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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1332679
審判番号 不服2016-12806  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-25 
確定日 2017-10-03 
事件の表示 特願2011-176892「試験測定装置及びイベント検索方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月 1日出願公開、特開2012- 42468、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
特許出願: 平成23年8月12日
(パリ条約による優先権主張2010年8月13日、米国)
拒絶査定: 平成28年4月18日(送達日:同年同月26日)
拒絶査定不服審判の請求: 平成28年8月25日
手続補正: 平成28年8月25日
拒絶理由通知: 平成29年5月8日
(以下、「当審拒絶理由」という。発送日:同年同月9日)
手続補正: 平成29年8月1日(以下、「本件補正」という。)
意見書: 平成29年8月1日


第2 本願発明
本願請求項1-2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明2」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願発明は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
被試験無線周波数信号を受ける入力端子と、
上記被試験無線周波数信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータと、
デジタル化した上記被試験無線周波数信号からI(同相)及びQ(直交)ベースバンド成分情報を生成するデジタル・ダウン・コンバータと、
デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコードを蓄積する取込みメモリと、
上記I及びQベースバンド成分情報を用いて1つ以上のIQベース時間領域トレースを生成すると共に、上記I及びQベースバンド成分情報の個別のトレースを生成するトレース生成部と、
1つ以上のイベントを探すために1つ以上の上記IQベース時間領域トレースをスキャンすると共に、上記Iベースバンド成分情報の上記個別のトレース又は上記Qベースバンド成分情報の上記個別のトレースをスキャンして1つ以上のイベントを探し、1つ以上の上記イベントにマークを付ける検索ユニットと、
1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する表示ユニットと
を具える試験測定装置。
【請求項2】
IQベース時間領域トレース中のイベントを検索する方法であって、
試験測定装置の端子において被試験無線周波数信号を受けるステップと、
アナログ・デジタル・コンバータを用いて上記被試験無線周波数信号をデジタル化するステップと、
デジタル化した上記被試験無線周波数信号をダウン・コンバートしてI(同相)及びQ(直交)ベースバンド成分情報を生成するステップと、
上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報のレコードを取込みメモリ中に蓄積及び取込むステップと、
上記取込みメモリ中に蓄積された上記I及びQベースバンド成分情報を用いて、上記I及びQベースバンド成分情報の個別のトレース並びに1つ以上のIQベース時間領域トレースを生成するステップと、
1つ以上のイベントを探すために1つ以上の上記IQベース時間領域トレースを検索するステップと、
1つ以上の上記イベントにマークを付けるステップと、
1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示するステップと
を具えるイベント検索方法。」


第3 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2002-506975号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審による。以下同様。)
「 【0007】
この技術上のギャップを埋めるために、変調領域アナライザのような電子カウンタが開発されている。これらの装置は、信号の1次測定値、即ち信号の1セットのしきい値を横切る時間を検出し、次に信号の周波数、位相、または時間間隔のような1次測定値から取得されたパラメータを時間の関数としてプロットする。例えば、時間に対する周波数/位相分析は、周波数シフトキーおよび位相シフトキーによりそれぞれ変調された伝送を分析するのに極めて有用であり、時間間隔分析はパルス幅変調された信号を分析するのに有用である。」

「 【0010】
一般に、本発明の一構成によれば、デジタルオシロスコープに情報を呈する方法を特徴とする。この方法では、信号の1次測定値を作り出す。通常の場合、これは、電圧信号を時間の関数として測定するが、電圧は、別の経時的に変化する現象、例えば電流、加速信号、またはなんらかの変換された信号を示すことができる。1次測定値からのデータは、次に時間の関数として表示される。一実施形態では、水平軸表示は時間をあらわす。本発明によれば、信号のパラメータは、また1次測定データに基づいて得られる。これらの取得パラメータは、次に表示画面上に時間の関数として表示される。好ましい実施形態では、1次測定値および取得パラメータは、共通の時間軸を用いて共通の表示画面上に表示される。」

「 【0015】
一般に別の構成によれば、本発明は、またデジタルオシロスコープの動作の方法を特徴とする。この方法では、所定の時間間隔で繰り返し信号をサンプリングしてデジタル化し、デジタル化により生成されたデータを記憶する。パラメータは、これら1次測定値から算出される。取得パラメータは、次にオシロスコープに時間の関数として表示される。このようにして時間に基づくパラメータが、直接デジタル1次測定データから計算される。」

