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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06T
管理番号 1331675
審判番号 不服2016-7769  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-27 
確定日 2017-09-05 
事件の表示 特願2012- 25995「制御装置及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月22日出願公開、特開2013-164650、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 経緯
本願は、平成24年2月9日の出願であって、手続の概要は以下のとおりである。

平成27年12月 8日 拒絶理由(発送日)
平成28年 2月 3日 意見書 手続補正
平成28年 3月 1日 拒絶査定(発送日)
平成28年 5月27日 審判請求 手続補正
平成29年 5月16日 当審拒絶理由(発送日)
平成29年 6月29日 意見書 手続補正


第2 原査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


・請求項 7,9,11について
・引用文献A 特開2011-245688号公報
引用文献B 特開2007-183754号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

[拒絶の理由]
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


・請求項1-5,7,8について
・引用文献1 長田伊織, 外1名,”ライフログとライフストリームサービスの連携によるコミュニケーション手法の提案と実現”,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム論文集,日本,一般社団法人情報処理学会,2011年7月6日,第2011巻, 第1号,p.1444-1452 (CS番号 CSNG201100473169)

第4 本願発明
本願請求項1?11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明11」という。)は、平成29年6月29日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
なお、本願発明1の各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成(A)、構成(B)などと称する。

【請求項1】
(A)画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて、複数のテキスト情報のうち、少なくとも1つのテキスト情報を選択してコメントを生成するコメント生成部と、
(B)前記画像が記憶されている記憶場所に関する情報と前記コメントとを送信する送信部と、を備え、
(C)前記コメント生成部は、前記記憶場所へのアクセス状態に基づいて選択する前記テキスト情報を変更する
(D)制御装置。

【請求項2】
前記アクセス状態は、前記記憶場所へアクセスされた回数である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記アクセス状態は、他機器から入力された前記画像に対するコメントである
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記画像に対する評価は、他機器から入力された評価である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記評価は、前記他機器の表示部に表示されるボタンの押下に基づく評価である
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記コメント生成部は、前記アクセス状態に基づいて前記テキスト情報の重み付けを変更する、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記コメント生成部は、前記画像と前記重み付けとに基づいて前記コメントを生成する
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記コメントの生成を指示したユーザと関連付いている他のユーザに、前記記憶場所に関する情報と前記コメントとを送信する
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記記憶場所に関する情報は、前記記憶場所にアクセスするためのアドレスである
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記コメント生成部は、前記画像に対して行われた操作が示す方向に基づいて前記コメントの生成を制御する
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の制御装置。

【請求項11】
画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて、複数のテキスト情報のうち、少なくとも1つのテキスト情報を選択してコメントを生成するコメント生成処理と、
前記画像が記憶されている記憶場所に関する情報と前記コメントとを送信する送信処理と、をコンピュータに実行させ、
前記コメント生成処理は、前記記憶場所へのアクセス状態に基づいて選択する前記テキスト情報を変更する
プログラム。

第5 引用文献1、引用発明等

1.引用文献1について
平成29年5月16日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)(第1445頁右欄-第1447頁右欄)
「3.BlogWear
本章では,ライフログデータをもとにプログ記事を自動生成するシステムBlogWearについて説明する.BlogWearは,記事作成者の周辺画像と経緯度をライフログデータとして扱う.

3.1 BlogWearの概要
本システムの構成を図1に示す.本システムは,ライフログデータの収集およびサーバへの送信を行うiPod touchと,ライフログデータの保存と記事の生成や表示を行うサーバ,そして利用者の行動情報を配信するライフストリームサービスで構成されている.

3.2システムの流れ
以下にiPod touchによるライフログデータ収集から,BlogWearのWebページに記事が掲載されるまでの流れを述べる.
(1)ライフログデータ取得
記事作成者がiPod touchを身につけた状態で行動することで,iPod touchがライフログデータを自動で取得して記事情報を生成する.
(2)サーバに記事情報を送信
iPod touchが記事情報をサーバに送信すると,サーバはその記事情報をデータベースに保存する.
(3)プログ記事生成
サーバは保存された記事情報を用いてプログ記事を自動で生成し,BlogWearのWebページに掲載する.」

