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審決分類 |
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 C07H 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C07H 審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 C07H 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C07H 審判 査定不服 特37条出願の単一性 特許、登録しない。 C07H |
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管理番号 | 1332742 |
審判番号 | 不服2016-5650 |
総通号数 | 215 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-11-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-04-15 |
確定日 | 2017-09-20 |
事件の表示 | 特願2012-554062「逆方向合成RNAのためのホスホルアミダイト」拒絶査定不服審判事件〔平成23年8月25日国際公開、WO2011/103468、平成25年6月6日国内公表、特表2013-520438〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 この出願は、2011年2月18日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2010年2月19日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、以降の手続の経緯は以下のとおりのものである。 平成26年11月26日付け 拒絶理由通知 平成27年 6月 2日 意見書提出・手続補正 平成27年12月 3日付け 拒絶査定 平成28年 4月15日 審判請求・手続補正 平成28年11月30日 上申書提出 第2 平成28年4月15日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成28年4月15日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正 平成28年4月15日付けの手続補正(以下「本件補正」という)は、本件補正前の請求項1である、 「式Ia、Ib: [式中、Jは、H、 、又は であり、【化4】 はJがO原子に結合する位置を示し; Qは、a)結合基及び切断されてヒドロキシ基を形成することが可能なスペーサーからなる担体;又はb)脂肪族鎖、芳香族基、置換若しくは非置換芳香族、置換若しくは非置換フェノキシ、又はレブリニルであり; R^(1)は、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基であり、ここで、アルキル基又はシクロアルキル基は、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく; R^(2)は、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基であり、ここで、アルキル基又はシクロアルキル基は、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく; 又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、形成されたヘテロシクリルは、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく; R^(3)は、-CH_(2)CH_(2)CN、-CH_(2)CH_(2)-Si(CH_(3))_(2)C_(6)H_(5)、-CH_(2)CH_(2)-S(O)_(2)-CH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-C_(6)H_(4)-NO_(2)、-CH_(2)CH_(2)-NH-C(O)-C_(6)H_(5)、又は-CH_(2)CH_(2)-O-C_(6)H_(2)-C(O)CH_(3)からなる群から選択されるリン酸保護基であり;R^(4)は、--ハロ、--R^(5)、--NR^(7)R^(8)、--OR^(9)、--SR^(10)、又は2’-ブロッキング基であるか;又は、構造式Ia又はIbが(II)又は(III)である場合: R^(4)はさらにO-Si(R^(11))_(3)又はO-CH_(2)-Si(R^(11))_(3)から選択され;又は、構造式Ia又はIbが(IV)又は(V)である場合: R^(4)はさらに-OC(=O)R^(12)から選択され; R^(5)は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又は置換若しくは非置換フェニルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル及びフェニル基は、NH、NR^(5)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく;また-NR^(7)R^(8)、(C_(1)-C_(4))アルキルアミノ、ジ(C_(1)-C_(4))アルキルアミノ、-OR^(9)、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、ベンジル若しくは置換ベンジル、-SR^(10);又は-S-(C_(1)-C_(6))アルキル基で終端していてもよく; R^(6)は、-H又は-O-Zであり; R^(7)は、それぞれ独立して、フルオレニルメチルオキシカルボニル;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)-フタルイミド;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)-フタルイミド;NR^(8)C(=O)-フタルイミド;置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(8)は、それぞれ、H又は置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(9)は、それぞれ独立して、-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)CH_(3);置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(10)は、それぞれ独立して、-S(C_(1)-C_(6))アルキル、-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)CH_(3);置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(11)は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(12)は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又は置換若しくは非置換アリール基であり; Zは、非置換若しくは置換アリール基、非置換若しくは置換トリアリールメチル基、非置換若しくは置換トリチル基、非置換若しくは置換テトラヒドロピラニル基、又は非置換若しくは置換9-フェニルキサンチルからなる群から選択される酸分解性保護基であり;B^(n)は、水素、又は各環外アミンがアミン保護基で官能化されていてもよい、置換されていてもよい核酸塩基であり、ここで、核酸塩基は以下から選択され:N6,N6-ジメチルアデニン、N-1-メチルアデニン、7-デアザアデニン、7-デアザ-8-アザアデニン、3-デアザアデニン、エテノアデニン、イソグアニン、N1-メチルグアニン、7-ヨード-7-デアザグアニン、7-デアザ-7-ヨードアデニン、7-デアザ-7-ヨード-6-オキソプリン、5-ヨード-5-メチル-7-デアザグアニン、-C≡C(CH_(2))_(1-8)-フタルアミド(pthlamide)で置換された7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-メチルグアニン、8-ブロモグアニン、8-アミノグアニン、ヒポキサンチン、6-メトキシプリン、7-デアザ-6-オキソプリン、6-オキソプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、8-ブロモプリン、8-アミノプリン、8-アルキルアミノプリン、8-アルキルアミノプリン、チミン、N-3メチルチミン、5-アセトキシメチルシトシン、5-アザシトシン、イソシトシン、N-4(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、N-3(C_(1)-C_(6))アルキルシチジン、5-プロピニルシトシン、5-ヨード-シトシン、5-(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、5-アリール(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、5-トリフルオロメチルシトシン、5-メチルシトシン、エテノシトシン、-CH=CH-C(=O)NH(C_(1)-C_(6))アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、-C≡C-CH_(2)-フタルイミド又はNH(C_(1)-C_(6))アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、4-チオウラシル、2-チオウラシル、N3-チオベンゾイルエチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-アセトキシメチルウラシル、5-フルオロウラシル、5-クロロウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヨードウラシル、4-チオウラシル、N-3-(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-(3-アミノアリル)-ウラシル、5-(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-アリール(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、4-トリアゾリル-5-メチルウラシル、2-ピリドン、2-オキソ-5-メチルピリミジン、2-オキソ-4-メチルチオ-5-メチルピリミジン、2-チオカルボニル-4-オキソ-5-メチルピリミジン、及び4-オキソ-5-メチルピリミジン; ここで、核酸塩基内又は環外アミン上の置換可能な窒素原子は、以下により置換されていてもよく:フルオレニルメチルオキシカルボニル;-C(=O)OPh;-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキル;-C(=O)CH_(2)CH_(2)CH=CH_(2);-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキレン-C(=O)OH;-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキレン-C(=O)O(C_(1)-C_(6))アルキル;=CR^(8)N(C_(1)-C_(6))アルキル)_(2);-C(=O)-NR^(8)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-NR^(8)(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)-フタルイミド;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)-フタルイミド;及び ここで、核酸塩基内の置換可能な酸素原子は、-C(=O)N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)-C(=O)N(フェニル)_(2)で置換されていてもよい]で表される化合物。」を、 補正後の請求項1である、 「式Ia、Ib: [式中、Jは、 、又は であり、【化4】 はJがO原子に結合する位置を示し; Qは、a)結合基及び切断されてヒドロキシ基を形成することが可能なスペーサーからなる担体;又はb)脂肪族鎖、芳香族基、フェノキシ、又はレブリニルであり; R^(1)は、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チザオリジニルであり;R^(2)は、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(3)-C_(12))シクロアルキル基、又は(C_(3)-C_(12))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チザオリジニルであり; 又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン-2-オン、1-メチルピロリジン-2-オン、ピペリジン、ピペリジン-2-オン、2-ピリドン、4-ピリドン、ピペラジン、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン、ピペラジン-2-オン、5,6-ジヒドロピリミジン-4-オン、ピリミジン-4-オン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、オキサゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2,4-ジオン、テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン、モルフォリン、N-メチルモルフォリン、モルフォリン-3-オン、1,3-オキサジナン(oxazinan)-2-オン、チオモルフォリン、チオモルフォリン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアオキサゾール1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-2H-1,2-チアジン1,1-ジオキシド、ヘキサヒドロ-1,2,6-チアジアジン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアジアゾール1,1-ジオキシド、及びイソチアゾリジン1,1-ジオキシド、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルを含んでいてもよく; R^(3)は、-CH_(2)CH_(2)CN、-CH_(2)CH_(2)-Si(CH_(3))_(2)C_(2)H_(2)、-CH_(2)CH_(2)-S(O)_(2)-CH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-C_(6)H_(4)-NO_(2)、-CH_(2)CH_(2)-NH-C(O)-C_(6)H_(5)、又は-CH_(2)CH_(2)-O-C_(6)H_(4)-C(O)CH_(2)からなる群から選択されるリン酸保護基であり;R^(4)は、--ハロ、--R^(5)、--NR^(7)R^(8)、--OR^(9)、--SR^(10)、又は2’-ブロッキング基であるか;又は、構造式Ia又はIbが(II)又は(III)である場合: R^(4)はさらにO-Si(R^(11))_(3)又はO-CH_(2)-Si(R^(11))_(3)から選択され;又は、構造式Ia又はIbが(IV)又は(V)である場合: R^(4)はさらに-OC(=O)R^(12)から選択され; 2’-ブロッキング基は、下記の構造式で表される2-O-無水核酸塩基であり; R^(5)は、それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はフェニル、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルであり;また-NR^(7)R^(8)、(C_(1)-C_(4))アルキルアミノ、ジ(C_(1)-C_(4))アルキルアミノ、-OR^(9)、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、ベンジル、-SR^(10);又は-S-(C_(1)-C_(6))アルキル基で終端していてもよく; R^(6)は、-H又は-O-Zであり; R^(7)は、それぞれ独立して、フルオレニルメチルオキシカルボニル;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)-フタルイミド;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)-フタルイミド;NR^(8)C(=O)-フタルイミド;(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(8)は、それぞれ、H又は(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(9)は、それぞれ独立して、-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)CH_(3);(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(10)は、それぞれ独立して、-S(C_(1)-C_(6))アルキル、-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)CH_(3);(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(11)は、それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(12)は、それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はアリール基であり; Zは、アリール基、トリアリールメチル基、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、又は9-フェニルキサンチルからなる群から選択される酸分解性保護基であり;B^(n)は、各環外アミンがアミン保護基で官能化されていてもよい、置換されていてもよい核酸塩基であり、ここで、核酸塩基は以下から選択され:N6,N6-ジメチルアデニン、N-1-メチルアデニン、7-デアザアデニン、7-デアザ-8-アザアデニン、3-デアザアデニン、エテノアデニン、イソグアニン、N1-メチルグアニン、7-ヨード-7-デアザグアニン、7-デアザ-7-ヨードアデニン、7-デアザ-7-ヨード-6-オキソプリン、5-ヨード-5-メチル-7-デアザグアニン、-C≡C(CH_(2))_(1-8)-フタルアミド(pthlamide)で置換された7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-メチルグアニン、8-ブロモグアニン、8-アミノグアニン、ヒポキサンチン、6-メトキシプリン、7-デアザ-6-オキソプリン、6-オキソプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、8-ブロモプリン、8-アミノプリン、8-アルキルアミノプリン、8-アルキルアミノプリン、N-3メチルチミン、5-アセトキシメチルシトシン、5-アザシトシン、イソシトシン、N-4(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、N-3(C_(1)-C_(6))アルキルシチジン、5-プロピニルシトシン、5-ヨード-シトシン、5-(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、5-アリール(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、5-トリフルオロメチルシトシン、5-メチルシトシン、エテノシトシン、-CH=CH-C(=O)NH(C_(1)-C_(6))アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、-C≡C-CH_(2)-フタルイミド又はNH(C_(1)-C_(6))アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、4-チオウラシル、2-チオウラシル、N3-チオベンゾイルエチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-アセトキシメチルウラシル、5-フルオロウラシル、5-クロロウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヨードウラシル、4-チオウラシル、N-3-(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-(3-アミノアリル)-ウラシル、5-(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-アリール(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、4-トリアゾリル-5-メチルウラシル、2-ピリドン、2-オキソ-5-メチルピリミジン、2-オキソ-4-メチルチオ-5-メチルピリミジン、2-チオカルボニル-4-オキソ-5-メチルピリミジン、及び4-オキソ-5-メチルピリミジン; ここで、核酸塩基内又は環外アミン上の置換可能な窒素原子は、以下により置換されていてもよく:フルオレニルメチルオキシカルボニル;-C(=O)OPh;-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキル;-C(=O)CH_(2)CH_(2)CH=CH_(2);-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキレン-C(=O)OH;-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキレン-C(=O)O(C_(1)-C_(6))アルキル;=CR^(8)N(C_(1)-C_(6))アルキル)_(2);-C(=O)-NR^(8)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-NR^(8)(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)-フタルイミド;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)-フタルイミド;及び ここで、核酸塩基内の置換可能な酸素原子は、-C(=O)N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)-C(=O)N(フェニル)_(2)で置換されていてもよい]で表される化合物。」(審決注:補正部分に下線を付した。)とする補正を含むものである。 2 本件補正の適否 (1)補正の目的の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「化合物」の、 「J」について、選択肢の中から、「H」を削除し、 「Q」について、選択肢の中から、「置換若しくは非置換芳香族」を削除すると共に、「置換若しくは非置換フェノキシ」を「フェノキシ」に限定し、 「R^(1)」及び「R^(2)」について、各々「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基であり、ここで、アルキル基又はシクロアルキル基は、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく」を、本願明細書の段落【0122】の記載に基づき、各々「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チザオリジニルであり」に限定すると共に、「又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、形成されたヘテロシクリルは、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく」を、本願明細書の段落【0125】及び【0126】の記載に基づき、「又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン-2-オン、1-メチルピロリジン-2-オン、ピペリジン、ピペリジン-2-オン、2-ピリドン、4-ピリドン、ピペラジン、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン、ピペラジン-2-オン、5,6-ジヒドロピリミジン-4-オン、ピリミジン-4-オン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、オキサゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2,4-ジオン、テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン、モルフォリン、N-メチルモルフォリン、モルフォリン-3-オン、1,3-オキサジナン(oxazinan)-2-オン、チオモルフォリン、チオモルフォリン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアオキサゾール1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-2H-1,2-チアジン1,1-ジオキシド、ヘキサヒドロ-1,2,6-チアジアジン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアジアゾール1,1-ジオキシド、及びイソチアゾリジン1,1-ジオキシド、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルを含んでいてもよく」に限定し、 「R^(4)」の選択肢中の「2’ブロッキング基」について、本願明細書の段落【0198】及び【0199】の記載に基づき、【化17】の構造式で表される2-O-無水核酸塩基に限定し、 「R^(5)」の選択肢中の「それぞれ独立して、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又は置換若しくは非置換フェニルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル及びフェニル基は、NH、NR^(5)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく」について、本願明細書の段落【0122】及び【0126】の記載に基づき、「それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はフェニル、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルであり」に限定し、 「R^(5)」の終端していてもよい基について、選択肢の中から置換ベンジルを削除し、 「R^(7)」の選択肢中の「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」を、「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」に限定し、 「R^(8)」の選択肢中の「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」を、「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基」に限定し、 「R^(9)」の選択肢中の「置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」を、「(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」に限定し、 「R^(10)」の選択肢中の「置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」を、「(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」に限定し、 「R^(11)」の選択肢である「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」を、「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」に限定し、 「R^(12)」の選択肢である「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又は置換若しくは非置換アリール基」を、「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はアリール基」に限定し、 「Z」の選択肢である「非置換若しくは置換アリール基、非置換若しくは置換トリアリールメチル基、非置換若しくは置換トリチル基、非置換若しくは置換テトラヒドロピラニル基、又は非置換若しくは置換9-フェニルキサンチル」を、「アリール基、トリアリールメチル基、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、又は9-フェニルキサンチル」に限定し、並びに、 「B^(n)」について、選択肢から「水素」及び「チミン」を削除するものである。 そして、その補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、補正後の請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2)独立特許要件について そこで、本件補正後の上記請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて以下検討する。 ア 本願補正発明 本願補正発明は、前記1において補正後の請求項1に係る発明として記載したとおりである。 イ 刊行物 刊行物1:Nucleic Acids Symposium Series, No.52, (2008), p.103-104(原査定の引用文献1) 刊行物2:特表2007-531794号公報(原査定の引用文献16) 刊行物3:特表2010-504750号公報(原査定の引用文献15) 刊行物4:Tetrahedron Lett., (1980), Vol.21, p.719-722 刊行物5:Journal of Organic Chemistry,(1988), Vol.53(16), p.3710-3722(原査定の引用文献6) 刊行物2?5は、この出願の優先日における周知技術を示すために引用するものである。 