「 【0018】
特定の実施形態では、ローカルメモリは、記憶場所のアレーを備える。1次測定データおよび取得パラメータは、別個のアレーに記憶されるが、その際にプロセッサは、これら類似する暫定的な構成を持つように、アレーを再度関連付けることができる。すなわち、データ処理装置は、特定の場所の取得パラメータを、その取得パラメータを出現させた1次測定データに関連付けることができる。好ましくは、取得パラメータを保持するアレーは、信号表示のために行われるズーム操作のようなスケーリング操作を容易にするために、埋め込まれている。」

「 【0039】
図12は、本発明のオシロスコープ100の内部構造を示す概略図である。特に、4つのポート114A?114Dは、オシロスコープの4つの並列チャネル130A?130Dに対する入力を与える。各チャネル130は、チャネルに高インピーダンス入力を与える増幅器132を有する。増幅器からの出力は、アナログ・デジタルコンバータADC1?4 136によるデジタル化のために、信号を暫定的にフリーズするサンプル・ホールド回路134に送られる。一実施形態において、アナログ・デジタルコンバータのデジタル出力は8ビット幅であり、波形メモリ1?4 138に記憶される。これらの波形メモリは、通常1から16ミリオンの8ビット深さの記憶場所を有する。トリガー142は、トリガー条件を探すためにチャネル130A?130Dの増幅器132からの出力を追跡する。トリガー条件が見つけられると、タイムベース140に機能が付与されてサンプル・ホールド回路134、アナログデジタルコンバータ136、および波形メモリ138の動作を同期化させる。
【0040】
一実施形態において、サンプル・ホールド回路134、アナログデジタルコンバータ136、および波形メモリ138は、トリガー142がアーミング(発火準備)されるだけで、プローブによりポート114A?114Dに送られる信号の電圧を示すデータを連続的にフリーズし、デジタル化し、記憶する。波形メモリ138は、円形バッファの形でアドレス指定される。トリガー条件が見つけられた後においてのみトリガー142およびタイムベース140は、波形メモリの内容を保持し、これにより波形をトリガーイベントでサンプリングする。
【0041】
中央処理装置(CPU)150は、オシロスコープ100の全動作をコントロールする。特にチャネル130A?130Dの波形メモリ138において捕捉されたデータは、CPU150によりローカルメモリ152にバス148を介して送られる。好ましい実施形態においては、ローカルメモリ152には8つのスロット♯1?♯8が存在する。これにより、オシロスコープは、波形メモリ138により捕捉された最大8つの別々のイベントを保持することができる。例えば、4つのチャネルを、4つの信号を同時にサンプリングするために動作させることができる。CPU150は、その内容をローカルメモリ152のスロット♯1から♯4に送る。その後チャネル130A?130Dは、最大4つの信号イベントをさらに捕捉するために自由となり、上書きが必要となる前にそれら信号イベントをローカルメモリ152のスロット♯5から♯8の中に記憶することができる。
【0042】
オペレータのコントロールの下で、CPU150は処理用にローカルメモリスロット♯1から♯8におけるデータを選択してビデオフレームバッファ154に送る。特にオペレータのコントロールの下で、スロット♯1および♯5のデータは表示用に選ばれることができる。このデータは、次に例えば非線形補間技法、sin(x)/x、またはキュービック補間を用いて処理され、生じた表示データはビデオバッファ154に送られて、表示画面110に渡される。」

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「オシロスコープの4つの並列チャネル130A?130Dに対する入力を与える、4つのポート114A?114Dと、
アナログ・デジタルコンバータADC1?4 136と、
アナログ・デジタルコンバータのデジタル出力が記憶される波形メモリ1?4 138と、(【0039】)
チャネル130A?130Dの波形メモリ138において捕捉されたデータが送られる、ローカルメモリ152と(【0041】)を備え、
オペレータのコントロールの下で、CPU150は処理用にローカルメモリスロット♯1から♯8におけるデータを選択してビデオフレームバッファ154に送り、このデータは、次に例えば非線形補間技法、sin(x)/x、またはキュービック補間を用いて処理され、生じた表示データはビデオバッファ154に送られて、表示画面110に渡される、(【0042】)
オシロスコープ。」


2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開昭63-261166号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「サンプリングされた波形データ列(第1デジタル・データ列)は、直角変調器に入力し、複素波形データ列の実数成分及び虚数成分を表すデータ列が発生する。この複素波形データ列は、入力波形のデータ列に似た周波数スペクトラムを有するが、w(但し、wは選択された周波数帯域の中心周波数)だけ減算された周波数領域のデータに変換される。従って、観測したい帯域に対応する複素波形データ列の周波数帯域の中心周波数は、略0Hzになる。
データ列の実数成分及び虚数成分は、データ整合用の低域通過フィルタ及び間引きフィルタを含む多段デジタル・フィルタによって処理され、この間引きフィルタが発生した所定の数の要素から成る出力データ列が取り込みメモリに記憶される。」(第2頁右下欄第19行?第3頁左上欄第13行)

