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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H05K |
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管理番号 | 1329598 |
審判番号 | 不服2016-15066 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-10-06 |
確定日 | 2017-06-22 |
事件の表示 | 特願2015-189363「はんだ付けシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 4月 6日出願公開、特開2017- 69237〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成27年9月28日の出願であって、同年11月20日付けで拒絶理由が通知され、同年12月24日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、平成28年3月23日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年5月11日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年8月4日付けで、同年5月11日付けの手続補正は補正の却下の決定により却下されるとともに拒絶査定(発送日:同年8月9日)がされ、これに対し、同年10月6日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされたものである。 第2 平成28年10月6日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の結論] 平成28年10月6日付けの手続補正(以下「本件補正」という)を却下する。 [理由] 1 補正後の発明 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「はんだ付け室内の中央に設けられる搬送ロボットの設置部と、 前記搬送ロボットで搬送されるプリント基板にフラックス塗布するフラックス塗布装置と、 フラックス塗布された前記プリント基板を加熱するプリヒータと、 加熱された前記プリント基板にはんだ付けするはんだ付け装置と、 はんだ付けされた前記プリント基板の冷却装置と、 前記搬送ロボットに前記プリント基板を渡す搬入レールと、 前記搬送ロボットから前記プリント基板を受け取る搬出レールとを備え、 少なくとも前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記搬送ロボットの可動域内に配置され、 前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記はんだ付け室内に収容され、 前記設置部及び前記プリヒータを挟む位置に前記フラックス塗布装置と前記はんだ付け装置が配設され、 前記搬入レールと前記搬出レールは、前記はんだ付け室の同一の側方から前記はんだ付け室内に延びるように平行に設けられ、 前記冷却装置は、前記搬出レールの下に設けられるはんだ付けシステム。」 と補正された(下線は請求人が付与)。 本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、フラックス塗布装置、プリヒータ及びはんだ付け装置について「前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記はんだ付け室内に収容され」との限定、並びに搬入レール及び搬出レールについて「前記搬入レールと前記搬出レールは、前記はんだ付け室の同一の側方から前記はんだ付け室内に延びるように平行に設けられ」との限定(以下「限定事項」という)を付すものであり、かつ、補正後の請求項1に記載される発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2 引用文献及びその記載事項 (1) 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-271012号公報(以下「引用文献1」という)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0027】 【発明の実施の形態】本発明のはんだ付けシステムは、次のような実施形態例において実施することができる。なお、被はんだ付けワークは多数の電子部品を搭載したプリント配線板である。 (1)構成 図1および図2を参照して、本発明にかかるはんだ付けシステムの実施形態例を説明する。図1は、プリント配線板の搬送装置として工業用ロボットを使用したはんだ付けシステムの構成を示す平面図で、制御系はシンボル図で示してある。また、図2は、工業用ロボットおよびその搬送平面の仰角を調節する機構を説明するための図で、工業用ロボットを図1の右側から見た図である。」 イ 「【0030】この工業用ロボット3は基台11の上に固定されていて、この基台11の一端側11aが軸受け12に挿通された支軸13を中心として図2の矢印f方向に旋回することにより、工業用ロボット3のA軸4を矢印e方向に傾斜させることができるように構成してある。