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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1329589
審判番号 不服2016-8088  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-01 
確定日 2017-06-22 
事件の表示 特願2012-116887「電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月 5日出願公開、特開2013-242803〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は,平成24年5月22日の出願であって,平成28年2月25日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年6月1日に拒絶査定に対する審判請求がなされたが,当審において同年11月29日付けで拒絶理由通知がなされ,これに対し,平成29年2月6日に意見書と手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項5に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成29年2月6日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項5に記載された,以下のとおりのものと認める。

「 触感を呈示するための第1圧電素子,および音を伝えるための第2圧電素子が配設されたパネルと,
前記第2圧電素子を駆動している間は前記第1圧電素子を駆動しないように制御する制御部と,
を備えることを特徴とする電子機器。」

3 引用発明
(1)引用例1
当審の拒絶理由に引用された国際公開第2011/051722号(以下,「引用例1」という。)には,「TOUCH SENSITIVE DEVICE」(当審仮訳:タッチセンシティブデバイス)に関し,図面とともに以下の事項が記載されている(注目箇所には当審が下線を付与した。以下,同様。)。

ア 「According to a first aspect of the invention, there is provided a touch sensitive device comprising a touch sensitive display member capable of supporting bending wave vibration and having a user accessible display surface,
an array of transducers coupled to the display member with the array of transducers comprising at least some transducers which are configured to both detect physical touching of the input surface by the user and to input impulses into the display member to produce a haptics sensation to the user in response to said detected touching of the display surface, and
a signal processor to receive signals from at least some of transducers in the array of transducers and adapted to analyse the signals to determine the location of the physical touch on the display surface.

At least some of the transducers in the array of transducers are thus reversible and are configured to both detect said physical touching and input said impulses. In other words, at least some of the transducers in the array of transducers to detect physical touching are common with at least some of the transducers in the array of transducers to input impulses.

The signal processor may comprise a neural network adapted to analyse the signals to provide high level user input.

The array of transducers may be configured to input impulses which localise the haptics sensation to the detected touch location. At least some of the array of transducers may be adapted to detect any of the group consisting of input surface deflection, input surface velocity, applied pressure, applied force, applied angle of touch, and the duration of any touch.

The signal processor may be configured to process the received signals to measure a transfer function of the input signal at each of the plurality of transducers, to infer an inverse transfer function from each measured transfer function and to generate output signals using the appropriate inverse transfer function to determine the touch location. , A transfer function measures the transfer of force applied at the test position to each transducer.

The display member may comprise an electronic display screen.

・・・(中略)・・・

The haptic sensation may provide the sensation of a button click to a user.
Alternatively, a complex haptic signal (in terms of produced displacement and/or acceleration) may be generated to provide additional information to the user. The haptic feedback signal may be associated with a user action or gesture etc. Alternatively, or additionally, the haptic signal may be associated with the response of the touch- sensitive surface in terms of display action or reaction.

The output (i.e. carrier wave) signal may be a sine wave at a single frequency.
Alternatively, the carrier wave signal may comprise multiple sine waves covering a range of frequencies or may be a swept (chirp), or may be an FM modulated sine wave or a band-limited noise signal, or the carrier may be modulated by band limited noise.

The touch- sensitive screen may be vibrated by applying a signal comprising multiple pulses or a stream of pulses. The vibration may include any type of vibration, including bending wave vibration, more specifically resonant bending wave vibration. The vibration exciter may comprise means for applying a bending wave vibration to the screen face. The vibration exciter may be electro-mechanical.

The exciter may be an electromagnetic exciter. Such exciters are well known in the art e.g. from WO97/09859, WO98/34320 and W099/13684, belonging to the applicant and incorporated herein by reference. Alternatively, the exciter may be a piezoelectric transducer, a magneto- strictive exciter or a bender or torsional transducer (e.g. of the type taught in WO 00/13464). The exciter may be a distributed mode actuator, as described in WOO 1/54450, incorporated herein by reference. A plurality of exciters (perhaps of different types) may be selected to operate in a co-ordinated fashion. The or each exciter may be inertial.

