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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01T
管理番号 1329737
審判番号 不服2016-18428  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-12-08 
確定日 2017-07-18 
事件の表示 特願2012-258662「プラズマ点火プラグ及び内燃機関」拒絶査定不服審判事件〔平成26年6月9日出願公開、特開2014-107096、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年11月27日の出願であって、平成27年10月30日付けで拒絶理由通知がされ、平成27年12月7日に意見書が提出され、平成28年5月9日付けで拒絶理由通知がされ、平成28年6月2日に意見書が提出されたが、平成28年9月23日付け(発送日:平成28年10月4日)で拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成28年12月8日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成28年9月23日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-6に係る発明は、以下の引用文献1-4に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.国際公開第2012/032846号
2.特開2008-112608号公報
3.実願昭51-87140号(実開昭53-5629号)のマイクロフィルム
4.特開2010-3605号公報

第3 本願発明
本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設される中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
自身の基端部が前記主体金具の先端部に固定され、自身の先端部と前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
前記間隙に対する電力の供給により、前記間隙にてプラズマを発生させるプラズマ点火プラグであって、
前記接地電極の側面には、溝部が設けられており、
前記軸線及び前記接地電極の中心軸と平行な平面に対して、前記軸線と直交する方向に沿って前記間隙を含む前記両電極に挟まれた間隙領域と前記溝部とを投影したとき、前記溝部の投影部分は前記間隙領域の投影部分に向けて延びており、前記溝部の投影部分を通る直線と、前記軸線に直交する直線とのなす角のうち鋭角の角度αが20°以下であることを特徴とするプラズマ点火プラグ。」

なお、本願発明2-6は、本願発明1を直接的又は間接的に引用することにより、本願発明1の発明特定事項のすべてを発明特定事項として含む発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面(特に[図2]及び[図10]参照。)とともに次の事項が記載されている。

(1)「[0010] 構成1.本構成の点火システムは、点火プラグと、
前記点火プラグに火花放電を発生させるための電圧の印加を行う放電用電源と、
前記火花放電により生じた火花に交流電力を供給する交流電源と
を具備する点火システムであって、
前記点火プラグは、
軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔内に配設され、先端が前記絶縁体の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する電極と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記主体金具の先端部に固定され、前記電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
前記放電用電源からの電圧と前記交流電源からの交流電力とが前記電極を通して前記間隙に供給され、前記放電用電源からの電圧により前記間隙において生じた火花に、前記交流電源からの交流電力が投入されることを特徴とする。」

(2)「[0066] 点火プラグ1は、図2に示すように、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。尚、図2では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。」

(3)「[0068]
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4には電極8が挿入、固定されている。電極8は、軸孔4の先端側に設けられた中心電極5と、軸孔4の後端側に設けられた端子電極6と、両電極5,6の間に設けられたガラスシール部7とを備えている。」

(4)「[0075] また、主体金具3の先端部26には、Niを主成分とする合金により形成され、略中間部分にて曲げ返された接地電極27が接合されている。接地電極27は、その先端側側面が電極8(中心電極5)の先端部と対向しており、電極8の先端部と接地電極27との間には、間隙としての火花放電間隙28が形成されている。尚、本実施形態において、接地電極27は、自身の長手方向に沿って同一の幅を有するように構成されている。
[0076] 本実施形態では、放電用電源32からの電圧と交流電源33からの交流電力とが電極8を通して火花放電間隙28に供給され、放電用電源32からの電圧により火花放電間隙28において生じた火花に、交流電源33からの交流電力が投入されることでプラズマを発生させるように構成されている。すなわち、電極8を共通の伝送路として放電用電源32からの電圧と交流電源33からの交流電力とが火花放電間隙28に供給され、その結果、火花放電間隙28で生じた火花に対して、交流電力が直接投入されるように構成されている。」

(5)「[0112] また、接地電極27のうち、軸線CL1方向において火花放電間隙28に対応する間隙対応部27Aの最小幅W_(MIN)が3.0mm以下とされている。加えて、軸線CL1に沿った、主体金具3の先端に対する接地電極27の突出長GLが10mm以下とされている。」

