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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1328300
審判番号 不服2016-6766  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-09 
確定日 2017-05-11 
事件の表示 特願2013- 54995「映像処理装置、映像再生装置、映像処理方法、映像再生方法及び映像処理システム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月29日出願公開、特開2014-183353〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1.手続
本件出願は、平成25年3月18日に出願したものであって、手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 :平成27年 4月16日(起案日)
手続補正 :平成27年 6月15日
拒絶査定 :平成28年 1月28日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成28年 5月 9日
手続補正 :平成28年 5月 9日
前置審査報告 :平成28年 8月 3日

2.査定
原査定の理由は、概略、以下のとおりである。

(理由1)
本願の請求項1,8,9,12,14ないし16に係る発明は、いずれも、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。

(理由2)
本願の請求項1ないし16に係る発明は、いずれも、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記(刊行物)
刊行物:特開2002-330440号公報

第2 補正の却下の決定
平成28年5月9日付けの手続補正について次のとおり決定する。

《結論》
平成28年5月9日付けの手続補正を却下する。

《理由》
1.補正の内容
平成28年5月9日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする下記の補正事項を含むものである(アンダーラインは補正箇所)。

記(補正事項)
請求項1について
「第1の画質を有する第1の動画像と同一の内容であり、前記第1の画質より高い第2の画質で、前記第1の動画像の一部の領域に対応するサイズを有する第2の動画像を生成する画像生成部と、
前記第1の動画像の一部を前記第2の動画像に置き換えて前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させるための再生情報を生成する再生情報生成部と、
を備え、
前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域をフレーム毎に決定し、前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間における、決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成する、映像処理装置。」(補正前)
とあるのを、

「第1の画質を有する第1の動画像と同一の内容であり、前記第1の画質より高い第2の画質で、前記第1の動画像の一部の領域に対応するサイズを有する第2の動画像を生成する画像生成部と、
前記第1の動画像の一部を前記第2の動画像に置き換えて前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させるための再生情報を生成する再生情報生成部と、
を備え、
前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域をフレーム毎に決定し、前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間における、決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成し、前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する、映像処理装置。」(補正後)
と補正する。

2.本件補正の適合性
(1)補正の範囲・単一性
上記補正事項は、願書に最初に添付した明細書の記載(段落【0119】)に基づくものであり、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正であって、発明の特別な技術的特徴を変更する補正でもない。

(2)補正の目的
上記補正事項は、「前記画像生成部」について「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する」の構成を付加するものであり、当該構成を付加する補正は、「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」ということができる。
したがって、上記補正事項は、特許法第17条の2第5項第2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(3)独立特許要件
以上のとおり、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるので、以下、独立特許要件について検討する。

ア.補正後の請求項1に係る発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、次のとおりである。なお、本件補正発明の各構成の符号は、説明のために当審のおいて付与したものであり、以下、構成(A)、構成(B)などと称する。

【請求項1】
(A)第1の画質を有する第1の動画像と同一の内容であり、前記第1の画質より高い第2の画質で、前記第1の動画像の一部の領域に対応するサイズを有する第2の動画像を生成する画像生成部と、
(B)前記第1の動画像の一部を前記第2の動画像に置き換えて前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させるための再生情報を生成する再生情報生成部と、
を備え、
(C)前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域をフレーム毎に決定し、前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間における、決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成し、前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する、
(D)映像処理装置。

