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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1331220
異議申立番号 異議2017-700504  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-23 
確定日 2017-07-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第6031292号発明「プローブカードへの基板当接方法」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。 
結論 特許第6031292号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6031292号の請求項1ないし8に係る特許についての出願は,平成24年7月31日に特許出願され,平成28年10月28日にその特許権の設定登録がされ,その後,その特許に対し,特許異議申立人佐藤桂子により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件特許発明

特許第6031292号の請求項1ないし8の特許に係る発明は,それぞれ,その特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される,次のとおりのものである。

「【請求項1】
基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する基板検査装置のプローブカードに前記基板を当接するプローブカードへの基板当接方法において,
板状部材に載置された基板を前記板状部材とともに,前記プローブカードに向かって移動させて前記基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極を前記プローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接させた後,前記基板を前記板状部材とともに,さらに前記プローブカードに向かって所定量移動させる当接工程と,
前記基板が前記板状部材とともにさらに前記プローブカードに向かって前記所定量移動した後に前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接状態を保持する保持工程と,を有し,
前記保持工程における前記空間の減圧圧力は,前記基板及び前記板状部材の自重と,前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接反力との合計に耐えうる当接力が得られる圧力に調整されることを特徴とするプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明1」という。)
「【請求項2】
前記基板を,前記板状部材を介してチャック部材に載置して前記プローカードと対向する位置まで搬送する搬送工程と,
前記保持工程後,前記チャック部材を前記板状部材から切り離す脱離工程と,をさらに有することを特徴とする請求項1記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明2」という。)
「【請求項3】
前記当接工程における所定量は,10?150μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明3」という。)
「【請求項4】
前記保持工程において,前記空間の圧力を段階的に減圧することを特徴とする請求項3記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明4」という。)
「【請求項5】
前記板状部材の周囲には,該板状部材と前記プローブカードとの間の空間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明5」という。)
「【請求項6】
前記脱離工程後のチャック部材は,前記プローブカードとは別のプローブカードに対応する位置まで移動して前記基板とは別の基板に形成された半導体デバイスの電気的特性の検査に用いられることを特徴とする請求項2記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明6」という。)
「【請求項7】
前記保持工程において,前記チャック部材の上面と前記プローブカードの取り付け面又は前記チャック部材の上面と前記プローブカードの下面との間の距離を検出する距離検出センサの検出値に基づいて前記空間内の圧力を調整することを特徴とする請求項2又は6記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下,「本件特許発明7」という。)
「【請求項8】
前記脱離工程後,前記空間を更に減圧して前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接圧力を高くする減圧工程を有することを特徴とする請求項2,6及び7のいずれか1項に記載のプローブカードへの基板当接方法。」(以下「本件特許発明8」という。)

第3 申立理由の概要

特許異議申立人佐藤桂子は,主たる証拠として国際公開2012/026036号(以下,「甲第1号証」という。)を,及び,従たる証拠として,特開2011-91262号公報(以下,「甲第2号証」という。),特開平8-5666号公報(以下,「甲第3号証」という。),特開平7-74219号公報(以下,「甲第4号証」という。),特開2009-276215号公報(以下,「甲第5号証」という。)を提出し,本件特許の請求項1ないし8に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから,請求項1ないし8に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

第4 甲第1号証ないし甲第5号証について

1 甲第1号証
(1)甲第1号証の記載事項 (当審注。下線は当審において付加した。以下,同じ。)
ア「[0001]本発明は,半導体ウェハに形成された集積回路素子等の被試験電子部品(以下,DUT(Device Under Test)とも称する。)を,プローブカードを用いて試験する半導体ウェハの試験方法,並びに,その試験に用いられる半導体ウェハ搬送装置及び半導体ウェハ試験装置に関する。」

イ「[0006]上記の構造では,チャックを介して半導体ウェハをプローブカードに押し付けるため,当該チャックやプローブカードの剛性を高めておく必要があり,高コスト化を招来するという問題がある。半導体ウェハに形成された全てのDUTにプローブカードを同時に接触させる一括コンタクト方式を採用する場合には,この問題は特に顕著である。
[0007]本発明が解決しようとする課題は,低コスト化を図ることが可能な半導体ウェハの試験方法,半導体ウェハ搬送装置,及び半導体ウェハ試験装置を提供することである。」

