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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 G03G
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03G
管理番号 1330927
審判番号 不服2016-10408  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-08 
確定日 2017-08-22 
事件の表示 特願2013- 7383「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月28日出願公開、特開2014-137552、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年1月18日の出願であって、平成26年11月10日付け、平成27年7月16日付け、及び平成28年1月15日付けで手続補正がされ、同年4月6日付けで前記同年1月15日付けの手続補正が却下されると共に拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年7月8日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成29年4月11日付けで拒絶理由通知がされ、同年6月16日付けで手続補正がされたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1乃至5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」乃至「本願発明5」という。)は、平成29年6月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1乃至5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
像担持体にトナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部が像担持体に形成する複数のラインを前記像担持体の回転方向に間隔をあけて形成した、ライン幅aとライン間隔bがa≦b<5aの関係をなす第一のトナー像と、ライン幅cとライン間隔dが2a≦c<10aおよびc≦d<2cの関係をなす第二のトナー像と、の濃度を検出するための検出手段と、
前記像担持体を清掃する清掃手段と、
前記清掃手段に前記検出手段が検出する前記第一及び第二のトナー像の濃度の検出結果に基づいて決められる時間の清掃動作を行わせる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。」

なお、本願発明2乃至5の概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明3は、本願発明1または本願発明2を減縮した発明である。
本願発明4は、本願発明1乃至本願発明3のいずれかを減縮した発明である。
本願発明5は、本願発明1乃至本願発明4のいずれかを減縮した発明である。


第3 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成20年1月10日に頒布された引用文献1(特開2008-3488号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【請求項7】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体を経由して転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
偏光した光を前記像担持体の表面に照射する発光部と、
前記発光部の照射した光の前記像担持体の表面による反射光を、第1の方向の偏光軸を持つ第1の偏光板を介して受光する第1の光電センサと、
前記反射光を前記第1の方向とは異なる第2の方向の偏光軸を持つ第2の偏光板を介して受光する第2の光電センサと、
前記第1の光電センサの出力信号および前記第2の光電センサの出力信号の両方に基づいて演算を行ってその演算結果に基づいて前記像担持体の表面状態を判断する判断部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記判断部は、前記像担持体の劣化状態を判断する、
請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断部は、劣化状態の判断に応じて、前記像担持体の交換の必要性またはメンテナンスの必要性を判断する、
請求項8記載の画像形成装置。」
(2)「【技術分野】
【0001】
本発明は、被検知部材の表面状態の検知方法および画像形成装置に関する。例えば、複写機、プリンタ、MFP、ファクシミリ、またはこれらの複合機などの画像形成装置において、像担持体やその他のパーツの劣化状態を検知し、交換時期やメンテナンス時期の判断を行うために利用される。」
(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、例えば発光ダイオードからの赤外光を、偏光板を通して転写ベルト上のトナーパターンに照射する。すると、トナーパターンがカラーであるときは、赤外光をほとんど反射する(図9参照)。その場合に、カラーのトナーパターンにより反射した光は、光の振動方向つまり偏光軸が照射光に対して変化する。そのため、受光部の偏光板によって、偏光軸が照射光とは異なる光と同じ光とを分離して2つのフォトダイオードで検出すること
が可能である。これによって、カラートナーの付着量を感度よく検出することが可能である。
【0006】
しかし、ブラックトナーの場合には赤外光をほとんど吸収する(図9参照)。そのため、ブラックのトナーパターンでは赤外光の反射が非常に少なくなり、カラーの場合と同様の機構によってブラックトナーの付着量を感度よく検出することが可能である。
【0007】
このような方法によって、中間転写ベルト上のトナーパターンの付着量を検出し、各色の帯電電圧、現像バイアス、露光量といった画像形成条件を制御することにより、画像濃度および階調性の良好な画像を出力することができる。
【0008】
ところが、トナー像が形成される中間転写ベルトに傷がついたり印刷したプリント枚数が多くなると、トナーに含まれる処理剤がベルトの表面に付着してフィルミング状態になることがある。その場合には、センサによるトナー付着量検出特性が図6に示すように正常な場合から大きく変化する。そのため、トナー付着量を最適にするための制御やレジスト補正制御を行うことができなくなる。
【0009】
その結果、中間転写ベルトはある程度の余裕をもって交換やメンテナンスを行う必要があることから、交換やメンテナンスが未だ必ずしも必要でない中間転写ベルトについても、そのユニットを交換しまたはメンテナンスを行うこととなり、無駄な労力と費用が発生する。
【0010】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、中間転写ベルトなどの表面状態を検知してその交換やメンテナンスの必要性を正確に判断し、無用の交換やメンテナンスを行うことのないようにするための方法および装置を提供することを目的とする。」
(4)「【0068】
なお、フィルミングが発生した際のメンテナンス方法としては、像担持体などの表面に付着している処理剤などを研磨することにより、それまで通りに使用することが可能となる。」

