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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正する A61N
管理番号 1333499
審判番号 訂正2017-390079  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-08-10 
確定日 2017-09-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6072275号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6072275号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔13-18〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6072275号(以下、「本件特許」ともいう。)は、2014年(平成26年)1月14日(パリ条約による優先権主張2013年(平成25年)1月15日、アメリカ合衆国))を国際出願日とする特願2015-540930号として特許出願され、平成29年1月13日に特許権の設定登録がされ、その後、平成29年8月10日に本件訂正審判の請求がされたものである。

第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6072275号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項13?18について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 本件訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。

特許請求の範囲の請求項13に、「第1内腔と第1内腔内に第1止め部とを有する基端側管状取付具であって、前記第1内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり、かつ、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記基端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している、基端側管状取付具と」と記載されているのを、「第1内腔と第1内腔内に第1止め部とを有する基端側管状取付具であって、前記第1内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり、かつ、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記基端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している、基端側管状取付具と」に訂正する。
同様に、請求項13に、「第2内腔と第2内腔内に第2止め部とを有する先端側管状取付具であって、前記第2内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり、かつ、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記先端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第2止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している、先端側管状取付具と」と記載されているのを、「第2内腔と第2内腔内に第2止め部とを有する先端側管状取付具であって、前記第2内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり、かつ、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記先端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第2止め部が、前記コイル電極の先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している、先端側管状取付具と」に訂正する。

第4 当審の判断
1 本件訂正の目的の適否について
訂正前の請求項13に係る発明では、「第1内腔と第1内腔内に第1止め部とを有する基端側管状取付具であって、前記第1内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり、かつ、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記基端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している、基端側管状取付具と」の記載において、「前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり」の構成と、「前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している」の構成とが整合しておらず、明瞭ではない記載となっている。
また、「第2内腔と第2内腔内に第2止め部とを有する先端側管状取付具であって、前記第2内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり、かつ、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記先端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第2止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している、先端側管状取付具と」の記載において、「前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり」の構成と、「前記第2止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している」の構成とが整合しておらず、明瞭ではない記載となっている。
これに対して、本件訂正は、訂正後の請求項13において、「前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり」の構成と、「前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している」の構成との整合、及び「前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり」の構成と、「前記第2止め部が、前記コイル電極の先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している」の構成との整合を図るものであるから、特許法126条第1項ただし書き第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

2 本件訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記1のとおり、本件訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。

3 本件訂正が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
本件特許明細書には、図1、図3A、図3Bとともに、
「【0040】
コイル電極130の基端部は、管状取付具132の止め部176と係合する。止め部176は、管状取付具132の内腔60の狭窄部である。コイル電極130と止め部176との係合により、コイル電極130および管状取付具132を電気的に接続する。コイル電極130と止め部176との係合によって、コイル電極130が管状取付具132内に前進する程度を制限することができる。」
「【0042】
図1においてコイル電極130の先端側に示されている管状取付具134は、本明細書において記載し例示した管状取付具132と同様の構成を有することができる。いくつかの実施形態では、管状取付具134を管状取付具132と構造的に同一とすることができる。」
と記載されている。上記記載、及び図1、図3A、図3Bから、コイル電極の基端側に接続される管状取付具の止め部が、コイル電極の基端部が管状取付具の内腔に延在する程度を制限すること、及び、管状取付具と同様の構成を有し、コイル電極の先端側に接続される管状取付具の止め部が、コイル電極の先端部が管状取付具の内腔に延在する程度を制限することは明らかである。
したがって、本件訂正は願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合するものである。

4 一群の請求項についての検討
本件訂正前の請求項13?18について、訂正前の請求項14?18は請求項13を直接又は間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項13?18は特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
また、訂正後の請求項13?18は、訂正前の請求項13?18に対応するものである。
よって、本件訂正は、一群の請求項である請求項13?18について訂正するものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

