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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1327787 |
審判番号 | 不服2016-4054 |
総通号数 | 210 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-03-16 |
確定日 | 2017-05-23 |
事件の表示 | 特願2014- 96533「運賃規則翻訳システム、運賃規則翻訳方法、及び運賃規則翻訳プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月 3日出願公開、特開2015-215660、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年5月8日の出願であって、その手続の経緯は以下の通りである。 平成27年 5月20日付け:拒絶理由の通知 平成27年 6月30日 :意見書、手続補正書の提出 平成27年12月28日付け:拒絶査定 平成28年 3月16日 :審判請求書の提出 平成29年 1月19日付け:当審による拒絶理由の通知 平成29年 2月 2日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願請求項1?7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明7」という。)は、平成29年2月2日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定される以下の通りの発明である。 「【請求項1】 航空運賃に係る第1言語の運賃規則の一部からなる原文と、前記原文に対応する正確な第2言語の訳文とを含む翻訳対を複数格納した翻訳対記憶部と、 航空会社によって設定された前記第1言語の運賃規則をGlobal Distribution System(GDS)ホストから取得する運賃規則取得部と、 前記翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から、マッチングに使用する複数の翻訳対を抽出する翻訳対取得部と、 前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて、前記第1言語の運賃規則から前記第2言語の運賃規則を生成する翻訳実行部と、 を備える運賃規則翻訳システム。 【請求項2】 前記翻訳対取得部は、前記抽出した複数の翻訳対をツリー構造で記憶し、前記ツリー構造の葉ノードに各翻訳対が登録され、前記ツリー構造の根ノードから葉ノードに至る一連の中間ノードに各翻訳対に含まれる原文が単語毎に順次登録され、 前記翻訳実行部は、前記ツリー構造を用いてマッチングを行う請求項1に記載の運賃規則翻訳システム。 【請求項3】 前記翻訳対のうちの少なくとも1つの原文及び訳文は、複数の特定の単語に関連付けられた変数を用いて表現され、前記変数は、前記翻訳実行部によって、前記第2言語の運賃規則の生成の際に所定の規則に従って所定の単語に変換される、請求項1又は2に記載の運賃規則翻訳システム。 【請求項4】 前記翻訳対は、航空会社コードと運賃種別コードをさらに含み、 前記翻訳対取得部は、前記航空会社コード及び前記運賃種別コードに基づいて、前記翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から複数の翻訳対を抽出する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運賃規則翻訳システム。 【請求項5】 ユーザシステムから翻訳リクエストを受信し、前記第2言語の運賃規則をXML形式又はHTML形式のデータに変換して送信するインターフェース部をさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の運賃規則翻訳システム。 【請求項6】 航空運賃に係る第1言語の運賃規則の一部からなる原文と、前記原文に対応する正確な第2言語の訳文とを含む翻訳対を複数格納するステップと、 航空会社によって設定された前記第1言語の運賃規則をGlobal Distribution System(GDS)ホストから取得するステップと、 翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から、マッチングに使用する複数の翻訳対を抽出するステップと、 前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて、前記第1言語の運賃規則から前記第2言語の運賃規則を生成するステップと、 を有する運賃規則翻訳方法。 【請求項7】 航空運賃に係る第1言語の運賃規則の一部からなる原文と、前記原文に対応する正確な第2言語の訳文とを含む翻訳対を複数格納するステップと、 航空会社によって設定された前記第1言語の運賃規則をGlobal Distribution System(GDS)ホストから取得するステップと、 翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から、マッチングに使用する複数の翻訳対を抽出するステップと、 前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて、前記第1言語の運賃規則から前記第2言語の運賃規則を生成するステップと、 をコンピュータに実行させるための運賃規則翻訳プログラム。」 