(6)「[0116] さらに、接地電極27のうち火花放電間隙28に対応する間隙対応部28Aの最小幅W_(MIN)が3.0mm以下とされており、火花放電間隙28に対して気流を流れ込みやすくすることができる。その結果、気流に乗せてプラズマをより大きく成長させることができ、着火性をさらに向上させることができる。」

(7)記載事項(4)の「また、主体金具3の先端部26には、Niを主成分とする合金により形成され、略中間部分にて曲げ返された接地電極27が接合されている。接地電極27は、その先端側側面が電極8(中心電極5)の先端部と対向しており、電極8の先端部と接地電極27との間には、間隙としての火花放電間隙28が形成されている。」(段落[0075])との記載に照らせば、[図2]からは、接地電極27の先端と反対側の端が、主体金具3の先端部26に固定されている状態が見て取れる。

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「軸線方向に延びる軸孔4を有する筒状の絶縁碍子2と、
前記軸孔4の先端側に挿入、固定される中心電極5と、
前記絶縁碍子2の外周に配置された筒状の主体金具3と、
自身の先端と反対側の端が前記主体金具3の先端部26に固定され、自身の先端側側面と前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙28を形成する接地電極27とを備え、
前記間隙に対する交流電力の供給により、前記火花放電間隙28にてプラズマを発生させる点火プラグ1であって、
接地電極27は、自身の長手方向に沿って同一の幅を有し、間隙対応部27Aの最小幅W_(MIN)が3.0mm以下とされた点火プラグ1。」

2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面(特に【図2】及び【図6】参照。)とともに次の事項が記載されている。

(1)「【0025】
次に図2により本発明の要部を説明する。図2(a)は図2(b)の左側面図、図2(b)は本発明の要部でスパークプラグの発火部の拡大断面図である。
【0026】
接地電極4における中心電極3の先端3aと対向する先端部位W1は、その幅面4aが中心電極3の先端3aと対向する対面状態に配置され幅L1方向はハウジング1の径方向に配置されている。また、先端部位W1の肉厚面4bの肉厚方向は中心電極3の軸線X方向に沿っており、幅面4aと肉厚面4bは直交面である。そして幅面4aの幅L1は2.6mm、肉厚面4bの肉厚L2は1.3mmで、幅面4aの幅L1は肉厚面4bの肉厚L2より長くなっており、幅L1に対する肉厚L2の比(L2/L1)は0.5となっている。
【0027】
先端部位W1と一体的に接続し絶縁碍子2の先端2bから中心電極3の先端3aまでの長さW2に対応した中間部位W2は、その肉厚面4cの肉厚L3を幅面4dの幅L4より小さく設定しており、肉厚面4cの肉厚方向L3は図示するようにハウジング1の先端1cの外周接線方向に配置され、幅面4dの幅方向L4はハウジング1の中心方向(中心電極3方向)に配置されている。また、肉厚面4cと幅面4dは互いに直交している。
【0028】
中間部位W2における幅L4に対する肉厚L3の比(L3/L4)は0.3?0.7に設定されている。好ましくは、比(L3/L4)は0.5(幅L4:2.6mm、肉厚L3:1.3mm)がよい。比(L3/L4)が0.3未満の場合は肉厚L3が相対的に薄く機械強度が弱く耐酸化性が劣り、0.7を超えると混合気流Yを阻害する。また、中間部位W2における肉厚面4cの肉厚L3は、1.0?1.8mmに設定されており、好ましくは1.3?1.4mmがよく、この範囲においては機械強度もあり、混合気流Yの流れを阻害することはない。」

(2)「【0033】
図3に示すように接地電極4が中心電極3(3a)に対して混合気流Yの上流側に位置した状態では、従来のスパークプラグでは接地電極4の長さの長い幅面が混合気流Yと対面した状態になるため混合気流Yを阻害し火花放電による着火性を低下させていたが、本発明では、接地電極4において、火花放電による着火性に最も影響を与える混合気流Y領域すなわち中間部位W2の混合気流Yに対面する面を長さの小さい肉厚面4cとしている(幅L4:2.6mm、肉厚L3:1.3mm)から、混合気流Yをほとんど阻害することがなく、従って火花放電による着火性を低下させず、火炎核を成長させることができる。火花放電は図示するように混合気流Yによって中心電極3の下流側に中心電極3の先端3aと接地電極4の先端との間に形成される。」