すなわち、軸受け13と対向する側の基台11の他端側11bには減速用のギア14aおよび回転エンコーダ14b(絶対値検出型)を備える仰角調節用のモータ14に駆動された送りねじ15が設けてあり、この機構により、工業用ロボット3のA軸4を矢印e方向に傾斜させる程度を調節する構成である。」 ウ 「【0031】そして、ローダ16に搬入されたプリント配線板1はハンドリング装置2に保持され、工業用ロボット3により噴霧式フラックス塗布装置18(フラックス塗布工程)→予備加熱装置19(予備加熱工程)→はんだ付け装置20(はんだ付け工程)の順に搬送し、一連のはんだ付け作業が終了した後にアンローダ17に搬出される。」 エ 上記「ウ」の記載及び【図1】の記載に照らすと、噴霧式フラックス塗布装置18、予備加熱装置19及びはんだ付け装置20は、工業用ロボット3の可動域内に配置されているといえる。 また、【図1】を参照すると、噴霧式フラックス塗布装置18、予備加熱装置19及びはんだ付け装置20の中央に工業用ロボット3の基台11があり、基台11及び予備加熱装置19を挟む位置に噴霧式フラックス塗布装置18とはんだ付け装置20が配設されていることが看取される。 上記の記載事項、認定事項及び図面の記載を総合すると、引用文献1には、本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると、「はんだ付けシステム」に関して、次の発明(以下「引用発明」という)が記載されている。 「噴霧式フラックス塗布装置18、予備加熱装置19及びはんだ付け装置20の中央に設けられる工業用ロボット3の基台11と、 前記工業用ロボット3で搬送されるプリント配線基板1にフラックス塗布する噴霧式フラックス塗布装置18と、 フラックス塗布された前記プリント配線基板1を加熱する予備加熱装置19と、 加熱された前記プリント配線基板1にはんだ付けするはんだ付け装置20と、 前記工業用ロボット3に前記プリント配線基板1を渡すローダ16と、 前記工業用ロボット3から前記プリント配線基板1を受け取るアンローダ17とを備え、 少なくとも前記噴霧式フラックス塗布装置18、前記予備加熱装置19及び前記はんだ付け装置20は、前記工業用ロボット3の可動域内に配置され、 前記基台11及び前記予備加熱装置19を挟む位置に前記噴霧式フラックス塗布装置18と前記はんだ付け装置20が配設される、 はんだ付けシステム。」 (2) 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特許第5279606号公報(以下「引用文献2」という)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0014】 [はんだ付け装置1の構成例] 図1に示すように、はんだ付け装置1は、第1の噴流はんだ槽(以下、噴流はんだ槽5という),第2の噴流はんだ槽(以下、噴流はんだ槽6という)、搬送部の一例である搬送ロボット8、遮蔽部材の一例である第1の保護シャッタ(以下、シャッタ11という)、第2の保護シャッタ(以下、シャッタ12という)、第3の保護シャッタ(以下、シャッタ13という)及び第4の保護シャッタ(以下、シャッタ14という)で構成される。はんだ付け装置1は、さらに、搬送レール部2、フラクサ部3、プリヒータ部4、冷却部7及び制御部9を備える。 【0015】 搬送レール部2は、各種電子部品が実装されたプリント基板を搬送する。搬送レール部2は、例えば、図示しない複数のプッシャを一定の間隔に設け、プリント基板を取り付けた搬送トレイを搬送方向に当該プッシャで押し当てて搬送する所謂タクト式のものである。また、搬送レール部2は、例えば、図示しない複数の搬送爪を一定の間隔で隣接させ、当該搬送爪によってプリント基板の端を挟持して搬送しても良い。 【0016】 搬送レール部2は、第1の搬送レール(以下、搬送レール2aという)及び第2の搬送レール(以下、搬送レール2bという)を有する。搬送レール2a及び搬送レール2bは互いに並行に設けられる。搬送レール2aは、プリント基板をはんだ付け装置1に搬入してフラクサ部3及びプリヒータ部4に搬送する。搬送レール2bは、プリント基板を冷却部7に搬送してはんだ付け装置1から搬出する。」 イ 「【0034】 まず、シャッタ11,12,13,14が開放されて噴流はんだ槽5,6が使用可能な場合について説明する。図3に示すように、プリント基板P1を搬送レール部2の搬送レール2aに搬入する。プリント基板P1は、搬送レール2aによってフラクサ部3に搬送される。フラクサ部3では、例えば、プリント基板に実装される電子部品がそれぞれ離れた箇所にある場合、フラクサ3aで所定の箇所にフラックスが塗布され、フラクサ3bで所定の箇所以外の箇所にフラックスが塗布される。このように、フラクサ3a,3bでフラックスを塗布する箇所をそれぞれ変えると、効率的にフラックスを塗布することができ、作業時間を短縮することができる。 【0035】 フラクサ部3でフラックスが塗布されたプリント基板P1は、搬送レール2aによってプリヒータ部4に搬送される。プリヒータ部4では、プリント基板P1に塗布されたフラックスを乾燥し、プリント基板P1を所定の温度まで加熱される。プリヒータ部4で所定の温度まで加熱されたプリント基板P1は、搬送ロボット8によって噴流はんだ槽5及び/又は噴流はんだ槽6に搬送される。 【0036】 噴流はんだ槽5,6によるはんだ付け処理は、例えば、噴流はんだ槽5によってプリント基板P1の所定の箇所にはんだを形成させ、そのプリント基板P1を搬送ロボット8によって噴流はんだ槽6に搬送させ、噴流はんだ槽6によってプリント基板P1の所定の箇所以外の箇所にはんだを形成させ、そのプリント基板P1を搬送ロボット8によって搬送レール2bに搬送させる。