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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B65D
審判 全部申し立て 2項進歩性  B65D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B65D
管理番号 1329069
異議申立番号 異議2016-700893  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-21 
確定日 2017-05-10 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5888373号発明「光導波路の梱包方法及び光導波路の梱包体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5888373号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-12〕、〔13-24〕について、訂正することを認める。 特許第5888373号の請求項3ないし12、15ないし19、22ないし24に係る特許を維持する。 特許第5888373号の請求項1、2、13、14、20、21に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5888373号の請求項1ないし24に係る特許についての出願は、平成26年8月4日に特許出願され、平成28年2月26日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人金山愼一、服部哲宜により特許異議の申立てがされ、平成28年11月14日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年1月16日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人金山愼一から平成29年2月24日に意見書が提出され、特許異議申立人服部哲宜からは応答がなかったものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。

ア.請求項1、2、13、14、20、21を削除する。

イ.上記アの訂正に伴い、削除される請求項を直接的又は間接的に引用する請求項5、8ないし12、17、22ないし24の記載を整理する。

ウ.請求項3、4、15、16の「剥離可能なコーティング剤」を「液状のコーティング剤」と訂正する。

エ.段落【0006】の、特許請求の範囲を引用する記載である
「すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]1つ以上のコアパターンと、・・・
・・・
[13]・・・梱包体。」を、
訂正後の特許請求の範囲に整合させるため、
「すなわち、本発明は以下のとおりである。
[3]1つ以上のコアパターンと、・・・
・・・
[12]・・・
[15]・・・
・・・
[19]・・・
[22]・・・
[23]・・・
[24]・・・梱包体。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

アの訂正は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イの訂正は、アの訂正に伴い、請求項の引用関係を整合するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウの訂正事項に関連する記載として、特許明細書の段落【0030】には「コーティング剤60は、後の工程で除去できる材料であることが好ましく、液状のコーティング剤60であることがより好ましい。」との記載があり、「液状のコーティング剤」は明細書に記載されている。
ウの訂正は、明細書に記載された事項の範囲内において「剥離可能なコーティング剤」を限定したものといえるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エの訂正は、ア、イ、ウの訂正に伴い、発明の詳細な説明の記載を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものである。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-12〕、〔13-24〕について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし24に係る発明(以下「本件発明1ないし24」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし24に記載された以下のとおりのものである。

【請求項1】(削除)
【請求項2】(削除)
【請求項3】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包方法であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有し、
前記側面光入出力部が、液状のコーティング剤で封止され、前記光導波路を梱包するための梱包部材に梱包する工程を含む、光導波路の梱包方法。
【請求項4】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包方法であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記側面の少なくとも一部が、外部の筐体との位置合わせ基準面として使用でき、
前記位置合わせ基準面が、液状のコーティング剤で封止され、前記光導波路を梱包するための梱包部材に梱包される光導波路の梱包方法。
【請求項5】
前記光導波路が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包部材によって囲われた空間に内包されている、請求項3又は4に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項6】
前記光導波路が、前記側面光入出力部を有する側面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定して、梱包される請求項3に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項7】
前記光導波路が、前記位置合わせ基準面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定して、梱包される請求項4に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項8】
前記光導波路が、ポリマー光導波路であって、前記側面光入出力部が、物理的な切断加工によって形成された光導波路である、請求項3に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項9】
前記光導波路が、ポリマー光導波路であって、前記位置合わせ基準面が、物理的な切断加工によって形成された光導波路である、請求項4に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項10】
前記光導波路は、前記第1の主面又は前記第2の主面に光を入射させる、又は前記コアパターンを通過した光を出射する主面光入出力部を備える、請求項3?9のいずれか1項に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項11】
前記光導波路が、複数梱包される、請求項3?10のいずれか1項に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項12】
前記複数の光導波路が、X方向又はY方向の略直線上に任意のピッチ間距離で並列されてなる、請求項11に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項13】(削除)
【請求項14】(削除)
【請求項15】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包体であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有し、
前記側面光入出力部が、液状のコーティング剤で封止された状態となっており、
前記光導波路が前記梱包部材に梱包された光導波路の梱包体。
【請求項16】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包体であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記側面の少なくとも一部が、外部の筐体との位置合わせ基準面として使用でき、
前記位置合わせ基準面が、液状のコーティング剤で封止された状態となっており、
前記光導波路が前記梱包部材に梱包された光導波路の梱包体。
【請求項17】
前記光導波路が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包部材によって囲われた空間に内包された状態となっている、請求項15又は16に記載の光導波路の梱包体。
【請求項18】
前記光導波路が、前記側面光入出力部を有する側面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定した状態で梱包された請求項15に記載の光導波路の梱包体。
【請求項19】
前記光導波路が、前記位置合わせ基準面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定した状態で梱包された請求項16に記載の光導波路の梱包体。
【請求項20】(削除)
【請求項21】(削除)
【請求項22】
前記光導波路は、前記第1の主面又は前記第2の主面に光を入射させる、又は前記コアパターンを通過した光を出射する主面光入出力部を備える、請求項15?19のいずれか1項に記載の光導波路の梱包体。
【請求項23】
前記光導波路が、複数梱包された状態となっている、請求項15?19、22のいずれか1項に記載の光導波路の梱包体。
【請求項24】
前記複数の光導波路が、X方向又はY方向の略直線上に任意のピッチ間距離で並列されてなる、請求項23に記載の光導波路の梱包体。

(2)取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし24に係る特許に対して、特許権者に通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。

1)本件特許の請求項1、2、11?14、23、24に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2)本件特許の請求項1?24に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
3)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


以下、金山愼一提出の申立書を「申立書1」、服部哲宜提出の申立書を「申立書2」とする。

1.特開2009-122290号公報(申立書1の甲1)
2.特開2006-39282号公報(申立書1の甲2)
3.特開2005-91697号公報(申立書1の甲3、申立書2の甲7)
4.特開2002-40288号公報(申立書1の甲4)
5.特開2000-296894号公報(申立書1の甲5)
6.特開2006-232320号公報(申立書1の甲6)
7.特開2000-299304号公報(申立書1の甲7)
8.特開昭55-89025号公報(申立書1の甲8)
9.特表2013-545147号公報(申立書1の甲9)
10.特開平10-197746号公報(申立書2の甲1)
11.特開2005-132438号公報(申立書2の甲2)
12.特開2006-184773号公報(申立書2の甲3)
13.特開2006-17885号公報(申立書2の甲4)
14.特開2008-20720号公報(申立書2の甲5)
15.特開2003-215386号公報(申立書2の甲6)
16.特開2014-32254号公報(申立書2の甲8)
17.特開2014-130282号公報(申立書2の甲9)

