、特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類及び報知状態回数の残り回数に応じて異なる確率で演出パターンが選択される構成であれば良く、このような構成であれば、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合に、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。
【0344】
また、本実施例では、特別役と同時に当選する可能性のある一般役の当選時において、当選した一般役の種類に関わらず、演出パターン7を除き共通の演出パターンが選択されるようになっているが、少なくとも一部の一般役について共通の演出パターンが選択される構成であれば良く、これら一般役の全てについて共通の演出パターンが選択される構成でなくとも良い。
【0345】
また、本実施例では、特別役と同時に当選する可能性ある一般役の当選時において特別役当選示唆演出が実行されるようになっているが、少なくとも特別役と同時に当選する可能性ある一般役の当選時において特別役当選示唆演出が実行されるものであれば良く、これら一般役の当選時に加え、一般役の当選時以外を契機、すなわちいずれの役も当選していない場合や特別役が単独で当選した場合に特別役当選示唆演出が実行されるものであっても良く、この場合には上記と同様に報知状態回数に応じて異なる確率で演出パターンを選択することにより、内部抽選の結果及び特別役当選示唆演出の演出パターンの組合せから報知状態回数の残り数が示唆され、推測することが可能となるため、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合であっても、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。
【0346】
また、本実施例では、複数種類の演出パターンのうち演出パターン7が、報知状態回数が5以上残存していることを条件に選択されるようになっており、演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出が実行されることで報知状態回数が5以上残存していることが確定するため、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。
【0347】
また、演出パターン7は、チェリー+1枚が当選している場合のみ選択されるようになっており、報知状態回数が5以上残存していることが確定する演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出は、チェリー+1枚が当選した場合のみ実行されるので、他の一般役の当選を契機として、演出パターン7以外の特別役当選示唆演出が実行されても、報知状態回数が5以上残っている可能性があり、このような状況であってもRT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を維持することができる。
【0348】
また、演出パターン7は、最も特別役に当選している可能性が高いチェリー+1枚が当選している場合にのみ選択される演出パターンであるにも関わらず、他の演出パターンに比較して特別役に当選している可能性の低い演出パターンであるが、このような特別役に当選している可能性の高いチェリー+1枚が当選して、演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出が実行され、特別役の当選可能性の低い旨が示唆された場合であっても、報知状態回数が5以上残っていることが確定することとなるため、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。
【0349】
また、演出パターン7は、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短く、演出パターン7に基づく特別役当選示唆演出が実行された場合には、他の演出パターンよりも短い期間で終了してしまい、他の演出パターンに比較すると特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができないものの、報知状態回数が5以上残っていることが確定することとなるため、このような状況であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。
【0350】
尚、本実施例では、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数の短い演出パターンが、報知状態回数が所定回数以上残っていることを条件に選択される構成であるが、報知状態回数が所定回数以上残っている場合に、報知状態回数が所定回数未満である場合よりも、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数の短い演出パターンが選択される比率が高くなる確率で演出パターンを選択する構成とした場合でも、他の演出パターンに比較すると特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることができないものの、報知状態回数が5以上残っている可能性が高まることとなるため、このような状況であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。
【0351】
また、本実施例では、他の演出パターンに比較して継続ゲーム数が短い演出パターンとして、2ゲームで終了するパターンを適用しているが、1ゲームで終了するパターンを適用しても良い。
【0352】
また、本実施例では、他の演出パターンよりも短いゲーム数で終了することで報知状態回数が所定回数以上残っていることが確定するようになっているが、特別役当選示唆演出の演出結果として特別役の非当選が示される最終結果において報知状態回数が所定回数以上残っていることが確定するようにしても良く、このような構成とすることで、特別役当選示唆演出の演出結果として特別役の非当選が確定した場合であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。
【0353】
また、本実施例では、一般役が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合に選択される比率の高い演出パターンほど、報知状態回数が残っていない場合よりも1以上残っている場合に選択される比率が高く、特別役の当選可能性が高い演出パターンに基づく特別役当選示唆演出が実行され、結果的に特別役が当選していない旨が報知された場合には、報知状態回数が1以上残っている可能性が高まるため、特別役の当選が期待できる特別役当選示唆演出で特別役に当選していなかった場合であっても、RT(0)とRT(3)とのループがより多く継続することへの期待感を高めることができる。
【0354】
特に本実施例では、最も特別役に当選している可能性が高い演出パターンに基づく特別役当選示唆演出が実行され、特別役に当選していなかった場合には、報知状態回数が1以上残っていることが確定するため、特別役の当選が期待できる特別役当選示唆演出で特別役に当選していなかった場合であっても、このような状況で特別役に当選していなかったことによる損失感を軽減できる。
【0355】
また、本実施例では、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、報知状態回数が残存していない場合よりも1以上残存している方が高く、MAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりもMAXBETスイッチ6の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、報知状態回数が1以上残存している可能性が高くなる一方、演出パターン3?6が選択された場合であっても、MAXBETスイッチ6が操作されなかった場合には、カットイン演出を伴わず、カットイン演出を伴うか否かの違いから、報知状態回数が1以上残っているか否かを推測することができないようになっている。すなわち特別役当選示唆演出において遊技の進行に関与しない操作がなされることで、報知状態回数が1以上残っていることを知ることができるため、遊技の進行に関与しない演出のための操作を伴う特別役当選示唆演出に対して遊技者が積極的に参加する意欲を高めることができる。
【0356】
尚、本実施例では、遊技の進行に関与しない演出のための操作として、メインCPU41aによって操作検出がなされるMAXBETスイッチ6の操作を適用しているが、サブCPU91aによって操作検出がなされる操作部(タッチパネルなど)の操作を適用しても良い。
【0357】