3.3 iPod touch側の処理
本研究では,iPod touch第4世代とb-mobile WiFiをライフログデータ収集のための機器として利用している.iPod touch第4世代はカメラが標準搭載されている.また,b-mobile WiFiのGPSを用いることで現在地情報を取得することができるため,利用することにした.図2は,記事作成者がiPod touchを身につけている図である.
iPod touchがライフログデータを記録するところがら,サーバへ記事情報を送信するところまでの流れを説明する.
(1)iPod touchにより画像と経緯度を取得
iPod touchのカメラを用いて画像を,b-mobile WiFiのGPSを用いて経緯度を取得する.
(2)取得した経緯度を用いて住所を取得
住所の取得には逆ジオエンコーディングを用いた,逆ジオエンコーディングとは,経緯度からその場所の住所・郵便番号や施設の名前などを取得する技術である.住所の取得範囲は,市町村(和歌山県和歌山市など)まで取得する,
(3)記事に用いるタイトルと本文を生成
取得した住所および記事作成者が入力した文章を使用して,記事のタイトルと本文を生成する.なお,タイトルは「0000年00月00日00時00分◎〈住所〉」,本文は「今、〈近くの建造物〉周辺にいます.〈記事作成者が入力した文章〉」という簡易なものになっている.
(4)記事情報をサーバへ送信
(1)?(3)で取得した画像,経緯度,タイトル,本文を記事情報としてサーバへ投稿する.

3.4 サーバ側の処理
サーバでは,記事情報のデータベースへの登録と,記事の Web ページへの表示を行う. iPod touch から送信された情報がデータベースに登録され,そのデータを読み出し,記事として Web ページ上に自動的に公開する.(略)生成された記事を図3に示す.記事一覧画面(図3左)では,複数の記事の画像が表示される.また,一覧画面では1ページに20記事まで表示されており,ページを切り替えて続きの記事を見ることができる.各記事のリンクをクリックすると,個別記事画面(図3右)に移動する.個別記事画面では記事の画像と,その横にGoogle Mapsによる地図が表示される,記事の下には閲覧者からのコメントが表示され,投稿フォームを使うことで記事にコメントを投稿できる.」

(イ)(第1447頁右欄-第1448頁左欄)
「3.5 ライフストリームサービスとの連携
本システムでは,サーバからライフストリームサービスを経由して記事作成者および閲覧者の行動内容を配信する.今回はライフストリームサービスとして Twitter を用いた.Twitter は,ライフストリームサービスの中でも,メッセージをリアルタイムで受信できる手段が多く,また開発に必要な API が豊富に用意されているため利用することにした.
図4は行動情報の配信の様子である.配信するメッセージは一文で構成されており,利用者の活動内容と,それに関係しているURLを配信する.メッセージの種類は「新イベント通知」「コメント通知」「人気記事通知」の3種類を用意した.以下に詳細を述べる.
・「新イベント通知」
記事作成者が,新しい「イベント」として記事を作成したときにメッセージを配信する.メッセージは「『記事作成者』さんが新しいイベントを開始!→『そのイベントのイベント別記事表示画面へのURL』」としている.
(略)
・「人気記事通知」
ある記事への,個別記事画面へのアクセス数が一定数以上に達したときにメッセージを配信する.メッセージは,アクセス数が「1回」「10回」「20回」に達したときに,それぞれ対応したメッセージが表示される.」

2.引用発明
上記引用文献1に記載された発明について検討する。

(1)記載事項(ア)について検討する。
記載事項(ア)のBlogWearのサーバに関する記載、「本システムは,ライフログデータの収集およびサーバへの送信を行うiPod touchと,ライフログデータの保存と記事の生成や表示を行うサーバ,そして利用者の行動情報を配信するライフストリームサービスで構成されている」や「サーバでは,記事情報のデータベースへの登録と,記事の Web ページへの表示を行う. iPod touch から送信された情報がデータベースに登録され,そのデータを読み出し,記事として Web ページ上に自動的に公開する」によれば、引用文献1には、「iPod touchから送信された画像、経緯度、タイトル、本文からなる記事情報をデータベースに登録し、前記記事情報を用いてブログ記事を自動で生成し、前記ブログ記事をWebページに掲載するBlogWearのサーバ」が記載されている。
ここで、ブログ記事については、3.4と図3に「個別記事画面には記事の画像が表示される」ことがされているから、ブログ記事は画像を含むものである。

