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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1327424
審判番号 不服2015-4114  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-02 
確定日 2017-05-15 
事件の表示 特願2011-551018「ビデオ符号化での分割ブロック符号化方法、ビデオ復号化での分割ブロック復号化方法及びこれを実現する記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 8月26日国際公開、WO2010/095915、平成24年 8月16日国内公表、特表2012-518940、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、2010年2月23日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2009年2月23日 韓国、2009年8月19日 韓国)を国際出願日とする出願であって、手続の経緯は以下のとおりである。

拒絶理由通知 : 平成25年 1月16日(起案日)
手続補正 : 平成25年 5月20日
拒絶理由通知 : 平成26年 1月31日(起案日)
手続補正 : 平成26年 7月 7日
拒絶査定 : 平成26年10月24日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 : 平成27年 3月 2日
手続補正 : 平成27年 3月 2日
前置報告 : 平成27年 7月24日
当審拒絶理由 : 平成28年 3月 2日(起案日)
手続補正 : 平成28年 6月30日
当審拒絶理由(最後) : 平成28年 8月12日(起案日)
意見書 : 平成29年 2月17日

第2.本願発明
特許請求の範囲の請求項1乃至3に係る発明(以下、項番に従い「本願発明1」?「本願発明3」という。)は、平成28年6月30日付け手続補正書により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された以下のとおりのものと認める。なお、請求項1の記号(A)?(F)は、説明のために当審で付与したものである。以下、構成A等という。

【請求項1】
(A)符号化しようとする画面を入力する段階と、
(B)入力された画面を符号化単位ブロックに分割する段階と、
(C-1)符号化するために前記符号化単位ブロックを第1の下位ブロックの4つに分割する段階と、
(C-2)前記第1の下位ブロックの4つの中の少なくとも1つの第1の下位ブロックを第2の下位ブロックの4つに分割する段階と、
(C-3)前記第2の下位ブロックの4つの各々の予測モードが画面内予測か画面間予測かを決定する段階と、
(C-4)前記第2の下位ブロックの予測モードが画面内予測である場合には、前記第2の下位ブロックの4つの中の第2の下位ブロックの1つに画面内予測を行う段階と、
(C-5)前記第2の下位ブロックの予測モードが画面間予測である場合には、前記第2の下位ブロックの4つの中の第2の下位ブロックの1つに画面間予測を行う段階と、
(C-6)前記画面内予測又は前記画面間予測によって得られる前記第2の下位ブロックの残差信号を変換する段階と量子化する段階とを備え、
(D)前記第2の下位ブロックは前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロックを含み、
(E)前記変換する段階と量子化する段階が、1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの大きさに従った変換カーネルを適用することにより変換される前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの残差信号に行われること
(F)を特徴とするビデオ符号化での分割ブロック符号化方法。
【請求項2】
予測を行うために、前記画面内予測が前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックに行われることを特徴とする請求項1に記載のビデオ符号化での分割ブロック符号化方法。
【請求項3】
予測を行うために、前記画面間予測が前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックに行われることを特徴とする請求項1に記載のビデオ符号化での分割ブロック符号化方法。

第3.原査定の理由の概要
(1)特許法第29条第2項について
本願の請求項1?4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開平03-220887号公報
2.特表2003-533141号公報

第4.平成28年8月12日付け当審拒絶理由通知の概要
(1)特許法第29条第2項について
本願の請求項1?3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.国際公開第03/026315号
2.P.Chen et.al.,Video Coding Using Extended Block Sizes [VCEG-AJ23],ITU-Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group(VCEG) 36th Meeting:San Diego,USA,2008年10月8日,pp.1-3,URL,http://wftp3.itu.int/av-arch/video-site/0810_San/VCEG-AJ23.zip

(2)特許法第36条第6項第1号について
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(請求項1-3)
・請求項1は、補正により、「・・・前記第2の下位ブロックは前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロックを含み、前記変換する段階と量子化する段階が、1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの大きさに従った変換カーネルを適用することにより変換される前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの残差信号に行われる」とされたが、意見書において補正の根拠とされた各段落および図面の記載をはじめとして明細書及び図面を全体的にみても、予測を行うブロックの大きさ(第2の下位ブロックの大きさ)と変換カーネルの大きさ(第3の下位ブロックの大きさ)が「前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロック」に一意的に決定される記載はない。
したがって、請求項1の上記記載事項は発明の詳細な説明に記載したものでない。