なお、はんだ付け処理は、噴流はんだ槽5によってプリント基板P1の所定の箇所にはんだを形成させ、そのプリント基板P1を搬送ロボット8によって搬送レール2bに搬送させても良い。 【0037】 噴流はんだ槽5,6ではんだ付け処理されたプリント基板P1は、搬送レール2bによって冷却部7に搬送される。冷却部7では、冷却ファン7a,7b,7cによってプリント基板P1が所定の温度まで冷却される。」 ウ 【図1】を参照すると、プリント基板をはんだ付け装置1に搬入する搬送レール2aと、プリント基板をはんだ付け装置1から搬出する搬送レール2bは、はんだ付け装置1の一方向(【図1】の下方)からはんだ付け装置1内に延びるように平行に設けられていることが看取される(以下「引用文献2に記載された事項の1」という)。 また、上記「イ」の段落【0037】及び【図1】の記載に照らすと、プリント基板の冷却部7の冷却ファン7a、7b、7cは、搬送レール2bの位置に設けられている(以下「引用文献2に記載された事項の2」という)。 3 対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「工業用ロボット3」は、本願補正発明の「搬送ロボット」に相当する。 以下、同様に「基台11」は、「設置部」に、 「プリント配線基板1」は、「プリント基板」に、 「噴霧式フラックス塗布装置18」は、「フラックス塗布装置」に、 「予備加熱装置19」は、「プリヒータ」に、 「はんだ付け装置20」は、「はんだ付け装置」に、それぞれ相当する。 引用発明の「ローダ16」と、本願補正発明の「搬入レール」とは、「搬入装置」である点で共通する。 また、引用発明の「アンローダ17」と、本願補正発明の「搬出レール」とは、「搬出装置」である点で共通する。 以上のことから、本願補正発明と引用発明とは次の点で一致する。 「中央に設けられる搬送ロボットの設置部と、 前記搬送ロボットで搬送されるプリント基板にフラックス塗布するフラックス塗布装置と、 フラックス塗布された前記プリント基板を加熱するプリヒータと、 加熱された前記プリント基板にはんだ付けするはんだ付け装置と、 前記搬送ロボットに前記プリント基板を渡す搬入装置と、 前記搬送ロボットから前記プリント基板を受け取る搬出装置とを備え、 少なくとも前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記搬送ロボットの可動域内に配置され、 前記設置部及び前記プリヒータを挟む位置に前記フラックス塗布装置と前記はんだ付け装置が配設される、 はんだ付けシステム。」 一方で、両者は次の点で相違する。 [相違点1] 本願補正発明では、搬送ロボットの設置部が「はんだ付け室内の中央に設けられ」、「前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記はんだ付け室内に収容され」ているのに対して、 引用発明では、工業用ロボット3の基台11は、噴霧式フラックス塗布装置18、予備加熱装置19及びはんだ付け装置20の中央に設けられてはいるものの、はんだ付け室があるか否かは明らかでない点。 [相違点2] 本願補正発明では、「はんだ付けされた前記プリント基板の冷却装置」を備え、搬入装置及び搬出装置が、それぞれ「搬入レール」及び「搬出レール」であり、「前記搬入レールと前記搬出レールは、前記はんだ付け室の同一の側方から前記はんだ付け室内に延びるように平行に設けられ、前記冷却装置は、前記搬出レールの下に設けられる」のに対して、 引用発明では、冷却装置を備えているかどうか明らかでなく、搬入装置及び搬出装置が、それぞれローダ16及びアンローダ17である点。 4 判断 上記相違点について検討する。 [相違点1]について フラックス塗布装置、プリヒータ及びはんだ付け装置を備えるはんだ付けシステムを一つの室内に収容することは、例えば特開平5-50225号公報(特に、【図7】の機枠3を参照)、特開平9-199844号公報(特に、【図2】を参照)、特開2003-17846号公報(特に、【図1】及び【図2】を参照)、及び特開2000-236164号公報(特に、【図1】及び【図2】の筐体1を参照)に記載されているように、本願出願前に慣用技術である。 そして、引用発明において、上記慣用技術に倣って、噴霧式フラックス塗布装置18、予備加熱装置19及びはんだ付け装置20を一つの室内に収容すると、「前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記はんだ付け室内に収容され」るとともに、搬送ロボットの設置部が、「はんだ付け室内の中央に設けられ」ることとなる。 そうすると、引用発明において相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、上記慣用技術から、当業者が容易に想到し得たことである。 [相違点2]について 引用文献2に記載された事項の1の、「プリント基板をはんだ付け装置1に搬入する搬送レール2a」及び「プリント基板をはんだ付け装置1から搬出する搬送レール2b」は、本願補正発明の「搬入レール」及び「搬出レール」にそれぞれ相当する。 また、引用文献2に記載された事項の1の「はんだ付け装置1」は、その内部にフラックスを塗布するフラクサ部3(フラックス塗布装置)、プリヒータ部4(プリヒータ)及び噴流はんだ槽5、6(はんだ付け装置)を備えているという限りにおいて、本願補正発明の「はんだ付け室」に相当する。 