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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1329762 |
審判番号 | 不服2016-15502 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-10-17 |
確定日 | 2017-07-18 |
事件の表示 | 特願2013-525572「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月31日国際公開、WO2013/014883、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成24年7月18日(優先権主張平成23年7月25日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年4月7日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月24日付けで手続補正がされ、同年7月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年10月17日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年7月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1-8,11-13に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物1-2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2002-318556号公報 2.特開2009-259063号公報 第3 本願発明 本願請求項1-11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明11」という。)は、平成28年10月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-11に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 行列状に配置された複数の画素を有する表示パネルと、 前記表示パネルに対向するタッチパネルと、を備え、 前記表示パネルは、 隣り合う画素の間の領域である非表示部を有し、 前記タッチパネルは、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である第1方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第1電極パターンと、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか他方である第2方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第2電極パターンとを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの前記金属の部分は、平面視において、前記表示パネルの前記非表示部内に存在し、 前記複数の画素の各々は、前記第1方向に沿って配置された異なる色の複数のサブ画素を含み、 前記複数のサブ画素の各々は、上部電極と、下部電極と、前記上部電極および前記下部電極の間に形成されるとともに当該画素に対応して形成された有機発光層とを含み、 前記表示パネルは、前記有機発光層を区画するとともに前記非表示部に対応して形成された隔壁と、前記隔壁に覆われるように形成されるとともに前記上部電極と電気的に接続された補助配線とを有し、 前記複数のサブ画素の各々は、当該サブ画素を駆動するためのトランジスタを有し、 前記トランジスタのソース電極またはドレイン電極と前記下部電極とは、コンタクトホールにより接続され、 平面視において、前記コンタクトホールは、前記非表示部と重なる位置に形成され、 前記複数の第1電極パターンの各々は、前記第2方向において隣り合う前記サブ画素の間に配置され、かつ、平面視において、前記コンタクトホールに重ねて配置され、 前記複数の第2電極パターンは、前記補助配線の上方に配置され、 前記補助配線および前記複数の第2電極パターンの各々は、前記第1方向において隣り合う前記画素の間に配置されている 表示装置。 【請求項2】 ・・・請求項1に記載の表示装置。 【請求項3】 ・・・請求項1または2に記載の表示装置。 【請求項4】 ・・・請求項3に記載の表示装置。 【請求項5】 ・・・請求項1?4のいずれか1項に記載の表示装置。 【請求項6】 ・・・請求項5に記載の表示装置。 