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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1329647
審判番号 不服2016-12931  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-26 
確定日 2017-07-18 
事件の表示 特願2011-163357「試験測定機器及びその動作方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月 1日出願公開、特開2012- 42459、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
特許出願: 平成23年7月26日
(パリ条約による優先権主張2010年8月13日、米国)
拒絶査定: 平成28年4月20日(送達日:同年同月26日)
拒絶査定不服審判の請求: 平成28年8月26日
手続補正: 平成28年8月26日


第2 原査定の概要
原査定(平成28年4月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-2に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2009-186323号公報


第3 本願発明
本願請求項1-2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明2」という。)は、平成28年8月26日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-2に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
第1及び第2入力信号をそれぞれ受ける第1及び第2入力ポートと、
該第1及び第2入力ポートに結合され、上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2入力信号をそれぞれデジタル化して得られる第1及び第2時間領域データをそれぞれフーリエ変換し、第1及び第2周波数領域データとして取り込む取込み手段と、
上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2周波数領域データに対して互いに独立した周波数スパン制御を行えるユーザ・インタフェースと、
上記周波数スパン制御に応じて、第1入力ポートに関連した第1周波数スパンと、第2入力ポートに関連した第2周波数スパンが異なる場合に、上記取込み手段における上記第1及び第2時間領域データそれぞれのサンプル・レートを調整する制御器と
を具えた試験測定機器。
【請求項2】
入力信号をデジタル化した時間領域データをフーリエ変換することによって、周波数領域データを生成する試験測定機器の動作方法であって、
第1信号の取込みに関連した第1周波数スパン制御信号をユーザ・インタフェースから受ける処理と、
第2信号の取込みに関連した第2周波数スパン制御信号を上記ユーザ・インタフェースから受ける処理と、
上記第1及び第2周波数スパン制御信号に応じて、上記第1信号に関連した第1周波数スパンと上記第2信号に関連した第2周波数スパンとが異なる場合に、取込み手段における上記第1及び第2信号それぞれに関連する第1及び第2サンプル・レートを互いに独立して調整する処理と
を具える試験測定機器の動作方法。」


第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審による。以下同様。)

「【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態の周波数特性測定装置としてのスペクトラムアナライザについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、一実施形態のスペクトラムアナライザの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態のスペクトラムアナライザ10は、ミキサ110、130、210、局部発振器112、212、IF部(中間周波処理部)120、220、発振器132、掃引制御部300、トリガ発生部310、CPU400、表示部410、操作部420を含んで構成されている。
【0015】
本実施形態のスペクトラムアナライザ10は、被測定信号が入力される2つの入力端子IN1、IN2とトラッキングジェネレータ出力端子TG OUTとを備え、2つの入力端子IN1、IN2に入力される2つの被測定信号fin1、fin2の周波数特性を同時に測定し、測定結果としてのスペクトラムを表示する。
【0016】
一方の入力端子IN1から入力される被測定信号fin1の周波数特性を測定するために、ミキサ110、局部発振器112、IF部(中間周波処理部)120が備わっている。ミキサ110は、一方の入力端子IN1から入力された被測定信号fin1と、局部発振器112から出力される局部発振信号fOSC1とが入力されており、これらの被測定信号fin1と局部発振信号fOSC1とを混合した信号を出力する。局部発振器112は、発振周波数が所定範囲で掃引可能な局部発振信号fOSC1を出力する。
【0017】
IF部120は、ミキサ110の出力信号に対してアナログおよびデジタルの信号処理を行って周波数特性を行うものであり、中間周波フィルタ122、ADC(アナログ-デジタル変換器)124、DSP(デジタル信号プロセッサ)126を含んでいる。中間周波フィルタ122は、ミキサ110の出力信号から所定の中間周波数成分(中間周波信号)のみを通過させる帯域通過フィルタである。ADC124は、中間周波フィルタ122から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換する。DSP126は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行うことにより、この中間周波信号の特性値(例えば信号レベルやビットエラー率など)を測定する。具体的には、DSP126によって、中間周波信号に対する検波処理やイメージ除去処理などが行われる。
【0018】
同様に、他方の入力端子IN2から入力される被測定信号fin2の周波数特性を測定するために、ミキサ210、局部発振器212、IF部220が備わっている。ミキサ210は、他方の入力端子IN2から入力された被測定信号fin2と、局部発振器212から出力される局部発振信号fOSC2とが入力されており、これらの被測定信号fin2と局部発振信号fOSC2とを混合した信号を出力する。局部発振器212は、発振周波数が所定範囲で掃引可能な局部発振信号fOSC2を出力する。
【0019】
IF部220は、ミキサ210の出力信号に対してアナログおよびデジタルの信号処理を行って周波数特性を行うものであり、中間周波フィルタ222、ADC224、DSP226を含んでいる。中間周波フィルタ222は、ミキサ210の出力信号から所定の中間周波数成分(中間周波信号)のみを通過させる帯域通過フィルタである。ADC224は、中間周波フィルタ222から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換する。DSP226は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行うことにより、この中間周波信号の特性値を測定する。具体的には、DSP226によって、中間周波信号に対する検波処理やイメージ除去処理などが行われる。」