第5.当審拒絶理由についての判断
(1)特許法第29条第2項について
(1-1)引用文献の記載および引用発明
(1-1-1)引用文献1の記載および引用発明1
当審の平成28年8月12日付けの拒絶理由に引用文献1として引用された国際公開第03/026315号(以下、「引用文献1」という。)には、「符号化方法、復号方法、符号化装置、復号装置、画像処理システム、符号化プログラム及び復号プログラム」(発明の名称)として図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審で付与したものである。

ア.「21.動き補償予測を用いて動画像の圧縮符号化を行う符号化方法であって、
動画像のフレームを分割した第1のブロックの各々についてさらに分割した1つ又は複数の第2のプロックからなる単位で、インター予測モードもしくはイントラ予測モードを選択してインター予測もしくはイントラ予測を行う予測工程と、
前記1つ又は複数の第2のブロックに対するインター予測モ一ドもしくはイントラ予測モードの選択状況に関する情報をビットストリームに多重して出力する予測モ一ド情報符号化工程と、
を備えた符号化方法。」(請求の範囲21項)

イ.「図1における入力映像信号1はフレーム画像の時間系列であり、以後はフレー ム画像単位の信号を表すものとする。また、符号化対象となるフレーム画像を、図3Bにおける現フレーム30Bとする。現フレーム30Bは、16画素×16ライン固定の正方矩形領域(マクロブロックと呼ぶ)に分割され、その単位で以下の符号化処理が行われる。
現フレーム30Bの各マクロブロックはまず動き検出部2に送られ、ここで、予測モード3の決定とそれに対応した本数の動きべクトル4の検出が行われる。H.26L符号化方式では、予測モード3として、同一空間上の符号化済み近傍画素を用いた空間予測を行うイントラ予測モードと、時間的に異なる符号化済みフレーム画像(図3Aにおける前フレーム30A)を用いた動き補償予測を行うインター予測モードが複数用意され、これらを映像信号の局所的な性質に応じてマクロプロック単位で切り替え、効率的な情報圧縮を行うことができるよう構成されている。
即ち、 図43の流れ図において、符号化装置に入力映像信号1が入力され(S01)、動き検出(S02)及び動き補償(S03)を行うとともに、空間予測部9による後述の空間予測(S04)を行う。
動き補償予測とは、図3A、図 3Bに示すように現フレーム30Bの入力映像に類似する信号パターン(予測値)を前フレーム30Aの復号画像から所定の探索範囲32内で探し出して、空間的な変位量を動きベクトルとして検出し(例えばホイール31の空間的な変位量を動きべクトル33として検出し)、予測残差信号と動きベクトルとを符号化情報として伝送する技術である。H.26Lでは図4A?図4Gに示すように7種類のインター予測モードがある。正確には、映像が静止している場合などで有用な、前フレームの同位置の画素をそのままコピーする予測モード(スキップモード)も用意されているがここでは説明の都合上割愛する。図4Aのモード1では16×16画素単位、図4Bのモード2は8×16画素単位、図4Cのモード3は16×8画素単位、図4Dのモード4は8×8画素単位、図4Eのモード5は4×8画素単位、図4Fのモード6は8×4画素単位、図4Gのモード7は4×4画素単位に動きべクトルを検出する。つまり、これら7種類の予測モードは、マクロブロック内の動き検出単位を細分化できるようにしたものであり、マクロブロック内に存在しうる種々の動きを正確に捉えることを目的として設けられている。
動き検出部2では、マクロブロックごとに図4A?図4Gのすベてのインター予測モードについて評価を行い、もっとも符号化効率がよいと判断されるモードを選択する。イントラ予測モードも同様に符号化効率を評価して、インター予測モードよりも効率がよい場合にはイントラ予測モードが選択される。インター予測モードが選択される場合には、結果として、動きベクトル4は予測モード3で定められる本数分(最大でマクロブロックあたり16本)検出・伝送されることになる。イントラ予測モードが選択される場合には動きべクトル4は伝送されない。
インタ一予測モードが選択される場合には、決定された予測モード3と動きべクトル4が動き補償部5に送られ、動きべクトル4を用いてフレームメモリ6中の前フレームの符号化済み画像信号7を参照して、各マクロブロックの動き補償予測画像8が取り出される。
イントラ予測モードが選択される場合は、空間予測部9において、近傍の符号化済み画像信号7を参照して予測値10が生成される。最終的に使用される予測値11は、予測モード3に基づいてスイッチ12において動き補償予測画像8と予測値10のいずれかとして選択される。
上記のような予測値11と入力映像信号1との差分値を表す予測残差信号13が生成され(図43のS05)、予測残差信号13は直交変換部14に送られ直交変換により直交変換係数15となる(S06)。直交変換係数15は量子化部16に送られ量子化処理によって量子化直交変換係数17となり(S07)、可変長符号化部23に送られる。ここでエントロピー符号化が行われて圧縮ストリーム24に多重される(S08)。」(24頁10行?26頁10行)

