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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1327434
審判番号 不服2016-1874  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-08 
確定日 2017-05-09 
事件の表示 特願2015-124247「スマートフォン」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月24日出願公開、特開2016- 40711、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年6月19日(パリ条約による優先権主張2014年8月1日、大韓民国)の出願であって、同年7月9日付けで拒絶理由通知がされ、同年9月11日に手続補正がされ、同年9月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成28年2月8日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされ、同年12月16日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、平成29年3月17日付けで手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成27年9月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の請求項1-21に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記A-Fの刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
A.特開2011-258043号公報
B.特開2012-235224号公報(周知技術を示す文献)
C.特開2010-244514号公報(周知技術を示す文献)
D.特開2013-105154号公報(周知技術を示す文献)
E.国際公開第2011/013588号(周知技術を示す文献)
F.国際公開第2014/080924号(周知技術を示す文献)

第3 当審拒絶理由の概要
本件出願の請求項1-21に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記1-5の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧

引用例1:特開2011-100364号公報
引用例2:特開2014-115708号公報
引用例3:特開2013-171369号公報
引用例4:特開2014-112436号公報
引用例5:特開2011-170659号公報

第4 本願発明


本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、平成29年3月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-12は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
カバー層と、
前記カバー層の下部に位置し、液晶層及び前記液晶層を挟んで位置する第1ガラス層及び第2ガラス層を含むLCDパネル及び前記LCDパネルがディスプレイ機能を遂行するようにする構成を含むディスプレイモジュールと、
前記ディスプレイモジュールの下部であって前記ディスプレイモジュールの表示領域と垂直方向において重なり合う位置に配置され、シート状に形成された圧力電極と、
前記圧力電極の下部に位置し、バッテリ及び回路基板のうちの少なくとも一つの実装空間を前記ディスプレイモジュールから分離し、もしくは前記ディスプレイモジュールから発生するノイズを遮蔽するように構成された遮蔽用部材と、を含み、
静電容量方式でタッチを感知するタッチセンサの少なくとも一部が前記第1ガラス層と前記第2ガラス層との間に位置し、
前記タッチセンサは、複数の駆動電極と複数の受信電極とを含み、
前記タッチセンサに駆動信号が印加され、前記タッチセンサから出力される感知信号からタッチ位置を検出することができ、
前記圧力電極から出力される静電容量の変化量に基づいてタッチ圧力の大きさを検出することができ、
前記遮蔽用部材が基準電位層であり、前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である、
スマートフォン。
【請求項2】
前記第1ガラス層と前記第2ガラス層との間に位置する前記タッチセンサの前記少なくとも一部は、前記駆動電極及び前記受信電極のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載のスマートフォン。
【請求項3】
前記LCDパネルは、前記第1ガラス層、前記液晶層及び前記第2ガラス層を挟んで位置する第1偏光層及び第2偏光層をさらに含み、
前記タッチセンサの前記少なくとも一部を除いた残りの一部は、前記第1ガラス層と前記第1偏光層との間に位置する、請求項1または2に記載のスマートフォン。
【請求項4】
前記圧力電極と前記遮蔽用部材との間に位置するスペーサ層をさらに含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスマートフォン。
【請求項5】
前記圧力電極と前記ディスプレイモジュールとの間に位置するスペーサ層をさらに含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスマートフォン。
【請求項6】
前記圧力電極は、複数のチャネルを構成する複数の電極を含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスマートフォン。
【請求項7】
カバー層と、
前記カバー層の下部に位置し、液晶層及び前記液晶層を挟んで位置する第1ガラス層及び第2ガラス層を含むLCDパネル及び前記LCDパネルがディスプレイ機能を遂行するようにする構成を含むディスプレイモジュールと、
前記ディスプレイモジュールの下部であって前記ディスプレイモジュールの表示領域と垂直方向において重なり合う位置に配置され、シート状に形成された圧力電極と、
前記圧力電極の下部に位置し、バッテリ及び回路基板のうちの少なくとも一つの実装空間を前記ディスプレイモジュールから分離し、もしくは前記ディスプレイモジュールから発生するノイズを遮蔽するように構成された遮蔽用部材と、を含み、
静電容量方式でタッチを感知するタッチセンサの少なくとも一部が前記第1ガラス層と前記第2ガラス層との間に位置し、
前記タッチセンサは、複数の駆動電極と複数の受信電極とを含み、
前記タッチセンサに駆動信号を印加するための駆動部と、
前記タッチセンサから感知信号を受信してタッチ位置を検出するための感知部と、
前記圧力電極から出力される静電容量の変化量に基づいてタッチ圧力の大きさを検出するための圧力検出部と、をさらに含み、
前記遮蔽用部材が基準電位層であり、前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である、
スマートフォン。
【請求項8】
前記第1ガラス層と前記第2ガラス層との間に位置する前記タッチセンサの前記少なくとも一部は、前記駆動電極及び前記受信電極のうちの少なくとも一つである、請求項7に記載のスマートフォン。
【請求項9】
前記LCDパネルは、前記第1ガラス層、前記液晶層及び前記第2ガラス層を挟んで位置する第1偏光層及び第2偏光層をさらに含み、
前記タッチセンサの前記少なくとも一部を除いた残りの一部は、前記第1ガラス層と前記第1偏光層との間に位置する、請求項7または8に記載のスマートフォン。
【請求項10】
前記圧力電極と前記遮蔽用部材との間に位置するスペーサ層をさらに含む、請求項7ないし9のいずれか1項に記載のスマートフォン。
【請求項11】
前記圧力電極と前記ディスプレイモジュールとの間に位置するスペーサ層をさらに含む、請求項7ないし9のいずれか1項に記載のスマートフォン。
【請求項12】
前記圧力電極は、複数のチャネルを構成する複数の電極を含む、請求項7ないし11のいずれか1項に記載のスマートフォン。」