【請求項7】 行列状に配置された複数の画素を有する表示パネルと、 前記表示パネルに対向するタッチパネルと、を備え、 前記表示パネルは、 隣り合う画素の間の領域である非表示部を有し、 前記タッチパネルは、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である第1方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第1電極パターンと、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか他方である第2方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第2電極パターンとを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの前記金属の部分は、平面視において、前記表示パネルの前記非表示部内に存在し、 前記複数の画素の各々は、前記第1方向に沿って配置された異なる色の複数のサブ画素を含み、 前記複数のサブ画素の各々は、上部電極と、下部電極と、前記上部電極および前記下部電極の間に形成されるとともに当該画素に対応して形成された有機発光層とを含み、 前記表示パネルは、前記有機発光層を区画するとともに前記非表示部に対応して形成された隔壁と、前記隔壁に覆われるように形成されるとともに前記上部電極と電気的に接続された補助配線とを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの少なくとも一方は、前記補助配線の上方に配置され、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの少なくとも一方は、各々の角部同士が接続された矩形状の複数の透明電極パターンと、前記複数の透明電極パターンに積層された前記金属の部分である金属線とを含み、 前記透明電極パターンは、前記金属線からはみ出すように形成されている 表示装置。 【請求項8】 行列状に配置された複数の画素を有する表示パネルと、 前記表示パネルに対向するタッチパネルと、を備え、 前記表示パネルは、 隣り合う画素の間の領域である非表示部を有し、 前記タッチパネルは、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である第1方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第1電極パターンと、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか他方である第2方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第2電極パターンとを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの前記金属の部分は、平面視において、前記表示パネルの前記非表示部内に存在し、 前記複数の画素の各々は、前記第1方向に沿って配置された異なる色の複数のサブ画素を含み、 前記複数のサブ画素の各々は、上部電極と、下部電極と、前記上部電極および前記下部電極の間に形成されるとともに当該画素に対応して形成された有機発光層とを含み、 前記表示パネルは、前記有機発光層を区画するとともに前記非表示部に対応して形成された隔壁と、前記隔壁に覆われるように形成されるとともに前記上部電極と電気的に接続された補助配線とを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの少なくとも一方は、前記補助配線の上方に配置され、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの少なくとも一方は、複数の矩形状の透明電極パターンと、当該複数の透明電極パターンの角部同士を接続する前記金属の部分である金属線とを含む 表示装置。 【請求項9】 ・・・請求項1?8のいずれか1項に記載の表示装置。 【請求項10】 ・・・請求項1?9のいずれか1項に記載の表示装置。 【請求項11】 ・・・請求項1?10のいずれか1項に記載の表示装置。」 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2002-318556号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 a)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置等の平面表示装置およびその製造方法に係り、特に各表示素子にスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス型平面表示装置およびその製造方法に関する。」(【0001】の記載。下線は当審で付与。以下、同様。) b)「【0015】有機ELパネル2の表示領域について詳しく説明すると、この実施形態では10.4型サイズの表示領域が構成され、ガラス等の絶縁基板101上に映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部にスイッチング素子SW1としてn型TFT、映像信号電圧保持用コンデンサ110、駆動用制御素子SW2としてp型TFT、有機EL表示素子Pが形成される。 【0016】有機EL表示素子Pは、駆動用制御素子SW2に接続された光反射性導電膜からなる第1電極117と、第1電極117上に配置される有機発光層121と、有機発光層121を介して第1電極117に対向配置された第2電極122と、を備えている。