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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B
管理番号 1329387
審判番号 不服2015-21526  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-03 
確定日 2017-07-04 
事件の表示 特願2013-530716「センサ・ガイドワイヤ」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月 5日国際公開、WO2012/041905、平成25年12月19日国内公表、特表2013-544543、請求項の数(23)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年9月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年9月29日、米国(US)、2010年9月29日、スウェーデン(SE))を国際出願日とする出願であって、平成26年11月28日付で拒絶理由が通知され、平成27年3月2日に手続補正がなされ、同年7月24日付けで拒絶査定がなされ、同年12月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に、手続補正書が提出されたもので、さらに、請求人の要請により、平成28年7月25日に面接審理を行ったものである。
その後当審において平成28年8月24日付けで拒絶理由(以下、「一回目当審拒絶理由」という。)が通知され、同年12月26日に手続補正がなされ、当審において平成29年2月1日付けで拒絶理由(以下、「二回目当審拒絶理由」という。)が通知され、同年5月1日に手続補正がなさたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成27年7月24日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1?23に係る発明は、以下の引用文献A、Bに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特表2002-538854号公報
B.特表2006-519062号公報

第3 当審拒絶理由の概要
1 一回目当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
本件出願の請求項1?19に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特表2006-519062号公報(原査定の引用文献B)


2 二回目当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

拒絶の理由1(特許法第36条第6項第2号違反について)
本件出願は、請求項1の記載に不備があるので、請求項1及び請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2?23の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

拒絶の理由2(特許法第36条第6項第1号違反について)
本件出願の、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえないので、請求項1及び請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2?23に係る発明は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本願請求項1?23に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明23」という。)は、平成29年5月1日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?23に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「 近位領域と、遠位センサ領域と、先端領域を有する、生体内における少なくとも1つの変数を血管内で測定するためのセンサ・ガイドワイヤであって、
前記遠位センサ領域に配置されたセンサ素子と、
長手軸を有し、主に前記先端領域に沿って延びる先端領域心線と、
前記先端領域に配置され、少なくとも部分的に前記先端領域心線を囲むコイルと、
半球状の遠位端を有する先端部と、を含むセンサ・ガイドワイヤにおいて、
前記先端領域心線の大部分は、前記長手軸に垂直な平面において円形断面を有し、
前記先端領域心線は、連続して一体に構成され遠位方向に向かって順に配置された近位部と、中間部と、遠位部を含み、
前記先端領域心線の前記遠位部は、前記先端領域心線の前記中間部の遠位端よりも大きな断面直径を有し、
前記先端領域心線の前記近位部は、前記先端領域心線の前記中間部の近位端よりも大きな断面直径を有し、
前記中間部の前記遠位端の直径は、前記中間部の前記近位端の直径よりも小さく、
前記中間部の直径が前記中間部の前記近位端から前記中間部の遠位端に向かって連続的に減少し、
前記先端領域心線の直径の最小部分は前記中間部の一点に位置し、
前記コイルの遠位端は、前記先端領域心線の前記遠位部の外周面に直接接触して固定され、前記コイルを前記先端領域心線に固定する遠位先端接合部を構成し、
前記先端領域心線の前記遠位部は、前記センサ・ガイドワイヤの長手軸に垂直であり前記先端部に直接接する平坦な端面を有することを特徴とするセンサ・ガイドワイヤ。」

第5 特許法第29条第2項違反について 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
一回目当審拒絶理由において引用した引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。
(1-ア)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル、ガイドワイヤ等の細長い医療用装置に関する。」

(1-イ)
「【0017】
図1乃至4を参照すると、コアワイヤ10と、該コアワイヤ10の先端部に連結された先端キャップ30と、コイルのようなその他の構造体とを含むガイドワイヤの例示的な一実施形態の構成が示されている。図1は、先端部12と基端部14とを有するガイドワイヤコアワイヤ10の先端部を示す。
【0018】
図示されるように、コアワイヤ10は基端側の一定の直径の部分16と、中間の一定の直径の部分20と、先端側の一定の直径の部分24とを有する。基端側テーパ部18は基端側の一定の直径の部分16及び中間の一定の直径の部分20に隣接する。中間テーパ部22は、中間の一定の直径の部分20及び先端側の一定の直径の部分24に隣接する。幾らかの実施形態において、一定の直径の領域24又はその一部は、横方向の可撓性を高めるためにリボンに形成されている。
【0019】
コアワイヤ10はまた、該コアワイヤ10の先端部12に配置されるとともに先端側テーパ部26に隣接する幅広直径部28を有し、該先端側テーパ部26は、該幅広直径部28と先端側の一定の直径の部分24との間に配置される。」

(1-ウ)
「【0037】
図2及び3は、コアワイヤ10の先端部12に嵌合するように適合及び構成された先端キャップ30の一実施形態を示す。図2は先端キャップ30の斜視図であり、図3は断面図である。先端キャップ30は基端部32と先端部34とを有する。先端部34は、先端キャップ30がコアワイヤ10に固定された場合、組織を傷つけないチップを提供するように構成され得る(以下に記載する)。幾らかの実施形態において、図示されるように、先端キャップ30の先端部34は半球状の形態を備え得る。」

(1-エ)
「【0047】
先端部48及び基端部50を有するコイル46が、該コイル46の先端部48がヒートシンク部28の一部と重なるように、配置されている。幾らかの実施形態において、コイル46の先端部48は中間点40に近接して配置され、よって、先端キャップ30の基端部32に近接して配置される。コイル46の基端部50は幾らかの実施形態においては基端側テーパ部18に近接して配置され得る。コイル46は、その基端部50が中間テーパ部22に近接しているか、又はガイドワイヤが、図示されたコイル46と、例えば該コイル46の周囲若しくは下方に配置される一つ以上の更なるコイルとの両方を含むように配置され得ることは当業者に理解されるであろう。」

