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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 D21H |
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管理番号 | 1329089 |
異議申立番号 | 異議2016-700885 |
総通号数 | 211 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-07-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-09-16 |
確定日 | 2017-05-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5886664号発明「新聞巻取紙」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5886664号の請求項1-7に係る特許を維持する。 |
理由 |
理由 1.手続の経緯 特許第5886664号の請求項1-7に係る特許についての出願は、平成24年 3月22日に特許出願され、平成28年 2月19日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人松本紀子により特許異議の申立てがされ、平成28年12月19日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年 2月17日に意見書が提出されたものである。 2.本件発明 特許第5886664号の請求項1-7の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定されるとおりのものである。 3.取消理由の概要 本件訂正前の請求項1-7に係る特許に対して通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。 請求項1-7に係る発明は、下記の甲第1号証に記載の発明、及び、甲第2号証ないし甲第9号証に記載される技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明し得たものである。 記 甲第1号証:特開2005-133262号公報 甲第2号証:特開2003-336188号公報 甲第3号証:特開2007-247075号公報 甲第4号証:特許第4912196号公報 甲第5号証:Daul,“THE INFLUENCE OF DEINKED FIBER TO WIDING OF NEWSPRINT ROLLS”Finishing and Converting Conference,TAPPI Proceedings,1992,P.53?61 甲第6号証:特開2011-168401号公報 甲第7号証:特開2010-236152号公報 甲第8号証:特開2007-254946号公報 甲第9号証:“印刷と用紙2005”紙業タイムス社,2005年5月30日,P.466?467 4.甲各号証の記載 甲第1号証ないし甲第9号証のいずれにも、以下の技術的事項は、記載されていない。 「抄紙方向(MD)と抄紙方向に対して90度方向(CD)における超音波パルスの伝播速度の比(MD/CD)が1.8以上」であること。 「紙と紙との間での摩擦が高くなり巻きやすい」という効果を得るために、「紙中灰分が10?40重量%」であるようにすること。 5.判断 (1)請求項1に係る発明について ア 対比 請求項1に係る発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、少なくとも以下の2点で相違する。 (相違点1) 請求項1に係る発明は「抄紙方向(MD)と抄紙方向に対して90度方向(CD)における超音波パルスの伝播速度の比(MD/CD)が1.8以上」であるのに対し、甲第1号証に記載された発明にはこのような特定がない点。 (相違点2) 請求項1に係る発明は「紙中灰分が10?40重量%」であるのに対し、甲第1号証に記載された発明にはこのような特定がない点。 イ 判断 相違点1について。 甲第2号証ないし甲第9号証のいずれにも、「抄紙方向(MD)と抄紙方向に対して90度方向(CD)における超音波パルスの伝播速度の比(MD/CD)が1.8以上」とすることは、記載されていない。 また、請求項1に係る発明は、このような相違点1に基づいて、印刷時の断紙の発生を防止するという課題を解決するものである(段落0016参照)。甲第2号証ないし甲第9号証のいずれにも、このような技術思想は記載されていない。 相違点2について。 請求項1に係る発明は、相違点2に基づいて、紙と紙との間での摩擦が高くなり巻きやすいという効果を得るものである。このような効果を得るために「紙中灰分が10?40重量%」であるようにするという技術思想は、甲第2号証ないし甲第9号証のいずれにも記載されていない。 したがって、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証ないし甲第9号証に記載された技術的事項から当業者が容易になし得たものではない。 (2)請求項2-7に係る発明について 請求項2-7に係る発明は、請求項1に係る発明を減縮したものであり、請求項1に係る発明と同様の理由で、請求項2-7に係る発明は、上記甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証ないし甲第9号証に記載された技術的事項から当業者が容易になし得たものではない。 6.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件請求項1-7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1-7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2017-05-15 |
出願番号 | 特願2012-65291(P2012-65291) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(D21H)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中尾 奈穂子 |
特許庁審判長 |
千葉 成就 |
特許庁審判官 |
蓮井 雅之 谿花 正由輝 |
登録日 | 2016-02-19 |
登録番号 | 特許第5886664号(P5886664) |
権利者 | 日本製紙株式会社 |
発明の名称 | 新聞巻取紙 |
代理人 | 小笠原 有紀 |
代理人 | 中村 充利 |
代理人 | 新井 規之 |