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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06T |
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管理番号 | 1329795 |
審判番号 | 不服2016-11563 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-08-02 |
確定日 | 2017-07-21 |
事件の表示 | 特願2013-544552「複数のアプリケーション又はプロセスに渡るアニメーション調整」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 6月21日国際公開、WO2012/082458、平成26年 3月27日国内公表、特表2014-507698、請求項の数(26)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 経緯 本願は、2011年12月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年12月13日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成27年9月28日付けの拒絶理由の通知に対し、平成27年12月17日付けで手続補正がなされたが、平成28年4月18日付けで拒絶査定がなされた。 本件は、平成28年8月2日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に手続補正がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年4月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-26に係る発明は、引用文献1-2に記載された発明及び引用文献3-8に記載された周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2005-135106号公報 2.DESIGNSCOPE!,「FLASH WEB DESIGN BOOK ver.5J」,株式会社翔泳社,2001年 1月20日,初版,p.21 3.特開2009-163510号公報 4.特開2007-280175号公報 5.特開2009-223531号公報 6.国際公開第2008/041357号 7.国際公開第2009/149925号 8.特開2003-162532号公報 (なお、請求項9,23には「前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、」との記載があるが、誤記であると考えられる点に留意されたい。 また、請求項23には「前記コンピュータ実行可能な命令は、…ステップと、を更に含む請求項19?22のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。」との記載があるが、「命令」が「ステップ」を含むという表現は不明確であると考えられる点に留意されたい。) 第3 審判請求時の補正について 1.補正の内容 審判請求時の補正は、平成27年12月17日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項9、23に記載された、 「【請求項9】 前記移行アニメーションに関連するアニメーション識別子を生成するステップと、 前記開始アプリケーションと前記行先アプリケーションに対し前記アニメーション識別子を発行するステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、 を更に含む請求項5?8のいずれか一項に記載の方法。」 「【請求項23】 前記コンピュータ実行可能な命令は、 前記移行アニメーションに関連するアニメーション識別子を生成するステップと、 前記開始アプリケーションと前記行先アプリケーションに対し前記アニメーション識別子を発行するステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、 を更に含む請求項19?22のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。」 という発明を、平成28年8月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項9、23に記載された、 「【請求項9】 前記移行アニメーションに関連するアニメーション識別子を生成するステップと、 前記開始アプリケーションと前記行先アプリケーションに対し前記アニメーション識別子を発行するステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、 を更に含む請求項5?8のいずれか一項に記載の方法。」 「【請求項23】 前記コンピュータ実行可能な命令は、 前記移行アニメーションに関連するアニメーション識別子を生成するステップと、 前記開始アプリケーションと前記行先アプリケーションに対し前記アニメーション識別子を発行するステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、 を更に実行する請求項19?22のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。」 という発明に補正するものである。 なお、下線は、当審で付したものである。 2.補正の適法性について (1)新規事項の追加および発明の特別な技術的特徴の変更について 請求項9、23の補正は、新規事項を追加する補正でなく、発明の特別な技術的特徴を変更する補正でない。 (2)補正の目的について (2-1)請求項9について 補正前の「前記前記」という記載は、明らかな誤記であり、「前記前記」を「前記」に補正することは、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正を目的とするものである。 (2-2)請求項23について 補正前の「前記前記」という記載は、明らかな誤記であり、「前記前記」を「前記」に補正することは、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正を目的とするものである。 また、補正前の「前記コンピュータ実行可能な命令は、…ステップと、を更に含む」という記載では、「命令は、」「ステップ」を「含む」という明瞭でない記載となっており、「前記コンピュータ実行可能な命令は、…ステップと、を更に実行する」と補正することにより、当該記載が明瞭になったので、「更に含む」を「更に実行する」に補正することは、特許法第17条の2第5項第4号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3)小括 したがって、審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 第4 本願発明 本願請求項1-26に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明26」という。)は、平成28年8月2日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-26に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 なお、請求項5に係る発明(本願発明5)については、説明のために、A?Eの符号を当審において付与した。 以下、「構成A」、「構成B」などと称することとする。 「 【請求項1】 コンピューティングデバイスによって実行され、移行アニメーションを与える方法であって、 開始アプリケーション内でのオブジェクトの表現を表示するステップと、 前記開始アプリケーションを経由して、前記オブジェクトの表現の表示についての情報と、前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーションによって、前記オブジェクトを開くという要求についての情報を受け取るステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップであって、前記調整された移行アニメーションは、前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から前記行先アプリケーション内でのオブジェクトの表現へのモーフィングを含み、前記調整された移行アニメーションは、前記行先アプリケーションがウィンドウを開くことを視覚的に表すものであるステップと、 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップと、 を含む方法。 【請求項2】 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップは、 アニメーション調整構成要素によって、前記開始アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記アニメーション調整構成要素によって、前記行先アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記調整された移行アニメーションをレンダリングするステップと、 を更に含む、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記調整された移行アニメーションは、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへのシフトを視覚的に表すものである、請求項1又は2に記載の方法。 【請求項4】 前記開始アプリケーションからの情報は、前記オブジェクトのグラフィカル表現、前記オブジェクトの種類、及び/又は、前記オブジェクトの初期位置を含む、請求項1?3のいずれか一項に記載の方法。 【請求項5】 A コンピューティングデバイスによって実行され、移行アニメーションを与える方法であって、 B 開始アプリケーションに関連する第一のコンテキストから、前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーションに関連する第二のコンテキストへの移行の要求を、前記コンピューティングデバイスが受け取るステップと、 C 前記コンピューティングデバイス上で実行されるアニメーション調整構成要素が、前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップであって、前記調整された移行アニメーションは、前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するものであり、前記調整された移行アニメーションは、前記行先アプリケーションが前記オブジェクトを開くことを視覚的に表すものであるステップと、 D 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップと、 を含む E 方法。 【請求項6】 前記コンピューティングデバイス上で実行されるアニメーション調整構成要素が、前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップは、 前記アニメーション調整構成要素によって、前記開始アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記アニメーション調整構成要素によって、前記行先アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記調整された移行アニメーションをレンダリングするステップと、 を更に含む、請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記第一のコンテキストから前記第二のコンテキストに移行するときに、前記移行アニメーションが表示される、請求項5又は6に記載の方法。 