ウ 刊行物の記載事項 本願出願前に頒布された刊行物である刊行物1?5には、以下の事項が記載されている。 (ア)刊行物1 訳文で示す。 1a「RNA合成:逆方向でのRNA合成のためのホスホラミダイト。合成RNAの3 '末端にリガンド、発色団及び修飾を簡便に導入するための効率的な合成及び応用」(103頁 標題) 1b「要約 3 '→5'方向による特定配列のRNA合成は現在確立され、非常に多様な治療グレードのRNAやSiRNAなどの合成や開発に現在使用されている。このような合成RNAの多くは、オリゴヌクレオチドの3 '末端の修飾やラベリングを必要とする。3 '→5'合成法を用いて、親油性の長鎖リガンド又は発色団を要する3 '末端修飾RNAを合成することは、困難で、対応する固体支持体を必要とするものであり、通常結合効率が低くなり、所望の疎水性修飾を含む配列が大量に切断されるため、最終オリゴヌクレオチドは低純度となる。我々は、5 '→3'方向でのRNA合成のためのリバースRNAモノマーホスホラミダイトを開発することによりこの問題に取り組んだ。これらは、非常に純粋なオリゴヌクレオチド合成をもたらし、3 '末端に種々の修飾を導入することができる。」(103頁左欄1?19行) 1c「イントロダクション 初期のシリルエーテルはそれらが顕著な安定性を有するため開発された。シリルエーテルの加溶媒分解が広く研究され、嵩高いアルキルシリルエーテルは顕著な安定性を有することが知られている。続いてOgilvieと共同研究者らによって、オリゴリボヌクレオチド合成のための2'-水酸基保護基として幅広い研究が行われた。その後、これらの研究は、液相と固相両方のオリゴヌクレオチド合成に適し、tRNAのサイズ及び特徴を有するRNA分子の最初の化学合成に適した方法の継続的な開発につながった。リボヌクレオチドの2'-水酸基のt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)保護基は、オリゴヌクレオチド合成に使用されるホスホルアミダイトの安定で便利な保護(基)として示されているが、所望のリボヌクレオチドモノマーの合成中3'-水酸基の位置へ(簡単に)移動してしまうことは、所望の保護リボヌクレオチドの非常に効率的な精製方法を必要とする大きな困難の1つである。そのような合成RNAの多くは、オリゴヌクレオチドの3 '末端の修飾又は標識を必要とする。3'→5'合成法を用いて、親油性長鎖リガンド又は発色団を必要とする3'末端修飾RNAの合成はチャレンジングで困難であり、通常、最終オリゴヌクレオチドの結合効率及び純度は低い結果となる。追加の精製が通常必要とされる。我々は、5 '→3'方向でのRNA合成のためのリバースRNAモノマーホスホラミダイトを開発することによりこの問題に取り組んだ。これらは、非常に純粋なオリゴヌクレオチド合成をもたらし、クリーン且つ効率的に3 '末端へ様々な修飾を導く。」(103頁左欄20行?右欄14行) 1d「結果と考察 我々の研究のリバースRNAモノマーホスホラミダイトは、リボヌクレオシドに3 '-DMT基、2'-tBDsilyl(TBDMS)基又は2'-トリイソプロピルシロロキシメチル(TOM)基及び5 '-シアノエチルホスホラミダイト(CED)基(構造式1&2にそれぞれ描かれている)を有する。これら新規なホスホラミダイトA-n-bz, C-n-bz, C-n-ac, G-n-ac及びUは98%以上のHPLC純度及び99%以上の^(31)PNMRで製造される(図1)。3'-DMT-5'-CEDホスホラミダイトの結合効率は各工程99%を超える結合を示し、高純度RNAをもたらす。標準3'-CEDホスホラミダイト(3'→5'-方向)と比較し、我々のリバースRNAモノマーを用いたオリゴヌクレオチド合成(5'→3'-方向)中の結合効率に差はないことを、我々のデータは示している。逆方向(5'→3'-方向)合成に適した、3'-DMT保護リボヌクレオシドを有し(リボースの)2'-TBDMS保護基を保有する、対応する固体支持体が開発されている。」(103頁右欄15?末行) 1e「 図1 リバースホスホラミダイトと固体支持体の構造」(104頁左欄上) 1f「オリゴヌクレオチドの3'末端に効率的に付加することができる多数の応用が可能である。いくつかの例を以下に概説する(図2参照)。 1. コレステロール、C-18のような長鎖脂肪族鎖、トリエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールのような嵩高い分子のRNA3 '末端への付加。これらアミダイトと直接結合させることは容易になし得る。 2. RNA3 '末端へのPEG2000アミダイトやPEG4000アミダイトのようなポリエチレングリコールの付加。 3. 3'-チオール修飾の容易付加。直ぐに利用可能なアミダイトからC-3ジスルフィドやC-6ジスルフィドを経て3 '-ジスルフィド(付加)。 4. ビオチンアミダイトを経て単一工程でビオチンCpG(C-Gのジヌクレオチド配列)を回避し3'-ビオチン付加。 5. siRNAのセンス鎖の3'-末端修飾。アンチセンスsiRNA鎖が標的の認識を導くように、siRNAの(3'-末端)センス鎖のオーバーハング(張り出し)修飾は標的mRNAの認識に影響を及ぼさない。siRNA輸送改善に有用な修飾を容易にデザインし導入し得る。 図2 5'→3'RNA合成及び3'-修飾への応用の図式」(104頁左欄図1下1?末行) (イ)刊行物2 2a「【0003】一般的に、RNAは、次のような工程を経る方法によって合成および精製される:活性化剤としてテトラゾールを用いてホスホルアミダイトをカップリングさせ、リンのリンカーを酸化してジエステルにし、NH_(4)OHを用いて環外のアミノ保護基を脱保護し、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBFA)を用いて2'-OHのアルキルシリル保護基を除去し、さらに、脱保護したRNAをゲル精製して分析する。 ・・・・・ 【0018】・・・ 固相化学を用いたオリゴヌクレオチドの合成において最も一般的に用いられる方法は、ホスホルアミダイト法である。・・・ ・・・・・ 【0019】多様なヌクレオシド由来のホスホルアミダイト誘導は市販されている。3'-O-ホスホルアミダイトが最も広範に使用されているアミダイトである ・・・・・ 【0020】上述のホスホルアミダイトカップリング過程を行う前に、5'-O-保護ヌクレオシドの3'-OH基をホスフィチル化(phosphityled)しなければならない。さらに、通常は、ホスフィチル化に先立って、ヌクレオベース(nucleobase)部位上に存在する環外アミノ基およびその他の官能基を保護する。従来から、ヌクレオシドのホスフィチル化は、保護されたヌクレオシドをホスフィチル化反応試薬(非常に強力でアクチベーターを必要としてないクロロ-(2-シアノエトキシ)-N,N-ジイソプロピルアミノホスフィンまたはアクチベーターを必要とする2-シアノエチル-N,N,N',N'-テトライソ-プロピルホスホロジアミダイト(ビスアミダイト反応試薬)など)で処理することによって行われている。調製後、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドヌクレオシドの5'-OH基に3'-O-ホスホルアミダイトを結合させる。」 2b「【0232】オリゴヌクレオチドに関する一般的記述 ・・本発明は、オリゴヌクレオチドの合成および精製に用いる方法および反応試薬に関する。・・・ 【0233】・・オリゴヌクレオチドの糖、塩基およびホスフェート構成要素に対する多様な修飾体を以下に記載する。・・・ 【0234】オリゴヌクレオチドの特殊な化学的修飾について以下に記載する。 ・・・・・ 【0235】ヌクレオシド間結合または骨格における好ましい修飾としては、例えば・・ホスホロアミダート類(3'-アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホロアミダート類を含む)・・などが挙げられる。 ・・・・・ 【0241】オリゴヌクレオチドは、追加の、または別の、ヌクレオベース(当該分野においては単に「ベース(塩基)」と称されることが多い)の修飾または置換を含む場合がある。本明細書において使用しているように、「非修飾」または「天然」のヌクレオベースには、プリン塩基であるアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびに、ピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)が含まれる。修飾ヌクレオベースには、その他の合成および天然ヌクレオベースが含まれ、例えば、5-メチルシトシン(5-me-C);5-ヒドロキシメチルシトシン;キサンチン;ヒポキサンチン;2-アミノアデニン;アデニンならびにグアニンの6-メチルおよびその他のアルキル誘導体;アデニンならびにグアニンの2-プロピルおよびその他のアルキル誘導体;2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン;5-ハロウラシルおよびシトシン;5-プロピニルウラシルおよびシトシン;6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン;5-ウラシル(プソイドウラシル);4-チオウラシル;8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよびその他の8置換アデニンならびにグアニン;5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよびその他の5-置換ウラシルならびにシトシン;7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニンおよび3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンなどが挙げられる。 【0242】・・・これらのヌクレオベースのうちのあるものは、本発明に従うオリゴヌクレオチドの結合アフィニティーの強化に特に有用である。そのようなものとしては、5-置換ピリミジン類、6-アザピリミジン類、ならびに、N-2、N-6およびO-6置換プリン類(2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシンを含む)が挙げられる。