• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B64C
管理番号 1330808
審判番号 不服2016-16469  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-04 
確定日 2017-08-17 
事件の表示 特願2016-10672号「無人飛行体」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月15日出願公開、特開2016-210403号、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成27年5月12日に出願した特願2015-97776号の一部を平成28年1月22日に新たな特許出願としたものであって、平成28年2月29日付けで拒絶理由が通知され、平成28年4月11日に意見書が提出され、平成28年6月22日付けで拒絶理由が通知され、平成28年7月14日に意見書とともに手続補正書が提出されたが、平成28年9月21日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされた。これに対し、平成28年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の理由の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願請求項1-3に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献
1.特開2014-31118号公報
2.特開2006-82774号公報
3.特開2010-182055号公報

第3 本願発明
本願の請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、平成28年7月14日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「無人飛行体において、
電池と、
前記電池から供給される電力で動作し複数のローターを回転させて当該無人飛行体を浮上および飛行させる複数のモーターと、
前記複数のモーターを制御して当該無人飛行体の飛行制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、飛行中において前記電池の出力電圧、出力電流、および出力電力のいずれかが所定の閾値未満になったときに危険回避制御を行い、
前記危険回避制御は、前記モーターに対する、当該無人飛行体の上昇禁止制御または当該無人飛行体の自律降下制御を含み、
前記電池は、2次電池であり、
前記制御部は、前記電池の充電回数に応じて前記危険回避制御のための前記所定の閾値を調整すること、
を特徴とする無人飛行体。」

なお、本願発明2は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明3は、本願発明1に対応する方法の発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
上記引用文献1には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(1a)
「【0001】
本発明は、植物又は作業者を撮像する飛行体及び飛行体システムに関する。」
(1b)
「【0032】
ヘリコプタ3は、ラジオコントロールヘリコプタである。ヘリコプタ3は、電力により駆動される例えば4枚のプロペラ33(駆動部)を備え、自動操縦による自動飛行及び外部からの飛行指令に基づく他律的な飛行が可能である。・・・」
(1c)
「【0035】
・・・
ヘリコプタ3は、プロペラ33を駆動させるための電力源となるバッテリ(充電池)36を搭載している。バッテリ36は、ヘリコプタ3の機体の下方に搭載される。」
(1d)
「【0041】
アルファベットSが描かれた天井11と対向する植物工場1の床面には、充電機構2の駐機場21が設置されている。このSは、標識111の1つである。ヘリコプタ3は、駐機場21から上昇し、S文字が描かれた天井11付近で一定時間ホバリングをする。その後、ヘリコプタ3は、撮像部32を用いて誘導線112の延在方向(屈曲又は湾曲する方向を含む)を飛行コースの方向として決定し、誘導線112に沿って飛行を開始する。ヘリコプタ3は、駐機場21への帰還指令を受け付けた場合、又はバッテリ36の残量が一定量以下になった場合、誘導線112に沿ってSの文字が描かれた天井11付近へ戻り、下降を開始する。そして、ヘリコプタ3は、駐機場21に着陸する。」
(1e)
「【0046】
プロペラ33は、例えば合成樹脂、アルミニウム等からなり、4羽根である。なお、ヘリコプタ3は、二重反転プロペラを備えていない。
プロペラガード34は、例えば発砲プロピレンからなり、プロペラ33の数と同数の4つである。
モータ35は、プロペラ33を回転させる原動機である。モータ35は、4基あり、夫々プロペラ33とシャフトで連結されている。モータ35は、制御部39の制御によりプロペラ33を駆動する。」
(1f)
「【0049】
バッテリ残量検出回路38は、バッテリ36の残量を検出する回路である。バッテリ残量検出回路38は、検出したバッテリ36の残量を制御部39に出力する。」
(1g)
「【0050】
