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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21V
管理番号 1330694
審判番号 不服2016-12622  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-22 
確定日 2017-07-18 
事件の表示 特願2014-165772号「発光モジュール及び照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年1月8日出願公開、特開2015-5524号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年1月30日(優先権主張平成20年2月14日)に出願した特願2009-19855号の一部を平成26年8月18日に新たな特許出願としたものであって、平成27年4月15日付けで拒絶理由が通知され、同年6月17日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月30日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年12月25日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年5月31日付けで補正の却下の決定がされるとともに拒絶査定がされ、同年8月22日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正書が提出されたものである。

第2 平成28年8月22日の手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成28年8月22日の手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
平成28年8月22日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についての補正を含むものであって、請求項1について補正前後の記載を補正箇所に下線を付して示すと以下のとおりである。
なお、平成27年12月25日の手続補正は却下されたから、本件補正前の請求項1は、平成27年6月17日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1である。

(1)補正前の請求項1
「表面側を部品実装面とし、裏面側を平坦な放熱面とする基板と;
基板の部品実装面に配設された少なくとも整流器を含む点灯回路部品と;
前記基板に設けられた配線パターンによって前記点灯回路部品と電気的に接続されるとともに、前記基板の部品実装面であって、前記点灯回路部品の周囲に配設された発光素子と;
前記点灯回路部品とともに前記発光素子よりも中央部側に配設している電源接続部と;
を具備することを特徴とする発光モジュール。」

(2)補正後の請求項1
「表面側を部品実装面とし、裏面側を平坦な放熱面とする円板状の基板と;基板の部品実装面に配設された少なくとも整流器を含む点灯回路部品と;
前記基板に設けられた配線パターンによって前記点灯回路部品と電気的に接続されるとともに、前記基板の部品実装面であって、前記点灯回路部品の周囲に配設された発光素子と;
前記点灯回路部品とともに前記発光素子よりも中央部側に配設している電源接続部と;
を具備することを特徴とする発光モジュール。」

2 補正の適否
(1)新規事項の追加の有無及び補正の目的の適否について
上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「表面側を部品実装面とし、裏面側を平坦な放熱面とする基板」の構成について、本願明細書の段落【0012】、【0013】、【0031】及び図1、7等の記載を根拠に、「円板状の」ものであることを限定するものであるから、発明特定事項を限定するものであって新規事項を追加するものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものであり、また、その補正前の請求項1に記載され発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載されている発明特定事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下検討する。