5-メチルシトシン置換により、核酸二本鎖の安定性が0.6?1.2℃向上することが示されており(同上、276?278ページ)、現時点では好ましい塩基置換体であり、特に、2'-O-メトキシエチル糖修飾との組み合わせにおいてより好ましい。」 2c「【図面の簡単な説明】 【図49】固相RNA分析の一般的工程」 2d「 」(図49) (ウ)刊行物3 3a「【0002】・・合成オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)・・」 3b「【0070】免疫刺激性核酸分子は、キメラ主鎖を有する。・・キメラ主鎖とは、少なくとも1つのインターヌクレオチド結合が、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様であり、少なくとも1つの他のインターヌクレオチド結合が、安定化されたインターヌクレオチド結合であり、少なくとも1つのホスホジエステルまたはホスホジエステル様結合と少なくとも1つの安定化された結合が異なっている、部分的に安定化された主鎖を指す。・・・ ・・・・・ 【0072】混合型主鎖修飾ODNは、市販のDNA合成装置および標準的ホスホルアミダイト化学反応を用いて合成することができる。(・・M.H.Caruthers, Tetrahedron Lett.21, 719(1980))。・・」 3c「【0087】核酸は、C-5プロピンピリミジンおよび7-デアザ-7-置換プリン修飾塩基などの置換プリンおよび置換ピリミジンも包含する。Wagner RW他(1996)Nat Biotechnol 14 : 840-4。プリンおよびピリミジンは、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシシトシン、5-フルオロシトシン、2-アミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、2,6-ジアミノプリン、ヒポキサンチン、ならびに他の天然に存在するおよび天然に存在しない核酸塩基、置換および非置換芳香族部分を包含するが、これらに限定されるものではない。他のそのような修飾は、当業者によく知られている。」 3d「【0091】ヌクレオチドの3’および/または5’末端に位置するホスホジエステルインターヌクレオチド架橋は、例えば・・NR^(1)R^(2)-ホスホルアミデート・・から選択され・・R^(1)およびR^(2)が、互いに独立して・・(C_(1)?C_(18))-アルキル・・である・・・ ・・・・・ 【0093】糖ホスフェート主鎖(すなわち、糖ホスフェート主鎖は、糖ホスフェート単位からなる)由来の糖ホスフェート単位(すなわち、一緒に糖ホスフェート単位を形成するβ-D-リボースおよびホスホジエステルインターヌクレオチド架橋) ・・・ ・・・・・ 【0094】β-リボース単位・・は・・β-D-リボース・・」 3e「【0096】核酸は、C-5プロピンピリミジンおよび7-デアザ-7-置換プリン修飾塩基などの置換プリンおよび置換ピリミジンも包含する。Wagner RW他(1996)Nat Biotechnol 14:840-4.プリンおよびピリミジンは、アデニン、シトシン、グアニン、およびチミン、ならびに他の天然に存在するおよび天然に存在しない核酸塩基、置換および非置換芳香族部分を包含するが、これらに限定されるものではない。 【0097】修飾塩基は、T、C、G、A、およびUなどのDNAおよびRNAにおいて典型的に見いだされる天然に存在する塩基と化学的に異なっているが、これらの天然に存在する塩基と基本的化学構造を同じくする任意の塩基である。修飾ヌクレオチド塩基は、例えば、ヒポキサンチン、ウラシル、ジヒドロウラシル、プソイドウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-アミノウラシル、5-(C_(1)?C_(6))-アルキルウラシル、5-(C_(2)?C_(6))-アルケニルウラシル、5-(C_(2)?C_(6))-アルキニルウラシル、5-(ヒドロキシメチル)ウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヒドロキシシトシン、5-(C_(1)?C_(6))-アルキルシトシン、5-(C_(2)?C_(6))-アルケニルシトシン、5-(C_(2)?C_(6))-アルキニルシトシン、5-クロロシトシン、5-フルオロシトシン、5-ブロモシトシン、N2-ジメチルグアニン、2,4-ジアミノ-プリン、8-アザプリン、置換7-デアザプリン、好ましくは7-デアザ-7置換および/または7-デアザ-8-置換プリン、5-ヒドロキシメチルシトシン、N4-アルキルシトシン、例えば、N4-エチルシトシン、5-ヒドロキシデオキシシチジン、5-ヒドロキシメチルデオキシシチジン、N4-アルキルデオキシシチジン、例えば、N4-エチルデオキシシチジン、6-チオデオキシグアノシン、およびニトロピロールのデオキシリボヌクレオチド、C5-プロピニルピリミジン、およびジアミノプリン、例えば、2,6-ジアミノプリン、イノシン、5-メチルシトシン、2-アミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、ヒポキサンチンまたは天然ヌクレオチド塩基の修飾から選択することができる。このリストは、例示的であることを意味しており、限定していると解釈されるべきではない。 【0098】本明細書に記載されている特定の式において、一連の修飾塩基が定義されている。例えば、Yという文字は、ピリミジンおよび、一部の実施形態において、シトシンまたは修飾シトシンを含有するヌクレオチドを指すために使用される。本明細書で使用する修飾シトシンとは、オリゴヌクレオチドの免疫刺激活性を損なうことなくこの塩基を置き換えることができる天然に存在するまたは天然に存在しないシトシンのピリミジン塩基類似体である。修飾シトシンは、5-置換シトシン(例えば、5-メチル-シトシン、5-フルオロ-シトシン、5-クロロ-シトシン、5-ブロモ-シトシン、5-ヨード-シトシン、5-ヒドロキシ-シトシン、5-ヒドロキシメチル-シトシン、5-ジフルオロメチル-シトシン、および非置換または置換5-アルキニル-シトシン)、6-置換シトシン、N4-置換シトシン(例えば、N4-エチル-シトシン)、5-アザ-シトシン、2-メルカプト-シトシン、イソシトシン、プソイド-イソシトシン、縮合環系を有するシトシン類似体(例えば、N,N’-プロピレンシトシンまたはフェノキサジン)、およびウラシルならびにその誘導体(例えば、5-フルオロ-ウラシル、5-ブロモ-ウラシル、5-ブロモビニル-ウラシル、4-チオ-ウラシル、5-ヒドロキシ-ウラシル、5-プロピニル-ウラシル)を包含するが、これらに限定されるものではない。好ましいシトシンの一部は、5-メチル-シトシン、5-フルオロ-シトシン、5-ヒドロキシ-シトシン、5-ヒドロキシメチル-シトシン、およびN4-エチル-シトシンを包含する。本発明の別の実施形態において、シトシン塩基は、ユニバーサル塩基(例えば、3-ニトロピロール、P-塩基)、芳香族環系(例えば、フルオロベンゼンまたはジフルオロベンゼン)または水素原子(dSpacer)により置換されている。」 (エ)刊行物4 訳文で示す。 4a「ポリマー支持体上のオリゴデオキシピリミジンの合成」(719頁標題) 4b「 」(719頁下) 4c「エステル結合を介し3'-OHによりカルボン酸支持体にチミジンを結合させる。縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド(2.06g, 0.01M)を用い無水ピリジン中で誘導化シリカゲルに5'-O-ジメトキシトリチルチミジン[(MeO)_(2)Tr-T, 1.17g 0.002M]を縮合させ化合物Iを調製した。・・・アセトニトリル中0.1N パラ-トルエンスルホン酸を用いてジメトキシトリチル基を除去した後、支持体に結合したチミジン(化合物I、dT-○P)の収率は40μmole/gであった。 オリゴデオキシチミジンの段階的合成のために化合物IIを使用した。・・・支持体に結合したチミジル-イル-チミジン(化合物III)の合成に関与する工程は次の通りである。(1)化合物IIをTHF及びコリジン中でdT-○Pを含むカラムに通し1時間再循環(2)水中0.01M I_(2)/2,6ルチジン/テトラヒドロフラン(30分)を用いて、ポリマーが担持している亜リン酸ジヌクレオシドをリン酸に酸化(3)テトラヒドロフラン及び2,6ルチジン中でフェニルイソシアネートをカラムに通し1.5時間再循環。・・(4)カラムをアセトニトリル中トルエンスルホン酸で洗浄。・・d(T-C-T-C-T-C-T-T-T)の調製に同じ手順を使用した。」(720頁1行?下から2行)(審決注:○Pは、Pの丸付き文字を表す。) (オ)刊行物5 訳文で示す。 5a「分岐状RNA断片の合成及び分光分析:メッセンジャーRNAスプライシング中間体」(3710頁 標題) 5b「分岐状トリヌクレオチドA^(G)_(G),A^(C)_(C),A^(G)_(U),A^(U)_(G),A^(G)_(C),A^(C)_(G),A^(T)_(T),G^(U)_(U)(8a-l)は、経路A又はBにより1フラスコ手順で調製された(スキームII)。・・・ 」(3711頁左欄7?9行、同頁右欄スキームII) 5c「 ・・・・・ 分岐状テトラヌクレオチドMMT-UpA^(U)_(U)(16a)は、ウリジン3'-ホスホラミド15、A^(U)_(U)(9a)及びテトラゾール(表1)との反応により、収率53%で調製され、続いてBSAで脱トリチル化されて、収率92%でUpA^(U)_(U)(16b)を得た。」(3713頁右欄スキームVI、同頁同欄化学構造式下9?13行) エ 刊行物1に記載された発明 刊行物1は、「逆方向でのRNA合成のためのホスホラミダイト」(1a)に関し記載するものであって、このRNAホスホラミダイトの具体例の一つとして、図1の構造式1には、リボヌクレオシドにおいて、リボースの2位-OHに2'-TBDMS基、3位-OHに3 '-DMT基及び5位-OHに5 '-シアノエチルホスホラミダイト(CED)基を有し、1位に核酸塩基としてA(N-Bz)を有するホスホラミダイトA-n-bzが記載され(1c、1d、1e)、これは98%以上のHPLC純度で製造されたものであることが記載されている(1d)。 