3.引用文献3について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2006-186994号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0002】
図1は、本願出願人のテクトロニクス製WCA280A型、WCA380型、RSA2200A型及びRSA3300A型(非特許文献1)の如き実時間スペクトラム・アナライザ(RTSA:Real Time Spectrum Analyzer)である実時間試験測定機器の一形式の基本的なブロック図である。RF(無線周波数)信号がRF信号調整回路50に入力し、局部発振器52からの局部発振器周波数と混合器(ミキサ)54により混合されて、中間周波数(IF)信号に変換される。このIF信号をIFフィルタ56によりろ波し、アナログ・デジタル(A/D)変換器58によりデジタル化して、IF振幅/位相補正回路60により、デジタル化したIFデータの振幅及び位相を補正する。直交信号発生器62は、補正されたIF信号からI(同相: In-phase)データ及びQ(直角位相:Quadrature-phase)データを発生し、後での処理のため蓄積メモリ66に蓄積する。これらI及びQデータは、トリガ発生器64にも入力される。トリガ事象を定義する特定条件に応じて、トリガ発生器64は、トリガ信号を出力する。メモリ制御回路68は、トリガ信号に応答して、定義トリガ事象(定義されたトリガ事象)をRF信号内で囲むIデータ及びQデータ(I/Qデータ)を蓄積メモリ66内に捕捉する。スペクトラム・アナライザによりモニタする周波数スペクトル内に定義事象(定義された事象)が生じるようにできる。かかる技術に関連した「周波数マスク」トリガの実施については、米国特許第5103402号明細書(特許文献1)又は対応する特開平2-47561号公報(特許文献2)に記載されている。また、従来の時間領域トリガを用いて、従来のオシロスコープのように、モニタすべきRF信号のパワー(又は電圧レベル)に基づいてトリガ信号を発生してもよい。」

「【0017】
上述の本発明は、同じ測定機器又はいくつかの他の測定機器により既に取り込まれたデータに適用してもよいし、ディスク上のデータ内の異常事象又は確認事象を探すために、ディスク上に蓄積されたデータ又はシミュレーションしたデータに適用してもよく、実時間処理及び後処理の両方に対して作用できる。実時間スペクトラム・アナライザについて上述したが、本発明のトリガ発生器及びデータ取込み方法は、オシロスコープ、ロジック・アナライザ、ネットワーク・アナライザなどのように実時間でデータを取り込む他の試験測定機器に用いて、入力信号の情報内容に関連した事象にてトリガをかけることができる。」

