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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1328648
審判番号 不服2015-18363  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-10-08 
確定日 2017-05-23 
事件の表示 特願2013-528196「半導体コンタクトの形成方法及び関連する半導体デバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月12日国際公開、WO2012/047342、平成25年10月10日国内公表、特表2013-538459〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2011年(平成23年)7月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年9月10日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成25年5月8日付けで審査請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされ、平成26年7月22日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月28日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされたが、同年6月4日付けで拒絶査定がなされたものである。
これに対して、平成27年10月8日付けで審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされ、当審において平成28年7月29日付けで補正の却下の決定がなされるとともに拒絶理由が通知され、同年11月1日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし10に係る発明は、平成28年11月1日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲1ないし10に記載される事項により特定されるとおりであって、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。

「コンタクトを有する半導体デバイスを形成する方法であって、
第1絶縁体層を設け、
少なくとも1つのコンタクト窓を規定するように前記第1絶縁体層をパターニングし、
前記第1絶縁体層の上に直接かつ前記少なくとも1つのコンタクト窓内に、前記少なくとも1つのコンタクト窓を少なくとも部分的に埋めるように、第2の絶縁体層を設け、前記第2の絶縁体層は、少なくとも2つの絶縁層、すなわち、前記第1絶縁体層の上であって前記少なくとも1つのコンタクト窓内の前記第2の絶縁体層の第1の層と、前記第2の絶縁体層の前記第1の層の上の前記第2の絶縁体層の第2の層とを含み、
前記第2絶縁体層の前記第1の層及び前記第2の層の第1の部分をエッチングして、前記第2絶縁体層の第2の部分が前記少なくとも1つのコンタクト窓に残り、前記少なくとも1つのコンタクト窓の寸法とは異なる寸法を有する、改変されたコンタクト窓を少なくとも1つ形成し、前記第2の絶縁体層の前記第2の層は、前記第2の絶縁体層の前記第1の層によって前記コンタクト窓の床部から離間されている、前記第2絶縁体層の前記第1層は、前記第2絶縁体層の前記第2層より早いエッチレートを有する、ことを含む方法。」

第3 当審の判断
1.引用例について
(1)引用例1について
当審の拒絶の理由に引用された本願の優先権主張日前に日本国内で頒布された刊行物である特開平5-283357号公報(以下,「引用例1」という。)には、図面とともに、以下のことが記載されている。(なお、下線は、当審において付与した。以下、同じ。)

(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に微細なコンタクトホールを開口した半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の微細化に伴い、リソグラフィ技術の限界以下の微細なコンタクトホールを形成する要求が高まっている。従来の微細なコンタクトホールを形成した半導体装置の製造方法を図7及び図8を用いて説明する。まず、GaAs基板2上に不純物拡散層であるn-GaAs層を形成し、その上に層間膜として厚さ300nmのシリコン酸化膜6を形成する。次に、全面にレジスト10を塗布してパターニングし、シリコン酸化膜6をエッチングして幅0.5μmのコンタクトホールを開口する(図7(a))。 」
(イ)「【0003】次に、全面に厚さ100nmのシリコン酸化膜12を形成する(図7(b))。シリコン酸化膜12を基板垂直方向にエッチバックし、シリコン酸化膜6上のシリコン酸化膜12及び、コンタクトホール内壁面以外のシリコン酸化膜12を除去して、コンタクトホール内壁面に側壁膜14を形成する(図8)。こうすることにより、側壁膜14の厚さ(0.1μm)分だけコンタクトホールの幅を狭くすることができる。従って、コンタクトホールの幅を、当初の0.5μmから、0.3μmに微細化することができる。」

上記(ア)(イ)の記載を参照すると、次のことがいえる。

(あ)上記(ア)の記載から、引用例1に記載された発明は、微細なコンタクトホールを形成した半導体装置の製造方法に関する発明であることがわかる。また、GaAs基板2上にn-GaAs層を形成し、その上にシリコン酸化膜6を形成し、シリコン酸化膜6をエッチングしてコンタクトホールを開口していると認められる。
(い)上記(イ)の記載から、引用例1に記載された発明は、全面にシリコン酸化膜12を形成し、シリコン酸化膜12をエッチバックし、シリコン酸化膜6上のシリコン酸化膜12及び、コンタクトホール内壁以外のシリコン酸化膜12を除去して、コンタクトホール内壁面に側壁膜14を形成することで、側壁膜の分だけコンタクトホールの幅を狭くしていると認められる。

上記(あ)(い)の事項を踏まえると、引用例1には、実質的に次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。

