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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1327671
審判番号 不服2015-20832  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-24 
確定日 2017-05-16 
事件の表示 特願2014-559587「サーバ、通信システム、通信システムの制御方法、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月 7日国際公開、WO2014/119317、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年1月30日(優先権主張平成25年1月31日)を国際出願日とする出願であって、原審において平成27年5月15日付けで拒絶理由通知があった後、同年6月26日付けで手続補正がされ、同年8月19日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。原査定の謄本の送達(発送日) 同月25日。)がされ、これに対して、同年11月24日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されて特許請求の範囲及び明細書を補正する手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要
原査定に係る拒絶理由の概要は、原査定時の請求項1、3ないし6、8ないし11、13ないし16に係る各発明は、下記の引用文献1ないし8に記載された発明あるいは周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

<引用文献等一覧>
1.特開2012-38150号公報
2.神々のエンブレム,アプリFan,株式会社コスミック出版,2012年4月15日,第2巻,p.142(周知技術を示す文献)
3.特開2003-141296号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2001-357168号公報(周知技術を示す文献:新たに引用された文献)
5.特表2012-516749号公報(周知技術を示す文献:新たに引用された文献)
6.特開2008-234661号公報(周知技術を示す文献:新たに引用された文献)
7.特開2002-366852号公報(周知技術を示す文献:新たに引用された文献)
8.特開2012-221132号公報(周知技術を示す文献:新たに引用された文献)

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1ないし16に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願の請求項1ないし16に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明16」という。)は、平成27年11月24日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は次のとおりのものである。
「【請求項1】
希少価値の異なる複数種類のアイテムを含む第1のグループからユーザに提供する少なくとも一のアイテムを決定する第1の決定手段と、
希少価値の異なる複数種類のアイテムを含む第2のグループから、前記第1の決定手段によるアイテムの提供回数が所定回数以上のユーザに提供する少なくとも一のアイテムを決定する第2の決定手段と、を備え、
前記第2のグループは、前記第1のグループよりも希少価値の高いアイテムを含み、
前記第1のグループに含まれる少なくとも一のアイテムのアイテム種類毎の情報を通信端末に表示させると共に前記第2のグループに含まれる少なくとも一のアイテムのアイテム種類毎の情報を前記通信端末に表示させることを特徴とするサーバ。」