制御部39は、ヘリコプタ3の各構成部を制御するコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)(検出部、制御部)391及びRAM(Random Access Memory)392を含む。制御部39は、記憶部301が記憶するプログラム1PをRAM392に読み出し、プログラム1Pに規定された処理を実行する。RAM392はCPU391の主記憶装置として機能し、記憶部301はCPU391の補助記憶装置として機能する。
【0051】
制御部39は、ジャイロセンサ393及び加速度センサ394を含む。ジャイロセンサ393及び加速度センサ394は、夫々MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術に基づいた、例えば2軸(XY)及び1軸(Z)ジャイロセンサ並びに3軸加速度センサである。ジャイロセンサ393及び加速度センサ394は検出値を夫々CPU391に出力する。CPU391は、ジャイロセンサ393及び加速度センサ394が検出した検出値に基づいて、ヘリコプタ3の姿勢を検知する。CPU391は、検知した姿勢に基づいて、モータ35を制御することにより、ヘリコプタ3の姿勢を制御する。」
(1h)
「【0061】
ヘリコプタ3は、バッテリ36の残量が一定量以下になった場合、駐機場21に帰還、着陸し、バッテリ36を充電済みのバッテリ36と交換する。なお、ヘリコプタ3は、バッテリ36の残量が一定量以下になった場合、駐機場21に着陸し、充電コントローラ22を制御して自身が搭載するバッテリ36を充電してもよい。」
(1i)
「【0089】
CPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量が一定量を下回るまで、誘導線111に沿って飛行を継続し、ステップS106?ステップS110のループ処理を繰り返す。なお、ヘリコプタ3が飛行している間、監視カメラ31及び撮像部32への給電は常に継続されている。」
(1j)
「【0100】
次に、監視システムにおけるバッテリ36交換の動作について説明する。
図11及び図12は、バッテリ36交換処理の手順の一例を示すフローチャートである。バッテリ36は、固有の充電容量を有する。そのため、ヘリコプタ3の飛行継続時間には限界がある。
ヘリコプタ3のCPU391は、飛行中のヘリコプタ3が現在位置から駐機場21へ帰還するのに要する電力量を一定時間間隔で算出する(ステップS201)。CPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量がステップS201で算出した電力量以下か否かを一定時間間隔で判定する(ステップS202)。
【0101】
なお、ステップS202において、CPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量がフル充電の場合の充電量に予め定めた閾値を積算した電力量以下か否かを一定時間間隔で判定してもよい。ここでの閾値は、記憶部301に記憶しておく。
あるいは、ステップS202において、CPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量がステップS201で算出した電力量に予め定めた予備電力量を加算した電力量以下か否かを一定時間間隔で判定してもよい。ここでの予め定めた予備電力量は、記憶部301に記憶しておく。
【0102】
CPU391は、バッテリ36の残量がステップS201で算出した電力量を上回っていると判定した場合(ステップS202:NO)、ステップS201に処理を戻す。すなわち、CPU391は、ヘリコプタ3の飛行を継続させる。CPU391は、バッテリ36の残量が算出した電力量以下であると判定した場合(ステップS202:YES)、ヘリコプタ3を駐機場21に帰還させる(ステップS203)。」

したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「自動操縦による自動飛行が可能なラジオコントロールヘリコプタであるヘリコプタ3において、
ヘリコプタ3は、プロペラ33を駆動させるための電力源となるバッテリ(充電池)36を搭載し、
モータ35は、4羽根のプロペラ33を回転させる原動機であり、4基あり、
モータ35は、制御部39に含まれるCPU391によって制御されることによりヘリコプタ3の姿勢を制御し、
ヘリコプタ3のCPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量がフル充電の場合の充電量に予め定めた閾値を積算した電力量以下か否かを判定し、
CPU391は、バッテリ36の残量が算出した電力量以下であると判定した場合、ヘリコプタ3を駐機場21に帰還させる、
ヘリコプタ3。」

2.引用文献2ついて
上記引用文献2には、その段落【0021】、【0035】、【0048】、【0050】、【0051】および【0061】-【0088】並びに図1-11の記載内容より、次の技術事項が記載されているといえる。
「無人飛行体において、飛行状態情報収集手段とコンピュータを具備し、コンピュータは、安全基準を満たしていない飛行状態情報が供給電圧データであれば非常対応処理として「待機後帰還」を選択する技術」

3.引用文献3について
上記引用文献3には、その【請求項1】、【請求項2】、【請求項6】および段落【0076】-【0081】並びに図17-18の記載内容より、次の技術事項が記載されているといえる。
