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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01S
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01S
管理番号 1330954
審判番号 不服2016-6291  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-04-27 
確定日 2017-08-01 
事件の表示 特願2014-124235「フェムトセル識別子および場所を用いる、フェムトセルがサーブする無線機器の測位」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月27日出願公開、特開2014-222227〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2010年(平成22年)5月21日(パリ条約による優先権主張、2009年(平成21年)5月22日(以下、「優先日」という。)、2010年5月20日、いずれもアメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2012-512061号の一部を、平成26年6月17日に新たな特許出願としたものであって、平成27年4月24日付けの拒絶理由の通知に対し同年7月30日に意見書及び手続補正書(同手続補正書でした補正を、以下、「補正1」という。)が提出されたが、同年12月24日付けで拒絶査定(平成28年1月4日謄本送達)(以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して、平成28年4月27日に拒絶査定不服審判が請求され同時に手続補正書(同手続補正書でした補正を、以下、「本件補正」という。)が提出され、同年6月13日に手続補正書(方式)が提出され、同年8月23日及び同年11月21日にそれぞれ上申書が提出されたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に関する以下の補正事項を含むものである。
(1)補正前の請求項1の記載
本件補正による補正前の、補正1により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「移動局で、フェムトセルの少なくとも1つの識別要素を受信するステップであって、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素は、複数のフェムトセルの識別要素のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するステップと、
前記ロケーションサーバから1又は複数の測位支援メッセージを受信するステップであって、前記1又は複数の測位支援メッセージは、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に応じて生成される、ステップと、
前記ロケーションサーバから受信された前記1又は複数の測位支援メッセージに少なくとも部分的に基づいて、測位を実行するステップと
を含む、測位の方法。」

(2)補正後の請求項1の記載
本件補正による補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(下線は、補正箇所を示す。)。
「フェムトセルにより取得された前記フェムトセルの場所を取得するステップであって、前記フェムトセルは移動可能な基地局である、ステップと、
移動局で、前記フェムトセルの少なくとも1つの識別要素を受信するステップであって、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素は、複数のフェムトセルの識別要素のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するステップと、
前記ロケーションサーバから1又は複数の測位支援メッセージを受信するステップであって、前記1又は複数の測位支援メッセージは、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に応じて生成される、ステップと、
前記ロケーションサーバから受信された前記1又は複数の測位支援メッセージに少なくとも部分的に基づいて、測位を実行するステップと
を含む、測位の方法。」

2 補正の目的
本件補正の上記補正事項は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「測位の方法」について、「フェムトセルにより取得された前記フェムトセルの場所を取得するステップであって、前記フェムトセルは移動可能な基地局である、ステップ」「を含む」点を限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3 独立特許要件
そこで、本件補正による補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、について、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。

(2)引用例
ア 引用例1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、優先日前に頒布された刊行物である特表2007-512784号公報(平成19年5月17日公表。以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同じ。)。
a 「【発明の分野】
【0002】
本発明は、一般的に移動体通信の分野に関し、より詳細に述べると、ネットワーク情報を使用して移動局のポジションを推定することに関する。」

b 「【0012】
ロケーション関連情報を決定できる信号を送信する何らかのエンティティに言及するために用語“ロケーションノード”をここで使用する。ロケーションノードの特定の例には、さまざまなSPSの衛星、CDMAワイヤレス通信システムの基地局とともに他のシステムの送信エンティティとが含まれている。他のシステムには、移動体通信(GSM)のためのグローバルシステム、ブルートゥース(登録商標)、WI-FI(例えば、ワイヤレスアクセスポイント)、無線周波数識別(RFID)、デジタルテレビ、または情報を使用して送信ロケーションノードのロケーションを決定できる信号を送信できる他の何らかのシステムとが含まれている。
【0013】
したがって、図1中に図示されている特定の実施形態は、GPSとCDMA通信システムとを使用して実現されているハイブリッドポジション決定システム10を示しているが、この説明中で提供された教示に基づいて、他のタイプおよび組み合わせのポジション決定サブシステムと他のタイプのロケーションノードとを代わりに使用してもよい。さらに、実施形態の中には、GPSポジション決定サブシステムを使用するポジション決定を必要としないものもある。それゆえ、そのような実施形態では、GPS衛星45およびサポートする構成要素は必要ない。
【0014】
依然として図1を参照すると、公衆ネットワーク15と移動体スイッチングセンター(MSC)20とポジション決定エンティティ(PDE)25とを備えているシステム10が示されている。MSCは少なくとも1つの基地局制御装置(BSC)30と通信し、少なくとも1つの基地局制御装置(BSC)30は、2つの基地局(BS)35とコンタクトしているように示されている。この説明の目的上、基地局の構成要素および機能、ならびに基地局トランシーバーのそれらとの間を区別していない。それぞれのBSは、ワイヤレス通信を1つ以上の移動局(MS)40に提供している。BS35からと複数のGPS衛星45からとの信号を受信しているMS40が示されている。便宜上、2つのBS35と1つのMS40とを備えているポジション決定システム10を示している。しかし、複数のMS40に通信をそれぞれ提供する多くのBS35があってもよいことを理解すべきである。」

c 「【0018】
用語“ポジション推定値情報”、すなわち用語“PEI”は、BS35のような1つ以上のロケーションノードによって送信される情報を示し、その情報を使用して送信ロケーションノードを位置付け、および/または識別できる。PEIは、CDMA BSのような同じタイプの複数のロケーションノードから送信されてもよい。代わりに、ロケーションノードは、異なったタイプであってもよく、例えば、1つのロケーションノードはPEIを送信するBS35であってもよいが、一方のロケーションノードは、WI-FIネットワークのワイヤレスアクセスポイントであってもよい。他の例では、別々のPEIが、BS35とWI-FIネットワークのワイヤレスアクセスポイントとGPS衛星45とから送信される。
【0019】
異なるロケーションにおけるロケーションノードは、異なるPEIを送信することが一般的である。ロケーションノードは、ロケーションノードの通信範囲内にある任意の移動局にPEIをブロードキャストするように構成されていてもよい。または、ロケーションノードは、代わりに、ポイントツーポイント通信で特定の移動局にPEIを送信してもよい。このポイントツーポイント通信は、MS40によって送信された要求によって開始されてもよく、または、送信ロケーションノードによって開始されてもよい。
【0020】
電気通信工業協会/電子工業会(TIA/EIA)標準規格IS-2000およびIS-856において定義されているメッセージング標準規格に関する、さまざまなタイプのPEIの送信をこれから説明する。しかしながら、ポジション決定システム10には、MS40のような移動局にPEIを通信するための何らかの特定の標準規格またはプロトコルは必要ないことを理解すべきである。さらに、PEIは、送信BSのロケーションまたは識別に関係する何らかの特定のタイプまたは量の情報を含んでいる必要はない。
【0021】
IS-2000またはIS-856にしたがうと、共通チャネル(すなわち、すべての移動局に使用されるチャネル)上とともに、専用チャネル(すなわち、特定の移動局に割り当てられるチャネル)上でPEIを含んでいるメッセージを送信できる。BS35によって送信されるPEIメッセージは、フルIS-2000プロトコルまたはフルIS-856プロトコルを完成させるように設計されていてもよい。代わりに、PEIには、これらの可能性ある情報タイプのサブセットが含まれている。表1は、PEIのような、BS35によって送信できるさまざまなタイプの情報の例を提供している。
【表1】