したがって、引用文献2に記載された事項の1には、搬入レールと搬出レールは、はんだ付け室の同一の側方からはんだ付け室内に延びるように平行に設けられることが記載されているといえる。 また、はんだ付け装置では、通常は、基板の下面がはんだ付けされ、該はんだ付けされた基板の下面を冷却するから、引用文献2に記載された事項の2において、プリント基板の冷却部7の冷却ファン7a、7b、7cは、搬送レールの下に設けられていると解される。 ここで、引用文献2に記載された事項の2の「プリント基板の冷却部7の冷却ファン7a、7b、7c」及び「搬送レール2b」は、本願補正発明の「はんだ付けされたプリント基板の冷却装置」及び「搬出レール」にそれぞれ相当する。 したがって、引用文献2に記載された事項の2には、はんだ付けされたプリント基板の冷却装置を搬出レールの下に設けることが記載されているといえる。 引用発明と引用文献2に記載された事項の1及び2は、フラックス塗布装置、プリヒータ及びはんだ付け装置を備えるはんだ付けシステムという同じ技術分野に属する技術であり、プリント基板をはんだ付けシステムに搬入及び搬出するという共通の作用、機能を有するものである。 そうすると、引用発明において、その搬入装置及び搬出装置として、搬入レール及び搬出レールを用い、搬入レールと搬出レールは、はんだ付け室の同一の側方からはんだ付け室内に延びるように平行に設けるとともに、はんだ付けされたプリント基板の冷却装置を搬出レールの下に設けることにより、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、引用文献2に記載された事項の1及び2から、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本願補正発明が奏する作用効果は、引用発明、引用文献2に記載された事項の1及び2、並びに慣用技術からから当業者であれば予測できる程度のものであって、格別のものとはいえない。 以上のことから、本願補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項の1及び2、並びに慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 5 小括 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成28年10月6日付けの手続補正は上記のとおり却下された(なお、平成28年5月11日付けの手続補正は、平成28年8月4日付けで決定をもって却下されている。)ので、本願の請求項1?5に係る発明は、平成27年12月24日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、次のとおりである。 「はんだ付け室内の中央に設けられる搬送ロボットの設置部と、 前記搬送ロボットで搬送されるプリント基板にフラックス塗布するフラックス塗布装置と、 フラックス塗布された前記プリント基板を加熱するプリヒータと、 加熱された前記プリント基板にはんだ付けするはんだ付け装置と、 はんだ付けされた前記プリント基板の冷却装置と、 前記搬送ロボットに前記プリント基板を渡す搬入レールと、 前記搬送ロボットから前記プリント基板を受け取る搬出レールとを備え、 少なくとも前記フラックス塗布装置、前記プリヒータ及び前記はんだ付け装置は、前記搬送ロボットの可動域内に配置され、 前記冷却装置は、前記搬出レールの下に設けられ、 前記設置部及び前記プリヒータを挟む位置に前記フラックス塗布装置と前記はんだ付け装置が配設されるはんだ付けシステム。」 2 引用文献及びその記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献、その記載事項及び引用発明は、前記「第2 2」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記「第2」で検討した本願補正発明から、前記限定事項を省いたものに相当する。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに前記限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 3及び4」に記載したとおり、引用発明、引用文献2に記載された事項の1及び2、並びに慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 小括 したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項の1及び2、並びに慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-04-12 |
結審通知日 | 2017-04-18 |
審決日 | 2017-05-08 |
出願番号 | 特願2015-189363(P2015-189363) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H05K)
P 1 8・ 575- Z (H05K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中島 昭浩 |
特許庁審判長 |
中村 達之 |
特許庁審判官 |
小関 峰夫 中川 隆司 |
発明の名称 | はんだ付けシステム |
代理人 | 特許業務法人山口国際特許事務所 |