(3)「【0041】
図6(a)、(b)に示す接地電極4の中間部位W2は、切削加工で形成された形状であり、接地電極4全体を含む板材から切り出し、切削して図示する形状に形成し、ハウジング1の先端1cに溶接固定する。中間部位W2の肉厚面4cの肉厚L3と幅面4dの幅L4との比(L3/L4)、肉厚L3と幅L4の長さ、肉厚L3と幅L4の方向配置等中間部位W2の形状、配置状態は図2で説明した例と同じである。また、中間部位W2によ
る混合気流Yに対する作用効果も図2で説明した例と同じである。
【0042】
切削加工によって形成された中間部位W2も機械強度は充分あり、耐熱、耐酸化性の効果を発揮する。また、中間部位W2は軸線Zに対しても対称形に形成され、図3で説明した同様の効果を発揮する。なお、切削加工では中間部位W2のみを上述の肉厚面4cと幅面4dの形状に加工し、根元部位W3の肉厚面と幅面を従来の配置状態(幅面をハウジング1の先端1cの外周接線方向に配置する)にすることもでき、この場合接地電極4のハウジング1への固定を強固にすることができる。」

したがって、上記引用文献2には、「混合気流Yをほとんど阻害することがない」ように「絶縁碍子2の先端2bから中心電極3の先端3aまでの長さに対応した中間部位W2における幅L4に対する肉厚L3の比を0.3?0.7に設定する。」という技術的事項が記載されていると認められる。

3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面(特に第5図参照。)とともに次の事項が記載されている。

「第4図(B),(B′)および(C),(C′)は中心電極2の両側又は一方側に切欠部5を設けて最小断面部を形成したものである。このように形成することにより、中心電極2の先端部の温度は上昇する。例えば400℃以上にさせて電極先端を最適な温度に保つことができる。従つて点火性能の向上を実現することができる。
第5図(A),(A′)?(C),(C′)は側方電極1に前記中心電極2に形成したと同様の貫通孔4aおよび切欠部5aを設けたものである。この第5図の場合も第4図と同様の効果が得られる。」(明細書第5ページ第14行?第6ページ第9行)

4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、図面(特に【図5】参照。)とともに次の事項が記載されている。

「【0030】
図5に本発明の第4の実施形態におけるプラズマ点火装置1dの要部断面を示す。本実施形態において、突起部形成部材15dを用いた点が上記実施形態と相違する。本図(a)は、要部断面図、(b)は、下面図である。本図に示すように、突起部形成部材15dには、スリット状に形成した透過流路151dを有する縦壁150dが形成してある。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、FL_(AMB)が縦壁150d及び透過流路151dを通過する時に渦流FL_(VRX)が形成され、消炎作用を抑制しつつ、プラズマ火炎核の成長を促進する本発明の効果が得られる。また、本図(b)に示すように、透過流路151dの幅を上流側から下流側に向かって変化させることにより、透過流路151dを通過するFL_(AMB)の流速に変化を与え、よりプラズマ火炎核と筒内気流FL_(AMB)に乗って運ばれる混合気AF_(FRS)との撹拌を促進し、着火性を向上させることもできると期待される。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「絶縁碍子2」は、本願発明1における「絶縁体」に相当し、以下同様に、「挿入、固定される」ことは「挿設される」ことに、「配置された」ことは「設けられた」ことに、「接地電極27」の「先端と反対側の端」は「接地電極」の「基端部」に、「接地電極27」の「先端側側面」は「接地電極」の「先端部」に、「火花放電間隙28」は「間隙」に、「交流電力」は「電力」に、「点火プラグ1」は「プラズマ点火プラグ」に、それぞれ相当する。


したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設される中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
自身の基端部が前記主体金具の先端部に固定され、自身の先端部と前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
前記間隙に対する電力の供給により、前記間隙にてプラズマを発生させるプラズマ点火プラグ」である点。

