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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1329778
審判番号 不服2016-8553  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-08 
確定日 2017-07-11 
事件の表示 特願2015-141510「タッチの種類の判別方法及びこれを遂行するタッチ入力装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月 8日出願公開、特開2016-143410、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年7月15日の出願(パリ条約による優先権主張平成27年2月4日、韓国)であって、平成27年8月11日付けで拒絶理由通知がされ、同年11月10日付けで意見書が提出され、平成28年2月4日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月8日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成29年2月6日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、平成29年5月2日付けで手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成28年2月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-16に係る発明は、以下の引用文献A-Cに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2015-5173号公報
B.特開2014-182731号公報
C.特開2014-235479号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

理由A(特許法第36条第6項第1号)について
本願は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

理由B(特許法第29条第2項)について
本願請求項1-9に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等
1.米国特許出願公開第2006/0132455号明細書
2.米国特許出願公開第2014/0189609号明細書
3.特表2010-521022号公報
4.特開平5-143226号公報
(引用文献1-4いずれも、当審において新たに引用した文献である。)

第4 本願発明
本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、平成29年5月2日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-9は以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
タッチスクリーンを含むタッチ入力装置であって、
前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない第1タッチと、前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含む第2タッチとに対して、互いに異なる動作を実行するように構成され、
前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1圧力よりも小さい圧力で前記第1時間期間より短い時間期間維持される第3タッチに対して、前記第1タッチ及び前記第2タッチに対する動作と異なる動作を実行するように構成された、
タッチ入力装置。
【請求項2】
…請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項3】
…請求項1または2に記載のタッチ入力装置。
【請求項4】
タッチスクリーンを含むタッチ入力装置において、
前記タッチスクリーンに対するタッチが、第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含むかどうか判断する段階と、
前記タッチが、前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含むかどうかによってタッチの種類を分類する段階と、
を含み、
前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含むかどうかによってタッチの種類を分類する段階は、前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含む場合、前記タッチを圧力タッチに分類する段階と、前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まずに、前記第1時間期間以内に前記タッチが解除される場合、前記タッチをタップタッチに分類する段階と、前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まずに、前記第1時間期間以内に前記タッチが解除されない場合、前記タッチをロングタッチに分類する段階と、を含む、
タッチの種類の判別方法。
【請求項5】
…請求項4に記載のタッチの種類の判別方法。
【請求項6】
…請求項5に記載のタッチの種類の判別方法。
【請求項7】
タッチスクリーンと制御器とを含み、
前記制御器は、
前記タッチスクリーンに対するタッチが第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含むかどうか判断する段階と、
前記タッチが、前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含むかどうかによってタッチの種類を分類する段階と、
を遂行する、
タッチの種類の判別が可能なタッチ入力装置であって、
前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含むかどうかによってタッチの種類を分類する段階は、前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含む場合、前記タッチを圧力タッチに分類する段階と、前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まずに、前記第1時間期間以内に前記タッチが解除される場合、前記タッチをタップタッチに分類する段階と、前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まずに、前記第1時間期間以内に前記タッチが解除されない場合、前記タッチをロングタッチに分類する段階と、を含む、
タッチ入力装置。
【請求項8】
…請求項7に記載のタッチの種類の判別が可能なタッチ入力装置。
【請求項9】
…請求項8に記載のタッチの種類の判別が可能なタッチ入力装置。」

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1(米国特許出願公開第2006/0132455号明細書)、引用発明について
当審拒絶理由に引用した引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1) 段落[0044]
「[0044] …… A user may enter commands and information into computer 110 through input devices such as a keyboard 162 and pointing device 161, commonly referred to as a mouse, trackball or touch pad. Such pointing devices may provide pressure information, providing not only a location of input, but also the pressure exerted while clicking or touching the device. Other input devices (not shown) may include a microphone, joystick, game pad, satellite dish, scanner, or the like. ……」
(当審訳:
[0044] …… キーボード162や、一般にマウス、トラックボール、タッチパッドなどと呼ばれるポインティングデバイス161などの入力デバイスを介して、ユーザーは、コマンドと情報をコンピュータ110に入力できる。このようなポインティングデバイスは、インプットの位置だけでなく、デバイスをクリックやタッチしている間に加えられた圧力をも知らせる圧力情報を提供できる。(図示されない)他の入力デバイスにはマイクロホン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送アンテナ、スキャナなどが含まれる。…… )

