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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1332604
審判番号 不服2016-15365  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-13 
確定日 2017-10-10 
事件の表示 特願2015-538023「無線通信システムにおいて下りリンク制御信号を受信又は送信するための方法及びそのための装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月24日国際公開、WO2014/062011、平成28年 1月14日国内公表、特表2016-500963、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)10月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年10月18日、米国、2012年11月 7日、米国、2012年11月15日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続きの経緯は以下のとおりである。

平成27年 4月17日 : 手続補正書の提出
平成28年 1月12日付け: 拒絶理由の通知
平成28年 4月18日 : 意見書及び手続補正書の提出
平成28年 6月 8日付け: 拒絶査定(以下、「原査定」という。)
平成28年10月13日 : 拒絶査定不服審判の請求

第2 原査定の概要
原査定の概要は以下のとおりである。

本願の請求項1-16に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.国際公開第2012/109542号
2.Samsung、EPDCCH Starting Subframe Symbol、3GPP TSG-RAN WG1#70bis、R1-124379、2012.10.12
3.Alcatel-Lucent、Updated RRC parameters for EPDCCH、3GPP TSG-RAN WG1#70bis、R1-124671、2012.10.12

第3 本願発明
本願の請求項1-16に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明16」という。)は、平成28年 4月18日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1-16に記載された、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
無線通信システムでユーザ機器が下りリンク信号を受信するための方法において、
上位層シグナリングを介して半持続的スケジューリング(Semi Persistent Scheduling:SPS)-物理DL共有チャネル(PDSCH)に対する複数のパラメータ集合を受信するステップと、
前記SPS-PDSCHを構成する下りリンク制御情報(DCI)を受信するステップと、
前記複数のパラメータ集合の内の一つのパラメータ集合を用いて前記SPS-PDSCHを復号するステップと、を含み、
復号に用いる前記パラメータ集合は、復号に用いるパラメータ集合を示す指示子が前記下りリンク制御情報に含まれるか否かに基づいて決定される、
下りリンク信号受信方法。
【請求項2】
前記複数のパラメータ集合のそれぞれは、下りリンクデータチャネルの開始シンボル位置に関する情報を含む、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項3】
前記複数のパラメータ集合のそれぞれは、特定参照信号と関連したRE(resource element)マッピングパターン情報を含む、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項4】
前記SPS-PDSCHがMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)サブフレームで受信される場合、
前記下りリンクデータチャネルの開始シンボル位置は、前記MBSFNサブフレームの下りリンクデータチャネルの開始シンボル位置に制約される、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項5】
前記ユーザ機器は送信モード10と設定された、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項6】
前記ユーザ機器は、少なくとも2つのeNBから下りリンク信号を受信するように設定される、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項7】
半持続的スケジューリングを構成する新しいDCIが受信されるまで、前記パラメータ集合を用いて、前記下りリンクデータチャネルを復号するステップをさらに含む、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項8】
無線通信システムにおいて下りリンク制御信号を受信するように構成されたユーザ機器であって、
無線周波数(radio frequency:RF)ユニットと、
前記RFユニットを制御するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、上位層シグナリングを介して半持続的スケジューリング(Semi Persistent Scheduling:SPS)-物理DL共有チャネル(PDSCH)のための複数のパラメータ集合を受信し、前記SPS-PDSCHを構成する下りリンク制御情報(DCI)を受信し、前記複数のパラメータ集合の中の1つのパラメータ集合を用いて前記SPS-PDSCHを復号するように構成され、
復号に用いる前記パラメータ集合は、復号に用いるパラメータ集合を示す指示子が前記下りリンク制御情報に含まれるか否かに基づいて決定される、
ユーザ機器。
【請求項9】
前記複数のパラメータ集合のそれぞれは、下りリンクデータチャネルの開始シンボル位置に関する情報を含む、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記複数のパラメータ集合のそれぞれは、特定参照信号と関連したRE(resource element)マッピングパターン情報を含む、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記SPS-PDSCHがMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)サブフレームで受信される場合、
前記下りリンクデータチャネルの開始シンボル位置は、前記MBSFNサブフレームの下りリンクデータチャネルの開始シンボル位置に制約される、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記ユーザ機器は送信モード10と設定された、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項13】
前記ユーザ機器は、少なくとも2つのeNBから下りリンク信号を受信するように設定された、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記プロセッサは、
半持続的スケジューリングを構成する新しいDCIが受信されるまで、前記パラメータ集合を用いて前記下りリンクデータチャネルを復号するように構成された、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項15】
半持続的スケジューリングを構成する前記DCIが、復号に用いられる前記パラメータ集合を示す指示子を含む場合に、前記指示子に指示される前記パラメータ集合を用いて前記SPS-PDSCHを復号するステップを更に含む、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項16】
前記プロセッサは、
半持続的スケジューリングを構成する前記DCIが、復号に用いられる前記パラメータ集合を示す指示子を含む場合に、前記指示子に指示される前記パラメータ集合を用いて前記SPS-PDSCHを復号するようにさらに構成された、請求項8に記載のユーザ機器。」