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
平成28年12月16日付けの拒絶の理由に引用された、引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている。

a)「【0031】
<第1の実施形態>
[センサ装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。図2は、図1に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。図2では、後に説明するセンサ装置のフレームが省略されて図示されている。
【0032】
センサ装置100は、筐体1と、筐体1の内部に配置されるタッチパネル2と、感圧センサ3とを有する。筐体1は、開口部4aが形成されたフレーム4と、開口部4aを覆うようにフレーム4に固定される表示カバー5とを有する。表示カバー5により覆われた開口部4aは、筐体1の内部空間の一部を構成する。タッチパネル2は、開口部4aに配置されるように表示カバー5に支持される。
【0033】
図2に示すように、表示カバー5は矩形状でなり、例えば指やタッチペン等の図示しない操作子により押圧される操作領域5aと、操作領域5aの周りを囲む周縁領域5bとを有する。フレーム4は、開口部4aの周りに設けられた固定部4bを有しており、図1に示すように、この固定部4bに表示カバー5の周縁領域5bが固定される。従って、表示カバー5の操作領域5aにより、フレーム4の開口部4aが覆われることになる。
【0034】
表示カバー5は、操作領域5aに作用する所定以上の押圧力に対して、周縁領域5bと固定部4bとの間の接合点を支点とする操作領域5aの撓み変形が可能なように構成される。操作領域5aの撓み変形は弾性的であり、操作領域5aの撓み量は押圧力に応じて連続的に変化する。表示カバー5は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明プラスチック板のほか、ガラス板、セラミックス板等で構成することができる。表示カバー5は、筐体の一部として適宜の剛性を有しつつ、ユーザによる所定以上の押圧操作力を受けて変形できるように、その厚み及び大きさ等が設定される。
【0035】
本実施形態では、表示カバー5の操作領域5aの内面6aに、タッチパネル2の上面2a(第1の面)が接着され、タッチパネル2の下面2b(第2の面)には、例えば液晶パネル等の表示パネル7が設けられる。操作領域5aの内面6a及びタッチパネル2の上面2aは、例えば、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製の光学弾性樹脂「SRV(Super View Resin)」(商品名)等の図示しない透明な接着層により相互に接合される。またタッチパネル2の下面2b及び表示パネル7も同様の接着層により相互に接合される。表示パネル7の下側には、クッション部材8を介して金属シールド9が設けられ、この金属シールド9は、フレーム4の底部4cに固定される。
【0036】
本実施形態では、タッチパネル2として静電容量方式のものが用いられる。例えばPET基板等の透明な部材からなるX電極基板及びY電極基板の2つの基板が積層される。X電極基板及びY電極基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料からなる検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンがそれぞれ形成される。検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンは共に、一方向に延在するストライプ状の形状となるように形成される。X電極基板及びY電極基板が積層される際には、検出用X透明電極パターンの延在方向と検出用Y透明電極パターンの延在方向とが、互いに略直交するように積層される。このようなものがタッチパネル2として用いられる場合、検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンは、制御ユニットCに電気的に接続される。
【0037】
静電容量方式のものの代わりに、タッチパネル2として、例えば、光学方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式、又は超音波方式等を採用したタッチパネルが用いられてもよい。
【0038】
制御ユニットCは、例えば、回路基板とこれに搭載される演算処理回路、メモリ等を含む各種電子部品で構成される。制御ユニットCは、筐体1(フレーム4)の内部に収容され、さらに詳しくは、金属シールド9とフレームの底部4cの間の空間内に配置されている。制御ユニットCは、タッチパネル2による操作位置の検出制御、表示パネル7の表示制御、後述する感圧センサ3による押圧力の検出制御など、センサ装置100の動作全体を制御する。
【0039】
次に、感圧センサ3の構成について説明する。
【0040】
図1に示すように、感圧センサ3は、表示カバー5とフレーム4との間に設けられる。図2に示すように、感圧センサ3は環状に形成された第1の電極10と、同じく環状に形成された第2の電極11とを有する。第1及び第2の電極10及び11には図示しない配線が接続され、この配線により、制御ユニットCに電気的に接続される。タッチパネル2は、この環状の第1及び第2の電極10及び11の、環の内部側に配置される。
【0041】
第1及び第2の電極10及び11としては、例えば銅、銀、ニッケル、アルミニウム、金等の金属材料や、ZnO、ITO等の透明な導電性酸化物材料が用いられる。また、これらの導電性材料の表面に、例えばポリイミド等の絶縁材料が積層されたものが、第1及び第2の電極10及び11として用いられてもよい。
【0042】
図3は、図1に示す感圧センサ3を拡大して示す部分拡大図である。図3に示すように、上記した第1の電極10は、粘着剤12aを介して、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bに設けられる。第2の電極11は、粘着剤12bを介して、フレーム4の固定部4bに設けられる。第1及び第2の電極10及び11は、それぞれ対向するように配置され、第1及び第2の電極10及び11の間はエアギャップ13となる。粘着剤12a、12bとしては、例えばアクリル樹脂系の透明粘着剤が用いられる。
【0043】
第1及び第2の電極10及び11の厚みは、例えば10μm以上100μm以下の範囲である。また、第1の電極10と、表示カバー5の周縁領域5bの内面6bとの接触幅は、例えば1mmである。同様に第2の電極11と、フレーム4の固定部4bとの接触幅は、例えば1mmである。エアギャップ13の大きさは、例えば10μm以上100μm以下の範囲であり、本実施形態では、エアギャップ13の大きさを10μm以上30μm以下としている。エアギャップ13の大きさは、表示カバー5の撓み変形の際に第1及び第2の電極10及び11が相互に接触しない大きさに設定される。
【0044】
第1の電極10として、例えば表示カバー5の周縁領域5bの内面6bに、例えば銅、金等の金属ペーストを印刷したものが用いられてもよい。同様に第2の電極11として、フレーム4の固定部4bに金属ペーストを印刷したものが用いられてもよい。」(【0031】?【0044】の記載。下線は当審で付与。以下、同様。)

