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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1330821 |
審判番号 | 不服2016-12483 |
総通号数 | 213 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-09-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-08-18 |
確定日 | 2017-08-28 |
事件の表示 | 特願2011- 27046「携帯用端末機におけるメニュー実行方法及びその装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 8月25日出願公開、特開2011-165192、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成23年2月10日(パリ条約による優先権主張2010年2月12日 アメリカ合衆国,2010年2月12日 大韓民国)の出願であって,平成27年1月28日付けで拒絶理由通知がされ,平成27年5月7日に意見書と手続補正書が提出され,平成27年10月7日付けで拒絶理由通知がされ,平成28年1月12日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年4月8日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成28年8月18日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出がされ,平成29年3月2日付けで拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,平成29年6月6日に意見書と手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年4月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-13に係る発明は,以下の引用文献A,Bに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.米国特許出願公開第2003/0098891号明細書 B.米国特許出願公開第2009/0239588号明細書(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 本願請求項1-13に係る発明は,以下の引用文献1に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2009-205675号公報(当審において新たに引用した文献) 第4 本願発明 本願請求項1-9に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は,平成29年6月6日に提出された手続補正書による手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-9は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 携帯用端末機における機能実行方法であって, 複数の分割された領域を有し,それぞれの分割された領域に該当アイテムが形成されるアイテムリストを特定サービス機能を実行するユーザー入力に応答してタッチスクリーン上にディスプレイするステップと, 前記複数の分割された領域の特定分割領域内の第1の位置及び第2の位置のうち一つに対するユーザージェスチャを認識するステップと, 前記認識されたユーザージェスチャの位置に対応して所定の機能を実行するステップと,を有し, 前記第1の位置は,前記特定分割領域内の第1のサブ領域に配置され,前記第2の位置は,前記特定分割領域内の第2のサブ領域に配置され,前記第1のサブ領域及び前記第2のサブ領域は,前記特定分割領域内のアイテムマーク領域に隣接し,かつ関連付けられ, 前記タッチスクリーン上の前記特定分割領域内の前記第1の位置には前記分割された領域に形成された前記アイテムに関連した第1のサービスを提供する第1の機能が予め設定され,前記特定分割領域内の前記第2の位置には前記分割された領域に形成された前記アイテムに関連した前記第1のサービスと異なる第2のサービスを提供する第2の機能が予め設定され, 前記アイテムに対してユーザージェスチャが認識されると,前記アイテムに関連し,前記第1の機能,前記第2の機能を含む複数の機能をディスプレイするステップと, 前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定するステップと,を更に有することを特徴とする機能実行方法。 【請求項2】 前記アイテムは,前記第1の位置及び前記第2の位置との間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の機能実行方法。 【請求項3】 前記再設定するステップは,前記第1の機能及び前記第2の機能に加えて,前記第1の位置及び前記第2の位置とは異なる第3の位置に再設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の機能実行方法。 【請求項4】 前記アイテムは,ユーザー入力手段によって選択可能なテキスト又はアイコンの形態でディスプレイされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機能実行方法。 