ウ.「次に、第4実施形態を説明する。本実施形態では、サブブロック単位に、動きベクトル割当を変更するだけでなくイントラ/インター予測の区別も行えるように図1の予測モード3を構成した符号化装置・復号装置について説明する。これにより、サブブロックごとにイントラ、インター(複数動きベクトルのうちのいずれか)を選択して符号化することができるため、マクロブロック単位にモード切替を行うよりも、実際の映像の性質に適応した効率的な符号化を行うことが可能となる。
まず、本実施形態における図1の予測モード3の定義について、図24A、Bの例を用いて説明する。H.26L符号化方式では、イントラ予測として4×4のサブプロック単位でイントラ予測モード情報で識別される複数の予測方法を切り替えて空間予測を行うイントラ4×4モード(INTRA_4×4)と、マクロブロックの単位で複数の予測方法を切り替えて空間予測を行うイントラ16×16モード(INTRA_16×16)との2種類が用意されている。
イントラ予測モード情報には計6種類(1?6)の空間予測方法が定義されており、これらをサブブロックの単位で指定することが可能である。そこで、これを拡張し、4×4サブプロックの予測モードとして動きべクトル割当情報を統合する。つまり、2本の動きベクトルが使用可能である場合、その予測方法のIDを7、8と定義する。この定義に基づいてサブブロックに予測方法1?8が割り当てられた例が図24A、Bに示されている。図24Aでは対角方向にイントラ/インターの区別が行われ、インターの中でも2つの動きべクトルが使用されている。
図24Bではマクロプロックが上下に分割され、上部がイントラで下部がインターで予測される例で、この例ではインター予測には1本の動きベクトルしか使用されない。以下、この多値の予測割当情報のことを、多値予測識別マップ情報と呼ぶ。
なお、イントラ16×16モードと、16×16画素単位動き補償モード(以下、インター16×16モード)との識別については、4×4サブブロック単位の予測割当情報を必要としないため、マクロプロックタイプ情報による識別だけで実現できる。すなわち、マクロブロックタイプ情報を、イントラ16×16モード、インター16×16モード、及びサブブロック単位任意予測割当の3種類に分類する。次いで、サブブロック単位任意予測割当のモードである場合には、上記の多値予測識別マップ情報を符号化することによってすべてのサブブロックの予測方法を確定する。
この例では、符号化装置の動き検出部2において、イントラ16×16モード、インター16×16モ一ド、及びサブブロック単位任意予測割当のすべての可能性について評価を行い、もっとも符号化効率のよいモードを選択することができる。もちろん、いずれかのモードの組合せに固定して符号化するような装置を構成してもよい。サブブロック単位予測の最適な検出は様々な手法が考えられるが、例えば第2実施形態の図14で示した方法を拡張し、例外サブプロック領域のうち、イントラ予測の予測評価値よりも大きな予測評価値を有するサブプロックは イントラ予測にする、などの方法でマップ情報を確定することができる。
以下では、図24A、Bに示した多値予測識別マップ情報の符号化方法について述べる。このマップ情報は、第2実施形態および第3実施形態で示した動きべクトル割当情報とほぼ同じ符号化方法で符号化できる。異なるのは、第2実施形態および第3実施形態の符号化対象の情報がバイナリマップであつたのに対し、本実施形態の符号化対象がグレイスケールマップであることである。」(53頁19行?55頁12行)