イ.引用例の記載
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2002-330440号公報(以下「引用例」という。)には、「画像伝送方法、画像伝送方法のプログラム、画像伝送方法のプログラムを記録した記録媒体及び画像伝送装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像伝送方法、画像伝送方法のプログラム、画像伝送方法のプログラムを記録した記録媒体及び画像伝送装置に関し、例えばネットワークを介して動画像ストリーミングを配信する場合に適用することができる。本発明は、全体の画像データを高いデータ圧縮率により送出すると共に、伝送対象より取得した位置情報を基準にして一部領域を高精細により伝送することにより、1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、インターネット等のネットワークにおける動画像ストリーミングの配信においては、例えばMPEG4(Moving Picture Experts Group)等の実時間圧縮伝達システムが適用されるようになされている。
【0003】すなわちMPEG4は、連続するピクチャー間の相関を有効に利用して動画像データを効率良くデータ圧縮する技術であり、MPEG4による動画像ストリーミングの配信においては、通信回線の容量に応じたビットレートによりデータ伝送できるように、発生符号量に応じてデータ圧縮率を可変するようになされている。
【0004】このような実時間圧縮伝達システムにおいては、データ圧縮率を高くすると、その分、元の動画像データに含まれる情報が欠落し、伝送対象で鮮明な画像(高画質の画像)を再生できなくなる。しかしながらデータ圧縮率を低くすると、限りのある通信回線により動画像データを伝送できなくなる。
【0005】このため1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像データをデータ圧縮することにより、1つのピクチャーの中で、ユーザーが詳細な画像を求める部分だけ高精細な画像により伝送し、背景等のユーザーがあまり詳細な画像を求めない部分については、画質の劣化を許容して画像を伝送し、これらにより容量に限りのある通信回線により動画像データを効率良く伝送する方法が提案されるようになされている(いわゆるROI:である)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら送出側で高精細により伝送する部分として切り出した部分が、ユーザーが要望する部分と異なる場合も考えられる。すなわちユーザーにおいては、趣味、嗜好が種々に異なることにより、例えばサッカー等の競技の放送において、守備側の特定選手の詳細な画像を求めるユーザーもいれば、これに反して攻撃側の特定選手の詳細な画像を求めるユーザーも存在する。
【0007】このようにユーザーが要望する部分と異なる部分を高精細により伝送する場合、高精細により伝送される部分は、ユーザーにとって全く無駄な部分となり、またユーザーにおいては、詳細な画像を求める部分が詳細に表示されなくなる。
【0008】これらによりこのように1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合にあっては、従来、ユーザーの要望に的確に対応できない問題があった。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができる画像伝送方法、画像伝送方法のプログラム、画像伝送方法のプログラムを記録した記録媒体及び画像伝送装置を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、動画像データを符号化処理して送出する画像伝送方法に適用して、伝送対象より得られる位置情報に基づいて、動画像データの一部領域の画像データを、第1の符号化ステップによる場合に比して、高精細により符号化処理して送出する第2の符号化ステップを有するようにする。
【0011】また請求項3の発明においては、動画像データを符号化処理して送出する画像伝送方法のプログラムに適用して、伝送対象より得られる位置情報に基づいて、動画像データの一部領域の画像データを、第1の符号化ステップによる場合に比して、高精細により符号化処理して送出する第2の符号化ステップを有するようにする。
【0012】また請求項4の発明においては、動画像データを符号化処理して送出する画像伝送方法のプログラムを記録した記録媒体に適用して、この画像伝送方法のプログラムが、伝送対象より得られる位置情報に基づいて、動画像データの一部領域の画像データを、第1の符号化ステップによる場合に比して、高精細により符号化処理して送出する第2の符号化ステップとを有するようにする。
【0013】また請求項5の発明においては、動画像データを符号化処理して送出する画像伝送装置に適用して、伝送対象より得られる位置情報に基づいて、動画像データの一部領域の画像データを、先の動画像ストリーミングによる場合に比して、高精細により符号化処理して送出する第2の符号化手段を有するようにする。
【0014】請求項1の構成によれば、画像伝送方法に適用して、伝送対象より得られる位置情報に基づいて、動画像データの一部領域の画像データを、第1の符号化ステップによる場合に比して、高精細により符号化処理して送出する第2の符号化ステップを有することにより、高精細により伝送する領域をユーザーの指定により設定することができる。これにより1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができる。
【0015】これにより請求項3又は請求項4の構成によれば、1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができる画像伝送方法のプログラム又は画像伝送方法のプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【0016】また請求項5の構成によれば、画像伝送装置に適用して、伝送対象より得られる位置情報に基づいて、動画像データの一部領域の画像データを、先の動画像ストリーミングによる場合に比して、高精細により符号化処理して送出する第2の符号化手段を有することにより、高精細により伝送する領域をユーザーの指定により設定することができる。これにより1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0018】(1)第1の実施の形態
(1-1)第1の実施の形態の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る動画像配信システムを示すブロック図である。この動画像配信システム1は、インターネット等のネットワーク2を介して送信側3より動画像ストリーミングを送信し、受信側4で受信する。
【0019】すなわち送信側3において、カメラ5は、所望の被写体を撮像して動画像による画像データDVを出力し、フレームメモリ6は、この画像データDVを一時保持して出力する。
【0020】領域抽出装置7は、フレームメモリ6から出力される画像データDVをそのまま全景画像符号化装置8に出力する。また領域抽出装置7は、図2に示すように、このように全景画像符号化装置8に出力する画像データDVについて、ネットワーク受信装置13より位置情報DPが通知されると、この位置情報DPに基づいて、一部領域AR1を設定し、この一部領域AR1の画像データSV1を併せて高精細画像符号化装置10に出力する。
【0021】ここでこの位置情報DPは、画像データDVによる画像上において受信側4で選択された位置を示す情報であり、受信側4におけるユーザーの操作により受信側4より送信される。領域抽出装置7は、この位置情報DPにより指示される画像上の位置を中心にして、水平方向及び垂直方向に所定の領域AR1を設定し、この領域AR1の画像データDV1を高精細画像符号化装置10に出力する。
【0022】また領域抽出装置7は、この位置情報DPがネットワーク受信装置13から通知されると、内蔵のタイマを用いた時間計測により、所定時間の間、この領域AR1の画像データDV1を高精細画像符号化装置10に出力し、この所定時間が経過すると高精細画像符号化装置10への画像データDV1の出力を中止する。