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体を経由して転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
偏光した光を前記像担持体の表面に照射する発光部と、
前記発光部の照射した光の前記像担持体の表面による反射光を、第1の方向の偏光軸を持つ第1の偏光板を介して受光する第1の光電センサと、
前記反射光を前記第1の方向とは異なる第2の方向の偏光軸を持つ第2の偏光板を介して受光する第2の光電センサと、
前記第1の光電センサの出力信号および前記第2の光電センサの出力信号の両方に基づいて演算を行ってその演算結果に基づいて前記像担持体の表面状態を判断する判断部と、
を有し、
前記判断部は、前記像担持体の劣化状態を判断し、
前記判断部は、劣化状態の判断に応じて、前記像担持体の交換の必要性または像担持体などの表面に付着している処理剤などを研磨することによるメンテナンスの必要性を判断する、画像形成装置。」

2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成8年5月31日に頒布された引用文献2(特開平8-137360号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばレーザービーム複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に複数の画像形成装置を有する多重画像形成装置に係り、特に転写画像形成位置のずれを補正し、良好な画質が得られるようにしたレジストレーション補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の画像形成部により形成した画像を記録媒体上へ順次転写する際、転写画像形成位置が画像形成部ごとに理想位置よりずれていたりすると、色味が違ったり、色ずれのある画像となり、良好な画質が得られない。そこで、例えば像位置検出用センサを用いて各画像形成装置にて形成された転写搬送ベルト上の像位置測定パターンを読取り、像位置検出処理回路にて各色のずれ量を計算した後、そのずれ量分を各画像形成装置にて補正することで色ずれの少ない良好な画像を得るという方法が提案されている。図4は像位置測定用パターンの一例であり、像位置間隔は転写ベルトの位置変動、速度変動、CCD振動をなるべく排除できるように決められている。図5は従来の主走査方向及び副走査方向のパターン検知エリアを示す図であり、X1,X2は主走査方向のパターン検知幅、Y1,Y2は副走査方向のパターン検知幅を示す。パターン検知エリアはX×Yであり、メモリの制約や演算時間により制限される。主走査像位置測定パターンを読取る場合、例えば副走査方向パターン検知幅を16ラインの固定とし、センサの解像度を14um、32Kbitのメモリ、分解能8Bitで処理すると、主走査方向のパターン検知幅は256dot分の3.6mm程度しかなく、転写画像形成位置のばらつきに対する得容範囲は±1.8mmとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の様な装置では像位置測定パターンを限られたエリア内で検出しなければならず、画像形成装置の取付け誤差の相違、転写ベルトの速度変動などにより、予測した位置で像を検知できないことが起こり得る。それを防ぐためにはパターン検知エリアを広く取れば解決できるが、その分多くのメモリが必要になり装置全体のコストアップとなってしまう。又、データが多い分だけ像位置演算時間も多くかかってしまい、次に像をメモリに取込むまでに処理しきれないという問題が発生する。本発明の目的は一定メモリ空間で像位置測定パターンの検知エリアを広げることができる画像形成装置を提供することである。」
(2)上記(1)【0002】及び図4より、「4色のラインからなる像位置測定用パターン」が看取できる。

したがって、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「4色のラインからなる像位置測定用パターン。」

3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成24年9月27日に頒布された引用文献3(特開2012-185257号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を一様に帯電する帯電部と、
前記感光体に潜像を形成する露光部と、
前記感光体に対向して設けられ前記露光部により形成された潜像の電位を測定する電位測定部と、
前記感光体が停止していた時間を計測する計時部と、
前記計時部が前記感光体が所定時間停止していたことを検出した時に、前記帯電部に対向する前記感光体の位置である帯電対向位置を検出する検出部と、
前記感光体上の前記帯電対向位置を外れた基準位置に前記露光部により形成された潜像の電位を測定した基準電位と、前記帯電対向位置に前記露光部により形成された潜像の電位を測定した帯電対向位置電位と、を前記電位測定部で測定する電位測定制御部と、
前記基準電位と前記帯電対向位置電位との差が第1の所定値以上になった時に像流れが発生したと判断する判断部と、
を有することを特徴とする像流れ検知装置。」
(2)「【技術分野】
【0001】
本発明は、像流れ検知装置及び画像形成装置に関する。」
(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、感光体が長時間停止していたような場合であっても温度と湿度が高くなった時に必ず像流れが生じるとは限らず、特許文献1に記載の画像形成装置は温度と湿度のセンサの出力が所定値を超えた時に感光体表面を摺擦研磨するようにしたため、像流れが発生しない場合でも感光体表面を摺擦研磨してしまう可能性がある。
【0007】
このような場合は必要以上に感光体表面を摺擦研磨してしまい、感光体表面が磨耗して感光体の寿命を必要以上に短縮してしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は前述の問題点に鑑み、感光体の寿命短縮がなく、長期間稼動可能な像流れ検知装置、及び該像流れ検知装置を用いた画像形成装置の提供を目的とする。」
(4)「【0031】
自動原稿搬送装置Bは、給紙トレイB1に載置された原稿Gを1枚ずつピックアップして原稿読み取り領域rに搬送し、原稿読み取り領域rで画像の情報が読み込まれた原稿Gを排紙トレイB2に排出する。
【0032】
原稿画像読取部1は、光源11及び、移動可能な走査ユニット12と、原稿画像をラインイメージセンサ13に結像する光学系14とを有し、例えば静止光学系型読取動作の場合は、走査ユニット12を原稿読み取り領域rに固定して、自動原稿搬送装置Bにより搬送される原稿Gの画像をラインイメージセンサ13で読み取る。」