(2)記載事項(イ)について検討する。
記載事項(イ)には、BlogWearの行動内容の配信について、「本システムでは,サーバからライフストリームサービスを経由して記事作成者および閲覧者の行動内容を配信する.今回はライフストリームサービスとして Twitter を用いた」の記載があるから、BlogWearのサーバはTwitter を経由してメッセージを配信するサーバであることが記載されている。
そして、サーバが配信するメッセージについて、「配信するメッセージは一文で構成されており,利用者の活動内容と,それに関係しているURLを配信する.メッセージの種類は「新イベント通知」・・・「人気記事通知」・・・を用意した」の記載によれば、サーバが配信するメッセージは、「新イベント通知」及び「人気記事通知」の複数の配信するメッセージがあって、記事作成者が記事を作成したときに「新イベント通知」のメッセージが選択され、個別記事画面へのアクセス数が一定数以上に達したときに「人気記事通知」のメッセージが配信するメッセージとして選択されることが記載されている。
ここで配信するメッセージについて、記載事項(イ)3.5及び図4の記載によれば、「新イベント通知」のメッセージの前記利用者の活動内容は、「『記事作成者』さんが新しいイベントを開始!→」を内容としており、「人気記事通知」のメッセージの前記利用者の活動内容は、「HIGASHI」は『記事作成者』と解されるので、「『記事作成者』さんの記事が注目されています!→」を内容としていることが記載されている。
また、配信するメッセージに関連しているURLについては、イベント別記事表示画面へのURLを内容とすることが記載されている。

(3)したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
「iPod touchから送信された画像、経緯度、タイトル、本文からなる記事情報をデータベースに登録し、前記記事情報を用いて画像を含む個別記事を自動で生成し、前記個別記事をWebページに掲載するサーバであって、
前記サーバは、Twitter を経由してメッセージを配信するものであり、
配信する前記メッセージは、一文で構成されており、利用者の活動内容と前記利用者の活動内容に関連している個別記事画面へのURLであり、
前記利用者の活動内容は、「『記事作成者』」の情報と、「新イベント通知」の「さんが新しいイベントを開始!→」の情報と、「人気記事通知」の「さんの記事が注目されています!→」の複数の活動内容が用意され、
記事作成者が記事を作成したときに前記「『記事作成者』」の情報と前記「新イベント通知」の活動内容を選択し、個別記事画面へのアクセス数が一定数以上に達したときに前記「『記事作成者』」の情報と前記「人気記事通知」の活動内容を選択する
サーバ。」

第6 対比・判断

1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(1-1)構成(A)について
引用発明のサーバが配信するメッセージの「利用者の活動内容」は、「『記事作成者』」の情報と、複数の「活動内容」(「さんが新しいイベントを開始!→」及び「さんの記事が注目されています!→」)からなること、Twitter を経由して配信するものであることから、引用発明における「『記事作成者』」の情報と複数の「活動内容」は、本願発明1の「テキスト情報」に相当する。
また、引用発明のサーバが配信するメッセージの「利用者の活動内容」は、サーバに登録された画像を含む個別記事を生成したときに生成され、配信されるものであるから、引用発明の「利用者の活動内容」は、本願発明1の「コメント」に相当する。
そして、引用発明のサーバは、「『記事作成者』」の情報と複数の活動内容から、少なくとも1つを選択して配信するメッセージとする処理を行うから、引用発明のサーバは当該配信するメッセージを生成するメッセージ生成手段を備えており、引用発明のサーバの配信するメッセージを生成する手段は、本願発明1の「コメント生成部」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明とは、「複数のテキスト情報のうち、少なくとも1つのテキスト情報を選択してコメントを生成するコメント生成部を備える」、点で共通する。
しかしながら、「コメント生成部」がコメントを生成する情報に関して、本願発明1は、「画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて」、コメントを生成する構成であるのに対して、引用発明においては、記事作成者が記事作成者が記事を作成したとき、或いは、個別記事画面へのアクセス数が一定数以上に達したとき、というイベントに基づいて活動内容を選択する構成であって、「画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて」、コメントを生成する構成ではない点で相違する。

