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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1328929
審判番号 不服2016-8948  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-15 
確定日 2017-06-27 
事件の表示 特願2015-217684「タブレット端末用入力装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月19日出願公開、特開2017- 16621、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成27年11月5日(優先権主張平成27年6月29日)の出願であって,平成27年12月17付けで拒絶理由通知がされ,平成28年2月19日付けで手続補正がされ,平成28年3月7日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成28年6月15日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに手続補正がされ,平成29年1月6日付けで拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,平成29年3月13日付けで手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成28年3月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記A?Dに記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
A.国際公開第2014/080185号
B.特開平8-305471号公報(周知技術を示す文献)
C.特開2014-106937号公報(周知技術を示す文献)
D.特開2001-216070号公報(周知技術を示す文献)

第3 当審拒絶理由通知の概要
当審拒絶理由通知の概要は次のとおりである。

A 本件出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前日本国内または外国において頒布された下記1?6に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

B 本件出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



【請求項4】に「前記カバー部には」とあるが,当該請求項4が引用する請求項1,2には「カバー部」が記載されていないため,「前記」がどの記載を指すのかが不明瞭である。

<引用文献等一覧>
1 国際公開第2014/080185号
2 ANDRONICO, Michael, TrewGrip Keyboard Review, LAPTOP, part of tom's guide [online], 2014.06.09 [retrieved on 2016.08.22], Retrieved from the Internet:
3 特表2003-529837号公報
4 特表2014-508998号公報
5 米国特許出願公開第2003/0100338号明細書
6 米国特許出願公開第2011/0261058号明細書

第4 本願発明
本願請求項1-5に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は,平成29年3月13日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-5は以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
タブレット端末へ信号を送信するタブレット端末用入力装置であって,
前記タブレット端末が着脱可能な本体部と,
前記タブレット端末の画面側に設けられる第1の入力部と,
前記タブレット端末の背面側に設けられる第2の入力部と,を備え,
前記本体部は,前記タブレット端末を収納可能な厚みを有する平板状に形成されており,
前記タブレット端末の画面を露出する開口窓が設けられた正面部と,
前記タブレット端末を支持する背面部と,
前記タブレット端末を挿入する挿入口が設けられた上面部と,
使用者の手が接触する側面部と,
前記背面部の下縁全体に沿って設けられる下面部と,を有し,
前記第1の入力部は,前記本体部の縁部周辺に設けられ,
前記第2の入力部は,前記第1の入力部の裏側周辺に設けられ,
前記第2の入力部のキー圧力は,前記第1の入力部のキー圧力よりも低く設定されており,
前記本体部を,親指と親指以外の4本指とで把持した際に,
前記第1の入力部は,前記親指が接触可能な位置に配置され,
前記第2の入力部は,前記親指以外の4本指が接触可能な位置に配置され,
前記第2の入力部には,少なくとも文字キーが設けられていることを特徴とする,タブレット端末用入力装置。
【請求項2】
前記第1の入力部には,エンターキーが設けられていることを特徴とする,請求項1に記載のタブレット端末用入力装置。
【請求項3】
前記背面部には,本体部を支持するための支持部が設けられていることを特徴とする,請求項1又は請求項2に記載のタブレット端末用入力装置。
【請求項4】
前記第2の入力部は,高さを有する機械式ボタンにより構成されていることを特徴とする,請求項1?3の何れかに記載のタブレット端末用入力装置。
【請求項5】
前記第2の入力部のキー配列は,前記タブレット端末の下方向に配置されるキー程,前記タブレット端末の中心に近い位置に配置されていることを特徴とする,請求項1?4の何れかに記載のタブレット端末用入力装置。」

第5 引用例,引用発明等
1.引用例1について
平成29年1月6日付けの当審拒絶理由通知に引用された引用例1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は重要箇所に対して当審が付与した。以下,同様。)。

ア 「Figs 1A and 1B illustrate a user operating a tablet computer C housed within a case 1 which is supported about the user's neck and shoulder by a strap 2. The case 1 comprises a keyboard 3 acting as a user input interface with tablet computer C.