したがって、上記引用文献3には次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「感光体を一様に帯電する帯電部と、
前記感光体に潜像を形成する露光部と、
前記感光体に対向して設けられ前記露光部により形成された潜像の電位を測定する電位測定部と、
前記感光体が停止していた時間を計測する計時部と、
前記計時部が前記感光体が所定時間停止していたことを検出した時に、前記帯電部に対向する前記感光体の位置である帯電対向位置を検出する検出部と、
前記感光体上の前記帯電対向位置を外れた基準位置に前記露光部により形成された潜像の電位を測定した基準電位と、前記帯電対向位置に前記露光部により形成された潜像の電位を測定した帯電対向位置電位と、を前記電位測定部で測定する電位測定制御部と、
前記基準電位と前記帯電対向位置電位との差が第1の所定値以上になった時に像流れが発生したと判断する判断部と、
を有する像流れ検知装置。」

4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成24年4月26日に頒布された引用文献4(特開2012-83588号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、この像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、帯電された前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナーで可視像化する現像装置と、可視像化されたトナー像を被転写部材に転写させる転写装置と、転写せず前記像担持体に残留したトナーを前記像担持体から除去するクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体上に形成されたトナー像の濃度を測定する濃度センサーをさらに備え、非画像形成時に、前記像担持体上の全周わたって連続する帯状の中間調ドットパターン及びベタ画像パターンの静電潜像を形成し、前記現像装置で現像すると共に、これらのパターンのトナー像濃度を前記濃度センサーで測定して、前記像担持体1回転あたりの両パターンの最低トナー像濃度の差が所定値以下になるまで、前記像担持体を回転させることを特徴とする画像形成装置。」
(2)「【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、より詳細には、コロナ放電による帯電装置を有する画像形成装置に関するものである。」
(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記提案技術は、像流れが感光体の全体に生じることを前提としたものであるが、本発明者等による実験結果によれば、像流れは、感光体の停止時に帯電装置と対向していた部分に強く発生することがわかった。したがって、前記提案技術では、テスト用パターンの形成位置によっては像流れの発生を充分には予見できないおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、像流れの発生を確実に予見し、その原因となる放電生成物を像担持体表面から実使用上支障のないレベルにまで完全に除去することにある。」

したがって、上記引用文献4には次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。
「像担持体と、この像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、帯電された前記像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナーで可視像化する現像装置と、可視像化されたトナー像を被転写部材に転写させる転写装置と、転写せず前記像担持体に残留したトナーを前記像担持体から除去するクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体上に形成されたトナー像の濃度を測定する濃度センサーをさらに備え、非画像形成時に、前記像担持体上の全周わたって連続する帯状の中間調ドットパターン及びベタ画像パターンの静電潜像を形成し、前記現像装置で現像すると共に、これらのパターンのトナー像濃度を前記濃度センサーで測定して、前記像担持体1回転あたりの両パターンの最低トナー像濃度の差が所定値以下になるまで、前記像担持体を回転させる画像形成装置。」

第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、
引用発明1における「像担持体」、及び「トナー像」は、本願発明1における「像担持体」、及び「トナー像」に相当する。
引用発明1の「画像形成装置」は、トナー像を電子写真プロセスにおいて形成するものであるから、「トナー像を形成する画像形成部」を有するといえる。
引用発明1の「第1の光電センサ」及び「第2の光電センサ」は、像担持体の表面による反射光を検出しているものであるから、本願発明1の「濃度を検出するための検出手段」と、「像担持体を検出する検出手段」との概念で共通する。
引用発明1の「メンテナンス」は、「像担持体などの表面に付着している処理剤などを研磨することによる」ものであるから、引用発明1は、「像担持体を清掃する清掃手段」を有するといえる。