「微細なコンタクトホールを形成した半導体装置の製造方法であって、
GaAs基板2上にn-GaAs層を形成し、その上にシリコン酸化膜6を形成し、
シリコン酸化膜6をエッチングしてコンタクトホールを開口し
全面にシリコン酸化膜12を形成し、
シリコン酸化膜12をエッチバックし、シリコン酸化膜6上のシリコン酸化膜12及び、コンタクトホール内壁以外のシリコン酸化膜12をを除去して、コンタクトホール内壁面に側壁膜14を形成することで、側壁膜の分だけコンタクトホールの幅を狭くしている、
半導体装置の製造方法」

(2)引用例2の記載について
当審の拒絶の理由に引用された本願の優先権主張日前に日本国内で頒布された刊行物である特開2004-288952号公報(以下,「引用例2」という。)には、図面とともに、以下のことが記載されている。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果トランジスタとその製造方法に関し、中でも化合物半導体等からなるHEMTの構造とその製造方法に関するものである。」
(イ)「【0020】
図2は、本発明の第1の実施の形態例を示す工程断面図(2)である。まず、図2(a)に示すとおり、図示しないレジストパターンをマスクに、シリコン窒化膜5と金属薄膜4とを部分的にエッチング除去して、開口部aを形成する。シリコン窒化膜5は、フッ素系のRIE(Reactive Ion Etching : RIE)によって、エッチングする。また、金属薄膜4はウエットエッチングによって除去する。本形態例においては、例えばAlのエッチングには、燐酸と酢酸との混合液を用い、Tiのエッチングにはフッ化アンモニウム、硫酸、及び過酸化水素水の混合液を用いる。
【0021】
次に、図2(b)に示すとおり、シリコン酸化膜7をCVD法等で30nm程度形成する。
その後、基板を例えばRTA(Rapid Thermal Anneal : RTA)法等により、700?730℃で1分程度アニールする。
・・・ 中 略 ・・・
【0029】
次に、図2(c)に示すとおり、全面を異方性のドライエッチング等によって全面エッチングし、上記開口部a内にサイドウォール8を形成し、開口部aを更に縮小した開口部bを形成する。ここで、開口部aの幅が、フォトリソグラフィの限界寸法であれば、開口部bは、その限界以下の寸法にまで微細化することが可能である。この開口部bの幅は、サイドウォールの幅を変化させることで制御することが可能である。
【0030】
次に、図2(d)に示すとおり、開口部bに合わせてゲート電極9を、例えば公知のリフトオフ法等により形成し、ソース電極10及びドレイン電極11と共に電界効果トランジスタが形成される。
【0031】
本実施の形態例では、ゲート電極9はT字形状をしており、下部の柱状部分はサイドウォール8で囲まれているので、空隙がなく耐リーク特性や耐腐食性に優れている。ゲート長は、フォトリソグラフィ法の限界寸法以下にまで短縮可能である。」
(ウ)「【0032】
(第2の実施の形態例)
図4は、本発明の第2の実施の形態例を示す工程断面図である。本実施の形態例では、第1の実施の形態例の図2(a)に至るまでの工程が同一であり説明が重複するので、図2(a)において、開口部aが形成された後の工程を、図4(a)から説明する。
【0033】
まず、図4(a)において、基板上にシリコン酸化膜12をCVD法等で30nm程度形成し、更にシリコン窒化膜13をCVD法等で30nm程度形成したところを示している。
【0034】
この後、図4(b)に示すとおり、シリコン酸化膜12よりもシリコン窒化膜13のエッチングが早く進行するエッチング方法を用いて全面をエッチングし、少なくとも開口部a内のシリコン酸化膜12の側壁にシリコン窒化膜からなるサイドウォール14を形成する。この時シリコン酸化膜のエッチング速度は緩やかなため、殆どエッチングされない。
【0035】
次に、図4(c)に示すとおり、フッ素系のウエットエッチングによって、シリコン酸化膜12を除去する。この工程において、シリコン窒化膜5と同じくシリコン窒化膜からなるサイドウォール14は、フッ素系のウエットエッチングでは、殆どエッチングされないため残る。
【0036】
また、段差部では、シリコン酸化膜12のアスペクト比が局所的に大きいために、シリコン酸化膜もサイドウォール15として残る。
【0037】
この工程で開口部aは、図示したとおり、開口部cまで狭まる。そして、開口部cの底部にバリア層3が露出する。第1の実施の形態例においては、バリア層の露出をRIEで行なうため、バリア層にエッチングによるダメージが残る危険性がある。しかし、本実施の形態例では、ウエットエッチングを用いているので、バリア層3にはエッチングによるダメージは殆どない。従って、良好なショットキー接合を有するゲート電極が形成可能である。
【0038】
また、第1の実施の形態例同様にサイドウォール14及び15によって、フォトリソグラフィ法の限界寸法以下にまで、開口部cを狭めることが可能である。また、開口部cの幅は、サイドウォール14及び15の幅によって制御が可能である。」