上記ア.?ウ.の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮して引用文献1の記載を検討する。
引用文献1には、上記ア.に記載のように、動画像である映像の圧縮符号化を行う符号化方法について記載があり、当該符号化方法は、動画像のフレームを分割した第1のブロックの各々についてさらに分割した1つ又は複数の第2のプロックからなる単位で、インター予測モードもしくはイントラ予測モードを選択してインター予測もしくはイントラ予測を行っている。
具体的には、上記イ.に記載の符号化装置を基礎とする上記ウ.の第4実施形態の記載によれば、フレーム画像の時間系列である入力映像信号を符号化装置に入力し、16×16画素のマクロブロックに分割し、さらにマクロブロックを分割した4×4画素のサブブロックからなる単位でインター予測モードもしくはイントラ予測モードを選択してインター予測もしくはイントラ予測を行っている。そして、これらの予測による予測値と入力映像信号との差分値である予測残差信号は、直交変換部による直交変換処理および量子化部による量子化処理を経て符号化されている。

したがって、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が開示されている。なお、記号(a)から(d)は、説明のために当審において付与したものである。

(引用発明1)
「(a)フレーム画像の時間系列である入力映像信号を入力し、
(b)16×16画素のマクロブロックに分割し、
(c-1)さらにマクロブロックを4×4画素のサブブロックに分割し、
(c-2)サブブロックからなる単位でインター予測モードもしくはイントラ予測モードを選択し、
(c-3)イントラ予測モードを選択した場合、上記サブブロックをイントラ予測し、
(c-4)インター予測モードを選択した場合、上記サブブロックをインター予測し、
(c-5)上記イントラ予測あるいは上記インター予測による予測値と入力映像信号との差分値である予測残差信号を直交変換処理および量子化処理する
(d)映像の符号化方法。」

(1-1-2)引用文献2の記載および引用発明2
当審の平成28年8月12日付けの拒絶理由に引用文献2として引用されたP.Chen et.al.,Video Coding Using Extended Block Sizes [VCEG-AJ23],ITU-Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group(VCEG) 36th Meeting:San Diego,USA,2008年10月8日,pp.1-3(以下、「引用文献2」という。)には、「Video Coding Using Extended Block Sizes」(当審訳:「拡張ブロックサイズを用いた映像符号化」)という表題で以下の事項が記載されている。

エ.「The Proposed Solution
It has been demonstrated that video coding using blocks bigger than 16x16 can provide substantial coding gain compared to H.264, especially when applied on high definition video sequences [2]. In this contribution, we propose a coding system that encodes the input video using bigger than 16x16 blocks as follows:
1.New motion partitions (32x32, 32x16, and 16x32) are used.
In addition to the existing motion partition sizes (16x16, 16x8, 8x16, 8x8, 8x4, 4x8, and 4x4) in H.264, inter coding using 32x32, 32x16, and 16x32 partitions is also enabled. Figure 1 shows all the motion block partitions allowed in the proposed scheme. Consider each 32x32 block as a "super macroblock" or SMB. Input video is coded in units of SMBs. For each SMB,smb_skip_flag signals the SKIP or DIRECT mode in the same way as in H.264. In addition, four values of smb_type are signaled with the following meanings:
0:32x32 partition
1:32x16 partition
2:16x32 partition
3:16x16 partition
The smb_type of an SMB is signaled in the same way as the mb_type of a macroblock; in other words, all the CABAC contexts and context initialization remain the same. If smb_type is between 0 and 2 (i.e., bigger than 16x16 partition is used), then one motion vector per prediction list is signaled for each partition. If smb type is between 0 and 2, or if the SMB has DIRECT mode, residual coefficients are signaled for each 16x16 MB in the SMB in raster scan order, re-using the same syntax elements as in residual_block() in H.264 (except when bigger transforms are used as described in 2).
If the mb_type of an SMB is 3 (i.e., 16x16 partition is used), then the four 16x16 macroblocks in the SMB are signaled in raster scan order using the same syntax elements as macroblock_layer() in H.264. In other words, each 16x16 macroblock may be partitioned further in the quadtree manner, from size 16x16 down to size 4x4. Also the signaling of cbp and transform coefficients remain the same as in H.264 (except for bigger block transforms as described in 2).」(1頁)