ウ「[0056]半導体ウェハをプローブカードに下方から単に押し付ける従来の押圧方式のウェハプローバでは,チャックやステージ,プローブカードのスティフナの剛性を高めておく必要がある。これに対し,本実施形態では,減圧によって半導体ウェハ100とプローブカード21とを電気的に接触させるので,従来の押圧式のプローバのチャックと比較して,チャック33,ステージ32,或いはプローブカード21のスティフナの剛性を低くすることができ,半導体ウェハ試験装置1の低コスト化を図ることができる。」

エ「[0060]本実施形態における半導体ウェハ試験装置1Bは,図8に示すように,テストヘッド10と,インタフェース組立体20と,ウェハプローバ30Bと,を備えている。テストヘッド10及びインタフェース組立体20の構成は,第1実施形態と同様であるので,同一の符号を付して説明を省略する。
[0061]本実施形態におけるウェハプローバ30Bは,(1)チャック33に代えてウェハトレイ50がステージ60に取り付けられており,(2)ウェハトレイ50を着脱可能に保持する先端保持部61がステージ60に設けられており,さらに(3)ウェハトレイ50と当接するメカニカルストッパ70を備えている点で,第1実施形態と相違する。
[0062]本実施形態におけるウェハトレイ50は,第1実施形態で説明したチャック33と類似の構成を有しており,図9に示すように,半導体ウェハ100が載置される平坦な上面501を持つ略円板状の部材であり,ウェハトレイ50の上面501は半導体ウェハ100よりも大きな直径を有している。なお,本実施形態におけるウェハトレイ50が,本発明における保持部材の一例に相当する。
[0063]このウェハトレイ50の上面501には,半導体ウェハ100よりも小径の3つの環状溝502が同心円状に形成されている。これらの環状溝502は,ウェハトレイ50内に形成された吸着用通路503に連通している。この吸着用通路503は,吸着ポート504を介して第1の真空ポンプ(不図示)に接続されている。
[0064]従って,ウェハトレイ50の上面501に半導体ウェハ100を載置した状態で第1の真空ポンプによって吸引を行うと,環状溝502内に発生した負圧によって半導体ウェハ100がウェハトレイ50に吸着保持される。なお,環状溝502の形状や数は特に限定されない。
[0065]さらに,本実施形態では,ウェハトレイ50内に減圧用通路505が形成されている。この減圧用通路505は,上面501において最外側の環状溝502のさらに外側に位置する吸引孔506で開口している。この減圧用通路505は,減圧ポート507を介して,第2の真空ポンプ(不図示)に接続されている。本実施形態における第2の真空ポンプが,本発明における減圧手段の一例に相当する。
[0066]また,ウェハトレイ50の上面501の外周部近傍には,環状のシール部材51が設けられている。このシール部材51の具体例としては,例えばシリコーンゴムからなるパッキン等を例示することができる。ウェハトレイ50がプローブカード21に押し付けられると,このシール部材51によって,ウェハトレイ50の上面501とプローブカード21との間に密閉空間53(図15参照)が形成されるようになっている。特に,本実施形態のシール部材51は,第2のポンプの減圧後のウェハトレイ50の移動を十分に許容し得る程度のZ方向(図8)に沿った自由度(柔軟性)を有している。
[0067]さらに,ウェハトレイ50内には,上述のチャック33と同様に,冷却用通路508が形成されていると共にヒータ52及び温度センサ(不図示)が埋設されており,半導体ウェハ100の温度調節を行うことが可能となっている。
[0068]以上に説明したウェハトレイ50は,ステージ60によって着脱可能に保持されて移動することが可能となっている。こうしたウェハトレイ50を採用することで,例えば,複数のテストヘッドで一つのステージ60を共用して,テスト中の半導体ウェハ100をウェハトレイ50に保持させつつ,ステージ60は他の作業(他のウェハトレイ50の移動やアライメント等)を行うことができ,半導体ウェハ試験装置全体の稼働率向上を図ることができる。」

オ 「[0074]メカニカルストッパ70は,図12に示すように,モータ71,ボールねじ機構72,及び当接部材73を備えている。なお,本実施形態におけるメカニカルストッパ70が,本発明における当接手段の一例に相当する。
[0075]モータ71は,例えば,サーボモータ又はパルスモータから構成されており,ストロークを数値管理することが可能となっている。ボールねじ機構72は,モータ71の駆動軸に連結されており,モータ71が発生した回転駆動力をZ方向沿った直線駆動力に変換する。当接部材73は,ボールねじ機構に取り付けられており,ボールねじ機構72によって変換されたモータ71の駆動力によって,Z軸方向に移動することが可能となっている。
[0076]なお,モータ71及びボールねじ機構72に代えて,圧電素子(ピエゾ素子)を用いてもよい。
[0077]このメカニカルストッパ70は,ウェハプローバ30のヘッドプレート31において,プローブカード21が挿入される開口31aに周囲に取り付けられており,通常はモータ71が停止しており,当接部材73がウェハトレイ50の外周部に当接してストッパとして機能する。そして,後述するように,例えば半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212との電気的接触をトリガとして,モータ71が駆動して当接部材73が所定量(例えば100μm程度)後退するようになっている。」

