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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08G
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C08G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C08G
管理番号 1327393
審判番号 不服2015-17216  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-18 
確定日 2017-04-13 
事件の表示 特願2010-189692「ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月 8日出願公開、特開2012- 46627〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年8月26日を出願日とする出願であって、平成25年12月27日付けで拒絶理由が通知され、平成26年3月6日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月8日付けで拒絶理由が通知され、同年12月11日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年6月18日付け(発送日:同年6月23日)で拒絶査定された。これに対し、平成27年9月18日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、その審判の請求と同時に手続補正書が提出されたが、平成28年1月15日付けで前置報告書が作成されたものである。

第2 平成27年9月18日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]

平成27年9月18日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.手続補正の内容
平成27年9月18日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求と同時にされた補正であり、平成26年12月11日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲をさらに補正するものであって、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1について、
「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を30mol%以上かつ80mol%以下含有するポリカーボネート樹脂100重量部と、多価アルコールの脂肪酸エステル0.0001重量部以上2重量部以下とを含み、
前記ポリカーボネート樹脂が、エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造されたものであり、
前記多価アルコールの脂肪酸エステルが全エステルであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】



を、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1である、
「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を30mol%以上かつ80mol%以下含有するポリカーボネート樹脂100重量部と、多価アルコールの脂肪酸エステル0.0001重量部以上2重量部以下とを含み、
前記ポリカーボネート樹脂が、エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造されたものであり、
前記多価アルコールの脂肪酸エステルが全エステルであり、
前記多価アルコールがエチレングリコールであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】


とする、補正事項を含むものである。(下線部は補正箇所であり、合議体で付したものである。)

2.本件補正の目的について
上記した特許請求の範囲についての本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、「多価アルコールの脂肪酸エステル」について、「多価アルコールがエチレングリコールである」とする、すなわち多価アルコールの脂肪酸エステルの種類を限定する補正事項を含むものであり、しかも、本件補正後の請求項1についてする本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、以下に記載のとおりのものである。
「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を30mol%以上かつ80mol%以下含有するポリカーボネート樹脂100重量部と、多価アルコールの脂肪酸エステル0.0001重量部以上2重量部以下とを含み、
前記ポリカーボネート樹脂が、エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造されたものであり、
前記多価アルコールの脂肪酸エステルが全エステルであり、
前記多価アルコールがエチレングリコールであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】



(2)本願明細書の記載事項
平成26年3月6日付けの手続補正、平成26年12月11日付けの手続補正、および、平成27年9月18日付けの手続補正により補正された本願明細書(以下、「本願補正明細書」という。)の発明の詳細な説明には、以下のとおりの記載がある。

ア「ポリカーボネート樹脂は、一般的にビスフェノール類をモノマー成分とし、透明性、耐熱性、機械的強度等の優位性を生かし、電気・電子部品、自動車用部品、医療用部品、建材、フィルム、シート、ボトル、光学記録媒体、レンズ等の分野でいわゆるエンジニアリングプラスチックスとして広く利用されている。
しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂は、長時間紫外線や可視光に曝露される環境で使用すると、色相や透明性、機械的強度が劣化するため、屋外や照明装置の近傍での使用に制限があった。又、種々成形品として使用する場合、溶融成形時に離型性が悪く、透明材料や光学材料等に用いることが困難であるという問題があった。
従来のポリカーボネート樹脂に使用されるビスフェノール化合物は、ベンゼン環構造を有するために紫外線吸収が大きく、このことがポリカーボネート樹脂の耐光性悪化を招く原因となっていた。そのため、分子骨格中にベンゼン環構造を持たない脂肪族ジヒドロキシ化合物や脂環式ジヒドロキシ化合物、イソソルビドのように分子内にエーテル結合を持つ環状ジヒドロキシ化合物モノマーユニットを使用すれば、原理的には耐光性が改良されることが期待される。」(段落【0002】?【0003】)