【請求項8】 前記開始アプリケーションに関連する第一のコンテキストから、行先アプリケーションに関連する第二のコンテキストへの移行の要求が、前記行先アプリケーションによって前記オブジェクトを開く要求を含む、請求項5?7のいずれか一項に記載の方法。 【請求項9】 前記移行アニメーションに関連するアニメーション識別子を生成するステップと、 前記開始アプリケーションと前記行先アプリケーションに対し前記アニメーション識別子を発行するステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、 を更に含む請求項5?8のいずれか一項に記載の方法。 【請求項10】 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップが、前記調整された移行アニメーションを前記ディスプレイデバイスの最上部の位置に表示する、請求項5?9のいずれか一項に記載の方法。 【請求項11】 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップが、前記行先アプリケーションからの準備完了インジケーターを待ってから、前記調整された移行アニメーションの表示を開始する、請求項5?10のいずれか一項に記載の方法。 【請求項12】 前記行先アプリケーションからの準備完了インジケーターが、前記行先アプリケーションからの情報を含む、請求項11に記載の方法。 【請求項13】 請求項1?12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラム。 【請求項14】 請求項1?12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムを記録した記録媒体。 【請求項15】 その上で実行されるアプリケーション間の移行アニメーションを提供するコンピューティングデバイスであって、 コンピュータ実行可能な命令を記憶するメモリと前記コンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサーを含み、前記コンピュータ実行可能な命令は、 開始アプリケーション内でのオブジェクトの表現を表示するステップと、 前記開始アプリケーションを経由して、前記オブジェクトの表現の表示についての情報と、前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーションによって、前記オブジェクトを開くという要求についての情報を受け取るステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップであって、前記調整された移行アニメーションは、前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から前記行先アプリケーション内でのオブジェクトの表現へのモーフィングを含み、前記調整された移行アニメーションは、前記行先アプリケーションがウィンドウを開くことを視覚的に表すものであるステップと、 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップと、 を実行するコンピューティングデバイス。 【請求項16】 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップは、 アニメーション調整構成要素によって、前記開始アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記アニメーション調整構成要素によって、前記行先アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記調整された移行アニメーションをレンダリングするステップと、 を更に含む、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項17】 前記調整された移行アニメーションは、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへのシフトを視覚的に表すものである、請求項15又は16に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項18】 前記開始アプリケーションからの情報は、前記オブジェクトのグラフィカル表現、前記オブジェクトの種類、及び/又は、前記オブジェクトの初期位置を含む、請求項15?17のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項19】 その上で実行されるアプリケーション間の移行アニメーションを提供するコンピューティングデバイスであって、 コンピュータ実行可能な命令を記憶するメモリと前記コンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサーを含み、前記コンピュータ実行可能な命令は、 開始アプリケーションに関連する第一のコンテキストから、前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーションに関連する第二のコンテキストへの移行の要求を受け取るステップと、 アニメーション調整構成要素が、前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップであって、前記調整された移行アニメーションは、前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するものであり、前記調整された移行アニメーションは、前記行先アプリケーションが前記オブジェクトを開くことを視覚的に表すものであるステップと、 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップと、 を実行するコンピューティングデバイス。 