カ「[0081]次に,以上に説明した半導体ウェハ試験装置1Bによる半導体ウェハ100の試験方法について,図14及び図15を参照しながら説明する。図14は本実施形態における半導体ウェハの試験方法を示すフローチャート,図15は図14のステップS22?S24を示す拡大断面図である。
[0082]先ず,図14のステップS21において,ウェハプローバ30Bのステージ60が,半導体ウェハ100を保持しているウェハトレイ50を,プローブカード21に対向する位置に移動させる。次いで,ウェハトレイ50のシール部材51がプローブカード21のカード基板211に密着するまで,ステージ60がウェハトレイ50を上昇させる。シール部材51がプローブカード21に密着してプローブカード21とウェハトレイ50との間に密閉空間53が形成されるまでウェハトレイ50を上昇させたら,ステージ60は停止する。
[0083]次いで,図14のステップS22において,図15に示すように,第2の真空ポンプを作動させて密閉空間53内を減圧する。
[0084]この際,同図に示すように,密閉空間53内の減圧に伴って生じる吸着力F_(P) が,プローブカード21が有する全てのプローブ針212に必要な押圧力F_(N)(例えば200?300[kgf](1.96×10^(3)[N]?2.94×10^(3)[N])程度)よりも若干強く(F_(P)>F_(N))なるように,第2の真空ポンプを制御する。
[0085]この減圧に伴って,半導体ウェハ100とプローブカード21とが接触すると,例えば,テストヘッド10が半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212との電気的な接触を検出する(ステップS23)。
[0086]なお,本実施形態では,半導体ウェハ100とプローブカード21とが接触したら,ステージ60は,他の作業(他のウェハトレイ50の移動やアライメント等)を行うために,ウェハトレイ50から離れて下降する。
[0087]次いで,図14のステップS24において,この検出をトリガとして,図15に示すように,メカニカルストッパ70のモータ71を駆動させて,当接部材73を所定量(例えば100μm)後退させる。
[0088]この際,上述のように,減圧による吸着力F_(P)が,プローブ針212の必要押圧力F_(N)よりも若干強くなっているので(F_(P)>F_(N)),当接部材73の後退に伴ってウェハトレイ50がプローブカード21にさらに接近する。この接近によって,プローブカード21のプローブ針212が半導体ウェハ100の電極110に食い込むので,プローブ針212と電極110とが確実に接触する。
[0089]次いで,図14のステップS25において,テストヘッド10がインタフェース組立体20を介して半導体ウェハ100のDUTに対して試験信号を入出力することで,DUTの試験が実行される。
[0090]以上のように,本実施形態では,減圧によって半導体ウェハ100とプローブカード21とを電気的に接触させるので,ウェハトレイ50,ステージ60,或いはプローブカード21のスティフナの剛性を低くすることができ,半導体ウェハ試験装置1Bの低コスト化を図ることができる。」

(2)甲第1号証に記載された発明

以上の前記アないしカの記載及び図面を総合すると,甲第1号証には,次の発明(以下,「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「半導体ウェハ100に形成された集積回路素子等の被試験電子部品を試験する半導体ウェハ試験装置のプローブカード21に前記半導体ウェハ100を当接するプローブカード21への半導体ウェハ当接方法において,
略円板上のウェハトレイ50に保持された半導体ウェハ100を,前記プローブカード21に対向する位置に移動させ,ウェハトレイ50を上昇させ,シール部材51がプローブカード21のカード基板211に密着して,プローブカード21とウェハトレイ50との間に密閉空間53を形成し,当該密閉空間53を減圧し,この減圧に伴って,半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212とを電気的に接触させ,当接部材73を所定量後退させることによって,ウェハトレイ50が半導体ウェハ100とともに,さらにプローブカード21に向かって所定量移動させ,前記半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212との電気的な当接状態を確実にする,半導体ウェハ当接方法。」

2 甲第2号証
(1)甲第2号証の記載事項
ア「【技術分野】
【0001】
本発明は,半導体ウエハ上に形成された複数の半導体装置(チップまたはダイ)の電気的な検査を行うプローバおよびプローブ検査方法に関し,特に可撓性プローブカードを使用可能にしたプローバおよびプローブ検査方法に関する。」