「【0023】
CPU400は、スペクトラムアナライザ10の全体を制御するとともに、IF部120、220から出力される2つの測定結果(特性値)を表示部410に同時に表示したり、操作部420を用いた利用者の指示に応じて測定条件を設定する処理を行う。操作部420は、利用者によって操作される複数のスイッチや操作ボリューム等を備えている。これらを操作することにより、測定条件の設定や測定開始、終了等の指示が利用者によって行われる。」

「【0027】
図3は、本実施形態のスペクトラムアナライザ10の動作手順を示す流れ図である。利用者の指示内容に応じた測定条件の設定が行われた後(ステップ100)、CPU400は、測定開始が指示されたか否かを判定する(ステップ101)。本実施形態ではDUT500(ダウンコンバータ)の周波数特性を測定するために、利用者は、ステップ100において、一方の入力端子IN1に対応する周波数掃引範囲に対し、掃引幅が同じであって全体の周波数がΔFだけ低周波側にシフトした周波数掃引範囲を、他方の入力端子IN2に対応する周波数掃引範囲として設定する必要がある。測定開始が指示されない場合にはステップ101の判定において否定判断が行われ、この判定が繰り返される。」

「【0031】
図4は、本実施形態のスペクトラムアナライザ10の表示例を示す図であり、2つの測定結果を表示画面内に並べて表示した場合が示されている。図4に示すように、表示部410の表示画面には、2つの表示領域A、Bが含まれている。一方の表示領域Aは、一方のIF部120を用いた測定結果(DUT500に入力されるTG信号の周波数特性)を表示するためのものであり、周波数範囲f11?f12の周波数スペクトラムが表示されている。また、他方の表示領域Bは、他方のIF部220を用いた測定結果(DUT500の出力信号の周波数特性)を表示するためのものであり、表示領域Aの周波数範囲f11?f12に対して全体的にΔFだけ低周波側にシフトした周波数範囲f21?f22(f11-ΔF=f21、f12-ΔF=f22)の周波数スペクトラムが表示されている。
【0032】
このように、本実施形態のスペクトラムアナライザ10では、周波数範囲を別々に設定可能な2つの測定手段を備えることにより、一方の測定手段に連動するトラッキングジェネレータ部に接続された周波数コンバータ等のDUT500の出力信号を他方の測定手段に入力してその周波数特性を測定することが可能になる。また、トラッキングジェネレータ部自体は一般の構成をそのまま用いることができるため、構成を簡略化することができる。入力信号IN1と出力端子TG OUTを直結するだけで、DUT500の入力信号と出力信号のそれぞれの周波数特性を同時に測定することが可能になる。また、DUT500の入力信号と出力信号の各周波数特性を同時に測定してその結果を並べて表示することにより、各周波数特性の比較が容易となる。」

したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。(引用文献1の対応する段落番号を括弧書きで示す。)