(相違点)
本願発明1は「前記接地電極の側面には、溝部が設けられており、前記軸線及び前記接地電極の中心軸と平行な平面に対して、前記軸線と直交する方向に沿って前記間隙を含む前記両電極に挟まれた間隙領域と前記溝部とを投影したとき、前記溝部の投影部分は前記間隙領域の投影部分に向けて延びており、前記溝部の投影部分を通る直線と、前記軸線に直交する直線とのなす角のうち鋭角の角度αが20°以下である」という構成を備えるのに対し、引用発明は「接地電極27は、自身の長手方向に沿って同一の幅を有し、間隙対応部27Aの最小幅W_(MIN)が3.0mm以下とされた」という構成を備えている点。

(2)相違点についての判断
上記相違点について検討すると、「第4 引用文献、引用発明等」の「2.引用文献2について」に記載のとおり、引用文献2には、「混合気流Yをほとんど阻害することがない」ように「絶縁碍子2の先端2bから中心電極3の先端3aまでの長さに対応した中間部位W2における幅L4に対する肉厚L3の比を0.3?0.7に設定する」という技術的事項が記載されている。
しかしながら、引用文献2には、「先端部位W1」について「幅面4aの幅L1は2.6mm、肉厚面4bの肉厚L2は1.3mm」(段落【0026】)と記載され、「中間部位W2」について「好ましくは、比(L3/L4)は0.5(幅L4:2.6mm、肉厚L3:1.3mm)がよい」(段落【0028】)と記載されている。これらの記載から、接地電極4における「先端部位W1」の断面と「中間部位W2」の断面は、向きが異なるものの、断面積及び形状は同じものを想定していることが理解できる。断面積が変化していない「中間部位W2」を、一般的には溝とは認識しない。

仮に、「中間部位W2」を溝と認識できたとしても、「中間部位W2」は、「絶縁碍子2の先端2bから中心電極3の先端3aまでの長さに対応した」ものであり、投影したとき「放電火花のギャップ5」に向けて延びるものではない(特に投影部分が描かれた【図6】参照)。

そして、引用文献3に記載された「側方電極1」の「切欠部5a」は、「最小断面部を形成」し「側方電極1」の「先端部の温度を上昇」させるためのものであり、この「切欠部5a」は、投影したとき放電ギャップに向けて延びるような溝ではない。

さらに、引用文献4にも、投影したとき放電ギャップに向けて延びる溝に関する技術的事項は記載されていない。

結局、引用文献2-4に記載された技術的事項に基いて、「前記接地電極の側面には、溝部が設けられており、前記軸線及び前記接地電極の中心軸と平行な平面に対して、前記軸線と直交する方向に沿って前記間隙を含む前記両電極に挟まれた間隙領域と前記溝部とを投影したとき、前記溝部の投影部分は前記間隙領域の投影部分に向けて延びており、前記溝部の投影部分を通る直線と、前記軸線に直交する直線とのなす角のうち鋭角の角度αが20°以下である」という構成を導き出すことはできない。

なお、平成28年5月9日付けの拒絶理由では、引用文献2の【図6】及び引用文献3の第5図を例示し、接地電極の側面に溝を設けることは周知の技術であるとしているが、上記のとおり、投影したとき放電ギャップに向けて伸びる溝は引用文献2及び引用文献3のいずれにも記載されていないから、引用発明に周知の技術を適用しても、本願発明1に至らない。

したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項及び周知の技術に基いて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2-6について
本願発明2-6も、本願発明1の「前記接地電極の側面には、溝部が設けられており、前記軸線及び前記接地電極の中心軸と平行な平面に対して、前記軸線と直交する方向に沿って前記間隙を含む前記両電極に挟まれた間隙領域と前記溝部とを投影したとき、前記溝部の投影部分は前記間隙領域の投影部分に向けて延びており、前記溝部の投影部分を通る直線と、前記軸線に直交する直線とのなす角のうち鋭角の角度αが20°以下である」という構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項及び周知の技術に基いて容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-6は、当業者が引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項及び周知の技術に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-07-03 
出願番号 特願2012-258662(P2012-258662)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01T)
最終処分 成立  
前審関与審査官 段 吉享  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 内田 博之
中川 隆司
発明の名称 プラズマ点火プラグ及び内燃機関  
代理人 川口 光男  

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