【請求項20】 前記コンピューティングデバイス上で実行されるアニメーション調整構成要素が、前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップは、 前記アニメーション調整構成要素によって、前記開始アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記アニメーション調整構成要素によって、前記行先アプリケーションからの情報を受け取るステップと、 前記調整された移行アニメーションをレンダリングするステップと、 を更に含む、請求項19に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項21】 前記第一のコンテキストから前記第二のコンテキストに移行するときに、前記移行アニメーションが表示される、請求項19又は20に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項22】 前記開始アプリケーションに関連する第一のコンテキストから、行先アプリケーションに関連する第二のコンテキストへの移行の要求が、前記行先アプリケーションによって前記オブジェクトを開く要求を含む、請求項19?21のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項23】 前記コンピュータ実行可能な命令は、 前記移行アニメーションに関連するアニメーション識別子を生成するステップと、 前記開始アプリケーションと前記行先アプリケーションに対し前記アニメーション識別子を発行するステップと、 前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報を前記アニメーション識別子と関連付けて保存するステップと、 を更に実行する請求項19?22のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項24】 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップが、前記調整された移行アニメーションを前記ディスプレイデバイスの最上部の位置に表示する、請求項19?23のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項25】 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップが、前記行先アプリケーションからの準備完了インジケーターを待ってから、前記調整された移行アニメーションの表示を開始する、請求項19?24のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。 【請求項26】 前記行先アプリケーションからの準備完了インジケーターが、前記行先アプリケーションからの情報を含む、請求項25に記載のコンピューティングデバイス。」 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、「表示画像制御装置及び方法」として、図面とともに次の事項が記載されている。 なお、下線は、当審が付与したものである。 ア「【0001】 本発明は、表示部に表示されているアプリケーションの特定状態に応じた表示画像を他の表示画像に切り替える表示画像制御装置及び方法に関する。」 イ「【0015】 アニメーション効果記録部13は、一のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像から他の表示画像に切り替えられる間に表示部10に表示されるアニメーション効果が記録されている。 【0016】 ここで、アニメーション効果について説明する。例えば、アニメーション効果Oは、表示画面Aから表示画面Bに表示画面を切り替える場合には、直方体の側面に切り替え前後の表示画像が記述され、直方体の水平方向の回転により隣接する側面が登場するような効果である。なお、アニメーション効果Oでは、直方体αの左側面に切り替えられる前の表示画像Aが記述され、直方体αの右側面に切り替え対象の表示画像Bが記述される。 【0017】 また、アニメーション効果Pは、切り替えられる前の表示画像Aが割れたガラス状に表示部の下方向に落下して消失するように移動し、表示画像Aが消失した背景から切り替え対象の表示画像Bが現れるような効果である。 【0018】 また、アニメーション効果Qは、切り替えられる前の表示画像Aが表示部において、右方向に遠ざかるように縮小しながら移動し、表示画像Aが縮小しながら移動した所定の場所から切り替え対象の表示画像Bが拡大しながら全面に迫ってくるように移動するような効果である。 【0019】 さらに、アニメーション効果Rは、切り替えられる前の表示画像Aが徐々に透明になって消失するように移動し(フェードアウト)、表示画像Aが消失してゆくと同時に、切り替え対象の表示画像Bが徐々に現れるように移動する(フェードイン)ような効果である。」 ウ「【0029】 アニメーション効果決定部23は、抽出部21から供給された切り替えられた後の表示画像と、取得部22から供給された表示部10に表示されている表示画像(切り替えられる前の表示画像)との組み合わせに基づき、上述したアニメーション効果決定テーブル14を参照し、アニメーション効果を決定する。アニメーション効果決定部23は、決定した結果を読出部24に供給する。アニメーション効果決定部23は、例えば、抽出部21から供給された切り替え対象の表示画像が表示画像A-1であり、取得部22から供給された表示部10に表示されている表示画像が表示画像B-1であった場合には、図4又は図5のテーブルを参照し、アニメーション効果Uと決定する。」 エ「【0031】 アニメーション生成部25は、抽出部21から供給された切り替えられた後の表示画像と、取得部22から供給された表示部10に表示されている表示画像(切り替えられる前の表示画像)と、読出部24から供給されたアニメーション効果に基づき所定のアニメーションを生成し、生成したアニメーションを表示制御部26に供給する。