(2) 段落[0048]
「Pressure Sensitive Input
[0048] FIG. 2 illustrates a computing device that may be used with an embodiment of the invention. The computing device here is a tablet computer 201, which minimally includes a computer display 202 with an integral digitizer 203, and which may receive input via a user pressing a stylus 204 against the digitizer. Computer 110 may be embodied as tablet computer 201. Although tablet computers are used throughout this document as illustrative computing devices, tablet computers are only one among many possible computing devices that may be used to implement the invention.」
(当審訳:
圧力感知入力
[0048] 図2は、本発明の実施例で用いられ得るコンピューティング・デバイスを示す。ここでは、コンピューティング・デバイスは、タブレット型コンピュータ201であって、少なくともコンピュータ・ディスプレイ202と、一体化したデジタイザ203とを備える。デジタイザは、ユーザがタッチペン204でデジタイザを押すことを介して、入力を受け取る。コンピュータ110は、タブレット型コンピュータ201として実現できる。本書を通じて、コンピューティング・デバイスの例示として、タブレット型コンピュータを用いるが、タブレット型コンピュータは、本発明の実施に利用可能な種々のコンピューティング・デバイスの1つにすぎない。)

(3) 段落[0078]
「Hard Tap
[0078] …… Typically, a tap is interpreted as equivalent to a mouse click, regardless of how much force was used to impact the digitizer. Pressure information can be used, however, to distinguish normal taps from hard taps, enabling new sources of user input. For example, a tap with an applied pressure within a given first pressure range may be considered a normal tap, whereas a tap with an applied pressure within a given higher second pressure range may be considered a hard tap. Any number of pressure ranges may be defined with an associated tap type. A normal tap may, for example, be interpreted as a simple click, and a hard tap may, for example, be used to trigger additional functionality. For example, a hard tap may be interpreted as a double-tap (notoriously difficult on digitizer displays), or as a right click, or as a trigger for an on-screen keyboard for tapping out words and sentences, or as a request to launch an application, or as a middle click (on a three button mouse), or as a scroll wheel click, and so forth. 」
(当審訳:
ハード・タップ(強いタップ)
[0078] …… 典型的には、デジタイザへの衝撃で、どれだけの力が加わえられるかにはよらず、タップはマウスのクリックと等価のものとみなされる。しかし、圧力情報は、ノーマル・タップとハード・タップとの区別に用いることによって、ユーザ入力の新しい情報源になり得る。例えば、所定の第1圧力範囲以内の圧力が加えられたタップは、ノーマル・タップであるとみなされる一方、より強い所定の第2圧力範囲以内の圧力が加えられたタップは、ハード・タップであるとみなされる。任意の数の圧力の範囲を、タップの種別に応じて規定することができる。ノーマル・タップは、例えば、単純なクリックであるとみなされ、また、ハード・タップは、例えば、付加的な機能を起動するのに利用される。例えば、ハード・タップは、(デジタイザのディスプレイ上では極めて実行困難な)ダブル・タップであるとみなされる。または、右クリックや、単語や文章をタップ入力するオンスクリーン・キーボード起動、アプリケーション立上げ、(3つボタンマウスにおける)ミドル・クリック、スクロール・ホイールのクリックなどとみなされる。)

(4) 段落[0083]-[0088]
「[0083] Distinguishing a hard tap from other user inputs on a digitizer may involve determining whether the tip of stylus 204 maintains a substantially constant position on the surface of digitizer 203. A tap that moves across the surface of digitizer 203 is more likely an intended drag operation rather than a tap, and so a distance threshold may be used to ensure that the point of contact does not move too far. ……
(当審訳:
[0083] デジタイザ上でのハード・タップを、他のユーザ入力から区別することには、タッチペン204の先端がデジタイザ203表面上で実質的に同じ位置を維持しているか判定することが含まれうる。デジタイザ203の表面上を移動するタップは、タップよりもむしろ、意図的なドラッグ操作である可能性が高い。そして、そのために、接触点の移動が大きすぎないように、距離しきい値を用いることができる。 …… )