The case 1 comprises a back wall 4; side walls 5A, 5B; front walls 6A, 6B; and lower walls 7A, 7B (seen in Fig 4). Each of the aforementioned walls may be formed in part or whole by textile, leather or leather like material.

Back wall 4 comprises a first wall portion 4A, and a second wall portion 4B connected to the first wall portion 4A by a foldable third wall portion 4C.

The first back wall portion 4A, side wall 5A, front wall 6A and lower wall 7A together form a first sleeve to accommodate a first side of the tablet 1. The second wall portion 4B, side wall 5B, front wall 6B and lower wall 7B form a second sleeve to accommodate a second, opposing side of the tablet 1. The first and second sleeves are joined by foldable third wall portion 4C.

An opening 8 is defined between front walls 6A, 6B in order that a touch screen S of the tablet computer C can be viewed and hand gestures made against it.

As can be seen in Figs 2 & 3, the keyboard 3 is formed as two groups of keys 3A 3B. The first group 3A is supported by wall 4A and the second group is supported on wall 4B. The keys of both groups 3A, 3B are arranged on a rear side of wall 4, the keys facing an opposite direction to screen S.

Key groups 3A, 3B comprise the keys representing letters of the alphabet arranged in the order found in a common QWERTY keyboard, and split between groups 3A & 3B for respective left and right hands. The arrangement of keys can be seen in Figure 16.

Each group 3A, 3B comprises three columns of keys which correspond to the three rows of letters typically found on a QWERTY keyboard and includes those function keys, e.g. tab, shift, caps lock, enter/return, that are normally also present on those three rows.

The keys within each row are slightly offset imitating the arrangement of keys within columns of a standard keyboard.

With the above described arrangement, the user who places their hands around the casing 1 with thumbs on front surfaces and fingers resting on the rear side of the case 1 can operate the keyboard 3, and touch type, using the same movements as used to operate an ordinary keyboard.

A number of further keys 3C, 3D, 3E are provided on the front face of the case 1. Keys 3C, 3D function as the space bar. They are arranged at equivalent positions on either side of the casing 1. This position allows the space bar to be operated with either thumb as is conventional with a standard keyboard.

Key 3E is a function key that, when pressed, causes the screen S of the tablet C to display a keyboard interface.」(5頁1行-6頁8行)
(当審仮訳:
図1Aと1Bはストラップ2によってユーザーの首と肩付近で支持されるケース1内に収納されたタブレットコンピュータCを示す。ケース1はタブレットコンピュータCとの入力インターフェースとして働くキーボード3を含む。

ケース1は後壁4;側壁5A,5B;前壁6A,6B;下壁7A,7Bを含む(図4に見られる)。上述した壁の各々は部分的にあるいは全体が,繊維,皮革あるいは皮革様材料で形成されてもよい。

後壁4は,第1の壁部4Aと,該第1の壁部4Aに折りたたみ可能な第3の壁部4Cで接続された第2の壁部4Bを含む。

第1の壁部4A,側壁5A,前壁6A,下壁7Aは合わせてタブレット1の第1の側を収納する第1のスリーブを形成する。第2の壁部4B,側壁5B,前壁6B,下壁7Bはタブレット1の反対側である第2の側を収納する第2のスリーブを形成する。第1と第2のスリーブは折りたたみ可能な第3の壁部4Cで結合される。

タブレットコンピュータCのタッチスクリーンSが見え,それに対してハンドジェスチャーがなされるように,前壁6Aと6Bとの間に開口8が定義される。

図2と3に見られるように,キーボード3が2つのキーのグループ3A,3Bとして設けられる。第1のグループ3Aは壁4Aに支持され,第2のグループは壁4Bに支持される。グループ3A,3Bのいずれも,キーは壁4の後側に配列され,キーはスクリーンSに対して反対側を向いている。