【請求項5】 前記ユーザージェスチャは,ユーザー接触によって携帯用端末機の表示部領域で発生するロングプレスタッチ,タップ,及びフリックのうちいずれか一つの選択動作であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の機能実行方法。 【請求項6】 携帯用端末機における機能実行装置であって, タッチスクリーンと, 複数の分割された領域からなり,それぞれの分割された領域に該当アイテムが形成されるアイテムリストを特定サービス機能を実行するユーザー入力に応答して前記タッチスクリーン上にディスプレイし,前記複数の分割された領域の特定分割領域内の第1の位置及び第2の位置のうちいずれか一つでユーザージェスチャを認識し,前記認識された位置に対応して所定の機能を実行する制御部と,を含み, 前記第1の位置は,前記特定分割領域内の第1のサブ領域に配置され,前記第2の位置は,前記特定分割領域内の第2のサブ領域に配置され,前記第1のサブ領域及び前記第2のサブ領域は,前記特定分割領域内のアイテムマーク領域に隣接し,かつ関連付けられ, 前記タッチスクリーン上の前記特定分割領域内の前記第1の位置には,前記分割された領域に形成された前記アイテムに関連した第1のサービスを提供する第1の機能が予め設定され,前記特定分割領域内の前記第2の位置には,前記分割された領域内に形成された前記アイテムに関連して前記第1のサービスと異なる第2のサービスを提供する第2の機能が予め設定され, 前記制御部は,前記アイテムに対してユーザージェスチャが認識されると,前記アイテムに関連し,前記第1の機能,前記第2の機能を含む複数の機能をディスプレイし,前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定することを特徴とする機能実行装置。 【請求項7】 前記制御部は, 前記アイテムがディスプレイされる分割された領域でユーザージェスチャを感知し,前記ユーザージェスチャの信号が発生した領域を識別するジェスチャ感知部を含むことを特徴とする請求項6に記載の機能実行装置。 【請求項8】 前記ユーザージェスチャは,ユーザー接触によって携帯用端末機のタッチスクリーン上に発生するロングプレスタッチ,タップ,及びフリックのうちいずれか一つの選択動作であることを特徴とする請求項6又は7に記載の機能実行装置。 【請求項9】 請求項1?5のいずれか1項に記載の機能実行方法を実行させるためのプログラムを記録することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」 第5 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について 平成29年3月2日付けの当審拒絶理由通知で引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。なお,下線は重要箇所に対して当審が付与した。 ア.「【0011】 図1は,本発明の一実施形態によるスマートフォン1の斜視図を示す。スマートフォン1(又は情報処理装置)は,カバーボディ4により覆われた中間ボディ3を上に設ける基盤部2を備える。カバーボディ4上には,図3に示すGUIを表示する表示部21Aが設けられる。中間ボディ3上には,情報処理装置1にデータを入力する入力キー20及び20Aの組が備えられる。情報処理装置1は,GPS受信機と,移動体ネットワークを通して通信するワイヤレス通信機能とを備える。図示はしていないが,情報処理装置1から補助装置又はネットワークへの情報交換を可能とする電気的インターフェースが備えられる。このようなインターフェースの例としては,USB,HDMI,IEEE1291等がある。 【0012】 ユーザが表示部21Aに指又はポイント器具でタッチすると,ユーザの選択を表示部21Aに認識させることを可能にするタッチスクリーンを,表示部21Aは備える。代わりに,情報表示装置1は,情報処理装置1に有線又は無線接続されたリモートポインティングデバイスをユーザが使用可能とするものであってもよい。リモートポインティングデバイスは,色々なウィジェット又は情報項目をポイントして選択することで,ユーザがスクロール出現とアプリケーション実行とを行うことを可能とするものであり,ウィジェット又は情報項目は,表示部21Aのタッチパネルを指でタッチして選択又はスクロールする場合もある。」 イ.「【0017】 しかしながら当例では,図3において,メイン表示領域はタッチパネル表示装置上に表示されるものであり,メイン表示領域は,ウィジェット表示領域20(時に「サブ表示領域」と呼ぶ)と,ランチャーバー10(時に「分割領域」と呼ぶ)と,情報エリア30(時に「サブ表示領域」と呼ぶ)とに分割される。メイン表示領域内では,ランチャーバー10は,ウィジェット表示エリア20を情報エリア30から分割する。ウィジェット表示領域20と情報エリア30との比率を変化させるように,ドラッグ操作でランチャーバーを移動可能である(本実施形態においてはユーザがランチャーバーの上部から別の位置へ指をドラッグする)。特に,当該タッチスクリーン実施形態においては,ユーザがアイコン10,11,12,13,14又は15のうち1つをタッチし,次に上方へ指をドラッグすることにより,ランチャーバー領域10を上方へ移動させることが可能である。すると,メイン表示領域には,上方へ移動するユーザの指の動きに従ってランチャーバーが移動していき,ウィジェット表示領域20のサイズが小さくなり,情報エリア30のサイズが大きくなっていく様子が示されることになる。 