4.引用文献4について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2003-329709号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、デジタル・オシロスコープ用の取込み装置であって;被試験信号を受ける入力端子(CH1?CH4)と;入力端子に結合され被試験信号を受ける入力端を有し、被試験信号のデジタル・サンプルを出力端に発生するアナログ・デジタル変換器(531?534/631?634)と;入力端子に結合され被試験信号を受ける入力端を有し、被試験信号内の所定のトリガ・イベントに応答してトリガ信号を出力端に発生するトリガ回路(520/620)と;データ記録にて、被試験信号のデジタル・サンプルを蓄積する取込みメモリ(551?554/651?654)と;ポスト取込み動作モードにて蓄積されたデジタル・サンプルを試験し、蓄積されたデジタル・サンプルにおける所定イベントの検出に応答してイベント検出信号を発生し、蓄積されたデジタル・サンプルの所定量を取込みメモリから読み出して、オシロスコープの信号処理部分に処理及び表示用に伝送する処理回路(561?564/670)とを具え;蓄積されたデジタル・サンプルの所定量がデータ記録の全体よりも少なく、イベント検出信号に時間的に関連していることを特徴とする。また、本発明のデジタル・オシロスコープは;被試験信号を受ける入力端子(CH1?CH4)と;入力端子に結合されて被試験信号を受ける入力端を有し、被試験信号のデジタル・サンプルを出力端に発生するアナログ・デジタル変換器(531?534)と;入力端子に結合されて被試験信号を受ける入力端を有し、被試験信号内の所定トリガ・イベントの検出に応答してトリガ信号を出力端に発生するトリガ回路(520)と;データ記録にて、被試験信号のデジタル・サンプルを蓄積する取込みメモリ(551?554)と;アナログ・デジタル変換器及び取込みメモリの間に結合され、デジタル・サンプルを受けると共に、トリガ回路から受けたトリガ信号に応答して、取込みメモリへのサンプルの流れを制御するデマルチプレクサ・ユニット(541?544)と;ポスト取込み動作モードにて蓄積されたデジタル・サンプルを試験し、蓄積されたデジタル・サンプルにおける所定イベントの検出に応答してイベント検出信号を発生し、所定イベントに関するデータを含んだメモリ記憶位置の範囲を指示するメモリ・アドレス信号を発生する処理回路(561?564)と;イベント検出信号及び上記メモリ・アドレス信号に応答して、蓄積されたデジタル・サンプルの所定量を取込みメモリから読み出し、オシロスコープの信号処理部分に処理及び表示用に伝送するシステム・プロセッサ(670)とを具え;蓄積されたデジタル・サンプルの所定量がデータ記録の全体よりも少なく、イベント検出信号に時間的に関連していることを特徴とする。さらに、本発明は、デジタル・オシロスコープであって;被試験信号を受ける入力端子(CH1?CH4)と;入力端子に結合されて被試験信号を受ける入力端を有し、被試験信号のデジタル・サンプルを出力端に発生するアナログ・デジタル変換器(631?634)と;入力端子に結合されて被試験信号を受ける入力端を有し、被試験信号内の所定トリガ・イベントの検出に応答してトリガ信号を出力端に発生するトリガ回路(620)と;データ記録にて、被試験信号のデジタル・サンプルを蓄積する取込みメモリ(651?654)と;アナログ・デジタル変換器及び取込みメモリの間に結合され、デジタル・サンプルを受けると共に、トリガ回路から受けたトリガ信号に応答して、取込みメモリへのサンプルの流れを制御するデマルチプレクサ・ユニット(641?644)と;ポスト取込み動作モードにて蓄積されたデジタル・サンプルを試験し、蓄積されたデジタル・サンプルにおける所定イベントを検出するシステム・プロセッサ(670)とを具え;システム・プロセッサにより、所定イベントの検出に応答して、取込みメモリから蓄積されたデジタル・サンプルの所定量を取込みメモリから読み出して、オシロスコープの信号処理部分に処理及び表示用に伝送し;蓄積されたデジタル・サンプルの所定量がデータ記録の全体よりも少なく、イベント検出信号に時間的に関連していることを特徴とする。また、本発明は、オシロスコープを用いて、記録用に取り込んだ記録データから抽出した関心波形を表示する方法であって;記録データを取込みメモリに取込み;ユーザが定義したイベントの発生に対して、ポスト処理動作モードにて記録データを試験し;所定イベントの検出により、イベントを囲む取込みフレームを有するデータを波形処理及び表示装置に供給することを特徴とする。
【0013】上述のように、実時間デジタル・ストレージ・オシロスコープは、長時間にわたる記録データを取込みメモリに取込み、この長時間記録のデータを処理して所定イベントを検索する。かかる所定イベントの検出により、回路は、イベント検出信号を発生し、このイベントを囲む取込みフレームから成るデータを波形処理及び表示装置に供給する。異なる検索条件を用いて、記録データにわたって追加の検索を実行するために、長時間記録のデータを再生できる。よって、多数の波形を同時に表示できる。なお、各波形は、ユーザが定義した異なるイベントの結果として捕捉されたものである。スクリーン表示をプログラムして、異なる種類のイベントを表示できる。なお、異なる種類のイベントは、各波形におけるラント信号、オーバーシュート、又はパルス幅違反などである。また、各波形のラント信号などの如き同じ種類のイベントの多数の発生を表示するようにプログラムしてもよい。」

「【0036】ポスト取込み検索イベント(異常)のいくつかの例は、次のようになる。
ジッタ(幅、立ち上がり、エッジなど)
エッジ:高
パルス幅:低
パルス振幅:最小
立ち上がり時間:最大
立ち下がり時間:最大
テレコム・シリアル・パターン:RMS
テレコム・パケット認知:オーバーシュート+-
波形(フィルタに一致):ヒストグラム、stdev、平均、ピーク・ピーク
ラント:アイ・ダイアログ及びマスク・トリガ
波形比較:マスク限界
ピーク・ピーク:周波数
周期
【0037】このリストは、可能性のあるトリガ・イベントの総てを含んではおらず、本発明の要旨は、これらトリガ・イベントを含むものであるがこれらに限定されるものではないことが当業者には明らかであろう。」

したがって、上記引用文献4(段落【0012】)には、次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。