b)「【0050】
タッチパネル2の検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンには所定の電圧が加えられる。操作領域5aに操作子が接触すると、接触位置で重なるX透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンの静電容量が変化する。そうすると検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンを流れる電流が変化し、その変化が制御ユニットCにて検出される。制御ユニットCは、検出された電流の変化に基づいて、操作子が接触した位置のXY座標を特定し、その結果に基づいてセンサ装置100の動作を制御する。」(【0050】の記載。)

c)「【0064】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係るセンサ装置について説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明したセンサ装置100における構成及び作用と同様な部分については、同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。」(【0064】の記載。)

d)「【0106】
<第7の実施形態>
図19は、本発明の第7の実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。図20は、図19に示すセンサ装置の模式的な分解斜視図である。
【0107】
本実施形態のセンサ装置700では、図19及び図20に示すように、タッチパネル2の下面2bに表示パネル7の上面7a(第1の面)が接着され、表示パネル7の下面7b(第2の面)に感圧センサ703が設けられる。表示カバー5は、環状に形成された粘着剤712によりフレーム4に固定される。
【0108】
図20に示すように、第1及び第2の電極10及び11は、表示パネル7の下面7b及び金属シールド9にそれぞれ設けられる。第1及び第2の電極10及び11の間には、スペーサ714が設けられる。本実施形態では、スペーサ714として矩形状の「ポロン」が用いられているがこれに限られない。スペーサ714として、例えば第1及び第2の電極10及び11の形状と同様な環状のものが用いられてもよい。なお図20では、スペーサ714は省略されている。
【0109】
本実施形態のセンサ装置700では、表示カバー5の操作領域5aが押圧された際に、表示カバー5が撓むように変形し、これと一体となってタッチパネル2及び表示パネル7が撓むように変形する。これにより操作領域5aに加えられた押圧力が、表示カバー5の撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出される。
【0110】
図21は、本実施形態に係る第1及び第2の電極10及び11の形状等の、他の例を示した図である。図21では、表示パネル7の下面7bに設けられた第1及び第2の電極10及び11が示されている。スペーサ714(図示せず)は、第1及び第2の電極10及び11の形状等に合わせて適宜設けられる。
【0111】
図21(A)に示すように、第1及び第2の電極10及び11が、表示カバー5の四隅に対応する位置と、操作領域5aの中央に対応する位置とに複数設けられてもよい。複数の第1及び第2の電極10及び11は、配線724によりそれぞれ電気的に接続されている。これにより操作領域5aの押圧位置にかかわらず、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0112】
図21(B)に示すように、第1及び第2の電極10及び11が、操作領域5aの中央に対応する位置に所定の面積で設けられてもよい。例えば第1及び第2の電極10及び11の面積を大きくすることで、操作領域5aの押圧位置にかかわらず、高い精度で押圧力を検出することができる。
【0113】
本実施形態では、表示パネル7により、操作領域5aに画像が表示される。図19及び図20に示すように、操作領域5aは、表示パネル7から見て上面7a側に位置する。従って、表示パネル7の下面7bに設けられた感圧センサ703により、表示パネル7の画像の表示が遮られることがない。これにより感圧センサ703(第1及び第2の電極10及び11)の形状や数、又は表示パネル7に対する感圧センサ703の位置等の自由度が大きくなる。特に、図21(A)及び図21(B)に示すように、表示カバー5の操作領域5aの中央に対応する位置に感圧センサ703を設けることができる。
【0114】
また感圧センサ703が、表示パネル7の下面2bに設けられるので、表示カバー5、タッチパネル2及び表示パネル7の構造を、感圧センサ703が設置される位置にかかわらず、良好な光学特性が得られるように適宜設定することができる。」(【0106】?【0114】の記載。)