【0018】 アイコン10?15はそれぞれ以下の異なるセクションで説明する。しかしながらアイコン10?15はそれぞれ異なる機能を表し,タッチすると,アイコンに関連する情報を表示したり,又はEメール操作等,そのアイコンに関連するアプリケーションを起動したりする。ウィジェット表示領域20において,特定のウィジェット22は気象のグラフィックスのように示されており,ウィジェット表示領域20における他のウィジェットと組み合わされて表示されている。」 ウ.「【0034】 ランチャーバー10は,垂直にスクロールして情報表示エリア30を示すことができる。情報表示エリア30は,ランチャーバー10の強調表示されたアイコンに関する情報を含む。例えば,図12は,ランチャーバー10の連絡先アイコン11が強調表示される場合の,複数の連絡先情報32を含む情報表示エリア30を示す。装置が電話機能を備える一実施形態において,電話番号を含むアイコンをクリックすると,連絡先の電話番号をダイヤル可能である。さらに,図13に示すように,特定の連絡先をクリックすると,当該連絡先に関する詳細情報が表示される。 【0035】 図14は,ランチャーバー10のEメールアイコン12が強調表示される場合に情報表示エリア30に表示される複数のEメール34を示す。各Eメールをクリックすると,図15に示すように,そのEメールメッセージのコンテンツが表示される。」 上記摘記事項,図面の記載及びこの分野における技術常識を勘案すると,上記引用文献1には,「スマートフォンにおけるアプリケーション実行方法」に関する次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「 スマートフォン1におけるアプリケーション実行方法であって, スマートフォン1(又は情報処理装置)は,カバーボディ4により覆われた中間ボディ3を上に設ける基盤部2を備え,カバーボディ4上には,GUIを表示する表示部21Aが設けられ,ユーザが表示部21Aに指又はポイント器具でタッチすると,ユーザの選択を表示部21Aに認識させることを可能にするタッチスクリーンを,表示部21Aは備え,メイン表示領域はタッチパネル表示装置上に表示されるものであり,メイン表示領域は,ウィジェット表示領域20(時に「サブ表示領域」と呼ぶ)と,ランチャーバー10(時に「分割領域」と呼ぶ)と,情報エリア30(時に「サブ表示領域」と呼ぶ)とに分割され,アイコン10?15はそれぞれ異なる機能を表し,タッチすると,アイコンに関連する情報を表示したり,又はEメール操作等,そのアイコンに関連するアプリケーションを起動したりするものであり, 情報表示エリア30は,ランチャーバー10の強調表示されたアイコンに関する情報を含み,例えば,ランチャーバー10の連絡先アイコン11が強調表示される場合,複数の連絡先情報32を含む情報表示エリア30が表示され, 装置が電話機能を備える一実施形態において,電話番号を含むアイコンをクリックすると,連絡先の電話番号をダイヤル可能であり, さらに,特定の連絡先をクリックすると,当該連絡先に関する詳細情報が表示される, アプリケーション実行方法。」 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 a.引用発明の「スマートフォン1におけるアプリケーション実行方法」は,後述する相違点を除いて本願発明1の「携帯用端末機における機能実行方法」に相当する。 b.引用発明の「情報表示エリア30は,ランチャーバー10の強調表示されたアイコンに関する情報を含み,例えば,ランチャーバー10の連絡先アイコン11が強調表示される場合,複数の連絡先情報32を含む情報表示エリア30が表示され」によれば,引用発明は,本願発明1の「複数の分割された領域を有し,それぞれの分割された領域に該当アイテムが形成されるアイテムリストを特定サービス機能を実行するユーザー入力に応答してタッチスクリーン上にディスプレイするステップ」とは,「複数の分割された領域を有し,それぞれの分割された領域に該当アイテムが形成されるアイテムリストをタッチスクリーン上にディスプレイするステップ」で共通する構成を備えている。 c.引用発明の「情報表示エリア30」に表示された「複数の連絡先情報32」のうち「電話番号を含むアイコンをクリックする」ことは,本願発明1の「前記複数の分割された領域の特定分割領域内の第1の位置及び第2の位置のうち一つに対するユーザージェスチャを認識するステップ」に相当する。 d.引用発明の「(アイコンをクリックすると)連絡先の電話番号をダイヤル」することは,「前記認識されたユーザージェスチャの位置に対応して所定の機能を実行するステップ」に相当する。 e.図12の記載から,引用発明の「連絡先情報32」中の「電話番号」のアイコンや「Eメール」のアイコンは,関連する「連絡先」のアイコンと同一欄に表示されていることが見て取れるから,これらは「連絡先」のアイコンが表示された領域に関連付けられた領域に配置されているといえ,必ずしも「前記特定分割領域内のアイテムマーク領域に隣接」するものではないものの,ぞれぞれ本願発明1の「第1のサブ領域」,「第2のサブ領域」に相当するといえる。 また,「電話機能」,「Eメール操作」はそれぞれ本願発明1の「第1の機能」,「第2の機能」に相当する。 f.図13を参照すれば,引用発明の「連絡先に関する詳細情報」は「電話番号」のアイコンや「Eメール」のアイコンを含んでいるから,引用発明の「特定の連絡先をクリックすると,当該連絡先に関する詳細情報が表示される」ことは,本願発明1の「前記アイテムに対してユーザージェスチャが認識されると,前記アイテムに関連し,前記第1の機能,前記第2の機能を含む複数の機能をディスプレイするステップ」に相当する。