イ「【0024】
本発明は,1枚ずつプローブ検査する場合に,ウエハチャックのZ軸に大きな圧力を印加すること無しに,ウエハ上の全チップの同時プローブ検査が可能なプローバおよびプローブ検査方法の実現を目的とする。」

ウ「【0038】
図4に示すように,第1実施形態のプローバは可撓性プローブカードを装着可能に構成されている。可撓性プローブカード50は,フレキシブル基板51と,剛性を有するリング状部材52と,バンプ状のプローブ群53と,コンタクト電極群54と,を備え,図2および図3を参照して説明したのと類似の構成を有する。可撓性プローブカード50は,プローブカード保持部23に装着可能であり,テスタのコンタクトリング32の端子34が,コンタクト電極群54に接触される。図4では,リング状部材52をプローブカード保持部23に載置するように示しているが,可撓性プローブカードのプローブカード保持部23への取り付け方法は,各種の変形例が可能である。
【0039】
プローバのウエハチャック16には,シーリング機構が設けられる。シーリング機構は,ウエハチャック16に沿って移動可能なリング状移動部材56と,リング状移動部材56の上に設けられた弾性を有するリング状シール部材57と,を備える。第1実施形態のプローバは,さらに,空圧源61と,電空レギュレータ62と,センサ63と,を備える。リング状移動部材56に設けられた流路口は,電空レギュレータ62に接続されている。リング状シール部材57がフレキシブル基板51に接触してフレキシブル基板51とウエハチャック16の間に形成されるシールされた内部空間は,空圧源61および電空レギュレータ62により内部の圧力が変化可能,特に減圧状態および加圧状態にすることが可能なように構成されている。センサ63は,この内部空間の圧力を検出し,所定の値になっているか確認する。
【0040】
可撓性プローブカードは,プローブカード保持部23にあらかじめ装着されている。リング状移動部材56を下方に移動した状態で,ウエハWがウエハチャック16上にロードされ,真空吸着により固定される。前述のアライメント・針合わせ動作が行われ,ウエハWの電極パッドとプローブ群53との位置関係が検出される。検出した位置関係に基づいて,対応する電極パッドがプローブの直下に位置するように,ウエハチャック16を移動し,図4の(A)に示す状態になる。
【0041】
この状態で,ウエハチャック16が上昇すると,対応する電極パッドがプローブに接触するので,これを電気的に検出して,ウエハチャック16の上昇を停止する。次に,リング状移動部材56を上昇すると,リング状シール部材57がフレキシブル基板51に接触し,フレキシブル基板51とウエハチャック16の間にシールされた内部空間が形成される。そして電空レギュレータ62を動作させ,内部空間の圧力を低下させると,フレキシブル基板51には大気圧と減圧された内部空間の圧力の差圧が印加される。これにより,フレキシブル基板51はウエハWに押し付けられ,フレキシブル基板51のバンプ状プローブが電極パッドに押し当てられる。この時,フレキシブル基板51はリング状シール部材57にも押し付けられ,リング状シール部材57が変形して内部空間の密閉度はさらに向上する。
【0042】
バンプ状のプローブは,独立した突起が電極パッドに対応して配置されており,ウエハWに押し当てられた状態でも,隣接するプローブとの間は空間が形成される。このため,大気圧と内部空間の圧力差は,フレキシブル基板51の全面で一様に働くので,プローブは均一な接触圧で対応する電極パッドに接触する。」