また、本実施例では、RT(0)において遊技者にとって不利なRT(2)及びRT(5)への移行を回避し、かつ遊技者にとって有利なRT(3)へ移行させるための操作手順が報知される報知状態の残り回数及び特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類に応じて特別役当選示唆演出の演出パターンが選択されるようになっているが、少なくとも遊技者にとって有利な操作手順が報知される回数と特別役当選示唆演出の契機となった一般役の種類とに基づいて特別役当選示唆演出が選択される構成であれば、特別役当選示唆演出が実行される契機となった一般役の種類及び特別役当選示唆演出の演出パターンの組合せから遊技者にとって有利な操作手順を報知する回数の残り数が示唆され、推測することが可能となるため、特別役当選示唆演出の結果、特別役が当選していなかった場合であっても、遊技者にとって特別役当選示唆演出が有意なものとなる。
【0358】
遊技者にとって有利な操作手順としては、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態が終了することとなる終了役の当選時において、その終了役の成立を回避する操作手順(停止順や操作タイミング、またはその組合せ)を適用しても良い。また、入賞条件となる操作手順(停止順や操作タイミング、またはその組合せ)の異なる複数種類の小役が当選するものにおいて、当選した小役の入賞条件となる操作手順を適用しても良い。
【0359】
また、本実施例では、遊技者にとって有利な操作手順の残り回数が、RT(0)へ1回移行する毎に減算されるようになっているが、操作手順の残り回数が、1回報知される毎に減算されるものであっても良いし、一定回数報知される毎に減算されるものであっても良いし、一定ゲーム数毎に報知されるか否かに関わらず減算されるものであっても良い。
【0360】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0361】
例えば、前記実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0362】
更に、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。
【符号の説明】
【0363】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
41a CPU
41b ROM
41c RAM
91 サブ制御部
91a CPU
91b ROM
91c RAM
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
表示結果が導出される前に、遊技用価値の付与を伴う小役入賞と、再遊技の付与を伴う再遊技入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
第1の遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である第3の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1の遊技状態において特定の移行条件が成立したときに前記第2の遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段と、
前記第2の遊技状態において所定の移行条件が成立したときに前記第3の遊技状態へ移行させる第3遊技状態移行手段と、
を備え、
前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態に直接移行させることがなく、前記第1の遊技状態から前記第3の遊技状態へ遊技状態を移行させる場合には、必ず前記第2の遊技状態を経由する必要があり、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が第1小役入賞及び第2小役入賞のいずれの発生も許容する複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合において当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第1操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出する制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順のうちの第2操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定結果の種類に対応する操作手順とは異なる操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、前記再遊技の付与も前記遊技用価値の付与も伴わない特定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が第1所定結果となった場合において特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、当該特定操作手順とは異なる特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が第2所定結果となった場合において前記特別操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、所定の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、前記特定操作手順で前記導出操作手段が操作されたときに、当該所定の表示結果の組合せ以外の表示結果の組合せを導出させる制御を行い、
前記特定の移行条件は、前記特定の表示結果の組合せの導出であり、
前記所定の移行条件は、前記所定の表示結果の組合せの導出であり、
前記第2遊技状態制御手段は、前記第2の遊技状態の開始後からのゲーム数に関わらず、終了条件が成立するまで当該第2の遊技状態に継続して制御し、
前記第2小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値は、前記第1小役入賞が発生したときに付与される前記遊技用価値よりも大きく、
前記特定の表示結果の組合せを構成する表示結果は、前記複数の可変表示部のうち一の可変表示部を除き前記第1小役入賞が発生する表示結果の組合せと共通の表示結果であり、
前記特定の表示結果の組合せは複数種類あり、
前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれであるかに応じて、導出され得る前記特定の表示結果の組合せの種類が異なり、
前記スロットマシンは、
前記第2の遊技状態において操作手順が報知される報知状態に制御することが可能な報知状態制御手段と、
前記第2の遊技状態で前記報知状態に制御されている場合において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果となったときに、前記特定操作手順を特定可能に報知することが可能な一方で、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果となったときに、前記特別操作手順を特定可能に報知することが可能な所定報知手段と、
前記第3の遊技状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となったときに、当該特定結果の種類に対応して前記第2小役入賞が発生する表示結果の組合せを導出させる前記第2操作手順を特定可能に報知することが可能な特定報知手段と、
をさらに備える、スロットマシン。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-02-23 
出願番号 特願2015-39771(P2015-39771)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A63F)
P 1 651・ 113- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安藤 達哉  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 齋藤 智也
平城 俊雅
登録日 2016-01-15 
登録番号 特許第5869162号(P5869162)
権利者 株式会社三共
発明の名称 スロットマシン  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 重信 和男  
代理人 溝渕 良一  
代理人 石川 好文  
代理人 黒田 博道  
代理人 溝渕 良一  
代理人 林 修身  
代理人 重信 和男  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 石川 好文  
代理人 林 修身  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 大久保 岳彦  

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