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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1331142
審判番号 不服2016-15904  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-25 
確定日 2017-08-29 
事件の表示 特願2014- 10686号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月30日出願公開、特開2015-136543号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年1月23日の出願であって、平成27年4月23日付けで拒絶理由通知がされ、平成27年6月26日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成27年12月18日付けで最後の拒絶理由通知がされ、平成28年2月18日付けで意見書が提出され、平成28年6月20日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、平成28年10月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、平成29年4月11日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、平成29年6月16日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定(平成28年6月20日付け拒絶査定)の概要
本願請求項1に係る発明は、以下の引用例A-Eに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用例A.特開2013-34683号公報
引用例B.特開2013-52130号公報
引用例C.特開2004-73457号公報
引用例D.特開2006-51193号公報
引用例E.特開2004-129984号公報

第3 当審拒絶理由の概要
本願請求項1に係る発明は、以下の引用例1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用例1.特開2004-73457号公報 (拒絶査定時の引用例C)
引用例2.「【高画質】CR地獄少女 理想的な当たり方」,インターネット,2013年2月5日掲載(2017年4月6日検索),<URL:https://www.youtube.com/watch?v=gWZO-RLmbWw>
(当審において新たに引用した発明)

第4 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年6月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である(A?Nは、本願発明を分説するため当審で付した。)。

「【請求項1】
A 遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段と、
B 前記抽選手段による抽選結果に関する演出を所定の演出態様に従って実行させる演出制御手段と、
C 前記演出態様を複数の中から選択する演出態様選択手段と、
D 所定の操作有効期間中に操作が有効となる操作手段とを備え、
E 前記演出制御手段は、画像表示手段による画像表示を制御する画像表示制御手段を含む
遊技機において、
F 複数の前記演出態様のうちの特定演出態様は、その開始から終了までの演出期間が、前記抽選結果に対応する報知画像を前記画像表示手段により表示する結果報知期間と、その結果報知期間よりも前に設けられ且つ前記報知画像へと続く動画像よりなる報知前画像を前記画像表示手段により表示する報知前表示期間と、前記報知前表示期間と前記結果報知期間との間の待機期間とを備え、
G 前記待機期間中は、前記報知前表示期間中に表示される前記報知前画像の少なくとも特定部分の変化が略停止する待機画像を前記画像表示手段により表示し、
H 前記待機画像の前記特定部分は、遊技者に利益が付与されるように定められた当たり候補画像と遊技者に利益が付与されないように定められた外れ候補画像との両画像を含み、
I 前記特定演出態様は第1演出態様と第2演出態様とを含み、
J 前記演出態様選択手段が前記第1演出態様を選択した場合よりも前記第2演出態様を選択した場合の方が前記利益が付与される可能性が高くなるように構成し、
K 前記報知前表示期間に、その報知前表示期間の終了と同時に終了するアオリ期間を設け、
L 前記待機期間については前記第1演出態様よりも前記第2演出態様の方が長い時間に設定し、
M 前記第2演出態様は、前記待機期間の少なくとも一部を前記操作有効期間とする操作演出態様を含み、
N 前記操作演出態様では、前記操作有効期間中に前記操作手段が操作された時点で前記結果報知期間を開始させ、該結果報知期間中に前記画像表示手段により前記報知画像を表示する
ことを特徴とする遊技機。」

第5 引用例
1.引用例1
平成29年4月11日付けの拒絶の理由に引用された引用例1(特開2004-73457号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(1-a) 「【0024】
まず、CR式第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図2はパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2が着脱可能に取り付けられる遊技機用枠3とで構成される。遊技盤2の前面には遊技領域4が形成されている。なお、遊技機1の前面側の下部右側には、打球を発射するハンドル5が設けられている。」