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「 携帯用端末機における機能実行方法であって, 複数の分割された領域を有し,それぞれの分割された領域に該当アイテムが形成されるアイテムリストをタッチスクリーン上にディスプレイするステップと, 前記複数の分割された領域の特定分割領域内の第1の位置及び第2の位置のうち一つに対するユーザージェスチャを認識するステップと, 前記認識されたユーザージェスチャの位置に対応して所定の機能を実行するステップと,を有し, 前記第1の位置は,前記特定分割領域内の第1のサブ領域に配置され,前記第2の位置は,前記特定分割領域内の第2のサブ領域に配置され,前記第1のサブ領域及び前記第2のサブ領域は,前記特定分割領域内のアイテムマーク領域に関連付けられ, 前記タッチスクリーン上の前記特定分割領域内の前記第1の位置には前記分割された領域に形成された前記アイテムに関連した第1のサービスを提供する第1の機能が予め設定され,前記特定分割領域内の前記第2の位置には前記分割された領域に形成された前記アイテムに関連した前記第1のサービスと異なる第2のサービスを提供する第2の機能が予め設定され, 前記アイテムに対してユーザージェスチャが認識されると,前記アイテムに関連し,前記第1の機能,前記第2の機能を含む複数の機能をディスプレイするステップと, を更に有することを特徴とする機能実行方法。」 (相違点1) 一致点の「アイテムリストをタッチスクリーン上にディスプレイするステップ」において「ディスプレイ」するのが, 本願発明1では「特定サービス機能を実行するユーザー入力に応答して」であるのに対し, 引用発明では「ランチャーバー10の連絡先アイコン11が強調表示される場合」である点。 (相違点2) 本願発明1では,「前記第1のサブ領域及び前記第2のサブ領域は,前記特定分割領域内のアイテムマーク領域に隣接」するのに対し, 引用発明では,「電話番号」のアイコンや「Eメール」のアイコンは「連絡先」のアイコンと同一欄に表示されているが,これに隣接してはいない点。 (相違点3) 本願発明1が「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定するステップ」を有するのに対し, 引用発明はそのようなステップを有しない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて,上記相違点3について先に検討すると,相違点3に係る本願発明1の「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定するステップ」は,引用文献1には記載も示唆も無く,本願優先日前において周知技術であるともいえない。 したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明1に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-5,9について 本願発明2-5,9も,本願発明1の「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定するステップ」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明1に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3.本願発明6-8について 本願発明6-8は,本願発明1の「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定するステップ」に対応する『「前記制御部は」「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定すること』という構成を備える物であるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明1に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第7 原査定についての判断 平成29年6月6日付けの補正により,補正後の請求項1-5,9は「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定するステップ」という技術的事項を有し,また,請求項6-8は『「前記制御部は」「前記複数の機能のうちユーザージェスチャによって選択された第3の機能を,前記第1の機能又は前記第2の機能に代えて前記第1の位置又は前記第2の位置に再設定すること』という技術的事項を有するものとなった。 これらの技術的事項は,原査定における引用文献A,Bには記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1-9は,当業者であっても,原査定における引用文献A,Bに基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-08-14 |
出願番号 | 特願2011-27046(P2011-27046) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 萩島 豪 |
特許庁審判長 |
高瀬 勤 |
特許庁審判官 |
新川 圭二 稲葉 和生 |
発明の名称 | 携帯用端末機におけるメニュー実行方法及びその装置 |
代理人 | 木内 敬二 |
代理人 | 崔 允辰 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 阿部 達彦 |