(理由1:29条1項3号)
請求項1、2、11?14、23、24に対し、
刊行物10の「光部品」は、「光導波路」に相当する。

(理由2の1:29条2項)
請求項1?24に対し、
刊行物1又は2には、光導波路の構造が記載されている。
部品の保護すべき面と梱包部材を非接触とし、部品を他の面で保持することは、刊行物3?7にみられるごとく周知である。
請求項3で特定する保護被膜は、刊行物8?9にみられるごとく周知である。

(理由2の2:29条2項)
請求項1、2、5、8?14、17、20?24に対し、
刊行物10又は11には、部品の保護すべき面と梱包部材を非接触とし、部品を他の面で保持するものが記載されている。
光導波路は、刊行物12?15にみられるごとく周知である。
電子部品を光導波路とすることは、刊行物16?17のごとく周知の課題である。
請求項5、17で特定する囲われた空間に内包される点は、刊行物3に記載されている。

(理由3:36条)
請求項20?24は、「光導波路の梱包体」という物の発明であるが、「物理的な切断加工によって形成された状態となっている」との記載は、製造に関して技術的な特徴や条件が付された記載がある場合に該当するため、当該請求項にはその物の製造方法が記載されているといえる。
したがって、請求項20?24に係る発明は明確でない。

(3)刊行物の記載
ア.刊行物1
刊行物1の請求項1、段落0008、0016、0019?0021、0024、0044?0045、図3、図15等の記載によれば、刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有する、
前記光導波路。

イ.刊行物2
刊行物2の請求項1、段落0004、0008、0035?0038、0042、0059、0065?0068、図2、図7等の記載によれば、刊行物2には、上記引用発明と同様の発明が記載されている。

(4)判断
ア.理由1:29条1項3号
訂正により、取消理由の対象である請求項1、2、13、14及び、これらを引用する請求項が削除された。

イ.理由2の1:29条2項(刊行物1又は2)
(ア)本件発明3
本件発明3と引用発明とを対比すると、以下の点で相違する。

相違点1:本件発明3は「光導波路を梱包するための梱包部材に梱包する工程を含む、光導波路の梱包方法」であるが、引用発明は「光導波路」である点。
相違点2:側面光入出力部について、本件発明3は「液状のコーティング剤で封止され」るが、引用発明は明らかでない点。

相違点1について検討する。
刊行物1の段落0020には、以下の記載がある。
「尚、光波回路層320の形成は、基板部310に凹ガイド314を形成した後に、光波回路層320をビルドアップ形成してもよく、予め別途作製しておいた光波回路層320を接合してもよい。」

すなわち、光電気混載パッケージ300を製造するため、光波回路層320(本件発明3の「光導波路」)をあらかじめ作製し、接合しても良いことが記載されている。
あらかじめ作製し、接合するものである以上、その過程で、取扱いの便のため、光導波路を梱包することは、必要に応じてなしうる事項にすぎない。
相違点1は、容易想到である。

相違点2について検討する。
特許明細書の段落0030には、以下の記載がある。
「本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法で梱包される光導波路20は、図6に示すように、少なくとも第1の端面31又は第2の端面32に有する側面光入出力部23、及び/又は外部の筐体との位置合わせに用いる側面の位置合わせ基準面が、剥離可能なコーティング剤60で封止されていることが好ましい。コーティング剤60で側面光入出力部23を封止することで、側面光入出力部23を梱包部材40と接触することを抑制することでき、側面光入出力部23の破損を防止することができる。
コーティング剤60は、後の工程で除去できる材料であることが好ましく、液状のコーティング剤60であることがより好ましい。コーティング剤60としては、例えば、光導波路20を埋没させることが可能な水や水溶液、アルコール類、その他各種溶剤等を用いることができる。これらのコーティング剤60は、梱包を開封後、乾燥させるだけで光導波路20を取り出せる。上記の観点からコーティング剤60は、光導波路20の性能に悪影響のない材料である必要がある。」

すなわち、本件発明3における、側面光入出力部を液状のコーティング剤で封止する技術的意義は、コーティング処理がしやすく、側面光入出力部の破損を防止するためである。
そして、この点については、いずれの刊行物にも、記載も示唆もない。
申立人金山愼一は、刊行物8、9には、保護被膜が開示され、適用容易であると主張する。
しかし、刊行物8のものは「剥離性塗料」(1ページ右下欄14?20行)、刊行物9のものは樹脂等の「硬質膜」(段落0009、0027)であって、液状のコーティング剤ではない。
相違点2を、容易想到とすることはできない。

なお、申立人金山愼一は、「液状のコーティング剤」は不明確であり、効果のないものを含む旨、主張する。
しかし、「液状のコーティング剤」は特許明細書の段落0030に例示されている。仮に文言上効果のないものを含むとしても、効果のないものを用いることはなく、請求項記載の「液状のコーティング剤」が効果を発揮するものに限られることは明らかであるから、不明確とまでは言えない。

以上、本件発明3を、容易想到とすることはできない。

(イ)本件発明4ないし12、15ないし19、22ないし24
本件発明4ないし12、15ないし19、22ないし24は、いずれも、本件発明3が特定する「液状のコーティング剤で封止」する点(相違点2)を含む。
上記のとおり、「液状のコーティング剤で封止」する点を、容易想到とすることはできないから、本件発明3と同様に、本件発明4ないし12、15ないし19、22ないし24を容易想到とすることはできない。