なお、本願発明2ないし16の概要は以下のとおりである。

本願発明2ないし5は、本願発明1を引用し、これを更に減縮した発明である。
本願発明6は、実質上、その主要な構成を本願発明1と同じくする「通信システム」の発明である。
本願発明7ないし10は、本願発明6を引用し、これを更に減縮した発明である。
本願発明11は、実質上、その主要な構成を本願発明1と同じくする「通信システムの制御方法」の発明である。
本願発明12ないし15は、本願発明11を引用し、これを更に減縮した発明である。
本願発明16は、実質上、その主要な構成を本願発明1と同じくする「プログラム」の発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2012-38150号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
(以下の下線は、いずれも審決で付した。)
「【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びサーバに関する。」
「【0003】
また、従来から、キャラクタ情報などのアイテムを、ランダムに抽出してユーザに提供するシステムが存在する(特許文献1)。例えば、このようなシステムでは、レアアイテムを用意し、予め決められた確率でレアアイテムをユーザに提供する場合がある。しかし、このような状況下では、レアアイテムを入手できるのは確率の問題であるので、レアアイテムを入手することができないユーザに不満を生じさせる場合があった。・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のアイテムの中からランダムにアイテムを選択する抽選処理を行う状況下で、ユーザがアイテムを獲得できる機会を増やすことが可能なプログラム、情報記憶媒体及びサーバを提供することにある。」
「【0006】
(1)本発明は、サーバが複数のユーザの端末とネットワークを介してデータを送受信し、各ユーザの識別情報に対応付けられたアイテムに基づいて、ゲーム演算を行うプログラムであって、ユーザの端末から当該ユーザの抽選要求を受け付けた場合に、記憶部に記憶された複数のアイテムの中からランダムにアイテムを選択する処理を行う抽選処理部と、選択されたアイテムを前記ユーザのアイテムとして、前記ユーザの識別情報に対応づけて登録するアイテム制御部と、前記ユーザのアイテムが登録された場合に、前記ユーザのアイテムが登録されたことを示す情報を、他のユーザに通知するための処理を行う通知制御部と、前記ユーザのアイテムについて、他のユーザの端末から登録要求を受け付ける受け付け部として、コンピュータを機能させ、前記アイテム制御部が、前記ユーザのアイテムについて前記他のユーザの端末から登録要求を受け付けた場合には、前記ユーザのアイテムを前記他のユーザのアイテムとして、前記他のユーザの識別情報に対応付けて登録するプログラムに関する。
【0007】
本発明は、コンピュータに読み取り可能であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体、上記各部を含むサーバに関係する。
【0008】
本発明によれば、ユーザのアイテムが登録されたことを示す情報を、他のユーザに通知するための処理を行い、当該登録されたユーザのアイテムについて、他のユーザの端末から登録要求を受け付けた場合には、ユーザのアイテムを他のユーザのアイテムとして登録する処理を行う。したがって、他のユーザが、抽選処理を行わなくてもアイテムを獲得できる機会を得ることができる。」
「【0027】
1.ネットワークシステム
図1は、本実施形態のネットワークシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のネットワークシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10とが、ネットワークに接続可能に構成される。」
「【0072】
2-2.サーバの構成
図3に本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の例を示す。・・・
【0073】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。記憶部270は、格納部260(例えば、データベース)を含む。」
「【0084】
特に、本実施形態のサーバの処理部200は、ネットワーク設定部210、通信制御部211、フレンド制御部212、通知制御部213、受け付け部214、ゲーム処理部220とを含む。・・・」
「【0092】
サーバ20のゲーム処理部220は、端末10から本実施形態のゲームプログラム(ゲームアプリケーション)の実行命令要求を受信すると、当該ゲームプログラムを実行する処理を行う。以下の説明では、ゲーム処理部220における各種処理(例えば、抽選処理、アイテム制御、演算)は、サーバ20で行っているが、全部または一部の処理を端末10において行うようにしてもよい。・・・
【0093】
ゲーム処理部220は、抽選処理部221、アイテム制御部222、演算部223を含む。」
「【0094】
抽選処理部221は、ユーザの端末から当該ユーザの抽選要求を受け付けた場合に、記憶部270に記憶された複数のアイテムの中からランダムにアイテムを選択する処理を行う。・・・
【0095】
抽選処理部221は、ユーザの端末から当該ユーザの抽選要求を受け付けた場合に、当該ユーザの抽選回数に基づいていずれか1つのレアリティ値を決定し、決定されたレアリティ値に該当する複数のアイテムの中から、いずれかのアイテムを(ランダムに)選択するようにしてもよい。例えば、ユーザの抽選回数の20回を1周期とし、1周期において、抽選回数が増加するにつれてレアリティ値が減少するようにしてもよい。」
「【0128】
本実施形態では、ユーザがゲームを開始してからの抽選回数をカウントし、抽選回数に基づいて選手を選ぶ処理を行う。
【0129】
例えば、サーバ20が管理する各選手を、0、1、2、3、4のレアリティ値(レア度)のいずれかの値に決定する。より具体的には、サーバ20が管理する各選手を、レアリティ0(コモン(C))、レアリティ1(アンコモン(UC))、レアリティ2(レア(R))、レアリティ3(スーパーレア(SR))、レアリティ4(ベストイレブン(B11))、のいずれかに予め決定する。つまり、レアリティ値が高い選手ほど、活躍が期待される選手、人気の高い選手となる。要するに、レアリティ値が高い選手ほど、配当ポイントを高く得られる選手となる。
【0130】
図7は抽選回数とレアリティ値との対応付けを示すレアリティテーブルを示す。例えば、本実施形態では、レアリティテーブルを参照して、抽選処理を行う。つまり、図7に示すように、ユーザが初めての抽選処理を行う場合(抽選回数の1回目の場合)、レアリティテーブル1を参照し、レアリティが4である選手群の中から、ランダムに1の選手を選ぶ処理を行う。また、例えば、ユーザが10回目の抽選処理を行う場合には(抽選回数が10の場合には)、レアリティが2である選手群の中から、ランダムに1の選手を選ぶ処理を行う。」