【0022】
MS40は、BS35のような1つ以上のロケーションノードによって送信されたPEIを受信する、またはさもなければ、収集するように設計されている。BSは周期的にこの情報を送信するので、MSは継続して受信情報を収集して更新するのが一般的である。ある時点において、MS40のポジションの推定値(以下、単に「ポジション推定値」と呼ぶ)が、一般的に計算される。この計算の必要性を誘発する決定は、例えば、PDE25から受信された通信、MSで実行しているアプリケーション、何らかの経過時間の経過、そのポジション情報の精度が、あるしきい値より上であることを決定するMS、または、ある他のエンティティからの通信により生じてもよい。そのような誘発のさまざまなタイプに関する細部を以下に参照している図面とともにさらに詳細に説明する。
【0023】
MSは、PDE25のようなポジション決定エンティティに通信するメッセージをアセンブルし、またはさもなければ、発生させる。MSからメッセージを受信次第、ポジション決定エンティティは、メッセージ内に含まれている情報を使用して、ポジション推定値を計算できる。ポジション推定値を計算するためにMS40が発生させる情報を「PEIパラメータ」と呼ぶ。PEIパラメータには、ポジション推定値の計算を可能にする何らかの情報が含まれている。特定の精度は、計算されたポジション推定値に必要ない。例えば、ポジション推定値は、現在MSが位置付けられている半球、大陸、国、州、または街を識別できるだけでよいように、ポジション推定値によってカバーされているエリアはかなり広くてもよい。一方、数キロメートルから数メートル範囲のエリアにMSを位置付けるもののように、ポジション推定値はより正確であってもよい。
【0024】
開示された方法と装置との実施形態において、PDE25に通信されるPEIパラメータには、送信BS35から受信されたPEI中に含まれている情報のすべてが含まれている。MS40が複数のBSからPEIを受信する状況では、その時は、PEIパラメータにさまざまなBSから受信されたさらなるPEIも含まれてもよい。代替実施形態は、PEIパラメータに受信されたPEIから獲得された情報のサブセットのみが含まれているものである。
【0025】
開示された方法および装置の他の実施形態において、MSは、PEIパラメータを送信する。このPEIパラメータには、PEIから導出された情報(例えば、表1で識別される情報の一部または全部)と、既知のまたはMS40によって確認できる他の情報とが含まれている。さらに他の実施形態において、MSは、PEIパラメータを含んでいるメッセージを生成させるために、表2で示されているさまざまなタイプの情報の一部または全部を使用する。
【表2】

【0026】
1つの実施形態において、PEIパラメータはSERVING_BASE_IDを含んでいる。ある例では、この情報は、MS40を現在受け持っているBS35を正確に識別するのに十分である。BS35またはロケーションノードを正確に識別できた場合、その時は、ロケーションに対して基地局またはロケーションノードを一致させるルックアップテーブルまたは他のそのようなインデックスからBSまたはロケーションノードのロケーションを確認することができ、したがってポジション推定値を提供することができる。すなわち、受け持っているBSまたはロケーションノードの送信範囲内のどこかにMSがあることを仮定することができる。
【0027】
しかし、受け持っているロケーションノードの識別子を容易に確認できず、したがって、MS40のロケーションを正確に推定できない状況が生じるかもしれない。例えば、基地局がロケーションノードであり、SERVING_BASE_ID(PEIパラメータの1つの情報要素)が、BSによって送信されたPEI中に提供されたSID/NID/BASE_ID情報(表1)に基づいて発生される状況を考慮する。ネットワークの中には、同じSID、NID、およびBASE_IDを複数のBSに割り当てるものがあるので、MSのロケーションを正確に推定できない。それは、SID/NID/BASE_IDの組み合わせが一意的でないからである。そのような問題を解決するために、PEIパラメータには、表2で識別される1つ以上のさらなるパラメータのような、さらなる情報が含まれていてもよい。特定の例は、BS35基地局の緯度と経度を識別できる(例えば、表2のLATおよびLONGの要素)情報に加えて、SERVING_BASE_IDを使用してPEIパラメータを形成できる。これから説明するように、情報のこの組み合わせによって、ポジション決定エンティティが十分な精度のポジション推定値を計算することが可能になる。
【0028】
MS40によって形成されたPEIパラメータの内容にかかわらず、PEIパラメータを含んでいるメッセージはPDEに通信される。PDEは、一般的にポジション推定値を計算できるネットワークエンティティまたはデバイスである。システム10がCDMAネットワークを含んでいる実施形態において、PDE25を使用してPDEを実現してもよい。
【0029】
代替実施形態は、システム10がGSMネットワークを含んでいるものである。そのような実施形態では、PDEはサービング移動体ロケーションセンター(SMLC)として実現されてもよい。
【0030】
従来のポジション推定技術を利用すると、例えば、PDEは、PEIパラメータに含まれている情報を利用してポジション推定値を計算できる。例えば、PEIパラメータが、MS40が現在通信しているロケーションノードを識別する情報を含んでいる場合、ロケーションノード識別子およびそのようなノードの関係するロケーションを含んでいるルックアップテーブルまたはデータベースをアクセスすることによって、PDEはロケーションノードのロケーションを決定できる。代わりに、PEIパラメータが、ロケーションノードのロケーションを直接識別する情報(例えば、ノードの緯度と経度)を含んでいる場合、その時は、そのような情報は、ポジション推定値を計算する際にPDEによって、直接使用されてもよい。
【0031】
PEIパラメータは、BS35によって送信されたPEIに基づいて生成されていることを理解すべきである。それゆえ、PDEによって計算されたポジション推定値は、他のネットワークエンティティ、さらに詳細に述べると、BS35のようなロケーションノードによって提供された情報に基づいている。
【0032】
ケースによっては不正確であるが、ポジション推定値は大変役立つ情報であり、それゆえ、多くの異なるネットワークエンティティおよびアプリケーションによって望まれている。ある状況では、より正確なポジション決定計算のベースとしてポジション推定値を使用できる。そのような計算は、PDE、MS、または他の何らかのエンティティによって実行されてもよい。
【0033】
例として、図1に図示されている実施形態を使用すると、計算されたポジション推定値に基づいて、より正確なMSのポジション決定を提供できる。この正確になったポジション計算値は、上記で説明したポジション推定値より、より正確であるのが一般的であるが、(1)GPS単独、(2)CDMA通信システム単独、または(3)GPSとCDMA通信システムの双方とを利用しているハイブリッド方式とに基づいてよい。」

