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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1329383
審判番号 不服2016-7328  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-19 
確定日 2017-07-04 
事件の表示 特願2011-234552「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月16日出願公開、特開2013- 93739、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年10月26日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。

平成24年 9月 5日:手続補正
平成27年11月27日:拒絶理由の通知
平成28年 1月 8日:手続補正
平成28年 2月16日:拒絶査定
平成28年 2月23日:拒絶査定の謄本の送達
平成28年 5月19日:拒絶査定不服審判の請求
平成28年 5月19日:手続補正
平成29年 3月23日:拒絶理由の通知(当審)
平成29年 5月17日:手続補正

第2 本願発明
本願請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、平成29年5月17日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-本願発明8は以下のとおりの発明である。ここで、本願発明1を分説し、(A)?(H)を付与した。以下本願発明1の各構成要件を「構成要件A」等という。

「 【請求項1】
(A)表示パネルを支持する支持部材と、
(B)前記支持部材の第1面に配置された前記表示パネルと、
(C)前記第1面とは異なる前記支持部材の第2面の一部に形成された窪み部と、
(D)前記窪み部に対向して配置されるカバー部材とを備え、
(E)前記窪み部は、対向する一対の第1側面と、前記一対の第1側面と交わる第2側面とを有し、
(F)前記カバー部材は、前記窪み部の前記一対の第1側面および前記第2側面に対応して配置される3つの側壁部を有し、
(G)前記カバー部材の前記3つの側壁部は、それぞれ、前記一対の第1側面と前記第2側面とに沿って、前記窪み部に収納可能に構成されている、
(H)表示装置。
【請求項2】
前記一対の第1側面と前記カバー部材の前記側壁部とは、当接する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記一対の第1側面と前記第2側面とが交わる部分には、曲面が設けられている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記対向する一対の第1側面は、前記表示パネルの短手方向に沿って形成されており、
前記第2側面は、前記表示パネルの長手方向に沿って形成されている、請求項1?3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記窪み部内に形成された、凸部をさらに備え、
前記カバー部材は、前記凸部に当接する、請求項1?4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記凸部と対向するように配置され、前記カバー部材と一体的に形成された第1リブ部を含む、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2面の一部を切り起こした切り起こし部をさらに備え、
前記切り起こし部と前記カバー部材とは、当接する、請求項1?6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記カバー部材は、前記切り起こし部と対向するように配置され、前記カバー部材と一体的に形成された第2リブ部を含み、
前記第2リブ部と前記切り起こし部とは、当接する、請求項7に記載の表示装置。」

第3 引用文献、引用発明
1 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2006-67380号公報)には図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。