(エ)図2


(オ)図4


(え)上記(ア),(イ),(エ)の記載によれば、引用例2には、次の事項(以下、「引用例2第1実施形態」という。)が記載されていると認められる。

「HEMTの製造方法であって、
開口部aを有する基板上に、シリコン酸化膜7を形成し、
シリコン酸化膜7をエッチングすることにより、
開口部aにシリコン酸化膜からなるサイドウォール8を形成し、
開口部bの幅を、サイドウォール8の幅を変化させることにより制御可能である、
開口部bの製造方法。」

(お)上記(ア)?(ウ),(オ)の記載によれば、引用例2には、次の事項(以下、「引用例2第2実施形態」という。)が記載されていると認められる。

「HEMTの製造方法であって、
開口部aを有する基板上に、シリコン酸化膜12およびシリコン窒化膜13を形成し、
シリコン窒化膜13およびシリコン酸化膜をエッチングすることにより、
開口部aにシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜からなるサイドウォール15,14を形成し、
サイドウォール14は、サイドウォール15によって、開口部cの底部と離間されており、
サイドウォール14,15によって開口部cを狭めることが可能であって、
サイドウォール14,15の幅によって、開口部cの幅を制御するものであって、
フッ素系のウェットエッチングによって、シリコン酸化膜を除去する際、シリコン窒化膜はほとんどエッチングされない、
開口部cの製造方法。」

2.対比
(1)本願発明と引用例1発明とを対比する。
(ア)引用例1発明の「コンタクト」「半導体装置」「シリコン酸化膜6」「コンタクトホール」「シリコン酸化膜12」は、本願発明の「コンタクト」「半導体デバイス」「第1絶縁体層」「コンタクト窓」「第2の絶縁体層」に相当する。
(イ)引用例1発明は「シリコン酸化膜6をエッチングしてコンタクトホールを開口」することは、本願発明の「少なくとも1つのコンタクト窓を規定するように前記第1絶縁体層をパターニング」することに相当する。
(ウ)引用例1発明の「全面にシリコン酸化膜12を形成」することは、本願発明の「前記第1絶縁体層の上に直接かつ前記少なくとも1つのコンタクト窓内に、前記少なくとも1つのコンタクト窓を少なくとも部分的に埋めるように、第2の絶縁体層を設け」ることに相当する。
(エ)引用例1発明の「シリコン酸化膜12をエッチバックし、シリコン酸化膜6上のシリコン酸化膜12及び、コンタクトホール内壁以外のシリコン酸化膜12をを除去して、コンタクトホール内壁面に側壁膜14を形成する」ことは、この「コンタクトホール内壁面に側壁膜14を形成することで、側壁膜の分だけコンタクトホールの幅を狭くしている」から、本願発明の「前記第2絶縁体層の」「第1の部分をエッチングして、前記第2絶縁体層の第2の部分が前記少なくとも1つのコンタクト窓に残り、前記少なくとも1つのコンタクト窓の寸法とは異なる寸法を有する、改変されたコンタクト窓を少なくとも1つ形成」することに相当する。

以上(ア)?(エ)のことから、本願発明と引用例1発明とは、以下の点で一致し、また、相違する。

[一致点]
「コンタクトを有する半導体デバイスを形成する方法であって、
第1絶縁体層を設け、
少なくとも1つのコンタクト窓を規定するように前記第1絶縁体層をパターニングし、
前記第1絶縁体層の上に直接かつ前記少なくとも1つのコンタクト窓内に、前記少なくとも1つのコンタクト窓を少なくとも部分的に埋めるように、第2の絶縁体層を設け、
前記第2絶縁体層の第1の部分をエッチングして、前記第2絶縁体層の第2の部分が前記少なくとも1つのコンタクト窓に残り、前記少なくとも1つのコンタクト窓の寸法とは異なる寸法を有する、改変されたコンタクト窓を少なくとも1つ形成する、
ことを含む方法。」
[相違点1]
本願発明の「前記第2の絶縁体層」は、「少なくとも2つの絶縁層、すなわち、前記第1絶縁体層の上であって前記少なくとも1つのコンタクト窓内の前記第2の絶縁体層の第1の層と、前記第2の絶縁体層の前記第1の層の上の前記第2の絶縁体層の第2の層とを含」んでおり、また、「前記第2絶縁体層の前記第1層は、前記第2絶縁体層の前記第2層より早いエッチレートを有する」のに対して、引用例1発明は、そのようになっていない点。
[相違点2]
本願発明は「前記第2絶縁体層の前記第1の層及び前記第2の層の第1の部分をエッチング」しているのに対して、引用例1発明は、「前記第2絶縁体層の」「第1の部分をエッチング」しているものの、「前記第1の層及び前記第2の層」のエッチングは行っていない点。
[相違点3]
本願発明は「前記第2の絶縁体層の前記第2の層は、前記第2の絶縁体層の前記第1の層によって前記コンタクト窓の床部から離間されている」のに対して、引用例1発明は、そのような構成を有していない点。