[0084] If stylus 204 stays inside the distance threshold for an appropriate period of time, computer 110 still may not register a hard tap. In general, computer 110 may determine whether a tap input by stylus 204 is a hard tap depending upon applied pressure, hold time, and/or slide distance of stylus 204. In this example, for the tap to be a hard tap, the tap input must reach an appropriate pressure threshold within a particular time threshold. FIG. 21 depicts a graph 2101 of input pressure over time not resulting in a hard tap as provided by an illustrative embodiment of the invention. Here, the tap has stayed within the appropriate distance threshold, but by the time the contact passes time threshold 2102 (perhaps set at 1/4 of a second or another amount of time) at point 2104, the magnitude of pressure has not passed pressure threshold 2103. As a result, computer 110 may interpret the input as a normal tap or some other type of input.
(当審訳:
[0084] タッチペン204が、適切な時間の期間中、距離しきい値の範囲内に留まっていても、コンピュータ110が、ハード・タップと判別しないことがある。一般に、コンピュータ110は、タッチペン204によるタップ入力が、ハード・タップであるか否かを、印加された圧力、ホールド時間、及び/または、タッチペンのスライド距離によって判別する。本例示において、タップがハード・タップとされるためには、タップ入力が、特定の時間しきい値以内に、適切な圧力しきい値に到達せねばならない。図21は、本発明を説明する実施例として示された、ハード・タップとは判別されないような、時間に対する入力圧力のグラフ2101を示している。このグラフでは、タップは、適切な距離しきい値以内に留まるが、接触状態が、点2104において(恐らく1/4秒、または、他の時間長に設定された)時間しきい値2102を経過しても、圧力の大きさが圧力しきい値2103を越えない。その結果として、コンピュータ110は、入力を、ノーマル・タップ、または、それ以外の種別の入力と解釈し得る。)

[0085] FIG. 22 depicts a graph 2201 of input pressure over time resulting in a hard tap as provided by an illustrative embodiment of the invention. Here, the contact being graphed has surpassed a pressure threshold 2203 at a point 2204 before reaching a time threshold 2202. This may therefore be registered as a hard tap, and the operating system or application can process it as such. If the operating system or application does not take advantage of hard taps, then the tap can be interpreted as a normal tap.
(当審訳:
[0085] 図22は、本発明を説明する実施例として示された、ハード・タップと判別されるような、時間に対する入力圧力のグラフ2201を示している。このグラフでは、グラフ化された接触状態が、時間しきい値2202に達する以前に点2204において、圧力しきい値2203を越えている。したがって、これはハード・タップであると判別され、OSやアプリケーションにより、そのようなものとして処理される。OSやアプリケーションが、ハード・タップを活用できないならば、その場合には、このタップを、ノーマル・タップとみなしてもよい。)

[0086] As another example, FIG. 23 depicts a graph 2301 of input pressure over time in which the tap input does not register as a hard tap as provided by an illustrative embodiment of the invention. In this example, the contact with the surface of digitizer 203 eventually exceeds a pressure threshold 2303, but not within a time threshold 2302. When the time of contact exceeds time threshold 2302 at a point 2304, similar to the example in FIG. 21, the input can be passed on as something other than a hard tap, such as a normal tap.
(当審訳:
[0086] 他の一例として、図23は、本発明を説明する実施例として示された、タップ入力がハード・タップとは判別されない、時間に対する入力圧力のグラフ2301を示している。この例では、デジタイザ203表面との接触状態が、最終的には圧力しきい値2303を超えているものの、時間しきい値2302以内ではない。点2304において、図21の例と同様に、接触状態の時間が時間しきい値2302を超えるとき、入力は、ハード・タップ以外の何か、例えば、ノーマル・タップであるとされる。)

[0087] It should be noted that the time and pressure thresholds used to detect a hard tap may be user- or software-configurable. Individual users can perfect their successful use of the hard tap by adjusting the pressure threshold and time threshold. For example, a particular user may not be able to achieve the pressure magnitude needed, and can adjust the pressure and/or time thresholds as desired, such as to adjust the pressure threshold lower to allow for "softer" hard taps. Pressure and/or time thresholds may further be automatically adjusted through a calibration routine. ……
(当審訳:
[0087] ハード・タップの検出に用いる時間と圧力のしきい値を、ユーザまたはソフトウェアが設定できることに注意すべきである。各ユーザが、圧力しきい値と時間しきい値とを調整することで、ハード・タップの望ましい利用に十全を期すことができる。例えば、ある特定ユーザには、必要な圧力の大きさが達成できないかもしれない。そして、例えば、"よりソフトな"ハード・タップを許容するように圧力しきい値を調節することのように、圧力、及び/または、時間しきい値を望むように調節することができる。圧力、及び/または、時間しきい値を、さらに、校正用のルーチンによって、自動的に調節することができる。 …… )