(2)独立特許要件について
ア 刊行物に記載された事項及び発明
(ア)刊行物1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2001-35239号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている
なお、下線は当審が加筆した。以下同様である。
(1a)
「【0006】本発明は、上記の問題点を解決し、壊れにくく、長寿命で、小型軽量で、デザイン上の自由度も高く、別付け部品が少なくても点灯可能な照明器具を提供することを目的とする」
(1b)
「【0012】さらに本発明では、発光ダイオードが配置されている同一プリント基板上に、整流回路と、突入電流防止回路と、電流平滑回路とを配置した構造としたので、前記整流回路の入力端子に、交流電源または直流電源またはその他の不定交番電圧電源を接続することが可能となる。従って、本発明による照明器具は、、外付け部品を付加する必要が無く、一般交流100V電源や蓄電池やその他の種類の電源を容易に使用することができるので、簡素で小型で従来に無い照明器具を実現できる。」
(1c)
「【0013】
【実施例】図1に本発明による第1の実施例の斜視図を示す。第1の実施例を示す目的は。本発明の基本的な構成を説明することにある。従って、本発明を保護収納する筐体や支持具などの、本発明とは関係の無い部分は省略してある。以下本発明による第1の実施例について、詳しく説明する。
【0014】所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上に、複数の発光ダイオード2と、整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5とを、半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置する。さらに、電源供給用プラグ7を有する一組の導線20を、プリント基板1の所定の位置に半田付けなどの電気的導通手段を用いて接続する。」
(1d)
「【0015】プリント基板1は、必要強度や電気絶縁性や放熱性やデザインなどを考慮して、材質や板厚や形状を選定すると良い。例えば、材質がガラスエポキシ樹脂材や紙エポキシ樹脂材やベーク材などで、板厚は数mm以下とするのが現実的である。
【0016】また、プリント基板1の表面形状は、本実施例では簡略化のため長方形としたが、これに限らず、例えば、円形や楕円形やリング型やその他の自由曲線による形状などから、幅広く選定すると良い。」
(1e)
「【0018】また、プリント基板1の表面に形成される回路パターンは、表面のみに形成されていても良いし、表裏両面に形成されていても良いし、プリント基板1の内部に形成されていても良く、必要に応じて選定される。
【0019】発光ダイオード2の配置数量は、本発明が設置される場所に必要とされる総合発光量が得られるような数量とし、その配置方法は、発光効率が最良となるように、配置方向や配置間隔を選定すると良い。例えば、等間隔で平行に配置したり、放射状に配置したり、ジグザグに配置したりすると良い。
【0020】また、発光ダイオード2の形状は、本実施例では、小型化のために、チップ型発光ダイオードを用いているが、大型化を問わないのであれば、随意形状の発光ダイオードを用いても同様の効果が得られる。」
(1f)
「【0026】整流用ダイオード3は、外部から加えられた交流電源や、その他の不定交番電源を直流に整流するために設置される。本実施例では、小型化のために、4個の整流用ダイオードを一つのパッケージ内に収納したチップ型ブリッジダイオードを用いているが、大型化を問わないのであれば、随意形状の整流用ダイオードを個々に配置しても同様の効果が得られる。また、整流用ダイオードは1個でも十分実用に耐え得る。」
(1g)
「【0030】電源供給用プラグ7は、接続される電源の種類に合わせて選定すると良い。本実施例では、一例として、日本国内で使用されている、AC100V用コンセントプラグを示した。
・・・
【0032】なお、本実施例では、各部品がプリント基板1の片側にのみ配置されているが、これに限らず、各部品がプリント基板1の両側に配置されていても良い。また、各部品の配置位置については、信頼性やデザインなどを考慮して選定すると良い。」
(1h)
「【0034】図2に本発明による第1の実施例の照明器具を構成する回路図の一例を示す。本図において7は電源供給用プラグであり、整流回路8に接続される。
【0035】整流回路8は4個の整流用ダイオード3で構成されており、交流電流を脈流電流に変換する。整流回路8は、突入電流防止回路9に接続される。」
(1i)
「【0040】以上のようにして構成された本実施例の回路の特徴を以下に述べると、
(イ)発光ダイオードを照明回路に用いているので、長寿命である。
(ロ)発光ダイオードを並列接続と直列接続とを組み合わせて用いているので、一つの発光ダイオードが故障しても、他の全ての発光ダイオードが消灯することはない。
(ハ)整流回路と、突入電流防止回路と、電流平滑回路とを内蔵しているので、外付け部品を付加する必要が無く、一般交流100V電源や、蓄電池や、その他の種類の電源を、容易に使用することができる。
(ニ)発光ダイオードを直流で点灯しているので、騒音や、振動や、ちらつきや、高周波ノイズの発生などが全く起きない。
(ホ)全ての部品を、小型固体部品で構成できるので、衝撃や振動に強く、また、小型軽量な照明器具とすることができる。
などの多くの特徴を有することが挙げられる。」

(イ)刊行物1に記載された発明
上記(ア)(1c)を参照すると、図1から、「複数の発光ダイオード2は、整流用ダイオード3、突入電流防止用抵抗器4及び電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5の周囲に配設されていること」が看取できること、上記ア(1b)(1c)(1g)(1h)の記載事項、及び、刊行物1の図1?2の記載事項から、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上に、複数の発光ダイオード2と、整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5とを、半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置し、
電源供給用プラグ7を有する一組の導線20を、プリント基板1の所定の位置に半田付けなどの電気的導通手段を用いて接続し、
複数の発光ダイオード2は、整流用ダイオード3、突入電流防止用抵抗器4及び電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5の周囲に配設され、
各部品がプリント基板1の片側にのみ配置され、
整流回路は4個の整流用ダイオード3で構成されており、整流回路の入力端子に、交流電源を接続することが可能となる、照明器具。」

(ウ)刊行物2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された特開2006-208768号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図11?13とともに、以下の事項が記載されている
(2a)
「【0043】
・・・図12に示される通り、各モジュール基板では、制御回路が搭載されているプリント基板周辺にはLEDランプへのリード線接続スルーホールが設けられ、これらのリード線接続スルーホールを介して、LEDランプが接続、固定されている。これらのLEDランプは、複数個のモジュール基板が積層されたときでもLEDランプ光が他のモジュール基板により遮られないよう、かつ、積層することで所定の立体形状(図12では円筒)となるようプリント基板外側に沿って配置されている。・・・」
(2b)
「【0044】
また、図12に示されるようにプリント基板中央には制御器からの信号ケーブルをプリント基板に接続するためのコネクタが設けられている。このコネクタに接続される信号ケーブルには点灯制御のための各種信号線と電源供給線の他、必要に応じて、積層した複数モジュール基板を釣り下げるため引っ張り強さを強化するための鋼線、あるいは図13に示されるように曲線に沿ってモジュール基板を積層する場合、その形状を保つに必要な剛性を備えた鋼線等が付加される。これら引っ張り強度強化、剛性強化のための鋼線等は電源供給線等を兼ねさせても良く、この場合には電源線がプリント基板を貫通し、かつ任意の箇所でプリント基板を固定、電源供給を行うことのできる接触子を電源線の被覆を貫通させ心線に接続するタイプの圧着コネクタを用いると都合がよい。」