【0023】全景画像符号化装置8は、例えばMPEG4の方式により、領域抽出装置7より得られる画像データDVを比較的高いデータ圧縮率によりデータ圧縮して出力し、ネットワーク送信装置11は、この全景画像符号化装置8の出力データをネットワーク2に送出する。これにより送信側3においては、カメラ5で得られる画像データDVの全てを比較的高いデータ圧縮率によりデータ圧縮して配信するようになされている。
【0024】高精細画像符号化装置10は、全景画像符号化装置8と同様の予測符号化により、領域抽出装置7より得られる画像データDV1をデータ圧縮して出力する。この処理において高精細画像符号化装置10は、全景画像符号化装置8に比して低いデータ圧縮率により画像データDV1をデータ圧縮して出力することにより、全景画像符号化装置8より出力される動画像ストリーミングに比して高精細により動画像データを符号化処理して出力する。
【0025】ネットワーク送信装置12は、この高精細画像符号化装置10の出力データをネットワーク2に送出する。これにより送信側3においては、カメラ5で得られる画像データDVのうち、位置情報DPを基準にした一部領域の画像データを、画像データDVの全てを伝送する場合に比して、高精細により符号化処理して送出するようになされている。
【0026】ネットワーク受信装置13は、受信側4より送信される位置情報DPを取得して領域抽出装置7に通知する。これらによりこの動画像配信システム1では、画像データDV1を高いデータ圧縮率により伝送すると共に、この受信側4の指示に応じて、画像データDV1による画像の一部を高精細により伝送するようになされている。
【0027】これらに対応して受信側4において、ネットワーク受信装置15は、ネットワーク送信装置11より送出される動画像ストリーミングを受信して出力する。全景画像復号化装置16は、このネットワーク受信装置15より出力される動画像ストリーミングより画像データDVを復号して出力する。
【0028】ネットワーク受信装置17は、ネットワーク送信装置12より送出される動画像ストリーミングを受信して出力する。高精細画像復号化装置18は、このネットワーク受信装置17より出力される動画像ストリーミングより画像データDV1を復号して出力する。
【0029】画像合成装置19は、高精細画像復号化装置18より出力される画像データDV1により全景画像復号化装置16より出力される画像データDVを置き換えてフレームメモリ20に出力する。フレームメモリ20は、この画像合成装置19の出力データを一時保持して出力し、表示装置21は、このフレームメモリ20の出力データを表示する。
【0030】入力装置22は、マウス等の2次元の座標入力手段により構成され、ユーザーによる操作により表示装置21により表示される画像上でカーソルを移動させ、さらにユーザーの操作によりカーソルの表示位置の座標情報DPを出力する。ネットワーク送信装置24は、この座標情報DPをネットワーク2を介して送信側3に送信する。
【0031】(1-2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、この動画像配信システム1では(図1)、カメラ5より得られる画像データDVが全景画像符号化装置8に入力され、ここでデータ圧縮されて動画像ストリーミングが生成される。さらにこの動画像ストリーミングがネットワーク2を介して受信側4に送信され、受信側4の全景画像復号化装置16において元の画像データDVが復号される。さらにこの画像データDVにより表示装置21で画像が表示される。
【0032】これによりこの動画像配信システム1では、カメラ5で撮像した映像を表示装置21により視聴することができる。このようにして伝送されるに動画像ストリーミングにおいては、全景画像符号化装置8において高いデータ圧縮率でデータ圧縮されていることにより、細かな情報が欠落して伝送され、その分、元の画像データDVに比して画質が劣化して伝送される。
【0033】これによりユーザーにおいて、詳細に視聴したい箇所が存在する場合には、このようにして表示装置21で表示されている画像において、入力装置22の操作により、この詳細に視聴したい箇所を指示すると、この箇所の位置情報DPが送信側3に通知される(図2)。送信側3においては、この通知により、この位置情報DPにより特定される所定領域AR1の画像データDV1が領域抽出装置7より高精細画像符号化装置10に出力され、ここで画像データDVによる動画像ストリーミングに比して小さなデータ圧縮率によりユーザーの所望する箇所の画像データDV1がデータ圧縮される。さらにこのデータ圧縮による動画像ストリーミングが受信側4に伝送され、受信側4で復号され、画像データDVによる画像の一部がこの高精細による動画像と置き換えられる。
【0034】これによりこの実施の形態においては、ユーザーが詳細に見たいと望む箇所を高精細により提供することができ、その分、1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができる。
【0035】このようにして伝送する動画像ビットストリーミングにおいては、動画像であることにより、ユーザーが詳細に視聴したいと望む被写体にあっても、時間の経過に伴い、ユーザーが指定した領域AR1より外れることが考えられる。これにより送信側3においては、このような位置情報DPが受信側4より通知されると、所定時間の間だけ、高精細による動画像ストリーミングを送出し、この所定時間を経過すると、高精細による動画像ストリーミングの送出が中止される。これによりこの動画像配信システム1では、無駄なデータ伝送を有効に回避するようになされている。
【0036】かくするにつき、図3は、この送信側3における処理手順を示すフローチャートである。送信側3においては、動画像の配信を開始すると、ステップSP1からステップSP2に移り、カメラ5により伝送に供する画像をキャプチャし、続くステップSP3において、ネットワーク受信装置13により位置情報DPが得られたか否か判断することにより、高精細による画像抽出の処理が必要か否か判断する。
【0037】ここで肯定結果が得られると、送信側3では、ステップSP4に移り、領域抽出装置7においてタイマをセットする。さらに続くステップSP5において、このタイマをアップカウントした後、ステップSP6において、位置情報DPより領域AR1の画像データSV1を抽出し、続くステップSP7において、この抽出した画像データDV1を高精細画像符号化装置10により符号化する。さらに続くステップSP8において、対応する全景画像である画像データDVを全景画像符号化装置8に与え、続くステップSP9において、この画像データDVを符号化処理する。送信側3では、このようにして生成した2系統の動画像ストリーミングを送信側に送出した後、続くピクチャーの処理のためにステップSP2に戻る。
【0038】これに対してステップSP3で否定結果が得られると、送信側3は、ステップSP10に移り、ステップSP5でアップカウントしたタイマにより、高精細による動画像ストリーミングの送出を開始して所定時間以上経過したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP5に移る。これによりこの場合も、高精細による動画像ストリーミングを送信するようになされている。
【0039】これに対してステップSP10で肯定結果が得られると、この場合、送信側3は、ステップSP8に移り、高精細による動画像ストリーミングを送出することなく、全景画像符号化装置8による全景の動画像ストリーミングだけを送出する。
【0040】(1-3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、全体の画像データを高いデータ圧縮率により送出すると共に、伝送対象より取得した位置情報を基準にして一部領域を高精細により伝送することにより、1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像ストリーミングを配信する場合等に、ユーザーの要望に的確に対応することができる。」