尚、有機発光層121は、各色共通に形成されるホール輸送層、エレクトロン輸送層、及び各色毎に形成される発光層の3層積層で構成されてもよく、機能的に複合された2層または単層で構成されてもよい。この有機発光層121は、各表示素子Pを分離する黒色レジスト材料からなる厚さ3μmの隔壁120の開口部120bから露出される第1電極117上に配置される。 【0017】この有機EL表示装置1は第2電極122側を表示面とした上面発光方式であり、有機EL表示素子Pの第2電極122は、光透過性を有する導電膜で構成される。光透過性導電膜は、材料自体の透明度が高い透明導電材料を用いる、或いは透明度が低い材料を薄く形成して光透過性をもたせるなどして形成できる。ここでは、Baを光透過する程度に薄く、例えば膜厚10nmに成膜し、透明導電膜として全表示素子にわたって共通に形成した。この光透過性導電膜のシート抵抗はおよそ10^(5)Ω/□であった。 【0018】また、図3に示すように第1電極117と同層に設けられた補助配線118と第2電極122とは、隔壁120に補助配線118を露出するように設けられたコンタクト部120aを介して電気的に接続される。この補助配線118は、第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され、各表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられており、それぞれ表示領域にわたり互いに連結されている。」(【0015】?【0018】の記載。) c)「【0031】次に、本発明の有機EL表示装置の製造方法について説明する。まず、常圧CVDあるいはプラズマCVDにより、ガラス等の絶縁基板101上にアンダーコート層102としてSiN膜、SiO2膜を堆積し、その上にアモルファスシリコン膜を堆積する。ここで、TFTのしきい値制御のため基板全面にボロン(B)等のp型不純物をドープしてもよい。 【0032】次に、アモルファスシリコン膜をエキシマレーザでアニール処理し、アモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜に結晶化させる。 【0033】さらに、その多結晶シリコン膜にレジストを塗布し、露光・パターニング・エッチング処理を施し、多結晶シリコン膜を島状に形成する。 【0034】続いて、多結晶シリコン膜を覆って全面に、CVDによりSiOxを成膜し、ゲート絶縁膜103を形成する。このゲート絶縁膜103上にゲート金属膜としてMoWを堆積し、フォトリソグラフィー技術を用いてp型TFT部分のゲート電極104を形成し、ボロン(B)をドーピングし、p型TFTの多結晶シリコン膜に導電領域であるソース領域105、ドレイン領域106を形成する。 【0035】次に、ゲート金属膜をパターニングし、ゲート配線107およびn型TFTのゲート電極108、映像信号線109の一部109a、映像信号電圧保持用コンデンサ110の下部電極パターン110aを形成する。 【0036】その後、ゲート電極108またはゲート電極形成時のレジストをマスクとして上部より燐イオン(P)をドーピングし、n型TFT部分の多結晶シリコン膜にソース領域111、ドレイン領域112を形成する。 【0037】さらにCVD法などによりこれらの上面全部を覆うように、層間絶縁層113となるSiOxを成膜し、層間絶縁層113およびゲート絶縁膜103を貫通しソース領域105,111、ドレイン領域106,112等に達するコンタクトホールを設けた後、Mo/Al/Moからなる金属膜を成膜・パターニング処理し、ソース電極113、ドレイン電極114、有機EL電流供給線115および映像信号線109(109b)、を形成する。こうして、スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrが形成される。また、有機EL電流供給線115を上側電極として映像信号電圧保持用コンデンサ110も形成される。 【0038】さらに基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極113と接続するコンタクトホールを設けた後、Al/Mo/ITOからなる金属膜を成膜・パターニング処理し、表示素子を構成する光反射性の第1電極117、補助配線118、表示領域を囲む矩形枠状に補助配線118と一体的に形成される第2電極電源線119を形成する。 【0039】このように、補助配線118と第1電極117とを同一材料を用いて同一工程で形成するため、補助配線118を形成するための工程を特別に設けることなく補助配線118を作成することが可能となる。 【0040】また、表示素子の第1電極117は絶縁層116上に配置され、絶縁層116を介して駆動制御素子SW2のソース電極113と接続するので、第1電極117と駆動制御素子SW2、スイッチング素子SW1等と重ねて形成することが可能となり、第1電極の面積を増大させることができる。 【0041】次に、基板全面に黒色有機レジスト材料を乾燥後の膜厚として3μmに塗布した後、パターニングし、表示素子の第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成する。