d 「【0039】
図2は、ポジション推定値を計算するプロセス100を示している。ブロック105では、MSは、BS35のようなロケーションノードによって送信されたポジション推定値情報(PEI)を収集する。以前に説明したように、BSは、周期的なまたは連続的なブロードキャスト信号、あるいはポイントツーポイント通信(例えば、MS開始またはBS開始)を使用してPEIを送信してもよい。収集されたPEIは、送信BSを位置付けする、または識別するために使用できる情報を含んでいる。PEIに含まれていてもよいさまざまなタイプの情報のいくつかの例が、表1で図示されている。例として、CDMAネットワークを使用すると、IS-801メッセージング標準規格を使用してPEIを送信できる。実施形態の中には、MSが複数の送信BSからPEIを収集するものもある。
【0040】
ブロック110において、MS40は、収集されたPEIに基づいてPEIパラメータを発生させる。なお、PEIは、PEIパラメータが計算される前にMSで収集されて、記憶されるのが一般的である。望むのであれば、MSは、1つ以上のBSから収集された多くのPEIを収集して記憶できる。MSは、多くの異なるトリガに応答してPEIパラメータの発生を開始できる。そのようなトリガは、例えば、何らかの予め定められた時間の経過または他の期間の経過、そのポジション決定の精度があるしきい値より上であるとのMSの決定、MSで実行しているアプリケーションに対する応答、MSのユーザによるマニュアル要求、あるいは他のネットワークエンティティ(例えば、PDE25)によって通信された要求を含んでいる。
【0041】
PDE25のようなポジション決定エンティティがロケーション要求メッセージをMSに送信することが特定のトリガである。他の実施形態において、MSは、パイロット位相測定値に対する要求、またはGPS擬似範囲に対する要求を発生させてもよい。そのような情報に対する要求を使用して、ブロック110にしたがってPEIパラメータの発生もトリガすることもできる。
【0042】
ブロック110の動作がどのようにトリガされるかにかかわらず、MSは、PDE25のようなポジション決定エンティティに対して通信するために、PEIパラメータをアセンブルし、計算し、またはさもなければ、発生させる。上で説明したように、PEIパラメータには、ポジション推定値の計算を可能にする何らかの情報が含まれており、特定のタイプまたは量の情報は必要とされない。さらに、PEIパラメータは、1つ以上の送信BS35から受信された一部または全部のPEI、あるいは、既知であるまたはMS40によって確認できる情報、あるいはその組み合わせを含んでいてもよい。表1および表2は、発生されたPEIパラメータを含んでいるメッセージ中に含んでいてもよい特定のタイプの情報を図示している。
【0043】
1度発生されると、MSはポジション決定エンティティにPEIパラメータを送信する(ブロック115)。CDMAネットワークにおいて、ポジション決定エンティティはPDE25であってもよい。PEIパラメータを受信した後、ポジション決定エンティティは、PEIパラメータに含められている情報を利用してポジション推定値を計算する(ブロック120)。ポジション決定エンティティは、既知の技術を使用してポジション推定値を計算してもよいが、その細部は、ここでは本質的なものではない。ポジション推定値の精度は、PEIおよびPEIパラメータのタイプ、量、および精度のような要因によって決まるのが一般的である。
【0044】
ポジション推定値は大変役立ち、それゆえ多くの異なるネットワークエンティティとアプリケーションとによって望まれる情報である。たとえ、推定値が大変低い精度で(例えば、100から1,000キロメートル)でMSを位置付けることができるだけであっても、計算されたポジション推定値が役立つことを理解すべきである。ある実施形態において、より正確なポジション決定計算に対するベースとしてポジション推定値を使用してもよい。PDE、MS、または他の何らかのエンティティが、そのような計算を実行してもよい。
【0045】
図3は、ハイブリッドポジション決定システム10のいくつかのネットワークエンティティ間のメッセージフローを示しているブロック図である。動作200では、BS35は、MS40にPEIを送信する。動作205では、これはオプションであるが、PDE25が、PEIパラメータに対するロケーション要求メッセージをMSに通信する。例えば、PDEまたは他の何らかのネットワークエンティティがポジション推定値の情報を望むときいつでも、そのような要求を開始できる。ある時点で、MSは、例えば、以前説明した何らかの技術を使用してPEIパラメータを計算する。なお、図2に関して説明したように、PDEによって送信された要求に応答してPEIパラメータを発生させてもよく(動作205)、または、MSによって発生された特定のトリガに応答してPEIパラメータを発生させてもよい。動作210において、MSはPEIパラメータをPDE25に送信する。次に、動作215において、PDEはポジション推定値を計算する。望むのであれば、それから、MS40のような他のネットワークエンティティに対して、計算されたポジション推定値を送信できる(動作225)。」

