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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C03C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C03C
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C03C
審判 全部申し立て 2項進歩性  C03C
管理番号 1329046
異議申立番号 異議2015-700206  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-11-20 
確定日 2017-04-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5721780号発明「光学ガラス、光学素子及びプリフォーム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5721780号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?18〕について訂正することを認める。 特許第5721780号の請求項1,2,4,5,7,8,10,14?17に係る特許を維持する。 特許第5721780号の請求項3,6,9,11?13,18に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1.手続の経緯

本件特許第5721780号は、平成25年6月24日(優先権主張:平成24年6月29日)に出願された特願2013-131473号の特許請求の範囲に記載された請求項1?18に係る発明について、平成27年4月3日に設定登録がされたものであり、その後、その請求項1?18に係る特許について特許異議の申立てがされ、以下の手続がされたものである。
平成27年12月25日付けの上申書(特許権者)
平成28年 2月26日付けの申立人審尋
同年 3月30日付けの回答書提出(申立人)
同年 4月18日付けの取消理由通知
同年 6月17日付けの訂正請求及び意見書提出(特許権者)
同年 8月10日付けの意見書提出(申立人)
同年11月25日付けの取消理由通知
同年12月21日付けの訂正請求及び意見書提出(特許権者)
平成29年 2月 1日付けの意見書提出(申立人)

第2.訂正請求について

1.訂正の内容

平成28年12月21日付けの訂正請求は、特許請求の範囲に係る次の訂正事項1?25よりなる(下線は訂正箇所)。なお、本訂正請求により、同年 6月17日付けの訂正請求は取り下げられたものとみなす。

訂正事項1
請求項1に「P^(5+)を20.0?45.0%」とあるを「P^(5+)を20.0?39.0%」に訂正する。

訂正事項2
請求項1に「Al^(3+)を5.0?30.0%」とあるを「Al^(3+)を10.0?30.0%」に訂正する。

訂正事項3
請求項1に「Ba^(2+)を12.0?45.0%」を追加する。

訂正事項4
請求項1に「アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が42.659?70.0%、」を追加する。

訂正事項5
請求項1に「P^(5+)含有率及びAl^(3+)含有率の合計量(カチオン%)が30.0?55.438%であり、」を追加する。

訂正事項6
請求項1に「、アニオン%(モル%)表示で、F^(-)を20.0?70.0%、O^(2-)を30.0?80.0%」を追加する。

訂正事項7
請求項3を削除する。

訂正事項8
請求項4に「Ba^(2+)の含有率が0?45.0%」とあるを「Ba^(2+)の含有率が12.0?40.0%」に訂正する。

訂正事項9
請求項4に「請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1又は2記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項10
請求項5に「請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2又は4記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項11
請求項6を削除する。

訂正事項12
請求項7に「請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4又は5記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項13
請求項8に「アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が30.0?70.0%」とあるを「アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が48.0?70.0%」に訂正する。

訂正事項14
請求項8に「請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4、5又は7記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項15
請求項9を削除する。

訂正事項16
請求項10に「請求項1から9のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4、5、7又は8記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項17
請求項11を削除する。

訂正事項18
請求項12を削除する。

訂正事項19
請求項13を削除する。

訂正事項20
請求項14に「F^(-)の含有率が20.0?70.0%、O^(2-)の含有率が30.0?80.0%」とあるを「F^(-)の含有率が25.0?70.0%、O^(2-)の含有率が30.0?75.0%」に訂正する。

訂正事項21
請求項14に「請求項1から13のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4、5、7、8又は10記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項22
請求項15に「請求項1から14のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4、5、7、8、10又は14記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項23
請求項16に「請求項1から15のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4、5、7、8、10、14又は15記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項24
請求項17に「請求項1から16のいずれか記載の光学ガラス」とあるを「請求項1、2、4、5、7、8、10、14又は15記載の光学ガラス」に訂正する。

訂正事項25
請求項18を削除する。

なお、訂正事項1,2について、訂正請求書では、下限値にも「%」が付記されていたが、誤記と認められるので削除した。また、訂正事項4,5について、訂正特許請求の範囲の記載に従い、句読点等を追記した。