図3から、サーバは、「処理部200」と「記憶部270」とを備えるものであることが看取できる。

上記の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認定できる。
「複数のアイテムの中からランダムにアイテムを選択する抽選処理を行う状況下で、ユーザがアイテムを獲得できる機会を増やすことが可能なプログラムを実行するサーバであって、ユーザのアイテムが登録されたことを示す情報を、他のユーザに通知するための処理を行い、当該登録されたユーザのアイテムについて、他のユーザの端末から登録要求を受け付けた場合には、ユーザのアイテムを他のユーザのアイテムとして登録する処理を行うことによって、他のユーザが、抽選処理を行わなくてもアイテムを獲得できる機会を得ることができるものであり、
サーバは処理部200と記憶部270とを備え、端末10とともにネットワークに接続可能に構成され、
処理部200はゲーム処理部220を含み、
ゲーム処理部220は、抽選処理部221、アイテム制御部222、演算部223を含み、
抽選処理部221は、ユーザの端末から当該ユーザの抽選要求を受け付けた場合に、当該ユーザの抽選回数に基づいていずれか1つのレアリティ値を決定し、決定されたレアリティ値に該当する複数のアイテムの中から、いずれかのアイテムを選択するようにしており、ユーザが初めての抽選処理を行う場合(抽選回数の1回目の場合)、レアリティが4である選手群(アイテム群)の中から1の選手(アイテム)を選ぶ処理を行い、ユーザが10回目の抽選処理を行う場合には(抽選回数が10の場合には)、レアリティが2である選手群(アイテム群)の中から1の選手(アイテム)を選ぶ処理を行う、
サーバ。」

2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(神々のエンブレム,アプリFan,株式会社コスミック出版,2012年4月15日,第2巻,p.142)には次の事項が記載されている。
「カードの主な入手方法はミッションやイベントとガチャ。ガチャは神仲間とあいさつして入手する神ptを消費して行なう神ガチャ、モバコインを消費して回す金の神ガチャ、そしてイベントで獲得できるメダルで回すメダルガチャの3種類がある。こまめにログインして遊んでいれば、神ptやメダルはいっぱい手に入るので、レアカードやお気に入りのカードをゲットするチャンスは豊富だ。」(142頁左下欄)
「神ガチャは毎日2回無料で回すことが可能。ガチャを回す回数が多くなれば、レアカードも出やすくなる。」(142頁左下欄)
上記の「ガチャを回す」とは、抽選することを意味することは明らかである。
したがって、上記引用文献2には、「抽選回数が増えると、レアカード(希少価値が高いアイテム)が入手しやすくなる」という技術事項が記載されていると認められる。