[0088] Alternative embodiments of the hard tap may allow for additional variations of the tap using multiple time, distance, and/or pressure thresholds. For example, FIG. 24 depicts a set of pressure ranges over time as provided by an illustrative embodiment of the invention. Here, taps not exceeding a pressure threshold 2401 within time threshold 2403 will be considered normal taps. Taps exceeding a pressure threshold 2401, but not exceeding a higher pressure threshold 2402 within time threshold 2403 will be interpreted as medium taps. And, taps exceeding pressure threshold 2402 will be interpreted as hard taps. Medium taps may be useful in some interface environments. Individual applications may provide different thresholds depending on their need, overriding thresholds set by the operating system.
(当審訳:
[0088] ハード・タップの別の実施例では、複数個の時間、距離、及び/または、圧力しきい値を利用することにより、タップの付加的な変形が可能とされる。例えば、図24は、本発明を説明する実施例として示された、時間に対する圧力範囲の集合を示す。このグラフでは、時間しきい値2403以内に、圧力しきい値2401を越えないタップは、ノーマル・タップとみなされる。圧力しきい値2401を越えるが、より高い圧力しきい値2402を越えないタップは、ミディアム・タップとみなされる。そして、圧力しきい値2402を越えるタップは、ハード・タップとみなされる。ミディアム・タップは、ある種のインタフェース環境で役に立つ。個別アプリケーションは、それぞれの必要に応じて、OSが設定したしきい値をオーバライドして、違うしきい値を与えることができる。)」

よって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

「タッチパッドなどと呼ばれるポインティングデバイス161などの入力デバイスを介して、ユーザーは、コマンドと情報をコンピュータ110に入力でき、このようなポインティングデバイスは、インプットの位置だけでなく、デバイスをクリックやタッチしている間に加えられた圧力をも知らせる圧力情報を提供でき、
コンピュータ110は、タブレット型コンピュータ201として実現でき、少なくともコンピュータ・ディスプレイ202と、一体化したデジタイザ203とを備え、デジタイザは、ユーザがタッチペン204でデジタイザを押すことを介して、入力を受け取り、
圧力情報は、ノーマル・タップとハード・タップとの区別に用いることによって、ユーザ入力の新しい情報源になり、所定の第1圧力範囲以内の圧力が加えられたタップは、ノーマル・タップであるとみなされる一方、より強い所定の第2圧力範囲以内の圧力が加えられたタップは、ハード・タップであるとみなされ、
ノーマル・タップは、例えば、単純なクリックであるとみなされ、ハード・タップは、ダブル・タップであるとみなされ、または、右クリックや、オンスクリーン・キーボード起動、アプリケーション立上げ、ミドル・クリック、スクロール・ホイールのクリックなどとみなされ、
デジタイザ上でのハード・タップを、他のユーザ入力から区別することには、タッチペン204の先端がデジタイザ203表面上で実質的に同じ位置を維持しているか判定することが含まれ、デジタイザ203の表面上を移動するタップは、タップよりもむしろ、意図的なドラッグ操作である可能性が高く、
タッチペン204が、適切な時間の期間中、距離しきい値の範囲内に留まっていても、コンピュータ110が、ハード・タップと判別しないことがあり、一般に、コンピュータ110は、タッチペン204によるタップ入力が、ハード・タップであるか否かを、印加された圧力、ホールド時間、及び/または、タッチペンのスライド距離によって判別し、
タップがハード・タップとされるためには、タップ入力が、特定の時間しきい値以内に、適切な圧力しきい値に到達せねばならず、
適切な距離しきい値以内に留まるが、接触状態が、点2104において(恐らく1/4秒、または、他の時間長に設定された)時間しきい値2102を経過しても、圧力の大きさが圧力しきい値2103を越えない、タップを、コンピュータ110は、ノーマル・タップ、または、それ以外の種別の入力と解釈し、
接触状態が、時間しきい値2202に達する以前に点2204において、圧力しきい値2203を越えている場合、ハード・タップであると判別され、OSやアプリケーションにより、そのようなものとして処理され、
デジタイザ203表面との接触状態が、最終的には圧力しきい値2303を超えているものの、時間しきい値2302以内ではない、点2304において、接触状態の時間が時間しきい値2302を超えるとき、入力は、ハード・タップ以外の何か、例えば、ノーマル・タップであるとされ、
ハード・タップの検出に用いる時間と圧力のしきい値を、ユーザまたはソフトウェアが設定でき、各ユーザが、圧力しきい値と時間しきい値とを調整することで、ハード・タップの望ましい利用に十全を期すことができ、
複数個の時間、距離、及び/または、圧力しきい値を利用することにより、タップの付加的な変形が可能とされ、例えば、時間しきい値2403以内に、圧力しきい値2401を越えないタップは、ノーマル・タップとみなされ、圧力しきい値2401を越えるが、より高い圧力しきい値2402を越えないタップは、ミディアム・タップとみなされ、圧力しきい値2402を越えるタップは、ハード・タップとみなされる、コンピュータ110。」