ウ.理由2の2:29条2項(刊行物10又は11)
訂正により、取消理由の対象である請求項1、2、13、14及び、これらを引用する請求項が削除された。

エ.理由3:36条
訂正により、取消理由の対象である請求項20、21及び、これらを引用する請求項が削除された。

4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件請求項3ないし12、15ないし19、22ないし24に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項3ないし12、15ないし19、22ないし24に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項1、2、13、14、20、21は、訂正により削除された。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光導波路の梱包方法及び光導波路の梱包体
【技術分野】
【0001】
本発明は光導波路の梱包方法及び光導波路の梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理や、民生機器ではパソコン、携帯電話にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。光伝送路としては、光ファイバに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
【0003】
光導波路としては、まず、基板上に下部クラッド層を硬化形成した後に、下部クラッド層上にコアパターンを形成し、下部クラッド及びコアパターン上に上部クラッド層を積層した光導波路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような光導波路をシート状に複数配列させて形成した場合、光導波路形成後に、レーザ加工、ダイシングソー及びルータを用いた切削加工、刃型及び金型を用いたせん断加工等によって、基板と光導波路とを切断して個片化する必要がある。個片化された光導波路は、梱包部材に梱包されて需要者の元へ搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-011210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光導波路は搬送されている際に、光導波路を梱包している梱包部材と光導波路が接触してしまうことがあり、接触してしまった場合には、光導波路に破損が生じてしまう問題があった。破損した箇所が光導波路に設けられた光入出力部であった場合、光導通性等が低下したり、開封後の受け入れ検査の精度が低下したりする等の光導波路の性能が低下してしまう問題があった。
そこで、本発明は、光導波路の破損の発生を抑制し、光導波路の性能を維持して搬送が可能な光導波路の梱包方法及び光導波路の梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す構成を採用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[3]1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包方法であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有し、
前記側面光入出力部が、液状のコーティング剤で封止され、前記光導波路を梱包するための梱包部材に梱包する工程を含む、光導波路の梱包方法。
[4]1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包方法であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記側面の少なくとも一部が、外部の筐体との位置合わせ基準面として使用でき、
前記位置合わせ基準面が、液状のコーティング剤で封止され、前記光導波路を梱包するための梱包部材に梱包される光導波路の梱包方法。
[5]前記光導波路が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包部材によって囲われた空間に内包されている、[3]又は[4]に記載の光導波路の梱包方法。
[6]前記光導波路が、前記側面光入出力部を有する側面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定して、梱包される[3]に記載の光導波路の梱包方法。
[7]前記光導波路が、前記位置合わせ基準面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定して、梱包される[4]に記載の光導波路の梱包方法。
[8]前記光導波路が、ポリマー光導波路であって、前記側面光入出力部が、物理的な切断加工によって形成された光導波路である、[3]に記載の光導波路の梱包方法。
[9]前記光導波路が、ポリマー光導波路であって、前記位置合わせ基準面が、物理的な切断加工によって形成された光導波路である、[4]に記載の光導波路の梱包方法。
[10]前記光導波路は、前記第1の主面又は前記第2の主面に光を入射させる、又は前記コアパターンを通過した光を出射する主面光入出力部を備える、[3]?[9]のいずれかに記載の光導波路の梱包方法。
[11]前記光導波路が、複数梱包される、[3]?[10]のいずれかに記載の光導波路の梱包方法。
[12]前記複数の光導波路が、X方向又はY方向の略直線上に任意のピッチ間距離で並列されてなる、[11]に記載の光導波路の梱包方法。
[15]1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包体であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有し、
前記側面光入出力部が、液状のコーティング剤で封止された状態となっており、
前記光導波路が前記梱包部材に梱包された光導波路の梱包体。
[16]1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包体であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記側面の少なくとも一部が、外部の筐体との位置合わせ基準面として使用でき、
前記位置合わせ基準面が、液状のコーティング剤で封止された状態となっており、
前記光導波路が前記梱包部材に梱包された光導波路の梱包体。
[17]前記光導波路が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包部材によって囲われた空間に内包された状態となっている、[15]又は[16]に記載の光導波路の梱包体。
[18]前記光導波路が、前記側面光入出力部を有する側面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定した状態で梱包された[15]に記載の光導波路の梱包体。
[19]前記光導波路が、前記位置合わせ基準面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定した状態で梱包された[16]に記載の光導波路の梱包体。
[22]前記光導波路は、前記第1の主面又は前記第2の主面に光を入射させる、又は前記コアパターンを通過した光を出射する主面光入出力部を備える、[15]?[19]のいずれかに記載の光導波路の梱包体。