2.訂正要件の判断

(1)訂正事項1,2,8,13,20について
これらの訂正はいずれも、各請求項に係る発明の光学ガラスにおいて、成分含有率の数値範囲を狭めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項3?6について
これらの訂正はいずれも、請求項1に係る発明の光学ガラスにおいて、新たな成分の含有率を特定すると共に、複数成分の合計含有率を特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、これらの含有率はいずれも請求項1を引用する下位請求項に記載されていた数値範囲内のものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
なお、申立人は平成29年2月1日付けの意見書で、訂正事項4,5について、訂正後の含有率の上限値や下限値を有する実施例がないから、新規事項を追加するものであると主張しているが、訂正後の上限値や下限値が、実施例がないことによって新たな技術的意義を有するものになったとはいえないから、該主張は採用できない。

(3)訂正事項7、11,15,17?19,25について
これらの訂正はいずれも、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項9,10,12,14,16,21?24について
これらの訂正はいずれも、多数項引用形式請求項において引用請求項を減少するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(5)一群の請求項について
訂正事項1に係る訂正前の請求項1を、請求項2?18が直接的又は間接的に引用していたから、訂正前の請求項1?18は一群の請求項である。
したがって、訂正事項1を含む本訂正は、これらの一群の請求項ごとに請求をしたものと認められる。

3.むすび

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項第1号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?18〕について訂正することを認める。

第3.特許異議の申立てについて

1.本件発明の認定

本件特許の請求項1,2,4,5,7,8,10,14?17に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1,2,4,5,7,8,10,14?17に記載された事項により特定される次のとおりのものと認められる。

【請求項1】
カチオン成分として、カチオン%(モル%)表示で、
P^(5+)を20.0?39.0%及び
Al^(3+)を10.0?30.0%%
Ba^(2+)を12.0?45.0%
含有し、
La^(3+)、Gd^(3+)、Y^(3+)及びYb^(3+)の合計含有率(Ln^(3+):カチオン%)が0.8%以下であり、
アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が42.659?70.0%、
P^(5+)含有率及びAl^(3+)含有率の合計量(カチオン%)が30.0?55.438%であり、
アニオン成分としてO^(2-)及びF^(-)を、
アニオン%(モル%)表示で、
F^(-)を20.0?70.0%、
O^(2-)を30.0?80.0%
含有し、
屈折率(nd)が1.50以上であり、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における、線膨張係数の最大値(α_(max))が1500×10^(-7)K^(-1)以下である光学ガラス。
【請求項2】
カチオン%(モル%)表示で、Ca^(2+)の含有量が0?30.0%である請求項1記載の光学ガラス。
【請求項3】(削除)
【請求項4】
カチオン%(モル%)表示で、
Sr^(2+)の含有率が0?25.0%、
Ba^(2+)の含有率が12.0?40.0%
である請求項1又は2記載の光学ガラス。
【請求項5】
カチオン%(モル%)表示でSr^(2+)を0%超含有し、Sr^(2+)含有率に対するCa^(2+)含有率の比(Ca^(2+)/Sr^(2+))が0.50以上である請求項1、2又は4記載の光学ガラス。
【請求項6】(削除)
【請求項7】
カチオン%(モル%)表示で、Mg^(2+)の含有率が30.0%以下である請求項1、2、4又は5記載の光学ガラス。
【請求項8】
アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が48.0?70.0%である請求項1、2、4、5又は7記載の光学ガラス。
【請求項9】(削除)
【請求項10】
カチオン%(モル%)表示で、Y^(3+)を含有しない請求項1、2、4、5、7又は8記載の光学ガラス。
【請求項11】(削除)
【請求項12】(削除)
【請求項13】(削除)
【請求項14】
アニオン%(モル%)表示で、
F^(-)の含有率が25.0?70.0%、
O^(2-)の含有率が30.0?75.0%
である請求項1、2、4、5、7、8又は10記載の光学ガラス。
【請求項15】
60以上のアッベ数(νd)を有する請求項1、2、4、5、7、8、10又は14記載の光学ガラス。
【請求項16】
請求項1、2、4、5、7、8、10、14又は15記載の光学ガラスからなる光学素子。
【請求項17】
請求項1、2、4、5、7、8、10、14又は15記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
【請求項18】(削除)

2.明確性要件違反(取消理由)について

(1)平成28年11月25日付けで通知した取消理由は、
「同年6月17日付けの訂正請求による訂正後の請求項3,6,13の記載は、引用請求項の記載と整合していないから、これらの請求項に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。」というものである。