「【0021】
図1は本発明における一実施例を示す背面筐体とカバー部材の概略の構成を示す部分説明図であり、図2は液晶型テレビの全体を前面から見た斜視図である。また、図3は図2に示す液晶型テレビを後側から見た背面図である。
【0022】
図2において液晶型テレビ1の筐体4の前面には液晶表示部2が配置されており、前記筐体4の底面側を支えるスタンド3と、前記筐体4背面側には図3に示す背面筐体5が配置され、該背面筐体5の下側には図示しない横長の段差凹部を形成し、該段差凹部には図示しない複数の入出力端子類や電源コードなどのコード類8を下向きに配置することを可能とする図示しない開口窓が形成されており、図3においてはコード類8が引き出された状態を示している。また、前記段差凹部を覆う横長のカバー部材6が配置され、該カバー部材6の両横端と前記段差凹部の両横壁面とを着脱可能に係止するカバー部材6の係止手段とを備えた液晶型テレビ1である。
【0023】
続いて図1により前記液晶型テレビ1の背面筐体5とカバー部材6の概要を説明する。図1は前記背面筐体5の段差凹部11を覆う前記横長なカバー部材6を取り外した状態であり、図では手前側が下方向である。前記背面筐体5下側に横長に形成した前記段差凹部11の下向き壁面12には複数の入出力端子類7を配置可能とし電源コード8を引き出す開口窓13が開口している。また、前記下向き壁面12の上縁寄りの左右にカバー部材6を支持する鈎形フック60が配置されている。前記段差凹部11の中央の下側、図では手前側には一段高く突き出して前記カバー部材6を内側から支えるレバー形フック61が形成されている。更に前記カバー部材6の両横端41,51から前記段差凹部11の両横壁面15,16側に突き出して該カバー部材6と一体的に形成された係止爪部42,52が一端41側に2箇所、他端51側に2箇所配置されている。また前記係止爪部42,52と対向する前記段差凹部11の両横壁面15,16には前記係止爪部42,52と係合する係合孔17を開口させて係合を可能とし、前記係止爪部42,52が前記係合孔17と係合した後は前記係止爪部42,52の背面側に前記係止爪部42,52の係合解除方向の動きを抑制する抑制用壁20を前記段差凹面11から突き出して枠型に一体に形成している。
【0024】
続いて図4は本発明におけるカバー部材の一端側に設けたL字型係止爪部と背面筐体の段差凹部に設けた係合孔の一部断面を含む拡大斜視図であり、図5はカバー部材の他端側に設けたU字型係止爪部と背面筐体の段差凹部に設けた係合孔の一部断面を含む拡大斜視説明図である。図6はカバー部材を背面筐体に取り付けたときの係止爪部を示す断面図であり、差込片およびフック片の長さと背面に設けた抑制用壁の間隔との関係を示す説明図である。図7は前記図6の状態でカバー部材に外力が加わって撓み、抑制用壁が係止爪部の外れを抑制している状態を示す説明図である。
【0025】
図4において、カバー部材6の下端縁寄りに設けたL字型係止爪部42にはカバー部材6からL字型基部43が突き出してL字型に折れ曲がった差込片44が形成されていると共に前記L字型基部43の背面には背面板45が形成されている。一方、背面筐体5の段差凹部11の横壁面15には前記L字型係止爪部42と対向する位置に係合孔17を形成すると共に、該係合孔17に隣接して抑制用壁20が前記係合孔17に向かって枠型の壁を形成しており、カバー部材6を背面筐体5に取り付けるときは図1に示すカバー部材6のU字型係止爪部52側である他端側51を持ち広げて前記L字型係止爪部42の差込片44を係合孔17に対して斜め上方向から嵌挿し、続いて前記カバー部材6の他端側51を下げるとL字型基部43を前記枠型の抑制用壁20の懐へと容易に嵌挿することが出来る。また、前記カバー部材6を取り外すときは予めU字型係止爪部52側の係合を解除して該U字型係止爪部52側を持ち広げることにより前記差込片44を係合孔17に対して斜め上方向に引き抜くことで容易に取り外すことが出来る。
【0026】
また図5では、カバー部材6の下端縁寄りに設けたU字型係止爪部52にはカバー部材6からU字型基部53が突き出してU字型に折れ曲がり、U字型先端部55寄りにフック片54が形成されている。一方、背面筐体5の段差凹部11の横壁面16には前記U字型係止爪部52と対向する位置に係合孔17を開口して形成していると共に、該係合孔17に隣接して抑制用壁20が前記係合孔17に向かって枠型の壁を形成しており、前記L字型係止爪部42側を係合した後は、U字型係止爪部52のU字型基部53を前記係合孔17と抑制用壁20を目印にして位置を合わせ、軽く押すことにより、前記バネ性を持たせたことにより前記フック片は前記係合孔17に嵌挿し、同時にU字型基部53を前記枠型の抑制用壁20の懐へと嵌挿することが出来る。
【0027】
次に、図6によりカバー部材6を背面筐体5に取り付けたときの係止爪部42,52について説明する。図の左側はカバー部材6の一端側41でL字型係止爪部42は差込片44のほぼ全長(A)が前記横壁面15に形成された係合孔17に嵌挿されて係合し、前記枠型に形成した抑制用壁20との間に所定の間隔(B)をもって係止している。また、図の右側はカバー部材6の他端側51でありU字型係止爪部52はフック片54のほぼ全長(C)が係合孔17に嵌挿されて係合していると共に、バネ性を持たせたU字型基部53が前記横壁面16に圧接している。更に前記抑制用壁20によりU字型基部53の背面は前記枠型に形成した抑制用壁20との間に所定の間隔(D)をもって係止している。」