e)「【0128】
<第10の実施形態>
図25は、本発明の第10の実施形態に係る電子機器1000を示す模式的な斜視図である。電子機器1000は、上記した各実施形態のセンサ装置の内部に、以下で説明する制御ユニットが組み込まれたものである。
【0129】
制御ユニットは、例えば指等の操作子により、表示カバー1005の操作領域1005aが押圧された際に、その押圧位置及び押圧力に基づいて、電子機器1000に所定の動作をさせる。すなわち制御ユニットは、筐体1001の内部のタッチパネルにより検出された操作子の接触位置に関する信号と、筐体1001の内部の感圧センサにより検出された操作子の押圧力に関する信号とを処理することが可能である。
【0130】
例えば、制御ユニットにより、操作領域1005aに複数のボタンが画像として表示される。そのボタンがユーザにより押圧されると、制御ユニットは、操作子の接触位置及び押圧力に基づいて、どのボタンが押圧されたかを判断する。そして、例えば押圧されたと判断したボタンに対応する画像を操作領域1005aに表示させる。あるいは、押圧されたと判断したボタンに対応するアプリケーションを起動させてもよい。
【0131】
本実施形態において、上記制御ユニットは、第1及び第2の電極間の静電容量の変化等を検出する演算回路を有する。制御ユニットは、操作領域5aに加えられた押圧力を検出する。
【0132】
例えば上記制御ユニットは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの両方で実現されてもよい。ハードウェアは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、NIC(Network Interface Card)、WNIC(Wireless NIC)等を含む。ソフトウェアを構成する各種プログラムは、ROMやその他の記憶デバイスに格納される。
【0133】
このような電子機器1000としては、例えば、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラ等の撮像装置、携帯電話及び携帯型オーディオビジュアル機器等の端末装置、携帯ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistance)、オンスクリーンキーボード、電子辞書、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、ゲーム機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。」(【0128】?【0133】の記載。)

上記下線部及び関連箇所の記載によれば、引用文献1には、画像を表示するための表示手段を備えるプリンタとして、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「センサ装置100は、筐体1と、筐体1の内部に配置されるタッチパネル2と、感圧センサ3とを有し、
筐体1は、開口部4aが形成されたフレーム4と、開口部4aを覆うようにフレーム4に固定される表示カバー5とを有し、
タッチパネル2は、開口部4aに配置されるように表示カバー5に支持され、
表示カバー5の操作領域5aの内面6aに、タッチパネル2の上面2a(第1の面)が接着され、タッチパネル2の下面2b(第2の面)には、液晶パネル等の表示パネル7が設けられ、
表示パネル7の下側には、クッション部材8を介して金属シールド9が設けられ、この金属シールド9は、フレーム4の底部4cに固定され、
タッチパネル2として静電容量方式のものが用いられ、
透明な部材からなるX電極基板及びY電極基板の2つの基板が積層され、
X電極基板及びY電極基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料からなる検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンがそれぞれ形成され、
X電極基板及びY電極基板が積層される際には、検出用X透明電極パターンの延在方向と検出用Y透明電極パターンの延在方向とが、互いに略直交するように積層され、
制御ユニットCは、回路基板とこれに搭載される演算処理回路、メモリ等を含む各種電子部品で構成され、金属シールド9とフレームの底部4cの間の空間内に配置され、
感圧センサ3は第1の電極10と、第2の電極11とを有し、
第1の電極10として、金属ペーストを印刷したものが用いられ、同様に第2の電極11として、金属ペーストを印刷したものが用いられ、
タッチパネル2の検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンには所定の電圧が加えられ、操作領域5aに操作子が接触すると、接触位置で重なるX透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンの静電容量が変化し、その変化が制御ユニットCにて検出され、制御ユニットCは、検出された電流の変化に基づいて、操作子が接触した位置のXY座標を特定し、その結果に基づいてセンサ装置100の動作を制御するものであり、
タッチパネル2の下面2bに表示パネル7の上面7a(第1の面)が接着され、表示パネル7の下面7b(第2の面)に感圧センサ703が設けられ、
第1及び第2の電極10及び11は、表示パネル7の下面7b及び金属シールド9にそれぞれ設けられ、
表示カバー5の操作領域5aが押圧された際に、表示カバー5が撓むように変形し、これと一体となってタッチパネル2及び表示パネル7が撓むように変形し、これにより操作領域5aに加えられた押圧力が、表示カバー5の撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出され、
第1及び第2の電極10及び11が、操作領域5aの中央に対応する位置に所定の面積で設けられた、
センサ装置の内部に制御ユニットが組み込まれた、携帯電話等が挙げられる電子機器1000。」