ここで、アニメーション生成部25により生成されるアニメーションについて図6から図9を用いて説明する。 【0032】 アニメーション生成部25は、例えば、読出部24から上述したアニメーション効果Oが供給されたとき、表示画面Aから表示画面Bに表示画面を切り替える場合には、図6に示すように、直方体αの側面に切り替え前後の表示画像が記述され、直方体αの水平方向の回転により隣接する側面が登場するようなアニメーションを生成する。なお、アニメーション効果Oでは、直方体αの左側面に切り替えられる前の表示画像Aが記述され、直方体αの右側面に切り替え対象の表示画像Bが記述される。 【0033】 また、アニメーション生成部25は、例えば、読出部24から上述したアニメーション効果Pが供給されたとき、表示画面Aから表示画面Bに表示画面を切り替える場合には、図7に示すように、切り替えられる前の表示画像Aが割れたガラス状に表示部の下方向に落下して消失するように移動し、表示画像Aが消失した背景から切り替え対象の表示画像Bが現れるようなアニメーションを生成する。 【0034】 また、アニメーション生成部25は、例えば、読出部24から上述したアニメーション効果Qが供給されたとき、表示画面Aから表示画面Bに表示画面を切り替える場合には、図8に示すように、切り替えられる前の表示画像Aが表示部において、右方向に遠ざかるように縮小しながら移動し、表示画像Aが縮小しながら移動した所定の場所から切り替え対象の表示画像Bが拡大しながら全面に迫ってくるように移動するようなアニメーションを生成する。 【0035】 さらに、アニメーション生成部25は、例えば、読出部24から上述したアニメーション効果Rが供給されたとき、表示画面Aから表示画面Bに表示画面を切り替える場合には、図9に示すように、切り替えられる前の表示画像Aが徐々に透明になって消失するように移動し(フェードアウト)、表示画像Aが消失してゆくと同時に、切り替え対象の表示画像Bが徐々に現れるように移動する(フェードイン)ようなアニメーションを生成する。」 オ「【0044】 ここで、表示画像制御装置1の動作について図10に示すフローチャートを用いて説明する。 【0045】 ステップST1において、ユーザは、表示部10に表示されている表示画像を切り替える旨の操作を行う。ユーザは、表示部10に表示されている表示画像を所望する表示画像に切り替えるべく、表示画像切換部11に備えられている所定のボタンを押圧する。なお、表示画像切換部11は、ユーザによるボタンの押圧の他、ペン入力、マウスのクリック、音声入力等により表示画像の切り換えが行われるような構成であっても良い。 【0046】 ステップST2において、アプリケーションマネージャ15は、表示画像切換部11から供給される表示画像切替信号S1に基づきアプリケーション群12から所定のアプリケーションを読み出す。 【0047】 ステップST3において、アプリケーションマネージャ15は、表示画像切換部11から供給される表示画像切替信号S1に基づき表示部10に表示されている表示画像を非表示にする。 【0048】 ステップST4において、アプリケーションマネージャ15は、アニメーション効果が設定されているかどうかを判断する。アニメーション効果決定部23は、抽出部21から供給された切り替えられた後の表示画像と、取得部22から供給された表示部10に表示されている表示画像(切り替えられる前の表示画像)との組み合わせに基づき、アニメーション効果決定テーブル14を参照し、アニメーション効果が設定されているかどうかを判断する。アニメーション効果が設定されている場合には、ステップST5に進み、アニメーション効果が設定されていない場合には、ステップST8に進む。 【0049】 ステップST5において、アプリケーションマネージャ15は、アニメーション効果決定テーブル14にしたがって決定されたアニメーション効果をアニメーション効果記録部13から読み出す。 【0050】 ステップST6において、アプリケーションマネージャ15は、操作状態検出部16から供給された信号S3に応じて、所定の変化信号S3を生成する。 【0051】 ステップST7において、アプリケーションマネージャ15は、生成したアニメーションを表示部10に出力する。なお、アニメーションを表示部10に表示するときに、効果音の出力を行っても良い。 【0052】 ステップST8において、アプリケーションマネージャ15は、アニメーションの表示後、切り替えられた後の表示画像を表示部10に表示する。」 カ「【0074】 また、本願発明では、上述した実施例以外にも、例えば、図14のようにユーザがクリックした点から、新しいアプリケーション画面が飛んでくるようなアニメーション効果や、図15のようにユーザがクリックした点を中心にアプリケーション画面に亀裂が走り、それらが崩れ去った後から新しいアプリケーションが登場するアニメーション効果等が表示部10に表示されても良い。このような場合には、例えば、亀裂の大きさは、ユーザのクリックの強さに応じたものにすることもできる。また音声入力の場合、声量によってアニメーションの速度を変えるなどの効果が考えられる。」 上記ア?カの記載及び関連する図面、並びにこの分野における技術常識を考慮し、以下で検討する。 (ア)上記アの記載から、上記引用文献1には、表示部に表示されているアプリケーションの特定状態に応じた表示画像を他の表示画像に切り替える表示画像制御装置及び表示画像制御方法が記載されている。 そして、表示画像制御方法は、表示画像制御装置にて実行されることは自明である。 また、上記イの段落0015の記載から、上記引用文献1の表示画像制御方法は、一のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像から他の表示画像に切り替えられる間に表示部にアニメーション効果が表示されるものである。 