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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 B32B 審判 全部申し立て 2項進歩性 B32B 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 B32B |
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管理番号 | 1329061 |
異議申立番号 | 異議2016-700497 |
総通号数 | 211 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-07-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-06-01 |
確定日 | 2017-05-09 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5828207号発明「酸素吸収性フィルム、酸素吸収性積層体及び酸素吸収性積層体からなる酸素吸収性包材並びに酸素吸収性樹脂組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5828207号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、6、7について訂正することを認める。 特許第5828207号の請求項1?7に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第5828207号の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成23年2月1日に出願され、平成27年10月30日にその特許権の設定登録がされたものである。その後、その特許について、特許異議申立人山林己美子(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において平成28年7月29日付けで取消理由を通知し、その指定期間内である平成28年10月3日に意見書の提出がされ、申立人により平成28年11月8日に上申書が提出され、再度、当審において平成28年11月14日付けで取消理由を通知し、その指定期間内である平成29年1月17日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、申立人により平成29年2月24日に本件訂正請求について意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1.訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)?(5)のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「熱可塑性樹脂」とあるのを、「ポリエチレン系樹脂」に訂正し、また、「メルトフローレート」とあるのを、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「メルトフローレート」とあるのを、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」に訂正し、また、「熱可塑性樹脂」とあるのを、「ポリエチレン系樹脂」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「メルトフローレート」とあるのを、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」に訂正し、また、「熱可塑性樹脂」とあるのを、「低密度ポリエチレン」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6に「熱可塑性樹脂」とあるのを、「ポリエチレン系樹脂」に訂正し、また、「メルトフローレート」とあるのを、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7に「メルトフローレート」とあるのを、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」に訂正し、また、「熱可塑性樹脂」とあるのを、「ポリエチレン系樹脂」に訂正する。 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項1、2、6、7の「熱可塑性樹脂」を「ポリエチレン系樹脂」に限定する訂正、請求項3の「熱可塑性樹脂」を「低密度ポリエチレン」に限定する訂正、「メルトフローレート」を「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」と、その測定条件を明確にする訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、あるいは同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、「熱可塑性樹脂」として「ポリエチレン系樹脂」が使用されることは、本件特許明細書の段落【0029】に記載され、「熱可塑性樹脂」として「低密度ポリエチレン」が使用されることは、本件特許明細書の段落【0040】、【0045】に記載され、「メルトフローレート」が「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」であることは、本件特許明細書の段落【0023】に記載されており、これらの訂正は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことも明らかである。 3.一群の請求項について 訂正前の請求項3?5は、訂正前の請求項1と請求項2を引用する請求項であるから、請求項1?5は一群の請求項であるところ、上記の訂正は、一群の請求項に対して請求されたものである。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?5〕、6、7について訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1.請求項1?7に係る発明 本件訂正請求により訂正された請求項1?7に係る発明(以下、「本件訂正発明1」等という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 ポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する酸素吸収層と、該酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層とから構成され、上記酸素吸収層中に上記酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれ、前記酸素吸収層は、JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲の樹脂組成物から形成されている、酸素吸収性フィルム。 【請求項2】 JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが8.0g/10minを超え55.0g/10min以下のポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する酸素吸収層と、該酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層とから構成され、上記酸素吸収層中に上記酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる、酸素吸収性フィルム。 【請求項3】 前記酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層は、JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが0.3?8.0g/10minの範囲の低密度ポリエチレンを含有する、請求項1又は2に記載の酸素吸収性フィルム。 【請求項4】 請求項1?3のいずれかに記載の酸素吸収性フィルムにガスバリアフィルム及び/又は基材フィルムを積層した、酸素吸収性積層体。 【請求項5】 請求項4に記載の酸素吸収性積層体を製袋した、酸素吸収性包材。 