[23]前記光導波路が、複数梱包された状態となっている、[15]?[19]、[22]のいずれかに記載の光導波路の梱包体。
[24]前記複数の光導波路が、X方向又はY方向の略直線上に任意のピッチ間距離で並列されてなる、[23]に記載の光導波路の梱包体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光導波路の破損の発生を抑制し、光導波路の性能を維持して搬送が可能な光導波路の梱包方法及び光導波路の梱包体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態における光導波路の梱包方法を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態における光導波路を説明するための図である。
【図3】本発明の他の実施形態における光導波路の梱包方法を説明するための図(その1)である。
【図4】本発明の他の実施形態における光導波路の梱包方法を説明するための図(その2)である。
【図5】本発明の他の実施形態における光導波路の梱包方法を説明するための図(その3)である。
【図6】本発明の他の実施形態における光導波路の梱包方法を説明するための図(その4)である。
【図7】本発明の他の実施形態における光導波路の梱包方法を説明するための図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[光導波路の梱包方法]
本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法は、図1(a)及び(b)に示すように、1つ以上のコアパターン21がクラッド層に埋設された光導波路20の梱包方法である。光導波路20を梱包部材40に梱包する際には、光導波路20の側面光入出力部23、及び/又は光導波路の外部の筐体との位置合わせ基準面が梱包部材40と非接触になるように梱包される。
本実施例における「非接触」とは、側面光入出力部23が形成される側面、及び/又は側面に形成される位置合わせ基準面が、光導波路と共に搬送される部材(梱包部材)全てに対して接触しないことをいう。光導波路は、側面光入出力部23が形成される側面以外の面(側面又は主面)にて、梱包部材40と接触していてもよい。また、光導波路は、外部の筐体との位置合わせ基準面以外の面(側面又は主面)にて、梱包部材40と接触していてもよい。
本実施例の効果は、特に側面に側面光入出力部及び/又は側面に位置合わせ基準面を具備し、上記の側面が光導波路の外周側面である場合に効果がある。
【0010】
以下、図2を参照して、本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法によって梱包される光導波路を説明する。図2は、本発明の一実施形態における光導波路の斜視図である。
【0011】
図2に示すように、光導波路20は、側面の一部にX方向の一方の端に側面光入出力部23を有する側面31を有する。図2の光導波路20の場合、側面光入出力部23を有する側面31以外に、3辺の側面32,33,34を有する。また、光導波路20は、X方向及びY方向と略垂直をなすZ方向の一方側に第1の主面35を有し、他方側に第2の主面36を有する。
【0012】
光導波路20は第1の主面35及び第2の主面36、それらと略垂直な側面31,32,33,34から選択される複数箇所に、光を入射させる、又はコアパターン21を通過した光を出射する光入出力部をそれぞれ備えることが好ましい。なお、第1の主面35及び第2の主面36、それらと略垂直な側面31,32,33,34は、光入出力部を有する面である場合、光の入出力に悪影響のない範囲の平坦面(又は曲面)であればよい。また、光入出力部を有する面がコネクタ等の外部の筐体に嵌合させる部分の面である場合、嵌合に悪影響のない範囲で平坦面(又は曲面)であればよい。さらに、光入出力部を有する面は、検査時に測定が可能である範囲で、傾斜していても湾曲していても構わない。
図2に示す光導波路20は、直方体形状となり、対向する2つの側面は平行になる例を示しているが、適宜曲線や切りかき形状の側面であってもよい。
【0013】
光導波路20は、1つ以上のコアパターン21と、コアパターン21を埋設するクラッド層22とを備える。
コアパターン21は、クラッド層22よりも屈折率が高い透明な樹脂からなり、光信号はコアパターン21の中を伝搬する。コアパターン21のZ方向の厚さは特に限定されないが、通常は10μm以上100μm以下である。
クラッド層22は、コアパターン21よりも屈折率が低い樹脂からなる。これにより、コアパターン21とクラッド層22との間の界面に入射した光は反射するようになり、コアパターン21から光信号が漏れ出すことを抑制できる。
【0014】
光導波路20の第1の側面光入出力部を有する側面31では、コアパターン21の端面が露出しており、そのコアパターン21の露出部分が光導波路20の側面光入出力部23となる。また、光導波路20の第1の側面と対向する側面32付近にはコアパターン21にミラー24が設けられている。そして、ミラー24に光を入射させる、又はミラー24に反射した光を出射する光入出力部が光導波路20の第1の主面35に設けられた主面光入出力部25となる。
なお、光導波路20は、コアパターン21の光軸上の2箇所にミラー24を備え、第1の主面35に光を入射し、第1の主面35から光を出力するミラー付き光導波路であってもよい。また、光導波路20は、側面31以外に、第2の側面光入出力部を有する側面を具備していてもよい。すなわち、光導波路20は、一つ以上の側面光入出力部及び/又は側面の位置合わせ基準面を有していればよい。
【0015】
光導波路20における側面光入出力部や側面の位置合わせ基準面は、搬送中に梱包部材等と接触すると、破損や異物の付着等が発生しやすい。そして、側面は、主面に対して面積が小さく、主面法線方向からの検査がしにくい。このため、側面光入出力部や側面の位置合わせ基準面を非接触で梱包し、破損や異物等の付着の可能性を低減することが肝要となる。
【0016】
本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法によって梱包される光導波路20が、ポリマー材料を用いたポリマー光導波路であって、側面光入出力部23を有する側面31及び/又は外部の筐体の位置合わせの基準面となる側面33及び/又は側面34が、物理的な切断加工によって形成された光導波路であることが好ましい。ここで、物理的な切断加工とは、レーザ加工、ダイシングソー及びルータを用いた切削加工、刃型及び金型を用いたせん断加工等をいう。
【0017】
従来、ポリマー光導波路のように低背で帯電しやすい光導波路の梱包を行うと、静電気によってハンドリングが悪化し易いという問題を有していた。しかし、本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法は、ポリマー光導波路を梱包する際のハンドリングを良好に行うことができるので、ポリマー光導波路に対して効果的な梱包方法となる。
ポリマー光導波路を物理的な切断加工によって形成すると、光導波路の側面には、クラッド層やコアパターンとの界面、クラッド層間の界面等が露出し、主面と比較して、破損しやすい傾向にある。そのため、本実施形態における光導波路の特性に肝要な側面(側面光入出力部及び/又は側面の位置合わせ基準面)を非接触とすることがより重要となる。
また、ポリマー光導波路を物理的な切断加工によって形成すると、切断面が側面となる場合は、切断面が主面となる場合よりも荒くなることが多い。ポリマー光導波路は、上述したように静電気も発生しやすいことから、切断面等に異物が付着しやすく、さらに異物を除去しにくい傾向にある。そのため本実施形態における特性に肝要な側面(側面光入出力及び側面の位置合わせ基準面)を非接触とすることがより重要となる。