エ「【0049】
図7は,第1実施形態のプローバを使用してウエハテストシステムにおける検査動作を示すフローチャートである。この検査動作は,可撓性プローブカード50があらかじめ装着されている状態で行う。非可撓性プローブカードを装着した場合は従来例と同じなので説明は省略する。また,図8は,この動作に伴うウエハチャックと可撓性プローブカード50の部分の状態の変化を示す図である。以下,図7および図8を参照して,第1実施形態のプローバを使用した検査動作を説明する。
【0050】
ステップ101では,ウエハチャック16上に検査するウエハをロードし固定する。
【0051】
ステップ102では,アライメントおよび針合わせ処理を行い,ウエハの電極パッドとプローブとの位置関係を検出し,検出した位置関係に基づいて,電極パッドが対応するプローブの下に位置するようにウエハチャック16を移動する。(図8の(A))
ステップ103では,ウエハチャック16を上昇して,電極パッドをプローブに接触(コンタクト)させる。(図8の(B))
ステップ104では,シリンダを動作させてシーリング機構を上昇させ,内部空間をシール(密閉)する。(図8の(C))
ステップ105では,密閉された内部空間を減圧する。この時,例えば,最初は緩やかな減圧速度で減圧し,フレキシブル基板51にある程度以上圧力がかかった状態で高い減圧速度にして所定の圧力まで減圧する。
【0052】
ステップ106では,テスタからウエハWの各チップに電源およびテスト信号を供給し,チップから出力される信号を検出して電気的な動作検査を行う。
【0053】
ステップ107では,密閉された内部空間の減圧を解除,具体的には内部空間に大気圧を導入する。なお,この時に,大気圧を導入するだけではフレキシブル基板51からウエハWを離す時の抵抗が大きい場合があるので,内部空間に大気圧より若干高い圧力を導入するようにしてもよい。
【0054】
ステップ108では,シリンダを動作させてシーリング機構を降下させ,内部空間を開放する。(図8の(D))
ステップ109では,ウエハチャック16を降下する。(図8の(E))
ステップ110では,検査済ウエハWの固定を解除し,ウエハチャック16から検査済ウエハWをアンロードする。」

(2)甲第2号証に記載された発明
以上の前記アないしエの記載及び図面を総合すると,甲第2号証には,次の発明(以下,「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「ウエハチャック16が上昇し,対応する電極パッドがプローブに接触し,フレキシブル基板51とウエハチャック16の間にシールされた内部空間を形成し,内部空間の圧力を低下させ,フレキシブル基板51はウエハWに押し付けられ,フレキシブル基板51のバンプ状プローブが電極パッドに押し当てられるウエハWのプローブへのウエハ当接方法。」

3 甲第3号証
(1)甲第3号証の記載事項
ア「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,半導体ウェハ上に形成された複数の集積回路をウェハ状態で同時に検査する装置及び方法に関する。」

イ「【0051】
図1(a)は本発明の第1実施例に係る半導体ウェハ収納器の平面図であり,図1(b)は図1(a)におけるI-I線の断面図である。図1(a),(b)において,7は半導体ウェハ8を保持するセラミックからなる保持板,20は保持板7に形成され,外部から半導体ウェハ8を吸引して保持板7に密着させるための吸引孔,9はポリイミドからなるプローブシート,10はプローブシート9を固定するセラミックリング,11は厚さ0.5mm程度の異方性導電ゴムであって,該異方性導電ゴム11は主面と垂直な方向にのみ導通する。また,図1(a),(b)において,12はセラミックからなる配線基板,13はセラミックリング9と配線基板12とを固定する固定ねじ,14はプローブシート9上に形成されたプローブ端子としてのバンプである。
【0052】
バンプ14は,Niからなり,高さ20μm程度の半球状に形成され,Niの表面は厚さ1μmのAuにより覆われており,半導体ウェハ8の検査用の集積回路端子(図示せず)に接続される。バンプ14は異方性導電ゴム11を介して配線基板12内に形成された配線15に接続されており,配線15は外部コネクタ17に接続されている。16は配線基板12と保持板7とによって半導体ウェハ8及びプローブシート9を挟持する固定ねじであり,該固定ねじ16と異方性導電ゴム11とによって,バンプ14は半導体ウェハ8の集積回路端子に確実に接触され,バンプ14と集積回路端子との接触抵抗を下げることができる。」

ウ「【0072】
図6(a)は本発明の第6実施例に係る半導体ウェハ収納器の平面図であり,図6(b)は図6(a)におけるVI-VI線の断面図である。
【0073】
第6実施例が第1実施例と異なるのは,第1実施例においては,固定ねじ16によって配線基板12と保持板7とを接近させたが,第6実施例においては,配線基板12と保持板7との間に密封空間を形成し,該密封空間を減圧することによって配線基板12と保持板7とを接近させる点である。すなわち,保持板7の周縁部の上に,加圧されると弾性的に大きく収縮するリング状のシリコンゴム等よりなるシール材33を配置して,配線基板12と保持板7との間に密封空間を形成し,保持板7に設けられた開閉弁36により開閉される吸引孔38から前記密封空間を減圧するものである。
【0074】
第6実施例において,配線基板12,保持板7及びシール材33により囲まれる空間部を真空ポンプを用いて例えば200Torr以下に減圧する。半導体ウェハ8のサイズを例えば6インチとすると,大気圧は約760Torrであるので,大気と密封空間との圧力差により半導体ウェハ8上には少なくとも130kg以上の荷重が加わる。シール材33はシリコンゴム等よりなり収縮性が高いので,130kg以上の荷重の大部分はプローブシート9を介してバンプ14に均一に加わる。半導体ウェハ8上の集積回路端子の材料が例えばAlとすると1バンプ当り約10gの荷重によって0.5Ω以下で安定したバンプ14と集積回路端子間の接触抵抗を得ることができるので,10000箇所以上のバンプ14と集積回路端子との間の確実な接触が可能になる。前記の減圧状態を保持することにより,低抵抗で多数のバンプ14と集積回路端子との間の電気的接続が確保された半導体ウェハ収納器を構成できるので,バンプ14と集積回路端子との間の接触不良がなくなると共に半導体ウェハ8上の全集積回路に均質な入力波形を供給できるので,検査精度の向上を図ることができる。
【0075】
尚,第6実施例に代えて,配線基板12を半導体ウェハ8及びシール材33の上に配置した後,配線基板12又は保持板7を両者が互いに接近するように押圧してバンプ14と集積回路端子とを接触させておいてから,配線基板12,保持板7及びシール材33により形成される密封空間を減圧してもよい。」