【請求項6】 ポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有してなり、該酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超えて含まれ、かつJISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲にある、樹脂組成物。 【請求項7】 JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが8.0g/10minを超え55.0g/10min以下のポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有してなり、該酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超えて含まれ、かつJISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲にある、樹脂組成物。」 2.取消理由の概要 訂正前の請求項1?7に係る特許に対して、平成28年7月29日付け及び平成28年11月14日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は以下のとおりである。 [理由1] 本件特許の請求項1?7に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 甲第2号証:特開2005-280188号公報 甲第3号証:特開2003-192908号公報 甲第4号証:特開2005-105194号公報 ・請求項1について 請求項1に係る発明は、甲2発明、並びに甲第3号証及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ・請求項2について 請求項2に係る発明は、甲3発明、及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ・請求項3?5について 請求項3?5に係る発明は、甲2発明、並びに甲第3号証及び甲第4号証に記載された技術的事項、または、甲3発明、及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ・請求項6について 請求項6に係る発明は、甲2発明、並びに甲第3号証及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ・請求項7について 請求項7に係る発明は、甲2発明、並びに甲第3号証及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 [理由2] 本件特許は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号、第6項第2号及び第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 ・樹脂材料の「メルトフローレート」は、試験温度や公称荷重の試験条件により変わるため、樹脂材料の物性をメルトフローレートにより示す際は、その試験結果に樹脂材料の種類ごとに決められる条件を付すことが通常であるが、請求項1?7に係る発明の「メルトフローレート」は、その試験条件については特定されておらず、そのメルトフローレートの樹脂組成物が、どのような物性をもつ材料なのか明確であるとはいえない。 ・公称荷重の条件が記載されていない明細書の記載では、請求項1?7に係る発明を、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 ・請求項1?7に係る発明には、「熱可塑性樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する」樹脂組成物と記載されているが、発明の詳細な説明中において、酸化セリウムと混練して製膜性を確認した熱可塑性樹脂はポリエチレン樹脂のみ(段落【0040】)であり、他の熱可塑性樹脂の材料と酸化セリウムを混練した際の製膜性については不明であり、請求項1?7に係る発明は、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものである。 3.判断 (1)理由2(特許法第36条)について まず、記載不備に係る取消理由について検討する。 ア.本件訂正発明1の「ポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する酸素吸収層」は、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲の樹脂組成物から形成されている」との事項について、JISK7210(甲第1号証)を参照すると、「1.適用範囲」の項には、「熱可塑性プラスチックに通常用いる試験条件は、附属書A及び附属書Bに規定する。」旨記載され、その附属書Bには、材料が「PE」(ポリエチレン)については、試験温度を「190℃」、関連規格として「JISK6922-1」が示され、条件(コード名)が「D」の場合は公称荷重(kg)を「2.16」、「E」の場合は公称荷重(kg)を「0.325」、「G」の場合は公称荷重(kg)を「21.6」、「T」の場合は公称荷重(kg)を「5.00」で行う試験条件が示されている。 さらに、JISK6922-1(乙第1号証)を参照すると、「3.3.2 メルトマスフローレイト(MFR)」の項には、「MFRは、表3に規定する試験条件でISO1133に従って測定する。条件Tは、条件Dで測定したとき、MFRが0.1g/10min未満の材料だけに使用する。条件Gは、条件Tで測定したとき、MFRが0.1g/10min未満の材料だけに使用する。条件Eは、条件Dで測定したとき、MFRが100g/10minを超える材料だけに使用する。」旨記載されている。 イ.ここで、条件D以外の条件で測定する材料は、条件Dで測定される材料に比べて熱的に硬い材料(条件T、条件G)、あるいは柔らかい材料(条件E)であることは明らかであるが、本件訂正発明1の樹脂組成物は、本件特許明細書の段落【0001】の記載からみて、包装材に用いるフィルムに関するものであり、本件訂正発明1の樹脂組成物として、熱的に硬い材料や柔らかい材料といった特殊な材料を想定すべき理由は、本件特許明細書には記載されていない。そして、本件訂正発明1の樹脂組成物を、条件D以外の条件で測定する材料と解するべき証拠は、申立人から示されていない。 そうすると、当業者であれば、本件特許明細書の記載及び技術常識をふまえ、本件訂正発明1の樹脂組成物については、条件D(公称荷重2.16kg)を使用してメルトフローレートを測定するものと解するのが自然である。 ウ.よって、本件訂正発明1の「ポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する酸素吸収層」は、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲の樹脂組成物から形成されている」との事項について、この物性を有する樹脂組成物は明確であり、本件訂正発明1が、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものであるともいえない。 また、本件訂正発明2?7も、記載は明確であり、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものでもない。 エ.さらに、本件特許明細書は、技術常識もふまえれば、本件訂正発明1?7を、当業者であれば実施することができる程度に記載したものであるといえる。 オ.申立人は、意見書(3(2))において、本件訂正発明1は、酸化セリウムが60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれている特殊な樹脂組成物であり、JISK7210の通常条件に従う必要がなく、メルトフローレートの荷重として2.16kgを採用することを当業者の技術常識で補うことは不可能である旨主張する。 しかし、JISK7210の附属書Bには、「特殊な材料については、ここに挙げていない他の試験条件も、必要に応じて用いてもよい。」と記載されており、特殊な材料をJISK7210に規定する試験条件で測定することを排除していないし、本件訂正発明1?7は、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレート」と特定しており、JISK7210に規定される条件で測定されたメルトフローレートであることは明確である。 (2)理由1(特許法第29条)について ア.