2.引用文献2(米国特許出願公開第2014/0189609号明細書)について
当審拒絶理由に引用した引用文献2には、図面とともに、段落[0025]-[0026]に、次の事項が記載されている。
「[0025] Here, the touch event includes touch coordinate (X, Y) information. When the touch event is received from the touch screen 110, the controller 170 determines that a touch tool (e.g., a finger or a pen) is touched to the touch screen 110, and when the touch event is not received from the touch screen 110, then determines that the touch is released. In addition, when the touch coordinate is changed, the controller 170 determines that the touch is moved, and calculates a position variation of the touch and a movement speed of the touch in response to the movement of the touch. The controller 170 distinguishes the user's gesture based on the touch coordinate, the touch release, the touch movement, the position variation of the touch, and the movement speed of the touch. The user's gesture may include a touch, a multi touch, a tap, a double tap, a long tap, a tap & touch, a drag, a flick, a press, a long press, a pinch in, and a pinch out.
[0026] In addition, the touch screen 110 may detect a pressure of the touched point by equipping a pressure sensor. The detected pressure information is delivered to the controller 170 and distinguishes the touch and the press. A resistive type, a capacitive type, and an electromagnetic induction type may be applied to the touch panel 111.
(当審訳:
[0025] ここで、タッチイベントには、タッチ座標(X、Y)情報が含まれる。タッチイベントをタッチスクリーン110から受けとると、制御手段170はタッチ手段(例えば、指、または、ペン)がタッチスクリーン110にタッチされたと判定する。そして、タッチイベントがタッチスクリーン110から受けとられないと、タッチが解放されたと判定する。さらに、タッチ座標が変わるとき、制御手段170はタッチが移動していると判定し、タッチ移動に基づいて、タッチ位置の変化値と、タッチの速度とを算出する。制御手段170は、タッチ座標、タッチの解放、タッチの移動、タッチ位置の変化値、タッチの速度に基づいて、ユーザによるジェスチャを区別する。ユーザのジェスチャには、タッチ、マルチタッチ、タップ、ダブル・タップ、ロング・タップ、タップ&タッチ、ドラッグ、プレス、ロング・プレス、ピンチイン、ピンチアウトが含まれる。
[0026] さらに、タッチスクリーン110に、圧力センサーを設けることで、タッチ点の圧力を検出できる。検出された圧力情報が、制御手段170に送られて、タッチとプレスとを区別する。抵抗型、容量型、電磁誘導型をタッチパネル111に適用できる。)」

3.引用文献3(特表2010-521022号公報)について
当審拒絶理由に引用した引用文献3には、図面とともに、次の事項が記載されている。

(1) 段落【0001】
「【0001】
本発明は、デジタル機器に使われるポインティング装置を利用した仮想キーボード入力システムに係り、具体的には、タッチパッド、タッチスクリーンなど、二次元ポインティング装置に、絶対座標系を利用した仮想キーボードを設定し、二次元ポインティング装置を利用し、文字入力を可能にした点に特徴がある。」

(2) 段落【0238】-【0243】
「【0238】
例えば、図15Bに図示されているように、英文字の場合、大文字、小文字を区別して入力するために、機能ボタンをさらに押さねばならないが、これに対して、押し基準時間を設定することによって、押し圧力の持続によって同じ効果をもたらすことができるのである。よって、本構成のZ_(pr,th-)はスイッチオン機能を、Z_(pr,th+)はスイッチオフ機能を担当するのである。
【0239】
このように、本構成のように、押し持続時間によるシフトキー機能を付与する場合は、敢えて機能ボタンを押し、シフトキーの効果を遂行する必要がなくなる。ただし、持続的に第2仮想キーセット(英文字の場合、大文字に該当)を利用せねばならない場合は、機能ボタンを利用し、大文字モード(cap-lock)機能を作動することが便利である。
【0240】
また本発明では、かようなシフトキーの維持のための機能ボタンの機能も、図33(A)に示されるタッチパッドの外郭(S)1,(S)2,(S)3,(S)4,(S)5,(S)6領域をタッピングすることによって具現できる。
【0241】
よって、本発明によれば、英語の大文字と共に、第2仮想キーセットの連続的な使用が必要な場合は、大文字モード(caps lock)機能を利用してシフト機能を維持し、文章の冒頭に大文字として使われる英文字のように、時々使われるシフト機能は、押し圧力持続によって具現できるのである。
【0242】
かような押し圧力の持続を利用した構成原理が、図34C(B)と図34D(B)とに示されている。図34C(B)は、文字「K」を入力する例を、図34D(B)は、「k」を入力する例を図示している。
【0243】
すなわち、図34C(B)と図34D(B)とで、押し基準時間△t^(o)_(pr)はグレー領域(ワク領域)で表示されているので、図34C(B)の場合は、押し時間がその基準時間より長い場合(△t_(pr)>△t^(o)_(pr))であり、図34D(B)の場合は、押し時間がその基準時間より短い場合(△t_(pr)<△t^(o)_(pr))であるので、前者は「K」を、後者は初期押しスレショルド圧力Z_(pr,th-)での代表文字である「k」を入力するのである。」