(1-2)構成(B)について
引用発明のサーバが配信するメッセージの「前記利用者の活動内容に関連している個別記事画面へのURL」は、URLは個別記事画面のWebページが記憶されている記憶場所に関する情報であり、個別記事画像には記事の画像が含まれていることから、引用発明における「前記利用者の活動内容に関連している個別記事画面へのURL」は、本願発明1の「前記画像が記憶されている記憶場所に関する情報」に相当する。
そして、引用発明のサーバは、「利用者の活動内容と前記利用者の活動内容に関連している個別記事画面へのURL」で構成される配信するメッセージを配信する処理を行うから、引用発明のサーバは当該配信するメッセージを配信する手段を備えており、引用発明のサーバの配信するメッセージを配信する手段は、本願発明1の「送信部」に相当する。

(1-3)構成(C)について
引用発明のサーバの前記配信するメッセージを生成する手段は、個別記事画面へのアクセス数が一定数以上に達したときに前記「人気記事通知」の活動内容(「さんの記事が注目されています!→」)を選択して、前記配信するメッセージを生成するものである。更に、アクセス数が「1回」「10回」「20回」に達したときに,それぞれ対応したメッセージを選択して、前記配信するメッセージを生成するものである。
よって、個別記事画面の記憶場所へのアクセス状態に基づいて「活動内容」を生成する処理を行うものであるから、引用発明のサーバの前記配信するメッセージを生成する手段は、「記憶場所へのアクセス状態に基づいてコメントを生成する」処理を行うものといえる。

しかしながら、引用発明のサーバの前記配信するメッセージを生成する手段は、記憶場所へのアクセス状態に基づいて複数の「活動内容」のうち「人気記事通知」の活動内容(「さんの記事が注目されています!→」)を選択する処理やアクセス数の回数(「1回」「10回」「20回」)に対応したメッセージを選択する処理を行うが、選択する活動内容(「さんの記事が注目されています!→」)を変更するものではない。

したがって、本願発明1と引用発明とは、「コメント生成部は、前記記憶場所へのアクセス状態に基づいてコメントを生成する」点で共通するが、本願発明1は、「選択する前記テキスト情報を変更する」構成であるのに対して、引用発明はそのような構成ではない点で相違する。

(1-4)構成(D)について
そして、引用発明のサーバは、配信するメッセージを生成する手段と配信するメッセージを配信する手段を備え、配信メッセージの生成と配信するメッセージの配信を制御する装置であるから、引用発明の「サーバ」は、本願発明1の「制御装置」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりである。

(一致点)
(A)複数のテキスト情報のうち、少なくとも1つのテキスト情報を選択してコメントを生成するコメント生成部と、
(B)画像が記憶されている記憶場所に関する情報と前記コメントとを送信する送信部と、を備え、
(C)前記コメント生成部は、前記記憶場所へのアクセス状態に基づいて選択する前記テキスト情報を生成する
(D)制御装置。

(相違点1)
本願発明1のコメント生成部は、「画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて」、コメントを生成する構成であるのに対し、引用発明はそのような構成ではない点。

(相違点2)
本願発明1のコメント生成部は、「前記記憶場所へのアクセス状態に基づいて選択する前記テキスト情報を変更する」構成であるのに対して、引用発明はそのような構成ではない点。

(2)相違点についての判断
相違点1について検討する。

引用文献1には、コメントを生成する構成に関して、画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて、複数のテキスト情報のうち、少なくとも1つのテキスト情報を選択してコメントを生成する構成をサーバが備える旨の記載も示唆もなく、このような構成が自明の事項とも認められない。
したがって、引用発明におけるサーバのコメント生成手段を、相違点に係る構成とすることは、当業者であっても、容易に想到し得るものではない。
よって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第7 原査定についての判断
平成29年6月29日付けの補正により、補正後の請求項1、11は、「画像の位置に関する情報、又は前記画像の色に関する情報に基づいて、複数のテキスト情報のうち、少なくとも1つのテキスト情報を選択してコメントを生成するコメント生成部」という技術的事項及び「前記コメント生成部は、前記記憶場所へのアクセス状態に基づいて選択する前記テキスト情報を変更する」という技術的事項を有するものとなった。
当該技術的事項は、原査定における引用文献A、引用文献Bには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-11は、当業者であっても、原査定における引用文献A、引用文献Bに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-08-18 
出願番号 特願2012-25995(P2012-25995)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06T)
最終処分 成立  
前審関与審査官 千葉 久博  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 小池 正彦
鳥居 稔
発明の名称 制御装置及びプログラム  
代理人 高橋 詔男  
代理人 志賀 正武  

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