The touch surface may be a panel-form member which is a bending wave device, for example, a resonant bending wave device. The touch screen may also be a loudspeaker wherein a second vibration exciter excites vibration which produces an acoustic output. Alternatively, one of the exciters used to provide haptic feedback may also be used to provide an audio signal to drive the touch screen as a loudspeaker. For example, the touch screen may be a resonant bending wave mode loudspeaker as described in International Patent Application WO97/09842 which is incorporated by reference. 」(1頁30行?6頁2行)
(当審仮訳:
本発明の第一の側面に従って,タッチセンシティブデバイスが提案され,
本タッチセンシティブデバイスは,
屈曲波振動を支持することができ,かつ,ユーザが利用可能なディスプレイ面を有する,タッチセンシティブディスプレイ部材と,
前記ディスプレイ部材と接続するトランスデューサアレイであって,前記トランスデューサアレイは,少なくとも幾つかのトランスデューサを有し,それらのトランスデューサは,前記ユーザによる入力面の物理的タッチングを検出することと,前記ユーザへ触覚知覚を生成するため,検出されたディスプレイ面の該タッチングに応じて,インパルスを前記ディスプレイ部材に入力することとの両方を行う,トランスデューサアレイと,
前記トランスデューサアレイの少なくとも幾つかのトランスデューサから信号を受信し,前記ディスプレイ面上の物理的タッチングの位置を判定するため,前記信号を分析するように構成される,信号プロセッサと,
を含む。

トランスデューサアレイ内の少なくとも幾つかのトランスデューサは,故に,可逆であり,前記物理的タッチングを検出することと前記インパルスを入力することの両方を行うように構成される。換言すれば,物理的タッチング(フィジカルタッチング)を検出するためのトランスデューサアレイ内の少なくとも幾つかのトランスデューサは,インパルスを入力するためのトランスデューサアレイ内の少なくとも幾つかのトランスデューサと共通である。

信号プロセッサは,高レベルのユーザ入力を供給するため,前記信号を分析するよう適応されるニューラルネットワークを含んでもよい。

トランスデューサアレイは,検出されたタッチ場所に触覚知覚を位置づけるインパルスを入力するよう構成されてもよい。トランスデューサアレイのうち少なくとも幾つかは,入力面のたわみ,入力面の速度,印加圧力,印加力,印加タッチ角度,及び任意のタッチの期間を含むグループのうちどれかを検出するように構成されてもよい。

信号プロセッサは,複数のトランスデューサの内の各々で入力信号の伝達関数を測定するため,前記受信信号を処理し,各測定された伝達関数から逆伝達関数を推測し,そして,タッチ位置を判定するため,適当な逆伝達関数を使用して出力信号を生成してもよい。伝達関数は,テスト位置で印加された力の各トランスデューサへの伝達を測定する。

ディスプレイ部材は,電子ディスプレイスクリーンを含む。

・・・(中略)・・・

触覚知覚は,ボタンクリックの知覚をユーザに提供してもよい。又は,複合的な触覚信号(生成された変位及び/又は加速に関して)が,ユーザに追加的な情報を供給するために生成されてもよい。触覚フィードバック信号は,ユーザのアクション又はジェスチャー等と関連づけられてもよい。代替的に又は追加的に,触覚信号は,ディスプレイのアクション又はジェスチャーに関して,タッチセンシティブ面の応答と関連づけられてもよい。

出力(即ち,搬送波)信号は,単一周波数での正弦波でもよい。又は,搬送波信号は,周波数帯域をカバーする複数の正弦波でもよく,又は,掃引(チャープ)でもよく,又は,FM変調正弦波,又は,帯域制限のノイズ信号でもよく,又は,その搬送は,帯域制限ノイズで変調されてもよい。

タッチセンシティブなスクリーンは,複数のパルス又はパルスのストリームを有する信号を適用することにより振動してもよい。その振動は,如何なる振動を含んでもよく,屈曲波を含み,より詳しくは,共振屈曲波振動を含んでもよい。振動励振器は,屈曲波振動をスクリーン面に作動させる手段を含んでもよい。振動励振器は,電気機械的なものであってもよい。

励振器は,電気機械的励振器であってもよい。その励振器は,従来技術,例えば,本出願人に帰属し且つ本出願に援用されるWO97/09859,WO98/34320及びWO99/13684の従来技術から周知である。又は,励振器は,圧電トランスデューサ,磁歪励振器,又は屈曲若しくは(例えば,WO00/13464で教示の種類の)捩りトランスデューサでもよい。励振器は,分散モードのアクチュエータでもよく,それはWO01/54450において説明され,その内容は本願に援用される。複数の励振器(おそらく異なる種類の)が,共同で作動するよう選択されてもよい。その励振器又は各励振器は,慣性であってもよい。

タッチ面は,屈曲波デバイス,例えば,共振屈曲波デバイスのパネル構造部材でよい。タッチスクリーンは,スピーカであってもよく,そのスピーカの中には,第2の振動励振器が音声出力を生成する振動を励起する。又は,触覚フィードバックを供給するように使用される励振器の1つが,タッチスクリーンをスピーカとして駆動するため,音声信号を供給するように使用されてもよい。例えば,タッチスクリーンは,国際特許出願WO97/09842において説明される共振屈曲波モードのスピーカでもよく,その内容は本願に援用される。)