(当審訳)
「提案された解決策
特に、高解像度映像シーケンス[2]に適用される場合、16×16より大きいブロックを使用した映像符号化はH.264に比べてかなりの符号化利得を提供することが実証されています。この貢献で、我々は以下のように16×16よりも大きいブロックを使用して入力映像を符号化する符号化方式を提案します:
1.新しい動きパーティション(32×32、32×16、及び16×32)が使用される。
H.264の既存の動きパーティションサイズ(16×16、16×8、8×16、8×8、8×4、4×8、及び4×4)に加えて、インター符号化では、32×32、32×16、16×32のパーティションも使用可能です。図1において、提案方式で許可されるすべての動きブロックパーティションを示します。スーパーマクロまたはSMBとしての各32×32ブロックを考えてみましょう。入力映像は、SMBの単位で符号化されます。各SMBについて、smb_skip_flagはH.264と同様にスキップやダイレクトモードを通知します。また、smb_typeの4つの値が次のような意味で通知されます。
0: 32×32パーティション
1: 32×16パーティション
2: 16×32パーティション
3: 16×16パーティション
SMBのsmb_typeはマクロブロックのmb_typeと同じ方法で通知されます。;換言すれば、すべてのCABACコンテクストとコンテキストの初期化は同じままです。smb_typeが0と2の間にある(すなわち、16×16より大きいパーティションが使用されている)場合、予測リスト毎の1つの動きベクトルはパーティションごとに通知されます。smbタイプが0と2の間にあるか、もしくはSMBがダイレクトモードである場合、H.264(2で説明される大きなブロック変換は除かれる)のresidual_block()における同じ構文要素は再利用されて、ラスタスキャン順のSMBの各16×16MBごとに通知されます。
SMBのmb_typeが3である(すなわち、16×16パーティションが使用されている)場合、4つの16×16のマクロブロックは、H.264におけるmacroblock_layer ()と同じ構文要素を使用してラスタスキャン順に通知されます。換言すれば、各16×16マクロブロックは、大きさ16×16から大きさ4×4へ四分木的にさらに分割されてもよいです。またcbpと変換係数のシグナリングは、H.264(2で説明される大きなブロック変換は除かれる)と同じままとすべきです。」

オ.「



(当審訳)
「(図1省略)
図1:提案手法において用いられる動きパーティション」

カ.「2. New block transforms with larger basis functions are used.
Bigger transforms allow to better capture the usually smoother content in high definition video. For inter coded macroblocks, 16x16, 16x8, and 8x16 transforms are used in addition to 4x4 and 8x8 integer transforms. For each motion partition of size MxN, where M, N <=16, MxN transform is used. For bigger motion partitions, 16x16 transform is used. For intra coded macroblocks, MDDT [3] is used. The bigger block transform coefficients are sent with minimal changes to the significance, last significance, and magnitude coding in CABAC.」(2頁)

(当審訳)
「2.より大きな基底関数による新しいブロック変換が変換される。
より大きな変換は、高解像度映像において通常のスムーズなコンテンツをより良くキャプチャすることができます。インター符号化されたマクロブロックにおいて、16×16、16×8、及び8×16の変換が4×4と8×8の整数変換に加えて使用されています。M×N(M、N<=16)のサイズの各動きパーティションにおいてM×N変換が使用されています。大きな動きパーティションの場合、16×16変換が使用されます。イントラ符号化されたマクロブロックについては、MDDT[3]が使用されています。大きいブロックの変換係数は、有効係数、最終有効係数、及び、CABACにおけるマグニチュード符号化に最小限の変更をもたらします。」