キーグループ3A,3Bは一般的なQWERTYキーボードで見られる順に配列されたアルファベットの文字を表し,各々左手,右手用にグループ3Aと3Bに分割されている。キーの配列は図16に見られる。

各グループ3A,3BはQWERTYキーボードで典型的に見られる3行の文字に対応する3列のキーからなり,これらの3行に普通に存在する,例えば,tab,shift,caps lock,enter/returnのようなファンクションキーを含む。

各行のキーは標準的なキーボードの列内のキーの配置をまねて若干オフセットされている。

上述した配列により,親指を前表面に,他の指をケース1の後面に置くようにケース1の回りに手を置くユーザーはキーボード3を操作でき,普通のキーボードを操作するのに使用するのと同じ動きでタッチタイプできる。

いくつかの他のキー3C,3D,3Eがケースの全面に設けられる。キー3C,3Dはスペースバーとして働く。これらはケース1の両側の同じ箇所に配置される。この配置によって,標準的なキーボードで通常使われるように,両親指でスペースバーを操作できる。

キー3Eはファンクションキーであり,押下されるとタブレットCのスクリーンSにキーボードインターフェースを生じさせる。)

イ 「Figure 16, illustrates schematically the electrical components of the case 1 which enables the keyboard 3 to be used to interface with the tablet C. The case comprises four circuit boards 21, 22, 23 and 24. Boards 22 and 23 carry the circuits associated with the keyboard 3 and in particular the two groups of keys 3A, 3B associated with wall portions 4A and 4B. Board 24 carries the circuit associated with the function keys 3C and 3E. Board 21 carries the circuit for key 3D. Both boards 21, 24 also carry a control unit 25 which includes, inter alia, a microprocessor, a battery, and a Bluetooth transceiver to provide a wireless communication link to the portable electronic device C; all of which are available as common off the shelf components.」(7頁14-22行)
(当審仮訳:
図16は,キーボード3をタブレットCとのインターフェースに使用できるようにするためのケース1の電気的要素を模式的に示す。ケースは4つの回路基板21,22,23,24を含む。基板22,23はキーボード3,特に,壁部4A,4Bに関連するキー3A,3Bの2つのグループに関連する回路を搭載する。基板24はファンクションキー3C,3Eに関連する回路を搭載する。基板21はキー3Dに回路を搭載する。基板21,24の双方は,特に,マイクロプロセッサー,バッテリー,およびポータブル電気デバイスCへの無線通信リンクを提供するブルートゥース送受信器を含む制御ユニット25を搭載する;これらの全てはすぐに入手可能な部品である。)