(1-b) 「【0031】
遊技制御部30は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM31、ワークメモリとして使用されるRAM32、プログラムに従って制御動作を行うCPU33及びI/Oポート部34を含む。なお、CPU33はROM31に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU33が実行する(又は、処理を行う)ということは、CPU33がプログラムに従って制御を実行することをいう。このことは、主基板30以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、図示はしないが、遊技制御部30は、入力部52からの信号入力を受け付けるスイッチ回路と、出力部53に向けて駆動信号の出力を行うソレノイド回路とを備えている。なお、遊技制御部30は、遊技に用いられる各種の乱数を生成する機能、演出制御部100や払出制御部40に制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等の各種の機能を有している。」

(1-c) 「【0034】
図4に示すように、演出制御部100は、可変表示装置6や普通図柄表示装置14等の表示に関する制御を行う表示制御部80と、スピーカ20L,20R等の音に関する制御を行う音制御部70と、天枠ランプ21a等の発光体に関する制御を行うランプ制御部60とを備えている。演出制御部100は、遊技制御部30からの制御コマンドに基づいて、特別図柄を可変表示する可変表示装置6及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示装置14の表示制御、音声出力制御、ランプ表示制御をそれぞれ実行する。」

(1-d) 「【0040】
図5は、演出制御基板100の回路構成を示すブロック図である。演出制御基板100は、表示制御部80と、音制御部70と、ランプ制御部60と、各制御部60,70,80の制御を行う演出制御用CPU101と、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM102と、ワークメモリとして使用されるRAM103とを備えている。なお、図示はしないが、演出制御基板100には、演出制御コマンドの受信に用いられるコマンド受信回路が設けられている。」

(1-e) 「【0072】
図8は、CPU33が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図7のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)及び入賞確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS301?S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
・・・
【0075】
停止図柄設定処理(ステップS302):始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動入賞記憶数=n-1に対応する乱数値格納エリアに格納する。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値(大当り判定用乱数の値等)に基づいて、大当り、ハズレ、リーチとするか等を判定し、その判定結果や可変表示開始時の制御状態等に基づいて、左中右図柄の停止図柄を決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0076】
変動パターン設定処理(ステップS303):停止図柄設定処理にて決定された停止図柄や変動パターン決定用乱数の値に基づいて、図柄の変動パターンを決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0077】
全図柄変動処理(ステップS304):可変表示装置6において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、演出制御基板100に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報(演出制御コマンド)とが送信される。具体的には、遊技制御手段は、可変表示を開始させるときに、変動パターン指定の演出制御コマンドを送信し、続いて、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドを送信する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。」

(1-f) 「【0086】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、演出制御基板100で用いられる各種の乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出制御用CPU101は、遊技演出装置25A,25B,25Cによる演出を行う場合に、可動役物制御部100が備える図示しないソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS707)。遊技演出装置25A,25B,25Cを動作させるために、可動役物制御部100が備える図示しないソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド25a,25b,25cを駆動する。その後、ステップS702のタイマ割込みフラグの確認を行う処理に戻る。
・・・
【0089】
図10は、図9に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800?S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0090】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理にて、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターン受信フラグがセットされていれば、表示制御プロセスフラグの値をリーチ予告処理に対応した値にする。
・・・
【0092】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
・・・
【0098】
図11に示すプロセスデータは、演出制御基板100におけるROMに格納されており、全図柄変動開始処理(ステップS802)にて、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6、ランプ・LED24及びスピーカ20L,20Rの制御が開始され、図柄変動中処理(ステップS803)にて、制御実行データに応じた制御が順次実行される。なお、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。」