そうすると、この化合物を化学構造式と共に書き表わすと刊行物1には、「 で表わされる、BがA(N-Bz)であるホスホラミダイトA-n-bz」 の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 オ 本願補正発明と引用発明との対比 (ア)引用発明の前記化学構造式においてリボースの5位に示される基は「5'-シアノエチルホスホラミダイト(CED)基」(1d)であり、当該5位-0-より端の化学構造は、本願補正発明の式Iaで表わされる化合物の、Jが【化2】に示される構造式の基において、R^(1)及びR^(2)がC_(3)アルキル(本願明細書の段落【0117】の「アルキル」の定義より直鎖又は分岐炭化水素基を意味する)であるイソプロピル、R^(3)が-CH_(2)CH_(2)CNである基に相当する。 (イ)引用発明の前記化学構造式においてリボースの2位に示される「-O-TBDMS」は、-O-t-ブチルジメチルシリル基(1c)であり、本願補正発明の【化5】式(II)で表わされる構造式の、R^(4)がO-Si(R^(11))_(3)の基において、R^(11)が、C_(1)に相当するメチル基2つ及びC_(4)に相当するt-ブチル基1つである基に相当する。 (ウ)引用発明の前記化学構造式においてリボースの3位に示される「-O-DMT」は、当該3位-OHが、固相核酸合成法においてヒドロキシ保護基として広く用いられているジメトキシトリチル基(特表2006-519285号公報「【0075】固相核酸合成技法では・・保護基が・・用いられる。・・代表的なヒドロキシル保護基は、当業者には既知である。このようなものには、ジメトキシトリチル基・・。ジメトキシトリチル(DMT)保護基は・・広く使われており・・」参照。)で保護されたものであり、本願補正発明を引用して特定されている本願請求項5に「4,4'-ジメトキシトリチル」が記載され、置換されたトリアリールメチル基も含むと考えられることから、本願補正発明の式Iaで表わされる化合物の、R^(6)が-O-Zの基においてZがトリアリールメチル基であるものに相当する。 (エ)引用発明の前記化学構造式においてリボースの1位に「B」(核酸塩基)として表わされている「A(N-Bz)」は、アデニンの環外アミンがベンゾイル基で保護されているN-ベンゾイルアデニンである(特開2006-257427号公報「【0159】・・環外のアミンおよび核酸塩基・・の官能性は、ヌクレオシドホスホルアミダイト色素試薬の合成の間・・保護を必要とし得る。選択される特定の保護基は・・当業者に明らかである。例えば、アデニンおよびシトシンの環外アミンは、ベンゾイル(bz)で保護され・・」参照。)。 そうすると、本願補正発明の「B^(n)」と引用発明の「BがA(N-Bz)」とは、各環外アミンがアミン保護基で官能化されていてもよい、置換されていてもよい核酸塩基である点で共通する。 そうすると、両者は、 「式Ia、Ib: [式中、Jは、 、又は であり、【化4】 はJがO原子に結合する位置を示し; Qは、a)結合基及び切断されてヒドロキシ基を形成することが可能なスペーサーからなる担体;又はb)脂肪族鎖、芳香族基、フェノキシ、又はレブリニルであり; R^(1)は、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チザオリジニルであり;R^(2)は、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(3)-C_(12))シクロアルキル基、又は(C_(3)-C_(12))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チザオリジニルであり; 又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン-2-オン、1-メチルピロリジン-2-オン、ピペリジン、ピペリジン-2-オン、2-ピリドン、4-ピリドン、ピペラジン、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン、ピペラジン-2-オン、5,6-ジヒドロピリミジン-4-オン、ピリミジン-4-オン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、オキサゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2,4-ジオン、テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン、モルフォリン、N-メチルモルフォリン、モルフォリン-3-オン、1,3-オキサジナン(oxazinan)-2-オン、チオモルフォリン、チオモルフォリン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアオキサゾール1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-2H-1,2-チアジン1,1-ジオキシド、ヘキサヒドロ-1,2,6-チアジアジン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアジアゾール1,1-ジオキシド、及びイソチアゾリジン1,1-ジオキシド、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルを含んでいてもよく; R^(3)は、-CH_(2)CH_(2)CN、-CH_(2)CH_(2)-Si(CH_(3))_(2)C_(2)H_(2)、-CH_(2)CH_(2)-S(O)_(2)-CH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-C_(6)H_(4)-NO_(2)、-CH_(2)CH_(2)-NH-C(O)-C_(6)H_(5)、又は-CH_(2)CH_(2)-O-C_(6)H_(4)-C(O)CH_(2)からなる群から選択されるリン酸保護基であり;R^(4)は、--ハロ、--R^(5)、--NR^(7)R^(8)、--OR^(9)、--SR^(10)、又は2’-ブロッキング基であるか;又は、構造式Ia又はIbが(II)又は(III)である場合: R^(4)はさらにO-Si(R^(11))_(3)又はO-CH_(2)-Si(R^(11))_(3)から選択され;又は、構造式Ia又はIbが(IV)又は(V)である場合: R^(4)はさらに-OC(=O)R^(12)から選択され; 2’-ブロッキング基は、下記の構造式で表される2-O-無水核酸塩基であり; R^(5)は、それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はフェニル、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルであり;また-NR^(7)R^(8)、(C_(1)-C_(4))アルキルアミノ、ジ(C_(1)-C_(4))アルキルアミノ、-OR^(9)、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、ベンジル、-SR^(10);又は-S-(C_(1)-C_(6))アルキル基で終端していてもよく; R^(6)は、-H又は-O-Zであり; R^(7)は、それぞれ独立して、フルオレニルメチルオキシカルボニル;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)-フタルイミド;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)-フタルイミド;NR^(8)C(=O)-フタルイミド;(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(8)は、それぞれ、H又は(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(9)は、それぞれ独立して、-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)CH_(3);(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(10)は、それぞれ独立して、-S(C_(1)-C_(6))アルキル、-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)CH_(3);(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(11)は、それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基であり; R^(12)は、それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はアリール基であり; Zは、アリール基、トリアリールメチル基、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、又は9-フェニルキサンチルからなる群から選択される酸分解性保護基であり;B^(n)は、各環外アミンがアミン保護基で官能化されていてもよい、置換されていてもよい核酸塩基、で表される化合物。」である点で一致し、以下の点で相違するといえる。 