引用例1の上記記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用例1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「ストラップ2によってユーザーの首と肩付近で支持されるケース1であって,
ケース1はタブレットコンピュータCとの入力インターフェースとして働くキーボード3を含み,
ケース1は後壁4;側壁5A,5B;前壁6A,6B;下壁7A,7Bを含み,上述した壁の各々は部分的にあるいは全体が,繊維,皮革あるいは皮革様材料で形成されてもよく,
後壁4は,第1の壁部4Aと,該第1の壁部4Aに折りたたみ可能な第3の壁部4Cで接続された第2の壁部4Bを含み,
第1の壁部4A,側壁5A,前壁6A,下壁7Aは合わせてタブレット1の第1の側を収納する第1のスリーブを形成し,第2の壁部4B,側壁5B,前壁6B,下壁7Bはタブレット1の反対側である第2の側を収納する第2のスリーブを形成し,第1と第2のスリーブは折りたたみ可能な第3の壁部4Cで結合され,
タブレットコンピュータCのタッチスクリーンSが見え,それに対してハンドジェスチャーがなされるように,前壁6Aと6Bとの間に開口8が定義され,
キーボード3が2つのキーのグループ3A,3Bとして設けられ,第1のグループ3Aは壁4Aに支持され,第2のグループは壁4Bに支持され,グループ3A,3Bのいずれも,キーは壁4の後側に配列され,キーはスクリーンSに対して反対側を向いており,
キーグループ3A,3Bは一般的なQWERTYキーボードで見られる順に配列されたアルファベットの文字を表し,各々左手,右手用にグループ3Aと3Bに分割されており,
各グループ3A,3BはQWERTYキーボードで典型的に見られる3行の文字に対応する3列のキーからなり,これらの3行に普通に存在する,例えば,tab,shift,caps lock,enter/returnのようなファンクションキーを含み,
各行のキーは標準的なキーボードの列内のキーの配置をまねて若干オフセットされており,
上述した配列により,親指を前表面に,他の指をケース1の後面に置くようにケース1の回りに手を置くユーザーはキーボード3を操作でき,普通のキーボードを操作するのに使用するのと同じ動きでタッチタイプでき,
いくつかの他のキー3C,3D,3Eがケースの全面に設けられ,キー3C,3Dはスペースバーとして働き,これらはケース1の両側の同じ箇所に配置され,この配置によって,標準的なキーボードで通常使われるように,両親指でスペースバーを操作でき,
ケースは4つの回路基板21,22,23,24を含み,
基板21,24の双方は,特に,マイクロプロセッサー,バッテリー,およびポータブル電気デバイスCへの無線通信リンクを提供するブルートゥース送受信器を含む制御ユニット25を搭載する,ケース1。」

2.引用例2について
平成29年1月6日付けの当審拒絶理由通知に引用された引用例2の「Performance」の第3段落(“The TrewGrip's rear keys provide snappy feedback・・・with the QWERTY portion. ”)には,「タブレットを保持可能なキーボードに関し,背面キーがきびきびした(snappy)フィードバックを与え,通常のデスクトップキーボードのように3mmの移動距離を持ち,60グラムの押し込み力を要求するのに対し,前面の小さなナビゲーションボタンは比較的硬く浅い感覚を与えること」(以下,「引用例2の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

3.引用例3について
平成29年1月6日付けの当審拒絶理由通知に引用された引用例3の図18-29及び関連記載箇所には,「ハンドヘルドプロセッサ309の画面側及び背面側を覆うことができるキーボード2302」(以下,「引用例3の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

4.引用例4について
平成29年1月6日付けの当審拒絶理由通知に引用された引用例4の図14A-14B及び関連記載箇所には,「キーボード等の入力デバイスを有しタブレットデバイス402のディスプレイ426を覆うことができるフラップ部420を,セグメント化カバー408とともに磁気ヒンジアセンブリ406を介して取り付け可能に設けること」(以下,「引用例4の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

5.引用例5について
平成29年1月6日付けの当審拒絶理由通知に引用された引用例5のFIG.1-FIG.8及び関連記載箇所には,「入力部を備えたカバー10の背面部を支持部(support portion 18)とすること」(以下,「引用例5の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

5.引用例6について
平成29年1月6日付けの当審拒絶理由通知に引用された引用例6のFIG.7及び関連記載箇所には,「キー配列は,前記タブレット端末の下方向に配置されるキー程,前記タブレット端末の中心に近い位置に配置されていること」(以下,「引用例6の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

第6 当審の判断
1.理由A(進歩性)について
(1)本願発明1について
ア.対比
本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。
・引用発明の「タブレットコンピュータC」,「キー3C,3D,3E」,「キーのグループ3A,3B」,「(キーグループ3A,3Bの)アルファベットの文字」は,それぞれ,本願発明1の「タブレット端末」,「第1の入力部」,「第2の入力部」,「(文字キーの)文字」に相当する。
・引用発明の「ケース1」の形状は,「背面部の下縁全体に沿って設けられる下面部」以外の点で,本願発明1の「本体部」の形状と一致する。
・引用発明と本願発明とで,キー入力時の指の使い方に差異は無い。
・引用発明では「キー3C,3D,3E」,「キーのグループ3A,3B」のキー圧力を特定していないが,本願発明1では「前記第2の入力部のキー圧力は、前記第1の入力部のキー圧力よりも低く設定されて」いる。