(イ)上記の記載事項において、「収集されたPEIは、送信BSを位置付けする、または識別するために使用できる情報を含んでいる。PEIに含まれていてもよいさまざまなタイプの情報のいくつかの例が、表1で図示されている。」(上記(ア)d【0039】)とされているところ、「表1」(上記(ア)c【0021】)には、「SID システム識別子」、「NID ネットワーク識別子」、「BASE_ID 基地局識別子」、「BASE_LAT 基地局の緯度」及び「BASE_LONG 基地局の経度」とあるので、引用例1には、「収集されたPEIは、送信BSを位置付けするために使用できる情報としての基地局の緯度(BASE_LAT)及び基地局の経度(BASE_LONG)、並びに、送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)を含んで」いる点が、記載されているといえる。
したがって、上記(ア)aないしdの記載及び図面の図1ないし3から、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(括弧内は、特に関連する記載箇所を示す。)。
「移動局(MS)は、基地局(BS)のようなロケーションノードによって送信されたポジション推定値情報(PEI)を収集し、(上記(ア)b【0014】、d【0039】)
MSは、収集されたPEIに基づいてPEIパラメータを発生させ、ポジション決定エンティティ(PDE)にPEIパラメータを送信し、(上記(ア)b【0014】、d【0040】、【0043】)
PDEは、ポジション推定値を計算できるネットワークエンティティまたはデバイスであって、PEIパラメータを受信した後、PEIパラメータに含められている情報を利用してポジション推定値を計算し、それから、MSに対して、計算されたポジション推定値を送信し、(上記(ア)c【0028】、d【0043】、【0045】)
より正確なポジション決定計算に対するベースとしてポジション推定値を使用し、MSが、そのような計算を実行する、(上記(ア)d【0044】)
方法であって、
収集されたPEIは、送信BSを位置付けするために使用できる情報としての基地局の緯度(BASE_LAT)及び基地局の経度(BASE_LONG)、並びに、送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)を含んでおり、(上記(ア)c【0021】【表1】、d【0039】)
PEIパラメータは、1つ以上の送信BSから受信された一部または全部のPEIを含んでおり、(上記(ア)d【0042】)
この正確になったポジション計算値は、ポジション推定値より、より正確であって、GPS単独、CDMA通信システム単独、またはGPSとCDMA通信システムの双方とを利用しているハイブリッド方式とに基づく、(上記(ア)c【0033】)
方法。」

イ 周知例2
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、優先日前に頒布された刊行物である特表2009-510972号公報(平成21年3月12日公表。以下、「周知例2」という。)には、次の事項が記載されている。
a 「【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信に関し、特に、ピコ或いは“フェムト”無線基地局を有する無線アクセスネットワークにおけるアクセス制御に関するものである。」

b 「【0010】
幾つかの通信事業者が、ある環境では、“フェムトRBS”、“ホームRBS”、“ピコRBS”、“マイクロRBS”の内、少なくともいずれかで呼ばれる小規模な無線基地局(“RBS”)を使用して、限られた数のユーザのための家庭または小領域のWCDMAカバレッジを提供する可能性について研究している。そのような研究によれば、小規模RBSは、エンドユーザに(例えば、ユーザ機器ユニット(UE)に対して)通常のWCDMAカバレッジを提供し、ある種のIPベース伝送を使用してRNCに接続される。そのようにして提供されるカバレッジ領域は、(そのカバレッジ領域が相対的に小さいことを示すために)“フェムトセル”と呼ばれる。フェムトセルの別の用語には“ピコセル”または“マイクロセル”が含まれ、マクロ即ち標準的な無線基地局(RBS)がカバーするマクロセルと対照をなしている。」

c 「【0013】
これとは対照的に、フェムトRBSは通常、ネットワーク通信事業者というよりエンドユーザによってインストールされる。エンドユーザはまた、通信事業者がフェムトRBSの再配置を制御できたりまたは制御しようとしなくても、フェムトRBSを地理的にあちらこちらへと移動させることもできる。そのようなユーザ主導の再配置のためには、どこにフェムトRBSがインストールまたは配置されようとも、フェムトRBSを正しいRNCに接続すべきことが必要である。この意味での“正しいRNC”または“好ましいRNC”は、無線アクセスネットワーク(RAN)のオーバレイしているマクロセルを制御しているのと同じRNCであろう。」

(イ)したがって、上記(ア)aないしcの記載から、周知例2には、次の技術が記載されていると認められる。
「無線アクセスネットワークにおいて、フェムトRBSと呼ばれる小規模な無線基地局を使用して、限られた数のユーザのための家庭または小領域のWCDMAカバレッジを提供するにあたり、フェムトRBSは通常、エンドユーザによってインストールされ、エンドユーザは、フェムトRBSを地理的にあちらこちらへと移動させることができる」技術。

ウ 周知例3
(ア)優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2009/043389号(2009年(平成21年)4月9日公開。以下、「周知例3」という。)には、次の事項が記載されている。
a 「The invention relates to a method for distributing control signaling for session control of a multicast or broadcast service within a mobile communication network. Furthermore the invention also provides a base station, mobile terminal and communication system to perform the proposed method.」(明細書第1ページ第4ないし7行)(当審訳:本発明は、移動通信ネットワークにおけるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション制御の制御シグナリングを配信する方法に関する。さらに、本発明は、提案する方法を実行する基地局、移動端末、および通信システムを提供する。)

b 「In the following, focus will be given on another aspect of the invention, namely the deployment of the multicast or broadcast service in femto cells controlled by a home base station. In general, the term home base station in contrast to the term base station may be understood as to relate to a base station that is not controlled by the network operator. Nevertheless, the home base station provides the same access technology as“normal”base stations that are controlled by the network operator of the mobile communication system. An example for a home base station is a Home NodeB (or HeNB) when considering a 3GPP SAE/LTE system.」(明細書第38ページ第3ないし10行)(当審訳:以下では、本発明のもう1つの態様、すなわち、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルにおけるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配備を中心に説明する。一般的に、ホーム基地局という用語は、基地局という用語とは異なり、ネットワーク事業者によって制御されない基地局を意味するものと理解することができる。しかしながら、ホーム基地局は、移動通信システムのネットワーク事業者によって制御される“通常の”基地局と同じアクセス技術を提供する。ホーム基地局の例は、3GPP SAE/LTEシステムを考えるときにはホームeノードB(HeNB)である。)

c 「The mobile operator may not be able to control or plan the deployment of home base stations. Further, the subscribers may obtain the home base station devices independent of the mobile operator. However, in order to assure proper operation of the entire mobile communications system, several parameters in the home base stations need to be configured, for example comprising radio-level or network-level configurations.」(明細書第47ページ第30ないし34行)(当審訳:モバイル事業者は、ホーム基地局の配備を制御あるいは計画することができない。さらに、加入者は、モバイル事業者とは無関係にホーム基地局装置を取得することがある。しかしながら、移動通信システム全体の正しい動作を確保するためには、ホーム基地局におけるいくつかのパラメータを設定する(例えば、無線レベルの構成設定またはネットワークレベルの構成設定)ことが必要である。)

d 「Typically, these parameters mainly depend on the operator's configuration of the mobile communications system. The operator may require similar control of the home base stations and their configuration, as maintained for the macro cell layer controlled by“normal”base stations. This configuration and control of a home base station may automatically be established when the home base station connects to the operator's network. Before and during this step, the home base station may be in a pre-operational state, in which utilization of the femto cell may not be possible yet.」(明細書第48ページ第1ないし7行)(当審訳:これらのパラメータは、一般的には、主として移動通信システムの事業者の構成設定に依存する。事業者は、“通常の”基地局によって制御されるマクロセル層に対して維持されている制御と同じように、ホーム基地局およびその構成設定を制御することが要求されうる。ホーム基地局のこの構成設定および制御は、ホーム基地局が事業者のネットワークに接続するときに自動的に確立することができる。この確立より前および確立中は、ホーム基地局は、フェムトセルをまだ利用することができない動作前状態とすることができる。)