上記エ.?カ.の記載及びこの分野における技術常識を考慮して引用文献2の記載を検討する。
引用文献2には、上記エ.に記載され、オ.の図1に示されるように、入力ビデオをパーティション(例えば、32×32)に分割し、符号化するために4分割(例えば、16×16)し、さらに4分割(例えば、8×8)したパーティションサイズで符号化することが示されている。また、上記エ.には「各16×16マクロブロックは、大きさ16×16から大きさ4×4へ四分木的にさらに分割されてもよいです。」との記載もある。
よって、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が開示されている。

(引用発明2)
「入力ビデオをパーティションに分割し、符号化するためにパーティションを4つに分割し、4分割したパーティションの中の少なくとも1つをさらに4分割して符号化する符号化方法」

(1-2)本願発明1について
(1-2-1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。
(i)本願発明1の構成Aについて
本願発明1の構成Aと引用発明1の構成aとを対比する。
引用発明1の「フレーム画像の時間系列である入力映像信号」は、符号化装置にて符号化されるために入力される映像信号であり、フレーム画像は画面を構成する。
よって、引用発明1の構成a「フレーム画像の時間系列である入力映像信号を入力し、」は、本願発明1の構成A「符号化しようとする画面を入力する段階」に相当する。

(ii)本願発明1の構成Bについて
本願発明の構成Bと引用発明1の構成bとを対比する。
引用発明1の「16×16画素のマクロブロック」は入力映像信号を分割したものであり、マクロブロックが符号化装置における符号化単位であることは技術常識である。
よって、引用発明1の構成b「16×16画素のマクロブロックに分割し、」は、本願発明1の構成B「入力された画面を符号化単位ブロックに分割する段階」に相当する。

(iii)本願発明1の構成C-1?C-6について
本願発明1の構成C-1?C-6と引用発明1の構成c-1?c-5とを対比する。
引用発明1の「4×4画素のサブブロック」は、16×16画素のマクロブロックをさらに16分割分割したブロックとなっている。なお、サブブロックは符号化するために分割されている。一方、本願発明1では、構成C-1「符号化するために前記符号化単位ブロックを第1の下位ブロックの4つに分割する段階」と、構成C-2「前記第1の下位ブロックの4つの中の少なくとも1つの第1の下位ブロックを第2の下位ブロックの4つに分割する段階」の2段階を備えることにより、符号化単位ブロックを、第1の下位ブロックに4分割し、さらに第2の下位ブロックに4分割しているから、第2の下位ブロックは、符号化単位ブロックを16分割したブロックとなっている。このことから、引用発明1の「マクロブロック」は、本願発明1の「符号化単位ブロック」に相当し、引用発明1の「サブブロック」と、本願発明1の「第2の下位ブロック」は、「下位ブロック」である点で共通するといえる。
また、引用発明1の「イントラ予測」、「インター予測」が、本願発明1の「画面内予測」、「画面間予測」に相当すること、また、引用発明の「予測残差信号」が本願発明1の「残差信号」に相当すること、また、引用発明1の「直交変換処理および量子化処理」が、本願発明1の「変換する段階と量子化する段階」に相当することは、それぞれ明らかである。
よって、引用発明1の構成c-1?c-5と本願発明1の構成C-1?C-6は、
「符号化するために前記符号化単位ブロックを下位ブロックに分割する段階と、
前記下位ブロックの各々の予測モードが画面内予測か画面間予測かを決定する段階と、
前記下位ブロックの予測モードが画面内予測である場合には、前記下位ブロックに画面内予測を行う段階と、
前記下位ブロックの予測モードが画面間予測である場合には、前記下位ブロックに画面間予測を行う段階と、
前記画面内予測又は前記画面間予測によって得られる前記下位ブロックの残差信号を変換する段階と量子化する段階とを備え」ている点で共通し、
「下位ブロック」に関し、本願発明1では、符号化するために前記符号化単位ブロックを第1の下位ブロックの4つに分割する段階と、前記第1の下位ブロックの4つの中の少なくとも1つの第1の下位ブロックを第2の下位ブロックの4つに分割する段階の2段階の分割による「第2の下位ブロック」であるのに対し、引用発明1では、マクロブロックを直接16分割することによる「サブブロック」である点で相違している。