3.当審の判断
上記相違点について検討する。
(1)[相違点1]および[相違点2]について
引用例2に記載されているように、開口部(本願発明の「コンタクトホール」に相当する。)を狭める際に、引用例2第1実施形態として記載されているように、「シリコン酸化膜7」(引用例1発明の「シリコン酸化膜12」に対応する。)を形成し、エッチングすることにより、開口部にシリコン酸化膜からなる「サイドウォール8」(引用例1発明の「コンタクトホール内壁面に側壁膜14」に対応する。)を形成し、サイドウォール8の幅を変化させることにより、開口部の幅を制御することと、引用例2第2実施形態として記載されているように、「シリコン酸化膜12」(本願発明の「第2の絶縁体層の第1の層」に相当する。)および「シリコン窒化膜13」(本願発明の「第2の絶縁体層の第2の層」に相当する。)を形成し、これらの膜をエッチングすることにより、開口部にシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜からなる「サイドウォール15,14」を形成し、「サイドウォール15,14」によって開口部を狭めること、また、「サイドウォール15,14」によって開口部の幅を制御することは、当業者が適宜選択する公知技術である。
そして、引用例1発明において「コンタクトホール」の幅を制御するために、引用例2第2実施形態を採用し、引用例1発明の「シリコン酸化膜12」を「シリコン酸化膜」および「シリコン窒化膜」からなるものとし、本願発明の「少なくとも2つの絶縁層、すなわち、前記第1絶縁体層の上であって前記少なくとも1つのコンタクト窓内の前記第2の絶縁体層の第1の層と、前記第2の絶縁体層の前記第1の層の上の前記第2の絶縁体層の第2の層とを含」むものとすることは、当業者が適宜為し得たものである。
その際に、引用例1発明において、「前記第2絶縁体層の」「第1の部分をエッチング」するときに、本願発明と同様に、「前記第2絶縁体層の前記第1の層及び前記第2の層の第1の部分をエッチング」することは、当然行われると認められる。
さらに、引用例2第2実施形態に、「フッ素系のウェットエッチングによって、シリコン酸化膜を除去する際、シリコン窒化膜はほとんどエッチングされない」とあるように、フッ素系のウエットエッチングに対して、「シリコン酸化膜」は「シリコン窒化膜」に比べ早くエッチングされるから、引用例1発明の「シリコン酸化膜12」を、「シリコン酸化膜」および「シリコン窒化膜」からなるものとした際に、本願発明の「前記第2絶縁体層の前記第1層は、前記第2絶縁体層の前記第2層より早いエッチレートを有する」と同様の関係を有すると認められる。
(2)[相違点3]について
引用例2第2実施形態において、サイドウォール14(本願発明の「前記第2の絶縁体層の前記第2の層」に相当する。)は、サイドウォール15(本願発明の「前記第2の絶縁体層の前記第1の層」に相当する。)によって、開口部cの底部(本願発明の「前記コンタクト窓の床部」に相当する。)と離間されており、引用例1発明の「シリコン酸化膜12」に代えて引用例2記載の引用例2第2実施形態を採用し、「シリコン酸化膜」および「シリコン窒化膜」からなるものとした際に、本願発明の「前記第2の絶縁体層の前記第2の層は、前記第2の絶縁体層の前記第1の層によって前記コンタクト窓の床部から離間され」る構成となることは、明らかである。
(3)小括
そして、上記相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用例1発明及び公知の技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
よって、本願発明は、引用例1発明及び引用例2記載の公知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1および2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-12-19 
結審通知日 2016-12-26 
審決日 2017-01-06 
出願番号 特願2013-528196(P2013-528196)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河合 俊英  
特許庁審判長 深沢 正志
特許庁審判官 加藤 浩一
小田 浩
発明の名称 半導体コンタクトの形成方法及び関連する半導体デバイス  
代理人 須田 洋之  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 近藤 直樹  
代理人 弟子丸 健  
代理人 大塚 文昭  
代理人 上杉 浩  
代理人 西島 孝喜  

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