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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A63F |
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管理番号 | 1330099 |
異議申立番号 | 異議2016-701009 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-10-21 |
確定日 | 2017-06-09 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5911225号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5911225号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第5911225号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第5911225号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成28年4月8日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされたものであり、平成28年12月19日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年2月23日付けで特許権者である株式会社三共より意見書の提出及び訂正請求がなされ、これに対して、特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より、平成29年4月6日付けで意見書が提出されたものである。 第2 訂正請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求による本件特許の訂正(以下、「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記事前決定手段の決定結果及び前記導出操作手段の操作態様に応じて前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、」とあるのを、 「前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、」に訂正する(下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に 「遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、」とあるのを、 「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、」に訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1の「有利価値を付与する有利価値付与手段、とを備え、」の後に、 「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」を加える。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1に、上記訂正事項3の「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」に続けて、 「前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、」を加える。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項1に 「前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段の操作に応じて該演出用可変表示領域に演出用表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、」とあるのを、 「前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、」に訂正する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項1に 「前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用表示結果を導出させることを許容する特定許容手段と、」とあるのを、 「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、」に訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項1に 「前記特定許容手段が特定演出用表示結果を導出させることを許容しているときに、該特定演出用表示結果を導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」 とあるのを、 「前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」に訂正する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項1の「複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」の後に 「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、」を加える。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項1に 「前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段により選択された難易度に従って前記演出用識別情報の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、」 とあるのを、 「前記演出用導出制御手段は、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、」に訂正する。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項1に 「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときよりも高い割合で選択する」とあるのを、 「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」に訂正する。 (11) 訂正事項11 願書に添付した明細書の段落【0008】に 「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報(図柄)を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、 前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、 前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、 前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果及び前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作態様に応じて前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる制御を行う入賞用導出制御手段(メイン制御部41)と、 画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示器51)と、 前記画像表示装置(液晶表示器51)の表示制御を行う画像表示制御手段(サブ制御部91)と、 遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、 を備え、 前記画像表示制御手段は、 前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域(変動領域)において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示させるとともに、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作に応じて該演出用可変表示領域(変動領域)に演出用表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、 前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用表示結果を導出させることを許容する特定許容手段と、 前記特定許容手段が特定演出用表示結果を導出させることを許容しているときに、該特定演出用表示結果(「チェリー-ANY-ANY」、「スイカ-スイカ-スイカ」)を導出させる難易度(演出用リール)を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度(演出用リール1、演出用リール2)から選択する難易度選択手段(演出用リール選択抽選)と、 を含み、 前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)により選択された難易度(演出用リール)に従って前記演出用識別情報(演出用図柄)の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときよりも高い割合で選択することを特徴としている。」とあるのを、 「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報(図柄)を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、 前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、 前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、 前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段(メイン制御部41)と、 画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示器51)と、 前記画像表示装置(液晶表示器51)の表示制御を行う画像表示制御手段(サブ制御部91)と、 前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、 を備え、 前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、 前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、 前記画像表示制御手段は、 前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域(変動領域)において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示させるとともに、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、 前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度(演出用リール)を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度(演出用リール1、演出用リール2)から選択する難易度選択手段(演出用リール選択抽選)と、 前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、 を含み、 前記演出用導出制御手段は、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する ことを特徴としている。」に訂正する。 (12) 訂正事項12 願書に添付した明細書の段落【0294】に 「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」とあるのを、 「また、リール2L、2C、2Rの表示態様として、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」に訂正する。 2 訂正の適否について (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 上記訂正事項1の訂正は、「入賞用導出制御手段」について、訂正前の「前記事前決定手段の決定結果及び前記導出操作手段の操作態様に応じて前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行う」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う」ものであることを明らかにし、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項1は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項1の「前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、」とする訂正は、 願書に添付した明細書の段落【0109】の「また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。」との記載に基づくものである。すなわち、事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲(最大5コマの範囲)内に位置する入賞用識別情報(図柄)を入賞用表示結果として入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に導出させる制御を行うことを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 上記訂正事項2の「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに」なる発明特定事項を付加する訂正は、「有利価値付与決定手段」の構成をより具体的に限定して記載したものであり、どういうときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定するのかを明らかにするために、「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに」を加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項2は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項2の「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0265】の「サブ制御部91は、AT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。本実施例では、1枚当選時、すなわち1枚当選を示す内部当選コマンドの受信を契機にAT抽選を実行する。」との記載に基づくものである。すなわち、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否か(ATに制御するか否か)を決定することを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 上記訂正事項3の「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」なる発明特定事項を付加する訂正は、「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段」の構成における「特定結果」についてより具体的に限定して記載したものであり、「特定結果」が「遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果」であることを新たに加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求め範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項3は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項3の「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0012】の「本発明の手段4に記載のスロットマシンは、請求項1、手段1または2のいずれかに記載のスロットマシンであって、前記特定結果(1枚)は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞(小役)のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞(1枚)の発生を許容する旨が決定される決定結果であることを特徴としている。この特徴によれば、事前決定手段の決定結果が特定結果となり、演出用可変表示領域において特定演出用表示結果を導出させることができなかった場合でも、その際の特定小役入賞の発生に伴い付与される遊技用価値が少なく、演出用可変表示領域にハズレ表示態様が導出されたにも関わらず、遊技用価値の付与が続いてしまうことによる不整合を極力回避できる。」との記載及び段落【0324】の「また、本実施例では、演出用リール1が適用された場合に取りこぼす可能性のある「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が、小役のうち最も払出枚数の低い1枚の当選時に揃えられるように制御されるようになっており、液晶表示器51の変動領域の結果として「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼした場合にリール2L、2C、2Rでは1枚が揃っても、メダルの払出に要する時間を極力短くすることが可能となり、液晶表示器51の変動領域の結果として入賞態様に対応する演出用表示結果が導出していないにも関わらず、長時間にわたりメダルの払出が行われることで、次ゲームへ移行できないことによる不整合を極力回避することができる。」との記載に基づくものである。すなわち、「特定結果」が、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞(1枚)の発生を許容する旨が決定される決定結果であることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的について 上記訂正事項4の「前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「入賞用導出制御手段」の構成について加えるものであり、具体的には、事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに、導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行うことを新たに加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項4は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項4の「前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する人賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0168】の「ここで、図3を参照すると、左リール2Lにおいて、スイカ、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において1枚に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。」との記載に基づくものである。すなわち、入賞用導出制御手段が、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)となったときに、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたタイミングに関わらず、特定小役入賞(1枚)が発生する入賞用識別情報(図柄)を入賞用表示結果として導出させる制御を行うことを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的について 上記訂正事項5の「前記導出操作手段の操作に応じて該演出用可変表示領域に演出用表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段」とあるのを、「前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段」とする訂正は、「演出用導出制御手段」について、訂正前の「前記導出操作手段の操作に応じて該演出用可変表示領域に演出用表示結果を導出させる制御を行う」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う」ものであることを明らかにし、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項5は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項5の「前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0286】の「また、リール演出では、リール2L、2C、2Rの表示結果として入賞態様が入賞ラインLに導出された際に、各変動領域に、図17に示すように、予め定められた演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに、リール2L、2C、2Rの入賞ラインLに導出された入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるとともに、リール2L、2C、2Rにおいていずれの入賞態様も入賞ラインLに導出されなかった際に、各変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5にいずれにも入賞態様に対応する演出入賞態様が導出されないようになっている。すなわち各変動領域に導出される演出用表示結果としてリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるようになっている。ただし、必ずしもリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるものではなく、本実施例では、リール2L、2C、2Rに入賞態様が導出されていても、後述のように演出用に設定された引込範囲内にその入賞態様に応じて定められた演出用図柄が位置しないタイミングで該当するストップスイッチの操作がなされた場合には、その入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されないこともあり、この場合には、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様と、各変動領域に導出される演出用表示結果と、が一致しないこととなる。」との記載に基づくものである。すなわち、演出用導出制御手段が、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報(演出用図柄)を演出用表示結果として演出用可変表示領域(変動領域)に導出させる制御を行うことを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (6)訂正事項6 ア 訂正の目的について 上記訂正事項6の「特定結果」を「前記特定結果」とする訂正は、「特定結果」の語が前出の「特定結果」であることを明確にしたものであり、また、上記訂正事項6の「特定演出用表示結果を導出させる」とあるのを、「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる」とする訂正は、「特定演出用表示結果」についてより具体的に限定して記載したものであり、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項6は、訂正前の発明特定事項をより明確にし、より具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項6の「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0294】の「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」との記載に基づくものである。すなわち、特定許容手段が、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)であるときに、演出用可変表示領域(変動領域)に特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容するものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (7)訂正事項7 ア 訂正の目的について 上記訂正事項7の「特定演出用表示結果を導出させる」とあるのを、「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる」とする訂正は、「特定演出用表示結果」についてより具体的に限定して記載したものであり、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項7は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項7の「前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」とする訂正は、上記訂正事項6と同様に、願書に添付した明細書の段落【0294】の記載に基づくものであり、演出用可変表示領域(変動領域)に特定演出用識別情報(「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容することを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (8)訂正事項8 ア 訂正の目的について 上記訂正事項8の「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「難易度示唆手段」の構成について加えるものであり、具体的には、「難易度示唆手段」が「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する」ものであることを新たに加え、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項8は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項8の「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0322】の「また、演出用リール1と演出用リール2は、「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を導出させる際の難易度が異なるだけでなく、演出用図柄の配列、演出用図柄の背景色も異なり、変動中の表示態様も異なるので、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出されやすくなったことを遊技者に対して認識させることも可能となり、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃えることができないことによる損失感を効果的に軽減できる。」との記載に基づくものである。すなわち、難易度示唆手段が第1の難易度(演出用リール1)が選択されたか、第2の難易度(演出用リール2)が選択されたか、に応じて演出用可変表示領域(変動領域)に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆するものであることを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (9)訂正事項9 ア 訂正の目的について 上記訂正事項9の「前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段により選択された難易度に従って前記演出用識別情報の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、」とあるのを、 「前記演出用導出制御手段は、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、」とする訂正は、 「演出用導出制御手段」について、訂正前の「前記難易度選択手段により選択された難易度に従って前記演出用識別情報の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行」うものであることを明らかにし、減縮するものである。 したがって、上記訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項9は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項9の「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報で変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0294】の「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」との記載、段落【0332】の「また、取りこぼしカウンタの値が5回以下の場合であっても、特別役またはATに当選している可能性のある1枚、ベルの当選時、ハズレ時には、演出用リール選択抽選を行い、図25に示す確率で演出用リール1か演出用リール2のいずれかを選択する。」との記載、段落【0286】の「ただし、必ずしもリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるものではなく、本実施例では、リール2L、2C、2Rに入賞態様が導出されていても、後述のように演出用に設定された引込範囲内にその入賞態様に応じて定められた演出用図柄が位置しないタイミングで該当するストップスイッチの操作がなされた場合には、その入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されないこともあり、この場合には、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様と、各変動領域に導出される演出用表示結果と、が一致しないこととなる。」との記載、段落【0289】の「演出用リール1は、図柄の背景が白色で、かつ左変動領域において、「チェリー」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに停止可能な停止位置(「チェリー」が上段、中段または下段に停止する停止位置)が演出用引込範囲(リール2L、2C、2Rの引込範囲と同じ4コマ)を越えて配置された箇所が設けられ、さらに、全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲を越えて配置された箇所が設けられた配列となっている。」との記載及び段落【0290】の「演出用リール2は、図柄の背景が黒色で、かつ左変動領域において、「チェリー」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに停止可能な停止位置(「チェリー」が上段、中段または下段に停止する停止位置)が演出用引込範囲(リール2L、2C、2Rの引込範囲と同じ4コマ)内となるように配置され、さらに、全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲内に配置された配列となっている。すなわち後述する「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列となっている。」との記載に基づくものである。 すなわち、「演出用導出制御手段」が、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、難易度選択手段により第1の難易度(演出用リール1)が選択された場合には、特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記難易度選択手段により前記第2の難易度(演出用リール2)が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御(全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲内に配置された配列)を行うことを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (10)訂正事項10 ア 訂正の目的について 上記訂正事項10の「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときよりも高い割合で選択する」とあるのを、「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」とする訂正は、「難易度選択手段」について、訂正前の「特定結果であるとき」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているとき」であることを明らかにし、減縮するものであり、また、「特定結果」を「前記特定結果」とする訂正は、「特定結果」の語を限定することで前出の「特定結果」であるように減縮したものである。 したがって、上記訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項10は、訂正前の発明特定事項をより明確にし、より具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項10の「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0294】の「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」との記載及び図24に基づくものである。 すなわち、難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択することを明らかにしたものである。 