2.引用文献2?4について
平成28年12月16日付けの拒絶の理由に引用された、引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。

f)「【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に狭持される液晶とを有する液晶表示パネルを備え、マトリクス状に配置された複数の画素を有する液晶表示装置であって、
前記第2基板は、タッチパネルの検出電極を有し、
前記各画素は、画素電極と対向電極とを有し、
前記対向電極は、複数のブロックに分割されており、
前記分割された各ブロックの対向電極は、連続する複数の表示ラインの各画素に対して共通に設けられており、
前記分割された各ブロックの対向電極は、前記タッチパネルの走査電極を兼用し、
前記各検出電極毎に設けられ、一端が前記各検出電極に接続されるキャリブレーション容量素子を有し、
タッチ位置検出処理時に、前記各キャリブレーション容量素子の他端にキャリブレーション電圧を供給する手段を有することを特徴とする液晶表示装置。」(【請求項1】の記載。)

g)「【0004】
インセル方式の液晶表示装置におけるタッチパネルは相互容量検出方式であり、液晶表示パネルの第1基板上に形成される走査電極と、液晶表示パネルの第2基板上に形成される検出電極との間の交差容量(Cxy)を検出してタッチ位置を検出している。
交差容量(Cxy)は、液晶層、第1および第2の基板を構成するガラス基板、偏光板、接着樹脂などの誘電率や厚みのばらつき、また不均一性のため、個体差や面内ばらつきを持っており、キャリブレーションが必須である。
また、インセル方式の液晶表示装置におけるタッチパネルの出荷検査では、タッチパネル全面を覆うことができる面積の金属プレートを乗せて、走査電極と検出電極の全交点のRawデータにおける、金属プレートを乗せた前後の差分値が規定範囲内にあると良品と判定する。
この金属プレート検査は、短時間で判定できる一方、互いに隣接する2つの検出電極の隣接ショート不良の検出は困難である。この隣接ショート不良には、互いに隣接する2つの検出電極に接続される、フレキシブル配線基板上の配線の隣接ショート不良も含まれる。
互いに隣接する2つの検出電極の隣接ショート不良の検出は、走査電極と検出電極の各交点毎の打点検査で可能であるが、検査に時間を要するため生産効率が著しく低下する。また、フレキシブル配線基板上の検出電極に接続される配線に、テストパッドを設けオープンショート検査をする方法は、ノイズや静電気に弱くなる、あるいは、フレキシブル配線基板が大きくなる等のデメリットがある。」(【0004】の記載。)