イ「しかしながら、上記脂肪族ジヒドロキシ化合物や脂環式ジヒドロキシ化合物、イソソルビドのように分子内にエーテル結合を持つ環状ジヒドロキシ化合物はフェノール性水酸基を有しないため、ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂の製法として広く知られている界面法で重合させることは困難であるという問題がある。したがって、これらのジヒドロキシ化合物は、通常、エステル交換法または溶融法と呼ばれる方法で製造される。かかる製造方法においては、上記ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルとを、塩基性触媒の存在下、200℃以上の高温でエステル交換させ、副生するフェノール等を系外に取り除くことにより重合を進行させ、ポリカーボネート樹脂を得る。
ところが、上記のようなフェノール性水酸基を有しないモノマーを用いて得られるポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有するモノマーを用いて得られたポリカーボネート樹脂に比べて熱安定性に劣っているために、高温にさらされる重合中や成形中に着色が起こり、結果的には紫外線や可視光を吸収して耐光性の劣化を招くという問題があった。中でも、イソソルビドのように分子内にエーテル結合を有するモノマーを用いた場合は色相悪化が著しく、大幅な改良が求められていた。更に、種々成形品として使用する場合には高温で溶融成形されるが、その時にも熱安定性がよく、成形性、離型性に優れた材料が求められていた。
しかしながら、イソソルビド単位を多く含むポリカーボネート樹脂に、上述のような一価アルコールと脂肪酸とのエステルや多価アルコールと脂肪酸との部分エステルからなる離型剤を添加した場合には、成形時に充分な離型性が得られなかったり、離型性の改良は認められても耐湿熱性の悪化を招いたり、透明性の悪化を招いたりするおそれがある。
本発明の目的は、前記従来の課題を解消し、透明性、色相、成形性、離型性、耐熱性及び耐湿性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品を提供しようとすることにある。」(段落【0005】?【0008】)

ウ「<ジヒドロキシ化合物>
前記ポリカーボネート樹脂は、構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも有する。
前記ポリカーボネート樹脂において、前記構造単位の含有量は1mol%以上かつ80mol%以下である。1モル%未満の場合には、耐熱性が不足し、熱により成形部材が変形するおそれがある。一方、80mol%を超える場合には、耐衝撃性が不足し、成形部材使用時に破断するおそれがある。前記ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の含有量は30mol%以上がより好ましく、50mol%以上がさらにより好ましい。また、前記ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の含有量は75mol%以下がより好ましく、70mol%以下がさらにより好ましい。
構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(本発明のジヒドロキシ化合物)としては、分子構造の一部に前記一般式(1)で表されるものを含んでいれば特に限定されるものではないが、・・・又下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(3)で表されるスピログリコール等の環状エーテル構造を有する化合物等の複素環基の一部が前記一般式(1)で表される部位であるジヒドロキシ化合物が挙げられるが、複素環基の一部が前記一般式(1)で表される部位であるジヒドロキシ化合物が好ましい。下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。」(段落【0018】?【0019】)

エ「前記ポリカーボネート樹脂は構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位以外に、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を更に含むことが好ましい。この場合には、柔軟性を付与することができる。」(段落【0026】)

オ「前記ポリカーボネート樹脂において、構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位とのモル比率は、任意の割合で選択できるが、前記モル比率を調整することで、衝撃強度が向上する可能性があり、更にポリカーボネート樹脂の所望のガラス転移温度を得ることが可能である。
前記ポリカーボネート樹脂において、構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位とのモル比率は、80:20?30:70であることが好ましく、70:30?40:60であるのが更に好ましい。前記範囲よりも構造の一部に前記一般式(1)で表わされる部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の割合が多いと着色しやすくなり、逆に構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の割合が少ないと高分子量とすることが困難となり、衝撃強度を向上させることが困難になり、又、ガラス転移温度が低下する傾向がある。
前記ポリカーボネート樹脂においては構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位、及び必要に応じて用いられる脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位に加えて、更にその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいても良い。その他のジヒドロキシ化合物としては、鎖式脂肪族ジヒドロキシ化合物又は芳香族系ジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
鎖式脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,4-ブタンジオール、・・・等が挙げられる。
芳香族系ジヒドロキシ化合物としては、ビスフェノール化合物(本発明においては置換、非置換を含む)が挙げられ、具体的には、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、・・・等が挙げられるが、好ましくは2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と略記することがある。
)が挙げられる。
上述のビスフェノール化合物に由来する構造単位の含有量は、0mol%以上かつ1mol%未満が好ましく、0mol%以上かつ0.8mol%未満がより好ましく、0mol%以上かつ0.5mol%未満がさらにより好ましい。ビスフェノール化合物に由来する構造単位の含有量が多すぎる場合には、着色が顕著になってしまうおそれがある。」((段落【0051】?【0056】)