「被試験信号を受ける入力端子(CH1?CH4)と、
被試験信号のデジタル・サンプルを出力端に発生するアナログ・デジタル変換器(531?534)と、
被試験信号のデジタル・サンプルを蓄積する取込みメモリ(551?554)と、
蓄積されたデジタル・サンプルにおける所定イベントの検出に応答してイベント検出信号を発生し、所定イベントに関するデータを含んだメモリ記憶位置の範囲を指示するメモリ・アドレス信号を発生する処理回路(561?564)と、
イベント検出信号及び上記メモリ・アドレス信号に応答して、蓄積されたデジタル・サンプルの所定量を取込みメモリから読み出し、オシロスコープの信号処理部分に表示用に伝送するシステム・プロセッサ(670)と、
を備えるデジタル・オシロスコープ。」

5.引用文献5について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特開平11-51990号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0015】例えば図2に示すように、入力信号中の周波数f1 ?f2 の成分が選出手段26により選出され、一方選出手段27から入力信号中の周波数f3 ?f4 の成分が選出され、この選出成分は、デジタル信号に変換されてメモリ47に連続的に書込まれている。図2Bに示すように入力端子11の入力信号に突発性信号が発生すると、検波器37の出力に図2Cに示すようにパルスが発生し、これにもとづき、トリガ生成手段37から図2Dに示すようにトリガ信号が生成され、このトリガ発生で残留カウンタ49が計数を開始し、予め設定した待ち時間の後に、残留カウンタ49からメモリ書込み中止指令が図2Eに示すように発生してメモリ47への書込みが停止される。よって図2Fに示すようにトリガ信号の発生を基準として、その前後における選出手段27より選出信号がメモリ47に書込まれることになる。なお突発性信号発生(図2B)からメモリ書込み停止までに測定機器自体の遅れが含まれるが、この遅れは予め知ることができるから、その分を考慮して、メモリ47に対する停止指令を発生するようにする。
【0016】このようにして得られたメモリ47に記憶されている信号を読出し、演算部53で例えばFFT演算処理し、その結果である周波数対時間対電力の関係を表示器18に例えば図2Gに示すように表示する。この表示にトリガ信号発生時点にマーク54を表示することにより、突発性信号の前後における例えばスプリアスの状態を観察することができる。電力は例えばその大きさに応じた色により表示させることができる。なお、当然のことであるが、帯域通過フィルタ34の通過帯域は、イメージ周波数を除去すると共に、AD変換器46のサンプリング周波数との関係でFFTの際にエイリアスが生じないようにする。
【0017】なお、トリガ信号は、AD変換器41の最上位ビットが立てば発生させるようにすることもできる。また演算部53を省略して、メモリ47の記憶内容を読出し、制御部42で演算部53で行う演算を行ってもよい。図1に点線で示したようにメモリ43を設ける場合はメモリ43に対してもメモリ47と同様な書込み制御を行い、そのメモリ43の記憶信号を表示器18に時間経過として表示することにより、突発性信号自体の波形を観測することもできる。この波形観測と演算部53の演算結果の表示は、表示器18の表示面を2分して同時に表示してもよい。」