上記のことから光導波路及び光導波路に付随する部材(例えば、光導波路を形成する土台となる基板等)が全てポリマー樹脂からなる場合、光導波路の特性に肝要な側面を非接触で梱包することがさらに重要となる。
【0018】
以下、図1及び図3を参照して、本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法に用いる梱包部材を説明する。
【0019】
梱包部材40は、光導波路20を載置する載置部41と、光導波路20の側面光入出力部23が梱包部材40と非接触にするために設けられた非接触部42とを備える。非接触部42は、光導波路20に設けられる側面光入出力部23及び/又は側面の位置合わせ基準面33,34が梱包部材40と非接触となる部位である。
実施例1に記載するように、側面光入出力部23及び/又は側面の位置合わせ基準面33,34に触れないように、第1の主面35及び第2の主面36上に梱包部材を配置したものとすることが好ましい。また、実施例2に記載するように、梱包部材に空間が設けられ、側面光入出力部23及び/又は側面の位置合わせ基準面33,34が、空間内に配置されるようにすることが好ましい。実施例1に記載するように梱包した場合、第1の主面35及び/又は第2の主面36によって光導波路20を接着又は挟持させることにより、光導波路20の搬送中の反りを低減できる。実施例2に記載するように梱包した場合、例えば、第1の主面35又は第2の主面36を位置合わせ基準面として用いる場合も空間内に配置することも可能となるためより好ましい。
なお、実施例2のように第1の主面35及び/又は第2の主面36に光入出力部がある場合には、主面光入出力部25も非接触であることがより好ましい。
【0020】
梱包部材40の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、アクリル、ウレタンアクリレート、オリゴエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0021】
載置部41は、第1の主面35又は第2の主面36と接するように設置して光導波路20を載置する。
載置部41上に光導波路20を載置する方法としては、載置部41に光導波路20を押し付けることによって押圧する方法が挙げられる。また、載置部41上に光導波路20を載置する別の方法としては、載置部41と光導波路20とを接着する方法が挙げられる。載置部41上に光導波路20を載置する方法は、これらに限られず、載置部41上に光導波路20を固定できれば他の方法を採用しても構わない。
【0022】
載置部41上に光導波路20を載置する方法として、載置部41に光導波路20を押し付けることによって押圧する方法を採用する場合には、図3(a)に示すように、押圧部44を有する梱包蓋部43を用いることが好ましい。梱包蓋部43は、図3(b)に示すように、押圧部44で光導波路20を載置部41に押圧するように配置する。このとき、梱包蓋部43は、梱包部材40の光導波路20の導入口である開口部を密封するように配置される。梱包蓋部43が梱包部材40の開口部を密封可能な形状であれば、光導波路20が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包蓋部43によって囲われた空間に内包されるため好ましい。
【0023】
押圧部44は、光導波路20の破損防止の観点から、弾性を有することが好ましい。押圧部44の弾性率は、上記観点から、500MPa以上20GPa以下の範囲であることが好ましく、1GPa以上15GPa以下の範囲であることがより、好ましく、1GPa以上10GPa以下の範囲であることがさらに好ましい。
また、押圧部44によって押し当てられる圧力は、側面光入出力部や側面の位置合わせ基準面が、図5に記載のように物理的に梱包部材に接触しない光導波路構造及び/又は梱包部材構造であれば、光導波路が格納される空間を保持するだけで、圧力を加える必要はない。しかし、特に第1の主面及び第2の主面のみで保持する場合には、搬送中の光導波路の移動をより抑制できる観点及び光導波路に圧力による変形を抑制する観点から、0.1N以上5N以下で光導波路を押さえることが好ましく、0.5N以上5N以下であることがより好ましく、0.5以上2N以下であることがさらに好ましい。
【0024】
載置部41上に光導波路20を載置する方法として、載置部41と光導波路20とを接着する方法を採用する場合には、図4(a)に示すように、載置部41と光導波路20との間に剥離可能な接着層50を用いることが好ましい。接着層50は、光導波路20及び載置部41のいずれかが備えていてもよく、光導波路20及び載置部41のいずれも備えていない場合は別途塗布してもよい。
【0025】
接着層50の接着力は、梱包して搬送中には剥離することなく、開封した際には容易に剥離することができるという観点から、引きはがし強度が0.01N/cm以上10N/cm以下の範囲であることが好ましく、0.01N/cm以上5N/cm以下の範囲であることがより好ましく、0.01N/cm以上1N/cm以下の範囲であることがさらに好ましい。
【0026】
梱包部材40の開口部は、図4(b)に示すように、密封することが可能なフィルム等の梱包蓋部45で覆われ、光導波路20を梱包部材40に内包させることが好ましい。梱包蓋部45が梱包部材40の開口部を覆うことによって、光導波路20が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包蓋部43によって囲われた空間に内包されることができ、光導波路20に対する異物の付着や光導波路20の破損を低減することができる。
梱包蓋部45の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、アクリル、ウレタンアクリレート、オリゴエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0027】
非接触部42は、例えば、図1、図3及び図4に示すような梱包部材40に設けられた溝部等の空間である。非接触部42は、光導波路20の側面光入出力部23が梱包部材40と非接触にすることが可能な形状であれば種々の形状を採用することができる。また、図1、図3及び図4に示すような梱包部材40であると、位置合わせ基準面となる側面32,33,34もさらに非接触とすることができるため好ましい。この空間は、光導波路20の反り等を加味した深さがあることが好ましい。光導波路20の第1の主面35及び/又は第2の主面36に光入出力部や部分的な位置合わせ基準面を有する場合には、それらの光入出力部や位置合わせ基準面も非接触とすることがより好ましい。
【0028】
本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法としては、側面33,34,35の少なくとも一部が、外部の筐体の位置合わせ基準面として使用できる光導波路であって、側面33,34,35の位置合わせ基準面が、梱包部材40に非接触で梱包されることが好ましい。位置合わせ基準面が梱包部材40に非接触で梱包されることで、位置合わせ基準面が搬送時に接触による破損を防ぐことができ、位置合わせ精度を保持することができる。この場合の光導波路は、側面光入出力部を有する光導波路のほかに、主面のみに主面光入出力部を有する光導波路も含まれる。
【0029】