そうすると,両発明は以下の点で一致し,また,相違する。

(一致点)
「タブレット端末へ信号を送信するタブレット端末用入力装置であって,
前記タブレット端末が着脱可能な本体部と,
前記タブレット端末の画面側に設けられる第1の入力部と,
前記タブレット端末の背面側に設けられる第2の入力部と,を備え,
前記本体部は,前記タブレット端末を収納可能な厚みを有する平板状に形成されており,
前記タブレット端末の画面を露出する開口窓が設けられた正面部と,
前記タブレット端末を支持する背面部と,
前記タブレット端末を挿入する挿入口が設けられた上面部と,
使用者の手が接触する側面部と,
下面部と,を有し,
前記第1の入力部は,前記本体部の縁部周辺に設けられ,
前記第2の入力部は,前記第1の入力部の裏側周辺に設けられ,
前記本体部を,親指と親指以外の4本指とで把持した際に,
前記第1の入力部は,前記親指が接触可能な位置に配置され,
前記第2の入力部は,前記親指以外の4本指が接触可能な位置に配置され,
前記第2の入力部には,少なくとも文字キーが設けられていることを特徴とする,タブレット端末用入力装置。」

(相違点1)
一致点の「下面部」に関し,
本願発明1では「下面部」が「背面部の下縁全体に沿って設けられる」のに対し,
引用発明では「下壁7A,7B」がケース1の背面を構成する「第3の壁部4C」に対してどのように設けられるかは特定されていない点。
(相違点2)
本願発明1では「前記第2の入力部のキー圧力は,前記第1の入力部のキー圧力よりも低く設定されて」いるのに対し,
引用発明では「キー3C,3D,3E」と「キーのグループ3A,3B」のキー圧力の大小関係が特定されていない点。

イ.相違点についての判断
上記(相違点1)について検討する。
引用例2-6の技術的事項は,いずれもタブレットコンピュータCを収納するケースの「下面部」が「背面部の下縁全体に沿って設けられる」よう構成すべきことを示唆するものではない。
加えて,引用発明の「第3の壁部4C」は「折りたたみ可能」であり,FIG3乃至FIG12を参照すると収納するタブレットコンピュータCの大きさに応じて適宜折りたたむことによりケース1の幅を変更可能とするものと認められるが,ここで,仮に,引用発明の「下壁7A,7B」を本願発明1のように「第3の壁部4C」の「下縁全体に沿って設けられる」構成とした場合を想定すると,「第3の壁部4C」はもはや「折りたたみ可能」ではなくなり,収納するタブレットコンピュータCの大きさに応じて適宜折りたたむことによりケース1の幅を変更可能とすることができなくなることは明らかであるから,引用発明の「第3の壁部4C」が「折りたたみ可能」であることは,上記(相違点1)に係る本願発明1の構成を引用発明に採用することの阻害要因であるというべきである。

したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明,引用例2-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)本願発明2-5について
本願発明2-5も,本願発明1の「背面部の下縁全体に沿って設けられる下面部」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用例2-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.理由B(明確性)について
平成29年3月13日付けの補正により,補正前の【請求項4】は削除された。
したがって,本願発明1-5は明確なものとなった。

第7 原査定についての判断
平成29年3月13日付けの補正により,補正後の請求項1?5は,「背面部の下縁全体に沿って設けられる下面部」という技術的事項を有するものとなった。当該「背面部の下縁全体に沿って設けられる下面部」は,原査定における引用例A(当審拒絶理由における引用例1),引用例B-Dには記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1-5は,当業者であっても,原査定における引用例A-Dに基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-06-12 
出願番号 特願2015-217684(P2015-217684)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 間野 裕一  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 千葉 輝久
新川 圭二
発明の名称 タブレット端末用入力装置  
代理人 辻田 朋子  

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