「【0050】また上述の実施の形態においては、伝送対象より取得した位置情報により高精細により伝送する領域を一旦設定すると、所定時間の間、この領域を高精細により伝送する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば動き追跡の手法を適用して、被写体を動きに追従するように、高精細により伝送する領域を移動させるようにしてもよく、さらには被写体の変化に応じて、このような領域を拡大、縮小するようにしてもよい。」
(引用例の記載、以上)

ウ.引用例に記載された発明

(ア)引用例の【0018】等の記載によれば、引用例には、動画像配信システムに関する発明が開示されている。

(イ)引用例の段落【0019】ないし【0024】,図1,2等の記載によると、上記動画像配信システムは、カメラが撮像した動画像による画像データDVを、フレームメモリを介して、全景画像符号化装置8で符号化することと同時に、位置情報DPが通知されると、所定の期間、上記位置情報DPに対応する上記DVの所定の領域AR1について、高精細画像符号化装置10で符号化することが開示されている。
したがって、上記動画像配信システムは、カメラが撮像した動画像による画像データDVを、フレームメモリを介して符号化する全景画像符号化装置8と、位置情報DPが通知されると、所定の期間、上記位置情報DPに対応する上記DVの所定の領域AR1について高精細符号化する高精細画像符号化装置10を備えている。