本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法は、図5に示すように、側面33,34の一部に凹部37を設け、梱包部材40に上記凹部37と嵌合可能な凸部(非接触維持部)46を具備させたものである。梱包する際に、上記の凹部37と凸部46を嵌合させることによって、光導波路20のX方向及びY方向への移動を拘束できる。このため、図5における右側の光導波路20の側面光入出力部23や、位置合わせ基準面として機能する側面32,33,34が梱包部材40に接触することを抑制できる。非接触維持部46が、側面光入出力部23及び位置合わせ基準面32,33,34を梱包部材40と接触することを抑制することで、側面光入出力部23及び位置合わせ基準面32,33,34の破損を防止することができる。
非接触維持部46は、光導波路20のX,Y方向への移動を拘束できる形状であればよく、側面光入出力部及び/又は側面の位置合わせ基準面以外の側面を用いればよい。非接触維持部46は、図5のように2箇所以上の側面で拘束することが好ましく、3箇所以上の側面で拘束することがより好ましい。
【0030】
本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法で梱包される光導波路20は、図6に示すように、少なくとも第1の端面31又は第2の端面32に有する側面光入出力部23、及び/又は外部の筐体との位置合わせに用いる側面の位置合わせ基準面が、剥離可能なコーティング剤60で封止されていることが好ましい。コーティング剤60で側面光入出力部23を封止することで、側面光入出力部23を梱包部材40と接触することを抑制することでき、側面光入出力部23の破損を防止することができる。
コーティング剤60は、後の工程で除去できる材料であることが好ましく、液状のコーティング剤60であることがより好ましい。コーティング剤60としては、例えば、光導波路20を埋没させることが可能な水や水溶液、アルコール類、その他各種溶剤等を用いることができる。これらのコーティング剤60は、梱包を開封後、乾燥させるだけで光導波路20を取り出せる。上記の観点からコーティング剤60は、光導波路20の性能に悪影響のない材料である必要がある。
なお、上述するようなコーティング剤60に光導波路20を浮遊させておくだけでも、光導波路20が勢いよく梱包部材に衝突することによる光導波路の破損や、光導波路20への直接異物等の付着を防ぐことができる。また、上述のように、光導波路20を固定する梱包部材40と合わせて使用すると梱包部材40の接触及び異物の付着を両立させて梱包できるため好ましい。
【0031】
本発明の一実施形態の光導波路の梱包方法は、図7に示すように、光導波路20A?20CがX方向及び/又はY方向に複数並列にして梱包することが好ましい。
複数の光導波路20A?20Cは、X方向及び/又はY方向のそれぞれに並列していてもよい。X方向及び/又はY方向に並列させておくことで、梱包を開封した後に、容易に光導波路20A?20Cのピックアップを行える。
【0032】
複数の光導波路20A?20Cは、第1の主面及び/又は第2の主面と平行方向に略直線上に任意のピッチで配列されているとよい。換言するとX方向及び/又はY方向の略直線上の任意のピッチ間距離で並列されてなることが好ましく、直線状、碁盤の目状、千鳥状等に並列される。複数の光導波路20A?20CのX方向又はY方向の略直線上の任意のピッチ間距離とは、隣接する光導波路20A?20CのX方向又はY方向の中心間の距離である。これにより、1つの光導波路20の検査が終了した後、光導波路の集合体をX方向又はY方向に、ピッチ送りしただけで、次の光導波路を検査することが可能となり、光導波路20の検査を効率的に実施できる。また、上記と同じ理由で、ピッチ送りしただけで、光導波路を順次ピックアップすることができる。略直線上とは、上記光導波路の検査やピックアップに支障の出ない範囲の直線配列を指す。
【0033】
[梱包体]
本発明の梱包体は、前述した本発明の光導波路の梱包方法により梱包された光導波路の梱包体であることを特徴とする。
本発明の梱包体は、例えば、光導波路20を、図3及び図4に示すように、梱包部材40に梱包することによって得られる。
梱包部材40は、光導波路20が吸湿することを防ぐための機能を有することが好ましい。梱包部材40としては、例えば、ビニール袋、光導波路梱包ケース、段ボール等が挙げられる。梱包部材40には、適宜、吸湿剤や保湿剤を内包していてもよい。
【0034】
[変形例]
以上、説明した本発明の一実施形態における光導波路、光導波路の集合体、梱包体及び光導波路の製造方法は、例えば、以下のように変形することができる。
[変形例1]
本発明の一実施形態における複数の光導波路20A?20Cの数は3であったが、2でもよいし、4以上でもよい。また、1つの光導波路20A?20Cに含まれるコアパターン21の数は3であったが、1又は2でもよいし、4以上でもよい。
【0035】
[変形例2]
載置部41上に光導波路20を載置する方法として、図4(a)に示したように、載置部41と光導波路20との間に剥離可能な接着層50を用いる場合、載置部41の全面に接着層50を設けてもよいが、載置部41の一部に接着層50を設ける形態であってもよい。載置部41の一部に接着層50を設ける形態であることによって、開封後に光導波路20の剥離が容易にできるので好ましい。
【0036】
以上で説明した実施形態及び変形例はあくまで例示に過ぎず、発明の特徴が損なわれない限り本発明はこれらの内容に限定されない。また、発明の特徴が損なわれない限り、以上で説明した実施形態及び変形例又は変形例同士を組み合わせてもよい。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例は、本発明を限定するものではない。
【0038】
[実施例1]
(光導波路の集合体の作製)
基板としてポリイミドフィルム(宇部日東化成株式会社製「ユーピレックスRN」、厚さ;25μm)を大きさ100μm×100μmに裁断し、該基板上に、屈折率が1.536となる厚さが15μmの下部クラッド層を形成した。
【0039】
次に、上記の下部クラッド層面にコア層形成用の樹脂層(厚さ;45μm)を積層し、露光及び現像することによって、幅45μm×高さ45μm、長さ9cmのコアパターンを250μmピッチで12CH配列(1つの光導波路に対して12CHのコアパターン)し、該12CHのコアパターンの組みを7mm間隔で5組配置した。
【0040】
次いで、コアパターン形成面側からコアパターンの主面及び上面を覆うように上部クラッド層を形成し、光導波路シートとした。形成後の上部クラッド層の厚さはコアパターンの上面から30μmであった。
【0041】
得られた光導波路シートの上部クラッド層側から、ダイシングソー(株式会社ディスコ製「DAC552」)を用いて、コアパターンの両端面のそれぞれ1cm内側の位置でコアパターンに直交する方向に光導波路シートを切断した。光導波路シートの一方のコアパターン端面から1cm内側の位置では、45°の傾斜面が形成されるように切断し、傾斜面45°の光路変換ミラーを形成した。もう一方の端面から1cm内側の位置では光導波路シートの平面方向に対して垂直な端面を形成した。この垂直な側面が光導波路の側面光入出力部を備える側面となる。なお、光伝搬に用いられるコアパターン長は7cmであった。
【0042】
次に、基板(第2の主面)側から梱包部材Aとして接着層付きのPETフィルム(株式会社パナック製「パナプロテクトET-50k-B」)を貼り付けた。
【0043】