e 「Usually, in addition to the configuration of the home base station also authentication and authorization procedures may be required to be performed successfully. As pointed out before, the subscriber may be in control of the home base station deployment, i.e. may independently decide where and when to set-up a femto cell. At any time the subscriber may easily change the deployment, for example move the home base station to a different location, e.g. a friend's house. Therefore, as part of the pre-operational procedures and information, the mobile operator may require knowledge of the home base station's location. For example, this may be provided to the core network during pre-operational authentication and authorization procedures.」(明細書第48ページ第8ないし16行)(当審訳:通常では、ホーム基地局の構成設定に加えて、認証手順および許可手順も正常に実行されることが要求されることがある。前に指摘したように、ホーム基地局の配備は加入者の制御下にあり、すなわち、加入者はフェムトセルを確立する位置およびタイミングを独立して決定することができる。加入者は、この配備をいつでも容易に変更することができ、例えば、ホーム基地局を別の場所(例えば、友人の家)に移動させることができる。したがって、モバイル事業者は、動作前の手順および情報の一部として、ホーム基地局の位置の情報を必要とすることがある。この情報は、例えば、動作前の認証手順および許可手順時にコアネットワークに提供することができる。)

f 「According to the requirements of the operator and possibly depending on the capabilities of the home base stations there may exist several options regarding what kind of home base station location information is provided. A typical example might be to utilize Global Positioning System (GPS) information. Obviously, this requires the home base station is equipped with a GPS receiver and the possibility to receive a GPS signal when operating the home base station.」(明細書第48ページ第17ないし22行)(当審訳:ホーム基地局のどのような種類の位置情報を提供するかに関しては、事業者の要求条件に従い、さらに場合によってはホーム基地局の能力に応じて、いくつかのオプションが存在する。代表的な例は、グローバルポジショニングシステム(GPS)情報を利用することである。当然ながら、そのためには、ホーム基地局はGPS受信器を備えており、ホーム基地局の動作時にGPS信号を受信できることが要求される。)

g 「In another example, signals of overlapping macro cells may be utilized to determine the position of the home base station. The home base station might be aware of corresponding macro cell layer system information like cell identifiers or tracking area identifiers of macro cells overlapping in coverage with the femto cell controlled by the home base station. Together with these identifiers the home base station might report information about received radio signals from the corresponding macro layer cell, for example allowing the network to triangulate the home base station's position.」(明細書第48ページ第23ないし29行)(当審訳:別の例においては、重なり合っているマクロセルの信号を利用してホーム基地局の位置を求めることができる。ホーム基地局は、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルとカバレッジが重なり合っているマクロセルの、対応するマクロセル層システムの情報(例えば、セル識別子あるいはトラッキングエリア識別子)を認識することができる。ホーム基地局は、これらの識別子と一緒に、対応するマクロ層セルから受信した無線信号に関する情報を報告することができ、これにより例えばネットワークは、ホーム基地局の位置を三角法によって求めることができる。)

h 「There are also other options that may be utilized to determine the home base station location that are not directly based on wireless location techniques. An option might be to determine the location of the home base station based on knowledge about the wired access network used by the home base station to connect to the operator's network. For example the port-ID used in a DSLAM of a DSL access or the circuit-ID of a cable access network may be used by an operator to conclude the location of a home base station. Theses kind of options may be particularly relevant if the operator also controls the wired access network used by the home base station.」(明細書第48ページ第30行ないし第49ページ第4行)(当審訳:ホーム基地局の位置を求めるために利用できるさらに別のオプションとして、無線による位置取得手法に直接的に基づかないオプションが存在する。1つのオプションは、事業者のネットワークに接続するためにホーム基地局によって使用される有線アクセスネットワークに関する情報に基づいて、ホーム基地局の位置を求めることである。例えば、事業者は、DSLアクセスのDSLAMにおいて使用されるポートID、あるいはケーブルアクセスネットワークの回路IDを使用して、ホーム基地局の位置を求めることができる。この種類のオプションは、ホーム基地局によって使用される有線アクセスネットワークも事業者が制御している場合に、特に関連する。)

i 「Further options may for example be based on IP addresses allocated by an Internet Service Provider (ISP) that are used by the home base station when accessing the operator's network. The location might be resolved using a database containing a mapping between IP subnets and geographical locations. A rather simple but also possible option may be to locate the home base station based on subscriber configuration, e.g. using postal addresses or geographical coordinates.」(明細書第49ページ第5ないし10行)(当審訳:さらなるオプションとして、例えば、ホーム基地局が事業者のネットワークにアクセスするときに使用する、インターネットサービスプロバイダ(ISP)によって割り当てられるIPアドレスに基づくことができる。IPサブネットと地理的位置との間のマッピングを含むデータベースを使用することにより、位置を解決することができる。単純かつ可能なオプションとしては、加入者の設定に基づいて(例えば、郵便住所または地理的座標を使用して)ホーム基地局を特定することができる。)

(イ)したがって、上記(ア)aないしiの記載から、周知例3には、次の技術が記載されていると認められる。
「移動通信ネットワークにおいて、加入者は、フェムトセルを制御するホーム基地局を別の場所に移動させることができるため、モバイル事業者は、動作前の手順および情報の一部として、ホーム基地局の位置の情報を必要とするところ、ホーム基地局の位置情報を提供する代表的な例は、グローバルポジショニングシステム(GPS)情報を利用することであり、そのためには、ホーム基地局はGPS受信器を備えており、ホーム基地局の動作時にGPS信号を受信できることが要求される」技術。