「2つの被測定信号fin1、fin2が入力される2つの入力端子IN1、IN2と、(【0015】)
一方の入力端子IN1から入力される被測定信号fin1の周波数特性を測定するためのIF部(中間周波処理部)120であって(【0016】)、ADC(アナログ-デジタル変換器)124、DSP(デジタル信号プロセッサ)126を含み、ADC124は、中間周波フィルタ122から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換し、DSP126は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行う、IF部120と、(【0017】)
他方の入力端子IN2から入力される被測定信号fin2の周波数特性を測定するためのIF部220であって(【0018】)、ADC224、DSP226を含み、ADC224は、中間周波フィルタ222から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換し、DSP226は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行う、IF部220と、(【0019】)
操作部420を用いた利用者の指示に応じて測定条件を設定する処理を行うCPU400と(【0023】)、を備えるスペクトラムアナライザ10であって、(【0015】)
周波数範囲を別々に設定可能な2つの測定手段を備え(【0032】)、利用者は、一方の入力端子IN1に対応する周波数掃引範囲に対し、掃引幅が同じであって全体の周波数がΔFだけ低周波側にシフトした周波数掃引範囲を、他方の入力端子IN2に対応する周波数掃引範囲として設定し(【0027】)、周波数スペクトラムが表示される(【0031】)、
スペクトラムアナライザ10。」


第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
まず、引用発明における「被測定信号fin1」、「被測定信号fin2」、「入力端子IN1」及び「入力端子IN2」は、それぞれ本願発明1の「第1入力信号」、「第2入力信号」、「第1入力ポート」及び「第2入力ポート」に相当するから、引用発明の「2つの被測定信号fin1、fin2が入力される2つの入力端子IN1、IN2」は、本願発明1の「第1及び第2入力信号をそれぞれ受ける第1及び第2入力ポート」に相当するといえる。
次に、引用発明の「IF部120」は、「一方の入力端子IN1から入力される被測定信号fin1の周波数特性を測定するため」のものであるから、「被測定信号fin1」が入力される「一方の入力端子IN1」に結合されているといえる。また、引用発明においては、「周波数スペクトラムが表示され」ており、「周波数領域データ」としての取り込みが行われていることは明らかであるから、引用発明の「ADC(アナログ-デジタル変換器)124、DSP(デジタル信号プロセッサ)126を含み、ADC124は、中間周波フィルタ122から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換し、DSP126は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行う、IF部120」と、本願発明1の「上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2入力信号をそれぞれデジタル化して得られる第1及び第2時間領域データをそれぞれフーリエ変換し、第1及び第2周波数領域データとして取り込む取込み手段」とは、共に「上記第1入力ポートからの上記第1入力信号をデジタル化して得られる第1時間領域データを信号処理し、第1周波数領域データとして取り込む取込み手段」である点で共通する。また、引用発明の「IF部220」に関しても同様であるから、引用発明の「一方の入力端子IN1から入力される被測定信号fin1の周波数特性を測定するためのIF部(中間周波処理部)120であって、ADC(アナログ-デジタル変換器)124、DSP(デジタル信号プロセッサ)126を含み、ADC124は、中間周波フィルタ122から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換し、DSP126は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行う、IF部120と、他方の入力端子IN2から入力される被測定信号fin2の周波数特性を測定するためのIF部220であって、ADC224、DSP226を含み、ADC224は、中間周波フィルタ222から出力される中間周波信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換し、DSP226は、デジタルデータに変換された中間周波信号に対して各種の信号処理を行う、IF部220」と、本願発明1の「該第1及び第2入力ポートに結合され、上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2入力信号をそれぞれデジタル化して得られる第1及び第2時間領域データをそれぞれフーリエ変換し、第1及び第2周波数領域データとして取り込む取込み手段」とは、共に「該第1及び第2入力ポートに結合され、上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2入力信号をそれぞれデジタル化して得られる第1及び第2時間領域データをそれぞれ信号処理し、第1及び第2周波数領域データとして取り込む取込み手段」である点で共通するといえる。
また、引用発明の「操作部420」は、「CPU400」が、これを「用いた利用者の指示に応じて測定条件を設定する処理を行う」ものであって、「周波数範囲を別々に設定可能」とされているものであるから、本願発明1の「上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2周波数領域データに対して互いに独立した周波数スパン制御を行えるユーザ・インタフェース」とは、共に「上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2周波数領域データに対して制御を行えるユーザ・インタフェース」である点で共通し、引用発明の「CPU400」と、本願発明1の「上記周波数スパン制御に応じて、第1入力ポートに関連した第1周波数スパンと、第2入力ポートに関連した第2周波数スパンが異なる場合に、上記取込み手段における上記第1及び第2時間領域データそれぞれのサンプル・レートを調整する制御器」とは、共に「制御器」である点で共通するといえる。
そして、引用発明の「スペクトラムアナライザ10」は、以下の相違点を除き、本願発明1の「試験測定機器」に相当する。
してみると、両者の一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(一致点)
「第1及び第2入力信号をそれぞれ受ける第1及び第2入力ポートと、
該第1及び第2入力ポートに結合され、上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2入力信号をそれぞれデジタル化して得られる第1及び第2時間領域データをそれぞれ信号処理し、第1及び第2周波数領域データとして取り込む取込み手段と、
上記第1及び第2入力ポートからの上記第1及び第2周波数領域データに対して制御を行えるユーザ・インタフェースと、
制御器と
を具えた試験測定機器。」

