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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F24C
管理番号 1328180
審判番号 不服2015-13491  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-16 
確定日 2017-05-10 
事件の表示 特願2013-220858号「ガラス-セラミック・プレート、その製造方法及びそれを備えた料理用レンジ」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 2月20日出願公開、特開2014- 32008号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2007年1月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年1月16日、フランス)を国際出願日とする特願2008-549914号の一部を平成25年10月24日に新たな出願としたものであって、平成27年3月12日付けで拒絶査定がされた。これに対し、平成27年7月16日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審により平成28年3月24日付けで拒絶理由が通知され、平成28年9月29日に意見書と手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明について
1 本願発明
特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成28年9月29日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものであると認める(以下「本願発明」という。)。

「料理用レンジに備え付けられるか又は料理用レンジとして作用するよう設計されたガラス-セラミック・プレートであり、その少なくとも一方の面上に、少なくとも1つの差別化された表面仕上げを含み、該差別化された表面仕上げがガラス-セラミックの本体に形成され、前記差別化された表面仕上げの平均粗さRaが、滑らかな表面の平均粗さRaの少なくとも1.5倍でかつ最大でも5倍に等しくなるよう選択されたガラス-セラミック・プレートを製造する方法であって、溶融ガラスの圧延が該溶融ガラスを、少なくとも一方がネガとして彫り込まれた所望の差別化された表面仕上げを有するよう変更された圧延ローラーの間に通すことによって実施され、該差別化された表面仕上げがシート又はストリップの形態の材料上に転写することで得られるようにされる、方法。」

2 引用例
(1) 引用例1
当審の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平4-227427号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。

(ア)「【0002】
【従来の技術】ガラスセラミッククッキングフィールドの場合、その平らな置場面には、装飾図柄が印刷されているのが普通であり、特に個々に加熱可能な調理面のマーキングを行う目的で印刷されている。この場合粗い床部を備えた台所用品又は鍋のスライドによって、装飾図柄が次第次第に摩滅するという問題が発生する。この欠点は別の提案(西ドイツ国実用新案第8801334.0号明細書)に基いて徹底的に除去されている。この場合は、前記の装飾図柄の位置のプレートの置場面に窪みが設けられており、該窪みは、例へば印刷可能な装飾色彩のような装飾材料で充填されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、このマーキングを更に簡略化して、これが破壊されないように構成することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、マーキングがプレート材料自体によって形成されており、該プレート材料は、このマーキングの領域内で他のガラス材料とは異なった材料構造を有することによって、上記課題を解決することができた。
【0005】
【発明の効果】このマーキングは、プレート表面に僅かの窪みを加工することによって簡単に製作可能であり、例へばレーザ技術によって窪みの表面に、他のプレート表面よりもより大きな粗さ(艶消し)を所有せしめることによって製作可能である。夫々の場合に異なった表面構造によって、他のプレート材料とは異なった光学的な反射特性乃至は異なった光学的な屈折率によりマーキングを明らかに認めることができるように、同一の形式が保証されている。光学的にこのように良好に認知可能な材料構造は、クッキングフィールドの置場面を形成しているプレート表面の上だけでなく、これをプレートの夫々別の位置に設けることも可能である。例へば灼熱温度領域で使用される調理加熱装置によって調理マーキングとして明瞭に現われることができるように、これをプレートの下面に設けることも可能である。」
(イ)「【0007】図面に図示のクッキングフィールドは、ガラスセラミック材料から成るプレート1を有し、該プレート1は枠2によって取り囲まれている。このようなクッキングフィールドは、調理作業プレートの対応する区分に使用可能であり、プレート1の下方には、別に図示なしの電気的な複数の加熱体、例へば放射加熱体が配置されている。対応する調理面にマーキング又は標識を付けるため、プレート1はこの加熱体の真上に円形線又は楕円線の形状をしたマーキング3を所有しており、該マーキング3は、その輪郭が円形乃至は同心的な調理面4,5,6,7並びに楕円形の調理面8で識別されている。特に図2の断面図に示されているように、このマーキング3乃至3´は、直線状の材料構造乃至は表面構造によって形成されており、該構造は、隣接のプレート材料の材料構造乃至は表面とは異なっている。図2に示唆されているように、プレート表面に加工された窪み9には、プレートの表面構造よりより大きな粗度を有する表面構造が設けられている。この窪みは100分の数ミリメートルの深さを持っていれば充分であり、場合によっては、図2の位置3´で明らかなように、表面の直線状又は点状の軽い粗面化で充分である。このような異なった材料構造又は表面構造は、レーザ技術によって簡単な形式でこれを製作することができる。」
(ウ)「