エ 周知例4
(ア)優先日前に頒布された刊行物である特開2005-9891号公報(平成17年1月13日公開。以下、「周知例4」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
a 「【0004】
大容量のコンテンツをより高速で無線伝送する方式としては、無線LANシステムやDSRC(Dedicated Short Range Communication;狭帯域無線通信)が知られている。周知の通り、無線LANシステムは、アクセスポイントを通じて、内部のネットワークやインターネットへ接続可能となる通信システムである。したがって、ユーザは、ユーザ自身の情報端末から、家庭、オフィス、もしくは店舗のような屋内、または電柱のような屋外に設置されたアクセスポイントに、例えば、2.4GHz帯の電波を利用してワイヤレスで接続することにより、インターネット通信が可能となる。一方、DSRCは、例えば、5.8GHz帯の電波を利用することにより、基地局周辺の限られたエリア内で情報の高速伝送が可能となる方式であり、例えば、高速道路の料金所のETC(自動料金収受システム)などに用いられている。無線LAN、DSRC等は、狭域であるが高速であるため、このような無線伝送方式を使用して、ナビゲーションシステムのための地図情報、または音楽および/もしくは映像データといった大容量のコンテンツを車内で取得することが、通信事業者、カーメーカー、車載機器ベンダーなどの間で検討されている。」

b 「【0069】
図14は、図1および図13におけるアクセスポイント21の変形例を示し、自身の地理的位置についての情報(すなわち、緯度、経度、および高度)を車載装置11または12か、またはインターネット網41へ送信できることを特徴とする。
【0070】
図14(A)において、アクセスポイント61は、図1に示すアクセスポイント21と比較して、位置記憶部614および位置入力装置615をさらに備える点が異なっている。図14(A)に示すアクセスポイントの例では、アクセスポイント61の地理的位置情報のデータは、アクセスポイント61が設置される地理的位置を、GPS受信機の搬送波位相を使用する精密測量(誤差数cm程度)によって予め測量することにより得ることができる。このように測量して得られた位置情報データを、位置入力装置615から入力して、位置記憶部614へ記憶させる。位置入力装置615は、例えば、キーボード、ボタンまたはマウスなどコンピュータシステムで利用される入力デバイス、あるいはメモリカード等から構成される。位置記憶部614は、例えば、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブなどで構成され、少なくともデータの読み出しが可能な記録媒体とそのドライバソフトウェアを含む。車載装置11への位置情報の送信は、無線LAN送受信部612を介して定期的に送信するビーコン信号に、位置記憶部614から読み出した位置情報データを含ませるか、または車載装置11と通信路が確立した後で、無線LANパケットのデータ部に位置情報データをカプセル化して送信することで行い得る。なお、位置情報を、位置入力装置615からではなく、ネットワーク送受信部613を介して、インターネット側に設置した端末(不図示)からアクセスポイント61へ入力してもよい。この場合、同時に複数のアクセスポイントに対して位置情報の入力をしてもよい。
【0071】
図14(A)に示すアクセスポイントの形態によれば、車載装置11は、車両がアクセスポイントの通信エリア内を移動中に、リアルタイムでアクセスポイントデータ格納部114のデータを更新できるため、常に最新の情報を保持しておくことができる。なお、車載装置11は、アクセスポイントの位置情報データを一定期間キャッシュとして記憶しておくようにしてもよい。そうすることで、例えば、アクセスポイントが故障している場合などに、キャッシュのデータを読み出して使用することができ、故障中のアクセスポイントに対して絶えず車載装置11から接続要求を出すというような状況を回避できる。さらに、一定期間が過ぎたら、キャッシュからそのデータを消去するようにしてもよい。そうすれば、車両が普段あまり行かない日常生活範囲外の地域で取得したアクセスポイントの位置情報は一定期間後消去されるので、記憶容量を節約できる。
【0072】
図14(B)のアクセスポイント71は、図14(A)の位置入力装置615を測位装置715に置換したものである。測位装置715は、例えば、GPS受信機から構成される。アクセスポイント715は、GPS受信機のような測位装置715から得られる地理的位置データを、位置記憶部714に記憶させる。
【0073】
これにより、何らかの理由でアクセスポイントの位置が移動したとしても、アクセスポイント71自体が、自身の新たな位置情報を測位装置715により測位して位置記憶部714へ記憶させ、その位置データを更新することが可能なので、位置記憶部714の位置データを外部から手動で入力し直す必要が無く、管理、運用の手間を省くことができる。」

(イ)したがって、上記(ア)aないしbの記載及び図面の図14(B)から、周知例4には、次の技術が記載されていると認められる。
「アクセスポイントを通じて内部のネットワークやインターネットへ接続可能となる無線LANシステムにおいて、アクセスポイントが、例えばGPS受信機から構成される測位装置を備えており、何らかの理由でアクセスポイントの位置が移動したとしても、アクセスポイント自体が、自身の新たな位置情報を測位装置により測位してその位置データを更新し、自身の地理的位置についての情報(すなわち、緯度、経度、および高度)を送信できる」技術。

オ 周知例5
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、優先日前に頒布された刊行物である国際公開第03/081930号(2003年(平成15年)10月2日公開。以下、「周知例5」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
a 「[1005] A position determination entity (PDE) within the wireless communication network may provide some of the information needed to compute a position estimate for the terminal. This“aiding information”may include the location of the base stations, timing information, and so on. Depending on the whereabouts of the terminal within the network, the PDE may provide different information. For example, depending on the specific cell in which the terminal is currently located, the PDE may provide only the locations of base stations that may be received by terminals within that cell.」(当審訳:無線通信ネットワーク内の位置決定エンティティ(PDE)は、端末の位置推定値を計算するために必要となる情報の一部を提供してもよい。この“支援情報”は、基地局の位置やタイミング情報などを含むことができる。ネットワーク内の端末の所在に応じて、PDEは、他の情報を提供することができる。例えば、端末が現在位置している特定のセルに応じて、PDEは、そのセル内の端末によって受信することができる基地局の位置のみを提供することができる。)

b 「[1024] PDE 140 may provide various types of“aiding information”that may be used for position determination. PDE 140 may be a base station designated to provide this functionality or may be a separate entity in the CDMA network. The aiding information may include satellite locations, base station locations, timing information, and so on. The aiding information may be location-sensitive. For example, the PDE may provide aiding information for base stations that may be received by a terminal at particular location. To provide the proper aiding information to the terminal, the PDE may need the approximate location of the terminal. The approximate location may be given by a base station whose cell the terminal is currently located within.」(当審訳:PDE140は、位置決定のために使用できる様々なタイプの“支援情報”を提供することができる。PDE140はこの機能を提供するために指定された基地局であってもよいし、CDMAネットワーク内の別々のエンティティであってもよい。支援情報は、衛星の位置や基地局の位置やタイミング情報などを含むことができる。支援情報は、位置に依存するものでもよい。例えば、PDEは、特定の位置にある端末によって受信されうる基地局のための支援情報を提供することができる。端末に適切な支援情報を提供するために、PDEは、端末の概略位置を必要とすることがある。端末が現在位置しているセルの属する基地局によって、概略位置が与えられてもよい。)