よって、上記訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項10は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (11)訂正事項11 ア 訂正の目的について 上記訂正事項11は、上記訂正事項1?10に係る訂正により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった願書に添付した明細書の段落【0008】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項11は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項11は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (12)訂正事項12 ア 訂正の目的について 上記訂正事項12は、願書に添付した明細書の段落【0294】において、訂正前の「リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、」との記載の「ベル」を削除するものであり、文脈から見て不必要である語について削除して記載を明瞭にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項12は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項12の、段落【0294】に記載された「ベル」について、前後の記載をみると、「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」とあり、これに対応する図面として図21を参酌しても入賞役が「1枚」である組み合わせが「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせしかなく、「ベル」の記載が不必要なものであることは明らかである。 よって、上記訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、上記訂正事項12は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 3 まとめ したがって、本件訂正の訂正事項1?10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合し、訂正事項11、12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するので、本件訂正請求にかかる訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。(記号は分節のため当審で付した) 「【請求項1】 A 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、 B 前記入賞用可変表示装置に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 C 前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段と、 D 前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、 E 画像を表示可能な画像表示装置と、 F 前記画像表示装置の表示制御を行う画像表示制御手段と、 G 前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、 H 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、 を備え、 I 前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、 J 前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、 K 前記画像表示制御手段は、 前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、 L 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、 M 前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、 N 前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、 を含み、 O 前記演出用導出制御手段は、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 P 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 Q 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 R 前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する S ことを特徴とするスロットマシン。」 2 特許異議申立の理由の概要 特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1-2号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づき当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである旨主張している。 (証拠方法) 甲第1号証:特開2007-75247号公報 甲第2号証:特開2005-66214号公報 3 取消理由の概要 訂正前の請求項1に係る特許に対して平成28年12月19日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 訂正前の請求項1に係る発明は、その出願日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 甲第1号証:特開2007-75247号公報 甲第2号証:特開2005-66214号公報 本件特許発明と、甲第1号証記載の発明(以下、甲1発明という)とを特許異議申立書第33頁第20行?第42頁第12行を参照して対比すると、両者は以下の点で相違するものの、その余の点では一致する。 (相違点) 本件特許発明の難易度選択手段は、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、特定演出用表示結果を導出させる難易度が第1の難易度よりも低い第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときよりも高い割合で選択するのに対して、 甲1発明の演出制御基板102のCPU121は、「ビッグボーナス(1)or(2)」及び「ベル」に当選しているときに、小役当選時の表示態様(「ベル-ベル-ベル」)を導出させる難易度に変更がない配列(ビッグボーナス+ベルの配列)を、「ベル」のみに当選しているときよりも高い割合で選択する点。 上記相違点について判断するに、甲1発明及び甲第2号証記載の事項の作用効果は共通しており、甲1発明に甲第2号証記載の事項を適用する動機づけが存在する(特許異議申立書第46頁第3行?第47頁第4行参照)。 そして、甲1発明に甲第2号証記載の事項を適用して、「ベル」の入賞の難易度が変更された仮想リールの配列を表示させて遊技者にとって有利な価値が付与させることが決定されている可能性を示唆することは、当業者であれば容易になしうるものである。 また、本件特許発明により得られる作用効果は、甲1発明に甲第2号証記載の事項を適用して得られる構成から予測し得る範囲のものであり、格別な作用効果を奏するものではない。 (特許異議申立書第47頁第10-16行参照) したがって、本件特許発明は、甲1発明及び甲第2号証記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1に係る特許は特許法第29条第2項の規定により違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 4 平成29年2月23日付け意見書(特許権者)の概要 特許権者は、平成29年2月23日付け意見書において、甲1発明に甲第2号証に記載の事項を適用しても、相違点1-6に係る構成に想到し得るものではなく、当業者が容易に発明できたものではない旨主張している。 5 平成29年4月6日付け特許異議申立人の意見書の概要 特許異議申立人は、平成29年4月6日付け意見書において、証拠方法として甲第3?6号証を提出し、 訂正事項1(本件発明の構成D)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるし、また甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することによっても容易に想到できるものであるとし、 訂正事項2(本件発明の構成G)については、甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することにより、容易に想到することができるものであるとし、 訂正事項3(本件発明の構成I)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるし、また甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することによっても容易に想到できるものであるとし、 訂正事項4(本件発明の構成J)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるとして、 訂正事項5(本件発明の構成K)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるとして、 訂正事項6(本件発明の構成L)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるし、また甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することによっても容易に想到できるものであるとし、 訂正事項7(本件発明の構成M)については、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用することにより容易に想到することができたものであるとし、 訂正事項8(本件発明の構成N)については、甲第1号証及び甲第2号証における配列の変更の際に、甲第4号証及び甲第5号証に記載された周知技術を適用し、仮想リールの背景を変更して難易度を示唆することは、当業者であれば容易になしうるものであるとし、 訂正事項9については、本件発明の構成O及びPについては、甲1発明に甲第2号証及び甲第6号証に記載された事項を適用することにより、当業者であれば容易になしえたものであるとし、本件発明の構成O及びQについては、甲1発明として既に甲1号証に記載されたものであるとして、本件発明の構成Rについては、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用することにより、当業者であれば容易になしえたものであるとして、 本件発明は出願当時において公知若しくは周知の事項に基づいて容易に想到できるものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるとしている。 (証拠方法) 甲第3号証:特開2005-296335号公報 甲第4号証:パチスロ必勝ガイド2007年5月号、第18巻第6号、株式会社白夜書房、平成19年5月1日、第16-17頁 甲第5号証:パチスロ必勝ガイド2007年6月号、第18巻第7号、株式会社白夜書房、平成19年6月1日、第46-47頁 甲第6号証:特開2004-167123号公報 6 刊行物の記載 (1)甲第1号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開2007-75247号公報)には以下の記載がある(下線は当審で付した。以下同じ。)。 (1-ア)「【0022】 上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、前記可変表示装置とは別個に設けられ、該可変表示装置よりも視認容易に設けられるとともに、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させる演出用可変表示装置(液晶表示器4(仮想リール))と、 前記可変表示装置の表示結果が導出される以前に、遊技状態の移行を伴う特別表示結果(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2))を含む複数種類の入賞表示結果を導出させることを許容するか否かを抽選により決定する事前決定手段(ステップs102?s111)と、 遊技者の操作により、前記可変表示装置における識別情報の変動表示を停止させることを指示する停止操作手段(停止ボタン12L、12C、12R)と、 前記停止操作手段の操作を検出する停止操作検出手段(ストップスイッチ42L、42C、42R)と、 前記停止操作検出手段が前記停止操作手段の操作を検出したときに、該停止操作手段の操作手順と前記事前決定手段の決定結果に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて、前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS305→S307、S310→S312、S315→S317)と、 前記停止操作検出手段が前記停止操作手段の操作を検出したときに、該操作の検出から予め定められた演出用最大遅延時間(190ミリ秒)の範囲内で前記演出用識別情報の変動表示を停止させて、前記可変表示装置の表示結果に対応した演出用表示結果を前記演出用可変表示装置に導出させる演出用導出制御手段(ステップS611?S613)と、 前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、次のゲームから遊技状態を通常遊技状態とは異なる特別遊技状態(ビッグボーナス)に移行させる特別遊技状態制御手段(ステップS402、S404)とを備え、 ・・・ 前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されているときに、前記演出用可変表示領域において同時に視認可能な演出用識別情報の数を減少させる視認可能数減少手段をさらに備え、 前記演出用導出制御手段は、前記可変表示装置に前記特別表示結果が導出されるときにおいて、少なくとも前記停止操作手段が操作された時点で視認可能に表示されている演出用識別情報と前記最大変動範囲に含まれる演出用識別情報の中に前記演出用特別識別情報が含まれていないときに、前記最大変動範囲に含まれる演出用識別情報を前記演出用特別識別情報に差し替えて該演出用特別識別情報を視認可能に導出表示させることで前記演出用特別表示結果を導出させる差し替え導出制御手段を備える ことを特徴とする。」 (1-イ) 「【0079】 図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、3つのリール3L、3C、3Rから構成される可変表示装置2が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図4参照)の駆動によって回転/停止させられる。 【0080】 リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「青7」、「JAC」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。可変表示装置2には、図3に示すように、リール3L、3C、3Rのそれぞれについて上段または下段を選択して構成される8本の有効ラインが設定される。この有効ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。 ・・・ 【0082】 可変表示装置2の下側であって スロットマシン1の前面側ほぼ中央位置には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、大きさ的にも可変表示装置2よりも大きく、しかも遊技者(平均的な身長のものを想定)がスロットマシン1の前に座ったときに遊技者の目線の高さになる位置に設けられているので、可変表示装置2によりも視認容易になっている。 【0083】 液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示される画像による演出としては、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rの回転/停止に合わせて演出用の図柄を変動/停止させる3つの仮想リールの表示がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。 ・・・ 【0088】 メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図4参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる 【0089】 メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作により各ゲームで設定できる賭け数は、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)では1であり、それ以外の遊技状態では3である。レギュラーボーナス中は、MAXBETボタン15が操作されても、賭け数として1が設定される。遊技状態に応じた賭け数が設定されると、スタートレバー11が操作受付可能となり、ゲームを開始させることができる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。 【0090】 その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rと、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18とが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。 【0091】 停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。」 (1-ウ) 「【0098】 遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。」 (1-エ) 「【0106】 また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、RAM112に設定された当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。」 (1-オ) 「【0116】 図5(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINが、小役としてベル、チェリーが、再遊技役としてリプレイが定められている。 ・・・ 【0123】・・・チェリーは、・・・賭け数が3枚のときには1有効ラインにつき1枚、必ず4つの有効ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。」 (1-カ) 「【0125】 以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0?16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。 ・・・ 【0128】 内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。」 (1-キ) 「【0166】 リール3L、3C、3Rのいずれについても7コマ以内で図柄が配置されている役については、当選フラグが設定されていれば、取りこぼすことなく可変表示装置2に導出させることができる。図2の図柄配列に示す通り、ベル、チェリー、リプレイ、JACINは、このような取りこぼしのない役となるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによっては取りこぼすことがある。」 (1-ク) 「【0175】 演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、特に液晶表示器4において行われる演出としては、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出がある。 ・・・ 【0177】 各仮想リール上に配列されている図柄としては、「BAR」、「7」、「JAC」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」の6種類がある。仮想リール上には、上段、中段、下段の横方向に3本の有効ラインと、対角線の2本の有効ラインが設定されている。可変表示装置2の表示結果によりいずれかの入賞が発生したときには、これら5本の有効ライン上のいずれかの有効ライン上に該入賞の種類に応じた図柄が揃えられる。 【0178】 各仮想リールの図柄は、当選状況通知コマンドを受信したとき(実質的にスタートレバー11を操作したときと同じ)に変動を開始させ、リール停止コマンドを受信したとき(実質的に停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときと同じ)から190ミリ秒を経過するまでに変動を停止させる。従って、各仮想リールとも、停止ボタン12L、12C、12Rの操作からの図柄の引き込み数は、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rと同じ4コマとなっている。 【0179】 仮想リールにおける図柄の配列は、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rにおける図柄の配列と異なり、標準配列と標準配列以外の配列がある。いずれの配列が適用されるかは、遊技状態と当選状況に応じた抽選によって決定されるが、少なくともレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているときには、標準以外の配列が適用される。 【0180】 図9(a)は、入賞役の種類に応じて液晶表示器4の仮想リールに導出される図柄を示す図である。図示するように、レギュラーボーナスに入賞したときには、いずれかの有効ライン上に「BAR-BAR-BAR」の表示態様が導出される。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときには、「7-7-7」の表示態様が導出される。JACIN入賞したときとリプレイ入賞したときには、「JAC-JAC-JAC」の表示態様が導出される。ベルに入賞したときには、「ベル-ベル-ベル」または「スイカ-スイカ-スイカ」の表示態様が導出される。チェリーに入賞したときには、「チェリー-ANY-ANY」(ANYはいずれの図柄でもよいことを示す)の表示態様が導出される。 【0181】 図9(b)は、仮想リールの図柄配列の選択テーブルを示す図である。標準配列以外の配列としては、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイ、ビッグボーナス+ベル、ビッグボーナス+リプレイの4種類がある。このうちで、例えば、ビッグボーナス+ベルの配列とは、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されている状態でベル当選フラグも設定された場合には必ず選択される配列のことである。 【0182】 レギュラーボーナス当選フラグのみが設定されているとき、またはレギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列とレギュラーボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される。レギュラーボーナス当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される。レギュラーボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが設定されているときには、レギュラーボーナス+リプレイの配列が256/256の確率で選択される。 【0183】 ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグのみが設定されているとき、またはビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列とビッグボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される。ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される。ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとリプレイ当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+リプレイの配列が256/256の確率で選択される。 【0184】 上記以外の当選状況で遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるときには、標準配列が256/256の確率で選択される。上記以外の当選状況で遊技状態が通常またはRTであるときには、標準配列、レギュラーボーナス+ベルの配列、レギュラーボーナス+リプレイの配列、ビッグボーナス+ベルの配列、ビッグボーナス+リプレイの配列が、それぞれ252/256、1/256、1/256、1/256、1/256の確率で選択される。 【0185】 図10は、標準配列を示す図である。標準配列においては、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rにそれぞれ対応した仮想リール4L、4C、4Rのいずれにおいても、「ベル」、「JAC」がそれぞれ5コマ以内の間隔で配置されている。また、左の仮想リール4Lについて「チェリー」が5コマ以内の間隔で配置されている。190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲では4コマの引き込みが可能であり、リール停止コマンドの受信時において表示されている図柄と引き込み範囲の4コマとを合わせた5コマの中で必ず「ベル」、「JAC」を上中下段の任意の位置に停止させることができるものとなっている。左の仮想リール4Lについては、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができるものとなっている。」 (1-ケ) 「【0196】 図12は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。 【0197】 次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイフラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。 【0198】 BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM112に当選フラグが設定される。なお、抽選処理の詳細については後述する。 【0199】 抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなる。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。 【0200】 その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。 【0201】 リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。 【0202】 入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ以外の当選フラグの消去やビッグボーナス、レギュラーボーナスの終了に関する処理を含む)も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。」 (1-コ) 「【0215】 左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS304)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Lを操作したタイミングで左のリール3Lについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、左のリール3Lに導出すべき図柄を選択する(ステップS305)。 【0216】 次に、今回停止されるリールが左のリール3Lであること、及びステップS305で選択した左のリール3Lに導出すべき図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS306)。なお、左の停止ボタン12Lの操作の検出からリール停止コマンドの送信までの所要時間は、遊技者の知覚からすると無視できる程度の短い時間であり、実質的に停止ボタン12Lが操作されたタイミングで送信されるものとなる。リール停止コマンドの送信後、ステップS305で選択した図柄で左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS307)。そして、ステップS308の処理に進む。 ・・・ 【0218】 中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS309)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Cを操作したタイミングで中のリール3Cについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、中のリール3Cに導出すべき図柄を選択する(ステップS310)。 【0219】 次に、今回停止されるリールが中のリール3Cであること、及びステップS310で選択した中のリール3Cに導出すべき図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS311)。なお、中の停止ボタン12Cの操作の検出からリール停止コマンドの送信までの所要時間も、遊技者の知覚からすると無視できる程度の短い時間であり、実質的に停止ボタン12Cが操作されたタイミングで送信されるものとなる。リール停止コマンドの送信後、ステップS310で選択した図柄で中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS312)。そして、ステップS313の処理に進む。 ・・・ 【0221】 右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS314)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Rを操作したタイミングで右のリール3Rについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、右のリール3Rに導出すべき図柄を選択する(ステップS315)。 【0222】 次に、今回停止されるリールが右のリール3Rであること、及びステップS315で選択した右のリール3Rに導出すべき図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS316)。なお、右の停止ボタン12Rの操作の検出からリール停止コマンドの送信までの所要時間も、遊技者の知覚からすると無視できる程度の短い時間であり、実質的に停止ボタン12Rが操作されたタイミングで送信されるものとなる。リール停止コマンドの送信後、ステップS315で選択した図柄で右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS317)。そして、ステップS318の処理に進む。」 (1-サ) 「【0232】 次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS501)。」 (1-シ) 「【0241】 図18は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS601)。何らかのコマンドを受信するまでは、ステップS601の処理を繰り返して行う。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS602)。 ・・・ 【0243】 次に、ソフトウェア乱数機能により図柄配列選択用の乱数を抽出し、該抽出した乱数の値と、今回のゲームでの遊技状態及び各役の当選状況に基づいて液晶表示器4の仮想リールの配列を決定する(ステップS605)。その後、液晶表示器4の各仮想リールにおいて図柄の変動を開始させ(ステップS606)、仮想リールにおける図柄の変動が開始してから停止ボタン12L、12C、12Rの操作が有効になるまでの期間において、変動中の各仮想リールの配列をステップS605で決定した配列に差し替える(ステップS607)。この配列の変更は、仮想的に回転している仮想リールについて、液晶表示器4の表示面に現れていないときに行われ(差し替え開始時に表示面に現れている図柄は、差し替えが少し遅れることとなる)、配列の差し替えが遊技者に気付かれにくいようになっている。そして、ステップS601の処理に戻る。 ・・・ 【0246】 重複して当選していれば、当選している役の図柄が仮想リールの有効ライン上にダブルテンパイするように、今回受信したリール停止コマンドに対応した仮想リールにおける図柄の変動を停止させる。例えば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とベルに重複して当選している場合には、ビッグボーナス+ベルの配列が選択されているが、左と右の仮想リール4L’、4R’については「7」を上段に、中の仮想リール4C’については「7」を上段または中段に停止させる(ステップS611)。そして、ステップS601の処理に戻る。 【0247】 重複して当選していなければ(いずれの役にも当選していない場合も含む)、当選している役の図柄が仮想リールのいずれかの有効ライン上にテンパイするように、今回受信したリール停止コマンドに対応した仮想リールにおける図柄の変動を停止させる。ここで、今回受信したリール停止コマンドが第1リールの停止を示すものであれば、当選している役に対応した図柄を上中下段のいずれかに停止させればよい。いずれの役にも当選していない場合には、何らかの役の図柄を有効ライン上にテンパイさせてもさせなくてもよい(ステップS612)。そして、ステップS601の処理に戻る。」 (1-ス) 「【0257】 ・・・仮想リールの図柄の配列の変更によりビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選を遊技者に期待させることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。」 (1-セ) 【0181】には「図9(b)は、仮想リールの図柄配列の選択テーブルを示す図である。標準配列以外の配列としては、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイ、ビッグボーナス+ベル、ビッグボーナス+リプレイの4種類がある」、【0182】には「レギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列とレギュラーボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される」、【0183】には「ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される」と記載されており、図9(b)には、当選状況という項目を行とし、配列という項目を列とするテーブルがあり、当選状況が「R.B(+チェリー)」からなる行において、配列が「R.B+ベル」からなる列に128、「R.B+リプレイ」からなる列に128という数字が記載され、当選状況が「B.B(1)orB.B(2)+ベル」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に256という数字が記載されており、さらにテーブルの右下に(分母256)という記載がある。 そうすると、図9(b)において、当選状況が「R.B(+チェリー)」からなる行において、配列が「R.B+ベル」からなる列に128、「R.B+リプレイ」からなる列に128という数字が記載されていることは、【0182】の「レギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列とレギュラーボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される」ことを意味しているといえる。また、図9(b)において、当選状況が「B.B(1)orB.B(2)+ベル」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に256という数字が記載されていることは、【0183】の「ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される」ということを意味しているといえる。 そこで、図9(b)をみると、図9(b)の当選状況がB.B(1)orB.B(2)(+チェリー)からなる行に、配列がB.B+ベルからなる列に128、B.B+リプレイからなる列に128という数字が記載されていることから、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」当選フラグと「チェリー」当選フラグが設定されているときにはビッグボーナス+ベルの配列とビッグボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択されることがいえる。 また、図9(b)において、当選状況が「上記以外 非ボーナス時」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に1という数字が記載されており、当選状況が「上記以外 ボーナス時」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に0という数字が記載されており、当選状況が上記以外の例である、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」のいずれの当選フラグも設定されていないが「チェリー」の当選フラグが設定されている場合、非ボーナス時ならばビッグボーナス+ベルの配列を1/256の確率で選択し、ボーナス時ならば0/256の確率で選択(すなわち、選択しない)ことがいえる。 さらに、【0175】において、演出制御基板102のCPU121が液晶表示器4において行われる演出として仮想リールの変動/停止により可変表示装置に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出があり、仮想リールの選択を実行することは当該演出の1つのステップであることは明らかである。 以上のことから、甲第1号証には演出制御基板102のCPU121は、ビッグボーナス+ベルの配列を、「ビッグボーナス(1)または(2)」当選フラグと「チェリー」当選フラグが同時に設定されている場合は128/256の確率で選択し、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」のいずれの当選フラグも設定されていないが「チェリー」当選フラグが設定されている場合は非ボーナス時ならば1/256の確率で選択し、ボーナス時ならば選択しないことが記載されているといえる。 (1-ソ) 図10の標準配列における左の仮想リール4Lと、図11のビッグボーナス+ベルの配列における左の仮想リール4L’は、図柄「チェリー」が同じ位置(数字「0」、「4」、「8」、「12」、「17」の位置)に配置されていることが認められる。また、【0185】の記載から、標準配列においては、左の仮想リール4Lについて「チェリー」が5個以内の間隔で配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができることが言えるから、ビッグボーナス+ベルの配列における左の仮想リール4L’においても「チェリー」が標準配置と同じ位置に配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができることが言える。 上記(1-ア)から(1-ス)の記載及び(1-セ)から(1-ソ)の認定事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。(記号a?sは、本件発明の記号A-Sに対応させて付した。) 「a メダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行い、抽選処理を行い、次にリール変動開始処理が行われ、リール3L、3C、3Rを回転開始させ、可変表示装置2において図柄が変動表示され(【0197】-【0199】)、 その後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリール3L、3C、3Rの回転を停止させ(【0200】)、 リール3L、3C、3Rの停止時における表示態様において、有効ライン上に役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われ(【0201】)、 入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われ、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払出し、1ゲーム分の処理が終了する(【0202】【0232】)、 CPU111を含む遊技制御基板101を備えたスロットマシン1(【0098】【0196】)であって、 b 可変表示装置2に表示結果が導出される以前に、各役への入賞を許容するかどうかを決定する内部抽選(【0125】【0198】)を行う遊技制御基板のCPU111(【0196】)と、 c 遊技者の操作により、可変表示装置2における識別情報の変動表示を停止させることを指示し、可変表示装置2に表示態様を導出させる停止ボタン12L、12C、12R(【0022】)と、 d 内部抽選の抽選結果によりRAM112に設定された当選フラグの設定状況、及び、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作したタイミングで、リール3L、3C、3Rに導出すべき図柄を選択し、選択した図柄でリール3L、3C、3Rの回転を停止させる制御を行う遊技制御基板101のCPU111(【0098】【0106】【0128】【0215】【0216】【0218】【0219】【0221】【0222】)と、 e 可変表示装置2のリールの回転/停止に合わせて演出用の図柄を変動/停止させる仮想リールを表示する液晶表示器4(【0083】)と、 f 液晶表示器4において行われる演出として、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる制御を行う演出制御基板102のCPU121(【0175】)と、 を備え、 j リール3L、3C、3Rのいずれについても7コマ以内で図柄が配置されている役については、当選フラグが配列設定されていれば、取りこぼすことなく可変表示装置2に導出させることができ、チェリーはこのような取りこぼしのない役となり(【0166】)、 k 演出制御基板102のCPU121は、各仮想リールの図柄(「BAR]、「7」、「JAC」、「ベル」「スイカ」「チェリー」の6種類)を変動を開始させ、リール停止コマンドを受信したとき(実質的に停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときと同じ)から190ミリ秒を経過するまでに変動を停止させ、(【0175】【0177】【0178】【図10】)、 l 「チェリー」に当選しているときに、仮想リール4L、4C、4Rに「チェリー-ANY-ANY」の表示態様が導出され(【0180】【図9a】)、 m 演出制御基板102のCPU121は、「チェリー-ANY-ANY」の表示態様を導出させることを許容しているときに、仮想リール4L、4C、4Rの図柄配列を、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」から選択し(【0175】【0179】【0181】?【0185】【図9b】【図10】【図11】)、 o 演出制御基板102のCPU121は、遊技状態及び各役の当選状況に基づいて液晶表示器4の仮想リール4L、4C、4Rの配列を決定し、その後、液晶表示器4の各仮想リール4L、4C、4Rにおいて図柄の変動を開始させ、変動中の各仮想リールの配列を決定した配列に差し替え、リール停止コマンドに対応した仮想リールにおける図柄の変動を停止させ(【0241】【0243】【0246】【0247】)、 p 標準配列においては、左の仮想リール4Lについて「チェリー」が5個以内の間隔で配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができ(【0185】)、 q ビッグボーナス+ベルの配列においても、左の仮想リール4L’においても「チェリー」が標準配列と同じ位置に配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができ(認定事項1-ソ)、 r 演出制御基板102のCPU121は、ビッグボーナス+ベルの配列を、「ビッグボーナス(1)または(2)」当選フラグと「チェリー」当選フラグが同時に設定されている場合は128/256の確率で選択し、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」のいずれの当選フラグも設定されていないが「チェリー」当選フラグが設定されている場合は非ボーナス時ならば1/256の確率で選択し、ボーナス時ならば選択しない(認定事項1-セ) s スロットマシン1。」 (2)甲第2号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証(特開2005-66214号公報)には、以下の記載がある。なお、各段落中の下線は、異議申立人が付したものである。 (2-ア)「【0062】 <<メイン制御手段60a>> <役抽選手段61> 役抽選手段61は、予め設けられた役の抽選を行うものである。ここで、役には、特別役、小役、及びリプレイが挙げられる。 特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる遊技)に移行させる役である。特別役としては一般に、BB(ビックボーナス)及びRB(レギュラーボーナス)が挙げられる。なお、BB及びRBは、それぞれ、特別遊技の1つであるBB遊技及びRB遊技に移行させる役である。 また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役である。小役の種類に応じて、メダルの払出し枚数が異なるように設定されている。 さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した再遊技が行えるようにした役である。 【0063】 図9は、本実施形態における役の種類と払出し枚数等、及びリール図柄の組合せと図柄画像の組合せとを併せて示す図であり、これらの関係がテーブルとして予め記憶されている。図9の左列に示すように、本実施形態では、特別役としてBB及びRBが設けられている。また、小役として、スイカ、プラム、ベル及びチェリーの4種類が設けられている。さらに、再遊技を可能にする役であるリプレイも設けられている。図9のリール図柄の欄と図柄画像の欄とに示すように、これらの各役に対応するリール31の図柄の組合せが予め定められている。また、各役に対応する図柄画像の図柄の組合せもまた予め定められている。後述する役抽選手段61の抽選処理によって役が決まったときには、この図9に示したテーブルを参照することにより、リール図柄の組合せと図柄画像の組合せとの双方が定められる。例えば、抽選処理により役が「BB」と決まったときには、リール図柄の組合せは、「千両箱」-「千両箱」-「鯛」と定まり、図柄画像の組合せは、「7」-「7」-「7」と定まる。また、役が「プラム」と決まったときには、リール図柄の組合せは、「扇」-「鯛」-「鶴」又は「扇」-「鯛」-「鯛」と定まり、図柄画像の組合せは、「プラム」-「プラム」-「プラム」と定まる。このように1つの役に対して、リール図柄の組合せと図柄画像の組合せとが異なるように設定されている。さらに、抽選処理により役が決まったときには、「払出」に欄に示すようなメダルの払出枚数や、その後の遊技の種類が定まる。」 (2-イ)「【0072】 <抽選結果情報送信手段62> 抽選結果情報送信手段62は、毎遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果(当選役の種類)の情報(当選役に係る図柄を特定するための図柄ID等)をサブ制御手段60bに送信する。以下では、役抽選手段61に役の抽選結果を「当選役情報」と称する。」 (2-ウ)「【0106】 <制御用状態選択手段84a> 制御用状態選択手段84aは、抽選結果情報受信手段81により受信した当選役情報及び押し順IDに基づいて、演出制御用状態を選択する。 ここで、演出制御用状態は、今回行われている遊技がどのような遊技状態にあるのかを判別するために用いられ、毎遊技ごとに抽選結果情報受信手段81により受信した情報に基づいて選択される。 【0107】 本実施形態においては、演出制御用状態は、以下のものがある。 (1)通常遊技 (2)BB中 (3)RB中 (4)BB内部中 (5)RB内部中 (6)AT中 (7)AT内部中 【0108】 <演出概要選択手段84b、詳細演出選択手段84c> 演出概要選択手段84bは、演出概要(演出の大枠)を選択する。一方、詳細演出選択手段84cは、演出の詳細(より具体的な内容)を選択する。 本実施形態では、演出の選択にあたって、最初に演出概要選択手段84bにより、演出制御用状態及び当選役情報に基づいて演出概要が選択される。次に、その大枠に沿った詳細な演出が詳細演出選択手段84cによって選択される。 【0109】 本実施形態においては、演出概要は、以下のものがある。 (1)通常演出 (2)図柄画像の停止パターンの変更 (3)ストップスイッチの操作と矛盾した図柄画像の停止表示 (4)図柄画像を変化するような態様の表示 (5)所定の図柄によって連続した演出画像の表示 (6)図柄の配列を変更して図柄画像を表示 (7)重複入賞するような態様の表示 (8)リール入賞と矛盾した図柄画像の入賞態様の表示 (9)図柄画像表示領域の位置や大きさの変更 尚、これらの演出は、後述するフローチャートの処理に対応している。 (2-エ)「【0188】 <図柄の配列の変換による演出> この演出は、変動表示又は停止表示される図柄画像の配列を通常用いているものから、他の配列へ変換して変動表示や停止表示する演出である。 【0189】 図33は、上述した図13のステップS134で呼び出されて実行される図柄の配列を変換して図柄画像を表示する演出の処理のサブルーチンである。 【0190】 最初に、図柄を変化させる演出の演出概要から、演出制御用状態と抽選結果情報とに基づき、詳細演出を選択する(ステップS271)。具体的には、詳細演出選択手段84cが、図柄を変化させる演出に対応する抽選テーブル(図示せず)を用いて演出パターンを選択する。この演出パターンは、画像表示装置50における画像の表示や、ランプ21の選択や点灯、点滅等の処理や、スピーカ22から発するための音声データの選択を定めるためのデータである。尚、通常演出において説明したようにこの演出パターンを定めたデータは、上述した抽選テーブルとして記憶手段130に予め記憶されている。 【0191】 次に、画像表示装置50に形成された9個の図柄画像表示領域の各々において図柄画像の変動表示を開始する(ステップS272)。 【0192】 次いで、図柄の配列の選択をする(ステップS273)。例えば、図34に示す例では、左側に示す図柄の配列(図34(a))が、図6に示した図柄の配列と同じもので、通常用いられる配列である。この図柄の配列が9個の図柄画像表示領域の各々に変動表示される。 【0193】 この図柄に配列に加えて、図34(b)や図34(c)に示す図柄の配列を記憶手段130に予め記憶させておく。図34(b)に示した図柄の配列の例は、図柄「7」と「星」と「BAR」との3種類の図柄のみからなる配列である。この図柄の配列を用いたときには、BBやRBに入賞しやすくなったと視認できる図柄画像を表示することにより、入賞への期待感を高くすることができる。また、図34(c)に示した図柄の配列の例は、図柄「7」と「チェリー」と「BAR」と「ギャンブル」と「チケット」の5種類の図柄のみからなる配列であり、特に、「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている。このような図柄の配列を用いたときには、はずれがないように、即ち何らかの図柄の組合せが揃いやすいようにする可能性を高くすることができる。 【0194】 上述したステップS273の選択処理では、演出制御用状態と抽選結果情報とに基づいて、図34(b)に示した図柄の配列又は図34(c)に示した図柄の配列を選択する。この処理の後、図柄の配列の変更をし(ステップS274)、変更した図柄の配列の図柄画像を変動表示する(ステップS275)。この処理により、図34(a)に示した図柄の配列から、図34(b)や(c)に示した図柄の配列に変更されて、変更された配列の図柄画像が9個の図柄画像表示領域の各々で変動表示される。」 (2-オ) 【図9】には、役の種類と、払出枚数等、及びリール図柄、図柄画像の図柄の組み合わせが示されている。 【図33】には、図柄画像の配列を変更する演出を処理するサブルーチンを示すフローチャートが示されている。 【図34】には、複数種類の図柄画像の配列の例を示す図が示されている。 (2-カ) 図9には、役の種類と、リールユニット30の図柄の組合せと、画像表示装置50に表示される図柄画像との組合せが示されている。図9の左列に示すように、小役として、スイカ、プラム、ベル及びチェリーの4種類が設けられている。例えば、小役の「チェリー」の場合、「チェリー-ANY-ANY」の図柄の組合せが画像表示装置50に表示され得る。 (2-キ) また、【0188】?【0194】には、詳細演出選択手段84cが、演出制御用状態と抽選結果情報とに基づき、画像表示装置50に表示される図柄の配列を選択することが記載されているといえる。ここで、「演出制御用状態」には、【0107】に記載されている通り、(4)ビッグボーナス(BB)内部中(BBに当選したが、BBが未だ入賞していない遊技状態)、(7)AT内部中が含まれる。また、「抽選結果情報」は、【0072】に記載されている通り、役抽選手段61による役の抽選結果(当選役の種類)の情報であり、図9の左側に示される役の種類(チェリーなどの小役や、リプレイなど)の情報であるといえる。 すなわち、詳細演出選択手段84cは、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナス(BB)内部中、AT中、AT内部中などの遊技状態)と抽選結果情報(例えば、当選役がチェリーなどの役の種類の情報)とに基づき、画像表示装置50に表示される図柄の配列を選択する。ここで、【0194】には、図34(a)に示した図柄の配列(通常用いられる配列)から、図34(b)や(c)に示した図柄の配列に変更されて、変更された配列の図柄画像が9個の図柄画像表示領域の各々で変動表示されることが記載されており、ここで、図34(c)の配列は、「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている配列である。 上記(2-ア)?(2-オ)の記載事項、及び(2-カ)?(2-キ)の認定事項から、甲第2号証には以下の事項(以下、「甲第2号証記載事項」という。)が記載されているものと認められる。 「詳細演出選択手段84cは、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナス(BB)内部中、AT内部中などの遊技状態)と抽選結果情報(例えば、チェリーなどの小役の種類)とに基づき、「チェリー」役に対応する図柄画像の図柄の組合せ「チェリー-ANY-ANY」を画像表示装置50に表示させることを許容しているときに、抽選テーブルを用いて、通常用いられる配列及び「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択すること」 (3)甲第3号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第3号証(特開2005-296335号公報)には以下の記載がある。 (3-ア)「【0033】 (請求項1) 請求項1の発明によれば、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプを備えるとともに、この複数種類の遊技タイプの中から、遊技者により選択された遊技タイプを実行することができる。これにより、従来の演出のみの切り替え(選択)に加えて、遊技制御自体も切り替える(選択する)ことができるようになる。 さらに、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置に表示されるリール画像の表示図柄を変えることができる。 【0034】 (請求項2、請求項3) 請求項2の発明によれば、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置に表示されるリール画像の図柄配列を変えることができる。 また、請求項3の発明によれば、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置の表示画面上の画面デザインを変えることができる。」 (3-イ)「【0063】 続いて、スロットマシン10の制御について説明する。図4は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。 (遊技制御手段、メイン制御手段、サブ制御手段) スロットマシン10の遊技制御手段60は、スロットマシン10の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する手段であり、役の抽選、リール31の制御、及び入賞時のメダル払出し等の遊技の進行を制御するメイン制御手段60aと、演出の出力を制御するサブ制御手段60bとを備える。」 (3-ウ)「【0074】 (遊技タイプ) 本実施形態によるスロットマシン10は、遊技内容の異なる複数種類(本実施形態では3種類)の遊技タイプを備えている。そして、本実施形態によるスロットマシン10では、この複数種類の遊技タイプの中から、いずれかの遊技タイプを、遊技者の所定の操作により遊技者自身が選択できるようになっている。 ・・・ 【0104】 (遊技タイプ選択手段) 遊技タイプ選択手段63は、遊技者の所定の操作により、複数種類の遊技タイプの中からいずれかの遊技タイプを選択するものである。」 (3-エ)「【0172】 (演出制御手段) 演出制御手段83は、画像表示装置50による演出を制御するものであり、以下に示す表示図柄パターン記憶手段83a、表示図柄パターン選択手段83b、及びリール画像表示制御手段83cを備える。 【0173】 (表示図柄パターン記憶手段) 表示図柄パターン記憶手段83aは、リール画像に表示される複数種類の表示図柄パターンを記憶したものである。 ・・・ 【0175】 (表示図柄パターン選択手段) 表示図柄パターン選択手段83bは、遊技タイプ選択手段63により選択された遊技タイプに基づいて、表示図柄パターン記憶手段83aから表示図柄パターンを選択するものである。」 (3-オ)「【0228】 次に、図14のフローチャートに基づいて、サブ制御手段60bにおける演出の処理の流れについて説明する。 ・・・ 【0233】 ステップS72において、AT中でないと判別されたときには、ステップS77に進み、抽選結果及びセットされている役抽選テーブル62等に応じてATを実行するか否かの抽選を行う。 なお、ATを実行するか否かの抽選は、遊技タイプが遊技タイプBのときであって、役抽選手段61による役の抽選で小役2若しくは小役3に当選したとき、又はいずれの役にも当選しなかったときに、それぞれ小役2当選時の1/3、小役3当選時の1/10、又はいずれの役にも当選したかった時の1/1の確率で当選するように設定される。」 (3-カ) 図4には、スロットマシン10という記載の下に、上部に遊技制御手段60と記載された実線の矩形領域があり、その矩形領域は点線で二分されており、点線の上側の矩形領域の上部にはメイン制御手段60aという記載が、点線の下側の矩形領域の上部にはサブ制御手段60bという記載があるとともに、該下側の矩形領域内に演出制御手段83、表示図柄パターン記憶手段83a、表示図柄パターン選択手段83b、リール画像表示制御手段83cという記載がある実線の矩形領域があることが看取でき、(3-イ)?(3-エ)の記載を踏まえると、スロットマシン10は演出制御手段83、表示図柄パターン記憶手段83a、表示図柄パターン選択手段83b、リール画像表示制御手段83cを備え、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプの中から遊技者により選択された遊技タイプに基づいてリール画像に表示される表示図柄パターンを選択することとがいえる。 (3-キ) 図5(a)-(c)には、複数の小役入賞(小役1、小役2、小役3)のうち払出し枚数等が最も少ない小役3(1枚払出し)が、「チェリー」-「any」-「any」という図柄の組合せの時に記載されていることが看取できる。 上記(3-ア)?(3-キ)を総合すると、甲第3号証には次の技術的事項(以下、「甲第3号証の記載事項」という)が記載されているものと認められる。 「1枚払出しを行う小役3(「チェリー」-「any」-「any」という図柄の組合せの時)に当選したとき、ATを実行するか否かの抽選を行うサブ制御手段60bを備えるスロットマシン10であって、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプの中から遊技者により選択された遊技タイプに基づいてリール画像に表示される表示図柄パターンを選択するスロットマシン10」 (4)甲第4号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第4号証(パチスロ必勝ガイド2007年5月号、第18巻第6号、株式会社白夜書房、平成19年5月1日、第16-17頁)には以下の記載がある。 (4-ア)「変幻自在の液晶リールは小役ナビとチャンス予告、双方の役割を担うものが多く、その種類が何であれ他演出に発展する可能性を秘めている。詳細は上に掲載したカコミに譲るが、ミニキャラが登場、絵柄が変化、キャラがカットイン、リールを破壊して三号生登場など、そのアクション数は膨大。強ベルや強スイカの成立を機に演出が発展すれば、ボーナスの期待はグンと増すことになる。」(第16頁中段第2パラグラフ) (4-イ)第16頁上段の「破天荒な液晶リールアクション!!」という枠内の左上の3つの図柄の下に、それぞれ「リールが消灯」、「カラーリールで小役をナビ」、「リールが炎に包まれる」という記載があり、3つの図柄から、液晶リールの背景を消灯していること、液晶リールの背景をカラーにして小役をナビゲートしていること、液晶リールの背景に炎を表示することが看取できる。 上記(4-ア)?(4-イ)の記載を総合すると、甲第4号証には、次の技術的事項(以下、「甲第4号証の記載事項」という)が記載されているものと認められる。 「小役ナビとチャンス予告において、液晶リールの背景を変化させること」 (5)甲第5号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第5号証(パチスロ必勝ガイド2007年6月号、第18巻第7号、株式会社白夜書房、平成19年6月1日、第46-47頁)には以下の記載がある。 (5-ア)「本機の液晶演出は小役ナビにチャンス予告と様々な役割を担っているわけだが、いずれのシチュエーションでも歴代のロデオキャラが登場したなら実戦上、その時点でボーナスが確定。スノーキングのナップルやギンギン丸の銀ちゃんから、野獣Rの絵柄配列までその種類は豊富であるため、まずはこれを覚えておきたい。」(第46頁右最下段第7-15行) (5-イ)第47頁上段の「液晶リールおよび液晶上部で発生する演出の灼熱パターン」という記載の下の枠内の左下の「リールがレインボーカラーに」という記載、及び当該のある箇所のリール図柄から、液晶リールの背景をレインボーに演出することが看取できる。 上記(5-ア)?(5-イ)の記載を総合すると、甲第5号証には次の技術的事項(以下、「甲第5号証記載の事項」という)が記載されているものと認められる。 「小役ナビとチャンス予告において、液晶リールの背景を変化させること」 (6)甲第6号証 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第6号証(特開2004-167123号公報)には以下の記載がある。 (6-ア) 「【0156】 本実施例のスロットマシン1では、前述した演出用リール301L、301C、301Rによるサブゲームが実行可能とされている。尚、以下の説明においては、リール51L、リール51C、リール51Rをメインリール、演出用リール301L、301C、301Rをサブリールと略して説明する。・・・ 【0160】 この際、各サブリールに導出表示させることが可能な図柄の組合せは、サブゲームの開始時に実行される後述の停止図柄決定処理により決定されており、この停止図柄決定処理により所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合のみ、許容された図柄の組合せを各サブリールに導出表示させることが可能に制御される。更に、本実施例では、停止図柄決定処理により所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合であっても、予め定められた引込範囲(本実施例では6図柄)内で該当するサブリールの停止操作がなされなければ、許容された図柄の組合せが揃わないように制御される。すなわちサブリールもメインリールと同様に遊技者による所定の図柄を狙ったタイミングでの停止操作、いわゆる目押しを行ったか否かにより表示結果が異なるものとなりうる。」 (6-イ) 「【0215】 ・・・例えば、演出用可変表示装置として液晶表示器等の表示装置を適用し、所定の図柄を一定の周期で連続的に」 上記(6-ア)?(6-イ)の記載を総合すると、甲第6号証には次の技術的事項(以下、「甲第6号証記載の事項」という)が記載されているものと認められる。 「演出用可変表示装置として適用された液晶表示器に表示される演出用リールであるサブリールは、所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合であっても予め定められた引込範囲内で停止操作がなされなければ、許容された図柄の組合せが揃わないように制御されること」 7 対比 本件発明と甲1発明とを対比すると、本件発明と甲1発明は少なくとも以下の点で相違する(G、H、M、N、O、P、Q、Rの記号は、分節のため上記1 本件発明の記載に合わせて当審で付した)。 (相違点1) 本件発明は、 「G 事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、 H 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、を備え、 M 特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段とを含み、 R 前記難易度選択手段は、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」構成を備えるのに対して、甲1発明はそのような発明特定事項を有さない点。 (相違点2) 本件発明は、 「N 第1の難易度が選択されたか、第2の難易度が選択されたか、に応じて演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段を含」む構成を備えるのに対して、甲1発明はそのような発明特定事項を有さない点。 (相違点3) 本件発明は、 「O 演出用導出制御手段は、事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 P 難易度選択手段により第1の難易度が選択された場合には、特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、導出操作手段が特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、導出操作手段が特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 Q 難易度選択手段により第2の難易度が選択された場合には、特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行」うのに対して、甲1発明はそのような発明特定事項を有さない点。 8 判断 そこで、まず相違点1について検討する。 (1) 特許異議申立人の意見について 特許異議申立人は平成29年4月7日付け意見書第6頁第8行?第7頁第9行、第10頁第1行?第12頁第10行、第15頁第20行?第17頁第7行において、相違点1に関連する本件発明の構成G、M、Rについて、以下の主張をしている。 (1-1) 本件発明の構成Gについて 本件発明の構成Gでは、事前決定手段で特定結果となったときに、有利価値を付与するか否かを決定することが規定されている。ここで、訂正請求書の第12頁を参酌すると、「特定結果」は実施形態における「1枚当選」に相当し、「有利価値」は実施形態における「AT」に相当する。 これに対して、甲第3号証の【0233】には、役抽選結果が「小役3」であるときにAT抽選が行われ、所定の確率(小役3当選時の1/10)でATに当選することが記載されている。ここで、甲第3号証の「小役3」は、後述する通り、メダル(遊技用価値)の付与を伴う複数の小役入賞のうち最もメダルの払出しが小さい小役である(1枚払出し)。 従って、甲第3号証には、複数の小役入賞のうち最もメダルの払出しが小さい小役に当選したときにATに制御するか否かの抽選が行われることが記載されており、すなわち、「事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する」ことが記載されていると言える。 甲第3号証の【0033】には「従来の演出のみの切り替え(選択)に加えて、遊技制御自体も切り替える(選択する)ことができるようになる。さらに、選択された遊技タイプに応じて 画像表示装置に表示されるリール画像の表示図柄を変えることができる。」と記載され、【0034】には「請求項2の発明によれば、、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置に表示されるリール画像の図柄配置を変えることができる。」と記載されている。 甲第3号証の構成は、遊技タイプを遊技者自身の操作により選択するものであるが、遊技タイプに応じて画像表示装置に表示されるリール画像の図柄配列が変更されるという点で甲1発明と共通しており、甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用する動機づけが存在する。 