第4 引用文献
1.引用文献1
原査定に引用された国際公開第2012/109542号(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(1)「[0022] As shown in FIG. 1A, the communications system 100 may include wireless transmit/receive units (WTRUs) 102a, 102b, 102c, 102d, a radio access network (RAN) 104, a core network 106, a public switched telephone network (PSTN) 108, the Internet 110, and other networks 112, though it will be appreciated that the disclosed embodiments contemplate any number of WTRUs, base stations, networks, and/or network elements. Each of the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d may be any type of device configured to operate and/or communicate in a wireless environment. By way of example, the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d may be configured to transmit and/or receive wireless signals and may include user equipment (UE), a mobile station, a fixed or mobile subscriber unit, a pager, a cellular telephone, a personal digital assistant (PDA), a smartphone, a laptop, a netbook, a personal computer, a wireless sensor, consumer electronics, and the like.」
(当審訳:[0022]図1Aに示されているように、通信システム100は、無線送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むことができるが、開示される実施形態が、任意の個数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を意図すると理解される。WTRU 102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境で動作し、及び/又は通信するように構成された任意のタイプのデバイスとすることができる。例えば、WTRU 102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信し、及び/又は受信するように構成されることができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定の又はモバイルの加入者ユニット、ページャ、セル電話機、携帯情報端末(PDA)、スマートホン、ラップトップ機、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、消費者エレクトロニクス、及び類似物を含むことができる。)

(2)「[0069] In an example, a subframe may be defined such that an enhance control channel is included in areas of the subframe typically utilized for PDSCH data. FIG. 4 illustrates subframes with an example enhanced control channel. Referring to FIG. 4, the performance improvement of the PDCCH channel may be accomplished by sending some or all of the control channel information to a WTRU using resource elements that are traditionally associated with the PDSCH region. As such, by relying on the DM-RSs, the receiving WTRU may demodulate and decode the PDSCH and or enhance control channel information with a higher level of confidence.」
(当審訳:[0069]一例では、拡張された制御チャネルが、通常PDSCHデータに利用されるサブフレームの領域内に含まれるように、サブフレームを定義することができる。図4は、拡張された制御チャネルの一例を有するサブフレームを示す。図4を参照すると、PDCCHチャネルの性能改善は、伝統的にPDSCH領域に関連するリソース要素を使用してWTRUに制御チャネル情報の一部又はすべてを送信することによって、達成することができる。したがって、DM-RSに頼ることによって、受信するWTRUは、より高いレベルの信頼を伴って、PDSCH及び/又は拡張された制御チャネル情報を復調し、復号することができる。)