(相違点)
相違点1:本願発明1は、「取込み手段」が「第1及び第2時間領域データをそれぞれフーリエ変換」するのに対し、引用発明においては、そのような信号処理は行われていない点。

相違点2:本願発明1は、「ユーザ・インタフェース」が「第1及び第2周波数領域データに対して互いに独立した周波数スパン制御を行える」のに対し、引用発明においては「周波数範囲を別々に設定可能」とはされているものの、その具体的な内容として示されているものは、「一方の入力端子IN1に対応する周波数掃引範囲に対し、掃引幅が同じであって全体の周波数がΔFだけ低周波側にシフトした周波数掃引範囲を、他方の入力端子IN2に対応する周波数掃引範囲として設定」するというものであって、「互いに独立した周波数スパン制御」を行えるものではない点。

相違点3:本願発明1においては「制御器」が「周波数スパン制御に応じて、第1入力ポートに関連した第1周波数スパンと、第2入力ポートに関連した第2周波数スパンが異なる場合に、上記取込み手段における上記第1及び第2時間領域データそれぞれのサンプル・レートを調整する」とされているのに対し、引用発明の「CPU400」は、そのような調整制御は行っていない点。

(2)相違点についての判断
本願発明1の技術内容に鑑みて、上記相違点2,3について併せて検討する。
相違点3に係る本願発明1の「周波数スパン制御に応じて、第1入力ポートに関連した第1周波数スパンと、第2入力ポートに関連した第2周波数スパンが異なる場合に、上記取込み手段における上記第1及び第2時間領域データそれぞれのサンプル・レートを調整する」という構成は、引用文献1に記載も示唆もされていない。
ここで、仮に上記構成が周知技術であるとしても、上記相違点2に示したとおり、引用発明は「一方の入力端子IN1に対応する周波数掃引範囲に対し、掃引幅が同じであって全体の周波数がΔFだけ低周波側にシフトした周波数掃引範囲を、他方の入力端子IN2に対応する周波数掃引範囲として設定」するものであって、「互いに独立した周波数スパン制御」を行えるものではないから、引用発明に該周知技術を適用する動機を見いだすことはできない。したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2について
本願発明2は、本願発明1に対応する試験測定機器の動作方法の発明であり、本願発明1の「ユーザ・インタフェース」が「第1及び第2周波数領域データに対して互いに独立した周波数スパン制御を行える」、及び「周波数スパン制御に応じて、第1入力ポートに関連した第1周波数スパンと、第2入力ポートに関連した第2周波数スパンが異なる場合に、上記取込み手段における上記第1及び第2時間領域データそれぞれのサンプル・レートを調整する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-2は「ユーザ・インタフェース」が「第1及び第2周波数領域データに対して互いに独立した周波数スパン制御を行える」、及び「周波数スパン制御に応じて、第1入力ポートに関連した第1周波数スパンと、第2入力ポートに関連した第2周波数スパンが異なる場合に、上記取込み手段における上記第1及び第2時間領域データそれぞれのサンプル・レートを調整する」という事項、もしくはそれに対応する事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。


第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-07-03 
出願番号 特願2011-163357(P2011-163357)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 續山 浩二  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 須原 宏光
中塚 直樹
発明の名称 試験測定機器及びその動作方法  
代理人 特許業務法人山口国際特許事務所  

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