c 「[1025] Thus, for position determination purposes,“identification”information indicative of the approximate location of the terminal may need to be obtained and provided to the PDE. This may be achieved by uniquely identifying the terminal's serving base station or a base station in close proximity to the terminal. For IS-95 and cdma2000 networks, each base station in the network may be uniquely identified by its base station identifiers, which include a base station identifier (Base ED), a system identifier (SED), and a network identifier (NED). For IS-95 and cdma2000 networks, the identification information may comprise the base station identifiers for the terminal's serving base station or a nearby base station. In general, the identification information may comprise any information that may be used to determine the approximate location of the terminal.」(当審訳:位置決定の目的のためには、端末の概略位置を示す“識別”情報が、取得されてPDEに提供される必要があるかもしれない。このことは、端末にサービス中の基地局又は端末に近接した基地局を一意に識別することによって達成できる。IS-95及びcdma2000ネットワークの場合、ネットワーク内の各基地局は、基地局識別子(Base ED)、システム識別子(SID)及びネットワーク識別子(NID)を含む、基地局の識別子によって、一意に識別することができる。IS-95およびcdma2000ネットワークの場合、識別情報は、端末にサービスを提供している基地局又は付近の基地局についての識別子を含むことができる。一般に、識別情報は、端末の概略位置を決定するために使用することができる任意の情報を含むことができる。)

(イ)したがって、上記(ア)aないしcの記載から、周知例5には、次の技術が記載されていると認められる。
「無線通信ネットワーク内の位置決定エンティティ(PDE)は、位置決定のために使用できる様々なタイプの支援情報を提供することができるところ、端末に適切な支援情報を提供するために、PDEは、端末の概略位置を必要とし、端末の概略位置は、端末が現在位置しているセルの属する基地局によって与えられる」技術。

(3)対比・判断
ア 対比
(ア)本件補正発明と引用発明とを対比する。
a 引用発明の「移動局(MS)」は、本件補正発明の「移動局」に相当する。
そして、引用発明の「基地局(BS)」と、本件補正発明の「移動可能な基地局である」「フェムトセル」とは、「基地局」である点で共通するので、引用発明における、「収集されたPEI」に「含」まれている「送信BSを位置付けするために使用できる情報としての基地局の緯度(BASE_LAT)及び基地局の経度(BASE_LONG)」と、本件補正発明の「フェムトセルにより取得された前記フェムトセルの場所」とは、「基地局の場所」である点で共通し、また、引用発明における、「収集されたPEI」に「含」まれている「送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)」と、本件補正発明の「前記フェムトセルの少なくとも1つの識別要素」とは、「前記基地局の少なくとも1つの識別要素」である点で共通する。
さらに、引用発明における、「送信BS」に関する「システム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)」は、「送信BSを識別するために使用できる情報」であるので、複数の「基地局(BS)」の「システム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)」のうちの少なくとも1つを含むものといえる。
したがって、引用発明において、「移動局(MS)は、基地局(BS)のようなロケーションノードによって送信されたポジション推定値情報(PEI)を収集」することであって、「収集されたPEIは、送信BSを位置付けするために使用できる情報としての基地局の緯度(BASE_LAT)及び基地局の経度(BASE_LONG)、並びに、送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)を含んで」いることと、本件補正発明における、「フェムトセルにより取得された前記フェムトセルの場所を取得するステップであって、前記フェムトセルは移動可能な基地局である、ステップと、移動局で、前記フェムトセルの少なくとも1つの識別要素を受信するステップであって、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素は、複数のフェムトセルの識別要素のうちの少なくとも1つを含む、ステップ」とは、「基地局の場所を取得するステップと、移動局で、前記基地局の少なくとも1つの識別要素を受信するステップであって、前記基地局の前記少なくとも1つの識別要素は、複数の基地局の識別要素のうちの少なくとも1つを含む、ステップ」である点で共通する。

b 引用発明の「ポジション決定エンティティ(PDE)」は、「ポジション推定値を計算できるネットワークエンティティまたはデバイスであって、PEIパラメータを受信した後、PEIパラメータに含められている情報を利用してポジション推定値を計算し、それから、MSに対して、計算されたポジション推定値を送信」するものであるところ、ネットワークを介して位置に関するサービスを提供しているので、本件補正発明の「ロケーションサーバ」に相当する。
そして、上記aを踏まえると、引用発明において、「収集されたPEIに基づいて」「発生させ」られる「PEIパラメータ」は、「1つ以上の送信BSから受信された一部または全部のPEIを含んで」いるので、「送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)を含んで」いるものといえる。
したがって、引用発明において、「MSは、収集されたPEIに基づいてPEIパラメータを発生させ、ポジション決定エンティティ(PDE)にPEIパラメータを送信」することであって、「PEIパラメータは、1つ以上の送信BSから受信された一部または全部のPEIを含んで」いることと、本件補正発明における、「前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するステップ」とは、「前記基地局の前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するステップ」である点で共通する。

c 上記bを踏まえると、引用発明において、「ポジション推定値」の「計算」に「利用」される、「PEIパラメータに含められている情報」は、「送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)を含んで」いるものといえるから、引用発明における「計算されたポジション推定値」は、「送信BSを識別するために使用できる情報としてのシステム識別子(SID)、ネットワーク識別子(NID)及び基地局識別子(BASE_ID)」に応じて生成されたものということができる。
また、引用発明において、「より正確なポジション決定計算に対するベースとしてポジション推定値を使用し、MSが、そのような計算を実行する」ところ、「この正確になったポジション計算値は、ポジション推定値より、より正確であって、GPS単独、CDMA通信システム単独、またはGPSとCDMA通信システムの双方とを利用しているハイブリッド方式とに基づく」ので、引用発明における、「より正確なポジション決定計算」は、本件補正発明の「測位」に相当する。
そして、引用発明における、「より正確なポジション決定計算に対するベースとして」「使用」される、「計算されたポジション推定値」は、「PDE」が「MSに対して」「送信」する、すなわち「MS」が「PDE」から受信する情報であるから、メッセージということができ、引用発明における「計算されたポジション推定値」と、本件補正発明の「測位支援メッセージ」とは、「測位のためのメッセージ」である点で共通する。
したがって、引用発明において、「PDE」が、「PEIパラメータを受信した後、PEIパラメータに含められている情報を利用してポジション推定値を計算し、それから、MSに対して、計算されたポジション推定値を送信」することと、本件補正発明における、「前記ロケーションサーバから1又は複数の測位支援メッセージを受信するステップであって、前記1又は複数の測位支援メッセージは、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に応じて生成される、ステップ」とは、「前記ロケーションサーバから1又は複数の測位のためのメッセージを受信するステップであって、前記1又は複数の測位のためのメッセージは、前記基地局の前記少なくとも1つの識別要素に応じて生成される、ステップ」である点で共通する。