(3)「[0072] The information carried in the enhanced control channel may include any information that may be carried with the legacy PDCCH channel. For example, the E-PDCCH may be used to send one or more of uplink (UL) grants and associated UL parameters, downlink (DL) assignments and associated DL parameters, TPC commands, aperiodic channel state information (CSI), sounding reference signal (SRS) requests, random access responses, semi- persistent scheduling (SPS) activations and/or releases, broadcast channel (BCH) resource indications, any other associated parameters, and/or any combination of the above mentioned parameters. In an example, the E-PDCCH may also be used to send any information that is carried on the legacy PHICH channel (e.g., Ack or Nack), any information that is included one the legacy physical control format indicator channel (PCFICH), and/or any other types of new control information. The information described herein may be structured according to existing DCI formats used in the legacy PDCCH, or according to newly defined DCI formats.」
(当審訳:
[0072]拡張された制御チャネル内で搬送される情報は、レガシPDCCHチャネルを用いて搬送できるすべての情報を含むことができる。たとえば、E-PDCCHを使用して、アップリンク(UL)グラント及び関連するULパラメータ、ダウンリンク(DL)割当及び関連するDLパラメータ、TPCコマンド、非周期的チャネル状態情報(CSI)、サウンディング参照信号(SRS)要求、ランダムアクセス応答、半持続的スケジューリング(SPS)アクティブ化及び/又は解放、ブロードキャストチャネル(BCH)リソース表示、任意の他の関連するパラメータ、及び/又は上で言及されたパラメータの任意の組合せのうちの1つ又は複数を送信することができる。一例では、E-PDCCHを使用して、レガシPHICHチャネル上で搬送されるすべての情報(例えば、Ack又はNack)、レガシ物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)上に含まれるすべての情報、及び/又は任意の他のタイプの新しい制御情報を送信することもできる。本明細書で説明される情報は、レガシPDCCH内で使用される既存のDCIフォーマットに従って又は新たに定義されるDCIフォーマットに従って、構造化することができる。)

(4)「 [0205] The WTRU may obtain the value of at least one E-PDCCH parameter from decoding of PCFICH and/or may obtain the starting symbol of PDSCH from higher layers. For example, the first OFDM symbol for E-PDCCH may correspond to the first OFDM symbol for PDSCH as determined from PCFICH or higher layers. In an example, the WTRU may determine a property of the E-PDCCH region in a subframe based on the value decoded from the PCFICH in the same subframe. For example, the WTRU may determine whether the E-PDCCH included in the subframe is of the type frequency-selective or frequency-distributed based on a value decode from the PCFICH and/or based on higher layer signaling. In an example, the WTRU may determine the location of the E-PDCCH region in frequency domain (e.g., the block of subcarriers that include the E-PDCCH transmission) based on PCFICH signaling and/or higher layer signaling. In an example, use of the PCFICH may be applicable for a subset of subframes as configured by higher layers. For example, if legacy/R8 WTRUs are unable to correctly interpret the PCFICH, not all subframes may include the PCFICH and/or the E-PDCCH in order to allow for some of the subframes to be backwards compatible.」
(当審訳:[0205]WTRUは、PCFICHの復号から少なくとも1つのE-PDCCHパラメータの値を入手することができ、及び/又はより上位の層からPDSCHの開始シンボルを入手することができる。例えば、E-PDCCHの第1のOFDMシンボルは、PCFICH又はより上位の層から判定されたPDSCHの第1のOFDMシンボルに対応することができる。一例では、WTRUは、同一のサブフレーム内のPCFICHから復号された値に基づいて、サブフレーム内のE-PDCCH領域のプロパティを判定することができる。例えば、WTRUは、PCFICHから復号された値に基づいて及び/又はより上位の層のシグナリングに基づいて、サブフレーム内に含まれるE-PDCCHが、周波数選択的又は周波数分散された、のどちらのタイプであるのかを判定することができる。一例では、WTRUは、PCFICHシグナリング及び/又はより上位の層のシグナリングに基づいて、周波数領域でのE-PDCCH領域(例えば、E-PDCCH送信を含む副搬送波のブロック)の位置を判定することができる。一例では、PCFICHの使用を、より上位の層によって構成されたサブフレームのサブセットについて適用可能とすることができる。例えば、レガシ/R8 WTRUが、PCFICHを正しく解釈できない場合には、いくつかのサブフレームを後方互換にすることを可能にするために、いくつかのサブフレームが、PCFICH及び/又はE-PDCCHを含まないものとすることができる。)