相違点:核酸塩基が、本願補正発明では、以下から選択される:N6,N6-ジメチルアデニン、N-1-メチルアデニン、7-デアザアデニン、7-デアザ-8-アザアデニン、3-デアザアデニン、エテノアデニン、イソグアニン、N1-メチルグアニン、7-ヨード-7-デアザグアニン、7-デアザ-7-ヨードアデニン、7-デアザ-7-ヨード-6-オキソプリン、5-ヨード-5-メチル-7-デアザグアニン、-C≡C(CH_(2))_(1-8)-フタルアミド(pthlamide)で置換された7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-メチルグアニン、8-ブロモグアニン、8-アミノグアニン、ヒポキサンチン、6-メトキシプリン、7-デアザ-6-オキソプリン、6-オキソプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、8-ブロモプリン、8-アミノプリン、8-アルキルアミノプリン、8-アルキルアミノプリン、N-3メチルチミン、5-アセトキシメチルシトシン、5-アザシトシン、イソシトシン、N-4(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、N-3(C_(1)-C_(6))アルキルシチジン、5-プロピニルシトシン、5-ヨード-シトシン、5-(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、5-アリール(C_(1)-C_(6))アルキルシトシン、5-トリフルオロメチルシトシン、5-メチルシトシン、エテノシトシン、-CH=CH-C(=O)NH(C_(1)-C_(6))アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、-C≡C-CH_(2)-フタルイミド又はNH(C_(1)-C_(6))アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、4-チオウラシル、2-チオウラシル、N3-チオベンゾイルエチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-アセトキシメチルウラシル、5-フルオロウラシル、5-クロロウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヨードウラシル、4-チオウラシル、N-3-(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-(3-アミノアリル)-ウラシル、5-(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-アリール(C_(1)-C_(6))アルキルウラシル、5-トリフルオ ロメチルウラシル、4-トリアゾリル-5-メチルウラシル、2-ピリドン、2-オキソ-5-メチルピリミジン、2-オキソ-4-メチルチオ-5-メチルピリミジン、2-チオカルボニル-4-オキソ-5-メチルピリミジン、及び4-オキソ-5-メチルピリミジン; ここで、核酸塩基内又は環外アミン上の置換可能な窒素原子は、以下により置換されていてもよく:フルオレニルメチルオキシカルボニル;-C(=O)OPh;-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキル;-C(=O)CH_(2)CH_(2)CH=CH_(2);-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキレン-C(=O)OH;-C(=O)(C_(1)-C_(16))アルキレン-C(=O)O(C_(1)-C_(6))アルキル;=CR^(8)N(C_(1)-C_(6))アルキル)_(2);-C(=O)-NR^(8)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)CF_(3);-C(=O)-NR^(8)(CH_(2))_(1-16)NR^(8)C(=O)-フタルイミド;-C(=O)-(CH_(2))_(1-16)-フタルイミド;及び ここで、核酸塩基内の置換可能な酸素原子は、-C(=O)N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)-C(=O)N(フェニル)_(2)で置換されていてもよいものであるのに対し、引用発明では、A(N-Bz)(N-ベンゾイルアデニン)である点 カ 判断 (ア)相違点について a 引用発明は、従来の3'→5'方向によるRNA合成の有していた課題(3'末端修飾RNAの合成困難、最終オリゴヌクレオチドの低純度)を解決すべく発明された、5'→3'方向でのRNA合成に適したリバースRNAモノマーホスホラミダイトとして具体的に製造されたものの1つである(1a、1d、1e)。 刊行物1には、5'→3'方向でのRNA合成に適したリバースRNAモノマーホスホラミダイトは、リボヌクレオシド(リボースと核酸塩基が結合した化合物)のリボースの、2位-OHの置換基として2'-TBDMS基(2'-t-ブチルジメチルシリル基)、3位-OHの置換基として3'-DMT基(3'-ジメトキシトリチル基)及び5位-OHの置換基として5'-シアノエチルホスホラミダイト(CED)基を有するものであると記載されている(1d)。そして、刊行物1には、そのリボースの1位に結合する核酸塩基として、引用発明のA(N-Bz)(N-ベンゾイルアデニン)の他に、C(N-Bz)(N-ベンゾイルシトシン)、C(N-Ac)(N-アセチルシトシン)、G(N-Bz)(N-ベンゾイルグアニン)及びU(ウラシル)をそれぞれ結合した5種類のリバースRNAモノマーホスホラミダイトを製造したこと、製造されたリバースRNAモノマーホスホラミダイト(A-n-bz, C-n-bz, C-n-ac, G-n-ac及びU)は、98%以上のHPLC純度であり、3'-DMT基と5'-シアノエチルホスホラミダイト(CED)基との結合効率が高く高純度のオリゴRNAをもたらすという効果を有するものであることが記載されている(1d)。 さらに、刊行物1には、3'→5'方向によるRNA合成法は確立されていること(1b)、及び、「標準3'-CEDホスホラミダイト(3'→5'-方向)と比較し、我々のリバースRNAモノマーを用いたオリゴヌクレオチド合成(5'→3'-方向)」(1d)と記載され、刊行物1記載の5'→3'-方向のRNA合成法は、従来の3'→5'-方向のRNA合成法の改良として開発されたものであることが理解できる。 b 刊行物2?5には、固相を用いたオリゴヌクレオチドの合成で最も一般的に用いられる方法は、ホスホルアミダイト法(2a、3b)であり、そこで最も広範に使用されているアミダイトは3'-O-ホスホルアミダイトで(2a、3d、5c化合物15)、5'-O-保護ヌクレオシドの3'-OH基をホスフィチル化したもので、5'-O-保護基を脱保護した5'-OH基に3'-O-ホスホルアミダイトを結合させる方法であること(2a、2d、4b、4c、5c)、及び、このRNA合成における核酸塩基として、天然型のみならず幅広い核酸塩基類縁体を適用できること(2b、3e、5b)が記載されている。 これらの記載と前記aに示した刊行物1の記載とをみれば、刊行物2?5に記載の方法は、RNAホスホラミダイトとして3'-O-ホスホラミダイト[刊行物2の固相RNA合成の一般的工程(2d図49)には3'-シアノエチルホスホラミダイト(CED)が記載されている]及び5'-O-保護されたものを用いたRNA合成法であるのに対し、刊行物1に記載の方法は、RNAホスホラミダイトとして5'-O-ホスホラミダイト及び3'-O-保護されたものを用いたRNA合成法であり、5'→3'方向に向かって合成をしているものといえることを踏まえると、刊行物2?5に記載のRNA合成法は、刊行物1における従来技術の3'→5'方向によるRNA合成法であると理解できる。 それ故、刊行物1における従来技術の3'→5'方向によるRNA合成法は、本願優先日前に頒布された多数の文献に記載されていることからみて、本願優先日前、周知技術であったといえ、その際の核酸塩基として、天然型のみならず幅広い修飾塩基を適用できることが理解できる。 c そうすると、刊行物1における従来技術の3'→5'方向によるRNA合成法では、核酸塩基として、天然型のみならず幅広い修飾塩基を適用できることが周知であったことから、刊行物1記載の5'→3'方向によるRNA合成法においても、5'→3'方向RNA合成用のリバースRNAモノマーホスホラミダイトの核酸塩基として、刊行物1に示されている前記5種類の核酸塩基に限らず、周知の幅広い核酸塩基類縁体を適用し得ることは、当業者が容易に想到し得たことであり、引用発明のN-ベンゾイルアデニンに代えて、所望の核酸塩基を有するRNAを得るために、刊行物2、3に記載されている、本願補正発明の核酸塩基である、5ーブロモウラシル、5-フルオロウラシル、5-メチルシトシン、8-ブロモグアニン、2,6-ジアミノプリン、5-プロピニルシトシン、4-チオウラシル、2-チオウラシル、5-トリフルオロメチルウラシルとすることに、格別の困難性はない。 (イ)本願補正発明の効果について 本願補正発明の効果は、本願明細書の「【発明の効果】【0016】逆方向RNAモノマーホスホルアミダイトは、5'→3'方向のRNA合成のために開発されたもので、これにより、高純度のオリゴ合成ができ、3'末端に様々な修飾をクリーンかつ効率的に導入することが可能である」との記載より、高純度でオリゴヌクレオチド合成ができ、3'末端に様々な修飾を効率的に導入することが可能な、5'→3'方向のRNA合成に適した逆方向RNAモノマーホスホラミダイトを提供できることであると認められる。 引用発明は、5'→3'方向でのRNA合成に適したリバースRNAモノマーホスホラミダイトとして具体的に製造されたものであり(1d)、刊行物1には、該リバースRNAモノマーホスホラミダイトを用いてオリゴヌクレオチド合成(5'→3'-方向)すると、3'-DMT基と5'-シアノエチルホスホラミダイト(CED)基との結合効率が高く、高純度のオリゴRNAをもたらす効果を有するものであることが記載されていることから(1d)、引用発明は高純度でオリゴヌクレオチド合成をすることができるものといえる。 さらに、刊行物1には、オリゴヌクレオチドの3'末端に、コレステロール、長鎖脂肪族炭化水素鎖、ポリエチレングリコールやビオチン等を容易に付加し得ることが記載されていることから(1f)、引用発明は3'末端に様々な修飾を効率的に導入することが可能なものであるといえる。 したがって、本願補正発明の効果は、刊行物1の記載事項から予測される範囲内のものであり、格別顕著なものとは認められない。 キ 独立特許要件のまとめ したがって、本願補正発明は、その出願前に頒布された刊行物1に記載された発明及び刊行物2?5に記載された周知事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、請求項1についての補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないものである。 3 補正の却下の決定のむすび 以上のとおり、請求項1についての補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないものであるから、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成28年4月15日付けの手続補正は、上記第2に記載されたとおり却下されたので、この出願の発明は、平成27年6月2日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2 1に本件補正前の請求項1に係る発明として記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 本願発明についての原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明及び引用文献2?12、14?17に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 3 刊行物 刊行物1:Nucleic Acids Symposium Series, No.52, (2008), p.103-104(第2 2(2)イに示した刊行物1と同じ。) 