第3 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2005-141490号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線部は当審にて付与した。) (ア)「本発明は、原言語の入力文を目的言語に変換する機械翻訳に関し、特に、複数のユーザで利用され、各ユーザが対訳用例を入力することができる用例翻訳装置、用例翻訳処理方法、そのプログラム及び記録媒体に関する。」(【0001】) (イ)「以下、図面を使用して本発明の一実施形態を詳細に説明する。 図1は、本発明を適用した翻訳システムの一実施形態を示す全体構成図である。図1において、本発明による翻訳装置(用例翻訳装置)10と複数のクライアント端末40とが、インターネット等のネットワーク30に接続されている。各ユーザはクライアント端末40から、ネットワーク30を介して本発明による翻訳装置10を利用する。 翻訳装置10は、ユーザ認証を行う認証部11、原言語の入力文、またはユーザが入力した対訳用例を受け付ける入力部12、入力文に対する対訳用例(原言語文とその翻訳である目的言語文の対訳関係)を検索する用例翻訳部13、翻訳結果などを出力する出力部14、優先度記憶部20に記憶された対訳用例の優先度、および信頼度記憶部21に記憶されたユーザの信頼度を更新する更新部15、入力文が属する分野によって優先度記憶部20及び信頼度記憶部21を切り替える切替部16、入力文に関する訳文を自動的に選択する選択部17、対訳用例の優先度が記憶された優先度記憶部20、ユーザの信頼度が記憶された信頼度記憶部21などからなる。また、用例翻訳部13は翻訳用例の検索に利用する、対訳用例の集合である翻訳メモリ25を備えている。なお、翻訳装置10は、これら各部の動作を制御する制御部を備えているが図1では省略してある。 優先度記憶部20及び信頼度記憶部21は、分野ごとに設けられ、それぞれの分野における対訳用例の優先度、及び、ユーザの信頼度を記憶している。例えば、図1では、「一般」、「旅行」、「講演」の3つの分野に対して用意されている。このように、対訳用例の優先度及びユーザの信頼度を分野ごとに設けることにより、分野ごとの正確な翻訳が可能となり、またユーザの信頼度を分野ごとに判定することができる。」(【0023】?【0025】) (ウ)「このとき、入力は文書の所在を示すURLなどでもよく、その場合はURLなどの示す場所の文書を取得して入力文とする。また、入力文が属する分野をユーザが入力せず、入力部12が入力文に含まれる単語から推定してもよい。」(【0031】) (エ)「次に入力部12は、原言語の入力文を用例翻訳部13に送る。用例翻訳部13では、翻訳メモリ25の他に、あらかじめ記憶されている解析用ルールなどを利用して用例翻訳処理を行う(S15)。図5に用例翻訳部13の概略処理フローチャートを示す。用例翻訳部13では、まず原言語の入力文について、形態素解析(単語解析)を行い(S20)、次にこの解析結果を元に、翻訳メモリ25の中で入力文と類似する対訳用例を検索し(S21)、さらに入力文に対する訳文を1つ選択し翻訳文として出力する(S22)。類似する対訳用例は、例えば共通する単語の割合の高いものを類似することとできる。」(【0033】) (オ)「用例翻訳部13は、類似用例検索処理(S21)において、原言語文に対して複数の訳文が記憶されていて、そのうちの1つを選択しなければならないとき、優先度記憶部20の優先度を参照する。用例翻訳部13には、認証部11からユーザIDが送られている。用例翻訳部13は、優先度記憶部20から、その原言語文と訳文のエントリのうち、現在のユーザと同じユーザIDを持つエントリの訳文を選択し、同じユーザIDを持つエントリが無ければ、優先度の最も高い訳文を選択する。 原言語文「それはいいですね」に対して、翻訳メモリ25に訳文「Sounds good.」と「Good point.」が記憶されていたとすると、用例翻訳部13は、図2(A)に示す優先度記憶部20を参照する。現在のユーザのユーザIDである「001」を持っエントリはないので、優先度の最も高い「Good point.」が選択される。同様に、「今、何時?」の訳文として「Do you have the time?」が選択される。 用例翻訳部13は、得られた訳文を出力部14に送るが、翻訳メモリ25に複数の訳文が記憶されていたならば、その原言語文と各訳文とを出力部14に送る。この例では、「それはいいですね-“Sounds good.”、“Good point.”」が送られる。」(【0035】?【0037】) 上記(ア)から(オ)から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「翻訳装置(用例翻訳装置)10と複数のクライアント端末40とが、インターネット等のネットワーク30に接続されている翻訳システムにおいて、原言語の入力文を目的言語に変換する用例翻訳装置であって、 翻訳装置10は、ユーザ認証を行う認証部11、原言語の入力文、またはユーザが入力した対訳用例を受け付ける入力部12、入力文に対する対訳用例(原言語文とその翻訳である目的言語文の対訳関係)を検索する用例翻訳部13、翻訳結果などを出力する出力部14、優先度記憶部20に記憶された対訳用例の優先度、および信頼度記憶部21に記憶されたユーザの信頼度を更新する更新部15、入力文が属する分野によって優先度記憶部20及び信頼度記憶部21を切り替える切替部16、入力文に関する訳文を自動的に選択する選択部17、対訳用例の優先度が記憶された優先度記憶部20、ユーザの信頼度が記憶された信頼度記憶部21などからなり、 