カ「以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
以下において、ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。本例においては、後述の表1に示す3種類のポリカーボネート樹脂組成物(実施例1、参考例1、及び比較例1)について評価を行った。
・・・
以下の実施例及び参考例の記載の中で用いた化合物の略号は次の通りである。
(ポリカーボネート樹脂)
ISB:イソソルビド(ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
CHDM:1,4-シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製)」(段落【0105】?【0110】)

キ「

」(段落【0120】【表1】)

(3)特許請求の範囲の記載不備(特許法第36条第6項第1号)についての判断
ア 本願補正発明の課題
本願補正発明の解決しようとする課題は、上記摘示第2 3.(2)ア、イより、従来のポリカーボネート樹脂のビスフェノール化合物に起因する色相劣化等の耐光性悪化に対して、ベンゼン環を持たないジヒドロキシ化合物の使用が検討されるが、ベンゼン環を持たないジヒドロキシ化合物を用いたポリカーボネート樹脂は、その製法上高温にさらされ、ベンゼン環を持つ化合物より耐熱性に劣るため、着色等により結果的に耐光性に劣る問題があること、および、ベンゼン環を持たないジヒドロキシ化合物であるイソソルビド単位を多く含むポリカーボネート樹脂は離型剤の種類によって離型性の不足、耐湿熱性、透明性の悪化という問題があることに対し、「透明性、色相、成形性、離型性、耐熱性及び耐湿性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品を提供」することである。

イ 本願補正発明と発明の詳細な説明の記載
本願補正発明は、上記第2 3.(1)に記載のとおりのものであり、一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を30mol%?80mol%以下含有することのみが特定され、それ以外の構造単位の種類とその割合が特定されないポリカーボネート樹脂と、配合量が限定された特定の脂肪酸エステルとを含む、ポリカーボネート樹脂組成物であって、ポリカーボネート樹脂は通常ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位で構成される樹脂であるから、本願補正発明のポリカーボネート樹脂組成物の主成分であるポリカーボネート樹脂は一般式(2)で表される化合物以外の各種ジヒドロキシ化合物、例えば、脂環式ジヒドロ式化合物、鎖式ジヒドロキシ化合物、芳香族系ジヒドロキシ化合物をその残部の構造単位として含有するものである。
そうすると、本願補正発明は、一般式(2)で表される化合物以外のジヒドロキシ化合物として、芳香族系ジヒドロキシ化合物の代表例であり、従来のポリカーボネート樹脂の主な構成成分であるビスフェノール化合物を最大70mol%まで含有するポリカーボネート樹脂を含むものも含まれていることは明らかである。
ここで、ポリカーボネート樹脂を製造する際のモノマーの種類が、得られるポリカーボネート樹脂の物性に影響を及ぼすことは出願時の技術常識であり、また、本願補正明細書の発明の詳細な説明には、上記摘示第2 3.(2)アに従来のポリカーボネート樹脂に使用するビスフェノール化合物のベンゼン環に由来する色相劣化等の耐光性悪化についての記載があり、上記摘示第2 3.(2)オにビスフェノール化合物に由来する構造単位の含有量が多すぎる場合の着色についての記載がある。
一方、本願補正明細書の発明の詳細な説明には、イソソルビドと1,4-シクロヘキサンジメタノールを用いて製造されたポリカーボネート樹脂を用いた実施例が記載されているのみであり、一般式(2)で表される化合物以外の構造単位の種類とその割合に関係なく、透明性、色相、成形性、離型性、耐熱性及び耐湿性に優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られることについて何ら具体的な記載もなく、課題が解決されることが十分に裏付けられているものとは認められない。
よって、本願補正発明は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものである。

(4)まとめ
したがって、本願補正発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本願は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反するものである。
よって、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反しており、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、第2 [補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、平成26年12月11日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、以下に記載のとおりのものである。