「【図1】



「【図2】



「【図3】



「【図4】



「【図5】



「【図6】



2 引用文献1に記載された発明
上記1、特に段落【0022】-【0023】、【図1】によると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。この発明を以下「引用発明」という。

(引用発明)
(a)液晶表示部が前面に配置され、底面側を支えるスタンド(3)が配置される筐体(4)と、
(b)前記筐体(4)の背面側には、背面筐体(5)が配置され、
(c)前記背面筐体(5)の下側には、横長の段差凹部(11)が形成され、
(d)前記段差凹部(11)を覆う横長のカバー部材(6)が配置され、該カバー部材(6)の両横端(41,51)と前記段差凹部(11)の両横壁面(15,16)とを着脱可能に係止するカバー部材(6)の係止爪部(42,52)と
(e)を備えた液晶型テレビ(1)であって、
(f)前記段差凹部(11)の下向き壁面(12)の上縁寄りの左右にカバー部材(6)を支持する鈎形フック(60)が配置され、
(g)前記段差凹部(11)の中央の下側には前記カバー部材(6)を内側から支えるレバー形フック(61)が形成され、
(h)更に前記カバー部材(6)の両横端(41,51)から前記段差凹部(11)の両横壁面(15,16)側に突き出して該カバー部材(6)と一体的に形成された係止爪部(42,52)が一端(41)側と他端(51)側に配置されている、
(i)液晶型テレビ。

なお、(a)?(i)は、構成を識別するために付与した。以下各構成を「構成a」等という。

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 構成要件A、Bと構成aとを対比する。
引用発明の「液晶表示部」は、本願発明1の「表示パネル」に相当する。
引用発明の「筐体」は、「底面側を支えるスタンドが配置され」ているから、液晶型テレビの構造体であり、「液晶表示部」が配置されているから、液晶表示部を支持する「支持部材」といえる。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「表示パネルを支持する支持部材」を備える点で一致する。
また、本願発明1と引用発明とは、「前記支持部材に配置された前記表示パネル」を備える点で共通する。
しかしながら、「表示パネル」が、本願発明1においては、前記支持部材の「第1面」に配置されているのに対し、引用発明においては、「第1面」に配置されているものではない点で相違する。

イ 構成要件Cと構成b、cとを対比する。
引用発明の「横長の段差凹部」は、「窪み部」といえる。
また、引用発明の「横長の段差凹部」は、筐体の背面に配置された背面筐体に形成されるものであるから、「部材に形成される窪み部」を備える点で本願発明1と共通する。
しかしながら、「部材に形成される窪み部」が、本願発明1においては、「前記第1面とは異なる前記支持部材の第2面の一部に形成され」るのに対し、引用発明においては、筐体の背面に配置された背面筐体に形成されるものであって、「前記第1面とは異なる前記支持部材の第2面の一部に形成され」るものではない点で相違する。

ウ 構成要件Dと構成dとを対比する。
引用発明の「前記段差凹部を覆う横長のカバー部材」は、本願発明1の「前記窪み部に対向して配置されるカバー部材」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記窪み部に対向して配置されるカバー部材」を備える点で一致する。

エ 構成要件Eと構成f、hとを対比する。
構成hの「前記段差凹部の両横壁面(15,16)」は、構成要件Eの「対向する一対の第1側面」に相当し、構成fの「前記段差凹部(11)の下向き壁面(12)」は、構成要件Eの「前記一対の第1側面と交わる第2側面」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記窪み部は、対向する一対の第1側面と、前記一対の第1側面と交わる第2側面とを有」する点で一致する。