次に、12CHのコアパターンが並ぶ方向における12CHのコアパターンの両側を、12CHのコアパターンが中心になるように、上部クラッド層側から梱包部材が露出するまで、上記ダイシングソーで切削し、側面光入出力部を有する側面に垂直な2つの側面を形成し、12個のコアパターンをそれぞれ有する5つの光導波路を備えた光導波路の集合体を形成した。なお、1つの光導波路における上記2つの側面間の距離の設計値は2.998mm(許容値±0.002mm)であった。側面光入出力部を有する側面に垂直な2つの側面のうち、側面光入出力部側1cmの範囲が位置合わせ基準面である。
【0044】
(検査1)
得られた光導波路の集合体を金属顕微鏡(倍率50倍)で外観検査を行った。ピッチ送りするごとに光導波路を検査可能であったため容易に検査が行えた。
【0045】
(梱包)
得られた光導波路の集合体側から、梱包部材Bとして保護フィルムとして、PETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャインA1517」、厚さ:16μm)の非処理面を、梱包部材Aを内包する大きさで、光導波路集合体を覆い、光導波路のない部分の梱包部材Aと梱包部材Aに設けられた接着書を介して貼り合わせた。このとき、基準面及び側面光入出力部(それを有する側面)には梱包部材A及び梱包部材B共に接触はしておらず、それらによって形成される閉空間内に光導波路が梱包されていた。
さらに、梱包部材Aと梱包部材Bに内包された光導波路集合体ごと、A4サイズの封筒(梱包部材C)にいれ、さらに封筒を緩衝材(梱包部材D)とともに段ボール(梱包部材E)に入れ梱包体とした。
【0046】
(搬送)
光導波路を梱包した段ボールを搬送した。
【0047】
(検査2)
光導波路の梱包体を開封し、保護フィルム(梱包部材B)を剥離したところ光導波路は全て保持基板(梱包部材A)に貼り付いており、光導波路の表裏の判定は容易に行えた。上記と同様に光導波路の外観検査を行ったところピッチ送りするごとに光導波路を検査可能であったため容易に検査が行えた。側面の位置合わせ基準面には異物の付着や破損は発生していなかった。
【0048】
(実装)
光導波路を保持基板から1つずつ剥離し、3mm幅の光導波路嵌め合わせ部を持つ外部の筐体に光導波路の基準面を当てるように実装したところ良好に位置合わせすることができた。側面に設けられた側面光入出力部を介しての光の伝送も良好に行えた。剥離して得られた光導波路は反りも少なくハンドリングが容易であった。
【0049】
[実施例2]
実施例1で得られた光導波路を横(X);56mm×縦(Y);3.1mm(載置部)×深さ(Z);1mmと、横(X);18mm×縦(Y);6mm(非接触部)×深さ(Z);5mmがX方向に連結した凹み部(載置部よりも非接触部の方がZ方向に4mm深い、Y方向も位置合わせ基準面が梱包部材に触れないように幅広にしてある)を5箇所Y方向に10mmピッチで連続した凹み部(載置部と非接触部)有する梱包部材(PET樹脂)に、第1の主面が載置部方向、側面光入出力部が非接触部方向になるような向きで、光導波路を載置部の非接触部と反対方向の側面(Y)と光導波路との間が約0.5mmの間隙となるように載置した。
【0050】
次に、光導波路の第2の主面のうち、ミラー側の側面から5?56mmの範囲を押さえる凸部を有する梱包蓋部(PET樹脂)で光導波路を押さえ(押さえ力;0.5N)、梱包体とした。梱包蓋部の非接触部側における光導波路とZ方向の間隙は4mmとした。さらに上記の梱包体を密封容器(梱包部材)に入れて梱包した。
【0051】
得られた梱包体において側面の位置合わせ基準面及び側面光入出力部は、梱包部材及び梱包蓋部には非接触であった。さらに第2の主面に設けられた光入出力部、及び側面光入出力部側(10mm)の第1の主面及び第2の主面も非接触であった(実施例2,3,4においては、側面光入出力部を有する側面に垂直な2つの側面のうち、側面光入出力部側1cmの範囲が位置合わせ基準面
として用いた)。
【0052】
その後、実施例1と同様に搬送、検査2、実装を行ったところ、搬送後、梱包を開封し、光導波路を検査したところ、光導波路は静電気でハンドリングがやや困難で有り、反りもややあったが梱包蓋部を取り外した状態(載置部に光導波路が載置された状態)で検査したため、検査に支障はきたさず、ピッチ送りで検査が可能であった。また、側面の位置合わせ基準面には異物の付着や破損は発生しておらず良好に実装が行え、側面光入出力部にも異物の付着や破損は発生しておらず光の伝送にも支障はなかった。第1の主面及び第2の主面の位置合わせ基準面にも異物の付着や破損は発生しておらず良好に実装が行え、主面の光入出力部にも異物の付着や破損は発生しておらず光の伝送にも支障はなかった。
【0053】
[実施例3]
実施例2において、非接触部の空間内及び、密封容器内を純水(コーティング剤)で満たした以外は同様の方法で梱包した。
得られた梱包体において位置合わせ基準面及び光入出力端面は、梱包部材及び梱包蓋部には非接触であった。
【0054】
その後、実施例1と同様に搬送し、開封後に純水をエアブローで乾燥したあとに、検査2、実装を行ったところ、側面の位置合わせ基準面には異物の付着や破損は発生しておらず良好に実装が行え、側面光入出力部にも異物の付着や破損は発生しておらず光の伝送にも支障はなかった。第1の主面及び第2の主面の位置合わせ基準面にも異物の付着や破損は発生しておらず良好に実装が行え、主面の光入出力部にも異物の付着や破損は発生しておらず光の伝送にも支障はなかった。
【0055】
[実施例4]
実施例2において、光導波路のミラー側から10mmの位置にX;0.1mm×Y;0.1mmの凹部を対向する側面に2箇所設け10CHの光導波路とした。また、載置部を有する梱包部材には、非接触部と反対の側面から10.1mmの位置にX方向上記凹部と嵌合する凸部を2箇所具備させた。梱包する際にそれらの凹部と凸部とを嵌合させた以外は同様に梱包した。なお、載置部と梱包蓋材との間には0.5mmのギャップが形成される梱包蓋材を用い、光導波路は第1、第2の主面ともに押さえられていない。
得られた梱包体において位置合わせ基準面及び光入出力端面は、梱包部材及び梱包蓋部には非接触であった。
【0056】
その後、実施例1と同様に搬送、検査2、実装を行ったところ、搬送後、梱包を開封し、光導波路を検査したところ、光導波路は静電気でハンドリングがやや困難で有り、反りもややあったが梱包蓋部を取り外した状態(載置部に光導波路が載置された状態)で検査したため、検査に支障はきたさず、ピッチ送りで検査が可能であった。側面の位置合わせ基準面には異物の付着や破損は発生しておらず良好に実装が行え、側面光入出力部にも異物の付着や破損は発生しておらず光の伝送にも支障はなかった。第1の主面及び第2の主面の位置合わせ基準面にも異物の付着や破損は発生しておらず良好に実装が行え、主面の光入出力部にも異物の付着や破損は発生しておらず光の伝送にも支障はなかった。
【0057】
[比較例1]
(光導波路の作製及び評価)
実施例1において、光導波路の集合体を個片化した後に、得られた5本の光導波路を幅3.2mm、長さ7.2mm、高さ1mmの空間を有するSUS304ケース(5個)に、上記空間に得られた光導波路5つそれぞれ梱包し、上記と同様に緩衝材及び段ボールで梱包し、搬送した。
【0058】
搬送後、梱包を開封し、光導波路を検査したところ、光導波路は静電気でハンドリングが困難で有り、反りが大きく検査に時間がかかった。
さらに、基準面及び光入出力面が破損した光導波路があり、破損してバリが発生した光導波路は、実施例1と同様の外部の筐体への実装ができなかった。
光入出力面に傷のある光導波路は、光の入出力が良好に行えなかった。
【0059】
[結果]