「電池残量検出手段によって検出された電池残量が閾値よりも小さいか否かを判断する電池残量判断手段であって、前記閾値を変更する閾値変更手段を備え、前記閾値変更手段は、充電回数検出手段によって検出された充電回数に応じて前記閾値を変更する技術」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
ア 引用発明の「自動操縦による自動飛行が可能なラジオコントロールヘリコプタであるヘリコプタ3」は、自動操縦による自動飛行が可能なラジオコントロールヘリコプタであるから、無人による飛行体であるといえ、本願発明1の「無人飛行体」に相当する。
イ 引用発明の「バッテリ(充電池)36」は、本願発明1の「電池」および「2次電池」に相当する。したがって、引用発明の「ヘリコプタ3は、プロペラ33を駆動させるための電力源となるバッテリ(充電池)36を搭載し」は、本願発明1の「無人飛行体において」「電池」「を備え」および「前記電池は、2次電池であり」に相当する。
ウ 引用発明の「プロペラ33」は本願発明1の「ローター」に相当する。そして、引用発明の「モータ35」は「4羽根のプロペラ33を回転させる原動機であり、4基」あるから、複数のローターを回転させるものであるといえ、また、引用発明の「バッテリ(充電池)36」は「プロペラ33を駆動させるための電力源となる」から、引用発明の「モータ35」は、電池から供給される電力で動作するものといえる。さらに、引用発明は、「モータ35」によって、「4羽根のプロペラ33を回転させ」「自動操縦による自動飛行が可能なラジオコントロールヘリコプタ」であるから、引用発明の「モータ35」は、ヘリコプタ3を浮上および飛行させるものといえる。したがって、引用発明の「モータ35」は本願発明1の「モーター」に相当し、引用発明の「自動操縦による自動飛行が可能なラジオコントロールヘリコプタであるヘリコプタ3において、ヘリコプタ3は、プロペラ33を駆動させるための電力源となるバッテリ(充電池)36を搭載し、モータ35は、4羽根のプロペラ33を回転させる原動機であり、4基あり」は、本願発明1の「無人飛行体において、」「前記電池から供給される電力で動作し複数のローターを回転させて当該無人飛行体を浮上および飛行させる複数のモーターと、」「を備え」に相当する。
エ 引用発明の「モータ35は、制御部39に含まれるCPU391によって制御されることによりヘリコプタ3の姿勢を制御」するものであるから、引用発明の「制御部39」は、4基のモータ35を制御してヘリコプタ3の飛行制御を行う制御部であるといえる。したがって、引用発明の「制御部39」は、本願発明1の「制御部」に相当し、引用発明の「モータ35は、制御部39に含まれるCPU391によって制御されることによりヘリコプタ3の姿勢を制御」することは、本願発明1の「前記複数のモーターを制御して当該無人飛行体の飛行制御を行う」ことに相当する。
オ 引用発明の「ヘリコプタ3のCPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量がフル充電の場合の充電量に予め定めた閾値を積算した電力量以下か否かを判定」するものであるところ、これは、バッテリの出力電力が所定の閾値以下になったか否かを判定するものである。そして、引用発明の「CPU391は、バッテリ36の残量が算出した電力量以下であると判定した場合」とは、バッテリの出力電力が所定の閾値以下となったときであるといえる。
また、引用発明は、ヘリコプタ3による、途切れることのない、監視を可能とするために、バッテリ36切れ前にヘリコプタ3を駐機場21に帰還させるものであり(引用文献1の段落【0119】)、これによって、飛行中に、バッテリ36の切れによる、ヘリコプタ3の飛行の危険を回避するものであるといえる。したがって、引用発明の「ヘリコプタ3を駐機場21に帰還させる」ことは、本願発明1の「危険回避制御を行」うことに相当し、よって、引用発明の「ヘリコプタ3のCPU391は、バッテリ残量検出回路38が検出したバッテリ36の残量がフル充電の場合の充電量に予め定めた閾値を積算した電力量以下か否かを判定し、CPU391は、バッテリ36の残量が算出した電力量以下であると判定した場合、ヘリコプタを駐機場21に帰還させる」ことは、本願発明1の「前記制御部は、飛行中において前記電池の出力電圧、出力電流、および出力電力のいずれかが所定の閾値未満になったときに危険回避制御を行」うこととの対比において、「前記制御部は、飛行中において前記電池の出力電圧、出力電流、および出力電力のいずれかが所定の閾値未満になったときに危険回避制御を行」う限度で一致する(「所定値未満」は「所定値」を含まない)。
カ 以上ア-オのとおりであるから、本願発明1と引用発明との一致点および相違点は次のとおりである。
<一致点>
「無人飛行体において、
電池と、
前記電池から供給される電力で動作し複数のローターを回転させて当該無人飛行体を浮上および飛行させる複数のモーターと、
前記複数のモーターを制御して当該無人飛行体の飛行制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、飛行中において前記電池の出力電圧、出力電流、および出力電力のいずれかが所定の閾値未満になったときに危険回避制御を行い、
前記電池は、2次電池である、
無人飛行体。」
<相違点1>