(5)「[0229] In an example, WTRU may utilize the E-PDCCH to facilitate the reception of the PDSCH. To decode the PDSCH, the WTRU may obtain a set of transmission characteristics for the PDSCH. The set of characteristics may include some characteristics that are similar to those used for the decoding of the legacy PDSCH in a given transmission mode and/or may include new parameters based on the including of the E-PDCCH in the transmission. For example, the set of characteristics that may be determined in order to properly decode and receive the PDSCH may be location of the PDSCH candidate/region in the resource grid (e.g., frequency allocation and related information), the antenna ports used for PDSCH, the number of codewords, the modulation and coding scheme for each codeword, and/or hybrid ARQ (HARQ) information.」
(当審訳:[0229]一例では、WTRUは、PDSCHの受信を容易にするのにE-PDCCHを利用することができる。PDSCHを復号するために、WTRUは、PDSCHの送信特性のセットを入手することができる。特性のセットは、所与の送信モードでレガシPDSCHの復号に使用されるものに似たいくつかの特性を含むことができ、及び/又は送信にE-PDCCHが含まれることに基づいて新しいパラメータを含むことができる。例えば、PDSCHを正しく復号し、受信するために判定することのできる特性のセットを、リソースグリッド内のPDSCH候補/領域の位置(例えば、周波数割当及び関連情報)、PDSCHに使用されるアンテナポート、符号語の個数、各符号語の変調及び符号化方式、及び/又はハイブリッドARQ(HARQ)情報とすることができる。)

(6)「


(当審訳:図4

)

2.引用発明1
上記1.から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「無線送信/受信ユニット(WTRU)のための方法であって、
通信システムは、WTRU及び無線アクセスネットワーク(RAN)を含むことができ、
WTRUは、無線信号を受信するように構成されることができ、
受信するWTRUは、PDSCH及び/又は拡張された制御チャネル(E-PDCCH)情報を復調し、復号することができ、
WTRUは、E-PDCCHを使用して、半持続的スケジューリング(SPS)アクティブ化を受信することができ、
制御情報は、レガシPDCCH内で使用される既存のDCIフォーマットに従って又は新たに定義されるDCIフォーマットに従って、構造化することができ、
WTRUは、PCFICHの復号から少なくとも1つのE-PDCCHパラメータの値を入手することができ、より上位の層からPDSCHの開始シンボルを入手することができ、
WTRUは、PDSCHの受信を容易にするのにE-PDCCHを利用することができ、PDSCHを復号するために、WTRUは、PDSCHの送信特性のセットを入手することができ、
PDSCHを正しく復号し、受信するために判定することのできる特性のセットを、リソースグリッド内のPDSCH候補/領域の位置(周波数割当及び関連情報)とすることができる、
方法。」

3.引用文献2
原査定に引用されたSamsung、EPDCCH Starting Subframe Symbol、3GPP TSG-RAN WG1#70bis、R1-124379、2012.10.12(以下、「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「2 EPDCCH Starting Symbol
In general, a separate configuration of the EPDCCH starting subframe symbol from the PDSCH starting subframe symbol would be justified in there were any cases where EPDCCH and PDSCH needed to have different starting subframe symbols for a UE. Otherwise, if EPDCCH and PDSCH for a UE always have the same starting subframe symbol, a single configuration either of the PDSCH starting subframe symbol or of the EPDCCH starting subframe symbol would suffice. No case requiring different starting subframe symbols for the EPDCCH and the PDSCH has been identified.

Rel-10 already allows a network to configure a UE whether to follow the detected PCFICH indication (CFI) to derive the PDSCH starting subframe symbol or whether the PCFICH is overridden by UE-specific RRC configuration. The latter is applicable only in conjunction with cross-carrier scheduling with the main use-case being support of ICIC where one cell is a macro-cell and the other a pico-cell and some pico-cell UEs cannot reliably detect the PCFICH from the pico-cell (the PDSCH starting subframe symbol for the pico-cell UEs is then configured by RRC).

In Rel-11, EPDCCH may also be used for ICIC support with single-cell operation in order to enable scheduling of UEs in subframes where PDCCH cannot be reliably detected (e.g. in non-ABS for cell range expansion UEs). Therefore, the issue is whether in such cases to configure the EPDCCH starting subframe symbol instead of the PDSCH one. Given that EPDCCH and the respective scheduled PDSCH should have the same starting subframe symbol, the two options are equivalent. It is noted that PDCCH may also be used in such cases if CRS interference cancellation is a mandatory UE feature in Rel-11.