(2) 引用例1に記載された発明の認定
上記記載事項を総合し、マーキング3´を有するプレート1を製造する方法について整理すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「クッキングフィールドのガラスセラミック材料から成るプレート1であり、対応する調理面にマーキング又は標識を付けるため、加熱体の真上に円形線又は楕円線の形状をしたマーキング3´を所有しており、このマーキング3´は、隣接のプレート材料の表面とは異なっており、表面の直線状又は点状の軽い粗面化によって形成される、プレート1を製造する方法。」

(3) 引用例2
当審の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2000-62398号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック成形品などの外観部品や光学素子、或いは装飾品などに任意の画像を形成するための描画方法および描画装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、装飾品や成形用金型などに画像を形成する方法としては、形成しようとする画像のマスクを用意し、ガラスや金型母材などのワーク上にマスクを介してフォトエッチングやブラストなどの加工を行う方法が知られている。」
(イ)「【0010】このとき、加工された圧痕の表面粗さとしては最大粗さとして1から2マイクロメートル程度のものが得られている。なお、後述する高精細画像を圧痕で形成する場合は、先端の曲率及び先端角錐角度の異なる複数の圧子を組み合わせて用いた方が好ましい。この場合、圧子の表面状態は、最大粗さ0.1マイクロメートルの鏡面状態となったものを用いることが好ましい。」

(4) 引用例3
当審の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2002-316840号公報(以下「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フロストガラス製品及びその製法に関し、フロスト加工部である艶消部に連続濃淡艶消部を有するフロストガラス製品及びその製法に関する。」
(イ)「【0016】図1に示したガラスびん10は、請求項1の発明として規定したように、艶消部20を有するガラス製品Pであって、前記艶消部20が図3の模式図に示すような微粉級研磨材30の吹き付けによるガラス表面21の浸食部22によって形成されているとともに、前記浸食部22の深さが連続的に変化する連続濃淡艶消部25を有することを特徴とする。この連続濃淡艶消部25は、透明度の低い濃い艶消部26から透明度の高い淡い艶消部27に至る、連続的に変化するいわゆるグラデーション艶消部で、ガラス製品の外観に特異な意匠を付与し、その商品価値を大きく高めることができる。」
(ウ)「【0024】(実施例)清酒500ミリリットルびん(全長257.5mm、最大胴径71.3mm)の底部から80mmの高さまでを吹き付け加工面として、連続濃淡艶消部のための微粉級研磨材の吹き付け加工を行った。びんは倒置して底部を上にして保持し、スプレーガンをびんの底部より50mm上で、80mm離れた位置にセットして、エアー圧力3.5kg/cm^(2)で、15秒間吹き付けた。このときびんは毎秒2回転させた。吹き付け加工後の表面粗さを測定した結果、平均粗さRaは次のとおりであった。
びんの底部より15mm上部の位置 0.95μ
同 40mm上部の位置 0.85μ
同 70mm上部の位置 0.75μ
【0025】ここで、この発明で使用される微粉級研磨材30について説明すると、請求項6の発明として規定したように、#220より小さな粒径のものが好ましく用いられる。一般のサンドブラスト加工で使用されるAl_(2)O_(3)(アランダム) _(3)の♯220はガラスの表面粗さRa≒2.0μmとなるが、これより細かいAl_(2)O_(3)の#400が表面粗さRa≒1.0μm以下を得ることができ、好ましく使用される。なお、SiC(カーボランダム)、ガラスビーズは同じ粒径であればAl_(2)O_(3)よりRaが大きくなるので、より微粒のものがよい。」

(4) 引用例4
当審の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特表2005-522827号公報(以下「引用例4」という。)には、次の事項が記載されている。