(2)甲第3号証に記載された発明
以上の前記アないしウの記載を総合すると,甲第3号証には,次の発明(以下,「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
「プローブシート9上に形成されたプローブ端子としてのバンプ14と集積回路端子とを接触させておいてから,配線基板12,保持板7及びシール材33により形成される密封空間を減圧する,プローブシート9上に形成されたプローブ端子としてのバンプ14に対する半導体ウェハの半導体ウェハ当接方法。」

4 甲第4号証
(1)甲第4号証の記載事項
ア「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,例えば半導体チップが形成された半導体ウェハ,多数の半導体チップが配列されるマルチチップモジュールの基板などの半導体集積回路装置の検査を行う際に,被検査物としての半導体集積回路装置の測定部位と外部の試験装置の電気信号とを接続するプローブ基板,およびその製造方法,並びにプローブ基板が組み込まれ,このプローブ基板を被検査物の所定の位置に当接させることによって検査を可能にするプローブ装置とに関する。」

イ「【0010】
さらに,プローブカード400を用いて検査を行なう際に,オーバードライブと称して,探針402とパッドPdとの間の接触抵抗を低減させるために,外力により一旦探針402を押圧して,探針402の先端部をパッドPdにくい込ませる作業が行われる。その際に,押圧力の微妙な調整に失敗すると,探針402が塑性変形を起こしてしまい,元に戻らないという不都合が発生する。また,探針402は,その構造上破損し易いので,作業者自身が誤って探針402に触れてしまうことによって,破損されるという事故も高い頻度で発生している。」

(2)甲第4号証に記載された発明
以上の(ア),(イ)の記載を総合すると,甲第4号証には,次の発明(以下,「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。

「プローブカード400を用いて検査を行なう際に,オーバードライブと称して,探針402とパッドPdとの間の接触抵抗を低減させるために,外力により一旦探針402を押圧して,探針402の先端部をパッドPdにくい込ませる基板当接方法。」

5 甲第5号証
(1)甲第5号証の記載事項
ア「【技術分野】
【0001】
本発明は,半導体ウエハ等の被検査体の電気的特性検査を行うプローブ装置に関し,更に詳しくは,載置台上の被検査体とプローブカードのプローブを予め設定された所定のオーバードライブ量で電気的に接触させることができるプローブ装置及びコンタクト位置の補正方法に関するものである。」

イ「【0026】
第1の実施形態
本実施形態のプローブ装置10は,例えば図1の(a),(b)に示すように,被検査体(例えば,半導体ウエハ)Wを載置するX,Y,Z及びθ方向へ移動可能な載置台11と,載置台11をX,Y及びZ方向へ移動させる駆動機構12と,載置台11の上方に配置され且つ上記被検査体の電極と接触する複数のプローブ13Aを有するプローブカード13と,プローブカード13の固定機構14を支持する支持体(ヘッドプレート)15と,載置台11を含む各種の機器を制御する制御装置16と,を備え,プローブカード13に接続リング17を介して所定の荷重でテストヘッド18を電気的に接続させた状態で載置台11をオーバードライブさせて半導体ウエハWと複数のプローブ13Aを電気的に接触させ,テスタ20からの信号に基づいて半導体ウエハWの電気的特性検査を行うように構成されている。また,図示してないが,プローブ装置10には従来と同様にアライメント機構が設けられている。」

(2)甲第5号証に記載された発明
以上の(ア),(イ)の記載を総合すると,甲第5号証には,次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。