(ウ)引用例の段落【0020】-【0022】,【0029】,図1,2等の記載によると、上記動画像配信システムは、位置情報DPにより指示される画像上の位置を中心にして、水平方向及び垂直方向に一部領域AR1を設定する領域抽出装置7を有し、この領域AR1の画像データDV1を所定の期間高精細画像符号化装置10で符号化すること、及び、受信側の画像合成装置19で、全景画像復号化装置16より出力される画像データDVを、高精細画像復号化装置18より出力される画像データDV1により置き換えて表示することが開示されている。
上記復号化時の構成において、再生時に、全景画像復号化装置16に与えられる符号化された画像データは全景画像符号化装置8で符号化された画像データであり、高精細画像復号化装置18に与えられる符号化された画像データは高精細画像符号化装置10で符号化された画像データであることは、図1、【0027】、【0028】等の記載から明らかである。
以上の開示から、上記動画像配信システム8は、再生時に、所定の期間、全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換えて再生するための領域AR1を、位置情報DPから設定する領域抽出装置7を備えている。

(エ)引用例の段落【0019】ないし【0024】,図1,2等の記載によると、上記動画像配信システムの高精細画像符号化装置10は、領域抽出装置7で設定された領域AR1の動画データDV1を、所定の期間、フレームメモリから得て高精細符号化している。

(オ)まとめ
以上(ア)ないし(エ)の記載事項をまとめると、引用例には以下の発明(以下「引用発明」という。)が開示されているといえる。((a)ないし(d)は当審において付与し、以下「構成(a)」等として引用する。)

(引用発明)
(a)カメラが撮像した動画像による画像データDVを、フレームメモリを介して符号化する全景画像符号化装置8と、位置情報DPが通知されると、所定の期間、上記位置情報DPに対応する上記DVの所定の領域AR1について高精細符号化する高精細画像符号化装置10と、
(b)再生時に、所定の期間、全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換えて再生するための領域AR1を、位置情報DPから設定する領域抽出装置7を備え、
(c)上記動画像配信システムの高精細画像符号化装置10は、領域抽出装置7で設定された領域AR1の動画データDV1を、所定の期間、フレームメモリから得て高精細符号化する、
(d)動画像配信システム。

エ.対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)本件補正発明の構成(A)と引用発明の構成(a)とを対比する。
引用発明の「全景画像符号化装置8」により符号化された動画像のデータは、第1の画質を有する第1の動画像と称してもよいことは明白である。
これに対して、高精細画像符号化装置10により符号化された動画像のデータは、上記第1の動画像と比較して高精細符号化されることから、前記第1の画質より高い第2の画質の第2の動画像といえる。
そして、上記第2の動画像は、全景画像符号化装置8で符号化される画像データDVの所定の領域AR1について符号化したものであるから、第1の動画像と同一の内容であって、前記第1の動画像の一部の領域に対応する部分の動画像である。
上記第2の部分の動画像は、構成(b)も参酌すると、「全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換え」るのであるから、置き換えられる全景画像符号化装置8で符号化された画像データの領域の大きさ(サイズ)と置き換える高精細画像符号化装置10で符号化された画像データの大きさ(サイズ)は互いに対応していることは明らかである。
以上のことから、引用発明の高精細画像符号化装置10は、「第1の画質を有する第1の動画像と同一の内容であり、前記第1の画質より高い第2の画質で、前記第1の動画像の一部の領域に対応するサイズを有する第2の動画像を生成する画像生成部」といえるから、本件補正発明の構成(A)と引用発明の構成(a)とに相違はない。