以上の実施例1?4と比較例1とを比較することにより、本発明によれば、光導波路の検査を効率的に実施できることがわかる。
【符号の説明】
【0060】
20 光導波路
21 コアパターン
22 クラッド層
23 側面光入出力部
24 ミラー
25 主面光入出力部
31,32,33,34 側面
35 第1の主面
36 第2の主面
37 凹部
40 梱包部材
41 載置部
42 非接触部
43,45 梱包蓋部
44 押圧部
46 凸部(非接触維持部)
50 接着層
60 コーティング剤
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】(削除)
【請求項2】(削除)
【請求項3】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包方法であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有し、
前記側面光入出力部が、液状のコーティング剤で封止され、前記光導波路を梱包するための梱包部材に梱包する工程を含む、光導波路の梱包方法。
【請求項4】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包方法であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記側面の少なくとも一部が、外部の筐体との位置合わせ基準面として使用でき、
前記位置合わせ基準面が、液状のコーティング剤で封止され、前記光導波路を梱包するための梱包部材に梱包される光導波路の梱包方法。
【請求項5】
前記光導波路が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包部材によって囲われた空間に内包されている、請求項3又は4に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項6】
前記光導波路が、前記側面光入出力部を有する側面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定して、梱包される請求項3に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項7】
前記光導波路が、前記位置合わせ基準面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定して、梱包される請求項4に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項8】
前記光導波路が、ポリマー光導波路であって、前記側面光入出力部が、物理的な切断加工によって形成された光導波路である、請求項3に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項9】
前記光導波路が、ポリマー光導波路であって、前記位置合わせ基準面が、物理的な切断加工によって形成された光導波路である、請求項4に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項10】
前記光導波路は、前記第1の主面又は前記第2の主面に光を入射させる、又は前記コアパターンを通過した光を出射する主面光入出力部を備える、請求項3?9のいずれか1項に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項11】
前記光導波路が、複数梱包される、請求項3?10のいずれか1項に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項12】
前記複数の光導波路が、X方向又はY方向の略直線上に任意のピッチ間距離で並列されてなる、請求項11に記載の光導波路の梱包方法。
【請求項13】(削除)
【請求項14】(削除)
【請求項15】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包体であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記光導波路は、側面の少なくとも一部に前記コアパターンへ光を入射する、又は前記コアパターンを透過した光を出射する、側面光入出力部を有し、
前記側面光入出力部が、液状のコーティング剤で封止された状態となっており、
前記光導波路が前記梱包部材に梱包された光導波路の梱包体。
【請求項16】
1つ以上のコアパターンと、前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路の梱包体であって、
前記光導波路は、Z方向に略対向する第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面を略垂直方向につなぐ側面とを有する略柱状であり、
前記側面の少なくとも一部が、外部の筐体との位置合わせ基準面として使用でき、
前記位置合わせ基準面が、液状のコーティング剤で封止された状態となっており、
前記光導波路が前記梱包部材に梱包された光導波路の梱包体。
【請求項17】
前記光導波路が、外部からの異物の侵入を防ぐ梱包部材によって囲われた空間に内包された状態となっている、請求項15又は16に記載の光導波路の梱包体。
【請求項18】
前記光導波路が、前記側面光入出力部を有する側面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定した状態で梱包された請求項15に記載の光導波路の梱包体。
【請求項19】
前記光導波路が、前記位置合わせ基準面以外の側面、前記第1の主面及び前記第2の主面から選ばれる少なくとも1つの面で、前記梱包部材に対する前記光導波路の移動を抑制又は固定した状態で梱包された請求項16に記載の光導波路の梱包体。
【請求項20】(削除)
【請求項21】(削除)
【請求項22】
前記光導波路は、前記第1の主面又は前記第2の主面に光を入射させる、又は前記コアパターンを通過した光を出射する主面光入出力部を備える、請求項15?19のいずれか1項に記載の光導波路の梱包体。
【請求項23】
前記光導波路が、複数梱包された状態となっている、請求項15?19、22のいずれか1項に記載の光導波路の梱包体。
【請求項24】
前記複数の光導波路が、X方向又はY方向の略直線上に任意のピッチ間距離で並列されてなる、請求項23に記載の光導波路の梱包体。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-04-27 
出願番号 特願2014-158908(P2014-158908)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (B65D)
P 1 651・ 113- YAA (B65D)
P 1 651・ 121- YAA (B65D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐野 健治  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 井上 茂夫
千葉 成就
登録日 2016-02-26 
登録番号 特許第5888373号(P5888373)
権利者 日立化成株式会社
発明の名称 光導波路の梱包方法及び光導波路の梱包体  
代理人 平澤 賢一  
代理人 澤山 要介  
代理人 大谷 保  
代理人 澤山 要介  
代理人 平澤 賢一  
代理人 大谷 保  

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