(3) 段落【0268】-【0276】
「【0268】
図39から分かるように、右下面を押したときの静電容量が、左上面を接触したときの静電容量よりかえって小さくなり、同じ押し基準圧力を設定する場合には、ユーザの不便がありうる。
【0269】
かような問題を解決するために、押し基準圧力を、位置によって互いに異なって設定することが望ましい。
【0270】
具体的な例として、右利き用モードでは、左上面の押し基準圧力が、右下面の押し基準圧力より高く設定され、左利き用モードでは、右下面の押し基準圧力が、右上面の押し基準圧力より低く設定されるようにすることが望ましい。
【0271】
かような押し基準圧力は、製品の生産時に生産業者によってあらかじめ設定されることも可能であり、製品の販売後にユーザが直接自身が押しつつ、押し基準圧力を設定するようにすることもできる。
【0272】
図40は、かような押し基準圧力を設定する方法の一例を図示したフローチャートである。
【0273】
押し基準圧力を設定するときには、あらゆるキーを押し、各キーに該当する押し基準圧力を設定すると同時に、X’-Y’座標系が自動的に設定されることも可能であり、図40に表示されているように、それぞれの設定作業を独立的に進行することもできる。
【0274】
図40でのように、押し基準圧力設定と入力座標系設定とが終われば、タッピング時間設定段階に続くことになる。
【0275】
これは、タッピングを利用し、新しい機能を付加しようとする場合に行われる段階であり、各ユーザごとにタッピング設定時間を異ならせることができるので、初期化段階で、タッピング時間設定がなされれば、タッピングによる数多い機能の付与が可能になり、実際に携帯用デジタル機器の機能ボタンの数を減らすことになり、窮極的には、あらゆる機能ボタンを省略できることになり、機能ボタンが占める空間を他の目的、例えば、ディスプレイ画面が占めるようにし、画面のサイズが大きくなるのである。
【0276】
以上では、タッチパッドなどに具現される仮想キーボードのためのそれぞれの分割領域は、いったん設定されてしまえば、その面積が変わらないことを前提に説明した。しかし、必ずしもそのような必要はなく、場合によって、それぞれの分割領域の面積が変わるように設定することもできる。」

4.引用文献4(特開平5-143226号公報)について
また、当審拒絶理由に引用した引用文献4には、特に【要約】欄を参照すると、タッチパネルの領域毎に、タッチパネルの圧力などのパラメータを調整可能にするという技術的事項が記載されていると認められる。


第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明のコンピュータ110の「タッチパッドなどと呼ばれるポインティングデバイス161などの入力デバイス」は、「コンピュータ110は、タブレット型コンピュータ201として実現でき」、「少なくともコンピュータ・ディスプレイ202と、一体化したデジタイザ203とを備え」、「オンスクリーン・キーボード起動」が可能であるから、本願発明1の「タッチスクリーン」に相当する。
よって、「タッチパッドなどと呼ばれるポインティングデバイス161などの入力デバイスを介して、ユーザーは、コマンドと情報をコンピュータ110に入力でき」る、引用発明の「コンピュータ110」は、本願発明1の「タッチスクリーンを含むタッチ入力装置」に相当する。