「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を30mol%以上かつ80mol%以下含有するポリカーボネート樹脂100重量部と、多価アルコールの脂肪酸エステル0.0001重量部以上2重量部以下とを含み、
前記ポリカーボネート樹脂が、エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造されたものであり、
前記多価アルコールの脂肪酸エステルが全エステルであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】



第4 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、
「理由3 本願発明1は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
刊行物2:特開2009-161746号公報
刊行物3:特開2009-19127号公報

理由4 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」
というものを含むものである。

第5 当審の判断

1.特許法第29条第2項について
(1)刊行物の記載事項
ア 刊行物2には、ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート成形物に関して、次の記載がある。

(ア)「【請求項4】
分子内に少なくとも一つの連結基-CH_(2)-O-を有するジヒドロキシ化合物を少なくとも含むジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させる工程を含むポリカーボネートの製造方法であって、
前記重合触媒が、少なくともアルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物を含み、該アルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物の使用量が、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、0.1μモル以上25μモル以下の範囲内であり、全ジヒドロキシ化合物に含まれるアルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物の含有量が、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、10μモル以下であることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
【請求項5】
分子内に少なくとも一つの連結基-CH_(2)-O-を有するジヒドロキシ化合物が、下記一般式(1):
【化2】

で表されるジヒドロキシ化合物である、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
全ジヒドロキシ化合物に対する、前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の割合が10モル%以上である、請求項2、3、5ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法により得られるポリカーボネート。
【請求項13】
請求項12に記載のポリカーボネート又はその組成物からなる成形物。」(特許請求の範囲 請求項4、5および11?13)

(イ)「これら他のジヒドロキシ化合物を用いることにより、用途に応じた柔軟性の改善、耐熱性の向上、成形性の改善などの効果を得ることができる。本発明のポリカーボネートを構成する全ジヒドロキシ化合物に対するジヒドロキシ化合物(I)、例えば一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の割合は特に限定されないが、好ましくは10モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の含有割合が多過ぎると、本来の光学特性の性能を低下させたりすることもある。」(段落【0079】)

(ウ)「また、本発明のポリカーボネートには、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤を配合することも可能である。
かかる離型剤としては、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1?20の一価又は多価アルコールと炭素原子数10?30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルが好ましい。かかる一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ-ト、ソルビタンモノステアレート、2-エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。 なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニル等が好ましく用いられる。
高級脂肪酸としては、炭素原子数10?30の飽和脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
かかる離型剤の配合量は、ポリカーボネートを100重量部とした場合、0.01?5重量部が好ましい。」(段落【0120】?【0122】)

イ 刊行物3には、光ディスク基板および光ディスクに関して、次の記載がある。

(エ)「【請求項1】
(A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
【化1】

(B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、全構成単位における構成単位[A]の割合が65?100モル%からなる脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、
【化2】

(式中、mは2?12の整数を表す。)
(C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01?2重量%、および
【化3】

(式中、R^(1)は炭素数1?22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、R^(2)は炭素数12?22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1?6の整数を表す。)
(D)燐系安定剤0.0001?0.5重量%
を含有することを特徴とする、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
【請求項6】
前記(C)の一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルが、グリセリンとステアリン酸とのモノまたはジエステル、グリセリンとベヘニル酸とのモノまたはジエステル、ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル、およびペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1?5のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。」(特許請求の範囲 請求項1および6)

(オ)「<脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組物の製造する方法は、構成単位[A]および構成単位[B]を構成するジオール成分、ならびに炭酸ジエステルとから溶融重合法により重合する方法を好ましく挙げることができる。
・・・
また、溶融重合法において重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物;アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類;アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類;亜鉛化合物類;ホウ素化合物類;アルミニウム化合物類;珪素化合物類;ゲルマニウム化合物類;有機スズ化合物類;鉛化合物類;オスミウム化合物類;アンチモン化合物類;マンガン化合物類;チタン化合物類;ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。」(段落【0051】?【0055】)

(2)刊行物に記載された発明
ア 刊行物2には、上記摘示第5 1.(1) ア(ア)より、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認める。