3.引用文献3について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2003-141296号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、くじが印刷された印刷媒体、くじ運用システムのサーバに関し、特に、物理的なくじが印刷された媒体とネットワークをつなぎ、普段インターネットや電子メールを利用しないユーザにもホームページへのアクセスを喚起すると共に、抽選番号の入力の負担の軽減とくじの不正使用の防止を図り得る、くじ運用システムのサーバ、及びくじ情報が印刷された印刷媒体に関するものである。」
「【0011】本発明の構成により、くじ運用システムのサーバでは、予めユーザを会員登録し、くじの抽選番号とユーザIDをユーザの端末から受け取り当選判定を行う。また、くじが「はずれ」の場合には、抽選番号とユーザIDを対応づけて、ユーザのくじ応募履歴情報(商品購入履歴情報にもなる)をデータベースに記録し、ユーザの「くじ引き」の際に、ユーザのくじ応募履歴情報に応じて当選確率を上げたり、今回のくじの抽選番号と前回までのくじの抽選番号とを組み合わせてユーザに有利になるような抽選方法を使用する。これにより、1つの「くじ」につき1回ごとに抽選を行うが、くじの応募回数が増える程、くじが当たる確率が高くなる。このため、ユーザに商品の継続的な購入を促すことができる。また、ユーザIDの確認により、くじの不正使用を防ぎやすくなる。」
したがって、上記引用文献3には、「抽選(応募)回数が増えると、くじが当たる確率が高くなるようにユーザに有利な抽選方法に変える」という技術事項が記載されていると認められる。

4.引用文献4ないし8について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2001-357168号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、景品(物品、金銭その他の経済上の利益に関するもの)付きの抽選を、インターネット網に接続されたクライアント端末との間でインタラクティブに実現する景品抽選システムに関する。」
「【0100】さて、かかる景品の選択を許容する場合には、提供される景品の残りがどの程度あるかが抽選参加者にとって非常な関心事となる。従って、図8に示すように景品の表示(写真や絵)と残数を画面全体を使用して表示したり、図9に示すように、景品名と残数とを画面の一部を使用して表示する機能を設ければ、よりユーザフレンドリーな抽選システムを実現できる。
【0101】このような表示があれば、参加資格者は予め結果を予測することができるため、納得の上で抽選に参加することができる。またこのような表示があれば、より当選する確率の高い景品に選択を変更することもでき、参加資格者の意思を抽選動作により反映させることが可能なユーザフレンドリーな抽選システムを実現できる。」

同じく引用文献5(特表2012-516749号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、オンラインカプセル抽選システムおよびその方法に関する。より詳しくは、オンラインゲーム内で複数のカプセルが含まれ、前記カプセルの中の少なくとも一つがオンラインゲーム内で測定される能力数値の高い高級アイテムコンテンツを多数のカプセルの中の一つとマッチングして抽選イベントを提供し、ユーザーの選択によってカプセルを抽出した後、当選可否を決定して前記高級アイテムコンテンツを提供するオンライン抽選システムおよびその方法に関する。」
「【0078】
前記図3を参考すると、前記抽選イベントリストは、図3に図示されたカプセルリストに対応され、カプセルリストに表示されるカプセル機械は、前記抽選イベント情報に対応される。
また、前記抽選イベント情報は、カプセル機械の保有したカプセル個数、高級アイテムコンテンツにおける情報を提供し、図示されたようにカプセル機械模型の上端に該当カプセル機械の保有した高級アイテムコンテンツが表示されることができる。
【0079】
また、前記クライアント端末機がユーザーの選択情報を根拠に、抽選イベント情報に該当する一つのカプセル機械を選択すると、図3の右側に表示されたように、該当カプセル機械に対応する付加情報を提供することができる。
【0080】
前記付加情報は、高級アイテムコンテンツにおける前記高級アイテムコンテンツがオンラインゲーム内で有する能力数値と図3に図示されたカプセル機械模型に隣接した右側の下端に前記カプセル機械の保有したカプセルの個数およびカプセル抽出によって残存するカプセルにおける残余個数情報が含まれることができる。
特に、前記残余個数情報は、複数のクライアント端末らのカプセル抽出によってリアルタイムで可変されて提供されることができる。」