6.引用文献6について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6(特開2009-92660号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0039】
図8は、被試験信号の一部がシグネチャとマッチするときを識別するために、マグニチュード・シグネチャとして変調シグネチャを用いる方法を示す。ステップ810に示すように、被試験信用にマグニチュード値を得る。これら値は、入力信号又はストレージ媒体から得ることができる。I-Qデータ値の如きいくつかの他のフォーマットに基づいてマ
グニチュード値を計算することにより、これらマグニチュード値を求めてもよいし、又は、直接的に提供できる。ステップ820にて、マグニチュード値をマグニチュード・シグネチャと比較する。本発明の実施例において、マグニチュード・シグネチャに関連するマグニチュード値をシフトし、各シフトにて比較を行って、マグニチュード値がしきい値内にマッチングするか否かを調べる。いくつかの実施例において、マグニチュード値をシフトする一方、他の実施例においては、マグニチュード・シグネチャをシフトする。点線で示すように、ステップ822及び824は、オプションである。ステップ822において、スケーリングを調整するので、マグニチュード値及びマグニチュード・シグネチャが同じスケールに近づく。これは、エラー計算を最小にするスケーリング値を計算することにより達成できる。シフト値は、マグニチュード・シグネチャの複数のマグニチュード値のいずれかに関連してもよい。同様に、ステップ824において、相対オフセットを計算する。例えば、エラーを計算し、それをしきい値と比較することにより比較動作を行うと、ステップ830は、被試験信号の一部がマグニチュード・シグネチャにマッチングしたことを示す。第1実施例において、トリガ信号を提供することにより、この指示を行う。別の実施例においては、マグニチュード・シグネチャに対応するマグニチュード値の一部にマーカを関係させて、この指示を行う。
【0040】
図9は、位相シグネチャの如き変調シグネチャを用いて、被試験信号の一部が直ぐにマッチングするときを識別する方法を示す。ステップ910に示すように、被試験信用の位相値を求める。これら値は、入力信号から、又は、ハード・ドライブ、USBドライブ、フラッシュ・メモリなどの如き蓄積媒体から得ることができる。位相値は、直接得てもよいし、I-Qデータ値の如きいくつかの他のフォーマットに基づいた値を計算して求めてもよい。ステップ920にて、位相値を位相シグネチャと比較する。実施例において、位相値及び位相シグネチャを互いに直接比較して、エラー計算を実行する。別の実施例において、位相シグネチャを位相値から引いて、直線フィットを実行して、これら値を互いに比較する。本発明の実施例において、位相シグネチャに対して位相値をシフトし、各シフトの後に比較することにより、比較動作を実行して、マッチングがしきい値内であるか否かを調べる。いくつかの実施例において、位相値をシフトする一方、他の実施例では、位相シグネチャをシフトする。点線で示すように、ステップ922、924、926及び928は、オプションである。ステップ922において、変調の深さのスケーリングを調整して、良好な比較を行う。第1実施例において、位相シグネチャに関連したスケーリング値を調整する。第2実施例において、位相値に関連したスケーリング値を調整する。同様に、ステップ924及び926にて、相対周波数オフセット又は一定位相シフトを夫々計算する。再び、位相シグネチャ又は位相値のいずれかに関連して、これらを計算できる。いずれかの方法で、これら処理の結果としての位相値及び位相シグネチャの間の相対関係は、比較動作を行うのに用いるエラー計算を最小にする。ステップ928にて、適用する位相シグネチャに対応するマグニチュード・シグネチャに基づく重み係数を用いて、更にエラー計算を減らす。これには、信号対ノイズ比アーティファクトを減らす重み付けを提供する。例えば、エラーを計算し、それをしきい値と比較することにより、比較動作を行うと、ステップ920は、被試験信号の一部が位相シグネチャとマッチングしたことを指示する。第1実施例において、トリガ信号を発生することにより、この指示を行う。別の実施例では、位相シグネチャに対応する位相値の一部にマーカを関連させることにより、この指示を行う。
【0041】
上述の実施例では、ASIC、FPGA又は他のカスタム化した回路の如きハードウェアにて、実時間トリガを実現した。これをハードウェアにて実現することにより、実時間で比較を行え、トリガ信号を発生できる。これは、サンプルを逃すことなく、サンプル・レートを低下させることなく、トリガを発生できることを意味する。別の実施例において、これら構成及び動作を、プログラマブル・プロセッサで実行するソフトウェアにて実現できる。これらプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、又は
ソフトウェアを実行できる他のプロセッサである。これにより、後処理分析では、変調シグネチャへのマッチングを識別できる。ハードウェアを用いてこの動作を実時間で実行する更に別の実施例では、トリガ発生器40を用いて、後処理分析を行う。この実施例において、プロセッサ32は、取込みメモリ36又は他のストレージからデータをトリガ発生器40に供給する。変調シグネチャに対するマッチングが見つかると、トリガ信号を用いて、蓄積心に関連したマーカを提供する。これは、図10に示すように、メモリに直接トリガを書き込んで、又は、通信パス(図示せず)をプロセッサ32に戻して、実現できる。」

7.引用文献7について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献7(特表2009-515199号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0013】
例えば、図1に示す電圧対時間視覚表現において、位置12における波形10上に配置された表示マーカにより(5マイクロ秒(μsec)、5ボルト)のリードアウトとなり、位置14における波形10上に配置されたマーカは、(2μ秒、0ボルト)のリードアウトとなってもよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施例は、表示マーカに関連したマーカ構成を具えてもよい。図1に示す例では、表示マーカに関連したマーカ構成は、表示マーカが位置12に表示されたときに、時間5マクロ秒に対応する時間領域値を含んでもよい。この時間領域値は、絶対時間基準でもよいし、又は、時間値に対応するインデックス値でもよい。表示マーカが位置14にあると、マーカ構成は、時間値2マイクロ秒に対応する時間領域指標を含んでもよい。」