(ア)「【0035】
図1には、本発明による天板1の概略図が示されており、この天板1は、4つの熱源の領域3?6が、通常、スクリーン印刷によって画定されたフラットなガラス-セラミック・プレート2と、その下方の縁に、それぞれの源の火力を制御するタッチセンシティブパッド領域3a?6aとを含む。プレート2の上方部分は、その下方の縁に沿って、それぞれ図1e及び図1fで見ることができる隆起7又は溝7’を含むことができ、これらによって、熱源の領域を含む主な区域と、タッチセンシティブパッドを含む縁のストリップとが隔てられている。」
(イ)「【0040】
プレート2の上面に平行なこのストリップ10は、その縁のうち1つに近い滑らかなストリップ12以外は、ネガティブエッチングされたスチール製の下方ローラー(中空領域の深さが、例えば、d=0.2mmであり、高さ0.14mmのペグを与える)を用いて得られる。2つのプレート2を切り取ることができるガラス・リボン13を1組のローラー(滑らかな上方ローラー(図示せず)及び下方ローラー11)で圧延すると、求められている滑らかなストリップ10が形成される(図3)。
【0041】
図4のガラス・リボンは、互い違いの2つのプレートを形成するよう、ペグのない2つの領域を含むローラーで形成される。
【0042】
図2aと2bから導出できるように、下方ローラー11の滑らかな領域の深さは、0からdまで変えることができる。図2aの変形態様については、ローラーを後の段階で機械加工して滑らかな領域のペグを除去する。図2bの変形態様については、滑らかな領域12’を除いてペグを有するようエッチングされたローラー11’が用意される。
【0043】
当然ながら、上で説明した特定の実施態様は、非限定的な例として示したものであり、本発明の範囲から少しも逸脱することなく、変更及び変形態様を提供できるということが理解される。特に、ペグを備えた表面は下面だけであると記載したが、上面が又は上面も同じタイプの不規則性を有する場合には、ライトや表示モジュール等がはっきりと見えることが望ましい区域に対応して滑らかな領域を設けるという同じ解決策が推奨されるべきであり、それゆえ、対応するローラーの適切な処理が推奨されるべきである。」

3 本願発明と引用発明の対比
ア 対比
本願発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「ガラスセラミック材料から成るプレート1」は、その機能及び構造から、本願発明の「ガラス-セラミック・プレート」に相当し、引用発明の「クッキングフィールドのガラスセラミック材料から成るプレート1」は、プレート1の下方に加熱体を有するものであるから、本願発明の「料理用レンジに備え付けられるか又は料理用レンジとして作用するよう設計されたガラス-セラミック・プレート」に相当する。
(イ)引用発明の「対応する調理面にマーキング又は標識を付けるため、加熱体の真上に円形線又は楕円線の形状をしたマーキング3´を所有しており、このマーキング3´は、隣接のプレート材料の表面とは異なっており、表面の直線状又は点状の軽い粗面化によって形成されている」ことは、マーキング3´の表面が直線状又は点状の軽い粗面であり、隣接の表面と異なっていることを意味し、マーキング3´の表面が隣接の表面に対して差別化された表面仕上げとなっていることといえるから、本願発明の「その少なくとも一方の面上に、少なくとも1つの差別化された表面仕上げを含み、該差別化された表面仕上げがガラス-セラミックの本体に形成され、」ることに相当する。
(ウ)本願発明の「前記差別化された表面仕上げの平均粗さRaが、滑らかな表面の平均粗さRaの少なくとも1.5倍でかつ最大でも5倍に等しくなるよう選択され」ることは、差別化された表面仕上げが粗くされていることである。
そうすると、引用発明の「このマーキング3´は、」「表面の直線状又は点状の軽い粗面化である」ことと本願発明の「前記差別化された表面仕上げの平均粗さRaが、滑らかな表面の平均粗さRaの少なくとも1.5倍でかつ最大でも5倍に等しくなるよう選択され」ていることとは、差別化された表面仕上げが粗くされている限りで共通する。

イ 一致点及び相違点
したがって、両者は、

「料理用レンジに備え付けられるか又は料理用レンジとして作用するよう設計されたガラス-セラミック・プレートであり、その少なくとも一方の面上に、少なくとも1つの差別化された表面仕上げを含み、該差別化された表面仕上げがガラス-セラミックの本体に形成され、前記差別化された表面仕上げが粗くされたガラス-セラミック・プレートを製造する方法」

の点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
差別化された表面仕上げが粗くされたことについて、本願発明では、「前記差別化された表面仕上げの平均粗さRaが、滑らかな表面の平均粗さRaの少なくとも1.5倍でかつ最大でも5倍に等しくなるよう選択され」ているのに対し、引用発明は、そのような粗さの特定がされていない点。
<相違点2>
本願発明では、「溶融ガラスの圧延が該溶融ガラスを、少なくとも一方がネガとして彫り込まれた所望の差別化された表面仕上げを有するよう変更された圧延ローラーの間に通すことによって実施され、該差別化された表面仕上げがシート又はストリップの形態の材料上に転写することで得られる」のに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。