同じく引用文献6(特開2008-234661号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、抽選式オンラインショッピングモールの運営方法およびシステムに関し、より詳細には、抽選によって少なくとも決済金額相当の価値を持つ物品をユーザに提供することができる抽選式オンラインショッピングモールの運営方法およびシステムに関する。」
「【0121】
図3は、本発明の実施形態に係る抽選式オンラインショッピングモールの運営方法において、物品がデータベースに記録される方式の一例を示した図である。・・・すなわち、図3のように、物品は、物品情報データベース300に、グループA310とグループB320とに区分されて記録される。ここで、グループA内に記録された物品は、1等級から10等級までに区分されて記録されるようになる。また、グループB内に記録された物品も、1等級から10等級までに区分されて記録されるようになる。
【0122】
このような物品が物品情報データベース300内でグループ別に区分されて記録されることは、ユーザ別にグループを選択し、このグループ内に存在する物品が当選するようにするためである。したがって、ユーザは、自分が所望する物品が存在するグループを選択することによって、自分が所望する物品に当選する確率を高めることができるのである。・・・
【0124】
このように、ユーザがグループを選択できるようにするために、オンラインショッピングモール運営システム130は、物品を抽選するときに、ユーザが直接グループを選択できるようにするグループ選択ページをユーザ端末機110に提供することができる。」

同じく引用文献7(特開2002-366852号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理システムが、通信ネットワークを介してユーザー端末との間でデータの送受信を行い、種々の情報を提供する情報提供方法等に関する。」
「【0080】[仮想販売機の説明]次に、図9?図10を参照して、本実施形態において販売の視覚対象となるカプセルCと、その販売機である仮想販売機10について詳細を説明する。図9は、仮想販売機10にて販売されるカプセルCの外観の例を示す図である。・・・」
「【0082】また、カプセルCは、封入される各コンテンツに応じた表示特性を備える。図9は、種々の形態の例を示す図である。例えば、図9(a)はコンテンツのアイコンが表示された状態で、ユーザーが所望するコンテンツを識別し易い。また、何が出るかわからない楽しさを強調するならば、コンテンツのレア度に応じた表示パターンを行っても良い。例えば、図9(b)は特典つきアイテムに相当するコンテンツであって星印がいている。一方、図9(c)は出願率が高いコンテンツで、単純なツートンカラーで表示されている。・・・」

同じく引用文献8(特開2012-221132号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、サーバー装置、情報処理端末及びコンテンツ配信システムに関する。」
「【0049】
サーバー装置10は、ゲーム開始のリクエストを受信すると、当該ユーザーのフレンドユーザーが所有するアイテムを含む複数のアイテムを選択して配信可能アイテムリストテーブルを作成するとともに、これら景品となりうる複数のアイテムが配列された景品配列画像を含むゲーム画像を生成し、これら情報を情報処理端末10に対して送信する(S110)。
【0050】
情報処理端末20は、受信したゲーム画像を表示部26に表示させる。ユーザーは、配信可能アイテムリストに基づく景品配列画像を見ることで、欲しいアイテムが含まれているかどうか、フレンドユーザーの所有するアイテムがどのような種類のものなのか等、を確認することができる。」

したがって、上記引用文献4ないし8には、一般に抽選に関する技術分野において、抽選対象に含まれる複数のアイテムのうち少なくとも一のアイテム種類に関する情報を事前に提示するという技術的事項が記載されていると認められる。

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
後者の「サーバ」は、その機能等からみて、前者の「サーバ」に相当し、以下同様に、「ユーザ」は「ユーザ」に、「レアリティ(値)」は「希少価値」に、「『アイテム』、及び『選手』」は「アイテム」に、それぞれ相当する。
そして、後者において「ユーザが10回目の抽選処理を行う場合」の抽選処理を行う手段を前者の「ユーザに提供する少なくとも一のアイテムを決定する第1の決定手段」とすると、「レアリティが2である選手群(アイテム群)」は、前者の「複数種類のアイテムを含む第1のグループ」に相当する。
同様に、後者において、「ユーザが初めての抽選処理を行う場合」の抽選処理を行う手段を前者の「ユーザに提供する少なくとも一のアイテムを決定する第2の決定手段」とすると、「レアリティが4である選手群(アイテム群)」は、前者の「複数種類のアイテムを含む第2のグループ」に相当する。
また、後者において、「レアリティが4である選手群(アイテム群)」は、「レアリティが2である選手群(アイテム群)」よりも、「希少価値の高いアイテムを含む」ことは明らかである。