隔壁120としては、隣接素子間のEL光の混色を防止するために光遮蔽性を有する黒色材料であることが望ましく、またその膜厚としては素子分離を行うために有機発光層と同等以上であることが望ましく、第2電極が補助配線とのコンタクト部で段切れをおこさないよう形状、高さを設定することが望ましい。例えば、本実施例の如く有機発光層が高分子材料の場合には後述のようにインクジェット法で有機発光層を形成するため、インク液滴を隔壁120に分離するために、隔壁の厚さは1μm以上あることが望ましい。また、有機発光層が低分子材料である場合には、発光層膜厚以上であること、具体的には100nm以上であれば良い。また、隔壁120の形状は第2電極が補助配線とのコンタクト部で段切れをおこさないよう、そのテーパ角が80°以下であることが望ましい。 【0042】本実施例においては、補助配線のコンタクト部120aを、補助配線に沿って連続したパターンで形成したが、補助配線上に不連続にドット状に設けたパターンで形成してもよい。 【0043】さらに、インクジェット法によりR,G,Bに対応する高分子系の有機発光材料を順次吐出し、第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成する。尚、有機発光層は、各色共通に形成されるホール輸送層、エレクトロン輸送層、及び各色毎に形成される発光層の3層積層で構成されてもよく、機能的に複合された2層または単層で構成されてもよい。 【0044】次に、有機発光層121上の基板全面に第2電極122として光透過性導電膜、ここではBaを膜厚10nmとなるよう成膜する。この第2電極は、絶縁層116上に第1電極117と同層に形成される補助配線118とコンタクト部120aを介して接続される。」(【0031】?【0044】の記載。) d)図3の断面図には、駆動制御素子SW2のソース電極113と第1電極117を接続するコンタクトホールが、隔壁120の下に形成されること、すなわち、平面視において、駆動制御素子SW2のソース電極113と第1電極117を接続するコンタクトホールは、隔壁120に重なる位置に形成されることが示されている。 上記下線部及び関連箇所の記載によれば、引用文献1には、表示装置として、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 「各表示素子にスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス型有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置であり、 有機ELパネル2の表示領域にガラス等の絶縁基板101上に映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部にスイッチング素子SW1としてn型TFT、映像信号電圧保持用コンデンサ110、駆動用制御素子SW2としてp型TFT、有機EL表示素子Pが形成され、 有機EL表示素子Pは、駆動用制御素子SW2に接続された光反射性導電膜からなる第1電極117と、第1電極117上に配置される有機発光層121と、有機発光層121を介して第1電極117に対向配置された第2電極122と、を備え、 有機発光層121は、各表示素子Pを分離する黒色レジスト材料からなる厚さ3μmの隔壁120の開口部120bから露出される第1電極117上に配置され、 第2電極122側を表示面とし、第2電極122は、光透過性を有する導電膜で構成され、 第1電極117と同層に設けられた補助配線118と第2電極122とは、隔壁120に補助配線118を露出するように設けられたコンタクト部120aを介して電気的に接続され、この補助配線118は、第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され、各表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられるものであり、 ガラス等の絶縁基板101上にアモルファスシリコン膜を堆積し、スイッチング素子SW1となるn型TFTと駆動用制御素子SW2となるp型TFT、これらを組合せてなる駆動回路領域の映像信号線駆動回路Xdr、走査信号線駆動回路Ydrが形成され、 さらに基板全面にSiNxの絶縁層116を形成し、駆動制御素子SW2のソース電極113と接続するコンタクトホールを設けた後、表示素子を構成する光反射性の第1電極117、補助配線118を形成し、 また、表示素子の第1電極117は絶縁層116上に配置され、絶縁層116を介して駆動制御素子SW2のソース電極113と接続するので、第1電極117と駆動制御素子SW2、スイッチング素子SW1等と重ねて形成し、 次に、表示素子の第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成し、隔壁120としては、光遮蔽性を有する黒色材料であることが望ましく、 さらに、第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成し、有機発光層は、各色共通に形成されるホール輸送層、エレクトロン輸送層、及び各色毎に形成される発光層の3層積層で構成され、 次に、有機発光層121上の基板全面に第2電極122として光透過性導電膜を成膜し、この第2電極は、絶縁層116上に第1電極117と同層に形成される補助配線118とコンタクト部120aを介して接続され、 平面視において、駆動制御素子SW2のソース電極113と第1電極117を接続するコンタクトホールは、隔壁120に重なる位置に形成される エレクトロルミネセンス(EL)表示装置。」 