(2)これに対し、平成28年12月21日付けの訂正により、請求項3,6,13は削除されたので、本取消理由には理由がない。

3.サポート要件違反(取消理由)について

(1)平成28年4月18日付けで通知した取消理由の一つは、要するに、
「訂正前の請求項1-18には、実施例に必ず含まれ、本発明が課題とする物性値に寄与すると説明されているBa^(2+)、R^(2+)及びF^(-)の含有率が特定されていない一方で、実施例等において具体的な開示のない成分を含むことまでが特定されている。また、請求項15を除き、本発明の課題の一つであるアッベ数(νd)が特定されていない。
したがって、これらの請求項に記載された発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものではなく、また、その記載や示唆がなくとも当業者が本件特許の出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものでもないから、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。」というものである。

(2)これに対し、上述したように平成28年12月21日付けの訂正により、請求項1において、Ba^(2+)、R^(2+)及びF^(-)の含有率が特定され、具体的な開示のない成分について特定していた請求項は全て削除された。また、アッベ数に関する訂正はないが、本発明の課題のうち、屈折率と線膨張係数の最大値は、請求項1において特定されている。
してみると、訂正後の請求項1及びこれを引用する請求項に係る発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者がその課題とする屈折率と線膨張係数の最大値を得られることを認識できる範囲のものといえる。
したがって、本取消理由には理由がない。

(3)なお、申立人は平成29年2月1日付けの意見書で、サポート要件違反は、請求項の削除によっては解消しないと主張しているが、サポートの有無は、特許請求の範囲に記載された発明が、その課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かによって判断するものであるから、特許請求の範囲から削除された発明を理由にしてサポート要件違反にすることはできない。
また、平成28年8月10日付けの意見書で、請求項1に記載されたP^(5+)の含有率の下限値やAl^(3+) の含有率の上限値が、実施例の含有率に比べて広すぎるとも主張しているが、本件特許明細書の【0032】【0033】に、この2成分が同等の作用効果を奏することが記載されており、両成分を置換することが可能なことも考慮すると、これらの上限値や下限値を実施例から拡張できないものとはいえない。
したがって、いずれの主張も採用できない。

4.新規性進歩性要件違反(取消理由)について

(1)平成28年4月18日付けで通知した取消理由の他のものは、申立人が提出した、
甲第1号証:特開平2-188442号公報(以下、「甲1」)
甲第2号証:特開2009-286670号公報(以下、「甲2」)
甲第4号証:実験成績証明書(以下、「甲4」)
を引用し、
「甲4の記載も参酌すると、訂正前の請求項1-16に係る発明は、甲1に記載された発明であり、請求項17,18に係る発明は、甲1及び甲2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1-18に係る発明は、甲2に記載された発明でもあるから、その特許は、特許法第29条第1項及び第2項の規定に違反してされたものである。 」というものである。

(2)そこで検討するに、甲1の第1表には、「実施例1?30」及び「比較例1,2」として、32種類のリン酸系光学ガラスの配合組成、甲2の表1?3には、「No.1?13」として13種類のフツリン酸ガラスからなる光学ガラスの配合組成が記載されているが、いずれも訂正後の請求項1に記載された成分組成を満足しない。さらに同請求項に記載された線膨張係数の最大値(α_(max))は、甲4のように試験をしなければ確認できない作用効果であって、甲1,2には記載も示唆もない作用効果といえる。
してみると、訂正後の請求項1及びこれを引用する請求項に係る発明は、甲1又は甲2に記載された発明ではないし、これらの発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
したがって、本取消理由には理由がない。

(3)なお、申立人は平成28年8月10日付けの意見書で、甲1,2に具体的に記載された配合組成を、訂正後の請求項1に記載された成分組成を満足するように変更することに阻害要因はないと主張しているが、阻害要因がないというだけでは、容易になし得たことにはならないし、当該変更後の光学ガラスの線膨張係数の最大値(α_(max))を、甲1,2の記載から当業者が予期し得た作用効果ということはできない。
したがって、該主張は採用できない。

5.新規性進歩性要件違反(申立理由)について

(1)申立人は、甲1,2,4に加え、
甲第3号証:特開2007-55833号公報(以下、「甲3」)
甲第5号証:特開2007-254224号公報(以下、「甲5」)
甲第6号証:本件特許の審査段階の拒絶理由通知書(以下、「甲6」)
甲第7号証:本件特許の審査段階の拒絶査定(以下、「甲7」)
も提出し、訂正前の請求項1-18に係る発明は、新規性進歩性を有しないとも主張している。