8.引用文献8について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献8(特開平6-160445号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0048】図11はベクトルスペクトル解析結果を示す。d Freqは図8に示した周波数時間変化記憶部35の一つの画像メモリ35A,35B……の何れかに記憶した一つのチャンネルの搬送波の中心周波数からの変移Δωi ,nを示している。またPhaseは位相時間変化記憶部37の画像メモリ37A,37B,37C…の何れかに記憶した一つのチャンネルの位相時間変化Δθi ,nを表示している。図12は遅延検波解析結果を示す。
【0049】この応用実施例によれば、各記憶部32,35,37,39に取込んだ各データはこの発明により提案した高分解能周波数分析装置HRSFFT に設けた累積器12に累積した周波数領域データを利用して得たから、このデータは補間処理によって得られた真の線スペクトル成分だけで構成される。この結果例えばデータレートより充分に速いゆらぎ等によって拡散されているスペクトルを全く含まないから、真の伝送に供されるデータだけが表示器5に表示される。よって真の伝達特性を知ることができる利点が得られる。」


第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比・判断1
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
まず、引用発明1における「オシロスコープの4つの並列チャネル130A?130Dに対する入力を与える、4つのポート114A?114D」と、本願発明1における「被試験無線周波数信号を受ける入力端子」とは、「被試験信号を受ける入力端子」である点で共通する。
また、引用発明1における「アナログ・デジタルコンバータADC1?4 136」と、本願発明1における「上記被試験無線周波数信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータ」とは、「上記被試験信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータ」である点で共通する。
次に、引用発明1における「アナログ・デジタルコンバータのデジタル出力が記憶される波形メモリ1?4 138」と、本願発明1における「デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコードを蓄積する取込みメモリ」とは、「デジタル化した上記被試験信号を蓄積する取込みメモリ」である点で共通する。
さらに、引用発明1の「表示画面110」及び「オシロスコープ」は、それぞれ本願発明1における「表示ユニット」及び「試験測定装置」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「被試験信号を受ける入力端子と、
上記被試験信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータと、
デジタル化した上記被試験信号を蓄積する取込みメモリと、
表示ユニットと
を具える試験測定装置。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1において、入力端子が受けてデジタル化される信号は「無線周波数」信号であるのに対し、引用発明1においては該信号が「無線周波数」信号であるのか否かは不明である点。

(相違点2)本願発明1は「デジタル化した上記被試験無線周波数信号からI(同相)及びQ(直交)ベースバンド成分情報を生成するデジタル・ダウン・コンバータ」という構成を備えるのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点。

(相違点3)本願発明1は「デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコードを蓄積する取込みメモリ」という構成を備えるのに対し、引用発明1は「アナログ・デジタルコンバータのデジタル出力が記憶される波形メモリ1?4 138」を備えてはいるものの、そこに蓄積されるものは「デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコード」とはされていない点。

(相違点4)本願発明1は「上記I及びQベースバンド成分情報を用いて1つ以上のIQベース時間領域トレースを生成すると共に、上記I及びQベースバンド成分情報の個別のトレースを生成するトレース生成部」という構成を備えるのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点。

(相違点5)本願発明1は「1つ以上のイベントを探すために1つ以上の上記IQベース時間領域トレースをスキャンすると共に、上記Iベースバンド成分情報の上記個別のトレース又は上記Qベースバンド成分情報の上記個別のトレースをスキャンして1つ以上のイベントを探し、1つ以上の上記イベントにマークを付ける検索ユニット」という構成を備えるのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点。

(相違点6)本願発明1において、「表示ユニット」は「1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する」とされているのに対し、引用発明1の「表示画面110」はそのような内容を表示するとはされていない点。

本願発明1の内容に鑑み、上記相違点6について検討すると、上記相違点6に係る本願発明1の「表示ユニット」が「1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する」という構成は、上記引用文献2ないし8には記載も示唆もされていない。
したがって、上記相違点1ないし5について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1ないし8に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(2)対比・判断2
本願発明1と引用発明4とを対比すると、次のことがいえる。
まず、引用発明4における「被試験信号を受ける入力端子(CH1?CH4)」と、本願発明1における「被試験無線周波数信号を受ける入力端子」とは、「被試験信号を受ける入力端子」である点で共通する。
また、引用発明4における「被試験信号のデジタル・サンプルを出力端に発生するアナログ・デジタル変換器(531?534)」と、本願発明1における「上記被試験無線周波数信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータ」とは、「上記被試験信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータ」である点で共通する。
次に、引用発明4における「被試験信号のデジタル・サンプルを蓄積する取込みメモリ(551?554)」と、本願発明1における「デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコードを蓄積する取込みメモリ」とは、「デジタル化した上記被試験信号を蓄積する取込みメモリ」である点で共通する。
さらに、引用発明4の「デジタル・オシロスコープ」は、本願発明1における「試験測定装置」に相当する。また、引用発明4は「蓄積されたデジタル・サンプルの所定量を取込みメモリから読み出し、オシロスコープの信号処理部分に表示用に伝送する」ものであるから、本願発明1の「表示ユニット」に相当する表示のための構成を有していることは明らかといえる。