オ 構成要件Fと構成f、hとを対比する。
構成hの「前記カバー部材(6)の両横端(41,51)」は、構成要件Fの「前記カバー部材は、前記窪み部の前記一対の第1側面」に対応して配置される「側壁部」に相当し、構成fによると、「前記段差凹部(11)の下向き壁面(12)の上縁寄りの左右にカバー部材(6)を支持する鈎形フック(60)が配置され」るから、「前記段差凹部(11)の下向き壁面(12)」と「カバー部材(6)」とが対応する部分は「側壁部」といえる。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記カバー部材は、前記窪み部の前記一対の第1側面および前記第2側面に対応して配置される3つの側壁部を有」する点で一致する。

カ 構成要件Gと構成f、hとを対比する。
上記(オ)のとおり、本願発明1と引用発明とは、「前記カバー部材は、前記窪み部の前記一対の第1側面および前記第2側面に対応して配置される3つの側壁部を有」する点で一致し、引用文献1の図1?6のとおり、カバー部材は窪み部に収納可能に構成されているといえる。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記カバー部材の前記3つの側壁部は、それぞれ、前記一対の第1側面と前記第2側面とに沿って、前記窪み部に収納可能に構成されている」点で一致する。

キ 構成要件Hと構成hとを対比する。
引用発明の「液晶型テレビ」は、「液晶表示部」を有するから、「表示装置」として、本願発明1と一致する。

ク 以上より、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
表示パネルを支持する支持部材と、
前記支持部材に配置された前記表示パネルと、
部材に形成された窪み部と、
前記窪み部に対向して配置されるカバー部材とを備え、
前記窪み部は、対向する一対の第1側面と、前記一対の第1側面と交わる第2側面とを有し、
前記カバー部材は、前記窪み部の前記一対の第1側面および前記第2側面に対応して配置される3つの側壁部を有し、
前記カバー部材の前記3つの側壁部は、それぞれ、前記一対の第1側面と前記第2側面とに沿って、前記窪み部に収納可能に構成されている、
表示装置。

(相違点)
「表示パネル」が、本願発明1においては、前記支持部材の「第1面」に配置されているのに対し、引用発明においては、「第1面」に配置されているものではなく、
「部材に形成される窪み部」が、本願発明1においては、「前記第1面とは異なる前記支持部材の第2面の一部に形成され」るのに対し、引用発明においては、筐体の背面に配置された背面筐体に形成されるものであって、「前記第1面とは異なる前記支持部材の第2面の一部に形成され」るものではない点

(2)相違点についての判断
本願発明1と引用発明との相違点は、表示パネルを支持する支持部材の構造の違いによるものであり、引用文献1をみても、引用発明において、表示パネルを支持する支持部材の第2面に直接窪み部を備えるようにする動機付けはなく、このような構成する理由が自明なこととも認められない。
したがって、当業者といえども、本願発明1は、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2?8について
本願発明2?8は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用するから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1-8について上記引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、平成29年5月17日付け補正により補正された請求項1-8に係る発明(本願発明1-8)は、上記のとおり、上記引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
当審では、請求項1の「支持部材」が何を支持するのか明確でなく、請求項1に係る発明は明確でないとの拒絶の理由を通知したが、平成29年5月17日付け補正において、「表示パネルを支持する支持部材」と補正された結果、「支持部材」が「表示パネルを支持する」ことが明確になり、この拒絶理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-8は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶する理由を発見しない。
よって、結論のように審決する。
 
審決日 2017-06-19 
出願番号 特願2011-234552(P2011-234552)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
P 1 8・ 537- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大室 秀明  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 冨田 高史
小池 正彦
発明の名称 表示装置  
代理人 宮園 博一  
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