刊行物2:特表2007-531794号公報(第2 2(2)イに示した刊行物2と同じ。) 刊行物3:特表2010-504750号公報(第2 2(2)イに示した刊行物3と同じ。) 刊行物4:Tetrahedron Lett., (1980), Vol.21, p.719-722(第2 2(2)イに示した刊行物4と同じ。) 刊行物5:Journal of Organic Chemistry,(1988), Vol.53(16), p.3710-3722(第2 2(2)イに示した刊行物5と同じ。) 刊行物2?5は、この出願の優先日における周知技術を示すために引用するものである。 4 刊行物の記載事項 前記第2 2(2)ウに記載したとおりである。 5 刊行物1に記載された発明 前記第2 2(2)エに記載したとおりである。 6 対比・判断 本願発明は、上記第2 2(2)オ、カで検討した本願補正発明における「化合物」の、 「J」について、選択肢の中、「H」が追加され、 「Q」について、選択肢の中、「置換若しくは非置換芳香族」が追加されると共に、「フェノキシ」が「置換若しくは非置換フェノキシ」とされ、 「R^(1)」及び「R^(2)」について、各々「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チザオリジニルであり」と限定されていたものが、各々これらを含む「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換(C_(3)-C_(20))シクロアルキル(C_(1)-C_(12))アルキル基であり、ここで、アルキル基又はシクロアルキル基は、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく」とされると共に、「又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン-2-オン、1-メチルピロリジン-2-オン、ピペリジン、ピペリジン-2-オン、2-ピリドン、4-ピリドン、ピペラジン、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン、ピペラジン-2-オン、5,6-ジヒドロピリミジン-4-オン、ピリミジン-4-オン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、オキサゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2-オン、イミダゾリジン-2,4-ジオン、テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン、モルフォリン、N-メチルモルフォリン、モルフォリン-3-オン、1,3-オキサジナン(oxazinan)-2-オン、チオモルフォリン、チオモルフォリン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアオキサゾール1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-2H-1,2-チアジン1,1-ジオキシド、ヘキサヒドロ-1,2,6-チアジアジン1,1-ジオキシド、テトラヒドロ-1,2,5-チアジアゾール1,1-ジオキシド、及びイソチアゾリジン1,1-ジオキシド、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルを含んでいてもよく」と限定されていたものが、これらを含む「又は、R^(1)とR^(2)は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4?7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、形成されたヘテロシクリルは、NH、NR^(7)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく」とされ、「R^(4)」の選択肢中の「2’ブロッキング基」について、【化17】の構造式で表される2-O-無水核酸塩基の限定がなくなり、 「R^(5)」の選択肢中の「それぞれ独立して、(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はフェニル、-OCH_(2)CH_(2)-OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OH、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(3)、-OCH_(2)CH_(2)-OCH_(2)CH_(2)OCH_(2)CH_(3)、-CH_(2)CH_(2)-NH_(2)、-SCH_(2)CH_(2)-OCH_(3)、フリル、チエニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル-1-オキシド、1,2,5-チアジアゾリル-1,1-ジオキシド、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、テトラゾリル、及びプテリジニルであり」と限定されていたものが、これらを含む「それぞれ独立して、置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又は置換若しくは非置換フェニルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル及びフェニル基は、NH、NR^(5)、O及びSから独立して選択される介在ヘテロ原子を含んでいてもよく」とされると共に、「R^(5)」の選択肢中の「ベンジル」が「ベンジル若しくは置換ベンジル」とされ、 「R^(7)」の選択肢中の「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」が、「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」とされ、 「R^(8)」の選択肢中の「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基」が、「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」とされ、 「R^(9)」の選択肢中の「(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」が、「置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」とされ、 「R^(10)」の選択肢中の「(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」が、「置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」とされ、 「R^(11)」の選択肢である「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は(C_(2)-C_(12))アルキニル基」が、「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、又は置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基」とされ、 「R^(12)」の選択肢である「(C_(1)-C_(12))アルキル基、(C_(2)-C_(12))アルケニル基、(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又はアリール基」が、「置換若しくは非置換(C_(1)-C_(12))アルキル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルケニル基、置換若しくは非置換(C_(2)-C_(12))アルキニル基、又は置換若しくは非置換アリール基」とされ、 「Z」の選択肢である「アリール基、トリアリールメチル基、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、又は9-フェニルキサンチル」が、「非置換若しくは置換アリール基、非置換若しくは置換トリアリールメチル基、非置換若しくは置換トリチル基、非置換若しくは置換テトラヒドロピラニル基、又は非置換若しくは置換9-フェニルキサンチル」とされ、並びに、 「B^(n)」について、選択肢に「水素」及び「チミン」が追加される発明であるから、本願補正発明を包含する発明である。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含んでいる本願補正発明が、前記第2 2(2)オ、カに記載したとおり、この優先日前に頒布された刊行物1に記載された発明及び刊行物2?5に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、この優先日前に頒布された刊行物1に記載された発明及び刊行物2?5に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、この出願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-04-18 |
結審通知日 | 2017-04-25 |
審決日 | 2017-05-10 |
出願番号 | 特願2012-554062(P2012-554062) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(C07H)
P 1 8・ 64- Z (C07H) P 1 8・ 537- Z (C07H) P 1 8・ 536- Z (C07H) P 1 8・ 4- Z (C07H) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 三木 寛 |
特許庁審判長 |
井上 雅博 |
特許庁審判官 |
冨永 保 齊藤 真由美 |
発明の名称 | 逆方向合成RNAのためのホスホルアミダイト |
代理人 | 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ |