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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1328253
審判番号 不服2016-3402  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-04 
確定日 2017-05-08 
事件の表示 特願2013-501364「チャネル案内情報を出力する方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月29日国際公開、WO2011/119523、平成25年 6月13日国内公表、特表2013-523052〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯及び本願発明
1 手続の経緯
本件出願は、2011年(平成23年)3月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年3月22日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成26年12月11日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成27年4月22日付けで手続補正がなされたが、平成27年10月26日付け(発送日同年11月4日)で拒絶査定がなされた。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成28年3月4日付けで請求された拒絶査定不服審判であり、請求と同時に手続補正がなされた。

2 本願発明
平成28年3月4日付け手続補正は、明細書の段落【0039】、【0054】の記載の補正である。
本願の請求項1?21に係る発明は、平成27年4月22日付け及び平成28年3月4日付け手続補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?21に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「本願発明」という。)。

(本願発明)
(A)チャネル案内情報を出力する方法であって、
(B)ブロードキャストされる複数のチャネルに関する番組コンテンツ情報を取得するステップと、
(C)前記複数のチャネルのうちの第1の部分のチャネルにより或るタイムスパンにおいてブロードキャストされる番組コンテンツを表す第1の静止画像を出力するステップと、
(D)前記第1の静止画像を或る時間にわたって出力した後に、前記複数のチャネルのうちの第2の部分のチャネルにより前記タイムスパンにおいてブロードキャストされる番組コンテンツを表す第2の静止画像を出力するステップであって、前記第2の部分は、前記第1の部分に含まれる少なくとも1つのチャネルと前記第1の部分には含まれない少なくとも1つのチャネルとを含む、ステップと、
(E)を有する方法。

((A)?(E)は、当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

第2 引用文献の記載事項及び引用文献に記載された発明
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
原査定における拒絶の理由に引用された特開2002-232805号公報(以下「引用文献1」という。)には、「電子番組表処理装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
(下線は当審が付与した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばBS(Broadcasting Satellite)デジタル放送やCS(Communication Satellite)デジタル放送において番組選択や録画予約を行うために表示される電子番組表(EPG:Electronic Information Guide)の処理を行う電子番組表処理装置に適用して有用な技術に関する。」

「【0027】図1は、本発明を適用して好適な電子番組表処理装置としてのBSチューナの実施の形態を示すブロック図である。
【0028】この実施の形態のBSチューナ1は、例えば、アンテナから受信され復調回路(図示略)により復調されたデジタル放送信号に付加されている不正視聴防止用のスクランブル信号を解除するデスクランブル回路12と、音声データ、映像データおよび番組情報を含んだEPGデータなどが多重化されている放送信号から各データを分離抽出する受信手段としてのデマルチプレクサ13と、圧縮されたデジタル音声データをアナログの音声信号にデコードする音声デコーダ14と、圧縮された映像データを展開してRGB信号にデコードする映像デコーダ15と、映像デコーダ15から出力されるRGB信号を1フレーム分格納するフレームメモリ16と、RGB信号を例えばコンポジットビデオ信号にダウンコンバートする出力手段としての信号変換回路17と、デマルチプレクサ13により分離されたEPGデータを一旦バッファリングしてシステム制御部20に受け渡すデータ処理部18と、番組表生成手段として番組表データを生成すると共にBSチューナ1の全体的な制御を行う制御手段としてのシステム制御部20と、受信されたEPGデータが格納されたりシステム制御部20の作業領域となる記憶手段としてのメモリ19と、本体前面に設けられた操作パネル上の操作ボタンやリモコンなどを含む操作部21などから構成される。
【0029】そして、操作部21の操作によりチャンネル選択を行うことでシステム制御部20がデスクランブル12やデマルチプレクサ13に制御信号を出力し、該制御信号に基づきデスクランブル12やデマルチプレクサ13により選択チャンネルの信号を抽出させることで、この選択チャンネルの信号がデコーダ14,15でデコードされて、該チャンネルの音声信号や映像信号が例えばテレビジョン装置などに出力される。そして、それにより該チャンネルの番組を視聴することが出来る。
【0030】また、操作部21の操作、例えば、リモコンの番組表ボタンを押すことで、デマルチプレクサ13により分離出力されたEPGデータに基づきシステム制御部20が所定の形式で電子番組表のデータを生成して信号変換回路17に送ることで、現在テレビジョン装置等に表示出力されている映像の上に重ねて後述の電子番組表の表示がなされるようになっている。電子番組表の表示から通常の映像出力に戻したい場合には、リモコンの番組表ボタンを再び押すことで、番組表の表示が終了する。
【0031】また、電子番組表の表示は、一定の時間間隔(例えば数秒)毎に自動で次のページへ切り換えられるように設定されている。すなわち、一定時間間隔でシステム制御部20が次のページの電子番組表のデータを生成して信号変換回路17へ送り、それにより電子番組表のページが切り換えられる。なお、もっと早く次のページに切り換えたい場合などに、ユーザがリモコンのページ送り用のボタンを操作するなど手動により次ページに切り換わるように構成しても良い。
【0032】EPGデータの放送は、全チャンネルの所定日数分の番組情報を1ブロックにまとめて、この1ブロックのデータが所定間隔(約5秒)毎に繰り返し送られてくるように規定されている。この実施の形態のBSチューナ1においては、コスト低減を図るためにメモリ19の容量は小さく設定され、EPGデータの1ブロック全部をメモリ19に格納することは行わず、受信された1ブロックのEPGデータの中からシステム制御部20が必要な番組情報を抽出して、この抽出した番組情報のみをメモリ19に格納すると云った処理を行う。この実施の形態では、電子番組表の出力中に次に生成し切り換えられる電子番組表が予め分るので、システム制御部20は電子番組表の出力中において次に切り換えられる電子番組表に必要な番組情報を抽出してメモリ19に格納する。それにより、少ないメモリ容量でも処理待ちなどが生じないスムーズな電子番組表の切り換えを行うことが出来る。」

「【0037】図2の第1形式例の電子番組表は、番組表ボタンが押された時点で選択されていたチャンネル(この図では「N*K102」)と該選択チャンネルを中心に両隣の合計3チャンネルの番組情報が時系列に5時間分表示されたものである。番組表は縦方向に時間、横方向にチャンネルが表され、1行目と1列目はそれぞれチャンネルと時間のインデックス欄となっており、第2列第2行目以降の各欄に番組情報が表示される。番組情報としては、番組タイトルや番組概要や出演者などの番組情報が掲載される。
【0038】そして、次ページ(b)では前ページ(a)と同形式で前ページのものから同チャンネルで5時間分先に送った番組表に切り換えられる。
【0039】上記のような1ページに一度に表示される3チャンネル×5時間分の番組情報は、ユーザが各番組を参照するのに最適な情報量となる。なお、1ページの情報量を6時間分としたり、4チャンネル分としても、適度な情報量となる。また、ページ送りの時間幅も現ページと次ページとの両方に同一時間帯の情報が含まれないように、1ページに表示される時間幅と同一時間幅分送るのがユーザが各番組を参照するのに最適ではあるが、1時間や30分程度重なりをもつようにページ送りを行うようにしても適度さは失われない。
【0040】図3の第2形式例の電子番組表は、番組表ボタンが押された時点で選択されていたチャンネル(この図では「N*K103」)と該選択チャンネルを中心に隣接する合計5チャンネルの番組情報が時系列に3時間分表示されたものである。番組表は縦方向にチャンネル、横方向に時間が表され、1行目と1列目はそれぞれ時間とチャンネルのインデックス欄となっており、第2列第2行目以降の各欄に番組情報が表示される。
【0041】そして、次ページ(b)では前ページ(a)と同じ形式で前ページのものから同チャンネルで3時間分先に送った番組表に切り換えられる。
【0042】このように1ページに一度に表示される5チャンネル×3時間分の番組情報は、ユーザが各番組を参照するのに最適な情報量となる。なお、1ページの情報量を4時間分としたり、6チャンネルや7チャンネル分としても、適度な情報量となる。また、ページ送りの時間幅も現ページと次ページとの両方に同一時間帯の情報が含まれないように、1ページに表示される時間幅と同一時間幅分送るのがユーザが各番組を参照するのに最適ではあるが、1時間や30分程度重なりをもつようにページ送りを行うようにしても適度さは失われない。」

「【図2】



(2)引用文献1に記載された発明
引用文献1には、電子番組表(EPG)を処理すること(段落【0001】等)が記載され、特に、一定の時間間隔(例えば数秒)毎に自動で次のページへ切り換えられる電子番組表の表示(段落【0031】が記載されている。この『一定の時間間隔毎に自動で次のページへ切り換えられる電子番組表の表示』を方法の発明として認定する。

番組情報を含んだEPGデータは、放送信号から分離され(段落【0028】)、EPGデータは全チャネルの番組情報を含み(段落【0032】)、受信された1ブロックのEPGデータの中から、必要な番組情報を抽出する(段落【0032】)から、当該方法は、『放送される複数のチャンネルの番組情報を取得するステップ』を有する。

「電子番組表は、番組表ボタンが押された時点で選択されていたチャンネルと該選択チャンネルを中心に両隣の合計3チャンネルの番組情報が時系列に5時間分表示され」る(段落【0037】)。
したがって、当該方法は、『番組表ボタンが押された時点で選択されていたチャンネルと該選択チャンネルを中心に両隣の合計3チャンネルの番組情報が時系列に5時間分の電子番組表が表示されるステップ』を有する。

「電子番組表の表示は、一定の時間間隔(例えば数秒)毎に自動で次のページへ切り換えられるように設定され」(段落【0031】)、「次ページ(b)では前ページ(a)と同形式で前ページのものから同チャンネルで5時間分先に送った番組表に切り換えられる」(段落【0038】)。また、「ページ送りの時間幅」として「1時間重なりをもつようにページ送りを行う」(段落【0039】)ことが開示されている。
したがって、『一定の時間間隔毎に自動で次のページへ切り換えられるように電子番組表が表示されるステップであって、次のページは、前のページと同型式で前ページのものから同チャンネルで1時間重なりを持つように4時間分先に送った電子番組表である』を有する。

以上まとめると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。以下この発明を「引用発明」という。

(引用発明)
(a)一定の時間間隔毎に自動で次のページへ切り換えられる電子番組表の表示方法であって、
(b)放送される複数のチャンネルの番組情報を取得するステップと、
(c)番組表ボタンが押された時点で選択されていたチャンネルと該選択チャンネルを中心に両隣の合計3チャンネルの番組情報が時系列に5時間分の電子番組表が表示されるステップと、
(d)一定の時間間隔毎に自動で次のページへ切り換えられるように電子番組表が表示されるステップであって、次のページは、前のページと同型式で前ページのものから同チャンネルで1時間重なりを持つように4時間分先に送った電子番組表である、ステップと、
(e)を有する方法。

なお、(a)?(e)は、構成を識別するために付与した。以下各構成を「構成a」等という。

2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
原査定における拒絶の理由に引用された特開2005-203955号公報(以下「引用文献2」という。)には、「電子番組表処理装置及び方法並びにコンピュータプログラム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
(下線は当審が付与した。)

「【0079】
図4においては、受信可能なチャンネルとして、既定の6チャンネル以外にチャンネルG及びチャンネルHを加えた計8チャンネルが受信可能な場合が示されている。この場合、一画面に受信可能なチャンネル全てを表示することはできないため、余剰となる2チャンネルは、ユーザによって与えられる所定の指示に従ってスクロール表示される様になっている。この「所定の指示」とは、例えば、リモートコントローラや操作パネル等の指示機器を所定操作することによって発生するものである。図4(a)にはチャンネルAからチャンネルFまでの既定の6チャンネルが表示された状態、図4(b)にはスクロール操作後にチャンネルCからチャンネルHが表示された状態がそれぞれ示される。また、図4における矢印は、スクロールが可能であることと、その方向を示すものであるが、実際の表示画面上に、係る矢線に相当するマーク又は記号が表示されてもよい。この場合には、EPGの視認性を劣化させない様にこれらのマーク又は記号が表示されて好適である。
【0080】
尚、係るスクロールの態様は自由であり、例えば、一チャンネルずつ順次スクロールされても、複数チャンネル毎にスクロールさせても構わない。また、この様に一画面に表示しきれないチャンネルを表示する方法は、ここで示したスクロールによる方法に限定されない。例えば、所定の操作によって、図4(a)及び図4(b)に相当する画面が相互に切り替わる画面切り替え方式であっても構わない。前述のステップS107では、この様なEPGを作成するための番組表データが作成される。」

「【図4】



(2)引用文献2に記載された技術
段落【0079】、【0080】の記載及び図4によれば、引用文献2には、『或るタイムスパンにおいて、EPGの表示を1つ又は複数のチャンネル毎にスクロールする』技術が開示されている。

第3 対比
1 対比
本願発明と引用発明とを対比する。

(1)構成要件Aと構成aとを対比する。
引用発明の「電子番組表」は、本願発明の「チャネル案内情報」に相当する。
また、「電子番組表の表示方法」は、電子番組表を出力しているともいえるから、「チャネル案内情報を出力する方法」といえる。
したがって、本願発明と引用発明とは、「チャネル案内情報を出力する方法」として一致する。

(2)構成要件Bと構成bとを対比する。
引用発明の「放送される複数のチャンネルの番組情報」は、本願発明の「ブロードキャストされる複数のチャネルに関する番組コンテンツ情報」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、「ブロードキャストされる複数のチャネルに関する番組コンテンツ情報を取得するステップ」を有する点で一致する。

(3)構成要件Cと構成cとを対比する。
構成要件Cの「前記複数のチャネル」は、構成要件Bの「ブロードキャストされる複数のチャネル」を指すものであり、構成要件Cの「前記複数のチャネルのうちの第1の部分のチャネル」は、「ブロードキャストされる複数のチャネル」の一部分のチャンネルを意味している。
そして、構成cの「番組表ボタンが押された時点で選択されていたチャンネルと該選択チャンネルを中心に両隣の合計3チャンネル」は、「放送される複数のチャンネル」の一部分であるから、構成要件Cの「前記複数のチャネルのうちの第1の部分のチャネル」に相当する。
また、構成cの「時系列に5時間分」は、構成要件Cの「或るタイムスパン」に相当する。
さらに、構成cにおける「番組表が表示される」は、構成dによれば、「一定の時間間隔毎に自動で次のページへ切り換えられる」から、「番組表」が一定時間「表示される」ことであり、一定時間「番組表」が表示されるから、このように表示される「番組表」は「静止画」といえる。したがって、構成cにおける「番組表が表示される」は、「番組コンテンツを表す静止画を出力する」といえる。そして、この「静止画」は、「第1の静止画」ともいい得る。
したがって、本願発明と引用発明とは、「前記複数のチャネルのうちの第1の部分のチャネルにより或るタイムスパンにおいてブロードキャストされる番組コンテンツを表す第1の静止画像を出力するステップ」を有する点で一致する。