Configuring the PDSCH starting subframe symbol provides for consistent specifications with the legacy ones and for broader network operational support. In particular, configuring the PDSCH starting subframe symbol, regardless of CA or single-cell operation, provides a uniform specification in all cases based on the legacy one and the same UE behavior regardless of release or of PDCCH/EPDCCH monitoring. Moreover, configuring the PDSCH starting subframe symbol is preferable in the following two use-cases

a)EPDCCH use instead of cross-carrier scheduling in Rel-11 (no need to support configuration of both PDSCH and EPDCCH starting subframe symbol - e.g. depending on whether a UE behaves as a Rel-10 one or a Rel-11 one)
b)SPS PDSCH transmissions in non-ABS (no additional configuration of PDSCH starting subframe symbol is needed if EPDCCH starting subframe symbol was instead configured).

For DL CoMP operation, it is unclear at the moment whether the PDSCH starting subframe symbol will be dynamically indicated by the DCI format for TM10 or it will be RRC configured. In the former case, it seems necessary to allow for separate configuration of the EPDCCH starting subframe symbol together with configuration of TM10. In the latter case and in all other scenarios, RRC configuration of the PDSCH starting subframe symbol is adequate.

Proposal: A UE determines the PDSCH starting subframe symbol either by decoding the PCFICH or by RRC signaling which overrides the PCFICH in a configured set of subframes. If there is EPDCCH, the EPDCCH starting subframe symbol is the same as the PDSCH starting subframe symbol in the same serving cell. For TM10, it is FFS whether RRC signaling for the EPDCCH starting subframe symbol is also required.

A separate issue raised in the email reflector discussions concerns the case that a PDSCH is scheduled by a PDCCH in the CSS. In this case, Rel-10 behavior is followed and no further specifications are needed.」
(当審訳:2 EPDCCH開始シンボル
一般に、EPDCCH開始サブフレームシンボルの、PDSCH開始サブフレームシンボルとは別の設定は、EPDCCHとPDSCHとがUEにとって異なる開始サブフレームシンボルを持つ必要がある場合に正当化される。そうでなければ、UEにとってEPDCCHとPDSCHとは常に同じ開始サブフレームシンボルを持ち、PDSCH開始サブフレームシンボル又はEPDCCH開始サブフレームシンボルのいずれか1つの設定のみで足りる。EPDCCHとPDSCHとで異なる開始サブフレームシンボルが必要となる場合は、特定されていない。

Rel-10では、PDSCH開始サブフレームシンボルを得るために、検出されたPCFICH指示(CFI)に従うか、又は、UE固有のRRC設定によりPCFICHがオーバーライドされるかを、ネットワークがUEに設定可能としている。後者は、1つのセルがマクロセルであり、他のセルがピコセルであり、いくつかのピコセル内のUEが、ピコセルからPCFICHを信頼可能に検出できない場合のICICをサポートする主要な使用例でのクロスキャリアスケジューリングの関連でのみ適用可能である(ピコセル内のUEのためのPDSCH開始サブフレームシンボルはRRCによって設定される)。

Rel-11では、PDCCHが信頼可能に検出できないサブフレームにおいてUEのスケジューリングを可能とするために、EPDCCHを単一セルオペレーションでのICICサポートのためにも用いることができる(例えば、セル範囲拡張UEのための非ABSにおいて)。したがって、問題はそのような場合において、PDSCHのそれの代わりにEPDCCHの開始サブフレームシンボルを設定するかどうかである。EPDCCHと、対応するスケジュールされたPDSCHは同じ開始サブフレームシンボルを有する必要があると仮定すると、2つのオプションは同等である。CRS干渉除去がRel-11においてUEの必須機能である場合、PDCCHがそのような場合に用いられ得ることに注意が必要である。

PDSCH開始サブフレームシンボルの設定は既存の規格との整合性と、より広範なネットワークオペレーションサポートのために提供される。特に、PDSCH開始サブフレームシンボルの設定は、CAや単一セルオペレーションとは関係なく、既存の規格やリリースやPDCCH/EPDCCHモニタリングとは関係ない同じUE動作に基づいて、全ての場合において均一な規格を提供する。さらに、PDSCH開始サブフレームシンボルの設定は、以下の2つの場合において好ましい。

a)Rel-11におけるクロスキャリアスケジューリングに代えたEPDCCHの使用(PDSCHとEPDCCHの双方の開始サブフレームシンボルの設定をサポートすることは必要ではない-例えば、UEがRel-10またはRel-11のいずれのものであるかに依存する)
b)非ABSにおけるSPS PDSCHの伝送(EPDCCH開始サブフレームシンボルが代わりに設定されていれば、PDSCH開始サブフレームシンボルにの追加的な設定は不要。)