「プローブカード13に接続リング17を介して所定の荷重でテストヘッド18を電気的に接続させた状態で載置台11をオーバードライブさせて半導体ウエハWと複数のプローブ13Aを電気的に接触させる半導体ウエハ当接方法。」

第5 判断
1 本件特許発明1について
(1)対比
ア 本件特許発明1と甲1発明との対比
(ア)甲1発明の「半導体ウェハ100」,「集積回路素子等の被試験電子部品」,「半導体ウェハ試験装置」,「プローブ針」は,本件特許発明1の「基板」,「半導体デバイス」,「基板検査装置」,「プローブ」に相当する。
(イ)甲1発明の「ウェハトレイ50」は,略円板上であり,半導体ウェハを保持することから,本件特許発明1の「板状部材」に相当する。
(ウ)甲1発明の「ウェハトレイ50に保持された半導体ウェハ100を,ウェハトレイ50とともに,前記プローブカード21に対向する位置に移動させ」ることは,前記(ア),(イ)を考慮すると,本件特許発明1の「板状部材に載置された基板を前記板状部材とともに,前記プローブカードに向かって移動させ」ることに相当する。
(エ)甲1発明の「ウェハトレイ50を上昇させ,シール部材51がプローブカード21のカード基板211に密着して,プローブカード21とウェハトレイとの間に密閉空間53を形成し,次いで,密閉空間53を減圧」することは,「ウェハトレイ50を上昇させ,シール部材51がプローブカード21に密着して」形成した「密閉空間53」が,本件特許発明1の「前記プローブカードと前記板状部材との間の空間」に相当するので,前記(ア),(イ)を考慮すると,下記相違点(1)を除いて,本件特許発明1の「前記プローブカードと前記板状部材との間の空間を減圧」する点で共通する。
(オ)甲1発明の「半導体ウェハ100の電極110とプローブカード21のプローブ針212が電気的に接触」は,「半導体ウェハ100に形成された電極110」が「半導体デバイスの複数の電極」を意味し,「プローブカード21と接触する」部位は、「プローブカード21のプローブ針」であるから,前記(ア)を考慮すると,本件特許発明1の「半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接」という点で一致する。
(カ)甲1発明の「当接部材73を所定量後退させることによって,半導体ウエハをウェハトレイ50とともに,さらにプローブカード21に向かって所定量移動させ」ることは,当接部材73を所定量後退させることによって,半導体ウェハを保持したウェハトレイ50がプローブカードに所定量接近することから,前記(ア),(イ)を考慮すると,下記相違点(1)を除いて,本件特許発明1の「前記基板を前記板状部材とともに,さらに前記プローブカードに向かって所定量移動させる」という点で共通する。

イ 本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点
以上から,本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は,以下のとおりである。

(一致点)
「基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する基板検査装置のプローブカードに前記基板を当接するプローブカードへの基板当接方法において,
板状部材に載置された基板を前記板状部材とともに,前記プローブカードに向かって移動させ,下記の(i)ないし(iii)点を含むプローブカードへの基板当接方法。
(i)前記基板に設けられた半導体デバイスの複数の電極を前記プローブカードに設けられた複数のプローブにそれぞれ当接する点。
(ii)前記基板を前記板状部材とともに,さらに前記プローブカードに向かって所定量移動させる点。
(iii)前記プローブカードと前記板状部材との密閉空間を減圧する点。」

(相違点)
相違点(1)
本件特許発明1は,前記(i)ないし(iii)の各点は,その順序通りに行われ(i)及び(ii)は当接工程の一部,及び(iii)は保持工程であるのに対して,甲1発明は,(iii),(i),(ii)の順序で行われる点。
相違点(2)
本件特許発明1は,前記保持工程における前記空間の減圧圧力は,前記基板及び前記板状部材の自重と,前記半導体デバイスの複数の電極と前記プローブカードの複数のプローブとの当接反力との合計に耐えうる当接力が得られる圧力に調整されることを特徴とするのに対して,甲1発明は,接触工程の一部として明記される減圧工程における減圧圧力に関して,密閉空間53内の減圧に伴って生じる吸着力F_(P)が,プローブカード21が有する全てのプローブ針212に必要な押圧力F_(N)(例えば200?300[kgf](1.96×10^(3)[N]?2.94×10^(3)[N])程度)よりも若干強く(F_(P)>F_(N))なるように減圧圧力を調整する点。