(イ)本件補正発明の構成(B)と引用発明の構成(b)とを対比する。
引用発明の「領域AR1」は、位置情報DPから設定されるものであり、「全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換えて再生する」のであるから、全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの一部の領域であって、当該領域(AR1)が、全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちのどの部分であるかを表すためのデータを有していることは明らかである。
すなわち、全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を示す情報は、「全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換えて再生するための」ための情報ということができ、先に検討したように、引用発明の「全景画像符号化装置8で符号化された画像データ」、「高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ」は、それぞれ、本件補正発明の「第1の動画像(のデータ)」、「第2の動画像(のデータ)」といえるから、上記引用発明の「置き換えて再生するための情報」は、本件補正発明の「再生情報」といえる。
そして、「領域AR1を、位置情報DPから設定する領域抽出装置7」は、位置情報DPから、領域AR1を設定するために、領域AR1に相当する部分を示す情報を生成していることは明白であるから、引用発明の「領域抽出装置7」は、本件補正発明の「再生情報生成部」に相当する。

(ウ)本件補正発明の構成(C)と引用発明の構成(c)とを対比する。
引用発明の高精細画像符号化装置10は、「領域抽出装置7で設定された領域AR1の動画データDV1を、所定の期間、フレームメモリから得て高精細符号化」している。
先に検討したように、引用発明の「高精細画像符号化装置10」、「領域抽出装置7」、「領域AR1」は、それぞれ、本件補正発明の「画像生成部」、「再生情報生成部」、「第2の動画像の領域」に相当し、「領域抽出装置7で設定された領域AR1の動画データDV1を符号化」することは、領域抽出装置7で設定された領域AR1に基づいて当該領域を符号化(動画像の生成)しているといえるから、「前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域を決定」し、「動画像を生成し」ている。
引用発明では、高精細画像符号化装置10、全景画像符号化装置8による符号化処理は、フレームメモリから動画像データを得て行っているから、フレーム単位でこれらの処理を行っていることは明白であり、上記フレーム単位で符号化処理を行うためには、領域AR1の決定もフレーム単位で行うことが当然であるから、フレーム毎に領域AR1の決定を行っていることは明白である。
そして、引用発明で行われている当該符号化は、位置情報DPが通知されてから「所定の期間」行われるのであって、この所定の期間は、構成(b)にあるとおり、「全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換えて再生する」期間であるから、「前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間」である。
さらに、所定の期間「全景画像符号化装置8で符号化された画像データ(を復号化したデータ)のうちの領域AR1に相当する部分を、高精細画像符号化装置10で符号化された画像データ(を復号化したデータ)で置き換えて再生する」のであるから、「決定した前記領域に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成し」ていて、当該領域に対して動画像を生成するためには、当該領域を網羅する画素群に対して何らか画素値を与えることが必要であるから「決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成し」といえる。
以上まとめると、引用発明では、「前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域をフレーム毎に決定し、前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間における、決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成」するということができる点で、本件補正発明と対応している。
もっとも、本件補正発明では、「前記画像生成部」は、「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定」しているのに対し、引用発明では、「前記画像生成部(高精細画像符号化装置10)」が、「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定」していない点で相違する。

(エ)本件補正発明の構成(D)と引用発明の構成(d)とを対比する。
引用発明の「動画像配信システム」も、映像を符号化処理して伝送するものであり、本件補正発明の構成(D)の「映像処理装置」と相違しない。

(オ)まとめ(一致点・相違点)
以上まとめると、本件補正発明と引用発明とは以下の一致点で一致し相違点で相違する。

(一致点)
第1の画質を有する第1の動画像と同一の内容であり、前記第1の画質より高い第2の画質で、前記第1の動画像の一部の領域に対応するサイズを有する第2の動画像を生成する画像生成部と、
前記第1の動画像の一部を前記第2の動画像に置き換えて前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させるための再生情報を生成する再生情報生成部と、
を備え、
前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域をフレーム毎に決定し、前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間における、決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成する、映像処理装置。

(相違点)
前記画像生成部が、本件補正発明では、「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する」のに対して、引用発明では、「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する」ことを行っていない点。