(2)そこで検討するに、甲3の表1,2には、「実施例1?10」及び「比較例1,2」として、12種類のフツリン酸塩光学ガラスの配合組成が記載されているが、いずれも訂正後の請求項1に記載された成分組成を満足しない。また甲3に、同請求項に記載された線膨張係数の最大値(α_(max))について記載や示唆はない。
一方、甲6,7において引用された甲5の【0005】【0006】には、光学ガラスのガラス転移温度より高温側の膨張係数と低温側の膨張係数との差を低減することで、精密プレス成形時のカン、割れ抑制が可能になることが記載されており、本件の請求項1に係る発明と同様、ガラス転移点より高温側の線膨張係数を制限しようという技術思想が記載されている。
しかしながら、甲5には、表1,2にホウケイ酸ガラスの具体的な配合組成が記載されているにすぎず、フツリン酸ガラスの配合組成について記載も示唆もない。
してみると、甲1?3に記載されたフツリン酸ガラスの配合組成に甲5に記載された技術思想を組み合わせても、訂正後の請求項1に記載された成分組成を、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
したがって、本申立理由には理由がない。

6.むすび

以上のとおりであるから、取消理由及び申立理由によっては、請求項1,2,4,5,7,8,10,14?17に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に請求項1,2,4,5,7,8,10,14?17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項3,6,9,11?13,18は訂正により削除されたため、これらの請求項に係る特許に対する特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン成分として、カチオン%(モル%)表示で、
P^(5+)を20.0?39.0%及び
Al^(3+)を10.0?30.0%
Ba^(2+)を12.0%?45.0%
含有し、
La^(3+)、Gd^(3+)、Y^(3+)及びYb^(3+)の合計含有率(Ln^(3+):カチオン%)が0.8%以下であり、
アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が42.659?70.0%、
P^(5+)含有率及びAl^(3+)含有率の合計量(カチオン%)が30.0?55.438%であり、
アニオン成分としてO^(2-)及びF^(-)を、
アニオン%(モル%)表示で、
F^(-)を20.0?70.0%、
O^(2-)を30.0?80.0%
含有し、
屈折率(nd)が1.50以上であり、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における、線膨張係数の最大値(α_(max))が1500×10^(-7)K^(-1)以下である光学ガラス。
【請求項2】
カチオン%(モル%)表示で、Ca^(2+)の含有量が0?30.0%である請求項1記載の光学ガラス。
【請求項3】(削除)
【請求項4】
カチオン%(モル%)表示で、
Sr^(2+)の含有率が0?25.0%、
Ba^(2+)の含有率が12.0?40.0%
である請求項1又は2記載の光学ガラス。
【請求項5】
カチオン%(モル%)表示でSr^(2+)を0%超含有し、Sr^(2+)含有率に対するCa^(2+)含有率の比(Ca^(2+)/Sr^(2+))が0.50以上である請求項1、2又は4記載の光学ガラス。
【請求項6】(削除)
【請求項7】
カチオン%(モル%)表示で、Mg^(2+)の含有率が30.0%以下である請求項1、2、4又は5記載の光学ガラス。
【請求項8】
アルカリ土類金属の合計含有率(R^(2+):カチオン%)が48.0?70.0%である請求項1、2、4、5又は7記載の光学ガラス。
【請求項9】(削除)
【請求項10】
カチオン%(モル%)表示で、Y^(3+)を含有しない請求項1、2、4、5、7又は8記載の光学ガラス。
【請求項11】(削除)
【請求項12】(削除)
【請求項13】(削除)
【請求項14】
アニオン%(モル%)表示で、
F^(-)の含有率が25.0?70.0%、
O^(2-)の含有率が30.0?75.0%
である請求項1、2、4、5、7、8又は10記載の光学ガラス。
【請求項15】
60以上のアッベ数(νd)を有する請求項1、2、4、5、7、8、10又は14記載の光学ガラス。
【請求項16】
請求項1、2、4、5、7、8、10、14又は15記載の光学ガラスからなる光学素子。
【請求項17】
請求項1、2、4、5、7、8、10、14又は15記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
【請求項18】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-04-07 
出願番号 特願2013-131473(P2013-131473)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C03C)
P 1 651・ 537- YAA (C03C)
P 1 651・ 851- YAA (C03C)
P 1 651・ 121- YAA (C03C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 若土 雅之  
特許庁審判長 新居田 知生
特許庁審判官 大橋 賢一
永田 史泰
登録日 2015-04-03 
登録番号 特許第5721780号(P5721780)
権利者 株式会社オハラ
発明の名称 光学ガラス、光学素子及びプリフォーム  
代理人 新山 雄一  
代理人 正林 真之  
代理人 林 一好  
代理人 新山 雄一  
代理人 正林 真之  
代理人 林 一好  

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