(1-g) 「【0231】
図36は、フェードイン表示、合成画像による演出、1つの画像にもとづく静止表示による演出表示、フェードアウト表示の一連の動画像演出を動画像表示領域にて実行しているときの動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、特別図柄表示領域にてリーチ表示がなされたあとのリーチ演出において、合成画像による動画像によって演出表示が実行される場合を例に説明する。
【0232】
この例では、特別図柄の可変表示演出において、左右図柄が例えば「7」で揃ってリーチとなり、その後に変動表示されている中図柄が低速変動となって、中図柄の停止位置に「5」が近づいてきたときに動画像によるリーチ演出が開始されるものとする。また、この例では、動画像によるリーチ演出が終了したあと、大当り表示がなされるものとする。
・・・
【0234】
この例では、特別図柄表示領域にて、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、最終停止図柄である中図柄が低速変動され、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに(図36(A))、動画像データに基づく動画像演出が開始される。動画像演出が開始されると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されていた特別図柄の画像(図36(A))から、一旦所定の中間画像(例えば単色の背景画像)が表示されたあと、フェードイン表示によって動画像演出における最初の画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最初の画像として、例えば図36(B)に示すような「5」を模したキャラクタ画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図36(A)に示すようなリーチ表示中に低速変動されてきた中図柄の「5」を示す画像が、中間画像を挟んで図36(B)に示すような「5」を模したキャラクタを示す画像に切り替えられる。この図36(B)に示す画像は、フェードイン処理によって徐々に出現してくるように表示される。
・・・
【0236】
「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現すると、画面に表示されている各キャラクタが動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD6に表示され、LCD6にて動画像演出が実行される。この例では、「5」を模したキャラクタが前面側に移動して行き、やがては動画像表示領域から消失していくような動画像が表示され、図36(D)に示すように、「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像が表示される。図36(D)に示す合成画像では、「6」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の前面側に合成される合成実行画像として用いられ、「7」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の中間に合成される合成実行画像として用いられている。なお、前後方向の背面側に合成される合成実行画像は、例えば単一色の背景画像であるようにすればよい。
【0237】
この例では、図36(D)に示す合成画像にもとづく静止表示が実行される。すなわち、図36(D)に示す合成画像を繰り返し表示することで、図36(D)に示す合成画像が所定期間静止しているかのような表示がなされる。
・・・
【0239】
上記のように、「6」を模したキャラクタが動画像表示領域から完全に消失し、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置(例えば特別図柄表示領域における図柄停止位置)に移動していくような映像が動画再生され、動画像演出において、最終的に、図36(E)に示すような、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示される。
【0240】
動画像によるリーチ演出が終了すると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されている動画像演出における最後の画像(例えば図36(E)に示す画像)を用いてフェードアウト表示がなされ、中間画像を介して所定の特別図柄を示す画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最後の画像から切り替えられる特別図柄を示す画像として、例えば図36(F)に示すような「7」の中図柄を示す画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図36(E)に示すような「7」を模したキャラクタの画像がフェードアウト処理によって徐々に消失していく表示がなされたあと、所定の中間画像を表示され、その後に図36(F)に示すような仮停止状態の中図柄としての「7」を示す画像に切り替えられる。そして、この例では、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。その後、大当り遊技に移行する。」

上記(1-a)?(1-g)の記載事項から、以下(1-h)?(1-i)の事項が導かれる。

(1-h)上記記載事項(1-b)より、「遊技制御部30は」、「プログラムに従って制御動作を行うCPU33」「を含む」(段落【0031】)ものであり、上記記載事項(1-e)より、「CPU33が実行する特別図柄プロセス処理のプログラム」(段落【0072】)において、「大当り、ハズレ、リーチとするか等を判定」(段落【0075】)し、「図柄の変動パターンを決定」(段落【0076】)し、「演出制御基板100に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報(演出制御コマンド)とが送信される」(段落【0077】)から、遊技制御部30は、大当たり、ハズレ、リーチとするか等を判定し、演出制御基板100に対して演出制御コマンドを送信するものといえる。

(1-i)上記記載事項(1-d)より、「演出制御基板100は」、「演出制御用CPU101」「を備えて」(段落【0040】)おり、上記記載事項(1-f)より、「演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析」し、「次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行」(段落【0086】)い、演出制御プロセス処理において、「変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認」(段落【0090】)し、「使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6、ランプ・LED24及びスピーカ20L,20Rの制御が開始され、図柄変動中処理(ステップS803)にて、制御実行データに応じた制御が順次実行される」(段落【0098】)から、演出制御基板100は、受信した演出制御コマンドを解析し、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行うものといえる。