2.引用例2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2009-259063号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 a)「【0019】 本発明は、導電性のナノ粒子を含むインクを印刷することによって電極を形成しており、電極の線幅を非常に狭くすることができる。電極の線幅が狭く、電極が目立ちにくい。電極をディスプレイのブラックマトリクスと重なるように配置することにより、電極を目立たなくすることができる。電極がブラックマトリクスと重なることによって、電極が不透明であっても良く、電極材料の選択幅が広がる。特に希少元素であるインジウムを含むITOの使用を避けることができ、資源の節約や製造コストの削減に寄与できる。また、スクリーン印刷やインクジェット印刷による電極形成により、従来の真空成膜とエッチングをおこなうことに比べて非常に簡単に電極が形成でき、材料の無駄も極端に少なくなる。電極の幅が狭くなることに対して、複数の電極同士を接続する冗長線を形成することによって、一の電極に形成不良が生じても、タッチパネルが不良品にならないようにできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 本発明のタッチパネルおよびその製造方法について図面を用いて説明する。 【0021】 図1(a)、(b)に示すタッチパネル10は、第1基板12と、第1基板12の一面に形成された第1電極14と、第2基板16と、第2基板16の一面に形成された第2電極18とを備える。 【0022】 第1基板12と第2基板16は誘電体基板である。第1基板12と第2基板16の材料は、ガラス、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレートなどの透明材料が挙げられる。ガラスであれば厚みは約0.1?2mmであり、プラスチックフィルムであれば厚みは約10?2000μmである。 【0023】 図1(a)に示すように、第1電極14と第2電極18は、線状の導体であり、その導体が複数並列に並べられる。第1電極14と第2電極18とは互いに直交する方向を向いている。 【0024】 第1電極14と第2電極18は、導電性のナノ粒子を含むインクによって印刷形成されたものである。導電性のナノ粒子は銀、金、白金、パラジウム、銅、カーボン、またはそれらの混合物を含む。ナノ粒子の平均粒子径は1?20nm、好ましくは1?10nmであり、従来のミクロン粒子よりも粒子径が小さい。電極14,18の幅が100μm以下であっても、ナノ粒子の粒子径が電極14,18の幅よりも十分に小さいため、導電性のある電極14,18を形成することができる。インクの溶媒としては、沸点が110℃のトルエンが挙げられ、ナノ粒子の濃度は30wt%、インクの粘度は5mPa・s以下である。溶媒の沸点が比較的低いため、インクを基板に印刷後、比較的低温で焼成することができ、基板12,16に対する熱的負荷を小さくできる。インクは、ナノ粒子のために分散処理がなされている。電極14,18の材料として、希少元素であるインジウムを含むITOを使用していない。電極14,18が不透明となるが、下記の理由から不透明であっても良い。 【0025】 図2に示すように、周知のディスプレイ20は複数の画素22を有し、画素22および画素22を構成するサブ画素24の間にクロム系材料で形成されたブラックマトリクス26を有する。なお、以下の説明では画素22とするが、サブ画素24であっても良い。第1電極14と第2電極18の幅は、ブラックマトリクス26の幅よりも狭くする。また、タッチパネル10がディスプレイ20に取り付けられた状態で両電極14,18がブラックマトリクス26の上に配置されるようにする。したがって、電極14,18とブラックマトリクス26が重なり、電極14,18が不透明であっても、ディスプレイ20の表示品位低下を防止できる。」(【0019】?【0025】の記載。) 上記下線部及び関連箇所の記載によれば、引用文献2には、ディスプレイとして、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。 「タッチパネル10は、第1基板12と、第1基板12の一面に形成された第1電極14と、第2基板16と、第2基板16の一面に形成された第2電極18とを備え、 第1電極14と第2電極18は、線状の導体であり、その導体が複数並列に並べられ、 第1電極14と第2電極18とは互いに直交する方向を向いており、 第1電極14と第2電極18は、導電性のナノ粒子を含むインクによって印刷形成され、導電性のナノ粒子は銀、金、白金、パラジウム、銅、カーボン、またはそれらの混合物を含むものであり、 ディスプレイ20は複数の画素22を有し、画素22および画素22を構成するサブ画素24の間にクロム系材料で形成されたブラックマトリクス26を有し、 第1電極14と第2電極18の幅は、ブラックマトリクス26の幅よりも狭く、 タッチパネル10がディスプレイ20に取り付けられた状態で両電極14,18がブラックマトリクス26の上に配置されるようにすることにより、電極14,18とブラックマトリクス26が重なり、電極14,18が不透明であっても、ディスプレイ20の表示品位低下を防止できる タッチパネル10が取り付けられたディスプレイ20。