よって、本件発明の構成Gは、甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することにより容易に想到できるものである。 (1-2) 本件発明の構成Mについて 本件発明の構成Mでは、要するに、構成Lの「特定演出用識別情報」を導出させることを許容しているときに、特定演出用識別情報を導出させる難易度を複数の難易度から選択することが規定されている。 甲第1号証には、「チェリー-ANY-ANY」を導出させることを許容しているときに、仮想リール4L、4C、4Rの図柄配列を、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」を含む複数の配列から選択することが記載されている。 一方、甲第1号証の【図10】及び【図11】を参照すると、「ビッグボーナス+ベルの配列」における左リール4Lの「チェリー」の図柄の数は、「標準配列」に比べて変わっておらず、「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを導出する難易度は変わっていない。 すなわち、甲1発明は、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」の間で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを導出する難易度に変更がない点で本件発明の構成Mと相違する。 しかし、当該相違点は、異議申立書で既に説明している通り、甲第2号証に記載された事項を適用することにより容易に想到することができる。 甲第2号証には、小役当選時の図柄の組合せ「チェリー-ANY-ANY」を導出させることを許容しているときに、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナスなどの特別役)と抽選結果情報(例えば、チェリーなどの小役)とに基づき、「チェリー-ANY-ANY」を導出させる難易度が異なる複数の配列から、演出用の配列を選択する技術的思想が記載されている。 また、異議申立書で既に説明している通り、甲第2号証に記載された事項を甲1発明に適用する動機づけも存在する。 よって、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用して、「チェリー-ANY-ANY」を導出させることを許容しているときに、「チェリー-ANY-ANY」を導出させる難易度が異なる複数の配列から、演出用の配列を選択することは、当業者であれば容易になしうるものである。 (1-3) 本件発明の構成Rについて 本件発明の構成Rでは、今回の訂正において、「特定結果」が構成Iの「特定結果」である点、及び、前記特定結果であるときに構成Lの「特定演出用識別情報」の導出が許容される点が追加されている。 甲第1号証の【図9(b)】を示す。「B.B(1)orB.B(2)(+チェリー)」の場合、「ビッグボーナス+ベルの配列」が128/256の確率で選択される。一方、「上記以外非ボーナス時」の場合、「ビッグボーナス+ベルの配列」が1/256の確率で選択される。 従って、甲1発明は、「ビッグボーナス+ベルの配列」を、「ビッグボーナス(1)or(2)」に当選しており、かつ、小役「チェリー」に当選して「チェリー一ANY-ANY」の導出が許容されているときに、小役「チェリー」のみに当選して「チェリー-ANY-ANY」の導出が許容されているときよりも高い割合で選択する。 甲1発明は、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」の間で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを導出する難易度に変更がない点で本件発明の構成Rと相違する。しかし、当該相違点は、「本件発明の構成Mについて」で既に説明した通り、甲第2号証に記載された事項を適用することにより容易に想到することができる。 よって、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用することにより、「ビッグボーナス(1)or(2)」に当選しており、かつ、小役「チェリー」に当選して「チェリー一ANY-ANY」の導出が許容されているときに、第1の難易度よりも低い第2の難易度を、小役「チェリー」のみに当選して「チェリー-ANY-ANY」の導出が許容されているときよりも高い割合で選択することは、当業者であれば容易になしうるものである。 (2) 当審の判断 そこで、甲第2号証について検討すると、甲第2号証記載事項の「詳細演出選択手段84cは、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナス(BB)内部中、AT内部中などの遊技状態)と抽選結果情報(例えば、チェリーなどの小役の種類)とに基づき、「チェリー」役に対応する図柄画像の図柄の組合せ「チェリー-ANY-ANY」を画像表示装置50に表示させることを許容しているときに、抽選テーブルを用いて、通常用いられる配列及び「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択すること」からは、「ビッグボーナス内部中やAT内部中等の遊技状態時に、チェリーが当選しチェリー役に対応する図柄画像の図柄の組合せを画像表示装置に表示させることを許容しているときに、通常用いられる配列及びチェリーの図柄を停止し易い配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択する」ことがいえるにすぎず、上記相違点1について開示するものではない。 また、甲第3号証の記載事項の「1枚払出しを行う小役3(「チェリー」-「any」-「any」という図柄の組合せの時)に当選したとき、ATを実行するか否かの抽選を行うスロットマシン10であって、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプの中から遊技者により選択された遊技タイプに基づいてリール画像に表示される表示図柄パターンを選択するスロットマシン10」からは、「1枚払出しを行うチェリーに当選したとき、ATを実行するか否かの抽選を行うスロットマシン」について読み取れることから、上記相違点1のうち「有利価値付与決定手段」についての記載を有するものの、上記相違点1のうち「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する」難易度選択手段であって、「事前決定手段の決定結果が、有利価値が付与され得る特定結果となったときに遊技者にとって有利な価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、第2の難易度を、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」難易度選択手段についての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点1について開示するものではない。 そして、甲1発明に甲第2、3号証の記載事項を適用したとしても、 「ビッグボーナスとチェリーに同時当選している時に、通常配列とチェリーの図柄を停止し易い配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択することができ、チェリーの図柄を停止し易い配列を標準配列よりも高い確率で選択する手段」と「チェリーの当選時にAT抽選を行う手段」の両方を含む構成を想到することができるにすぎず、上記相違点1に関する構成、とりわけ、「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する」難易度選択手段であって、「事前決定手段の決定結果が、有利価値が付与され得る特定結果となったときに遊技者にとって有利な価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、第2の難易度を、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」難易度選択手段、を想到することはできない。 以上のとおり、甲1発明及び甲第2-3号証記載の事項から前記相違点1に係る本件発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 次に、甲第4、5号証の記載事項の「小役ナビとチャンス予告において、液晶リールの背景を変化させること」は、上記「有利価値決定手段」「有利価値付与手段」「難易度選択手段」についての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点1に関連するものではなく、上記相違点1について開示するものではない。 さらに、甲第6号証の記載事項の「演出用可変表示装置として適用された液晶表示器に表示される演出用リールであるサブリールは、所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合であっても予め定められた引込範囲内で停止操作がなされなければ、許容された図柄の組合せが揃わないように制御されること」も、上記「有利価値決定手段」「有利価値付与手段」「難易度選択手段」についての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点1に関連するものではなく、上記相違点1について開示するものではない。 したがって、甲1発明及び甲第2-6号証の記載事項に基づいて、上記相違点1に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 よって、上記相違点2-3について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲第2-6号証の記載に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。 (3) まとめ 以上のとおり、本件発明は、特許異議申立人が提出した甲第1-6号証に記載される、甲1発明及び甲第2-6号証の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由(取消理由通知に記載した取消理由)及び特許異議申立人提出した証拠である甲第1-6号証によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 スロットマシン 【技術分野】 【0001】 本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。 【背景技術】 【0002】 スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転が開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ライン上に予め定められた入賞図柄の組み合わせ(例えば、7-7-7、以下図柄の組み合わせを役とも呼ぶ)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。 【0003】 これら入賞役には、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役、メダルなどの遊技用価値の付与を伴う小役、遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役などがある。これら入賞役は、スタート操作と同時に行われる内部抽選に当選したことを条件に当選役の入賞が可能となるものが一般的である。 【0004】 また、この種のスロットマシンとしては、ゲームに用いるリールとは別に、液晶表示器などの画像表示装置に仮想リールを表示させるとともに、ゲームに用いるリールに連動させて画像表示装置内の仮想リールを変動させ、ゲームに用いるリールの停止に応じて仮想リールも停止させることにより、遊技者が仮想リールに着目しながらゲームを進行させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】特開2005-323870号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 特許文献1に記載のスロットマシンでは、画像にて形成された仮想リールを、ゲームに用いるリールの変動に対応して変動させるとともに、ゲームに用いるリールに導出された表示結果に対応した演出用の表示結果を仮想リールにも導出させるだけであり、画像にて形成された仮想リールの機能が十分に活用されていないものであった。 【0007】 本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、入賞用可変表示装置とは別に、画像にて形成された演出用可変表示領域を備えるものにおいて、演出用可変表示領域を備えることによる興趣を高めることができるスロットマシンを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報(図柄)を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、 前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、 前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、 前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段(メイン制御部41)と、 画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示器51)と、 前記画像表示装置(液晶表示器51)の表示制御を行う画像表示制御手段(サブ制御部91)と、 前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、 を備え、 前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、 前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、 前記画像表示制御手段は、 前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域(変動領域)において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示させるとともに、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、 前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度(演出用リール)を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度(演出用リール1、演出用リール2)から選択する難易度選択手段(演出用リール選択抽選)と、 前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、 を含み、 前記演出用導出制御手段は、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する ことを特徴としている。 この特徴によれば、事前決定手段の決定結果が特定結果となった場合には、演出用可変表示領域に特定演出用表示結果を導出させる難易度が複数の異なる難易度から選択され、選択された難易度に従って演出用識別情報の変動表示及び演出用表示結果を導出させる制御が行われるとともに、事前決定手段の決定結果が特定結果となった場合に遊技者にとって有利な有利価値を付与することが決定されている場合に、有利価値を付与することが決定されていない場合よりも第1の難易度及び第2の難易度のうち特定演出用表示結果を導出させる難易度が低い第2の難易度が選択されやすくなっている。すなわち事前決定手段の決定結果が同じであっても、特定演出用表示結果を導出させる際の難易度によって遊技者にとって有利な有利価値が付与されることが決定されている可能性を示唆することが可能となり、演出用可変表示領域を備えることによる興趣を効果的に高めることができる。 尚、遊技者にとって有利な特定状況とは、特定状況以外の状況に比較して遊技者にとって直接的な有利な状況(遊技用価値が付与される期待値が高い場合など)であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な状況であっても良い。 また、前記演出用可変表示領域に特定演出用表示結果を導出させる難易度が異なるとは、導出操作手段を操作してから演出用表示結果が導出されるまでの移動量が変化しないものにおいて特定演出用表示結果を構成する演出用識別情報を配列上増やしたりまとめることで特定演出用表示結果を導出させる難易度が異なるものでも良いし、導出操作手段を操作してから演出用表示結果が導出されるまでの移動量を変化させることで特定演出用表示結果を導出させる難易度が異なるものでも良い。 【0009】 本発明の手段1に記載のスロットマシンは、請求項1に記載のスロットマシンであって、 前記画像表示制御手段(サブ制御部91)は、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記特定結果(1枚)となった場合に、複数種類の前記特定演出用表示結果(「チェリー-ANY-ANY」が演出用入賞ラインLs2・Ls4または演出用入賞ラインLs3・Ls5に揃った表示態様、「チェリー-ANY-ANY」が演出用入賞ラインLs1に揃った表示態様、「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls3に揃った表示態様、「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs4、Ls5に揃った表示態様)から前記演出用可変表示領域(変動領域)に導出可能となる特定演出用表示結果の種類(表示パターン)を選択する演出用表示結果種類選択手段(表示パターン選択処理)を含み、 前記演出用導出制御手段は、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記特定結果(1枚)となった場合に、前記演出用表示結果種類選択手段(表示パターン選択処理)が選択した種類(表示パターン)の前記特定演出用表示結果を前記演出用可変表示領域(変動領域)に導出可能に制御する ことを特徴としている。 この特徴によれば、事前決定手段による一の特定結果に対して、複数種類の演出用表示結果を導出させることが可能となる。 【0010】 本発明の手段2に記載のスロットマシンは、手段1に記載のスロットマシンであって、 遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段(内部抽選、AT抽選)を備え、 前記演出用表示結果種類選択手段(表示パターン選択処理)は、前記有利価値付与決定手段(内部抽選、AT抽選)の決定結果に応じて前記特定演出用表示結果の種類(表示パターン)を選択する ことを特徴としている。 この特徴によれば、有利価値が付与されている場合に導出させやすくなる特定演出用表示結果の種類の違いにより有利価値が付与されている可能性を示唆することが可能となり、有利価値が付与されている場合には、その旨を高い割合で認識させることができる。 【0011】 本発明の手段3に記載のスロットマシンは、請求項1、手段1または2に記載のスロットマシンであって、 前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)により前記第2の難易度(演出用リール2)が選択された場合に、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作態様に関わらず必ず前記特定演出用表示結果(「チェリー-ANY-ANY」、「スイカ-スイカ-スイカ」)を導出させる制御を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第2の難易度が選択された場合には、遊技者に技量に関わらず必ず特定演出用表示結果が導出されることとなるので、遊技者にとって有利な特定の状況である可能性を確実に認識させることができる。 【0012】 本発明の手段4に記載のスロットマシンは、請求項1、手段1または2のいずれかに記載のスロットマシンであって、 前記特定結果(1枚)は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞(小役)のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞(1枚)の発生を許容する旨が決定される決定結果である ことを特徴としている。 この特徴によれば、事前決定手段の決定結果が特定結果となり、演出用可変表示領域において特定演出用表示結果を導出させることができなかった場合でも、その際の特定小役入賞の発生に伴い付与される遊技用価値が少なく、演出用可変表示領域にハズレ表示態様が導出されたにも関わらず、遊技用価値の付与が続いてしまうことによる不整合を極力回避できる。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】本発明が適用された実施例1のスロットマシンの正面図である。 【図2】スロットマシンの内部構造図である。 【図3】リールの図柄配列を示す図である。 【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。 【図5】メイン制御部の構成を示すブロック図である。 【図6】特別役の種類、特別役の図柄組み合わせ、及び特別役に関連する技術事項について説明するための図である。 【図7】小役の種類、小役の図柄組み合わせ、及び小役に関連する技術事項について説明するための図である。 【図8】再遊技役の種類、再遊技役の図柄組み合わせ、及び再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。 【図9】移行出目の図柄組み合わせ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。 【図10】遊技状態及びRTの遷移を説明するための図である。 【図11】遊技状態及びRTの概要を示す図である。 【図12】遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明するための図である。 【図13】遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明するための図である。 【図14】抽選対象役により入賞が許容される役の組み合わせについて説明するための図である。 【図15】複数の再遊技役当選時のリール制御を説明するための図である。 【図16】複数の小役当選時のリール制御を説明するための図である。 【図17】液晶表示器の表示画面を示す図である。 【図18】(a)?(d)は、リール及び液晶表示器の表示状況を示す図である。 【図19】液晶表示器に表示される演出用リールの配列(リール1)を示す図である。 【図20】液晶表示器に表示される演出用リールの配列(リール2)を示す図である。 【図21】入賞役に対応する演出用図柄の組み合わせを示す図である。 【図22】表示パターンの内容を示す図である。 【図23】1枚当選時の表示パターンの選択率を示す図である。 【図24】演出用リールの選択条件を示す図である。 【図25】1枚当選時の演出用リールの選択率を示す図である。 【図26】(a)?(d)は、リール及び液晶表示器の表示状況を示す図である。 【図27】入賞役報知の報知態様を示す図である。 【図28】前兆演出の実施状況を示す図である。 【図29】前兆演出抽選の当選確率を示す図である。 【図30】連続演出の演出パターン別の構成を示す図である。 【図31】連続演出の態様を示す図である。 【図32】連続演出の態様を示す図である。 【図33】連続演出の演出パターンの選択率を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0014】 本発明の実施例を以下に説明する。 【0015】 本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。 【0016】 本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。 【0017】 リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bに設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。 【0018】 各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。 【0019】 リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2 C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。 【0020】 前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。 【0021】 前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。 【0022】 尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。 【0023】 また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。 【0024】 MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。 【0025】 また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。 【0026】 前面扉1bの内側には、前面扉1bの内側上部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニットが設けられているとともに、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。 【0027】 筐体1a内部には、図2に示すように、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。 【0028】 ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。 【0029】 電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。 【0030】 本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。 【0031】 入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では入賞ラインを1本としているが、複数の入賞ラインを定めても良い。 【0032】 ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。 【0033】 そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインL上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。 【0034】 また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。 【0035】 リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。 【0036】 このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。 【0037】 図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。 【0038】 電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。 【0039】 また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。 【0040】 遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。 【0041】 また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。 【0042】 遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。 【0043】 メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。 【0044】 制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすれば良い。 【0045】 スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。 【0046】 図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。 【0047】 図5に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであれば良い。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。 【0048】 内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。 【0049】 メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されても良い。 【0050】 メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されれば良い。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。 【0051】 メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。 【0052】 リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていれば良い。 【0053】 メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。 【0054】 このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。 【0055】 メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されても良い。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであっても良い。 【0056】 メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。 【0057】 メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0-PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0-PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであれば良い。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0-PCC3)内蔵しても良い。各プログラマブルカウンタPCC0-PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0-PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであれば良い。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでも良い。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれても良い。 【0058】 メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられても良い。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしても良い。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであっても良いし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであっても良い。 【0059】 内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」?「65535」の範囲の値をとる。 【0060】 メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0?入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3?入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3?入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。 【0061】 図5に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。 【0062】 メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。 【0063】 メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行われることになる。 【0064】 メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。 【0065】 メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。 【0066】 また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。 【0067】 また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。 【0068】 メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。 【0069】 演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。 【0070】 演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。 【0071】 尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。 【0072】 また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。 【0073】 演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。 【0074】 リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。 【0075】 サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。 【0076】 また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。 