(iv)本願発明1の構成Dについて
引用発明1には、本願発明1の構成D「前記第2の下位ブロックは前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロックを含み」に関する構成がない。

(v)本願発明1の構成Eについて
引用発明1には、本願発明の1の構成E「前記変換する段階と量子化する段階が、1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの大きさに従った変換カーネルを適用することにより変換される前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの残差信号に行われること」に関する構成がない。

(vi)本願発明1の構成Fについて
引用発明1の「映像の符号化方法」は、構成a?c-5のとおり、映像信号をサブブロックに分割して行われる符号化であるから、本願発明1の「ビデオ符号化での分割ブロック符号化方法」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違している。

<一致点>
「符号化しようとする画面を入力する段階と、
入力された画面を符号化単位ブロックに分割する段階と、
符号化するために前記符号化単位ブロックを下位ブロックに分割する段階と、
前記下位ブロックの各々の予測モードが画面内予測か画面間予測かを決定する段階と、
前記下位ブロックの予測モードが画面内予測である場合には、前記下位ブロックに画面内予測を行う段階と、
前記下位ブロックの予測モードが画面間予測である場合には、前記下位ブロックに画面間予測を行う段階と、
前記画面内予測又は前記画面間予測によって得られる前記下位ブロックの残差信号を変換する段階と量子化する段階とを備える
ビデオ符号化での分割ブロック符号化方法。」

<相違点>
(相違点1)「下位ブロック」に関し、本願発明1では、「符号化するために前記符号化単位ブロックを第1の下位ブロックの4つに分割する段階」と、「前記第1の下位ブロックの4つの中の少なくとも1つの第1の下位ブロックを第2の下位ブロックの4つに分割する段階」の2段階の分割により得られる「第2の下位ブロック」であるのに対し、引用発明1では、マクロブロックを直接16分割することにより得られる「サブブロック」である点。
(相違点2)本願発明1では、「前記第2の下位ブロックは前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロックを含」んでいるのに対し、引用発明1では、そのような構成を含んでいない点。
(相違点3)「前記変換する段階と量子化する段階」に関し、本願発明1では、「1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの大きさに従った変換カーネルを適用することにより変換される前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの残差信号に行われる」のに対し、引用発明1では、そのような構成を有していない点。

(1-2-2)判断
(i)相違点1について
まず、(相違点1)について検討する。
上記(1-1-2)において検討したとおり、引用文献2には、「入力ビデオをパーティションに分割し、符号化するためにパーティションを4つに分割し、4分割したパーティションの中の少なくとも1つをさらに4分割して符号化する符号化方法」という引用発明2が開示されている。
この引用発明2の「入力ビデオ」、「パーティション」は、それぞれ本願発明1の「入力された画面」、「符号化単位ブロック」に相当することは明らかであり、「パーティションを4つに分割」したものは、本願発明1の「第1の下位ブロック」に相当し、「さらに4分割」したものは、本願発明1の「第2の下位ブロック」に相当する。
ここで、当業者であれば、引用発明2の符号化方法におけるパーティションの分割技術を引用発明1のマクロブロックからサブブロックへの分割に対して適用し、引用発明1のサブブロック(下位ブロック)を、本願発明1のように、「符号化するために前記符号化単位ブロックを第1の下位ブロックの4つに分割する段階」と、「前記第1の下位ブロックの4つの中の少なくとも1つの第1の下位ブロックを第2の下位ブロックの4つに分割する段階」の2段階の分割により得るようにすることを容易に想到し得るものである。

(ii)相違点2、相違点3について
次に、相違点2及び相違点3は、「変換する段階及び量子化する段階」に係る構成であるのでまとめて検討する。
引用文献1及び引用文献2(特に、上記オ.の記載)には、「変換する段階」において、所定の大きさのブロック(4×4、8×8等)による変換が行われることについての記載はあるものの、どのようなブロックの大きさの残差信号に対してどのような大きさのブロックの変換が行われるかについては記載がない。
したがって、本願発明1のように、変換カーネルの大きさに関し、「第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロック」の大きさに従ったものとすること、かつ、変換カーネルを適用する残差信号の大きさに関し、「第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロック」の大きさの残差信号とすることは、当業者と雖も容易に想到し得ることではない。
このように、本願発明1の相違点2及び相違点3に係る構成は、当業者が容易に為し得たものではない。