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 ア.引用発明1は、「有機ELパネル2の表示領域にガラス等の絶縁基板101上に映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部に」「有機EL表示素子Pが形成されるもの」であるから、引用発明1の「有機ELパネル2」は、本願発明1の「行列状に配置された複数の画素を有する表示パネル」に相当する。 イ.引用発明1は、「表示素子の第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成し、隔壁120としては、光遮蔽性を有する黒色材料であることが望ましく、」「第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成」するものであるから、引用発明1の「隔壁120」は、本願発明1の「表示パネル」が有する「隣り合う画素の間の領域である非表示部」に相当する。 ウ.引用発明1の「表示素子」は、「隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成し、有機発光層は、各色共通に形成されるホール輸送層、エレクトロン輸送層、及び各色毎に形成される発光層の3層積層で構成され」るものであるから、引用発明1の「表示素子」は、本願発明1の「複数の画素の各々」に含まれる「前記第1方向に沿って配置された異なる色の複数のサブ画素」と「複数の画素の各々」に含まれる「異なる色の複数のサブ画素」である点で一致するといえる。 エ.引用発明1の「表示素子」は、「表示素子の第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有」する「素子分離用の隔壁120を形成し、」「第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成し、」「有機発光層121上の基板全面に第2電極122として光透過性導電膜を成膜」されるものであるから、引用発明1の「第1電極117」は本願発明1の「下部電極」に、引用発明1の「第2電極122」は本願発明1の「上部電極」に、引用発明1の「有機発光層121」は本願発明1の「有機発光層」にそれぞれ相当し、引用発明1の「表示素子」が「第1電極117」、「第2電極122」および「有機発光層121」を含むことは、本願発明1の「前記複数のサブ画素の各々は、上部電極と、下部電極と、前記上部電極および前記下部電極の間に形成されるとともに当該画素に対応して形成された有機発光層とを含」むことに相当する。 オ.引用発明1の「有機ELパネル20」は、「表示素子を構成する光反射性の第1電極117、補助配線118を形成し」、「表示素子の第1電極117に対応する位置に第1電極117を露出する開口部120bを有し、さらに補助配線118上に補助配線118を露出するコンタクト部120aを備えた素子分離用の隔壁120を形成し、隔壁120としては、光遮蔽性を有する黒色材料であることが望ましく、」「第1電極上の隔壁120の開口120bに対応する位置に有機発光層121を選択的に形成し、」「有機発光層121上の基板全面に第2電極122として光透過性導電膜を成膜し、この第2電極は、絶縁層116上に第1電極117と同層に形成される補助配線118とコンタクト部120aを介して接続される」ものであるから、引用発明1の「隔壁120」は本願発明1の「前記有機発光層を区画するとともに前記非表示部に対応して形成された隔壁」にも相当し、引用発明1の「補助配線118」は本願発明1の「前記隔壁に覆われるように形成されるとともに前記上部電極と電気的に接続された補助配線」に相当し、引用発明1の「有機ELパネル20」が「隔壁120」および「補助配線118」を有することは、本願発明1の「前記表示パネルは、前記有機発光層を区画するとともに前記非表示部に対応して形成された隔壁と、前記隔壁に覆われるように形成されるとともに前記上部電極と電気的に接続された補助配線とを有」することに相当する。 カ.引用発明1は「各表示素子にスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス型」の表示装置であり、「映像信号線109と走査信号線107とがマトリクス状に配置され、その交差部にスイッチング素子SW1としてn型TFT、映像信号電圧保持用コンデンサ110、駆動用制御素子SW2としてp型TFT、有機EL表示素子Pが形成されるもの」であるから、引用発明1は、「有機EL表示素子P」は「駆動用制御素子SW2」を有しているともいい得る構成を有するものであり、当該構成は、本願発明1の「前記複数のサブ画素の各々は、当該サブ画素を駆動するためのトランジスタを有」することに相当する。 キ.