【0077】 また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。 【0078】 本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。 【0079】 設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。 【0080】 また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。 【0081】 本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。 【0082】 そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。 【0083】 尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。 【0084】 また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。 【0085】 次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。 【0086】 重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述するRTフラグ及びRT残りゲーム数が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。 【0087】 本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。 【0088】 初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。 【0089】 尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。 【0090】 このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられたRTフラグやRT残りゲーム数は初期化されることなく保持されるようになっている。一方で、一般ワークに割り当てられた遊技状態フラグについては、初期化1が実行されることに伴って初期化されることとなる。 【0091】 本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLが有効化される。 【0092】 本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。 【0093】 尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。 【0094】 以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0?65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。 【0095】 乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。 【0096】 内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。 【0097】 そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。 【0098】 次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。 【0099】 メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506に格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。 【0100】 テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。 【0101】 テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。 【0102】 リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。 【0103】 停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0?167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0?20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0?20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0?20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。 【0104】 前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。 【0105】 次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。 【0106】 また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。 【0107】 次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。 【0108】 本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。 【0109】 また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。 【0110】 本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。 【0111】 特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。 【0112】 尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。 【0113】 特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。 【0114】 本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。 【0115】 尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。 【0116】 次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。 【0117】 本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。 【0118】 これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。 【0119】 BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。 【0120】 クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。 【0121】 内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。 【0122】 リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。 【0123】 リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。 【0124】 入賞判定コマンドは、入賞ラインLに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。 【0125】 払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。 【0126】 遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態及びRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。 【0127】 待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。 【0128】 打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。 【0129】 エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。 【0130】 復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。 【0131】 設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。 【0132】 設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。 【0133】 ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。 【0134】 操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。 【0135】 これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。 【0136】 一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。尚、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。 【0137】 また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。 【0138】 前述のようにドアコマンドも操作検出コマンドもともにタイマ割込処理(メイン)のコマンド設定処理においてコマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信されることとなるが、ドアコマンド送信要求2が設定されている場合、すなわちドアコマンドの送信が要求されている場合には、例え、操作検出コマンドの送信が要求されていても、ドアコマンドの送信を優先するようになっており、ドアコマンド送信要求2が設定されていない場合のみ操作検出コマンドが送信されることとなるため、ドアコマンド送信要求2と操作検出コマンド送信要求の双方が設定されている場合には、当該コマンド送信処理では、ドアコマンドが送信され、次回以降のコマンド送信処理において操作検出コマンドが送信されることとなる。 【0139】 次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。 【0140】 サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。 【0141】 受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。 【0142】 サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。 【0143】 制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。 【0144】 尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。 【0145】 特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。 【0146】 演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。 【0147】 本実施例のスロットマシン1においては、入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。 【0148】 尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、前述した内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。 【0149】 図6?図9は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態及びRTの遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。 【0150】 本実施例におけるスロットマシンは、図10に示すように、通常遊技状態、内部中1、2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0?3のいずれかに制御される。 【0151】 図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。 【0152】 BBは、入賞ラインに「黒7-白7-網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、BB中レギュラーボーナス(以下、BBRBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。BBの入賞に起因して発生したビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。 【0153】 RBは、入賞ラインに「黒7-白7-BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。 【0154】 図10に示すように、特別役(BB、RB)に当選してから入賞するまでは、内部中・RT0に制御される。また、図10に示すように、特別役の入賞に伴うビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、通常・RT3に制御される。 【0155】 後述する内部抽選において特別役に当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB、RBを構成する図柄(左リールの「黒7」、中リールの「白7」、右リールの「網7」、「BAR」)は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。 【0156】 次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル15枚1?12、14枚1?3、1枚が含まれる。 【0157】 ベルは、入賞ラインLに「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。 【0158】 ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選においてベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0159】 15枚1は、入賞ラインLに「黒7-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚2は、入賞ラインLに「網7-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚3は、入賞ラインLに「白7-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚4は、入賞ラインLに「BAR-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、それぞれ15枚のメダルが払い出される。 【0160】 ここで、図3を参照すると、左リール2Lにおいて、黒7、網7、白7、BARは、いずれも5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において15枚1?4のいずれかが当選しても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、15枚1?4に入賞することはない。 【0161】 15枚5は、入賞ラインLに「ベル-黒7-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚6は、入賞ラインLに「ベル-網7-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚7は、入賞ラインLに「ベル-白7-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚8は、入賞ラインLに「ベル-BAR-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、それぞれ15枚のメダルが払い出される。 【0162】 ここで、図3を参照すると、中リール2Cにおいて、黒7、網7、白7、BARは、いずれも5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において15枚5?8のいずれかが当選しても、中リール2Cに対応するストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、15枚5?8に入賞することはない。 【0163】 15枚9は、入賞ラインLに「ベル-ベル-黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚10は、入賞ラインLに「ベル-ベル-網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚11は、入賞ラインLに「ベル-ベル-白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚12は、入賞ラインLに「ベル-ベル-BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、それぞれ15枚のメダルが払い出される。 【0164】 ここで、図3を参照すると、右リール2Rにおいて、黒7、網7、白7、BARは、いずれも5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において15枚9?12のいずれかが当選しても、右リール2Rに対応するストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、15枚9?12に入賞することはない。 【0165】 14枚1は、入賞ラインLに「ベル-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、14枚2は、入賞ラインLに「リプレイ-ベル-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、14枚3は、入賞ラインLに「リプレイ-リプレイ-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、それぞれ14枚のメダルが払い出される。 【0166】 ここで、図3を参照すると、ベル及びリプレイは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において14枚1?3のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0167】 1枚は、入賞ラインLに「スイカ-スイカ-スイカ」、「ベル-スイカ-スイカ」、「スイカ-ベル-スイカ」、「スイカ-スイカ-ベル」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。 【0168】 ここで、図3を参照すると、左リール2Lにおいて、スイカ、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において1枚に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0169】 次に、図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、昇格リプレイ1から3、転落リプレイ1?3、特殊リプレイ1?3が含まれる。 【0170】 通常リプレイは、入賞ラインLに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0171】 昇格リプレイ1は、入賞ラインLに「黒7-リプレイ-リプレイ」、「網7-リプレイ-リプレイ」、「白7-リプレイ-リプレイ」、「BAR-リプレイ-リプレイ」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0172】 昇格リプレイ2は、入賞ラインLに「リプレイ-黒7-リプレイ」、「リプレイ-網7-リプレイ」、「リプレイ-白7-リプレイ」、「リプレイ-BAR-リプレイ」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。中リール2Cにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0173】 昇格リプレイ3は、入賞ラインLに「リプレイ-リプレイ-黒7」、「リプレイ-リプレイ-網7」、「リプレイ-リプレイ-白7」、「リプレイ-リプレイ-BAR」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。右リール2Eにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0174】 図10に示すように、通常・RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1?3のいずれか)に入賞した後は、通常・RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、通常・RT2、通常・RT3における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT2、通常・RT3における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中・RT0に制御される。このため、通常・RT2、通常・RT3においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT2、通常・RT3から通常・RT0に制御されないように構成されており、通常・RT1であるときにのみ昇格リプレイに入賞し、当該通常・RT1からのみ通常・RT0に制御されるように構成されている。 【0175】 転落リプレイ1は、入賞ラインLに「黒7-黒7-リプレイ」、「黒7-網7-リプレイ」、「黒7-白7-リプレイ」、「黒7-BAR-リプレイ」、「網7-黒7-リプレイ」、「網7-網7-リプレイ」、「網7-白7-リプレイ」、「網7-BAR-リプレイ」、「白7-黒7-リプレイ」、「白7-網7-リプレイ」、「白7-白7-リプレイ」、「白7-BAR-リプレイ」、「BAR-黒7-リプレイ」、「BAR-網7-リプレイ」、「BAR-白7-リプレイ」、「BAR-BAR-リプレイ」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2L、中リール2Cにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、転落リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0176】 転落リプレイ2は、入賞ラインLに「黒7-リプレイ-黒7」、「黒7-リプレイ-網7」、「黒7-リプレイ-白7」、「黒7-リプレイ-BAR」、「網7-リプレイ-黒7」、「網7-リプレイ-網7」、「網7-リプレイ-白7」、「網7-リプレイ-BAR」、「白7-リプレイ-黒7」、「白7-リプレイ-網7」、「白7-リプレイ-白7」、「白7-リプレイ-BAR」、「BAR-リプレイ-黒7」、「BAR-リプレイ-網7」、「BAR-リプレイ-白7」、「BAR-リプレイ-BAR」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2L、右リール2Rにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、転落リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0177】 転落リプレイ3は、入賞ラインLに「黒7-黒7-リプレイ」、「黒7-網7-リプレイ」、「黒7-白7-リプレイ」、「黒7-BAR-リプレイ」、「網7-黒7-リプレイ」、「網7-網7-リプレイ」、「網7-白7-リプレイ」、「網7-BAR-リプレイ」、「白7-黒7-リプレイ」、「白7-網7-リプレイ」、「白7-白7-リプレイ」、「白7-BAR-リプレイ」、「BAR-黒7-リプレイ」、「BAR-網7-リプレイ」、「BAR-白7-リプレイ」、「BAR-BAR-リプレイ」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。中リール2C、右リール2Rにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、転落リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0178】 図10に示すように、通常・RT0において転落リプレイ1?3に入賞した後は、RT1に制御される。 【0179】 特殊リプレイ1は、入賞ラインLに「黒7-黒7-ベル」、「黒7-網7-ベル」、「黒7-白7-ベル」、「黒7-BAR-ベル」、「網7-黒7-ベル」、「網7-網7-ベル」、「網7-白7-ベル」、「網7-BAR-ベル」、「白7-黒7-ベル」、「白7-網7-ベル」、「白7-白7-ベル」、「白7-BAR-ベル」、「BAR-黒7-ベル」、「BAR-網7-ベル」、「BAR-白7-ベル」、「BAR-BAR-ベル」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2L、中リール2Cにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0180】 特殊リプレイ2は、入賞ラインLに「黒7-ベル-黒7」、「黒7-ベル-網7」、「黒7-ベル-白7」、「黒7-ベル-BAR」、「網7-ベル-黒7」、「網7-ベル-網7」、「網7-ベル-白7」、「網7-ベル-BAR」、「白7-ベル-黒7」、「白7-ベル-網7」、「白7-ベル-白7」、「白7-ベル-BAR」、「BAR-ベル-黒7」、「BAR-ベル-網7」、「BAR-ベル-白7」、「BAR-ベル-BAR」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2L、右リール2Rにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0181】 特殊リプレイ3は、入賞ラインLに「黒7-黒7-ベル」、「黒7-網7-ベル」、「黒7-白7-ベル」、「黒7-BAR-ベル」、「網7-黒7-ベル」、「網7-網7-ベル」、「網7-白7-ベル」、「網7-BAR-ベル」、「白7-黒7-ベル」、「白7-網7-ベル」、「白7-白7-ベル」、「白7-BAR-ベル」、「BAR-黒7-ベル」、「BAR-網7-ベル」、「BAR-白7-ベル」、「BAR-BAR-ベル」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。中リール2C、右リール2Rにおいて、黒7、網7、白7、BARのいずれかは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L?8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。 【0182】 図10に示すように、通常・RT0において特殊リプレイ(特殊リプレイ1?3のいずれか)に入賞した後は、通常・RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、通常・RT1、通常・RT3における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT2、通常・RT3における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中・RT0に制御される。このため、通常・RT1、通常・RT3においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT1、通常・RT3から通常・RT2に制御されないように構成されており、通常・RT0であるときにのみ特殊リプレイに入賞し、当該通常・RT0からのみ通常・RT2に制御されるように構成されている。 【0183】 次に、図9を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図9に示すように、「ベル-ベル-リプレイ」、「ベル-リプレイ-ベル」、「リプレイ-ベル-ベル」からなる3種類の組み合わせである。本実施例では、後述する左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4が当選し、14枚1?3の入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している15枚1?12を取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLに揃う。 【0184】 図10に示すように、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3において移行出目が入賞ラインLに揃った後は、通常・RT1に制御される。尚、通常・RT1において移行出目が入賞ラインLに揃った場合には、通常・RT1が維持されることとなる。 【0185】 次に、図12?図14を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、内部中(特別役が当選している状態)であるか、BBRBであるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態であれば、RT0?3の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12?図14においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。 【0186】 図12、図13においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。 【0187】 また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(例えば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0?65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。 【0188】 また、図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役及び小役の組み合わせを示し、図13は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される再遊技役の組み合わせを示している。また、図14は、図12、図13に示す同時当選役を構成する役の組み合わせを示している。 【0189】 通常・RT0であるときには、BB、BB+1枚、BB+ベル、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、RB、RB+1枚、RB+ベル、1枚、ベル、左小役GR1、左小役GR2、左小役GR3、左小役GR4、中小役GR1、中小役GR2、中小役GR3、中小役GR4、右小役GR1、右小役GR2、右小役GR3、右小役GR4、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15、リプレイGR16が内部抽選の対象役となる。 【0190】 通常・RT1であるときには、BB、BB+1枚、BB+ベル、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、RB、RB+1枚、RB+ベル、1枚、ベル、左小役GR1、左小役GR2、左小役GR3、左小役GR4、中小役GR1、中小役GR2、中小役GR3、中小役GR4、右小役GR1、右小役GR2、右小役GR3、右小役GR4、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。 【0191】 通常・RT2、通常・RT3であるときには、BB、BB+1枚、BB+ベル、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、RB、RB+1枚、RB+ベル、1枚、ベル、左小役GR1、左小役GR2、左小役GR3、左小役GR4、中小役GR1、中小役GR2、中小役GR3、中小役GR4、右小役GR1、右小役GR2、右小役GR3、右小役GR4、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。 【0192】 内部中・RT0であるときには、1枚、ベル、左小役GR1、左小役GR2、左小役GR3、左小役GR4、中小役GR1、中小役GR2、中小役GR3、中小役GR4、右小役GR1、右小役GR2、右小役GR3、右小役GR4、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。 【0193】 BBRB・RT0であるときには、1枚、ベルが内部抽選の対象役となり、RB・RT0であるときには、ベルが内部抽選の対象役となる。 【0194】 尚、図14に示すように、左小役GR1とは、15枚1+14枚1である。左小役GR2とは、15枚2+14枚1である。左小役GR3とは、15枚3+14枚1である。左小役GR4とは、15枚4+14枚1である。中小役GR1とは、15枚5+14枚2である。中小役GR2とは、15枚6+14枚2である。中小役GR3とは、15枚7+14枚2である。中小役GR4とは、15枚8+14枚2である。右小役GR1とは、15枚9+14枚3である。右小役GR2とは、15枚10+14枚3である。右小役GR3とは、15枚11+14枚3である。右小役GR4とは、15枚12+14枚3である。 【0195】 リプレイGR1とは、昇格リプレイ3+通常リプレイである。リプレイGR2とは、昇格リプレイ2+通常リプレイである。リプレイGR3とは、昇格リプレイ2+昇格リプレイ3+通常リプレイである。リプレイGR4とは、昇格リプレイ1+通常リプレイである。リプレイGR5とは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+通常リプレイである。リプレイGR6とは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ3+通常リプレイである。 【0196】 リプレイGR11とは、転落リプレイ2+特殊リプレイ1である。リプレイGR12とは、転落リプレイ1+特殊リプレイ2である。リプレイGR13とは、転落リプレイ1+特殊リプレイ1である。リプレイGR14とは、転落リプレイ1+特殊リプレイ3である。リプレイGR15とは、転落リプレイ3+特殊リプレイ2である。リプレイGR16とは、転落リプレイ2+特殊リプレイ3である。 【0197】 転落リプレイとは、転落リプレイ1+転落リプレイ2+転落リプレイ3である。昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+昇格リプレイ3である。特殊リプレイとは、特殊リプレイ1+特殊リプレイ2+特殊リプレイ3である。 【0198】 本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図15に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図15は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。 【0199】 リプレイGR1(昇格リプレイ3+通常リプレイ)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0200】 リプレイGR2(昇格リプレイ2+通常リプレイ)が当選し、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0201】 リプレイGR3(昇格リプレイ2+昇格リプレイ3+通常リプレイ)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0202】 リプレイGR4(昇格リプレイ1+通常リプレイ)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0203】 リプレイGR5(昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+通常リプレイ)が当選し、右左中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、右左中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0204】 リプレイGR6(昇格リプレイ1+昇格リプレイ3+通常リプレイ)が当選し、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0205】 このように、リプレイGR1?6とで、昇格リプレイ1、2に入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。 【0206】 このため、リプレイGR1?6が内部抽選の対象となる通常・RT1において、リプレイGR1?6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞して通常・RT0に移行することとなる。 【0207】 リプレイGR11(転落リプレイ2+特殊リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0208】 リプレイGR12(転落リプレイ1+特殊リプレイ2)が当選し、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0209】 リプレイGR13(転落リプレイ1+特殊リプレイ1)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0210】 リプレイGR14(転落リプレイ1+特殊リプレイ3)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイ3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0211】 リプレイGR15(転落リプレイ3+特殊リプレイ2)が当選し、右左中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、右左中以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイ3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0212】 リプレイGR16(転落リプレイ2+特殊リプレイ3)が当選し、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイ3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0213】 このように、リプレイGR11?16とで、特殊リプレイに入賞させ、かつ転落リプレイを回避するため操作態様として異なる操作態様が設定されている。 【0214】 このため、リプレイGR11?16が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR11?16のいずれかが当選していれば1/6の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行することとなる一方で、5/6の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。 【0215】 次に、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図16に示すように、同時当選した小役の種類及び停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図16は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。 【0216】 左小役GR1(15枚1+14枚1)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚2または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0217】 左小役GR2(15枚2+14枚1)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚2または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0218】 左小役GR3(15枚3+14枚1)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚3または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0219】 左小役GR4(15枚4+14枚1)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚1の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚4または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0220】 図3に示すように、14枚1の構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、左小役GR1?4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず14枚1を入賞ラインLに揃える制御が行われる一方で、15枚1?4を構成する図柄は、左リールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左小役GR1?4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した15枚1?4の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した15枚1?4を入賞ラインLに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLに揃うように制御される。 【0221】 中小役GR1(15枚5+14枚2)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0222】 中小役GR2(15枚6+14枚2)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0223】 中小役GR3(15枚7+14枚2)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0224】 中小役GR4(15枚8+14枚2)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚2の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、15枚8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0225】 図3に示すように、14枚2の構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、中小役GR1?4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず14枚2を入賞ラインLに揃える制御が行われる一方で、15枚5?8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中小役GR1?4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した15枚5?8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した15枚5?8を入賞ラインLに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLに揃うように制御される。 【0226】 右小役GR1(15枚9+14枚3)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、15枚9または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0227】 右小役GR2(15枚10+14枚3)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、15枚10または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0228】 右小役GR3(15枚11+14枚3)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、15枚11または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0229】 右小役GR4(15枚12+14枚3)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち14枚3の組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、15枚12または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLに揃えて停止させる制御を行う。 【0230】 図3に示すように、14枚3の構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、右小役GR1?4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず14枚3を入賞ラインLに揃える制御が行われる一方で、15枚9?12を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右小役GR1?4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1?8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した15枚9?12を入賞ラインLに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLに揃うように制御される。 【0231】 このように本実施例では、左小役GR、中小役GR、右小役GR(以下押し順小役と呼ぶ)のいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、14枚1?3が必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で15枚1?12が揃うが、3/4で15枚1?12が揃わず移行出目が揃うこととなる。 【0232】 このため、押し順小役の当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順小役のいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で14枚1?3を確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか15枚1?12を入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。 【0233】 本実施例では、図10及び図11に示すように、通常遊技状態、内部中、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態においては、RT0?3のいずれかに制御される。 【0234】 前述のように、メイン制御部41のRAM507には、遊技状態を特定可能な遊技状態フラグが格納される領域と、RTの種類を特定可能なRTフラグが格納される領域と、が割り当てられている。遊技状態フラグは、4ビットのデータであり、0000が通常遊技状態を示し、0001が内部中を示し、0100がRBを示し、1100がBB(RB)を示す。RTフラグは、4ビットのデータであり、0000がRT0を示し、0001がRT1を示し、0010がRT2を示し、0011がRT3を示し、0100がRT4を示す。 【0235】 図11に示すように、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0000の場合は、通常遊技状態かつRT0であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0001の場合は、通常遊技状態かつRT1であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0010の場合は、通常遊技状態かつRT2であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0011の場合は、通常遊技状態かつRT3であることを示し、遊技状態フラグの値が0001、RTフラグの値が0000の場合は、内部中であることを示し、遊技状態フラグの値が0100、RTフラグの値が0000の場合は、RBであることを示し、遊技状態フラグの値が1100、RTフラグの値が0000の場合は、BB(RB)であることを示す。 【0236】 一方、本実施例では、対象役の判定値数が定められた抽選テーブルとして、内部中用の抽選テーブル、BB(RB)用の抽選テーブル、通常遊技状態用の抽選テーブルをそれぞれ有しており、さらに通常遊技状態用の抽選テーブルとして、RT0用の抽選テーブル、RT1用の抽選テーブル、RT2用の抽選テーブル、RT3用の抽選テーブルをそれぞれ有している。 【0237】 そして、内部抽選処理においてRAM507に格納されている遊技状態フラグの値及びRTフラグの値を参照して遊技状態及びRTの種類を特定し、それに応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより、遊技状態及びRTの種類に応じた抽選対象役について、遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて抽選が行われるようになっている。 【0238】 通常・RT0は、通常・RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1?6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT0を示す0000に更新される。そして、通常・RT0は、通常・RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止により通常・RT1に移行するか、特殊リプレイの入賞により通常・RT2に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。 【0239】 通常・RT0における特別役の当選確率は通常(約1/239)、再遊技役の当選確率は高確率(約1/1.4)、小役の当選確率は通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。また、通常・RT0では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうちリプレイGR11?16のみが内部抽選の対象となる。 【0240】 通常・RT1は、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3において移行出目が停止するか、通常・RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT1を示す0001に更新される。そして、通常・RT1は、昇格リプレイが入賞することで通常・RT0に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。 【0241】 通常・RT1における特別役の当選確率は通常・RT0と同じく通常(約1/239)、再遊技役の当選確率は通常・RT0よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率は通常・RT0と同じく通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、通常・RT1では、再遊技役のうち通常リプレイ、リプレイGR1?6のみが内部抽選の対象となる。 【0242】 通常・RT2は、通常・RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT2を示す0010に更新される。そして、通常・RT2は、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。 【0243】 通常・RT2における特別役の当選確率は通常・RT0と同じく通常(約1/239)、再遊技役の当選確率はRT(0)とほとんど変わらず高確率(約1/1.4)、小役の当選確率は通常・RT0と同じく通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。また、通常・RT2では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうち通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。 【0244】 通常・RT3は、BB(RB)、RBの終了時に移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT3を示す0011に更新される。そして、通常・RT3は、通常・RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。 【0245】 通常・RT3における特別役の当選確率は通常(約1/239)、再遊技役の当選確率は通常・RT0よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率は通常・RT0と同じく通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、通常・RT4では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうち通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。 【0246】 内部中は、通常遊技状態において特別役が当選したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、内部中を示す0001に更新され、RTフラグの値が、RT0を示す0000に更新される。そして、内部中は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。 【0247】 内部中においては、特別役が内部抽選の対象外となり、再遊技役の当選確率は通常・RT0、通常・RT2よりは低いが、通常・RT1、通常・RT3よりも高く高確率(約1/4.2)、小役の当選確率は通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、内部中では、再遊技役のうち通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイのみが内部抽選の対象となる。 【0248】 RBは、内部中1、2においてRBが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、RBを示す0100に更新され、RTフラグの値は、RT(0)を示す0000から変わらない。そして、RBは、12ゲーム消化するか、6回入賞することで終了する。 【0249】 RBにおいては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、通常遊技状態、内部中よりも高く高確率(約1/1.01)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。 【0250】 BB(RB)は、内部中においてBBが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、BB(RB)を示す1100に更新され、RTフラグの値は、RT(0)を示す0000から変わらない。そして、BB(RB)は、BB(RB)に移行してからのゲーム数に関わらず、BB(RB)に払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。 【0251】 BB(RB)においては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、通常遊技状態、内部中よりも高く高確率(約1/1.00)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。 【0252】 通常遊技状態、内部中、RB、BB(RB)のうち、RB及びBB(RB)が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。 【0253】 また、通常遊技状態におけるRT0?3のうちRT0、2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。 【0254】 また、本実施例におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0?3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。 【0255】 ここで本実施例の遊技状態及びRTの移行状況について説明すると、図10に示すように、RBまたはBB(RB)が終了すると、通常・RT3に移行する。 【0256】 通常・RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中に移行する。 【0257】 通常・RT3において左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行した通常・RT3において左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、通常・RT1に移行することとなる。 【0258】 通常・RT1では、昇格リプレイが入賞することで通常・RT0に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中に移行する。 【0259】 通常・RT1においてリプレイGR1?6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、通常・RT1では、リプレイGR1?6が当選し、停止順に正解することで通常・RT0へ移行することとなる。 【0260】 通常・RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特殊リプレイが入賞することで通常・RT2へ移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中に移行する。 【0261】 通常・RT0においてリプレイGR11?16が当選し、停止順が正解することで特殊リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0において左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT0では、リプレイGR11?16が当選し、停止順が正解することで通常・RT2へ移行し、リプレイGR11?16が当選し、停止順が不正解となるか、左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。 【0262】 通常・RT2では、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中に移行する。 【0263】 通常・RT2において左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT2では、左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。 【0264】 内部中1、2では、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでRBまたはBB(RB)に移行する。 【0265】 サブ制御部91は、AT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。本実施例では、1枚当選時、すなわち1枚当選を示す内部当選コマンドの受信を契機にAT抽選を実行する。 【0266】 ナビストック数とは、所定期間にわたりATに制御される権利の数を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間にわたりATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。 【0267】 サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨及びナビストック数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1消費してATに制御可能となる。 【0268】 尚、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数を獲得したときには、ATフラグから特定されるナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。 【0269】 例えば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選が行われる場合には、当該AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、例えば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであっても良く、AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであっても良い。 【0270】 サブ制御部91は、通常・RT1?3であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。 【0271】 具体的に、サブ制御部91は、通常・RT1において、ATフラグからATである旨が特定されたときには、発動条件の成立によりATに制御する。すなわち、ナビストックが残っているときには、発動条件の成立を契機にATの制御を開始する。発動条件は、後述する連続演出によりATに当選した旨の結果が導出されるか、発動抽選に当選することで成立する。 【0272】 発動条件が成立すると、通常・RT1から通常・RT2に移行するまでの期間においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。この際、後述のように通常・RT1においては、リプレイGR1?6の当選時にナビ演出の対象となり、ナビ演出では、リプレイGR1?6の当選時に昇格リプレイを入賞させる押し順が報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことにより通常・RT1から通常・RT0に移行させることが可能となる。また、通常・RT0への移行後においては、リプレイGR11?16の当選時にナビ演出の対象となり、ナビ演出では、リプレイGR11?16の当選時に特殊リプレイを入賞させる押し順が報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことにより通常・RT0から通常・RT2に移行させることが可能となる。 【0273】 ATに制御されているときであって、通常・RT0から通常・RT2に移行したとき、または通常・RT2へ移行後、通常・RT2が継続している状態において所定ゲーム数経過したときには、ナビストック数を1消費(減算)することによるATへの開始条件が成立し、所定ゲーム数が経過するまでの間、再遊技役の当選確率が高いRTかつATであるARTに制御する。尚、ナビストック数を1消費したときには、1減算したナビストック数を示すATフラグに更新される。この間、押し順小役がナビ演出の対象となり、押し順小役の当選時に移行出目を回避し、ベルを入賞させる押し順が報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことにより、通常・RT2から通常・RT1に移行させることなく、かつメダルを獲得することが可能となる。 【0274】 また、サブ制御部91は、ARTであるときには、残りゲーム数が0となったときには非ATに制御する。このときに、ATフラグが示すナビストック数が0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。すなわち、一連のATの終了条件は、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるときに成立する。 【0275】 非ATに制御されたときのATフラグからATでない旨が特定されたときには、再度ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。これにより、通常・RT2であるときには、移行出目が揃う可能性が高まり、通常・RT1に制御される可能性が高まる。 【0276】 一方、非ATに制御されたときのATフラグから特定されるナビストック数が1以上であれば、ナビ演出の対象役が当選したときに、ナビストック数を1消費し、再び所定ゲーム数にわたりナビ演出が行われるまでATに制御される。そしてナビストック数も0となり、ナビ回数も0となることでATが終了することとなる。 【0277】 サブ制御部91は、ATに制御する場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常・RT1であるときにはリプレイGR1?6であり、通常・RT0であるときにはリプレイGR11?16、押し順小役である。また、通常・RT2では、押し順小役である。 【0278】 リプレイGR1?6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図15参照)が報知される。例えば、リプレイGR1に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR2に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR3に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR4に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR5に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR6に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。 【0279】 リプレイGR11?16に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図15参照)が報知される。例えば、リプレイGR11に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR12に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR13に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR14に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR15に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR16に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。 【0280】 また、押し順小役のいずれかに当選したときのナビ演出としては、14枚1?3を確実に入賞させるための押し順(図16参照)が報知される。例えば、左小役GRに当選したときには、左リールを第1停止リールとして停止させることにより14枚1を確実に入賞させることができるため、左リールを第1停止リールとして停止させるための「左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中小役GRに当選したときには、中リールを第1停止リールとして停止させることにより14枚2を確実に入賞させることができるため、中リールを第1停止リールとして停止させるための「中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、右小役GRに当選したときには、右リールを第1停止リールとして停止させることにより14枚3を確実に入賞させることができるため、右リールを第1停止リールとして停止させるための「右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。 【0281】 以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。 【0282】 尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。 【0283】 そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイ入賞回避させることができる。 【0284】 本実施例のサブ制御部91は、図17及び図18に示すように、液晶表示器51の表示領域内にそれぞれ設けられた左変動領域、中変動領域、右変動領域、すなわちリール2L、2C、2Rと同じ左、中、右の3つの変動領域に、各々所定の順番で配置された演出用図柄が表示され、これら各変動領域に表示された演出用図柄によって擬似的なリールを校正紙、各変動領域に表示された演出用図柄を、連続的に変化しつつ表示させるとともに、変動を停止させることで、各変動領域に演出用表示結果を導出させるリール演出を実行する。 