4 当審の判断
ア 相違点の検討
上記相違点について以下検討する。

<相違点1について>
本願発明の「差別化された表面仕上げの平均粗さRa」及び「滑らかな表面の平均粗さRa」について、本願明細書には、具体的な数値は上げられていない。そこで、クッキングフィールドのプレートの滑らかな表面の平均粗さRaについて検討するに、一般的に、滑らかな表面粗さは、0.5μm(Rmax)未満であるといえ(当審の拒絶理由で示した特開2004-333102号公報の【0040】、特開2004-211910号公報の【0013】参照。)、通常、均一性が求められることから平均粗さも同程度であると解される。
一方、ガラスにおいて、艶消しや画像を粗面で形成する際の平均粗さは1?2μm程度とすること(引用例2(【0001】、【0002】、【0010】等)のガラスに最大粗さ1?2μm程度の圧痕を設けて画像を形成する点、引用例3(【0001】、【0016】、【0024】、【0025】等)のガラスに平均粗さRaが1μ以下や2μ程度の艶消部を設ける点参照。)が、周知である。
そして、引用発明のマーキング3´の表面の直線状又は点状の軽い粗面は、引用例1の【0002】、【0005】の記載を参酌すると、艶消しといわれる光学的な反射特性ないしは屈折率により認知されるものであり、装飾図柄を形成するものであるところ、引用発明の艶消しの粗面として、上記同じくガラスにおいて艶消しや画像を形成する粗面である周知の表面粗さを参酌し、平均粗さを1?2μm程度とするは、当業者が容易に想到し得たことである。そして、上記滑らかな表面の平均粗さを考慮すると、滑らかな表面の平均粗さが0.5μm程度であり、艶消しや画像を粗面で形成する際の平均粗さは1?2μm程度であるから、マーキングの平均粗さRaを、滑らかな表面の平均粗さRaに対して少なくとも1.5倍でかつ最大でも5倍に等しくなる範囲とすることは、当業者が設計上適宜決定し得たことである。

<相違点2について>
引用例4(特に【0035】から【0043】参照。)には、ガラスセラミックプレートの製造方法において、プレートの表面に所望のペグ(凹凸)を設けるために、ネガティブエッチングされた下方ローラー11と滑らかな上方ローラーとでガラス・リボンを圧延する方法が記載されている。
そして、引用例1には、「マーキングを更に簡略化して、これが破壊されないように構成すること」(【0004】)を課題として、「マーキングがプレート材料自体によって形成されており、該プレート材料は、このマーキングの領域内で他のガラス材料とは異なった材料構造を有すること」(【0005】)で課題を解決すること、そして、製造手段に関して、「このマーキングは、プレート表面に僅かの窪みを加工することによって簡単に製作可能であり、例へばレーザ技術によって窪みの表面に、他のプレート表面よりもより大きな粗さ(艶消し)を所有せしめることによって製作可能である。」(【0005】)、「このような異なった材料構造又は表面構造は、レーザ技術によって簡単な形式でこれを製作することができる。」(【0007】)と記載されていることから、マーキング3´の粗面は、例示のレーザ技術以外にも、種々の製造方法を用いることができることは、当業者であれば理解できるものである。
また、ガラスの一面に滑らかな箇所と凹凸の箇所を圧延で形成すること(当審拒絶理由で示した特開昭61-117123号公報参照。)、 微細な凹凸表面となしたロールで溶融ガラスを圧延して艶消しガラスを製造すること(特開昭47-42913号公報参照。)、及びガラスの表面に表面粗さ1.0?2.0μmの凹凸を、表面が梨地模様の金属ロールでロールアウト法で作製できること(平成26年8月26日付け拒絶理由に引用された特開2005-55005号公報の【0037】?【0043】等参照。)が周知であり、ガラスの表面に表面粗さ1.0?2.0μmの凹凸を、ロールによる圧延で適宜形成できることは技術常識であったといえる。
そうすると、上記技術常識も参酌すると、引用発明のプレート1を製造するために引用例4の圧延を用いた方法を用いることは当業者が容易に想到し得たことであって、圧延を用いた場合、ローラの表面形状がガラス・リボンに転写されるものであるから、引用発明のプレート1の形状に対してローラがネガの形状で用いられることは当然のことである。

イ 本願発明の奏する作用効果
そして、本願発明の奏する効果は、引用発明、周知の事項及び引用例4記載の事項から当業者が予測しうる範囲のものであって、格別なものでない。

ウ まとめ
したがって、本願発明は、引用発明、周知の事項及び引用例4記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
ゆえに、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。


第3 まとめ
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定より特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-12-05 
結審通知日 2016-12-06 
審決日 2016-12-19 
出願番号 特願2013-220858(P2013-220858)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F24C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮崎 賢司  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 窪田 治彦
佐々木 正章
発明の名称 ガラス-セラミック・プレート、その製造方法及びそれを備えた料理用レンジ  
代理人 石田 敬  
代理人 青木 篤  
代理人 胡田 尚則  
代理人 関根 宣夫  
代理人 出野 知  
代理人 古賀 哲次  

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