平成28年12月16日付けの拒絶の理由に引用された、引用文献3には、図面とともに以下の事項が記載されている。

h)「【0030】
図1は、本発明に係るエンベディッド型タッチスクリーン1の原理を示すための模式断面図である。同図において、エンベディッド型タッチスクリーン1に表示される画像は、図中上側より観察者により観察される。エンベディッド型タッチスクリーン1は、一般的な液晶表示装置としての構成を有しており、観察者側に配置されるガラス等からなる透明基板である第1の基板2と第2の基板3とに液晶層4が挟まれた構造の液晶パネルと、さらにその背面側に平面光源であるバックライト5が配置される。以降では、エンベディッド型タッチスクリーン1の観察者側に向く面を前面、その反対側の面を背面と呼び、観察者側を前面側、その反対側を背面側と呼びならわす。
【0031】
第1の基板2の背面には、絶縁層6が形成されている。絶縁層6は、同図ではその詳細な構造を省略して示しているが、カラーフィルタ層や配向膜などから構成されており、そのため、第1の基板2は一般にカラーフィルタ基板と呼ばれる。また、エンベディッド型タッチスクリーン1がアクティブマトリクス形式の液晶表示装置でもある場合、第2の基板3の前面には、スイッチング素子としてのTFTや各種配線、液晶層4中の液晶材料の配向方向を制御するための各種電極等の電気的構造が形成される。ここでは、それら電気的構造は、模式的に付番7及び8が付された電極のみが示されている。付番7及び8が付された電極やその他の電気的構造は、絶縁層9に覆われている。絶縁層9は、同図ではその詳細な構造を省略して示しているが、一般的な絶縁膜や配向膜などから構成されるものである。
【0032】
ここで、付番7が付された電極は、交番電源10に接続されており、同回路により交番信号が印加される励起電極7である。なお、ここで交番信号とは、周期的にその大きさと向きが変化する電流又は電圧を示しており、その波形は問わない。本明細書では、以降交番信号としてはその代表的なものとして、正弦波交流電圧を用いることとするが、これに限定するものではない。一方、付番8が付された電極は、励起電極7に隣接して配置される検出電極8であり、同電極に接続された増幅器11により、同電極に励起された信号、すなわち電圧又は電流を増幅し、その結果を検出するためのものである。ここでは、例として、増幅器11は検出電極8に励起された電圧を増幅するものとする。
【0033】
ここで、励起電極7に印加された交番信号により励起される電界は交番電界であり、図1にその電気力線を破線で示すように、励起電極7から第1の基板の前面側にはみ出し、検出電極8へとつながる。このとき、検出電極8には、かかる交番電界により励起された信号が発生する。ここで、エンベディッド型タッチスクリーン1の使用者が、第1の基板2の前面に指12、あるいは導電性を有するスタイラスその他の部材を触れると、図2に示すように、励起電極7と検出電極8間の交番電界が遮られ、検出電極8に励起される信号のレベルは低下する。増幅器11により増幅された、かかる信号レベルの変化を検知することにより、エンベディッド型タッチスクリーン1の前面に使用者が触れたことが検知され、さらに、信号レベルの変化のあった検出電極8の位置により、使用者が触れた位置、すなわち、座標検知がなされるのである。」(【0030】?【0033】の記載。)

平成28年12月16日付けの拒絶の理由に引用された、引用文献4には、図面とともに以下の事項が記載されている。

i)「【0029】
本タッチ制御ディスプレイ装置は、
第1基板11と、第2基板13と、
第1基板11と第2基板13との間に配設された液晶層15と、共通電極17と、複数の画素単位と、
共通電極17の上に配設された複数のタッチ感知電極19であって、二次元アレイに配置された複数のタッチ感知電極19と、
を含む。」(【0029】の記載。)

上記の記載によれば、引用文献2,3には、液晶表示パネルをガラス等からなる2つの基板に挟まれた液晶層を有する構造とすると共に、当該基板間に、タッチパネルの少なくとも一部を位置させる技術が記載されている。
また、引用文献4には、タッチパネルの少なくとも一部をディスプレイパネルの基板間に位置させる技術が記載されている。

3.引用文献5について
平成28年12月16日付けの拒絶の理由に引用された、引用文献5には、図面とともに以下の事項が記載されている。

j)「【0028】
感圧センサ60は、筐体70に固定配置されている。感圧センサ60は、その厚み方向に沿ってそれぞれ配置された対向する第1面62a及び第2面62bを有している。第1面62a側がタッチパネル50に固定配置され、第2面62b側が筐体70に固定配置される。第1面62aには、第1の電極としての駆動電極61及び第2の電極としての受信電極66が互いに離間して配置されている。駆動電極61と受信電極66とは第2の静電容量を形成している。第2面62bには、接地電極63が設けられている。すなわち、弾性体62を挟み込むようにして、駆動電極61及び受信電極66と、接地電極63とが対向して配置される。入力操作面51と垂直な方向、すなわち弾性体62の厚み方向(図面z軸方向)に入力操作面51を押圧すると、感圧センサ60の弾性体62がその厚み方向に縮小するように歪むとともに、この感圧センサ60が接着固定されているトッププレート40及びタッチパネル50が押圧方向に移動する。このように、感圧センサ60は、押圧によって、z軸方向にその厚みが変位する構成となっている。そのため、指による押圧によって感圧センサ60の変位分、タッチパネル50は液晶パネル30に近づくように移動するので、その移動分を考慮してセンサユニット100と液晶パネル30との間には空隙95が設けられている。」(【0028】の記載。)