オ.判断
(相違点)について
本件補正発明の「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する」とは、本願明細書の「例えば、伝送帯域が5Mbpsで、(再生動画送出部110から送出される)再生動画v10の伝送レートが4Mbpsであり、補間動画v12の伝送用の帯域が残りの1Mbpsとして動画伝送が始められる場合を考える。この場合、再生動画v10の伝送レート:補間動画v12の伝送レート=4:1とする。MPEG-DASHでは、動画伝送時の実効レートを計測し、その実効レートに合わせて動画伝送レートを変動させる。この時、再生装置200は、双方の動画伝送の実効レートの総和を求めて実効伝送レートの合計を求め、再生動画v10の伝送レートは実効伝送レートの合計の4/5、補間動画v12の伝送レートは実効伝送レートのその1/5のレートを上限とする事で、双方の動画の伝送レート調整を調整してもよい。」(段落【0119】)との記載によれば、再生動画v10(第1の画質を有する第1の動画像)と補間動画v12(第2の動画像)の双方の動画伝送の実効レートの合計を求め、再生動画v10の伝送レートは実効伝送レートの合計の4/5、補間動画v12の伝送レートは実効伝送レートのその1/5のレートを上限とする事で、双方の動画の伝送レートを適宜に配分して調整するものと解釈できる。
この点に関して、引用例の記載を検討すると「このため1つのピクチャーの特定の領域についてのみデータ圧縮率を小さくして動画像データをデータ圧縮することにより、1つのピクチャーの中で、ユーザーが詳細な画像を求める部分だけ高精細な画像により伝送し、背景等のユーザーがあまり詳細な画像を求めない部分については、画質の劣化を許容して画像を伝送し、これらにより容量に限りのある通信回線により動画像データを効率良く伝送する方法が提案されるようになされている(いわゆるROI:である)。」(段落【0005】)との記載がある。
当該記載によれば、高精細な画像として伝送する部分とあまり詳細な画像を求めない部分とに分けて、容量に限りのある通信回線により動画像データを効率良く伝送する技術思想が開示されており、当該記載を見た当業者であれば、容量に限りのある通信回線を利用して動画像データを効率良く伝送するために、高精細な画像として伝送する部分とあまり詳細な画像を求めない部分とで、双方に割り当てる伝送容量を調整して伝送することは、当業者であれば、容易に想起しえたことである。
そうすると、引用発明において、あまり詳細な画像を求めない部分と、高精細な画像として伝送する部分とで、通信容量の制限内で伝送レートを適宜に配分して動画像データを効率良く伝送する、すなわち、本件補正発明のように「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する」ことは当業者が容易に想到できることである。

カ.効果
以上のように、上記相違点は、当業者が容易に想到し得たものと認められ、本件補正発明全体としてみても格別のものはなく、その作用効果も、上記相違点に係る構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。

キ.まとめ(独立特許要件)
以上、本件補正発明は、引用例に記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび(補正却下)
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、補正の却下の決定の結論のとおり、決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成28年5月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし請求項16に係る発明は、明細書及び図面(平成27年6月15日付けの手続補正書により補正された明細書)の記載からみて、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項16に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのである。
【請求項1】
第1の画質を有する第1の動画像と同一の内容であり、前記第1の画質より高い第2の画質で、前記第1の動画像の一部の領域に対応するサイズを有する第2の動画像を生成する画像生成部と、
前記第1の動画像の一部を前記第2の動画像に置き換えて前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させるための再生情報を生成する再生情報生成部と、
を備え、
前記画像生成部は、前記再生情報生成部が生成する再生情報に基づいて前記第2の動画像の領域をフレーム毎に決定し、前記第1の動画像及び前記第2の動画像を同時に再生させる期間における、決定した前記領域を網羅する画素群に対して前記第2の画質で前記領域の動画像と同一の内容の動画像を生成する、映像処理装置。

2.引用例の記載
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2002-330440号公報(以下「引用例」という。)には、上記「第2 2.(3)イ.引用例の記載」で述べたとおりの記載、及び上記「第2 2.(3)ウ.引用例に記載された発明」で述べたとおりの引用発明が記載されている。

3.対比・判断
本願発明は、「第2 2.(3)ア.」で認定した本件補正発明との対比で見ると、補正後発明の構成(C)における、「前記第1の動画像の伝送時の帯域に応じて前記第2の動画像の伝送時の帯域を決定する」の限定事項を削除したものであって、その余の点は、本件補正発明と本願発明との間に相違はない。
してみると、本願発明と引用発明との対比においては、「第2 2.(3)エ.対比」の一致点は共通し、相違点を有さないものといえる。

第4 むすび
以上、本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された刊行物(引用例)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
したがって、残る請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-03-10 
結審通知日 2017-03-14 
審決日 2017-03-27 
出願番号 特願2013-54995(P2013-54995)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 113- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀井 啓明  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 渡邊 聡
冨田 高史
発明の名称 映像処理装置、映像再生装置、映像処理方法、映像再生方法及び映像処理システム  
代理人 亀谷 美明  
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