したがって、両者は、
「複数種類のアイテムを含む第1のグループからユーザに提供する少なくとも一のアイテムを決定する第1の決定手段と、
複数種類のアイテムを含む第2のグループから、ユーザに提供する少なくとも一のアイテムを決定する第2の決定手段と、を備え、
前記第2のグループは、前記第1のグループよりも希少価値の高いアイテムを含む、
サーバ。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1] 本願発明1では、第1及び第2のグループのいずれもが、「希少価値の異なる(複数種類のアイテム)」を含むのに対し、引用発明では、「いずれか1つのレアリティ値に該当する(複数のアイテム)」を含む点。
[相違点2] 本願発明1では「第1の決定手段によるアイテムの提供回数が所定回数以上のユーザ」に提供するアイテムを、希少価値の高いアイテムを含む第2のグループから決定するのに対し、引用発明では、「ユーザが初めての抽選処理を行う場合」に提供するアイテムを、希少価値の高いアイテムを含む第2のグループから決定する点。
[相違点3] 本願発明1では、「前記第1のグループに含まれる少なくとも一のアイテムのアイテム種類毎の情報を通信端末に表示させると共に前記第2のグループに含まれる少なくとも一のアイテムのアイテム種類毎の情報を前記通信端末に表示させる」のに対し、引用発明では、そのようなアイテム関連情報の表示をさせることに言及していない点。

(2)相違点についての判断
上記の相違点2について検討する。
例えば、上記「第5 2.及び3.」に示したとおり、一般に抽選を行うゲーム装置の技術分野において、抽選回数が増えると、ユーザに有利な抽選となるようにすることは周知の技術事項であるが、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を具備するとまではいえない。
また、引用発明は、「他のユーザが、抽選処理を行わなくてもアイテムを獲得できる機会を得ることができる」ようにして、「ユーザがアイテムを獲得できる機会を増やすこと」を可能にするというものであって、抽選回数が増すと、ユーザに有利な希少価値の高いアイテムを提供するように抽選方法を変えるといったことは全く想定しておらず、むしろ、「抽選回数が10の場合」には、「抽選回数の1回目の場合」よりも、レアリティ(希少価値)が低いアイテムを選ぶ処理を行うというもので、上記周知の技術事項とは真逆の手法を採っているから、引用発明に上記周知の技術事項を適用することは、当業者が容易に想到し得るものとはいえない。
また、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。
さらに、上記「第5 4.」に示したとおり、引用文献4ないし8には、一般に抽選に関する技術分野において、抽選対象に含まれる複数のアイテムのうち少なくとも一のアイテム種類に関する情報を事前に提示するという技術的事項が示されてはいるが、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は示されていない。
したがって、相違点1、及び3について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明、上記周知の技術事項、及び引用文献4ないし8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2ないし16について
本願発明2ないし16も、本願発明1の上記相違点2に係る発明特定事項を実質的に備えるものであるから、本願発明1についてと同様の理由で、引用発明、上記周知の技術事項、及び引用文献4ないし8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 原査定について
上記「第6」に示したとおりであるから、原査定の理由を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし16は、引用発明、上記周知の技術事項、及び引用文献4ないし8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-05-02 
出願番号 特願2014-559587(P2014-559587)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 坪内 優佳鈴木 崇雅  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 黒瀬 雅一
藤本 義仁
発明の名称 サーバ、通信システム、通信システムの制御方法、及びプログラム  
代理人 杉村 憲司  
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