甲第2号証には、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。 「MFR10以上の樹脂とモレキュラーシーブとを含有してなり、 前記モレキュラーシーブを1?80重量%の範囲で混合し、 MFRが1.0以上である、乾燥剤含有樹脂フィルム。」 イ.本件訂正発明1と甲2発明とを対比すると、少なくとも以下の点で相違する。 《相違点》 本件訂正発明1が、60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる酸化セリウムを含有する樹脂組成物について、「JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲」と特定されているのに対し、甲2発明は、樹脂とモレキュラーシーブの組成物であり、酸化セリウムを含有する樹脂組成物のメルトフローレートは特定されていない点。 ウ.上記相違点について検討する 甲2発明は、「乾燥剤の含有率が高くても機械的強度が強く、しかも外装フィルム等への接着性が良好であって、かつ乾燥剤としての吸湿性能の調整が容易である乾燥剤フィルム」を提供することを目的とするもの(甲第2号証段落【0008】)であり、吸湿のための乾燥剤(モレキュラーシーブ)に換えて、甲第4号証に記載の酸素吸収能を有する酸化セリウムを採用する動機付けがなく、仮に酸化セリウムに換える動機付けがあるとしても、60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる酸化セリウムを含有する樹脂組成物のメルトフローレートを、1.0?18.0g/10minの範囲と特定することは、甲第2号証?甲第4号証のいずれにも記載されておらず、示唆もされていない。 そして、本件訂正発明1は、上記相違点に係る事項を備えることにより、「製膜に適した流動性と成形強度を有し、酸素欠陥を有する酸化セリウムを高含有量で含むため、酸素吸収能の高い包装素材を形成することが可能」(段落【0018】)との効果を奏するものである。 エ.よって、本件訂正発明1は、甲2発明、並びに甲第3号証及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 オ.また、本件訂正発明2についても、甲第3号証に記載された甲3発明の乾燥剤(モレキュラーシーブ)に換えて、酸素吸収能を有する酸化セリウムを採用する動機付けがなく、甲3発明及び甲第4号証に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 カ.さらに、本件訂正発明3?7についても、上記と同様に、甲第2号証?甲第4号証に記載された発明あるいは技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (3)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 申立人は、平成26年11月27日及び平成27年8月3日にした手続補正により追加された「酸化セリウムが60重量%を超えて含まれている」との事項は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たさない旨(特許異議申立書「c.申立理由1(新規事項追加による補正違反)」)主張する。 しかし、当初明細書等には、請求項1に「酸化セリウムが50重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる」旨記載され、実施例4?6に酸化セリウムの含有率が「60重量%」の場合が記載されており、これらの記載に基づいて、当初、50?85%であった範囲を、補正により、60?85%の範囲に減縮したのであるから、申立人がいうような新規事項を追加する補正にはあたらず、申立人の主張を採用することはできない。 4.むすび 以上のとおりであるから、上記取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正発明1?7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件訂正発明1?7に係る特許を取り消すべき理由も発見しない。 よって、結論のとおり決定する |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する酸素吸収層と、該酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層とから構成され、上記酸素吸収層中に上記酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれ、前記酸素吸収層は、JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲の樹脂組成物から形成されている、酸素吸収性フィルム。 【請求項2】 JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが8.0g/10minを超え55.0g/10min以下のポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有する酸素吸収層と、該酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層とから構成され、上記酸素吸収層中に上記酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる、酸素吸収性フィルム。 【請求項3】 前記酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層は、JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが0.3?8.0g/10minの範囲の低密度ポリエチレンを含有する、請求項1又は2に記載の酸素吸収性フィルム。 【請求項4】 請求項1?3のいずれかに記載の酸素吸収性フィルムにガスバリアフィルム及び/又は基材フィルムを積層した、酸素吸収性積層体。 【請求項5】 請求項4に記載の酸素吸収性積層体を製袋した、酸素吸収性包材。 【請求項6】 ポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有してなり、該酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超えて含まれ、かつJISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲にある、樹脂組成物。 【請求項7】 JISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが8.0g/10minを超え55.0g/10min以下のポリエチレン系樹脂と酸素欠陥を有する酸化セリウムとを含有してなり、該酸素欠陥を有する酸化セリウムが60重量%を超えて含まれ、かつJISK7210に規定される条件のもとで温度190℃で測定したメルトフローレートが1.0?18.0g/10minの範囲にある、樹脂組成物。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-04-25 |
出願番号 | 特願2011-20262(P2011-20262) |
審決分類 |
P
1
651・
536-
YAA
(B32B)
P 1 651・ 121- YAA (B32B) P 1 651・ 537- YAA (B32B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岸 進、細井 龍史、松岡 美和、久保田 葵 |
特許庁審判長 |
渡邊 豊英 |
特許庁審判官 |
蓮井 雅之 井上 茂夫 |
登録日 | 2015-10-30 |
登録番号 | 特許第5828207号(P5828207) |
権利者 | 共同印刷株式会社 |
発明の名称 | 酸素吸収性フィルム、酸素吸収性積層体及び酸素吸収性積層体からなる酸素吸収性包材並びに酸素吸収性樹脂組成物 |
代理人 | 関根 宣夫 |
代理人 | 塩川 和哉 |
代理人 | 石田 敬 |
代理人 | 出野 知 |
代理人 | 関根 宣夫 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 塩川 和哉 |
代理人 | 石田 敬 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 古賀 哲次 |
代理人 | 古賀 哲次 |
代理人 | 出野 知 |