(iii)まとめ
上記(ii)において検討したとおり、本願発明1の相違点2及び相違点3に係る構成は、引用発明1、2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(1-3)本願発明2、本願発明3について
請求項2および請求項3は請求項1を直接的に引用しているから、本願発明2、本願発明3は、本願発明1の構成を備えるものである。このことから、本願発明2,本願発明3と引用発明1とを対比すると、上記(1-2-1)における相違点と同じ相違点2、3に係る構成を少なくとも有することになるので、本願発明1に対する判断と同じ理由により、当業者であっても、本願発明2、本願発明3を引用発明1、2に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)特許法第36条第6項第1号について
当審では、上記「第4」の(2)に示したとおり、「請求項1は、補正により、『・・・前記第2の下位ブロックは前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロックを含み、前記変換する段階と量子化する段階が、1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの大きさに従った変換カーネルを適用することにより変換される前記第2の下位ブロックに含まれる1つ以上の正方形の前記第3の下位ブロックの残差信号に行われる』とされたが、意見書において補正の根拠とされた各段落および図面の記載をはじめとして明細書及び図面を全体的にみても、予測を行うブロックの大きさ(第2の下位ブロックの大きさ)と変換カーネルの大きさ(第3の下位ブロックの大きさ)が『前記第2の下位ブロックから分割された1つ以上の正方形の第3の下位ブロック』に一意的に決定される記載はない。」との拒絶理由を通知した。
これに対し、審判請求人は、平成29年2月17日付けの意見書において、本願の図2を参照して、「図2では、N×Nブロックは本願請求項1の符号化単位ブロックに相当します。また、N/2×N/2ブロックは本願請求項1の第1の下位ブロックに相当します。更に、N/4×N/4ブロックは本願請求項1の第2の下位ブロックに相当します。本願の図2は「複数のドット」(図2の右上の破線で囲んだ部分をご参照下さい)を開示しています。すなわち、図2は、ブロックを分割する機能を帰納的に開示しています(ブロックは、N×Nブロック、N/2×N/2ブロック、およびN/4×N/4ブロック等の1つであります)。
従って、N/4×N/4ブロックが分割される時、N/8×N/8ブロックが得られます。また、N/8×N/8ブロックが分割される時、N/16×N/16ブロックが得られます。すなわち、第1の下位ブロックはN×NブロックをN/2×N/2ブロックに分割したものであり、第2の下位ブロックは第1の下位ブロックであるN/2×N/2ブロックをN/4×N/4ブロックに分割したものであります。当然、第3の下位ブロックは第2の下位ブロックであるN/4×N/4ブロックをN/8×N/8ブロックに分割したものであることは、本願の明細書及び図面の記載から、当業者にとって自明であります。本明細書において、N/8×N/8ブロックは第3の下位ブロックに相当します。
したがって、本願請求項1に記載されているすべての特徴は、本出願の記載にサポートされているものと確認致します。」との主張を行った。この主張は妥当なものと判断できるので、本拒絶理由は解消した。

第6.原査定についての判断
平成28年6月30日付けの補正により、本願発明1?3は、上記(1-2-1)における相違点2、3に係る構成(本願発明1の構成D、E)を有することになった。当該相違点2、3に係る構成は、原査定における引用文献1(特開平03-220887号公報)、引用文献2(特表2003-533141号公報)には記載されておらず、本願発明1?3は、当業者であっても、原査定における引用文献1、2に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7.むすび
以上のとおり、本願の特許請求の範囲の請求項1乃至請求項3に係る発明は、原査定の理由によって、拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-04-26 
出願番号 特願2011-551018(P2011-551018)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04N)
P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 堀井 啓明  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 藤井 浩
渡邊 聡
発明の名称 ビデオ符号化での分割ブロック符号化方法、ビデオ復号化での分割ブロック復号化方法及びこれを実現する記録媒体  
代理人 清原 義博  
代理人 清原 義博  
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