イ 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)
引用発明の「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上」は、「複数の発光ダイオード2と、整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5とを、半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置」している箇所であり、「基板1の上」すなわち板の上であるから面といえること、及び、「各部品がプリント基板1の片側にのみ配置され」、この「片側」は表側といえることから、引用発明の「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上」は、本願補正発明の「基板」の「表面側」の「部品実装面」に相当する。
(イ)
上記(ア)での対比を踏まえると、引用発明の「所定の回路パターンを形成したプリント基板1」と、本願補正発明の「表面側を部品実装面とし、裏面側を平坦な放熱面とする円板状の基板」とは、「表面側を部品実装面とする基板」の限りで共通している。
(ウ)
図1及び図2を参照すると、引用発明の「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上に、複数の発光ダイオード2と、整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5とを、半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置し」ている構成、及び、「複数の発光ダイオード2は、整流用ダイオード3、突入電流防止用抵抗器4及び電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5の周囲に配設され」る構成の、それぞれの「整流用ダイオード3」は、「4個の整流用ダイオード3」を連結した構造を備える部品を意味しているといえる。
そして、引用発明において、「整流回路は4個の整流用ダイオード3で構成されて」いることから、引用発明の上記構成における「整流用ダイオード3」は、「4個の整流用ダイオード3」を連結した構造を備える部品、すなわち、「整流回路」を「構成」する部品といえるから、本願補正発明の「整流器」に相当する。
(エ)
引用発明の「整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5」は、「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上」に、「半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置」されるから、上記(ア)及び(ウ)を参照すると、本願補正発明の「基板の部品実装面に配設された少なくとも整流器を含む点灯回路部品」に相当する。
(オ)
引用発明の「プリント基板1」に「形成」された「所定の回路パターン」は、本願補正発明の「基板に設けられた配線パターン」に相当する。
(カ)
引用発明の「複数の発光ダイオード2」は、「整流用ダイオード3、突入電流防止用抵抗器4及び電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5の周囲に配設され」ているから、上記(エ)を参照すると、「点灯回路部品の周囲に配設された発光素子」といえる。
引用発明の「複数の発光ダイオード2」は、「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上」に、「整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5」とともに、「半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置」されているから、これらの部品と所定の回路パターンによって電気的に接続されることが明らかである。
引用発明の「複数の発光ダイオード2」に係る上記の事項と、上記(ア)、(エ)及び(オ)を併せて参照すると、引用発明の「複数の発光ダイオード2」は、本願補正発明の「基板に設けられた配線パターンによって点灯回路部品と電気的に接続されるとともに、前記基板の部品実装面であって、前記点灯回路部品の周囲に配設された発光素子」に相当するといえる。
(キ)
引用発明の「整流回路の入力端子」は、「交流電源を接続することが可能」であり、「電源接続部」といえるから、引用発明の「整流回路の入力端子」と、本願補正発明の「前記点灯回路部品とともに前記発光素子よりも中央部側に配設している電源接続部」とは、「電源接続部」の限りで共通している。
(ク)
引用発明の「照明装置」は、「所定の回路パターンを形成したプリント基板1の上に、複数の発光ダイオード2と、整流用ダイオード3と、突入電流防止用抵抗器4と、電流平滑回路を構成するためのコンデンサー6と抵抗器5とを、半田付けなどの電気的導通手段を用いて配置し」ているから、本願補正発明の「発光モジュール」に相当する。

以上より、本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「表面側を部品実装面とする基板と;
基板の部品実装面に配設された少なくとも整流器を含む点灯回路部品と;
前記基板に設けられた配線パターンによって前記点灯回路部品と電気的に接続されるとともに、前記基板の部品実装面であって、前記点灯回路部品の周囲に配設された発光素子と;
電源接続部と;
を具備する発光モジュール。」
<相違点1>
「基板」が、本願補正発明では、「裏面側を平坦な放熱面とする円板状」であるのに対し、引用発明では、そのように特定されていない点。
<相違点2>
「電源接続部」が、本願補正発明では、「前記点灯回路部品とともに前記発光素子よりも中央部側に配設している」のに対して、引用発明では、そのように特定されていない点。