したがって、本願発明1と引用発明4との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「被試験信号を受ける入力端子と、
上記被試験信号をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータと、
デジタル化した上記被試験信号を蓄積する取込みメモリと、
表示ユニットと
を具える試験測定装置。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1において、入力端子が受けてデジタル化される信号は「無線周波数」信号であるのに対し、引用発明4においては該信号が「無線周波数」信号であるのか否かは不明である点。

(相違点2)本願発明1は「デジタル化した上記被試験無線周波数信号からI(同相)及びQ(直交)ベースバンド成分情報を生成するデジタル・ダウン・コンバータ」という構成を備えるのに対し、引用発明4はそのような構成を備えていない点。

(相違点3)本願発明1は「デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコードを蓄積する取込みメモリ」という構成を備えるのに対し、引用発明4は「被試験信号のデジタル・サンプルを蓄積する取込みメモリ(551?554)」を備えてはいるものの、そこに蓄積されるものは「デジタル化した上記被試験無線周波数信号に関する上記I及びQベースバンド成分情報の1つ以上のレコード」とはされていない点。

(相違点4)本願発明1は「上記I及びQベースバンド成分情報を用いて1つ以上のIQベース時間領域トレースを生成すると共に、上記I及びQベースバンド成分情報の個別のトレースを生成するトレース生成部」という構成を備えるのに対し、引用発明4はそのような構成を備えていない点。

(相違点5)本願発明1は「1つ以上のイベントを探すために1つ以上の上記IQベース時間領域トレースをスキャンすると共に、上記Iベースバンド成分情報の上記個別のトレース又は上記Qベースバンド成分情報の上記個別のトレースをスキャンして1つ以上のイベントを探し、1つ以上の上記イベントにマークを付ける検索ユニット」という構成を備えるのに対し、引用発明4はそのような構成を備えていない点。

(相違点6)本願発明1において、「表示ユニット」は「1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する」とされているのに対し、引用発明4においてはそのような内容を表示するとはされていない点。

本願発明1の内容に鑑み、上記相違点6について検討すると、上記相違点6に係る本願発明1の「表示ユニット」が「1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する」という構成は、上記引用文献1ないし3、5ないし8には記載も示唆もされていない。
したがって、上記相違点1ないし5について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1ないし8に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2について
本願発明2は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「表示ユニット」が「1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1ないし8に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1-4について上記引用文献1ないし8に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、本件補正により補正された請求項1、2は、それぞれ「表示ユニット」が「1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する」という事項、またはそれに対応する構成を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1、2は、当業者であっても、引用文献1ないし8に基づいて容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
1.特許法第36条第6項第1号について
当審では、請求項1の「1つ以上のイベントを探すために1つ以上の上記IQベース時間領域トレースをスキャンすると共に、上記Iベースバンド成分情報の上記個別のトレース又は上記Qベースバンド成分情報の上記個別のトレースをスキャンして1つ以上のイベントを探す検索ユニットと」という点、及び請求項2の「上記取込みメモリ中に蓄積された上記I及びQベースバンド成分情報を用いて、上記I及びQベースバンド成分情報の個別のトレースを含む1つ以上のIQベース時間領域トレースを生成するステップと、」という点は発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、本件補正において、上記の点はそれぞれ「1つ以上のイベントを探すために1つ以上の上記IQベース時間領域トレースをスキャンすると共に、上記Iベースバンド成分情報の上記個別のトレース又は上記Qベースバンド成分情報の上記個別のトレースをスキャンして1つ以上のイベントを探し、1つ以上の上記イベントにマークを付ける検索ユニットと、1つ以上の上記IQベース時間領域トレースに関する1つ以上のマークされた上記イベントの位置又はその周辺の関心ある区間を表示する表示ユニットと」、及び「上記取込みメモリ中に蓄積された上記I及びQベースバンド成分情報を用いて、上記I及びQベースバンド成分情報の個別のトレース並びに1つ以上のIQベース時間領域トレースを生成するステップと、」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。


第7 むすび
以上のとおり、本願発明1、2は、当業者が引用発明1及び引用文献2ないし8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではないし、また、引用発明4及び引用文献1ないし3、5ないし8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-09-15 
出願番号 特願2011-176892(P2011-176892)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
P 1 8・ 537- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 越川 康弘  
特許庁審判長 酒井 伸芳
特許庁審判官 中塚 直樹
関根 洋之
発明の名称 試験測定装置及びイベント検索方法  
代理人 特許業務法人山口国際特許事務所  
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