上記引用例1の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用例1には「タッチセンシティブデバイス」に関する以下の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されているものと認める。

「 タッチセンシティブデバイスであって,
屈曲波振動を支持することができ,かつ,ユーザが利用可能なディスプレイ面を有する,タッチセンシティブディスプレイ部材と,
前記ディスプレイ部材と接続するトランスデューサアレイであって,当該トランスデューサアレイは,少なくとも幾つかのトランスデューサを有し,それらのトランスデューサは,前記ユーザによる入力面の物理的タッチングを検出することと,前記ユーザへ触覚知覚を生成するため,検出されたディスプレイ面の該タッチングに応じて,インパルスを前記ディスプレイ部材に入力することとの両方を行う,トランスデューサアレイと,
前記トランスデューサアレイの少なくとも幾つかのトランスデューサから信号を受信し,前記ディスプレイ面上の物理的タッチングの位置を判定するため,前記信号を分析するように適応される,信号プロセッサと,
を含み,
タッチセンシティブなスクリーンは,複数のパルス又はパルスのストリームを有する信号を適用することにより振動してもよく,その振動は,如何なる振動を含んでもよく,屈曲波を含み,より詳しくは,共振屈曲波振動を含んでもよく,振動励振器は,屈曲波振動をスクリーン面に作動させる手段を含んでもよく,振動励振器は,電気機械的なものであってもよく,励振器は,圧電トランスデューサ,磁歪励振器,又は屈曲若しくは捩りトランスデューサでもよく,
タッチ面は,屈曲波デバイス,例えば,共振屈曲波デバイスのパネル構造部材でよく,タッチスクリーンは,スピーカであってもよく,そのスピーカの中には,第2の振動励振器が音声出力を生成する振動を励起する,
タッチセンシティブデバイス。」

(2)引用例2
同じく当審の拒絶理由に引用された特開2006-40005号公報(以下,「引用例2」という。)には,「振動付与機能付きタッチパネル入力装置および操作入力に対する振動付与方法」(発明の名称)に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。

ア 「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,振動付与機能付きタッチパネル入力装置および操作入力に対する振動付与方法に関し,特に,ユーザがタッチパネルを操作したときに振動を返すフォースフィードバック(FFB)機能を有する入力装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来,液晶ディスプレイの表面にパネル状の入力操作部を設けたタッチパネル入力装置が提供されている。また,タッチパネルの画面上に表示されたスイッチに操作者が触れたときに,バイブレータにより振動を与えてスイッチの位置や種類を操作者に知らせるようにした機能,いわゆるFFB機能を搭載したタッチパネル入力装置(以下,FFBタッチパネルと言う)も提供されている(例えば,特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8-221173号公報
【0003】
また,液晶画面の前面にある透明パネルをスピーカとして振動させることによって音声を発生させるようにした装置(以下,パネル式スピーカと言う)も提供されている。さらに,液晶画面に向かって発話したときに当該液晶画面の前面にある透明パネルに発生する振動を伝えることによって,マイクとして音声を入力するようにした装置(以下,パネル式マイクと言う)も提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のFFBタッチパネルとパネル式スピーカとを組み合わせた装置を構成する場合,タッチパネルを振動させてフォースフィードバックするとともに,タッチパネルを振動させて音声を発生させる仕組みとなる。ところが,この場合,タッチパネルを振動させてスピーカとして使用しているときに,タッチパネル上に表示されたスイッチを操作しても,スピーカとしての振動にFFBの振動が紛れてしまい,スイッチを操作したことに対応する振動を操作者にうまく伝えることができないという問題が生じる。」

イ 「【0020】
振動制御部14は,CPU1からの指示に従って,タッチパネル13を振動させるものである。本実施形態では,ユーザがタッチパネル13に触れたときにその応答としてタッチパネル13を振動させる操作入力モード(FFBモード)と,タッチパネル13をスピーカとして振動させることによって当該タッチパネル13から音声を発生させるスピーカモードとの2つのモードを有している。振動制御部14は,これら2つのモードにおいて,タッチパネル13を振動させるための制御を実行する。」

ウ 「【0028】
モード設定部24は,上述した操作入力モードとスピーカモードとの何れかにモードを設定する。操作入力モードでは,スピーカ制御部25による振動の発生は禁止され,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生のみが許可される。逆に,スピーカモードでは,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生は禁止され,スピーカ制御部25による振動の発生のみが許可される。」

上記引用例2の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用例2には「振動付与機能付きタッチパネル入力装置」に関する以下の技術的事項(以下,「引用例2記載の技術的事項」という。)が記載されているものと認める。