すなわち、上記引用文献1には、表示画像制御装置にて実行され、表示部に表示されているアプリケーションの特定状態に応じた表示画像を他の表示画像に切り替える間に表示部にアニメーション効果が表示される表示画像制御方法が記載されているといえる。 (イ)上記オの段落0045の記載から、上記引用文献1の表示画像制御方法は、表示部に表示されている表示画像を所望する表示画像に切り替えるために、ユーザが所定のボタンを押圧するものである。 (ウ)上記ウ及び上記オの段落0048、0049の記載から、上記引用文献1の表示画像制御方法は、表示画像制御装置のアニメーション効果決定部が、切り替えられた後の表示画像と、表示部に表示されている表示画像(切り替えられる前の表示画像)との組み合わせに基づき、アニメーション効果決定テーブルを参照し、アニメーション効果を決定するものである。 また、上記(ア)で検討したように、表示画像は、アプリケーションの特定状態に応じたものといえる。 すなわち、上記引用文献1の表示画像制御方法は、表示画像制御装置のアニメーション効果決定部が、切り替えられる前のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像と、切り替えられた後のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像に基づき、アニメーション効果を決定するものである。 (エ)上記イの段落0015及び上記オの段落0051の記載から、上記引用文献1の表示画像制御装置の表示部に決定されたアニメーション効果が表示されるものである。 よって、上記引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 なお、説明のために、a?eの符号を当審において付与した。 以下、「構成a」、「構成b」などと称することとする。 「a 表示画像制御装置にて実行され、表示部に表示されているアプリケーションの特定状態に応じた表示画像を他の表示画像に切り替える間に表示部にアニメーション効果が表示される表示画像制御方法であって、 b 表示部に表示されている表示画像を所望する表示画像に切り替えるために、ユーザが所定のボタンを押圧し、 c 表示画像制御装置のアニメーション効果決定部が、切り替えられる前のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像と、切り替えられた後のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像に基づいて、アニメーション効果を決定するものであり、 d 表示画像制御装置の表示部に決定されたアニメーション効果が表示される e 方法。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2の21頁には、フレームレートが1秒間に表示するアニメーションフレーム数であることが記載されている。 3.引用文献3-4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3の段落0050の記載からみて、当該引用文献3には、特定のアプリケーションのウィンドウを最前面に表示させる技術が記載されている。 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4の段落0073の記載からみて、当該引用文献4には、アプリケーションを画面の最前面に移動させる技術が記載されている。 4.引用文献5-6について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5の段落0050の記載からみて、当該引用文献5には、リンク情報をクリックすると、ウェブブラウザが自動的に起動し、ウェブコンテンツを表示する技術が記載されている。 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6の段落0003の記載からみて、当該引用文献3には、ウェブコンテンツ内の電話番号をクリックすると、通話ウィンドウが開く技術が記載されている。 5.引用文献7-8について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献7の2頁6行?31行、5頁15行?24行の記載からみて、当該引用文献7には、第1のビデオコンテンツから第2のビデオコンテンツへの切り換えに際し、多面体が回転するようにかつモーフィングする技術が記載されている。 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献8の段落0083の記載からみて、当該引用文献8には、以前に表示された版から現在表示される版へモーフィングにより移行する技術が記載されている。 第6 対比・判断 1.本願発明5について (1)対比 本願発明5と引用発明を対比する。 ア 本願発明5の構成Aと引用発明の構成aについて 構成aにおいて、「表示画像制御装置」は、表示画像制御のための処理を行う装置であるといえ、構成Aの「コンピューティングデバイス」に相当する。 構成aにおいて、「表示部に表示されているアプリケーションの特定状態に応じた表示画像を他の表示画像に切り替える間に表示部にアニメーション効果が表示されるアニメーション効果が表示される」ということは、一の表示画像から他の表示画像に移るためのアニメーションが表示されるものであり、構成Aの「移行アニメーションを与える」ことに相当する。 したがって、構成aは、構成Aに相当する。 イ 本願発明5の構成Bと引用発明の構成bについて 構成bの「表示部に表示されている表示画像」は、構成cより、「切り替えられる前のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像」であり、構成bの「所望する表示画像」は、構成cより、「切り替えられた後のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像」である。 ここで、それぞれの表示画像を区別するために『第一の表示画像』、『第二の表示画像』と称することとする。 