DL CoMPオペレーションについて、現時点ではPDSCH開始サブフレームシンボルがTM10のDCIフォーマットで動的に指示されるか、あるいは、RRCによって設定されるかは定かではない。前者の場合において、TM10の設定と併せて、EPDCCH開始サブフレームシンボルを別に設定することを許容する必要があると思われる。後者の場合とその他のシナリオにおいて、PDSCH開始サブフレームシンボルのRRCによる設定が適当である。

提案:UEは、PDSCH開始サブフレームシンボルを、PCFICHを復号するか、又は、設定されたサブフレームのセットにおけるPCFICHを上書きするRRCシグナリングによって決定する。EPDCCHが存在する場合、EPDCCH開始サブフレームシンボルは、同じサービングセルのPDSCH開始サブフレームシンボルと同じである。TM10においては、EPDCCH開始サブフレームシンボルのRRCシグナリングが必要かどうかは、今後の検討事項である。

電子メールを反映した議論において提起された別の問題は、PDSCHがCSSのPDCCHによってスケジュールされる場合に関する。この場合、Rel-10の動作が適用され、更なる規定は不要である。)

4.引用文献3
原査定に引用されたAlcatel-Lucent、Updated RRC parameters for EPDCCH、3GPP TSG-RAN WG1#70bis、R1-124671、2012.10.12(以下、「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「2.3 EPDCCH starting symbol configuration
If the UE is not configured in TM10, per-CC higher layer signalling can be transmitted to indicate the OFDM starting symbol for any EPDCCH on that cell, and PDSCH on that cell scheduled by EPDCCH. The value range is {1, 2, 3, 4}, where the values 1, 2, and 3 are applicable when the bandwidth of the cell is greater than 10 resource blocks, and the values 2, 3, 4 are applicable when the bandwidth of the cell is less than or equal to 10 resource blocks.

The following were agreed in RAN1:

・If this signalling is not provided, the starting OFDM symbol of EPDCCH and PDSCH scheduled by EPDCCH is derived from PCFICH
・A single value of OFDM starting symbol is applicable to both EPDCCH sets (if two sets are configured)

The EPDCCH starting symbol configuration when the UE is configured in TM10 is FFS in RAN1.

It is up to RAN2 to determine the details of the higher layer signaling.」
(当審訳:2.3 EPDCCH開始シンボル設定
もし、UEがTM10に設定されていなければ、CC毎の上位層シグナリングが、セル内の任意のEPDCCHのためのOFDM開始シンボルを示すために送信され、セル内のPDSCHはEPDCCHによってスケジュールされる。値の範囲は{1,2,3,4}であり、値の1,2及び3はセルの帯域幅が10リソースブロックより大きい場合に用いることができ、値の2,3,4は、セルの帯域幅が10リソースブロック以下の場合に用いることができる。

以下がRAN1において合意された:

・このシグナリングが提供されなければ、EPDCCH及びEPDCCHによってスケジュールされるPDSCHの開始OFDMシンボルは、PCFICHから得られる。
・OFDM開始シンボルの値は、EPDCCHセットの双方に適用可能である(2つのセットが設定された場合)

UEがTM10に設定された場合の、EPDCCH開始シンボル設定はRAN1で更に検討される。

上位層シグナリングの詳細は、RAN2によって決定される。)

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。

ア.引用発明1における「通信システム」及び「WTRU」は、それぞれ、本願発明1における「無線通信システム」及び「ユーザ機器」に相当する。

イ.一般に、無線通信システムにおいてユーザ機器が受信する信号を「下りリンク」信号と称することは技術常識であるから、引用発明1において「WTRU」が受信する「無線信号」は、本願発明1における「下りリンク信号」に相当する。