イ 以下では、引用発明の2種のタップの一方である「ハード・タップ」(引用文献1のFIG.22の図示を参照。)を、本願発明1の「第2タッチ」(請求項4、7では名称「圧力タッチ」とも呼ばれるため、便宜上、括弧書きで併記する。以下同様。)と対比する。
また、引用発明の2種のタップの他方である「ノーマル・タップ」(引用文献1のFIG.21とFIG.23の図示を参照。)を、本願発明1の「第1タッチ」(「ロングタッチ」)及び「第3タッチ」(「タップタッチ」)と対比する。
このとき、両者の対比において、次の(ア)-(ウ)のことがいえる。

(ア) 引用発明の「圧力しきい値(2103/2203/2303)」と「時間しきい値(2102/2202/2302)」とは、それぞれ、本願発明1の「第1圧力」と「第1時間期間」とに相当する。
よって、引用発明における「タッチパッドなど」への「ハード・タップ」であって、「タップがハード・タップとされるためには、タップ入力が、特定の時間しきい値以内に、適切な圧力しきい値に到達せねばなら」ないものは、本願発明1の「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含む第2タッチ(「圧力タッチ」)」に相当する。

(イ) 引用発明における「タッチパッドなど」への「ノーマル・タップ」であって、「適切な距離しきい値以内に留まるが、接触状態が、点2104において(恐らく1/4秒、または、他の時間長に設定された)時間しきい値2102を経過しても、圧力の大きさが圧力しきい値2103を越えない、タップを、コンピュータ110は、ノーマル・タップ、または、それ以外の種別の入力と解釈し」ているものは、本願発明1の「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない第1タッチ(「ロングタッチ」)」、及び、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1圧力よりも小さい圧力で前記第1時間期間より短い時間期間維持される第3タッチ(「タップタッチ」)」と、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない、第2タッチ以外のタッチ」、及び、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1圧力よりも小さい圧力で前記第1時間期間より短い時間期間維持される第2タッチ以外のタッチ」である点で共通するといえる。

(ウ) 引用発明において、「ノーマル・タップは、例えば、単純なクリックであるとみなされ、ハード・タップは、ダブル・タップであるとみなされ、または、右クリックや、オンスクリーン・キーボード起動、アプリケーション立上げ、ミドル・クリック、スクロール・ホイールのクリックなどとみなされ」ることは、本願発明1において、「第1タッチ」と、「第2タッチとに対して、互いに異なる動作を実行するように構成され」、「第3タッチに対して、前記第1タッチ及び前記第2タッチに対する動作と異なる動作を実行するように構成され」ることと、「第2タッチ以外のタッチ」と「第2タッチとに対して、互いに異なる動作を実行するように構成され」、「第2タッチ以外のタッチに対して、前記第2タッチに対する動作と異なる動作を実行するように構成され」る点で共通するといえる。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「 タッチスクリーンを含むタッチ入力装置であって、
前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない第2タッチ以外のタッチと、前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含む第2タッチとに対して、互いに異なる動作を実行するように構成され、
前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1圧力よりも小さい圧力で前記第1時間期間より短い時間期間維持される第2タッチ以外のタッチに対して、前記第2タッチに対する動作と異なる動作を実行するように構成された、
タッチ入力装置。」である点。

[相違点1]
「第2タッチ以外のタッチ」が、本願発明1では、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない第1タッチ(「ロングタッチ」)」であって、「第2タッチとに対して、互いに異なる動作を実行するように構成され」るもの、及び、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1圧力よりも小さい圧力で前記第1時間期間より短い時間期間維持される第3タッチ(「タップタッチ」)」であって、「前記第1タッチ及び前記第2タッチに対する動作と異なる動作を実行するように構成された」ものという、さらなる2種のタッチであるのに対して、引用発明では、「タッチパッドなど」への「ノーマル・タップ」であって、「適切な距離しきい値以内に留まるが、接触状態が、点2104において(恐らく1/4秒、または、他の時間長に設定された)時間しきい値2102を経過しても、圧力の大きさが圧力しきい値2103を越えない、タップを、コンピュータ110は、ノーマル・タップ、または、それ以外の種別の入力と解釈し」、「ノーマル・タップは、例えば、単純なクリックであるとみなされ、ハード・タップは、ダブル・タップであるとみなされ、または、右クリックや、オンスクリーン・キーボード起動、アプリケーション立上げ、ミドル・クリック、スクロール・ホイールのクリックなどとみなされ」るものであって、第2タッチ以外のタッチとして、さらに2種のタッチを備えることが特定されていない点。

(2)相違点についての判断
一般に、タッチ式入力デバイスにおいて、タッチの持続時間の長短に基づいて、複数種類のタッチを区別することは、例えば、上記引用文献2(特に、タップとロング・タップ、及び、プレスとロング・プレスとを互いに区別している点を参照。)、上記引用文献3(特に、段落【0238】、【0243】で、押し圧力の持続時間の長短によって英文字の大文字、小文字を区別して入力している点を参照。)に記載されるように、周知技術である。

また、引用発明は、ハード・タップとノーマル・タップという2種類のタップを、主にタッチの圧力の強弱に基づいて、区別するものであるが、「複数個の時間、距離、及び/または、圧力しきい値を利用することにより、タップの付加的な変形が可能とされ」るものであるから、タッチの持続時間に基づいて、複数種類のタッチを区別する示唆があると認められる。

しかし、上記引用発明の示唆に基づいて、たとえ、引用発明に、タッチの持続時間の長短に基づいて、複数種類のタッチを区別するという上記周知技術を適用しても、引用発明の「タップがハード・タップとされるためには、タップ入力が、特定の時間しきい値以内に、適切な圧力しきい値に到達せねばなら」ないという、圧力の強弱の判別のために用いられる、「(恐らく1/4秒、または、他の時間長に設定された)時間しきい値」と、いわゆる「長押し」を判別するために用いられる、上記周知技術の「タッチの持続時間」とは、判別の目的が異なる以上必ずしも同じにはならない。
よって、本願発明1のように、3つのタッチの判別に、共通の「第1時間期間」を用いることまでは、当業者であっても引用発明、上記周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
また、たとえ、タッチの強弱でタッチを判別する引用発明に、タッチの長短を判別する上記周知技術を組み合わせることが想定できたとしても、どのような場合にどちらの判別条件を優先するべきかは直ちに定まらない。
よって、第1時間期間より同じか長い時間期間維持されるタッチは、第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まなければ、すべて第1タッチ(「ロングタッチ」)と分類することを含むような、本願発明1の上記相違点1に係る構成は、当業者であっても引用発明、上記周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-9について
本願発明2-9も、3種のタッチの具体的な判別条件を規定する、本願発明1の上記相違点1に係る構成と実質的に同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.当審拒絶理由の理由A(特許法第36条第6項第1号)について
(1) 当審では、請求項1-3の「第1圧力よりも小さい圧力で第1時間期間より同じか長い時間期間維持される第1タッチ」という点は、発明の詳細な説明に記載したものではないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年5月2日付けの補正において、「第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない第1タッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

(2) 当審では、請求項4-6、7-9に係る発明についても、同様の理由により、発明の詳細な説明に記載したものではないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年5月2日付けの意見書における、「『前記タッチが前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まずに、前記第1時間期間以内に前記タッチが解除されない場合、前記タッチをロングタッチに分類する段階』という記載は、補正前の請求項1の記載とは異なり、『第1圧力』以下で、かつ、『第1時間期間』以上のタッチだけを『ロングタッチ』に区分することに限定するものではない」旨の主張を踏まえれば、請求項4-6、7-9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものである。

第7 原査定についての判断
平成29年5月2日付けの補正により、補正後の請求項1-9は、「前記第1時間期間以内に前記第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含む第2タッチ(「圧力タッチ」)」以外のタッチとして、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、第1時間期間より同じか長い時間期間維持され、前記第1時間期間以内に第1圧力以上の圧力を有する時間区間を含まない第1タッチ(「ロングタッチ」)」であって、「第2タッチとに対して、互いに異なる動作を実行するように構成され」るもの、及び、「前記タッチスクリーンに対するタッチとして、前記第1圧力よりも小さい圧力で前記第1時間期間より短い時間期間維持される第3タッチ(「タップタッチ」)」であって、「前記第1タッチ及び前記第2タッチに対する動作と異なる動作を実行するように構成された」ものという、さらなる2種のタッチを備えるという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献A-Cには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-9は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-06-26 
出願番号 特願2015-141510(P2015-141510)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 加内 慎也  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 山田 正文
稲葉 和生
発明の名称 タッチの種類の判別方法及びこれを遂行するタッチ入力装置  
代理人 重森 一輝  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 金山 賢教  
代理人 五味渕 琢也  
代理人 今藤 敏和  
代理人 坪倉 道明  
代理人 川嵜 洋祐  
代理人 飯野 陽一  
代理人 安藤 健司  
代理人 青木 孝博  
代理人 城山 康文  
代理人 小野 誠  
代理人 市川 祐輔  
代理人 櫻田 芳恵  
代理人 市川 英彦  

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