また、構成bの「ユーザが所定のボタンを押圧」することは、「表示部に表示されている表示画像を所望する表示画像に切り替える」ことを要求するものといえ、当該要求を、表示画像制御装置が受信することは自明である。 そうすると、構成bは、『切り替えられる前のアプリケーションの特定状態に応じた第一の表示画像から、切り替えられた後のアプリケーションの特定状態に応じた第二の表示画像に切り替える要求を、表示画像制御装置が受信する』ことといえる。 ここで、引用発明の『切り替えられる前のアプリケーション』、『切り替えられた後のアプリケーション』は、それぞれ、構成Bの「開始アプリケーション」、「前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーション」に相当する。 そして、引用発明の『第一の表示画像』、『第二の表示画像』は、ともに、『アプリケーションの特定状態に応じた』ものであるので、アプリケーションに関連するものといえ、それぞれ、構成Bの「アプリケーションに関連する第一のコンテキスト」、「アプリケーションに関連する第二のコンテキスト」に相当する。 したがって、引用発明の『切り替えられる前のアプリケーションの特定状態に応じた第一の表示画像』、『切り替えられた後のアプリケーションの特定状態に応じた第二の表示画像』は、それぞれ、構成Bの「開始アプリケーションに関連する第一のコンテキスト」、「前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーションに関連する第二のコンテキスト」に相当する。 また、上記アと同様に、『表示画像制御装置』は、構成Bの「コンピューティングデバイス」に相当する。 したがって、構成bは、構成Bに相当する。 ウ 本願発明5の構成Cと引用発明の構成cについて 上記アと同様に、構成cの「表示画像制御装置」は、構成Cの「コンピューティングデバイス」に相当する。 構成cの「アニメーション効果決定部」は、どのアニメーションにするかを調整する部位であることから、構成Cの「アニメーション調整構成要素」に相当する。 上記イの検討を援用するに、構成cの「切り替えられる前のアプリケーション」、「切り替えられた後のアプリケーション」は、それぞれ、構成Cの「開始アプリケーション」、「行先アプリケーション」に相当する。 また、構成cの「アニメーション効果を決定する」ことは、切り替えられる前のアプリケーションから切り替えられた後のアプリケーションへに移るためのアニメーションをどのアニメーションにするかを調整することであるから、構成Cの「前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整する」ことに相当する。 したがって、構成cと構成Cは、「前記コンピューティングデバイス上で実行されるアニメーション調整構成要素が、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整する」点で共通する。 しかし、移行アニメーションを調整することに関して、構成cは、「切り替えられる前のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像と、切り替えられた後のアプリケーションの特定状態に応じた表示画像」すなわち、切り替え前後の表示画像に基づいて調整しているだけであり、構成Cのように、「前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報」に基づいて調整するものではない点で相違する。 また、調整された移行アニメーションに関して、構成cは、構成Cのように、「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」でない点、「前記行先アプリケーションが前記オブジェクトを開くことを視覚的に表すもの」でない点で相違する。 エ 本願発明5の構成Dと引用発明の構成dについて 構成dの「表示画像制御装置の表示部」は、構成Dの「前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上」に相当する。 また、上記ウで検討したように、構成cの「アニメーション効果を決定する」ことは、構成Cの「移行アニメーションを調整する」ことに相当し、構成dの「決定されたアニメーション効果」は、構成cで決定されたアニメーション効果であるから、構成Dの「前記調整された移行アニメーション」に相当する。 したがって、構成dは、構成Dに相当する。 オ 本願発明5の構成Eと引用発明の構成eについて 構成eは、構成Eに相当する。 カ 一致点・相違点 したがって、本願発明5と引用発明との間には、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「コンピューティングデバイスによって実行され、移行アニメーションを与える方法であって、 開始アプリケーションに関連する第一のコンテキストから、前記開始アプリケーションとは異なる行先アプリケーションに関連する第二のコンテキストへの移行の要求を、前記コンピューティングデバイスが受け取るステップと、 前記コンピューティングデバイス上で実行されるアニメーション調整構成要素が、前記開始アプリケーションから前記行先アプリケーションへの移行アニメーションを調整するステップと、 前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス上に前記調整された移行アニメーションを表示するステップと、 を含む方法。」 (相違点) <相違点1> 移行アニメーションを調整することに関して、本願発明5は、「前記開始アプリケーションからの情報と前記行先アプリケーションからの情報に少なくとも基づいて」調整するのに対し、引用発明は、そのような情報に基づいて調整をするものではない点。 <相違点2> 調整された移行アニメーションに関して、本願発明5は、「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」であるのに対し、引用発明は、そのようなものでない点。 <相違点3> 調整された移行アニメーションに関して、本願発明5は、「前記行先アプリケーションが前記オブジェクトを開くことを視覚的に表すもの」であるのに対し、引用発明は、そのようなものでない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点2について検討する。 上記第5 1.イの段落0016?0019、エの段落0032?0035、キの記載からみて、引用文献1には、アニメーション効果として、以下の6種類のアニメーション効果が例示されている。 a 直方体の左側面に切り替えられる前の表示画像Aが記述され、直方体αの右側面に切り替え対象の表示画像Bが記述され、直方体の水平方向の回転により隣接する側面が登場する。 b 切り替えられる前の表示画像Aが割れたガラス状に表示部の下方向に落下して消失するように移動し、表示画像Aが消失した背景から切り替え対象の表示画像Bが現れる。 c 切り替えられる前の表示画像Aが表示部において、右方向に遠ざかるように縮小しながら移動し、表示画像Aが縮小しながら移動した所定の場所から切り替え対象の表示画像Bが拡大しながら全面に迫ってくるように移動する。 d 切り替えられる前の表示画像Aが徐々に透明になって消失するように移動し(フェードアウト)、表示画像Aが消失してゆくと同時に、切り替え対象の表示画像Bが徐々に現れるように移動する(フェードイン)。 e ユーザがクリックした点から、新しいアプリケーション画面が飛んでくる。 f ユーザがクリックした点を中心にアプリケーション画面に亀裂が走り、それらが崩れ去った後から新しいアプリケーションが登場する。 しかし、例示された6種類のアニメーション効果のいずれをみても、表示画像全体が別の表示画像に切り替わるようなアニメーション効果であり、アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、別のアプリケーション内のオブジェクトの表現で終了するアニメーション効果であるといえない。 また、第5 2.?5.に提示した他の引用文献をみても、当該相違点2に係る構成を有するものでない。 したがって、上記相違点1、3について判断するまでもなく、本願発明5は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明6?14について 本願発明6?14も、本願発明5の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとは認められない。 3.本願発明1?4について 本願発明1は、本願発明5の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」に対応する「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から前記行先アプリケーション内でのオブジェクトの表現へのモーフィング」という構成を備えるものである。 また、本願発明2?4も、本願発明1の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から前記行先アプリケーション内でのオブジェクトの表現へのモーフィング」と同一の構成を備えるものである。 したがって、本願発明1?4は、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとは認められない。 4.本願発明15?18について 本願発明15は、本願発明5の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」に対応する「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から前記行先アプリケーション内でのオブジェクトの表現へのモーフィング」という構成を備えるものである。 また、本願発明16?18も、本願発明15の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から前記行先アプリケーション内でのオブジェクトの表現へのモーフィング」と同一の構成を備えるものである。 したがって、本願発明15?18は、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとは認められない。 5.本願発明19?26について 本願発明19は、本願発明5の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」に対応する構成を備えるものである。 また、本願発明20?26も、本願発明19の「前記開始アプリケーション内のオブジェクトの表現から開始し、前記行先アプリケーション内での前記オブジェクトの表現で終了するもの」と同一の構成を備えるものである。 したがって、本願発明19?26は、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとは認められない。 第7 むすび 以上のとおり、本願の請求項1?26に係る発明は、引用発明及び引用文献2?8に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-07-11 |
出願番号 | 特願2013-544552(P2013-544552) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06T)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 村松 貴士 |
特許庁審判長 |
清水 正一 |
特許庁審判官 |
渡辺 努 冨田 高史 |
発明の名称 | 複数のアプリケーション又はプロセスに渡るアニメーション調整 |
代理人 | 小林 泰 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 竹内 茂雄 |
代理人 | 小野 新次郎 |
代理人 | 松尾 淳一 |