「分子内に少なくとも一つの連結基-CH_(2)-O-を有するジヒドロキシ化合物を少なくとも含むジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させる工程を含むポリカーボネートの製造方法であって、
前記重合触媒が、少なくともアルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物を含み、該アルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物の使用量が、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、0.1μモル以上25μモル以下の範囲内であり、全ジヒドロキシ化合物に含まれるアルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物の含有量が、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、10μモル以下であるポリカーボネートの製造方法において、
分子内に少なくとも一つの連結基-CH_(2)-O-を有するジヒドロキシ化合物が、下記一般式(1):
【化2】


で表されるジヒドロキシ化合物であり、
全ジヒドロキシ化合物に対する、前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の割合が10モル%以上である、方法により得られるポリカーボネートを含む、組成物。」

イ 刊行物3には、上記摘示第5 1.(1) イ(エ)より、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認める。

「(A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
【化1】

(B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、全構成単位における構成単位[A]の割合が65?100モル%からなる脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、
【化2】

(式中、mは2?12の整数を表す。)
(C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01?2重量%、および
【化3】

(式中、R^(1)は炭素数1?22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、R^(2)は炭素数12?22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1?6の整数を表す。)
(D)燐系安定剤0.0001?0.5重量%
を含有し、
前記(C)の一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルが、グリセリンとステアリン酸とのモノまたはジエステル、グリセリンとベヘニル酸とのモノまたはジエステル、ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル、およびペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物。」

(3)対比・判断
ア 本願発明1と引用発明2との対比・判断
引用発明2の「下記一般式(1):
【化2】

で表されるジヒドロキシ化合物」は、本願発明1の「下記一般式(2)で表される化合物
【化1】

」に相当する。
また、引用発明2において「ジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させる工程を含むポリカーボネートの製造方法であって、前記重合触媒が、少なくともアルカリ及び/又はアルカリ土類金属化合物を含」むことは、本願発明1の「ポリカーボネート樹脂が、エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造され」ることに相当する。
そして、引用発明2の「組成物」は、本願発明1の「ポリカーボネート樹脂組成物」に相当する。

以上の点からみて、本願発明1と引用発明2とは、

[一致点]
「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を含み、
前記ポリカーボネート樹脂が、エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造されたものである、ポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】



である点で一致し、

次の点で相違する。

[相違点1]
一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位の含有量に関し、本願発明1は「30mol%以上かつ80mol%以下」と特定するのに対して、引用発明2では「10モル%以上」である点。

[相違点2]
添加剤に関し、本願発明1は「多価アルコールの脂肪酸エステル0.0001重量部以上2重量部以下とを含み、」「前記多価アルコールの脂肪酸エステルが全エステルである」と特定するのに対して、引用発明2はそのような特定がない点。

上記相違点1および2について以下に検討する。

[相違点1]について
引用発明2では、一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位の含有量を10モル%以上であり、その数値範囲に関し、本願発明1のものとは大部分が重複しているから、相違点1は実質的な相違点ではない。
また、仮に実質的に相違するとしても、引用文献2には上記摘示第5 1.(1) ア(イ)に、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の含有量について、より好ましくは40モル%以上、80モル%以下とすることが記載されているから、引用発明2においてより好ましいとされる範囲とすることは当業者にとり想到容易である。

[相違点2]について
本願発明1の多価アルコールの脂肪酸エステルは、成形時における離型性を付与するための離型剤として含有されるものであるところ(段落【0090】)、引用文献2には上記摘示第5 1.(1) ア(ウ)に、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために離型剤を配合し、その離型剤として、炭素原子数1?20の一価又は多価アルコールと炭素原子数10?30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステル、好ましくは、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニル等を配合すること、および、その配合量は、ポリカーボネートを100重量部とした場合、0.01?5重量部が好ましいことが記載されている。
そして、引用発明2において、組成物の離型性向上のために、好ましいとされる離型剤のいずれかを選択し、その配合量を好ましいとされる範囲で配合することは当業者が適宜なし得ることである。
ここで、エステルの種類に関連して、本願明細書中の全エステルを用いた実施例1は離型抵抗と耐熱性及び耐湿熱性に関連する粘度保持率の点で部分エステルを用いた比較例1より優れるものの、重要な物性とされる色相に関するYIの点で劣っており、「透明性、色相、成形性、離型性、耐熱性及び耐湿性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供する」という「本発明の目的」をふまえても(段落【0008】)、実施例1と参考例1の比較から、格別な効果を奏するものと認めることはできない。