また、用例翻訳部13は翻訳用例の検索に利用する、対訳用例の集合である翻訳メモリ25を備えており、優先度記憶部20及び信頼度記憶部21は、分野ごとに設けられ、それぞれの分野における対訳用例の優先度、及び、ユーザの信頼度を記憶しており、このように、対訳用例の優先度及びユーザの信頼度を分野ごとに設けることにより、分野ごとの正確な翻訳が可能となり、 入力は文書の所在を示すURLなどでもよく、その場合はURLなどの示す場所の文書を取得して入力文とし、 用例翻訳部13では、翻訳メモリ25の他に、あらかじめ記憶されている解析用ルールなどを利用して用例翻訳処理を行い、用例翻訳部13は、類似用例検索処理(S21)において、原言語文に対して複数の訳文が記憶されていて、そのうちの1つを選択しなければならないとき、優先度記憶部20の優先度を参照し、用例翻訳部13は、優先度記憶部20から、その原言語文と訳文のエントリのうち、現在のユーザと同じユーザIDを持つエントリの訳文を選択し、同じユーザIDを持つエントリが無ければ、優先度の最も高い訳文を選択する、 用例翻訳装置。」(以下、「引用発明」という。) 第4 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 (1-1) 引用発明における「対訳用例の集合である翻訳メモリ25」は、「入力文に対する対訳用例(原言語文とその翻訳である目的言語文の対訳関係)を検索する用例翻訳部13」が「翻訳用例の検索に利用する」ものであり、当該「対訳用例の集合である翻訳メモリ25」には、“原言語文とその翻訳である目的言語文の対訳用例”が格納されていることは明らかである。 また、引用例発明においては、「優先度記憶部20及び信頼度記憶部21は、分野ごとに設けられ、それぞれの分野における対訳用例の優先度、及び、ユーザの信頼度を記憶しており、このように、対訳用例の優先度及びユーザの信頼度を分野ごとに設けることにより、分野ごとの正確な翻訳が可能とな」るのであるから、前記「対訳用例の集合である翻訳メモリ25」に格納されている“原言語文とその翻訳である目的言語文の対訳用例”における“その翻訳である目的言語文の対訳用例”が翻訳の対象である「言語文」に対して正確なものであることは明らかである。 更に、前記「原言語」及び「目的言語」は、それぞれ、本願発明でいうところの『第1言語』及び『第2言語』に対応するといえる。 してみると、引用発明に係る「対訳用例の集合である翻訳メモリ25」と本願発明1でいうところの『翻訳対記憶部』とは、“第1言語からなる原文と、前記原文に対応する正確な第2言語の訳文とを含む翻訳対を複数格納した記憶部”という点で一致しているといえる。 (1-2) 引用発明に係る「原言語の入力文、またはユーザが入力した対訳用例を受け付ける入力部12」は、「原言語の入力文」を「URLなどの示す場所の文書を取得して入力文とし」てもよいのであるから、引用発明に係る「原言語の入力文、またはユーザが入力した対訳用例を受け付ける入力部12」と本願発明1でいうところの『運賃規則取得部』とは、“第1言語の文書を取得する取得部”という点で一致しているといえる。 (1-3) 引用発明に係る「用例翻訳部13」は、「翻訳メモリ25の他に、あらかじめ記憶されている解析用ルールなどを利用して用例翻訳処理を行い、用例翻訳部13は、類似用例検索処理(S21)において、原言語文に対して複数の訳文が記憶されていて、そのうちの1つを選択しなければならないとき、優先度記憶部20の優先度を参照し、用例翻訳部13は、優先度記憶部20から、その原言語文と訳文のエントリのうち、現在のユーザと同じユーザIDを持つエントリの訳文を選択し、同じユーザIDを持つエントリが無ければ、優先度の最も高い訳文を選択する、」ものであり、翻訳を実行するという機能上、本願発明1でいうところの『翻訳実行部』に対応し、両者は、“第1言語から第2言語の訳文を生成する翻訳実行部”という点で一致しているといえる。 (1-4) 引用発明に係る「用例翻訳装置」は、「対訳用例の集合である翻訳メモリ25」、「原言語の入力文、またはユーザが入力した対訳用例を受け付ける入力部12」、「用例翻訳部13」を備えるものであり、上記(1-1)から(1-3)で対比した事項を勘案すると、引用発明に係る「用例翻訳装置」と本願発明1でいうところの『運賃規則翻訳システム』とは、“翻訳システム”という点で一致しているといえる。 以上、上記(1-1)から(1-4)で対比した様に、本願発明1と引用発明とは、 「第1言語からなる原文と、前記原文に対応する正確な第2言語の訳文とを含む翻訳対を複数格納した記憶部と、 前記第1言語の文書を取得する取得部と、 前記第1言語から前記第2言語の訳文を生成する翻訳実行部と、 を備える翻訳システム。」 という点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) 本願発明1は、翻訳の対象が『航空運賃に係る運賃規則』に特定されているのに対し、引用発明には、かかる特定がない点。 (相違点2) 本願発明1は、翻訳の対象となる『運賃規則』を『Global Distribution System(GDS)ホスト』から取得するのに対し、引用発明は、翻訳の対象となる「入力文」を「URLなどの示す場所」から取得している点。 (相違点3) 本願発明1は、『前記翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から、マッチングに使用する複数の翻訳対を抽出する翻訳対取得部』を備えているのに対し、引用発明には、かかる構成を備えていない点。 (相違点4) 本願発明1は、『前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて』、前記第1言語の『運賃規則』から前記第2言語の『運賃規則』を生成しているのに対し、引用発明には、前記『前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて、』に対応する限定がない点。 (2)判断 上記(相違点3)及び(相違点4)について判断する。 引用発明は、「用例翻訳部13」で「翻訳メモリ25の他に、あらかじめ記憶されている解析用ルールなどを利用して用例翻訳処理を行い、用例翻訳部13は、類似用例検索処理(S21)において、原言語文に対して複数の訳文が記憶されていて、そのうちの1つを選択しなければならないとき、優先度記憶部20の優先度を参照し、用例翻訳部13は、優先度記憶部20から、その原言語文と訳文のエントリのうち、現在のユーザと同じユーザIDを持つエントリの訳文を選択し、同じユーザIDを持つエントリが無ければ、優先度の最も高い訳文を選択する」という手法で訳文を生成するのであり、本願発明1で特定される様な『翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から、マッチングに使用する複数の翻訳対を抽出する翻訳対取得部と、前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて、前記第1言語の運賃規則から前記第2言語の運賃規則を生成する』という手法とは異なるものである。 そして、本願発明1に係る前記手法が本願出願前において、当該分野における周知の手法であるとも認められない。 更に、拒絶査定において他の請求項に係る発明に対して提示された、特開2006-252428号公報や特開2005-44020号公報にも、かかる手法については開示されていない。 したがって、本願発明1に係る上記(相違点3)及び(相違点4)で言及した様な事項を当業者が引用発明に基づいて容易に想到し得たとは認められない。 以上の通りであるから、上記(相違点1)及び(相違点2)について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明2から本願発明7について 本願発明2から本願発明5は、いずれも本願発明1であるところの請求項1を直接的又は間接的に引用する発明であり、そして、本願発明6は本願発明1に対応する方法発明であり、更に、本願発明7は本願発明1に対応するプログラム発明であり、本願発明2から本願発明7のいずれの発明も本願発明1が備える『翻訳対記憶部に格納された複数の前記翻訳対の中から、マッチングに使用する複数の翻訳対を抽出する翻訳対取得部』と『前記第1言語の運賃規則と前記抽出された複数の翻訳対とをマッチングさせて、前記第1言語の運賃規則から前記第2言語の運賃規則を生成する』という構成を備えているのであるから、本願発明1と同様に、引用発明に基づいて、又は、引用発明と特開2006-252428号公報に基づいて、又は、引用発明、特開2006-252428号公報、特開2005-44020号公報に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は、請求項1、6、7について上記引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、また、請求項2については、上記引用文献1及び特開2006-252428号公報(引用文献2)に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、更に、請求項3から5については、上記引用文献1、特開2006-252428号公報(引用文献2)、特開2005-44020号公報(引用文献3)に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 しかしながら、上記「第3 引用文献、引用発明等」から「第4 対比・判断」で言及した様に、請求項1から7に係る発明は、いずれも、引用発明に基づいて、又は、引用発明と特開2006-252428号公報(引用文献2)に基づいて、又は、引用発明、特開2006-252428号公報(引用文献2)、特開2005-44020号公報(引用文献3)に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 当審では、請求項2及び4について、「「前記翻訳対抽出部」について、当該請求項が引用する請求項1には「翻訳対抽出部」なる発明特定事項は記載されておらず、請求項の記載として不備である。 (「前記翻訳対抽出部」は、『前記翻訳対取得部』の誤記ではないか。)」との拒絶の理由を通知しているが、平成29年2月2日付けの手続補正書による補正において、「翻訳対抽出部」を『翻訳対取得部』と補正されたので、この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1?7は、引用発明に基づいて、又は、引用発明と特開2006-252428号公報(引用文献2)に基づいて、又は、引用発明、特開2006-252428号公報(引用文献2)、特開2005-44020号公報(引用文献3)に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-05-09 |
出願番号 | 特願2014-96533(P2014-96533) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 長 由紀子 |
特許庁審判長 |
金子 幸一 |
特許庁審判官 |
佐藤 智康 宇多川 勉 |
発明の名称 | 運賃規則翻訳システム、運賃規則翻訳方法、及び運賃規則翻訳プログラム |
代理人 | 岡部 讓 |
代理人 | 吉澤 弘司 |
代理人 | 岡部 洋 |
代理人 | 三村 治彦 |
代理人 | 久保田 智樹 |