k)「【0045】
[感圧センサの動作原理]
次に、本実施形態における感圧センサ60の動作原理について図5を用いて説明する。本実施形態の感圧センサ60においては、駆動電極61及び受信電極66、弾性体62、接地電極63の積層方向に加わる押圧力に応じて静電容量が変化する。図5(a)に示すように、押圧力が加わっていない状態では、駆動電極61と受信電極66間で電界110が形成され、駆動電極61と受信電極66とが静電的に結合している。そして、指によって押圧力が加わると、図5(b)に示すように、感圧センサ60を構成する弾性体62はその厚みdがd´に減少するように歪み、この歪みによって、駆動電極61及び受信電極66と、接地電極63との距離が小さくなる。これにより、駆動電極61及び受信電極66によって形成された電界の一部が、より低い電位である接地電極63と結合される。その結果、駆動電極61と受信電極66によって形成される電界111は、押圧前の電界110よりも弱くなり、駆動電極61と受信電極66との間の静電容量が減少する。このように、入力操作面に対する操作子による押圧によって、第2の静電容量を押圧前の第2の静電容量よりも小さく変換、言い換えると減少させることができる。
【0046】
感圧センサ60は、静電容量変化率が、押し込み力、すなわち感圧センサ60に加わる押圧力にほぼ比例するリニアな特性を有している。本実施形態においては、駆動電極61に信号発生回路4から矩形のパルスを加え、受信電極66から得られる信号(第2の信号)が、図示しない回路基板に設けられている電荷検出回路6に入力され、駆動電極61と受信電極66間の第2の静電容量の変化を検出することができる。そして、駆動電極61、受信電極66間の静電容量変化から、入力操作面51への押圧による入力決定操作がなされたことを判定することができる。」(【0045】?【0046】の記載。)

上記の記載によれば、引用文献5には、「駆動電極61」と「受信電極66」とを同一面に設けると共に、これら両電極と対向する位置に「接地電極63」を設けた「感圧センサ60」をタッチパネルに設ける技術が記載されている。

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア.引用発明の「表示カバー5」は、「タッチパネル2の上面2a(第1の面)が接着され、タッチパネル2の下面2b(第2の面)には、液晶パネル等の表示パネル7が設けられ」るものであるから、本願発明1の「カバー層」に相当する。

イ.引用発明の「液晶パネル等の表示パネル7」は、「タッチパネル2」を介して「表示カバー5」の下方に設けられているから、本願発明1の「前記カバー層の下部に位置し、液晶層及び前記液晶層を挟んで位置する第1ガラス層及び第2ガラス層を含むLCDパネル及び前記LCDパネルがディスプレイ機能を遂行するようにする構成を含むディスプレイモジュール」と「前記カバー層の下部に位置し、液晶層を含むLCDパネルを含むディスプレイモジュール」である点で一致する。

ウ.引用発明の「感圧センサ」を構成する「第1の電極10と、第2の電極11」は、「金属ペーストを印刷したもの」であるから「シート状に形成された」といい得るものであり、また、「表示パネル7の下面7b及び金属シールド9にそれぞれ設けられ、」「操作領域5aの中央に対応する位置に所定の面積で設けられた」ものであるから「前記ディスプレイモジュールの下部であって前記ディスプレイモジュールの表示領域と垂直方向において重なり合う位置に配置され」たといい得るものである。
したがって、引用発明の「第1の電極10と、第2の電極11」は、本願発明1の「前記ディスプレイモジュールの下部であって前記ディスプレイモジュールの表示領域と垂直方向において重なり合う位置に配置され、シート状に形成された圧力電極」に相当する。

エ.引用発明の「第1の電極10と、第2の電極11」は、「表示パネル7の下面7b及び金属シールド9にそれぞれ設けられ」ているから、引用発明の「金属シールド9」は、「第1の電極10と、第2の電極11」の下側に位置するといえる。
また、引用発明の「金属シールド9」は、「表示パネル7の下側」に設けられ、「回路基板とこれに搭載される演算処理回路、メモリ等を含む各種電子部品で構成」される「制御ユニットC」は「金属シールド9とフレームの底部4cの間の空間内に配置」されるものであるから、引用発明の「金属シールド9」は、「制御ユニットC」が配置される空間を「表示パネル7」から分離するように構成されているといえる。
したがって、引用発明の「金属シールド9」は、本願発明1の「前記圧力電極の下部に位置し、バッテリ及び回路基板のうちの少なくとも一つの実装空間を前記ディスプレイモジュールから分離し、もしくは前記ディスプレイモジュールから発生するノイズを遮蔽するように構成された遮蔽用部材」に相当する。

オ.引用発明の「タッチパネル2」は、「静電容量方式のものが用いられ」るから、本願発明1の「静電容量方式でタッチを感知するタッチセンサ」に相当する。

カ.引用発明の「タッチパネル2」は、「検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンには所定の電圧が加えられ、操作領域5aに操作子が接触すると、接触位置で重なるX透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターンの静電容量が変化し、その変化が制御ユニットCにて検出され、制御ユニットCは、検出された電流の変化に基づいて、操作子が接触した位置のXY座標を特定し、その結果に基づいてセンサ装置100の動作を制御するもの」であるから、引用発明の「タッチパネル2」が「検出用X透明電極パターン及び検出用Y透明電極パターン」を含むことは、本願発明1の「前記タッチセンサは、複数の駆動電極と複数の受信電極とを含」むことに相当し、引用発明の「タッチパネル2」により「操作子が接触した位置のXY座標を特定」することは、本願発明1の「前記タッチセンサに駆動信号が印加され、前記タッチセンサから出力される感知信号からタッチ位置を検出することができ」ることに相当する。

