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審決分類 審判 訂正 特126 条1 項 訂正しない H04W
管理番号 1328159
審判番号 訂正2016-390108  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-08-18 
確定日 2017-05-10 
事件の表示 特許第5384691号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

特許第5384691号は、平成10年11月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1997年11月3日、米国)に国際出願した特願2000-519568号の一部を平成21年2月5日に分割した特願2009-025046号の一部を平成24年4月18日に分割した出願であって、平成25年10月11日にその特許権の設定登録がなされ、平成28年8月18日に本件訂正審判の請求がなされた後、当審において、平成28年9月30日付けで訂正拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もなかったものである。


第2 請求の趣旨

本件審判の請求の趣旨は、特許第5384691号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?9、10?16、17?22、23?28、29?34、35?39について訂正することを認める、との審決を求めるものである。


第3 訂正の内容

1.訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2?9も同様に訂正する。)

2.訂正事項2

特許請求の範囲の請求項10に「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正する。(請求項10の記載を引用する請求項11?16も同様に訂正する。)

3.訂正事項3

特許請求の範囲の請求項17に「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正する。(請求項17の記載を引用する請求項18?22も同様に訂正する。)

4.訂正事項4

特許請求の範囲の請求項23に「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正する。(請求項23の記載を引用する請求項24?28も同様に訂正する。)

5.訂正事項5

特許請求の範囲の請求項29に「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正する。(請求項29の記載を引用する請求項30?34も同様に訂正する。)

6.訂正事項6

特許請求の範囲の請求項35に「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正する。(請求項35の記載を引用する請求項36?39も同様に訂正する。)


第4 訂正拒絶理由の概要

平成28年9月30日付けで当審が通知した訂正拒絶理由の概要は、訂正事項1-6のいずれも、

理由1として、明瞭でない記載の釈明を目的とするものではない。
また、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、でないことは明らかであり、特許請求の範囲の減縮でもなく、誤記又は誤訳の訂正でもないから、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的としていない。

理由2として、特許発明の範囲を実質上拡張するものであるから、本件の訂正審判の請求は、特許法第126条第6項の規定に適合しない。

というものである。


第5 当審の判断

1.訂正事項1について

(1)理由1

訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的として、請求項1に、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正しようとするものである。

ここで、明瞭でない記載の釈明を目的とするためには、当該記載が明瞭でない記載であることが必要であるが、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」の記載に明瞭でない記載は存在しない。

よって、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものではない。

また、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、でないことは明らかであり、特許請求の範囲の減縮でもなく、誤記又は誤訳の訂正でもない。

したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的としていない。

(2)理由2

訂正事項1は、請求項1に、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正しようとするものである。

ここで、「無線チャンネルによる前記基地局から前記移動局への信号の送信」とは、基地局から移動局への信号の送信に際して、無線チャンネルを「直接的」に用いるものである。
一方、「無線チャンネルを通じた前記基地局から前記移動局への信号の送信」とは、基地局から移動局への信号の送信に際して、無線チャンネルを「直接的」だけでなく「間接的」、すなわち、無線チャンネルを使用した別の何かを用いることも含む。
そうすると、訂正事項1は、請求項1に係る特許発明の範囲を実質上拡張するものである。

よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合しない。

(3)小括

したがって、本件の訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き各号に掲げる事項を目的としておらず、また特許法第126条第6項の規定に適合しない。

2.訂正事項2について

(1)理由1

訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的として、請求項10に、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正しようとするものである。

ここで、明瞭でない記載の釈明を目的とするためには、当該記載が明瞭でない記載であることが必要であるが、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」の記載に明瞭でない記載は存在しない。

よって、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものではない。

また、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、でないことは明らかであり、特許請求の範囲の減縮でもなく、誤記又は誤訳の訂正でもない。

したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的としていない。

(2)理由2

訂正事項2は、請求項10に、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルによる基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」と記載されているのを、「前記データレート制御メッセージは、無線チャンネルを通じた基地局から前記移動局への信号の送信のための最大データレートを識別する、」に訂正しようとするものである。

ここで、「無線チャンネルによる基地局から前記移動局への信号の送信」とは、基地局から移動局への信号の送信に際して、無線チャンネルを「直接的」に用いるものである。
一方、「無線チャンネルを通じた基地局から前記移動局への信号の送信」とは、基地局から移動局への信号の送信に際して、無線チャンネルを「直接的」だけでなく「間接的」、すなわち、無線チャンネルを使用した別の何かを用いることも含む。
そうすると、訂正事項2は、請求項10に係る特許発明の範囲を実質上拡張するものである。

よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合しない。

(3)小括

したがって、本件の訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き各号に掲げる事項を目的としておらず、また特許法第126条第6項の規定に適合しない。

3.訂正事項3について

「2.訂正事項2について」と同様である。

4.訂正事項4について

「1.訂正事項1について」と同様である。

5.訂正事項5について

「1.訂正事項1について」と同様である。

6.訂正事項6について

「1.訂正事項1について」と同様である。


第6 まとめ

以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1?6は、いずれも特許法第126条第1項ただし書き各号に掲げる事項を目的としておらず、また特許法第126条第6項の規定に適合しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-12-14 
結審通知日 2016-12-16 
審決日 2016-12-27 
出願番号 特願2012-94993(P2012-94993)
審決分類 P 1 41・ 85- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 望月 章俊  
特許庁審判長 近藤 聡
特許庁審判官 北岡 浩
吉田 隆之
登録日 2013-10-11 
登録番号 特許第5384691号(P5384691)
発明の名称 高レートパケットデータ伝送の方法および装置  
代理人 福原 淑弘  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 岡田 貴志  
代理人 井関 守三  

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