【0285】 リール演出では、図18(a)に示すように、リール2L、2C、2Rの回転開始に伴って各変動領域も変動を開始する。そして、図18(b)?(d)に示すように、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、リール2L、2C、2Rの表示結果が導出されることに伴って、回転が停止したリール2L、2C、2Rに対応する変動領域も変動を停止し、演出用表示結果が導出されるようになっている。すなわちリール演出において各変動領域は、各々対応するリール2L、2C、2Rと連動して動作するようになっている。 【0286】 また、リール演出では、リール2L、2C、2Rの表示結果として入賞態様が入賞ラインLに導出された際に、各変動領域に、図17に示すように、予め定められた演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに、リール2L、2C、2Rの入賞ラインLに導出された入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるとともに、リール2L、2C、2Rにおいていずれの入賞態様も入賞ラインLに導出されなかった際に、各変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5にいずれにも入賞態様に対応する演出入賞態様が導出されないようになっている。すなわち各変動領域に導出される演出用表示結果としてリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるようになっている。ただし、必ずしもリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるものではなく、本実施例では、リール2L、2C、2Rに入賞態様が導出されていても、後述のように演出用に設定された引込範囲内にその入賞態様に応じて定められた演出用図柄が位置しないタイミングで該当するストップスイッチの操作がなされた場合には、その入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されないこともあり、この場合には、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様と、各変動領域に導出される演出用表示結果と、が一致しないこととなる。 【0287】 図19及び図20は、リール演出に用いる各変動領域の演出用図柄の配列を示す図であり、各変動領域には「0」?「20」の各図柄番号に対応して、「黒7」、「白7」、「BAR」、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」の演出用図柄が21個配列されている。 【0288】 本実施例では、図19に示す演出用リール1、図20に示す演出用リール2が、リール演出に用いられる。 【0289】 演出用リール1は、図柄の背景が白色で、かつ左変動領域において、「チェリー」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに停止可能な停止位置(「チェリー」が上段、中段または下段に停止する停止位置)が演出用引込範囲(リール2L、2C、2Rの引込範囲と同じ4コマ)を越えて配置された箇所が設けられ、さらに、全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲を越えて配置された箇所が設けられた配列となっている。 【0290】 演出用リール2は、図柄の背景が黒色で、かつ左変動領域において、「チェリー」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに停止可能な停止位置(「チェリー」が上段、中段または下段に停止する停止位置)が演出用引込範囲(リール2L、2C、2Rの引込範囲と同じ4コマ)内となるように配置され、さらに、全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲内に配置された配列となっている。すなわち後述する「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列となっている。 【0291】 本実施例では、図21に示すように、リール2L、2C、2Rの表示態様としてBBの組み合わせが入賞ラインLに揃ってBBが入賞した場合に液晶表示器51には、BB入賞画面が表示される。 【0292】 また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてRBの組み合わせが入賞ラインLに揃ってRBが入賞した場合に液晶表示器51には、RB入賞画面が表示される。 【0293】 また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、15枚1?12、14枚1?3のいずれかの組み合わせが入賞ラインLに揃って15枚1?12、14枚1?3のいずれかが入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに15枚1?12、14枚1?3の組み合わせに対応する「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが揃う。 【0294】 また、リール2L、2C、2Rの表示態様として、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。 【0295】 また、リール2L、2C、2Rの表示態様として通常リプレイ、昇格リプレイ1?3、転落リプレイ1?3、特殊リプレイ1?3のいずれかが入賞ラインLに揃って通常リプレイ、昇格リプレイ1?3、転落リプレイ1?3、特殊リプレイ1?3のいずれかが入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに通常リプレイ、昇格リプレイ1?3、転落リプレイ1?3、特殊リプレイ1?3の組み合わせに対応する「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃う。 【0296】 サブ制御部91は、メイン制御部41による内部抽選処理の結果に応じて当該ゲームにおいて適用される液晶表示器51の各変動領域の表示パターンを選択する表示パターン選択処理を行う。 【0297】 図22は、リール演出において演出用表示結果を導出させる際に用いる表示パターンの内容を示す図である。 【0298】 パターン番号01の表示パターンは、「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs2・Ls4またはLs3・Ls5のいずれかに引き込んで停止させるパターンである。尚、演出用引込範囲内で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを引き込めない場合には、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止しない。 【0299】 パターン番号02の表示パターンは、「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs1、Ls2・Ls4またはLs3・Ls5のいずれかに引き込んで停止可能で、かつ演出用入賞ラインLs1に停止可能なタイミングであれば演出用入賞ラインLs1に優先的に停止させるパターンである。尚、演出用引込範囲内で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを引き込めない場合には、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止しない。 【0300】 パターン番号03の表示パターンは、「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに引き込んで停止可能で、かつ演出用入賞ラインLs1?Ls3に停止可能なタイミングであれば演出用入賞ラインLs1?Ls3に優先的に停止させるパターンである。尚、演出用引込範囲内で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを引き込めない場合には、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止しない。 【0301】 パターン番号04の表示パターンは、「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに引き込んで停止可能で、かつ演出用入賞ラインLs4、Ls5に停止可能なタイミングであれば演出用入賞ラインLs4、Ls5に優先的に停止させるパターンである。尚、演出用引込範囲内で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを引き込めない場合には、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止しない。 【0302】 パターン番号05の表示パターンは、「ベル-ベル-ベル」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに引き込んで停止させるパターンである。尚、「ベル」は必ず演出用引込範囲内に配置されているため、当該パターンでは、「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが必ず演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに停止する。 【0303】 パターン番号06の表示パターンは、「ベル」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかにテンパイ(残り1つの変動領域を残して他の変動領域の変動が停止した時点で対象となる図柄を同一の演出用入賞ライン上に停止させた状態とすること)させ、リール2L、2C、2Rの全てにリールが停止した時点で15枚1?12、14枚1?3のいずれかが入賞ラインLに揃った場合に「ベル-ベル-ベル」の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに引き込んで停止させ、リール2L、2C、2Rの全てにリールが停止した時点で15枚1?12、14枚1?3のいずれも入賞ラインLに揃わなかった場合に「ベル」のテンパイラインに「ベル」以外を停止させ、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止させないパターンである。 【0304】 パターン番号07の表示パターンは、「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに引き込んで停止させるパターンである。尚、「リプレイ」は必ず演出用引込範囲内に配置されているため、当該パターンでは、「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが必ず演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに停止する。 【0305】 パターン番号08の表示パターンは、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止させないパターンである。 【0306】 パターン番号09の表示パターンは、「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」の組み合わせを演出用引込範囲内において演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに引き込んで停止させるパターンである。尚、演出用引込範囲内で「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」の組み合わせを引き込めない場合には、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止しない。 【0307】 サブ制御部91は、表示パターン選択処理を行い、内部抽選の結果に応じてこれら表示パターンから表示パターンを選択する。 【0308】 表示パターン選択処理では、ベル当選時には、パターン番号05の表示パターンを選択し、「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃うように制御される。 【0309】 また、押し順小役(左小役GR1?4、中小役GR1?4、右小役GR1?4)当選時には、パターン番号06の表示パターンを選択し、リール2L、2C、2Rの全てにリールが停止した時点で15枚1?12、14枚1?3のいずれかが入賞ラインLに揃う場合に、「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃うように制御され、リール2L、2C、2Rの全てにリールが停止した時点で15枚1?4も14枚1も入賞ラインLに揃わない場合に、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止させないように制御される。 【0310】 通常リプレイ、リプレイGR1?6、リプレイGR11?16、昇格リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイのいずれかの当選時には、パターン番号07の表示パターンを選択し、「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃うように制御される。 【0311】 いずれの役も当選していない場合には、パターン番号08の表示パターンを選択し、入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも停止させないように制御される。 【0312】 特別役の当選時には、パターン番号09の表示パターンを選択し、「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃うように制御される。この際、リール演出において「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃った場合には、必ずしもリール2L、2C、2Rに特別役の組み合わせが揃う訳ではなく、リール演出において「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」の組み合わせが演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃うことで、特別役の当選が告知され、これに基づいてリール2L、2C、2Rに該当する特別役の構成図柄を狙って停止操作を行い、当選した特別役が入賞することでボーナスに制御されることとなる。 【0313】 また、特別役またはATが同時に当選し得る1枚の当選時には、特別役またはATに当選したか、特別役もATも当選していないか、に応じて図23に示す選択率にてランダムにパターン番号01?04のいずれかの表示パターンを選択する。 【0314】 詳しくは、特別役またはATに当選している場合には、10%の確率でパターン番号01の表示パターンを選択し、30%の確率でパターン番号02の表示パターンを選択し、20%の確率でパターン番号03の表示パターンを選択し、40%の確率でパターン番号04の表示パターンを選択する。一方、特別役及びATに当選していない場合には、40%の確率でパターン番号01の表示パターンを選択し、20%の確率でパターン番号02の表示パターンを選択し、30%の確率でパターン番号03の表示パターンを選択し、10%の確率でパターン番号04の表示パターンを選択する。 【0315】 また、パターン番号01?04の表示パターン選択時における特別役またはATの当選期待度の大小関係は、特別役またはAT当選時の選択率と特別役・AT非当選時の選択率の合算値に占める特別役またはAT当選時の選択率の比率である当選比率を算出することで求めることが可能であり、本実施例では、パターン番号01選択時の当選比率が1/5、パターン番号02選択時の当選比率が3/5、パターン番号03選択時の当選比率が2/5、パターン番号04選択時の当選比率が4/5であり、パターン番号04、02、03、01の順番で特別役またはATの当選期待度が高くなるように定められている。 【0316】 また、パターン番号01が選択された場合には、「チェリー-ANY-ANY」を演出用入賞ラインLs2・Ls4または演出用入賞ラインLs3・Ls5のみに揃えることが可能に制御され、パターン番号02が選択された場合には、「チェリー-ANY-ANY」を演出用入賞ラインLs2・Ls4または演出用入賞ラインLs3・Ls5に加え、演出用入賞ラインLs1にも揃えることが可能であり、かつ演出用入賞ラインLs1に揃いやすく制御され、パターン番号03が選択された場合には、「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも揃うことが可能であり、かつ演出用入賞ラインLs1?Ls3に揃いやすく制御され、パターン番号04が選択された場合には、「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも揃うことが可能であり、かつ演出用入賞ラインLs4、Ls5に揃いやすく制御されるようになっている。 【0317】 このため、リール演出においては「チェリー-ANY-ANY」が演出用入賞ラインLs2・Ls4または演出用入賞ラインLs3・Ls5に揃った表示態様、「チェリー-ANY-ANY」が演出用入賞ラインLs1に揃った表示態様、「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls3に揃った表示態様、「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs4、Ls5に揃った表示態様のうち「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs4、Ls5に揃った表示態様が導出された際に特別役またはATの当選期待度た最も高く、続いて「チェリー-ANY-ANY」が演出用入賞ラインLs1に揃った表示態様、「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls3に揃った表示態様、「チェリー-ANY-ANY」が演出用入賞ラインLs2・Ls4または演出用入賞ラインLs3・Ls5に揃った表示態様の順で特別役またはATの当選期待度が高くなる。 【0318】 サブ制御部91は、リール演出において前述した演出用リール1、演出用リール2の2つの演出用リールからいずれかの演出用リールを選択して用いる。 【0319】 また、サブ制御部91は、リール演出において過去に1枚が当選し、パターン番号01、02の表示パターンが選択され、「チェリー-ANY-ANY」を演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃えられなかった回数、1枚が当選し、パターン番号03、04の表示パターンが選択され、「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃えられなかった回数の合計である取りこぼし回数を計数する取りこぼしカウンタをRAM91cに有しており、リール演出においてこの取りこぼしカウンタ値が5回を越える場合には、演出用リール2、すなわち「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列の演出用リールが選択されるようになっている。 【0320】 また、サブ制御部91は、取りこぼしカウンタが5回を越えている場合に、同一の連続する3図柄の範囲内となるタイミングでの左変動領域に対応するストップスイッチ8Lの操作が連続して5回連続した場合に、取りこぼしカウンタをクリアして0に更新するようになっている。 【0321】 このように本実施例では、リール演出において過去に1枚が当選し、パターン番号01、02の表示パターンが選択され、「チェリー-ANY-ANY」を演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃えられなかった回数、1枚が当選し、パターン番号03、04の表示パターンが選択され、「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5に揃えられなかった回数の合計である取りこぼし回数を計数する取りこぼしカウンタの値が規定値(5回)を越えた場合に、「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列の演出用リールが適用されるようになっている。このため、1枚が当選し、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出可能なゲームにおいて「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも導出できない状況が続くと、遊技者の技量が変わらずとも、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに必ず導出されることとなり、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも導出できない状況自体をなくすことができる。 【0322】 また、演出用リール1と演出用リール2は、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を導出させる際の難易度が異なるだけでなく、演出用図柄の配列、演出用図柄の背景色も異なり、変動中の表示態様も異なるので、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出されやすくなったことを遊技者に対して認識させることも可能となり、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃えることができないことによる損失感を効果的に軽減できる。 【0323】 また、本実施例では、演出用リール2が選択されることで、特別役またはATが当選する可能性のある1枚当選時のゲームにおいて演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出可能となる「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の構成図柄の導出が容易となり、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を狙って停止操作を行うことができない技量の低い遊技者が遊技を行っても、1枚当選時のゲームにおいて「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が導出されない状況が続くと、1枚当選時のゲームにおいて「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が必ず導出され、特別役またはATの当選可能性を示唆することが可能となり、特別役やATが当選している場合には、その旨を高い割合で認識させることができる。 【0324】 また、本実施例では、演出用リール1が適用された場合に取りこぼす可能性のある「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が、小役のうち最も払出枚数の低い1枚の当選時に揃えられるように制御されるようになっており、液晶表示器51の変動領域の結果として「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼした場合にリール2L、2C、2Rでは1枚が揃っても、メダルの払出に要する時間を極力短くすることが可能となり、液晶表示器51の変動領域の結果として入賞態様に対応する演出用表示結果が導出していないにも関わらず、長時間にわたりメダルの払出が行われることで、次ゲームへ移行できないことによる不整合を極力回避することができる。 【0325】 また、本実施例では、取りこぼしカウンタが5回を越えている場合に、同一の連続する3図柄の範囲内となるタイミングでの左変動領域に対応するストップスイッチ8Lの操作が連続して5回連続した場合に、技量の高い遊技者が遊技を行っていると判断し、取りこぼしカウンタをクリアして、演出用リール2から演出用リール1に変更するようになっている。このため、取りこぼしカウンタが5回を越えた後、遊技者が交代して遊技者の技量が上がった場合には、その技量に合わせた適切な演出用リールにてリール演出を行うことが可能となる。 【0326】 尚、本実施例では、演出用リール2において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の構成図柄を演出用引込範囲内に配置することで、これら「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度を演出用リール1よりも低くする構成であるが、対象となる図柄を連続して配置したり、対象となる図柄のサイズを大きくしたり、背景や周囲の図柄との色彩を変えたりすることにより「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度を演出用リール1よりも低くする構成としても良いし、演出用引込範囲を大きくすることで「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度を演出用リール1よりも低くする構成としても良い。 【0327】 また、本実施例では、演出用リール1よりも「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度の低い演出用リール2として、「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列の演出用リールを適用しているが、演出用リール2は、少なくとも演出用リール1に比較して「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度が低いものであれば良く、演出用リール2に比較して「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の取りこぼしが少なくなる配列とするものでも良く、このような構成であっても、1枚が当選し、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出可能なゲームにおいて「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも導出できない状況が続くことで、遊技者の技量が変わらずとも、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出されやすくなり、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれにも導出できない状況自体を減らすことができる。 【0328】 また、本実施例では、演出用リール2が選択されることで、特別役またはATが当選する可能性のある1枚当選時のゲームにおいて演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出可能となる「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の構成図柄の導出が容易となる構成であるが、特に遊技者にとって有利な価値の付与を伴わない役の当選時に導出可能となる演出用図柄の組み合わせの導出が容易となる構成でも良い。 【0329】 また、遊技者にとって有利な価値は、特別役やATのように遊技者にとって直接的に有利となる価値に限らず、設定値を示唆する演出やBB中のBGMを選択できる権利、インターネット上で特典を付与できる権利など、遊技者にとって間接的に有利となる価値を適用しても良い。 【0330】 また、本実施例では、取りこぼしカウンタが5回を越えている場合に、同一の連続する3図柄の範囲内となるタイミングでの左変動領域に対応するストップスイッチ8Lの操作が連続して5回連続した場合に、技量の高い遊技者が遊技を行っていると判断する構成であり、本実施例のように演出用リール2において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすポイントが存在しない場合でも、遊技者の技量を判定できることから好ましいが、一定の規則的な操作態様が所定期間検出されることで、技量の高い遊技者が遊技を行っていると判断する構成であれば、その判断手法は適宜に適用可能であり、例えば、予め決められた範囲(例えば、チェリーとスイカのいずれも取りこぼすことのないタイミングや、ハズレか、何らかの役が当選している可能性を判別することが可能となるタイミング)でストップスイッチが所定期間にわたり連続して操作されることで技量の高い遊技者が遊技を行っていると判断する構成でも良い。そしてこのような構成を適用することで、遊技者が交代して遊技者の技量が上がった場合でも、その技量に合わせた適切な演出用リールにてリール演出を行うことが可能となる。また、遊技者の操作によって取りこぼしカウンタをクリアできる構成としても良く、この場合には遊技者が任意に演出用リール1に戻すことができる。 【0331】 本実施例では、取りこぼしカウンタの値が5回以下の場合には、原則として演出用リール1、すなわち「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼし得る配列の演出用リールが選択されるようになっている。 【0332】 また、取りこぼしカウンタの値が5回以下の場合であっても、特別役またはATに当選している可能性のある1枚、ベルの当選時、ハズレ時には、演出用リール選択抽選を行い、図25に示す確率で演出用リール1か演出用リール2のいずれかを選択する。 【0333】 詳しくは、1枚当選時に特別役またはATに当選している場合には50%の確率で演出用リール1を選択し、50%の確率で演出用リール2を選択する。一方、特別役もATも当選していない場合には80%の確率で演出用リール1を選択し、20%の確率で演出用リール2を選択する。 【0334】 また、ベル当選時に特別役またはATに当選している場合には70%の確率で演出用リール1を選択し、30%の確率で演出用リール2を選択する。一方、特別役もATも当選していない場合には80%の確率で演出用リール1を選択し、20%の確率で演出用リール2を選択する。 【0335】 また、ハズレ時に特別役またはATに当選している場合には90%の確率で演出用リール1を選択し、10%の確率で演出用リール2を選択する。一方、特別役もATも当選していない場合には98%の確率で演出用リール1を選択し、2%の確率で演出用リール2を選択する。 【0336】 このように取りこぼしカウンタの値が5回以下の場合であっても、1枚当選時において演出用リール選択抽選を行い、演出用リール2を用いたリール演出が行われるとともに、特別役またはATの当選時に1枚が当選している場合に、特別役またはATの非当選時に1枚が当選している場合よりも高い確率で演出用リール2が選択され、演出用リール2が選択されることで、1枚当選時に導出させることが可能な「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出させる際の難易度が低くなるので、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出させやすくなることにより、特別役またはATに当選している可能性が示唆されることとなる。 【0337】 また、本実施例では、1枚当選時だけでなくベル当選時、ハズレ時においても演出用リール選択抽選を行い、演出用リール2を用いたリール演出が行われるとともに、特別役またはATの当選時にベルが当選するか、ハズレの場合に、特別役またはATの非当選時にベルが当選するか、ハズレの場合よりも高い確率で演出用リール2が選択され、演出用リール2が選択されるので、1枚当選時以外でも特別役またはATに当選している可能性を示唆することが可能となる。特に、ハズレでも特別役またはATの当選の有無に応じて演出用リール2が選択され得るため、特別役またはATと同時に当選する可能性のある1枚、ベルの当選が示唆されるだけでなく、ハズレの場合であっても特別役またはATに当選している可能性を示唆することが可能となる。 【0338】 尚、本実施例では、演出用リール1よりも「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度の低い演出用リール2として、「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列の演出用リールを適用しているが、演出用リール2は、少なくとも演出用リール1に比較して「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃える際の難易度が低いものであれば良く、演出用リール2に比較して「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の取りこぼしが少なくなる配列とするものでも良く、このような構成であっても、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせを演出用入賞ラインLs1?Ls5のいずれかに導出させやすくなることにより、特別役またはATに当選している可能性が示唆されることとなる。 【0339】 また、本実施例では、1枚当選時において特別役またはATが当選している場合に、特別役もATも当選していない場合よりも高い確率で演出用リール2が選択される構成であるが、1枚当選時において少なくとも遊技者にとって有利な状況である場合に、遊技者にとって有利な状況以外の状況である場合よりも高い確率で演出用リール2が選択される構成であれば良い。この場合の有利な状況とは、本実施例で例示した特別役やATが当選している状況など遊技者にとって直接的に有利となる状況に限らず、BB中のBGMを選択できる権利やインターネット上で特典を付与できる権利が付与されている状況など、遊技者にとって間接的に有利となる状況であっても良い。 【0340】 また、本実施例では、1枚当選時に表示パターン01?04のいずれかが選択され、それぞれに対応する演出用表示結果を導出可能に制御される構成であるが、少なくとも1枚当選時に、取りこぼし得る演出用表示結果が導出可能に制御される構成であれば良い。 【0341】 本実施例のサブ制御部91は、図26に示すように、液晶表示器51の表示領域内にリール演出にて表示される左変動領域、中変動領域、右変動領域を表示させず、液晶表示器51の表示領域全体を用いた画像演出を、前述したリール演出とは別に実行する。尚、後述のように画像演出は、通常画像演出と、連続演出と、からなり、このうちリール演出を実行するか、通常画像演出を実行するか、は、特別役またはATの非当選を示す連続演出の終了時にいずれか一方を決定し、決定した通常画像演出またはリール演出を次回連続演出が実行されるまで実行するようになっている。 【0342】 画像演出では、原則としてリール2L、2C、2Rの変動とは直接的には関係のない画像が液晶表示器51に表示されるが、図26に示すように、表示領域の下部にリールの変動状況を示すリール変動報知マークが各リール2L、2C、2R毎に表示される。リール変動報知マークは、○内に☆が表示された状態が該当するリールが変動中である旨を示し、ただの○が表示された状態が該当するリールが停止中である旨を示す。 【0343】 図26(a)に示すように、リール2L、2C、2Rの回転開始に伴って各リール毎にリールが変動中である旨を示すリール変動報知マーク(○内に☆が表示された状態)が表示される。そして、図26(b)?(d)に示すように、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、リール2L、2C、2Rの表示結果が導出されることに伴って、回転が停止したリール2L、2C、2Rに対応するリール変動報知マークもリールが停止中である旨を示すリール変動報知マーク(ただの○が表示された状態)に更新される。 【0344】 そして画像演出では、リール2L、2C、2Rの表示結果として入賞態様が入賞ラインLに導出された際に、リール変動報知マークをリール2L、2C、2Rの入賞ラインLに導出された入賞態様に対応する色、サイズに変化させるとともに、リール2L、2C、2Rにおいていずれの入賞態様も入賞ラインLに導出されなかった際に、リール変動報知マークを変化させないようになっている。すなわちただの○及び白色のままでサイズも変化させない。 【0345】 リール2L、2C、2Rの入賞ラインLに導出された入賞態様に対応するリール変動報知マークの色、サイズは、図27に示すように、ベル、15枚1?12、14枚1?3に対応して色:黄、サイズ:小(変化なし)が、通常リプレイ、昇格リプレイ1?3、転落リプレイ1?3、特殊リプレイ1?3に対応して色:青、サイズ:小(変化なし)がそれぞれ定められている。 【0346】 また、サブ制御部91は、画像演出中であっても、リール演出に用いる表示パターンを選択する表示パターン選択処理を行っており、画像演出中において1枚が入賞した場合には、その際、表示パターン選択処理により選択された表示パターンに応じてリール2L、2C、2Rの入賞ラインLに導出された入賞態様に対応するリール変動報知マークの色、サイズが変化するようになっている。詳しくは、図27に示すように、1枚及びパターン番号01の表示パターンに対応して色:赤、サイズ:小(変化なし)が、1枚及びパターン番号02の表示パターンに対応して色:赤、サイズ:大が、1枚及びパターン番号03の表示パターンに対応して色:緑、サイズ:小(変化なし)が、1枚及びパターン番号04の表示パターンに対応して色:緑、サイズ:大が、それぞれ定められている。 【0347】 前述のように表示パターン選択処理では、パターン番号04、02、03、01の順番で特別役またはATの当選期待度が高くなるように表示パターンが選択されるので、画像演出においては全リール停止時に、リール変動報知マークが、赤・小、赤・大、緑・小、緑・大のうち、緑・大となった場合に特別役またはATの当選期待度が最も高く、続いて赤・大、緑・小、赤・小の順で特別役またはATの当選期待度が高くなる。 【0348】 また、画像演出には、図26に示す通常画像演出と、後述する連続演出と、からなり、通常画像演出においても連続演出においてもリールの変動状況に応じて共通のリール変動報知マークが表示され、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様に応じた態様にリール変動報知マークを変化させるようになっている。すなわち画像演出では、その種類に関わらず、全リール停止時のリール変動報知マークの態様により、入賞役及び表示パターン選択処理により選択された表示パターンを認識できるようになっている。 【0349】 このように本実施例では、画像演出中であっても、リール演出に用いる表示パターンを選択する表示パターン選択処理を行っており、画像演出中において1枚が入賞した場合には、その際、表示パターン選択処理により選択された表示パターンに応じてリール変動報知マークの色、サイズが変化するようになっている。このため、画像演出中であっても、本来であればリール演出において用いられる表示パターン選択処理により選択された表示パターンの種類を利用して画像演出の内容を変化させることができるので、変動領域が表示されない画像演出を行う場合でも処理負荷の増大を抑えることができる。 【0350】 また、本実施例では、表示パターン選択処理では、特別役またはATの当選の有無に応じて表示パターンが選択されるとともに、画像演出においては、そのゲームで選択された表示パターンに応じて全リール停止時のリール変動報知マークの態様が変化することとなるので、画像演出中であってもリール変動報知マークの態様の違いにより、特別役またはATに当選している可能性を示唆することができる。 【0351】 また、本実施例では、画像演出として複数種類の画像演出(通常画像演出、後述する連続演出)を適用しているが、いずれの種類の画像演出においてもリールの変動状況に応じて共通のリール変動報知マークが表示され、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様に応じた態様にリール変動報知マークを変化させるようになっている。すなわち画像演出では、その種類に関わらず、共通の表示態様により入賞役及び表示パターン選択処理により選択された表示パターンを認識させることができるようになっているので、画像演出に係る処理負荷を軽減できる。 【0352】 尚、本実施例では、リール変動報知マークを用いて入賞役及び表示パターン選択処理により選択された表示パターンを認識させる構成であるが、画像演出の表示内容により、入賞役及び表示パターン選択処理により選択された表示パターンを認識させることが可能な構成であれば良く、例えば、入賞役や表示パターンに対応する文字情報、入賞役や表示パターンに対応するキャラクタを表示させることにより入賞役及び表示パターン選択処理により選択された表示パターンを認識させることが可能となる構成としたり、さらにこれら文字情報やキャラクタの色、サイズの違いにより異なる入賞役や表示パターンをそれぞれ認識させることが可能となる構成としても良い。 【0353】 本実施例においてサブ制御部91は、特別役またはATの当選可能性を示唆する演出を行い、最終的に特別役またはATに当選しているか否かを示す演出結果を導く連続演出を実行する。 【0354】 また、サブ制御部91は、連続演出を突然実行するのではなく、特別役またはATと同時に当選し得る1枚の当選を契機に前兆演出を実行し、この前兆演出に続いて連続演出を実行するようになっている。 【0355】 前兆演出は、図28に示すように、前面扉1bの上部に配置された演出効果LED52の点灯態様を変化させることにより実行する。詳しくは、前面扉1bの上部に配置された演出効果LED52は、図28に示すように、エリア1?4の領域が割り当てられており、前兆演出開始前の状態では、エリア1?4の全てが消灯状態であり、1枚の当選した次のゲームからステップに応じて演出効果LED52の点灯態様を変化させる。 【0356】 ステップ1では、エリア1を点灯状態とし、他のエリアは消灯状態のままとなる。ステップ2では、エリア1、2を点灯状態とし、他のエリアは消灯状態のままとなる。ステップ3では、エリア1?3を点灯状態とし、エリア4のみ消灯状態となる。ステップ4では、エリア1?4全てが点灯状態となる。 【0357】 尚、本実施例では、前兆演出として遊技効果LEDの点灯態様をステップ毎に段階的に変化させる構成を適用しているが、ステップ毎に段階的に演出態様を変化させる構成であれば良く、液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様等を段階的に変化させる構成であっても良く、さらには、これら遊技効果LEDの点灯態様、液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様の組み合わせを段階的に変化させる構成でも良い。 【0358】 サブ制御部91は、通常遊技状態において1枚が当選した際に、前兆演出を実行するか否か、及び前兆演出を実行する場合に前兆演出の最終ステップを決定する前兆演出抽選を行う。前兆演出抽選では、ステップ0?ステップ4のいずれかを決定し、ステップ0が決定された場合には、前兆演出を実行せず、ステップ1?4のいずれかが決定された場合には、決定した最終ステップまでステップ1、2、3、4の順番で1ゲーム毎に各ステップに対応する点灯態様となるように演出効果LED52の点灯制御を行う。 【0359】 そしてサブ制御部91は、最終ステップに対応するゲームにおいて連続演出を実行するか否か、連続演出を実行する場合にその演出パターンを決定する連続演出抽選を行う。連続演出抽選では、パターン0?6のいずれかを決定し、パターン0が決定された場合には、連続演出を実行せず、パターン1?6のいずれかが決定された場合には、決定したパターンに応じた連続演出を実行する。 【0360】 連続演出の演出パターンは、後述のようにそれぞれの演出パターンに応じて液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様、LED等の点灯態様等が異なる。尚、本実施例では、連続演出として液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様、LED等の点灯態様を利用した演出を適用しているが、これらのうちいずれか1の演出態様のみ、またはいずれか2の演出態様のみを利用したものでも良い。 【0361】 前兆演出抽選では、図29(a)に示すように、特別役またはATに当選しているか否かと、当該前兆演出抽選の契機となった1枚当選時に前述した表示パターン選択処理で選択された表示パターンと、応じてステップ0?4の当選率が異なる。 【0362】 詳しくは、特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号01選択時の当選率は、ステップ0が80%、ステップ1が10%、ステップ2が8%、ステップ3が1%、ステップ4が1%であり、特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号01選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は20%、最終ステップの平均は1.65である。 【0363】 特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号02選択時の当選率は、ステップ0が60%、ステップ1が15%、ステップ2が15%、ステップ3が5%、ステップ4が5%であり、特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号02選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は40%、最終ステップの平均は2である。 【0364】 特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号03選択時の当選率は、ステップ0が70%、ステップ1が15%、ステップ2が10%、ステップ3が3%、ステップ4が2%であり、特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号03選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は30%、最終ステップの平均は1.73である。 【0365】 特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号04選択時の当選率は、ステップ0が50%、ステップ1が20%、ステップ2が15%、ステップ3が10%、ステップ4が5%であり、特別役にもATにも当選していない場合におけるパターン番号04選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は50%、最終ステップの平均は2である。 【0366】 特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号01選択時の当選率は、ステップ0が60%、ステップ1が10%、ステップ2が10%、ステップ3が10%、ステップ4が10%であり、特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号01選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は40%、最終ステップの平均は2.5である。 【0367】 特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号02選択時の当選率は、ステップ0が40%、ステップ1が15%、ステップ2が15%、ステップ3が15%、ステップ4が15%であり、特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号02選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は60%、最終ステップの平均は2.5である。 【0368】 特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号03選択時の当選率は、ステップ0が50%、ステップ1が10%、ステップ2が15%、ステップ3が15%、ステップ4が10%であり、特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号03選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は50%、最終ステップの平均は2.5である。 【0369】 特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号04選択時の当選率は、ステップ0が20%、ステップ1が20%、ステップ2が20%、ステップ3が20%、ステップ4が20%であり、特別役またはATが当選している場合におけるパターン番号04選択時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は80%、最終ステップの平均は2.5である。 【0370】 このように前兆演出抽選では、表示パターンが同じ場合に、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が前兆演出が実行される割合が高く、また、前兆演出が実行される場合においては、表示パターンが同じ場合に、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が前兆演出のステップがより進んだ段階で連続演出が実行される割合が高くなる。このため、1枚の当選を契機として前兆演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆され、さらにより前兆演出のステップが進むほど、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。 【0371】 また、前兆演出抽選では、1枚当選時において表示パターン選択手段が選択した表示パターン、すなわち本来であれば、リール演出に用いる表示パターン選択手段の選択結果を利用して前兆演出に制御するか否かや前兆演出の種類を決定しているため、前兆演出抽選に係る処理負荷を抑えることができる。 【0372】 また、前兆演出抽選では、特別役またはATの当選期待度が高い表示パターンほど、前兆演出が実行される割合が高く、また、前兆演出が実行される場合においては特別役またはATの当選期待度が高い表示パターンほど、前兆演出のステップがより進んだ段階で連続演出が実行される割合が高くなる。これにより、変動領域に導出された演出用表示結果により示唆される特別役またはATの当選可能性の上昇と、前兆演出の実行により示唆される特別役またはATの当選可能性の上昇と、の関係が明確となるため、変動領域に導出された「チェリー-ANY-ANY」や「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせにより示唆された特別役の当選に対する期待感を前兆演出によって効果的に高めることができる。 【0373】 連続演出は、図30に示すように、演出パターン0?6の7種類からなり、さらに演出パターン1?6には、それぞれ特別役またはATの非当選を示す「-1」の演出パターンと、特別役またはATの当選を示す「-2」の演出パターンと、が定められている。 【0374】 演出パターン0は、連続演出を実行しないパターンであり、当該演出パターンが決定された場合には、連続演出は実行されない。 【0375】 演出パターン1-1は、1ゲーム目に、図31(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図31(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図32(e)(f)(g)(j)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図32(n)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン1-2は、3ゲーム目までは演出パターン1-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図32(k)または図32(m)に示すように、打上成功演出を実行して特別役またはATの当選を報知するパターンである。 【0376】 演出パターン2-1は、1ゲーム目に、図31(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図31(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図32(e)(f)(g)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図32(n)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン2-2は、3ゲーム目までは演出パターン2-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図32(k)または図32(m)に示すように、打上成功演出を実行して特別役またはATの当選を報知するパターンである。 【0377】 演出パターン3-1は、1ゲーム目に、図31(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図31(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図32(e)(f)(h)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図32(n)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン3-2は、3ゲーム目までは演出パターン3-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図32(k)または図32(m)に示すように、打上成功演出を実行して特別役またはATの当選を報知するパターンである。 【0378】 演出パターン4-1は、1ゲーム目に、図31(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図31(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図32(e)(f)(h)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図32(n)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン4-2は、3ゲーム目までは演出パターン4-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図32(k)または図32(m)に示すように、打上成功演出を実行して特別役またはATの当選を報知するパターンである。 【0379】 演出パターン5-1は、1ゲーム目に、図31(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図31(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図32(e)(f)(i)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図32(n)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン5-2は、3ゲーム目までは演出パターン5-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図32(k)または図32(m)に示すように、打上成功演出を実行して特別役またはATの当選を報知するパターンである。 【0380】 演出パターン6-1は、1ゲーム目に、図31(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図31(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図32(e)(f)(i)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図32(n)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン6-2は、3ゲーム目までは演出パターン6-1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図32(k)または図32(m)に示すように、打上成功演出を実行して特別役またはATの当選を報知するパターンである。 【0381】 尚、演出パターン3?6の3ゲーム目において、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させたにも関わらず、演出用スイッチ56の操作がなされなかった場合には、カットインを伴わず、カットインを伴うパターンであったか否かを判別することはできないようになっている。 【0382】 連続演出抽選では、図33(a)(b)に示すように、特別役またはATの当選の有無及び直前の前兆演出の最終ステップに応じた確率で演出パターン0?6を選択する。 【0383】 詳しくは、特別役またはATが非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ1である場合の当選率は、パターン0が60%、パターン1が25%、パターン2が5%、パターン3が4%、パターン4が3%、パターン5が2%、パターン6が1%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は40%である。 【0384】 特別役またはATが非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ2である場合の当選率は、パターン0が50%、パターン1が25%、パターン2が7%、パターン3が6%、パターン4が5%、パターン5が4%、パターン6が3%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は50%である。 【0385】 特別役またはATが非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ3である場合の当選率は、パターン0が40%、パターン1が25%、パターン2が9%、パターン3が8%、パターン4が7%、パターン5が6%、パターン6が5%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は60%である。 【0386】 特別役またはATが非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ4である場合の当選率は、パターン0が30%、パターン1が25%、パターン2が11%、パターン3が10%、パターン4が9%、パターン5が8%、パターン6が7%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は70%である。 【0387】 特別役またはATが当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ1である場合の当選率は、パターン0が30%、パターン1が10%、パターン2が10%、パターン3が11%、パターン4が12%、パターン5が13%、パターン6が14%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は70である。 【0388】 特別役またはATが当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ2である場合の当選率は、パターン0が20%、パターン1が10%、パターン2が12%、パターン3が13%、パターン4が14%、パターン5が15%、パターン6が16%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は80%である。 【0389】 特別役またはATが当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ3である場合の当選率は、パターン0が10%、パターン1が10%、パターン2が14%、パターン3が15%、パターン4が16%、パターン5が17%、パターン6が18%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は90%である。 【0390】 特別役またはATが当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ4である場合の当選率は、パターン0が5%、パターン1が5%、パターン2が16%、パターン3が17%、パターン4が18%、パターン5が19%、パターン6が20%であり、この際連続演出が実行される確率(当選確率)は95%である。 【0391】 このように本実施例では、演出パターン(0)?(6)のうち演出パターン(1)?(6)が当選する比率が、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が高く、前兆演出の後、連続演出が実行されることで、特別役またはATの当選に対する期待感を高めることができる。 【0392】 また、演出パターン(0)?(6)のうち、花火制作演出(桜柄)の演出パターン2、4、6が当選する比率が、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が高く、連続演出において花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役またはATに当選している可能性が高くなる。 【0393】 また、演出パターン1?6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6が当選する比率が、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が高く、演出用スイッチ56の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出用スイッチ56の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役またはATに当選している可能性が高くなる。 【0394】 また、花火打上+カットイン演出の演出パターン3?6のうち、花火打上+カットイン(大)演出の演出パターン3?6が当選する比率が、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が高く、演出用スイッチ56の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりも演出用スイッチ56の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役にまたはATに当選している可能性が高くなる。 【0395】 また、花火制作演出(桜柄)か花火打上+カットイン演出の少なくとも一方が実行される演出パターン2?6のうち、花火制作演出(桜柄)と花火打上+カットイン演出双方が実行される演出パターン4、6が当選する比率が、特別役もATも当選していない場合よりも特別役またはATが当選している場合の方が高く、花火制作演出(桜柄)か花火打上+カットイン演出の一方のみが実行された場合よりも花火制作演出(桜柄)と花火打上+カットイン演出双方が実行された方が、特別役またはATに当選している可能性が高くなる。 【0396】 また、連続演出抽選では、特別役またはATの当選の有無だけでなく、直前の前兆演出の最終ステップに応じてパターン0?6の当選率が異なるので、直前の前兆演出の最終ステップに関連付けて連続演出を実行させることが可能となり、前兆演出及び連続演出双方の興趣を高めることができる。 【0397】 特に、本実施例では、前兆演出における最終ステップの段階が進んでいるほど特別役またはATの当選が期待できる構成であるが、連続演出抽選では、最終ステップの段階が進んでいるほど連続演出が実行される確率が高いので、前兆演出の最終ステップの進み具合によって示唆された特別役またはATの当選可能性を連続唆演出によって効果的に高めることができる。 【0398】 また、サブ制御部91は、特別役もATも非当選の状態で開始した連続演出において、その演出結果が導かれる前に特別役またはATが当選した場合には、実行中の連続演出の最終結果を、特別役の当選またはATの当選を示す演出結果に差し替えて、特別役の当選またはATの当選を演出結果として報知するようになっている。 【0399】 また、サブ制御部91は、連続演出中に、特別役またはATに当選する可能性のある1枚が当選した場合には、実行中の連続演出の演出パターンを変更するか否かを決定する演出パターン変更抽選を行い、演出パターン変更抽選に当選した場合には、実行中の演出パターンよりも特別役またはATの当選可能性が高い旨が示唆される演出パターン(花火制作演出(通常)の演出パターンから花火制作演出(桜柄)の演出パターン、花火打上演出(カットインなし)の演出パターンから花火打上+カットイン(小)演出の演出パターン、花火打上+カットイン(小)の演出パターンから花火打上+カットイン(大)演出の演出パターンなど)に変更するようになっている。 【0400】 演出パターン変更抽選では、特別役またはATの当選有無に加え、1枚当選時に選択された表示パターンに応じて当選確率が異なる。 【0401】 詳しくは、特別役もATも非当選で表示パターン01が選択された場合には10%、表示パターン02が選択された場合には20%、表示パターン03が選択された場合には15%、表示パターン04が選択された場合には30%であり、特別役またはATに当選しており表示パターン01が選択された場合には20%、表示パターン02が選択された場合には40%、表示パターン03が選択された場合には30%、表示パターン04が選択された場合には60%である。 【0402】 このように演出パターン変更抽選では、特別役またはATに当選している場合には、特別役もATも当選していない場合よりも高い確率で当選するので、連続演出中に特別役またはATの当選が示唆される1枚に当選することで、現状よりも期待度の高い演出パターンに変更されやすいため、連続演出による遊技者の期待感を効果的に高めることができる。 【0403】 また、演出パターン変更抽選では、本来であればリール演出において適用する表示パターンを決定するための表示パターン選択処理の結果を利用して連続演出の演出パターンを変更するか否かを決定しているため、演出パターン変更抽選に係る処理負荷の増大を抑えることができる。 【0404】 また、前述のように表示パターン選択処理では、パターン番号04、02、03、01の順番で特別役またはATの当選期待度が高くなるように表示パターンが選択されるとともに、連続演出中はリールの変動状況に応じたリール変動報知マークが表示されるとともに、全リール停止時のリール変動報知マークから1枚当選時に選択された表示パターンを認識できるようになっている。 【0405】 そして、演出パターン変更抽選では、特別役またはATの当選期待度が高い表示パターンほど、高い確率で当選するので、連続演出中に特別役またはATの当選が示唆される1枚に当選した際に、リール変動報知マークが特別役またはATの当選可能性の高い態様に変更するほど、現状よりも期待度の高い演出パターンに変更されやすいため、連続演出による遊技者の期待感をさらに効果的に高めることができる。 【0406】 以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。 【0407】 前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。 【0408】 さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。 【符号の説明】 【0409】 1 スロットマシン 2L、2C、2R リール 6 MAXBETスイッチ 7 スタートスイッチ 8L、8C、8R ストップスイッチ 41 メイン制御部 91 サブ制御部 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、 前記入賞用可変表示装置に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段と、 前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、 画像を表示可能な画像表示装置と、 前記画像表示装置の表示制御を行う画像表示制御手段と、 前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、 を備え、 前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、 前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、 前記画像表示制御手段は、 前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、 前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、 前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、 を含み、 前記演出用導出制御手段は、 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、 前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する ことを特徴とするスロットマシン。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-05-31 |
出願番号 | 特願2011-151143(P2011-151143) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(A63F)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岡崎 彦哉 |
特許庁審判長 |
本郷 徹 |
特許庁審判官 |
瀬津 太朗 川崎 優 |
登録日 | 2016-04-08 |
登録番号 | 特許第5911225号(P5911225) |
権利者 | 株式会社三共 |
発明の名称 | スロットマシン |
代理人 | 溝渕 良一 |
代理人 | 石川 好文 |
代理人 | 林 修身 |
代理人 | 大久保 岳彦 |
代理人 | 平木 祐輔 |
代理人 | 重信 和男 |
代理人 | 堅田 多恵子 |
代理人 | 林 修身 |
代理人 | 堅田 多恵子 |
代理人 | 大久保 岳彦 |
代理人 | 渡辺 敏章 |
代理人 | 溝渕 良一 |
代理人 | 重信 和男 |
代理人 | 石川 好文 |