ウ 判断
以下、相違点について検討する。
<相違点1について>
(ア)
刊行物1の「プリント基板1」は、「放熱性」「などを考慮して材質や板厚や形状を選定する」ものであり(上記ア(ア)(1d))、「プリント基板1」は表裏両面から放熱することが自明であり、「基板」すなわち「板」であるから(図1も参照)、その表裏両面は平坦であると考えることが妥当であり、さらに、「プリント基板1の表面形状は」、「円形」なども想定されている(上記ア(ア)(1d))から、引用発明の「プリント基板1」を、「裏面側を平坦な放熱面とする円板状の基板」とすることで、上記相違点1に係る本願補正発明の構成に到ることは、当業者が容易になし得たといえる。
<相違点2について>
(ア)
引用発明の「整流回路の入力端子」すなわち「電源接続部」は、その位置が明確に特定されているわけではないが、「整流用ダイオード3で構成されて」いる「整流回路」の一部であるか、その近傍に設けられていると考えることが妥当であり、刊行物1の図1及び図2を併せて参照すると、「複数の発光ダイオード2」よりも中央部側に配設され、「電源供給用プラグ7を有する一組の導線20」と接続されているといえるから、相違点2は、実質的に、相違点とはいえない。
(イ)
また、仮に、相違点2が、実質的に相違点であったとしても、刊行物2に記載された技術事項(プリント基板中央には、電源供給線が付加された信号ケーブルをプリント基板に接続するためのコネクタが設けられていること(上記ア(ウ)(2b)及び図12参照))を、引用発明に適用して、引用発明の「整流回路の入力端子」を、「プリント基板1の片側」すなわち「実装面」において、その中央部、すなわち、「複数の発光ダイオード2」よりも中央部側に配設して、引用発明の「電源供給用プラグ7を有する一組の導線20」の「接続」に係る「所定の位置」を前記の配設に合わせて、当該「導線20」を接続することで、上記相違点2に係る本願補正発明の構成に到ることは、当業者が容易になし得たといる。
<作用効果について>
刊行物1では、発光ダイオード2の配置数量ないし設置される場所については、発光効率が良好となるように相当な自由度で調整できるといえる(上記ア(ア)(1a)及び(1e))から、引用発明において、放熱性等を考慮しつつ複数の発光ダイオード2の配置の間隔を調整することも充分に想定し得るものであり、本願補正発明の奏する作用効果(本願明細書の段落【0032】等)は、引用発明、並びに、刊行物1及び刊行物2に記載された技術事項から予測される範囲内のものにすぎず、格別に顕著なものということはできない。
<審判請求書における請求人の主張について>
審判請求書(【請求の理由】3.(3))において、審判請求人は、「本発明は、表面側を部品実装面とし、裏面側を平坦な放熱面とする円板状の基板に、少なくとも整流器を含む点灯回路部品が配設され、点灯回路部品の周囲に発光素子が配設され、電源接続部が点灯回路部品とともに発光素子よりも中央部側に配設されるものです。これによって、発光素子から放射される光の配光を良好に、かつ最適化することが可能であり、また、放熱効果を促進することができ、適用範囲の広い発光モジュールを提供できるという作用効果を奏します。また、点灯回路部品とともに電源接続部を発光素子よりも中央部側に配設する構成としたことで、熱を基板全体を利用して裏面へ伝熱し放熱しやすくできるとともに、配線パターンが複雑化することを防止することができます。 」と主張するが、上記<相違点1及び2について>で、検討したとおり、裏面側を平坦な放熱面とする円板状の基板に、点灯回路部品が配置され、電源接続部が点灯回路部品とともに発光素子よりも中央部側に配設されるのであるから、配線パターンが混在することはなく、併せて上記<作用効果について>を踏まえると、発光素子の間隔等を適宜に調整することで、輝度むら及び効率を考慮しつつ、裏面からの放熱を促進することは、当業者が想定し得る範囲内のことといえるから、上記主張は採用できない。

エ 小括
したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明(引用発明)、並びに、刊行物1及び刊行物2に記載された技術事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるとはいえない。

3 本件補正についてのむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?4に係る発明は、平成27年6月17日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2 1(1)補正前の請求項1」に記載されたとおりのものである。

2 刊行物に記載された事項及び発明
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1及び刊行物2並びにそれらの記載事項は、上記「第2 2(2)ア(ア)及び(ウ)」に記載したとおりであり、刊行物1に記載された発明は、上記「第2 2(2)ア(イ)」に示した「引用発明」のとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、上記「第2」で検討した本願補正発明から、発明特定事項である「表面側を部品実装面とし、裏面側を平坦な放熱面とする円板状の基板」の構成について、「円板状の」という限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 2(2)ウ」で述べたとおり、引用発明、並びに、刊行物1及び刊行物2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明、並びに、刊行物1及び刊行物2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。

4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明(本願発明)は、刊行物1に記載された発明(引用発明)、並びに、刊行物1及び刊行物2に記載された技術事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-05-10 
結審通知日 2017-05-11 
審決日 2017-05-31 
出願番号 特願2014-165772(P2014-165772)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21V)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 三島木 英宏石田 佳久山崎 晶  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 出口 昌哉
和田 雄二
発明の名称 発光モジュール及び照明装置  
代理人 熊谷 昌俊  
代理人 河野 仁志  
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