引用発明1は、「駆動制御素子SW2のソース電極113と接続するコンタクトホールを設けた後、表示素子を構成する光反射性の第1電極117」「を形成」するものであるから、引用発明1は、「駆動制御素子SW2」と「第1電極117」が、「コンタクトホール」を介して接続される構成を有するものであることは明らかであり、当該構成は、本願発明1の「前記トランジスタのソース電極またはドレイン電極と前記下部電極とは、コンタクトホールにより接続され」ることに相当する。 ク.引用発明1の「平面視において、駆動制御素子SW2のソース電極113と第1電極117を接続するコンタクトホールは、隔壁120に重なる位置に形成される」ことは、本願発明1の「平面視において、前記コンタクトホールは、前記非表示部と重なる位置に形成され」ることに相当する。 ケ.引用発明1において、「補助配線118は、第1電極117とは隔壁120にて電気的に絶縁され、各表示素子Pの第1電極117を囲むよう格子状に設けられ」ることは、本願発明1において、「第1方向」が「画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である」ことを考慮すれば、本願発明1の「前記補助配線および前記複数の第2電極パターンの各々は、前記第1方向において隣り合う前記画素の間に配置されている」ことと、「前記補助配線は、第1方向において隣り合う前記画素の間に配置されている」点で一致するといえる。 コ.引用発明1の「表示装置」は、本願発明1の「表示装置」に相当する。 したがって、両者は以下の一致点と相違点とを有する。 〈一致点〉 「行列状に配置された複数の画素を有する表示パネルを備え、 前記表示パネルは、 隣り合う画素の間の領域である非表示部を有し、 前記複数の画素の各々は、異なる色の複数のサブ画素を含み、 前記複数のサブ画素の各々は、上部電極と、下部電極と、前記上部電極および前記下部電極の間に形成されるとともに当該画素に対応して形成された有機発光層とを含み、 前記表示パネルは、前記有機発光層を区画するとともに前記非表示部に対応して形成された隔壁と、前記隔壁に覆われるように形成されるとともに前記上部電極と電気的に接続された補助配線とを有し、 前記複数のサブ画素の各々は、当該サブ画素を駆動するためのトランジスタを有し、 前記トランジスタのソース電極またはドレイン電極と前記下部電極とは、コンタクトホールにより接続され、 平面視において、前記コンタクトホールは、前記非表示部と重なる位置に形成され、 前記補助配線は、第1の方向において隣り合う前記画素の間に配置されている 表示装置。」 〈相違点1〉 本願発明1の「表示装置」は、「前記表示パネルに対向するタッチパネルと、を備え」、「前記タッチパネルは、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である第1方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第1電極パターンと、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか他方である第2方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第2電極パターンとを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの前記金属の部分は、平面視において、前記表示パネルの前記非表示部内に存在」するものであるのに対し、引用発明1の「表示装置」は「タッチパネル」を有するものではない点。 〈相違点2〉 本願発明1は、「サブ画素」が、「(画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である)第1方向に沿って配置された」ものであるのに対し、引用発明1は、表示素子が「マトリクス状に配置」されるものであるものの、表示素子(サブ画素)が直線状に配置(第1方向に沿って配置)すると特定されたものではない点。 〈相違点3〉 本願発明1は、「前記複数の第1電極パターンの各々は、前記第2方向において隣り合う前記サブ画素の間に配置され、かつ、平面視において、前記コンタクトホールに重ねて配置され、 前記複数の第2電極パターンは、前記補助配線の上方に配置され、 前記複数の第2電極パターンは、前記第1方向において隣り合う前記画素の間に配置されている」ものであるのに対し、引用発明1は、「タッチパネル」を有するものではない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点1及び3について先に検討する。 まず、引用発明2と本願発明1との対応について検討する。 ア.引用発明2の「タッチパネル10」は、「ディスプレイ20に取り付けられ」ものであるから、本願発明1の「表示パネルに対向するタッチパネル」に相当する。 イ.