イ 判断
(ア)異議申立人の主張
異議申立人は,相違点(1)について,甲2発明及び甲3発明において,(i)の次に(iii)を行う工程が示されていること,(ii)については,甲4発明及び甲5発明に(ii)の工程が(i)に付随して行われることが周知技術として記載されていることを理由に,甲1発明において,甲2発明又は甲3発明,及び周知技術である甲4発明又は甲5発明を採用する事は,当業者が容易に想到し得た,と主張する。

(イ)まず,相違点(1)について検討する。
異議申立人の主張が正当と認められるためには,甲1発明において甲2発明又は甲3発明を採用し得ることが必要で有り,その前提として,甲1発明において,甲2発明または甲3発明を採用する際の阻害要因がないことが必要となる。そこで,当該阻害要因の有無について,特に,甲1発明における(i),(iii)の工程の順序の技術的根拠について検討する。
前記第4の1(1)イには,甲1発明の目的として,従来の半導体ウェハ試験装置においては,「チャックを介して半導体ウェハをプローブカードに押し付けるため,当該チャックやプローブカードの剛性を高めておく必要があり,高コスト化を招来するという問題がある。半導体ウェハに形成された全てのDUTにプローブカードを同時に接触させる一括コンタクト方式を採用する場合には,この問題は特に顕著である。」という課題を示し,この課題に対処して「低コスト化を図ることが可能な半導体ウェハの試験方法,半導体ウェハ搬送装置,及び半導体ウェハ試験装置を提供すること」をその目的としている。
そして,甲1発明は,この目的を達成するための解決手段として,半導体ウェハをプローブカードに押し付けることなく,減圧によって半導体ウェハとプローブカードとを電気的に接触させる解決手段を提示し,その結果,チャックやステージ等の半導体ウェハ試験装置の構成部品を剛性の低い材料で提供できるという有利な効果を奏している。
とすると,甲1発明にとって,減圧によって半導体ウェハとプローブカードとを電気的に接触させるという工程,換言すれば前記(iii)の次に(i)を行う工程は,目的達成のために不可欠な技術的事項であり,当該技術的事項を変更することは,甲1発明の目的達成を不可能にする変更を意味し,甲1発明として受入れられない技術的事項として阻害要因と認められる。
ここで,甲2発明は,前記第4の2(2)に記載されているように「ウエハチャック16が上昇し,対応する電極パッドがプローブに接触し,フレキシブル基板51とウエハチャック16の間にシールされた内部空間を形成し,内部空間の圧力を低下させ,フレキシブル基板51はウエハWに押し付けられ,フレキシブル基板51のバンプ状プローブが電極パッドに押し当てられるウエハWのプローブへのウエハ当接方法。」であるから,前記(i),(iii)の工程順である技術的事項であり,同様に,甲3発明は,前記第4の3(2)に記載されているように「プローブシート9上に形成されたプローブ端子としてのバンプ14と集積回路端子とを接触させておいてから,配線基板12,保持板7及びシール材33により形成される密封空間を減圧する,プローブシート9上に形成されたプローブ端子としてのバンプ14に対する半導体ウェハの半導体ウエハ当接方法。」であるから前記(i),(iii)の工程順である技術的事項であり,いずれも甲1発明にとって不可欠な工程の変更を求める技術的事項と認められる。
したがって,甲1発明において,甲1発明にとって不可欠な工程の変更となる甲2発明または甲3発明に開示された技術的事項を採用する出願人の主張は,甲1発明において阻害要因となる技術的事項を採用する主張であり,認められない。
よって,他の相違点について検討するまでもなく,本件特許発明1は,甲1発明ないし甲5発明の記載に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件特許発明2ないし本件特許発明8について
本件特許発明2ないし本件特許発明8は,いずれも本件特許発明1を引用しているから、本件特許発明2ないし本件特許発明8は,本件特許発明1を更に減縮したものである。
したがって,上記の本件特許発明1についての判断と同様の理由により,本件特許発明2ないし本件特許発明8は,甲第1号証ないし甲第5号証の記載から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)小括
以上のとおり,本件特許発明1ないし本件特許発明8は,甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび

したがって,特許異議申立ての理由及び証拠によっては,本件請求項1ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に本件請求項1ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-07-18 
出願番号 特願2012-169513(P2012-169513)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 堀江 義隆  
特許庁審判長 鈴木 匡明
特許庁審判官 加藤 浩一
大嶋 洋一
登録日 2016-10-28 
登録番号 特許第6031292号(P6031292)
権利者 東京エレクトロン株式会社
発明の名称 プローブカードへの基板当接方法  
代理人 別役 重尚  
代理人 村松 聡  

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