(1-オ)
「【0054】
図4に示されるガイドワイヤ組立体52を形成するために、先端キャップ30及びコイル46は図示されたようにコアワイヤ10に近接して配置され得る。先端キャップ30及びコイル46は、例えば溶接、はんだ付け、ロウ付け、圧接、摩擦固定、接着剤による結合、機械的な連動等を含む任意の適切な様式にてコアワイヤ10に固定され得る。」

(1-カ)
図4



上記下線を付した事項を整理すると、上記引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。
「コアワイヤ10と、該コアワイヤ10の先端部に連結された先端キャップ30と、コイルのようなその他の構造体とを含むガイドワイヤであって
先端キャップ30の先端部34は半球状の形態を備え、
コアワイヤ10は基端側の一定の直径の部分16と、中間の一定の直径の部分20と、先端側の一定の直径の部分24とを有し、中間テーパ部22は、中間の一定の直径の部分20及び先端側の一定の直径の部分24に隣接し、
先端部48及び基端部50を有するコイル46が、該コイル46の先端部48が先端キャップ30の基端部32に近接して配置され、コイル46の基端部50は基端側テーパ部18に近接して配置され、
先端側テーパ部26は、幅広直径部28と先端側の一定の直径の部分24との間に配置され、
コイル46は、溶接、にてコアワイヤ10に固定された、
ガイドワイヤ」(以下、「引用発明」という。)

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、両者は次の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)
「近位領域と、先端領域を有する、血管内で使用するためのガイドワイヤであって、
長手軸を有し、主に前記先端領域に沿って延びる先端領域心線と、
前記先端領域に配置され、少なくとも部分的に前記先端領域心線を囲むコイルと、
半球状の遠位端を有する先端部と、を含むガイドワイヤにおいて、
前記先端領域心線の大部分は、前記長手軸に垂直な平面において円形断面を有し、
前記先端領域心線は、連続して一体に構成され遠位方向に向かって順に配置された近位部と、中間部と、遠位部を含み、
前記コイルの遠位端は、前記先端領域心線の前記遠位部の外周面に直接接触して固定され、前記コイルを前記先端領域心線に固定する遠位先端接合部を構成するセンサ・ガイドワイヤ。」

(相違点1)
本願発明1は、「遠位センサ領域」を有する「生体内における少なくとも1つの変数を測定するセンサ・ガイドワイヤ」であるのに対して、引用発明はそのような特定をしていない点。

(相違点2)
本願発明1は、「先端領域心線の遠位部は、前記先端領域心線の中間部の遠位端よりも大きな断面直径を有し、
前記先端領域心線の近位部は、前記先端領域心線の中間部の近位端よりも大きな断面直径を有し、
前記中間部の前記遠位端の直径は、前記中間部の前記近位端の直径よりも小さく、
前記中間部の直径が前記中間部の前記近位端から前記中間部の遠位端に向かって連続的に減少し、
前記先端領域心線の直径の最小部分は前記中間部の一点に位置」するのに対して、引用発明はそのような特定がされていない点。

(相違点3)
本願発明1は、「先端領域心線の前記遠位部は、ガイドワイヤの長手軸に垂直であり先端部に直接接する平坦な端面を有する」のに対して、引用発明はそのような構成を備えているか不明である点。

(2)相違点についての判断
上記相違点2について検討すると、「前記先端領域心線の前記遠位部は、前記先端領域心線の前記中間部の遠位端よりも大きな断面直径を有し、
前記先端領域心線の前記近位部は、前記先端領域心線の前記中間部の近位端よりも大きな断面直径を有し、
前記中間部の前記遠位端の直径は、前記中間部の前記近位端の直径よりも小さく、
前記中間部の直径が前記中間部の前記近位端から前記中間部の遠位端に向かって連続的に減少し、
前記先端領域心線の直径の最小部分は前記中間部の一点に位置」する構成は、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2?23について
本願発明2?23は、本願発明1を直接又は間接的に限定した発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定についての判断
「先端領域心線の遠位部は、前記先端領域心線の中間部の遠位端よりも大きな断面直径を有し、
前記先端領域心線の近位部は、前記先端領域心線の中間部の近位端よりも大きな断面直径を有し、
前記中間部の前記遠位端の直径は、前記中間部の前記近位端の直径よりも小さく、
前記中間部の直径が前記中間部の前記近位端から前記中間部の遠位端に向かって連続的に減少し、
前記先端領域心線の直径の最小部分は前記中間部の一点に位置」する構成は、原査定における引用文献A、Bには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1?23は、当業者であっても、原査定における引用文献A、Bに基づいて容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 二回目当審拒絶理由(特許法第36条第6項第1号と第2号)違反についての判断
平成29年5月1日付けの手続補正書による補正により、請求項1が補正され、請求項1?23は明確になった。また、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとなり、請求項1?23に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとなった。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-06-19 
出願番号 特願2013-530716(P2013-530716)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A61B)
P 1 8・ 121- WY (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 伊藤 幸仙  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 松岡 智也
信田 昌男
発明の名称 センサ・ガイドワイヤ  
代理人 野見山 孝  
代理人 中村 恵子  
代理人 遠藤 和光  
代理人 岩永 勇二  
代理人 平田 忠雄  
代理人 伊藤 浩行  
代理人 角田 賢二  

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