キ.引用発明の「感圧センサ」は、「操作領域5aに加えられた押圧力が、表示カバー5の撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出され」るものであることは、本願発明1の「前記圧力電極から出力される静電容量の変化量に基づいてタッチ圧力の大きさを検出することができ」ることに相当する。

ク.引用発明の「電子機器1000」は、「携帯電話等が挙げられる」ものであるから、本願発明1の「スマートフォン」に相当する。

したがって、両者は以下の一致点と相違点とを有する。

〈一致点〉
「カバー層と、
前記カバー層の下部に位置し、液晶層を含むLCDパネルを含むディスプレイモジュールと、
前記ディスプレイモジュールの下部であって前記ディスプレイモジュールの表示領域と垂直方向において重なり合う位置に配置され、シート状に形成された圧力電極と、
前記圧力電極の下部に位置し、バッテリ及び回路基板のうちの少なくとも一つの実装空間を前記ディスプレイモジュールから分離し、もしくは前記ディスプレイモジュールから発生するノイズを遮蔽するように構成された遮蔽用部材と、を含み、
静電容量方式でタッチを感知するタッチセンサであり、
前記タッチセンサは、複数の駆動電極と複数の受信電極とを含み、
前記タッチセンサに駆動信号が印加され、前記タッチセンサから出力される感知信号からタッチ位置を検出することができ、
前記圧力電極から出力される静電容量の変化量に基づいてタッチ圧力の大きさを検出することができる、
スマートフォン。」

〈相違点1〉
本願発明1は、「ディスプレイモジュール」が「液晶層及び前記液晶層を挟んで位置する第1ガラス層及び第2ガラス層を含むLCDパネル及び前記LCDパネルがディスプレイ機能を遂行するようにする構成を含む」ものであるのに対し、引用発明は、「液晶層を挟んで位置する第1ガラス層及び第2ガラス層を含む」こと、「LCDパネルがディスプレイ機能を遂行するようにする構成を含む」ことが特定されていない点。

〈相違点2〉
本願発明1は、「タッチセンサの少なくとも一部が」、ディスプレイモジュールの「前記第1ガラス層と前記第2ガラス層との間に位置」するものであるのに対し、引用発明は、「タッチパネル2」は「表示パネル7」と別に設けられるものである点。

〈相違点3〉
本願発明1は、「前記遮蔽用部材が基準電位層であり、(タッチ圧力の大きさを検出する)前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である」のに対して、引用発明は、「押圧力が、表示カバー5の撓み量に応じた第1及び第2の電極10及び11間の静電容量の変化に基づいて検出され」るものである点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討すると、引用文献5には、「駆動電極61」と「受信電極66」とを同一面に設けると共に、これら両電極と対向する位置に「接地電極63」を設けた「感圧センサ60」をタッチパネルに設ける技術が記載されており、また、「自己静電容量」の変化によりタッチを検出すること自体は周知技術であるものと認められるのの、「遮蔽部材」を「基準電位層」とすると共に、「圧力電極」と「基準電位層」との間の距離によって変わる「自己静電容量」によりタッチ圧力の大きさを検出する構成である、相違点3に係る本願発明1の「前記遮蔽用部材が基準電位層であり、(タッチ圧力の大きさを検出する)前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である」という構成は、上記引用文献1-5には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-12について
本願発明2-6は、請求項1を引用する発明であり、本願発明7は、本願発明1の「前記遮蔽用部材が基準電位層であり、(タッチ圧力の大きさを検出する)前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である」という構成と同一の構成を備えるものであり、また、本願発明8-12は、請求項7を引用する発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
平成29年3月17日付けの補正により、補正後の請求項1-12は、「前記遮蔽用部材が基準電位層であり、(タッチ圧力の大きさを検出する)前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である」という構成を有するものとなった。当該 「前記遮蔽用部材が基準電位層であり、(タッチ圧力の大きさを検出する)前記静電容量は、前記圧力電極と前記基準電位層との間の距離によって変わる自己静電容量である」という構成は、原査定における引用文献A-Fには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-12は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Fに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-04-24 
出願番号 特願2015-124247(P2015-124247)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 海江田 章裕間野 裕一  
特許庁審判長 新川 圭二
特許庁審判官 山澤 宏
山田 正文
発明の名称 スマートフォン  
代理人 金山 賢教  
代理人 今藤 敏和  
代理人 小野 誠  
代理人 城山 康文  
代理人 市川 英彦  
代理人 坪倉 道明  
代理人 重森 一輝  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 青木 孝博  
代理人 櫻田 芳恵  
代理人 飯野 陽一  
代理人 五味渕 琢也  
代理人 安藤 健司  
代理人 川嵜 洋祐  
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