(4)構成要件Dと構成dとを対比する。
構成dの「一定の時間間隔毎に自動で次のページへ切り換えられるように電子番組表が表示されるステップ」は、あるページが一定時間表示された後に、次のページが表示されるから、「前記第1の静止画像を或る時間にわたって出力した後に、ブロードキャストされる番組コンテンツを表す第2の静止画像を出力するステップ」として、本願発明と共通する。
しかしながら、「ブロードキャストされる番組コンテンツ」が、本願発明においては、「前記複数のチャネルのうちの第2の部分のチャネルにより前記タイムスパンにおいて」ブロードキャストされる番組コンテンツであるのに対し、引用発明においては、「前記複数のチャネルのうちの第2の部分のチャネルにより前記タイムスパンにおいて」ブロードキャストされる番組コンテンツでない点で相違する。
さらに、本願発明においては、「前記第2の部分は、前記第1の部分に含まれる少なくとも1つのチャネルと前記第1の部分には含まれない少なくとも1つのチャネルとを含む」のに対し、引用発明においては、そうではない点で相違する。

(5)構成要件Eと構成eとを対比すると、「方法」として一致する。

2 一致点、相違点
以上より、本願発明と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりである。

(一致点)
チャネル案内情報を出力する方法であって、
ブロードキャストされる複数のチャネルに関する番組コンテンツ情報を取得するステップと、
前記複数のチャネルのうちの第1の部分のチャネルにより或るタイムスパンにおいてブロードキャストされる番組コンテンツを表す第1の静止画像を出力するステップと、
前記第1の静止画像を或る時間にわたって出力した後に、ブロードキャストされる番組コンテンツを表す第2の静止画像を出力するステップと、
を有する方法。

(相違点)
「前記第1の静止画像を或る時間にわたって出力した後に、ブロードキャストされる番組コンテンツを表す第2の静止画像を出力するステップ」における「ブロードキャストされる番組コンテンツ」が、本願発明においては、「前記複数のチャネルのうちの第2の部分のチャネルにより前記タイムスパンにおいて」ブロードキャストされる番組コンテンツであるのに対し、引用発明においては、「前記複数のチャネルのうちの第2の部分のチャネルにより前記タイムスパンにおいて」ブロードキャストされる番組コンテンツではなく、
さらに、当該ステップにおいて、本願発明は、「前記第2の部分は、前記第1の部分に含まれる少なくとも1つのチャネルと前記第1の部分には含まれない少なくとも1つのチャネルとを含む」のに対し、引用発明においては、そうではない点

第4 判断
EPGを表示させて、ユーザが表示を操作する際に、全てのEPGデータが画面上に表示されないから、画面上に表示されている時間帯をそのままに、表示されているチャネルをスクロールさせて、表示されていなかったチャネルの番組情報を表示させることは、よく知られており、また、引用文献2には、上記第2の2(2)のとおり、「或るタイムスパンにおいて、EPGの表示を1つ又は複数のチャンネル毎にスクロールする」技術が開示されていることを勘案すると、引用発明において、「前記第1の静止画像を或る時間にわたって出力した後に、ブロードキャストされる番組コンテンツを表す第2の静止画像を出力するステップ」における「ブロードキャストされる番組コンテンツ」を「前記複数のチャネルのうちの第2の部分のチャネルにより前記タイムスパンにおいて」ブロードキャストされる番組コンテンツとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、引用発明は、次のページは、前のページと時間方向に重なりを持つものであるから、上記のような容易想到の構成においては、「前記第2の部分は、前記第1の部分に含まれる少なくとも1つのチャネルと前記第1の部分には含まれない少なくとも1つのチャネルとを含む」ものとなる。

本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

なお、請求人は、平成28年4月19日付け補正書(請求の理由の補正)において、当該補正書に記載された補正案に基づく主張をしている。
しかしながら、本願にはさらに拒絶の理由を通知する理由がなく、補正案を受け入れる理由がないから、請求人の主張は採用できない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1、引用文献2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-11-30 
結審通知日 2016-12-06 
審決日 2016-12-19 
出願番号 特願2013-501364(P2013-501364)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福西 章人鍬 利孝  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 小池 正彦
冨田 高史
発明の名称 チャネル案内情報を出力する方法及び装置  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  

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