イ 本願発明1と引用発明3との対比
引用発明3の「(A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
【化1】

」は、本願発明1の「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位
【化1】

」に相当し、当該構造単位の含有量において重複一致する。
また、引用文献3の「ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル」、「ペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステル」は、本願発明1の「多価アルコールの脂肪酸エステル」の「全エステル」に相当し、全エステルの配合量において重複一致する。
そして、引用発明3の「脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物」は、本願発明1の「ポリカーボネート樹脂組成物」に相当する。

以上の点からみて、本願発明1と引用発明3とは、

[一致点]
「下記一般式(2)で表される化合物に由来する構造単位を30mol%以上かつ80mol%以下含有するポリカーボネート樹脂100重量部と、多価アルコールの脂肪酸エステル0.0001重量部以上2重量部以下とを含み、
前記多価アルコールの脂肪酸エステルが全エステルであるポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】



である点で一致し、

次の点で相違する。

[相違点3]
ポリカーボネート樹脂に関し、本願発明1は「エステル交換反応触媒として2族金属化合物を使用して製造されたもの」と特定するのに対し、引用発明3はそのような特定がない点。

上記相違点3について以下に検討する。

[相違点3]について
引用文献3には、上記摘示第5 1.(1) イ(オ)に、脂肪族ポリカーボネート樹脂の製造方法に関し、溶融重合法により重合することが好ましく、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができることが記載されているから、引用発明3において、脂肪族ポリカーボネート樹脂を、好ましいとされる溶融重合法により、示される重合触媒を用いて、製造するようことは当業者にとり想到容易である。
そして、本願明細書には、触媒に関し1族金属化合物と2族金属化合物が同等に記載され、2族金属化合物の優位性については何ら記載がなく、触媒として1族金属化合物を用いたものと2族金属化合物を用いたものとを比較できる具体例も示されていないことから、2族金属化合物を選択することにより格別な効果を奏するものと認めることができない。

ウ 本願発明1の効果に関する請求人の主張について
(ア)エステル交換触媒について
請求人は、平成26年12月11日付けの意見書において、エステル交換触媒に関し、1族金属化合物を用いるものはポリカーボネート樹脂組成物の色相に悪影響を与えるおそれがあり、引用文献2、3の実施例においては1族金属化合物が用いられているのに対し、本願明細書では2族金属化合物を用いた実施例が示され、係る実施例においてはYIが低く優れた色相を発揮すると主張する。
しかしながら、2族金属化合物を選択することについて、相違点3において述べたように、本願明細書の記載を踏まえても格別な効果を奏するものと認めることができない。

(イ)多価アルコールの脂肪酸エステルについて
請求人は、平成26年12月11日付けの意見書において、引用文献2、3には多価アルコールの脂肪酸エステルとして全エステルを選択的に採用することが示されておらず、それによる耐熱性及び耐湿熱性が向上する作用効果についての記載もないと主張する。
しかしながら、引用発明2において全エステルとすることについては、先に相違点2について述べたとおりであり、また、引用発明3においては、本願発明1と引用発明3との対比で述べたとおりである。
そして、エステルの種類に関して、相違点2おいて述べたとおりであって、格別な効果を奏するものと認めることはできない。

(4)まとめ
したがって、本願発明1は、刊行物2または3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

2.特許法第36条第6項第1号について
本願補正発明は、本願発明1において、「多価アルコールがエチレングリコールである」と限定するものである。
一方、本願明細書には、第2 3.(2)に記載したとおりの記載がある。
そうすると、第2 3.(3)で述べたとおり、本願補正発明は発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本願発明1もまた発明の詳細な説明に記載したものとはいえず、本願は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反するものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1は、刊行物2または刊行物3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、本願発明1は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本願は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反するものである。
したがって、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-02-08 
結審通知日 2017-02-14 
審決日 2017-02-27 
出願番号 特願2010-189692(P2010-189692)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (C08G)
P 1 8・ 121- Z (C08G)
P 1 8・ 575- Z (C08G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松元 洋  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 守安 智
上坊寺 宏枝
発明の名称 ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品  
代理人 特許業務法人あいち国際特許事務所  

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