したがって、両者は、
「像担持体にトナー像を形成する画像形成部と、
像担持体を検出するための検出手段と、
前記像担持体を清掃する清掃手段と、
を有する画像形成装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明1が、「画像形成部が像担持体に形成する複数のラインを前記像担持体の回転方向に間隔をあけて形成した、ライン幅aとライン間隔bがa≦b<5aの関係をなす第一のトナー像と、ライン幅cとライン間隔dが2a≦c<10aおよびc≦d<2cの関係をなす第二のトナー像と、の濃度を検出するための検出手段」を有するのに対し、引用発明1は、そのような構成を有していない点。

[相違点2]
本願発明1が、「清掃手段に検出手段が検出する第一及び第二のトナー像の濃度の検出結果に基づいて決められる時間の清掃動作を行わせる制御手段を有するのに対し、引用発明1は、そのような構成を有していない点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討すると、引用発明2乃至引用発明4のいずれにも、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項は、記載も示唆もされていない。
また、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項が設計的事項といえる理由もない。
そして、本願発明1は、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項により、「本体の使用状態、使用環境によらず、記録材として填料を多く含む再生紙や輸入用紙を使用しても、画像流れレベルの誤検出を防ぎ、正確な画像流れレベルの検出を行い、その画像流れレベルに応じた画像流れ回復動作を実行することができる。これにより、簡易な構成でも画像流れを的確に解消しつつ、画像流れ回復動作を必要最小限とし、トナー消費や消費電力の低減や印刷可能となるまでの使用者の待ち時間の短縮を可能とする画像形成装置を提供することが可能になる。」(本願明細書【0016】参照。)という効果を奏するものである。

したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明1乃至引用発明4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2乃至本願発明5について
本願発明2乃至本願発明5は、いずれも、本願発明1の発明特定事項に加えて、更なる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、上記「1 (2)」と同様の理由により、引用発明1乃至引用発明4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、
(理由1)平成27年7月16日付けの手続補正書により補正された請求項1の「第一のパターン画像とは異なる第二のパターン画像」及び「異なる清掃動作」は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、請求項1,3およびこれらを引用した請求項2、4-6、ならびに段落[0015]は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
(理由2)この出願の請求項1、2、6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1乃至4に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特開2008-003488号公報
2.特開平08-137360号公報
3.特開2012-185257号公報
4.特開2012-083588号公報
というものである。

しかしながら、平成29年6月16日付け手続補正により補正された請求項1において、上記理由1で指摘された個所は、「画像形成部が像担持体に形成する複数のラインを前記像担持体の回転方向に間隔をあけて形成した、ライン幅aとライン間隔bがa≦b<5aの関係をなす第一のトナー像と、ライン幅cとライン間隔dが2a≦c<10aおよびc≦d<2cの関係をなす第二のトナー像」、及び「検出手段が検出する前記第一及び第二のトナー像の濃度の検出結果に基づいて決められる時間の清掃動作」と補正されたところ、これらの事項は、それぞれ、本願明細書の【0088】及び【0121】に基づくものであって、明細書に記載した事項の範囲内のものといえる。
また、請求項1に係る発明は、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項である「画像形成部が像担持体に形成する複数のラインを前記像担持体の回転方向に間隔をあけて形成した、ライン幅aとライン間隔bがa≦b<5aの関係をなす第一のトナー像と、ライン幅cとライン間隔dが2a≦c<10aおよびc≦d<2cの関係をなす第二のトナー像と、の濃度を検出するための検出手段」を有するものとなっており、上記「第4」のとおり、本願発明1、2、6は、上記刊行物1乃至刊行物4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。


第6 当審拒絶理由について
当審では、
「本願発明の課題は、「本体の使用状態、使用環境によらず、填料を多く含む再生紙や輸入用紙を使用しても、画像流れレベルの誤検出を防ぎ、正確な画像流れレベルの検出を行い、その画像流れレベルに応じた画像流れ回復動作を実行することである。」(【0014】参照。)であるところ、請求項1に係る発明は、前記課題を解決するための手段が反映されていない。
よって、請求項1、2、4?6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。」
との拒絶の理由を通知しているが、平成29年6月16日付けの補正において、請求項1に、「複数のラインを前記像担持体の回転方向に間隔をあけて形成した、ライン幅aとライン間隔bがa≦b<5aの関係をなす第一のトナー像と、ライン幅cとライン間隔dが2a≦c<10aおよびc≦d<2cの関係をなす第二のトナー像と」との事項が追加される補正がなされた結果、この拒絶の理由は解消した。


第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-08-07 
出願番号 特願2013-7383(P2013-7383)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G03G)
P 1 8・ 55- WY (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 三橋 健二  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 藤本 義仁
森次 顕
発明の名称 画像形成装置  
代理人 特許業務法人中川国際特許事務所  
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