「FFBタッチパネルとパネル式スピーカとを組み合わせた装置において,操作入力モードとスピーカモードとの何れかにモードを設定し,操作入力モードでは,スピーカ制御部25による振動の発生は禁止され,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生のみが許可され,逆に,スピーカモードでは,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生は禁止され,スピーカ制御部25による振動の発生のみが許可されるよう制御すること。」

4 対比・判断
本願発明と引用発明1を対比すると,

a 引用発明1の「トランスデューサ」もしくは「振動励振器」は,「前記ユーザによる入力面の物理的タッチングを検出することと,前記ユーザへ触覚知覚を生成するため,検出されたディスプレイ面の該タッチングに応じて,インパルスを前記ディスプレイ部材に入力する」が,ここで「ユーザへ触覚知覚を生成する」ことは「触感を呈示する」ことといえる。
また,励振器として「圧電トランスデューサ」を用いることができるものである。
したがって,引用発明1は「触感を呈示するための圧電素子」を備えている。
一方,本願発明の「第1圧電素子」は,「パネル」を振動させることで「触感を呈示する」ものである。
そうすると,引用発明1は本願発明の「触感を呈示するための第1圧電素子」に相当する構成を備えている。
b 引用発明1の「第2の振動励振器」は「音声出力を生成する振動を励起する」ものであり,励振器として「圧電トランスデューサ」を用いることができるものであるから,引用発明1は「音を伝えるための圧電素子」を備えている。
一方,本願発明の「第2圧電素子」は,「パネル」を振動させることで「音を伝える」ものである。
そうすると,引用発明1は本願発明の「音を伝えるための第2圧電素子」に相当する構成を備えている。
c 引用発明1の「ディスプレイ部材(タッチセンシティブなスクリーン)」は,「トランスデューサアレイ」と接続して振動し「ユーザへ触覚知覚を生成」するとともに,「第2の振動励振器」が音声出力を生成する振動をこれに励起するものであるから,本願発明1の「パネル」に相当する。
d 引用発明1の「タッチセンシティブデバイス」が「電子機器」であることは明らかである。

以上をまとめると,結局,本願発明と引用発明1は,以下の点で一致ないし相違する。

(一致点)
「 触感を呈示するための第1圧電素子,および音を伝えるための第2圧電素子が配設されたパネル,
を備えることを特徴とする電子機器。」

(相違点)
本願発明は「前記第2圧電素子を駆動している間は前記第1圧電素子を駆動しないように制御する制御部」を備えるのに対し,引用発明1ではそのような制御を行うことは特定されていない点。

以下,相違点につき検討する。
引用発明1のタッチセンシティブデバイスは「(触覚知覚を生成する)振動励振器」と「(音声出力を生成する振動を励起する)第2の振動励振器」を備え,これらの励振器が同一の「パネル構造部材」を振動させるものである。
引用例1には,これらの励振器をどのように振動制御するかは記載されていないものの,引用例2には上述の通り「FFBタッチパネルとパネル式スピーカとを組み合わせた装置において,操作入力モードとスピーカモードとの何れかにモードを設定し,操作入力モードでは,スピーカ制御部25による振動の発生は禁止され,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生のみが許可され,逆に,スピーカモードでは,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生は禁止され,スピーカ制御部25による振動の発生のみが許可されるよう制御すること。」という引用例2記載の技術的事項が開示されており,引用例1,2はいずれもタッチセンシティブデバイスという同一の技術分野に属するものであるところ,引用発明1の「(触覚知覚を生成する)振動励振器」と「(音声出力を生成する振動を励起する)第2の振動励振器」とによる振動が紛れてしまうことがないようにするために,引用例2記載の技術的事項を採用するすることに格別の困難性はなく,また,そのようにした場合には「スピーカモードでは,タッチ制御部23による振動(FFB)の発生は禁止され,スピーカ制御部25による振動の発生のみが許可されるよう制御する」のであるから,本願発明のように「前記第2圧電素子を駆動している間は前記第1圧電素子を駆動しないように制御する制御部」を備えることとなる。
したがって,上記相違点に係る本願発明の構成は引用例2記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。

そして,本願発明の作用・効果も引用例1,2から当業者が予測し得る範囲のものである。

5 むすび
したがって,本願発明は,引用発明1及び引用例2に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-04-21 
結審通知日 2017-04-25 
審決日 2017-05-09 
出願番号 特願2012-116887(P2012-116887)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 慎一  
特許庁審判長 和田 志郎
特許庁審判官 山田 正文
新川 圭二
発明の名称 電子機器  
代理人 君塚 絵美  
代理人 太田 昌宏  
代理人 杉村 憲司  

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