d 上記cを踏まえると、引用発明において、「より正確なポジション決定計算に対するベースとしてポジション推定値を使用し、MSが、そのような計算を実行する」ことであって、「この正確になったポジション計算値は、ポジション推定値より、より正確であって、GPS単独、CDMA通信システム単独、またはGPSとCDMA通信システムの双方とを利用しているハイブリッド方式とに基づく」ことと、本件補正発明における、「前記ロケーションサーバから受信された前記1又は複数の測位支援メッセージに少なくとも部分的に基づいて、測位を実行するステップ」とは、「前記ロケーションサーバから受信された前記1又は複数の測位のためのメッセージに少なくとも部分的に基づいて、測位を実行するステップ」である点で共通する。

e 引用発明の「方法」は、「より正確なポジション決定計算」を「MSが」「実行する」こと、を含むから、次の相違点は除いて、本件補正発明の「測位の方法」に相当するといえる。

(イ)したがって、上記(ア)aないしeから、本件補正発明と引用発明とは、
「基地局の場所を取得するステップと、
移動局で、前記基地局の少なくとも1つの識別要素を受信するステップであって、前記基地局の前記少なくとも1つの識別要素は、複数の基地局の識別要素のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記基地局の前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するステップと、
前記ロケーションサーバから1又は複数の測位のためのメッセージを受信するステップであって、前記1又は複数の測位のためのメッセージは、前記基地局の前記少なくとも1つの識別要素に応じて生成される、ステップと、
前記ロケーションサーバから受信された前記1又は複数の測位のためのメッセージに少なくとも部分的に基づいて、測位を実行するステップと
を含む、測位の方法。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
基地局が、本件補正発明では、「フェムトセル」であって、「移動可能」とされているのに対し、引用発明では、「基地局(BS)」について、そのような特定がない点。

(相違点2)
取得する基地局の場所が、本件補正発明では、「フェムトセルにより取得された前記フェムトセルの場所」であるのに対し、引用発明では、「収集されたPEI」に「含」まれている「送信BSを位置付けするために使用できる情報としての基地局の緯度及び基地局の経度」について、どのようにして取得されたものであるか、特定がない点。

(相違点3)
ロケーションサーバから受信する測位のためのメッセージが、本件補正発明では、「測位支援メッセージ」であるのに対し、引用発明では、「ポジション推定値」であって「より正確なポジション決定計算に対するベースとして」「使用」されるところ、「測位支援メッセージ」であると明示的に特定されていない点。

イ 判断
(ア)上記相違点1及び2については、技術的なつながりを考慮し、まとめて検討する。
例えば周知例2(上記(2)イ(イ))、周知例3(上記(2)ウ(イ))に示されているように、無線通信のネットワークにおける基地局として、移動可能とされたフェムトセルは周知技術である。一方、引用発明の「基地局(BS)のようなロケーションノード」については、引用例1に、「ロケーションノードの特定の例には、さまざまなSPSの衛星、CDMAワイヤレス通信システムの基地局とともに他のシステムの送信エンティティとが含まれている。他のシステムには、移動体通信(GSM)のためのグローバルシステム、ブルートゥース(登録商標)、WI-FI(例えば、ワイヤレスアクセスポイント)、無線周波数識別(RFID)、デジタルテレビ、または情報を使用して送信ロケーションノードのロケーションを決定できる信号を送信できる他の何らかのシステムとが含まれている。」(上記(2)ア(ア)b【0012】)及び「一方のロケーションノードは、WI-FIネットワークのワイヤレスアクセスポイントであってもよい。」(上記(2)ア(ア)c【0018】)と記載されているとおり、種々の形態の基地局が採用できるものであるから、引用発明において、「基地局(BS)のようなロケーションノード」に、前記周知技術を用いて移動可能なフェムトセルを採用することは、当業者が適宜なし得たことである。
そして、一般に、無線通信のネットワークにおいて、基地局に測位装置を備えることにより、該基地局が移動させられた場合にあっても、該基地局自体によりその位置の情報を取得できるようにすることも、例えば周知例3(上記(2)ウ(イ))、周知例4(上記(2)エ(イ))に示されているように、周知技術である。
したがって、引用発明において、「基地局(BS)」を移動可能なフェムトセルとし、「送信BSを位置付けするために使用できる情報としての基地局の緯度及び基地局の経度」を当該フェムトセルが取得するようにして、本件補正発明の上記相違点1及び2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(イ)次に、相違点3について検討するに、引用発明において、「PDE」から「MSに」伝送されるメッセージということができる、「計算されたポジション推定値」は、「より正確なポジション決定計算に対するベースとして」「使用」されるので、「GPS単独、CDMA通信システム単独、またはGPSとCDMA通信システムの双方とを利用しているハイブリッド方式とに基づく」「より正確なポジション決定計算」の「実行」、すなわち測位の実行に関し、それを支援する情報であるといえるから、相違点3は実質的な相違点ではない。
また、仮に相違点3が実質的な相違点であったとしても、一般に、無線通信ネットワークにおいて、位置決定のための支援情報として、基地局によって与えられる端末の概略位置を用いることは、例えば周知例5(上記(2)オ(イ))に示されているように、周知技術であるから、引用発明においても、「より正確なポジション決定計算」のための支援情報として、「計算されたポジション推定値」を用いるようにして、本件補正発明の上記相違点3に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

(ウ)そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(エ)したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 小括
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし30に係る発明は、補正1により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし30に記載された事項により特定されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(1)に記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、本願の請求項1ないし30に係る発明は、優先日前に頒布された刊行物である引用例1等に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない、というものである。

3 引用例
引用例1及び周知例2ないし5並びにそれらの記載事項は、上記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
上記第2[理由]2において検討したとおり、本件補正発明は、本願発明を特定するために必要な事項について限定を付加したものと認められるところ、本願発明の発明特定事項を全て含みさらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]3(3)に記載したとおり、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-03-02 
結審通知日 2017-03-06 
審決日 2017-03-21 
出願番号 特願2014-124235(P2014-124235)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01S)
P 1 8・ 121- Z (G01S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 説志  
特許庁審判長 酒井 伸芳
特許庁審判官 須原 宏光
大和田 有軌
発明の名称 フェムトセル識別子および場所を用いる、フェムトセルがサーブする無線機器の測位  
代理人 黒田 晋平  
代理人 村山 靖彦  
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