(1-j)上記記載事項(1-g)には、「また、この例では、動画像によるリーチ演出が終了したあと、大当り表示がなされるものとする。」(段落【0232】)と記載されており、また、この演出においては、「左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ」、「特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに(図36(A))、動画像データに基づく動画像演出が開始され」(段落【0234】)、「「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現すると、画面に表示されている各キャラクタが動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD6に表示され、」「図36(D)に示すように、「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像が表示され」(段落【0236】)、また、「この例では、図36(D)に示す合成画像にもとづく静止表示が実行され」(段落【0237】)、「「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示され」(段落【0239】)、「左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。」(段落【0240】)から、引用例1には、動画像によるリーチ演出が終了した後、大当たり表示がなされる特別図柄の可変表示演出において、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに、動画像データに基づく動画像演出が開始され、「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現し、各種の動作を行うような動画像が表示され、「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示され、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる点が記載されているといえる。
さらに、上記記載事項(1-f)には「左中右図柄の変動が開始されるように制御」(段落【0092】)と記載されており、動画像によるリーチ演出が終了した後、大当たり表示がなされる特別図柄の可変表示演出においても、左中右図柄の変動が開始され、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされることは、明らかである。

以上、(1-a)?(1-g)の記載事項及び(1-h)?(1-j)の認定事項から、上記引用例1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。(a?kは、本願発明のA?Kに対応させて付した。)

「a 大当たり、ハズレ、リーチとするか等を判定し、演出制御基板100に対して演出制御コマンドを送信する遊技制御部30と、(認定事項(1-h))
bc 受信した演出制御コマンドを解析し、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行う演出制御基板100とを備え、(認定事項(1-i))
e 演出制御基板100は、可変表示装置6の表示に関する制御を行う表示制御部80を備えるパチンコ遊技機1において、(段落【0024】、【0034】)
fghk 動画像によるリーチ演出が終了した後、大当たり表示がなされる特別図柄の可変表示演出において、左中右図柄の変動が開始され、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに、動画像データに基づく動画像演出が開始され、「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現し、各種の動作を行うような動画像が表示され、「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示され、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる、(認定事項(1-j))
パチンコ遊技機1。」

2.引用例2
平成29年4月11日付けの拒絶の理由に引用された引用例2(【高画質】CR地獄少女 理想的な当たり方」,インターネット,2013年2月5日掲載(2017年4月6日検索),<URL:https://www.youtube.com/watch?v=gWZO-RLmbWw>)には、次の事項が開示されている。

(2-a)動画における2分50秒?2分55秒に、文字「五」と文字「怨」の画像が交互に表示される点が開示されている。

(2-b)動画における2分56秒頃に、文字「五」と文字「怨」の画像が重なった画像、及び、文字「押」、ボタンの画像が、変化が略停止した状態で表示される点が開示されている。

(2-c)動画における3分00秒頃に、文字「五」が3つ並んだ画像が右下に表示される点が開示されている。

以上、(2-a)?(2-c)の事項から、上記引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が開示されていると認められる。

「文字「五」と文字「怨」の画像が交互に表示され(2分50秒?2分55秒)、文字「五」と文字「怨」の画像が重なった画像、及び、文字「押」、ボタンの画像が、変化が略停止した状態で表示され(2分56秒頃)、文字「五」が3つ並んだ画像が右下に表示される(3分00秒)遊技機。」

第6 対比・判断
1.対比
本願発明と引用発明1とを対比する(下記の(a)?(k)は、引用発明1の構成に対応している。)。

(a)引用発明1における「大当たり、ハズレ、リーチとするか等を判定」することは、本願発明の「遊技者に利益を付与するか否かを抽選する」ことに相当する。
よって、引用発明1における「大当たり、ハズレ、リーチとするか等を判定し、演出制御基板100に対して演出制御コマンドを送信する遊技制御部30」は、本願発明における「遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段」に相当する。