引用発明2の「第1電極14と第2電極18は、線条の導体であり、その導体が複数並列に並べられ、第1電極14と第2電極18とは互いに直交する方向を向いており、第1電極14と第2電極18は、導電性のナノ粒子を含むインクによって印刷形成され、導電性のナノ粒子は銀、金、白金、パラジウム、銅、カーボン、またはそれらの混合物を含むもの」であり、「ディスプレイ20は複数の画素22を有し、画素22および画素22を構成するサブ画素24の間にクロム系材料で形成されたブラックマトリクス26を有し」、「タッチパネル10がディスプレイ20に取り付けられた状態で両電極14,18がブラックマトリクス26の上に配置される」ものであることは、本願発明1の「前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である第1方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第1電極パターンと、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか他方である第2方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第2電極パターンとを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの前記金属の部分は、平面視において、前記表示パネルの前記非表示部内に存在」することに相当する。 ウ.引用発明2の「ディスプレイ20」は、本願発明1の「表示装置」に相当する。 したがって、引用発明2は本願発明1と、 「前記表示パネルに対向するタッチパネルを備え、 前記タッチパネルは、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか一方である第1方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第1電極パターンと、 前記画素の行方向および前記画素の列方向のいずれか他方である第2方向に沿って形成され、少なくとも一部分が金属である複数の第2電極パターンとを有し、 前記複数の第1電極パターンおよび前記複数の第2電極パターンの前記金属の部分は、平面視において、前記表示パネルの前記非表示部内に存在する 表示装置。」 である点で一致する。 そして、引用発明1及び引用発明2は共に、平面表示装置に関する発明であり、引用発明1において、表示装置に対向するタッチパネルを設けることを阻害する格別な事情も存在しないから、引用発明1に引用発明2を適用して、本願発明1の相違点1に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことと認められる。 しかしながら、引用発明1に引用発明2を適用したものは、タッチパネルを構成する第1電極パターンおよび第2電極パターンが表示パネルの非表示部内に存在するものとなるものの、引用発明1に引用発明2を適用したものは、表示パネルの非表示部内の任意の位置に第1電極パターンおよび第2電極パターンを設けるものであり、「第1電極パターン」を平面視において「コンタクトホールに重ねて配置」し、「第2電極パターン」を「補助電極の上方に配置」するという、相違点3に係る構成までが、引用発明1及び引用発明2より容易であるということはできない。 したがって、本願発明1は、相違点2を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.請求項2-6について 本願発明2-6は、本願発明1を直接又は間接的に引用するものであり、上記「1.請求項1について」にて述べたのと同様の理由により、引用発明及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3.請求項7-8について 本願発明7は、平成28年10月17日付け手続補正による補正前の請求項9を独立項として記載したもの、本願発明8は、平成28年10月17日付け手続補正による補正前の請求項10を独立項として記載したものであり、上記補正前の請求項9および請求項10に係る発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものであるとはいえないから、本願発明7および本願発明8は、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 4.請求項9-11について 本願発明9-11は、請求項1,7,8を直接又は間接的に引用するものであるから、請求項1,7,8と同様の理由により、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1-6は「複数の第1電極パターンの各々は、前記第2方向において隣り合う前記サブ画素の間に配置され、かつ、平面視において、前記コンタクトホールに重ねて配置され」るという事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1-11は、当業者が引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明することができたものではない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-07-03 |
出願番号 | 特願2013-525572(P2013-525572) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩橋 龍太郎 |
特許庁審判長 |
新川 圭二 |
特許庁審判官 |
山田 正文 稲葉 和生 |
発明の名称 | 表示装置 |
代理人 | 吉川 修一 |
代理人 | 傍島 正朗 |