ウ.引用発明1において「より上位の層」から「入手する」ことは、本願発明1における「上位層シグナリング」を介して「受信する」ことに相当する。

エ.引用発明1における「半持続的スケジューリング(SPS)アクティブ化」は、E-PDCCHを使用して受信する制御情報であるから、本願発明1における「SPS-PDSCHを構成する下りリンク制御情報(DCI)」に相当する。

オ.引用発明1における「PDSCHの開始シンボル」が、PDSCHの復号に必要な情報であることは技術常識であるから、引用発明1におけるWTRUは、「PDSCHの開始シンボル」を用いてPDSCHを復号するものであるといえる。

カ.引用発明1における「PDSCHの開始シンボル」と、本願発明1における「パラメータ」とは、上位層シグナリングを介して受信され、PDSCHの復号に用いられる点で共通する。

キ.上記ア.からカ.より、本願発明1と引用発明1とは、以下の点で、一致、相違する。

[一致点]
無線通信システムでユーザ機器が下りリンク信号を受信するための方法において、
上位層シグナリングを介して、物理DL共有チャネル(PDSCH)に対するパラメータを受信するステップと、
半持続的スケジューリング(Semi Persistent Scheduling:SPS)-PDSCHを構成する下りリンク制御情報(DCI)を受信するステップと、
前記パラメータを用いて前記PDSCHを復号するステップと、を含む、
下りリンク信号受信方法。

[相違点]
ア.本願発明1においては、上位層シグナリングを介して受信する、PDSCHに対するパラメータが、「複数のパラメータ集合」であり、復号に用いるパラメータ集合を示す「指示子」が下りリンク制御情報に含まれるか否かに基づいて決定された、前記複数のパラメータ集合の内の1つのパラメータ集合を用いてPDSCHを復号するのに対し、引用発明1においては、「PDSCHの開始シンボル」という単一のパラメータを受信し、これを用いてPDSCHを復号する点。
イ.本願発明1においては、上位層シグナリングを介して受信する、PDSCHに対するパラメータが、「半持続的スケジューリング(Semi Persistent Scheduling:SPS)」-PDSCHに対するものであるのに対し、引用発明1においては、そのような特定がされていない点。

(2)相違点についての判断
まず、上記相違点ア.について検討する。
上記相違点ア.に係る本願発明1の構成は、上記引用文献1-3には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
特に、引用発明1には、「PDSCHの送信特性のセット」を入手することが記載されているが、当該セットを上位層シグナリングを介して受信することも、複数のセットを受信することも記載されていない。
また、原査定に引用された引用文献2には、PDSCH開始サブフレームシンボル(本願発明1の「パラメータ」に対応)が、DCIフォーマット(本願発明1の「下りリンク制御情報」に対応)又はRRC(本願発明1の「上位層シグナリング」に対応)によって設定されることは記載されているが、PDSCHを復号するために複数のパラメータ集合の内の1つのパラメータ集合を用いることは記載されていない。
さらに、引用文献3には、PDSCHの開始OFDMシンボル(本願発明1の「パラメータ」に対応)がPCFICH(本願発明1の「下りリンク制御情報」に対応)から得られることは記載されているが、PDSCHを復号するために複数のパラメータ集合の内の1つのパラメータ集合を用いることはは記載されていない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用文献1-3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明8について
本願発明8も、本願発明1と同じく、上記「第5 対比・判断」の1.(1)で示した相違点に係る構成を含むものであるから、上記(2)で示したものと同じ理由により、当業者であっても、引用文献1-3に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3.本願発明2-7、9-16について
本願発明2-7及び15並びに9-14及び16は、それぞれ、本願発明1及び8と同一の構成を含むものであるから、本願発明1及び8に関するものと同じ理由により、引用文献1-3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-09-25 
出願番号 特願2015-538023(P2015-538023)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡 裕之  
特許庁審判長 近藤 聡
特許庁審判官 松永 稔
清水 祐樹
発明の名称 無線通信システムにおいて下りリンク制御信号を受信又は送信するための方法及びそのための装置  
代理人 中村 健一  
代理人 鶴田 準一  
代理人 河合 章  
代理人 竹本 実  
代理人 青木 篤  
代理人 南山 知広  

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