(b)引用発明1において、「使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づ」いて制御される際の「可変表示装置6」における表示態様は、本願発明の「所定の演出態様」に相当し、引用発明1において、「使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行う」ことは、本願発明における「演出を所定の演出態様に従って実行させる」ことに相当する
また、引用発明1において、「演出制御コマンド」は、「遊技制御部30」が「大当たり、ハズレ、リーチとするか等を判定し、演出制御基板100に対して」「送信する」(構成a)ものであるから、「演出制御コマンド」は、本願発明における「前記抽選手段による抽選結果」に関する情報を含むものといえる。よって、引用発明1における「受信した演出制御コマンドを解析し、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行う」ことは、本願発明の「前記抽選手段による抽選結果に関する演出を所定の演出態様に従って実行させる」ことに相当する。
そうすると、引用発明1における「受信した演出制御コマンドを解析し、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行う演出制御基板100」は、本願発明における「前記抽選手段による抽選結果に関する演出を所定の演出態様に従って実行させる演出制御手段」に相当する。

(c)引用発明1における「演出制御基板100」は、「使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行う」ものであるから、演出態様を示す「プロセスデータ」が設定された複数の「変動パターンテーブル」から「使用テーブルとして選択」するための演出態様選択手段としての機能を有していることは、当業者にとって自明である。
よって、引用発明1における「受信した演出制御コマンドを解析し、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6の制御を行う演出制御基板100」は、本願発明における「前記演出態様を複数の中から選択する演出態様選択手段」としての機能を有しているといえる。

(e)引用発明1における「可変表示装置6」は、本願発明の「画像表示手段」に相当し、引用発明1における「可変表示装置6の表示に関する制御を行う表示制御部80」は、本願発明の「画像表示手段による画像表示を制御する画像表示制御手段」に相当する。
よって、引用発明1において、「演出制御基板100は、可変表示装置6の表示に関する制御を行う表示制御部80を備える」ことは、本願発明における「前記演出制御手段は、画像表示手段による画像表示を制御する画像表示制御手段を含む」ことに相当する。
また、 引用発明1における「パチンコ遊技機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。

(f)引用発明1における「動画像によるリーチ演出が終了した後、大当たり表示がなされる特別図柄の可変表示演出」が、「使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づ」いて「可変表示装置6の制御」が行われる際の「可変表示装置6」における表示態様(構成b)の一つであることは明らかであるから、引用発明1における「動画像によるリーチ演出が終了した後、大当たり表示がなされる特別図柄の可変表示演出」は、本願発明の「複数の前記演出態様のうちの特定演出態様」に相当する。
引用発明1において、「左中右図柄の変動が開始され」てから「左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる」までの期間が、本願発明における「その開始から終了までの演出期間」に相当する。
引用発明1において、「「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示され」てから、「左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる、」までの期間は、左中右図柄が「7」となったことが認識できる期間であるから、本願発明の「結果報知期間」に相当し、当該期間に表示される、「「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像」を含む画像は、本願発明の「報知画像」に相当する。
引用発明1において、「左中右図柄の変動が開始され」てから、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」る前までの期間は、本願発明の「報知前表示期間」に相当する。また、当該期間に表示される、「左中右図柄の変動」を表示する動画像及び「「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現し、各種の動作を行うような動画像」を含む「動画像データに基づく動画像演出」は、それぞれ、「左中右図柄が「7」で確定表示され」る画像、及び、「「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像」へと続くものであるから、本願発明の「前記報知画像へと続く動画像よりなる報知前画像」に相当する。
また、引用発明1における、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」る期間は、本願発明の「待機期間」に相当する。
そうすると、引用発明1において、「動画像によるリーチ演出が終了した後、大当たり表示がなされる特別図柄の可変表示演出において、左中右図柄の変動が開始され、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに、動画像データに基づく動画像演出が開始され、「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現し、各種の動作を行うような動画像が表示され、「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示され、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる」ことは、本願発明の「複数の前記演出態様のうちの特定演出態様は、その開始から終了までの演出期間が、前記抽選結果に対応する報知画像を前記画像表示手段により表示する結果報知期間と、その結果報知期間よりも前に設けられ且つ前記報知画像へと続く動画像よりなる報知前画像を前記画像表示手段により表示する報知前表示期間と、前記報知前表示期間と前記結果報知期間との間の待機期間とを備え」ることに相当する。

(g)引用発明1において、「静止表示が実行」される、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像」における、静止表示されている「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタ」を含む部分は本願発明の「特定部分」に相当し、引用発明において、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像」は、本願発明の「前記報知前表示期間中に表示される前記報知前画像の少なくとも特定部分の変化が略停止する待機画像」に相当する。
よって、引用発明1における「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」ることは、本願発明における「前記待機期間中は、前記報知前表示期間中に表示される前記報知前画像の少なくとも特定部分の変化が略停止する待機画像を前記画像表示手段により表示」することに相当する。

(h)引用発明1において、「「6」を模したキャラクタ」の画像、及び、「「7」を模したキャラクタ」の画像は、それぞれ、本願発明の「遊技者に利益が付与されないように定められた外れ候補画像」、及び、「遊技者に利益が付与されるように定められた当たり候補画像」に相当する。
よって、引用発明1は、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」ることから、本願発明と同様に「前記待機画像の前記特定部分は、遊技者に利益が付与されるように定められた当たり候補画像と遊技者に利益が付与されないように定められた外れ候補画像との両画像を含」むといえる。

(k)引用発明1において、「動画像データに基づく動画像演出」が行われる期間、すなわち、「「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現し、各種の動作を行うような動画像が表示され」る期間は、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」る際には終了しているといえるから、「報知前表示期間の終了と同時に終了するアオリ期間」に相当する。
さらに、引用発明1の「動画像データに基づく動画像演出」は、「左中右図柄の変動が開始され、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに」開始され、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」る際には終了しているから、引用発明1の「動画像データに基づく動画像演出」が行われる期間は、「左中右図柄の変動が開始され」てから、「「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像にもとづく静止表示が実行され」る前までの期間(本願発明の「報知前表示期間」に相当)に設けられたものといえる。
よって、引用発明1は、「特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに、動画像データに基づく動画像演出が開始され」ることから、本願発明と同様に「前記報知前表示期間に、その報知前表示期間の終了と同時に終了するアオリ期間を設け」たものといえる。

したがって、本願発明と引用発明1とは、

「A 遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段と、
B 前記抽選手段による抽選結果に関する演出を所定の演出態様に従って実行させる演出制御手段と、
C 前記演出態様を複数の中から選択する演出態様選択手段と、
E 前記演出制御手段は、画像表示手段による画像表示を制御する画像表示制御手段を含む
遊技機において、
F 複数の前記演出態様のうちの特定演出態様は、その開始から終了までの演出期間が、前記抽選結果に対応する報知画像を前記画像表示手段により表示する結果報知期間と、その結果報知期間よりも前に設けられ且つ前記報知画像へと続く動画像よりなる報知前画像を前記画像表示手段により表示する報知前表示期間と、前記報知前表示期間と前記結果報知期間との間の待機期間とを備え、
G 前記待機期間中は、前記報知前表示期間中に表示される前記報知前画像の少なくとも特定部分の変化が略停止する待機画像を前記画像表示手段により表示し、
H 前記待機画像の前記特定部分は、遊技者に利益が付与されるように定められた当たり候補画像と遊技者に利益が付与されないように定められた外れ候補画像との両画像を含み、
K 前記報知前表示期間に、その報知前表示期間の終了と同時に終了するアオリ期間を設ける、
ことを特徴とする遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)本願発明は、所定の操作有効期間中に操作が有効となる操作手段とを備え(構成D)、特定演出態様は第1演出態様と第2演出態様とを含み(構成I)、演出態様選択手段が第1演出態様を選択した場合よりも第2演出態様を選択した場合の方が利益が付与される可能性が高くなるように構成し(構成J)、待機期間については第1演出態様よりも第2演出態様の方が長い時間に設定し(構成L)、第2演出態様は、待機期間の少なくとも一部を操作有効期間とする操作演出態様を含み(構成M)、操作演出態様では、操作有効期間中に操作手段が操作された時点で結果報知期間を開始させ、該結果報知期間中に画像表示手段により報知画像を表示する(構成N)のに対し、引用発明1は、そのように特定されていない点。

2.相違点についての判断
上記相違点について検討する。
引用発明2における、文字「五」と文字「怨」の画像が重なった画像、及び、文字「押」、ボタンの画像が変化が略停止した状態で表示される期間は「待機期間」といえ、引用発明2における文字「五」の画像は「当たり候補画像」といえる。また、引用発明2における文字「五」が3つ並んだ画像は、「報知画像」といえ、当該画像が表示されている期間は「結果報知期間」といえる。
また、引用発明2において、遊技機が所定の操作有効期間中に操作が有効となる操作手段を有しており、文字「押」及びボタンの画像が表示されている期間が当該操作手段の操作が有効となる「操作有効期間」となり、操作有効期間中に操作手段が操作されることにより文字「五」が3つ並んだ画像の表示が行われることは、当業者にとって自明である。さらに、文字「押」及びボタンの画像が表示されている操作有効期間は、変化が略停止した状態で表示される期間であるから、待機期間の少なくとも一部が操作有効期間となっているといえる。
よって、引用発明2は、本願発明の用語を用いて表現すると、所定の操作有効期間中に操作が有効となる操作手段を備え、当たり候補画像を含む部分が略停止する待機期間の少なくとも一部を操作有効期間とし、操作有効期間中に操作手段が操作された時点で結果報知期間を開始させるものといえる。
そして、引用発明1と引用発明2は、共に、報知画像が表示される結果報知期間の前に、当たり候補画像を含む部分が略停止する待機期間を備える点で共通するので、引用発明1において、引用発明2の構成を適用し、所定の操作有効期間中に操作が有効となる操作手段を設け(構成D)、待機期間の一部に操作有効期間を設け、操作有効期間中に操作手段が操作された時点で結果報知期間を開始させ、該結果報知期間中に画像表示手段により報知画像を表示する(構成N)構成を導くことは可能である。
しかしながら、引用例1、引用例2には、第1演出態様と、より利益が付与される可能性が高い第2演出態様とを設け、待機期間については第1演出態様よりも第2演出態様の方が長い時間に設定し、当該第2演出態様において操作有効期間を設ける事項は開示されていないし、当該事項は、本願出願前における周知技術でもないから、引用発明1において、さらに第1演出態様とより利益が付与される可能性が高い第2演出態様とを設け(構成I、J)、待機期間については第1演出態様よりも第2演出態様の方が長い時間に設定し(構成L)、第2演出態様において待機期間の一部に操作有効期間を設け(構成M)、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たこととはいえない。

したがって、本願発明は、当業者であっても引用発明1、引用発明2に基づいて容易に発明できたものではない。

第7 原査定についての判断
平成29年6月16日付けの補正により、補正後の請求項1は、「前記特定演出態様は第1演出態様と第2演出態様とを含み」(構成I)、「前記演出態様選択手段が前記第1演出態様を選択した場合よりも前記第2演出態様を選択した場合の方が前記利益が付与される可能性が高くなるように構成し」(構成J)、「前記待機期間については前記第1演出態様よりも前記第2演出態様の方が長い時間に設定し」(構成L)、「前記第2演出態様は、前記待機期間の少なくとも一部を前記操作有効期間とする操作演出態様を含」む(構成M)という技術的事項を有するものとなった。そして、当該「前記特定演出態様は第1演出態様と第2演出態様とを含み」、「前記演出態様選択手段が前記第1演出態様を選択した場合よりも前記第2演出態様を選択した場合の方が前記利益が付与される可能性が高くなるように構成し」、「前記待機期間については前記第1演出態様よりも前記第2演出態様の方が長い時間に設定し」、「前記第2演出態様は、前記待機期間の少なくとも一部を前記操作有効期間とする操作演出態様を含」むという技術的事項は、原査定における引用例A?Eには記載されておらず、また、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明は、当業者であっても、原査定における引用例A?Eに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-08-15 
出願番号 特願2014-10686(P2014-10686)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 洋行眞壁 隆一  
特許庁審判長 服部 和男
特許庁審判官 萩田 裕介
平城 俊雅
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人谷藤特許事務所  

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