本願発明1の「危険回避制御」は、電池の「出力電力が所定の閾値未満になったときに」行われる(所定の閾値に達した時点では危険回避制御を行わない)のに対し、引用発明では、ヘリコプタ3の帰還は、「バッテリ36の残量が」所定の「電力以下」の場合に行われる(所定の閾値に達した時点で帰還される)点。
<相違点2>
本願発明1の「危険回避制御」は、「前記モーターに対する、当該無人飛行体の上昇禁止制御または当該無人飛行体の自律降下制御を含」むものであるのに対し、引用発明では、「ヘリコプタ3を駐機場21に帰還させる」ものである点。
<相違点3>
本願発明1では、「前記制御部」は、「前記電池の充電回数に応じて前記危険回避制御のための前記所定の閾値を調整する」ものであるのに対し、引用発明の「制御部39(に含まれるCPU391)」は、そのような手段を備えるか不明である点。

(2)判断
事案に鑑み、相違点2について検討する。
上記「第4 2.」に記載のとおり、引用文献2には、「無人飛行体において、飛行状態情報収集手段とコンピュータを具備し、コンピュータは、安全基準を満たしていない飛行状態情報が供給電圧データであれば非常対応処理として「待機後帰還」を選択する技術」事項が記載されている。
引用文献2の上記技術事項の「待機後帰還」について詳しくみるに、無人飛行体において非常対応処理として「待機後帰還」が選択された場合には、予め定められた所定時間、無人飛行体をその場でホバリングさせ、所定期間が経過したときに飛行状態情報収集手段を再度実行し、安全基準を満たしていない状態が維持されていれば、無人飛行体は帰還が実行される(段落【0076】)。そして、この帰還においては、これまで進んだルートを逆に辿る場合と、新たな帰還ルートを決定する場合があり、後者の場合には、現在地から発着場までの平面移動経路と安全高度とを合わせた立体的な経路を帰還ルートとする(段落【0079】-【0084】)。いずれの場合においても、無人飛行体は待機時においては上昇しないとはいえるものの、その後の帰還において、無人飛行体は安全高度を考慮した立体的な帰還ルートを辿るものと解することでき、無人飛行体が安全高度を保つため上昇することが許容されてるといえ、上昇が禁止されているとはいえない。また、引用文献2の上記技術事項の「帰還」は、本願発明1の「自律降下制御」(所定値以下の降下速度で自律的に降下していくようロータを駆動するモータを制御する(本願明細書段落【0023】))にも相当しない。
したがって、引用文献2の上記技術事項を引用発明に適用しても、相違点2に係る本願発明1の構成に達し得ない。
ところで、引用文献2には、無人飛行体の飛行状態情報収集手段がエンジン回転数データであれば非常対応処理として「落下」を選択する点も記載されており(段落【0073】)、引用文献2の「落下」は、本願発明1の「無人飛行体の自律降下制御」に相当するものとも解することができるので、念のために、引用文献2の「落下」が、本願発明1の「無人飛行体の自律降下制御」に相当するものか否かについて検討しておく。
引用文献2の「落下」は、無人飛行体をパラシュート装置を用いて落下させるものであり(段落【0077】)、本願発明1の、ロータを駆動するモータに対する制御である「自律降下制御」(所定値以下の降下速度で自律的に降下していくようロータを駆動するモータを制御する(本願明細書段落【0023】))とは異なっている。したがって、引用文献2の「落下」は本願発明1の「自律降下制御」には相当しない。
さらに、引用文献3においても、上記相違点1に係る本願発明1の構成は記載も示唆もされていない。
よって、その他の相違点1および相違点3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2および引用文献3に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を減縮したものであるから、上記1.(2)と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2および引用文献3に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.本願発明3について
本願発明3は、本願発明1に対応する方法の発明であり、カテゴリー表現が異なるだけで実質的には、本願発明1と同じであるから、上記1.(2)と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2および引用文献3に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-3は、当業者が引用発明、引用文献2および引用文献3に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって原査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-08-02 
出願番号 特願2016-10672(P2016-10672)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B64C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 志水 裕司畔津 圭介諸星 圭祐  
特許庁審判長 和田 雄二
特許庁審判官 平田 信勝
尾崎 和寛
発明の名称 無人飛行体  
代理人 青木 修  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