第5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、また、同条第3項、第5項及び第6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型リードであって、
基端部および先端部を有するリード本体と、
前記リード本体内に延在する導体と、
基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、前記リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に除細動治療を送達するように構成され、前記1つまたは複数のファイラが、ピッチを有するようにらせんパターンで巻回されている、コイル電極と、
内腔と内腔内に止め部とを有する管状取付具であって、導電性金属から形成され、前記内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記管状取付具が前記導体を前記コイル電極に対して電気的に接続する、管状取付具と、
を具備し、
前記コイル電極の基端部または先端部のうちの一方が前記管状取付具の内腔内にあり、前記内腔内の止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記内腔内に延在することができる程度を制限しており、前記コイル電極が、前記内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間の相互作用によって、前記管状取付具に対して機械的に接続されている、植込み型リード。
【請求項2】
前記コイル電極の上に延在するポリマースリーブをさらに具備し、前記ポリマースリーブが、除細動治療が該ポリマースリーブを通って送達されるように構成されている、請求項1に記載の植込み型リード。
【請求項3】
前記ポリマースリーブが前記管状取付具の内腔内に延在し、前記ポリマースリーブが、該ポリマースリーブを前記管状取付具に対して機械的に結合するように、前記内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間に挟まれている、請求項2に記載の植込み型リード。
【請求項4】
前記ポリマースリーブが延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTF)から作製されている、請求項2または3に記載の植込み型リード。
【請求項5】
前記1つまたは複数のファイラが、前記らせんパターンで渦巻状になる隣接するファイラの群において配置された複数のファイラを含み、前記隣接するファイラの群の各巻きの間に空間が存在する、請求項1?4のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項6】
前記ねじ切り部が、各ねじ山が前記隣接するファイラの群の各巻きの間の空間内に突出するような寸法である、請求項5に記載の植込み型リード。
【請求項7】
前記管状取付具が、
前記コイル電極と軸方向に位置合せされた内側取付具であって、その少なくとも一部がおねじ切り部を備える、内側取付具と、
外側管状取付具であって、前記内腔を画定し、前記内側取付具が前記内腔内に少なくとも部分的に受け入れられ、前記おねじ切り部および前記1つまたは複数のファイラの両方が、前記内腔のねじ切り部とねじ式に係合している、外側管状取付具と、
を備える、請求項1?6のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項8】
前記管状取付具が、前記コイル電極と前記管状取付具との間の溶接を可能にする少なくとも1つの窓を備える、請求項1?7のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項9】
前記コイル電極が前記止め部と接触し、その接触によって、前記管状取付具と前記コイル電極との間の電気的接続が提供される、請求項1?8のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項10】
前記管状取付具が前記内腔内にコネクタをさらに備え、前記導体が、前記コネクタに対して機械的かつ電気的に接続される、請求項1?9のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項11】
前記導体がケーブル導体であり、前記コネクタが、前記ケーブル導体の上に圧着される圧着コネクタである、請求項10に記載の植込み型リード。
【請求項12】
前記管状取付具が、前記植込み型リードの外面の少なくとも一部を画定している、請求項1?11のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項13】
植込み型リードであって、
基端部および先端部を有するリード本体と、
前記リード本体内に延在するケーブル導体と、
基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、前記リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に除細動治療を送達するように構成され、前記1つまたは複数のファイラが、ピッチを有するようにらせんパターンで巻回されている、コイル電極と、
第1内腔と第1内腔内に第1止め部とを有する基端側管状取付具であって、前記第1内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり、かつ、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記基端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している、基端側管状取付具と、
第2内腔と第2内腔内に第2止め部とを有する先端側管状取付具であって、前記第2内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり、かつ、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記先端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第2止め部が、前記コイル電極の先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している、先端側管状取付具と、
を具備する植込み型リード。
【請求項14】
前記基端側管状取付具および前記先端側管状取付具のいずれかまたは両方が、前記ケーブル導体を前記コイル電極に対して電気的に接続する、請求項13に記載の植込み型リード。
【請求項15】
基端部および先端部を有し、かつ、前記コイル電極の上に延在するポリマースリーブをさらに具備し、前記ポリマースリーブが、前記除細動治療が前記ポリマースリーブを通って送達されるように構成されている、請求項13または14に記載の植込み型リード。
【請求項16】
前記ポリマースリーブの基端部が、前記基端側管状取付具の第1内腔内に延在し、前記ポリマースリーブが、該ポリマースリーブを前記基端側管状取付具に対して機械的に結合するように、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間に挟まれており、
前記ポリマースリーブの先端部が、前記先端側管状取付具の第2内腔内に延在し、前記ポリマースリーブが、該ポリマースリーブを前記先端側管状取付具に対して機械的に結合するように、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間に挟まれている、請求項15に記載の植込み型リード。
【請求項17】
前記1つまたは複数のファイラが、前記らせんパターンで渦巻状になる隣接するファイラの群において配置された複数のファイラを備え、前記隣接するファイラの群の各巻きの間に空間が存在する、請求項13?16のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項18】
前記基端側管状取付具および前記先端側管状取付具の各々のねじ切り部が、各ねじ山が前記隣接するファイラの群の各巻きの間の空間内に突出するような寸法である、請求項17に記載の植込み型リード。
【請求項19】
植込み型リードであって、
基端部および先端部を有するリード本体と、
前記リード本体内に延在する導体と、
基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、前記リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に対して除細動治療を送達するように構成されたコイル電極と、
外面、内腔、および前記外面から内腔へのアクセスを提供する窓を有する管状取付具であって、導電性金属から形成されている管状取付具と、
前記コイル電極と前記管状取付具との間の溶接継手であって、前記コイル電極の基端部または先端部のうちの一方が、前記管状取付具の内腔内にあり、前記溶接継手が前記窓に近接している、溶接継手と、
を具備する植込み型リード。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-09-06 
結審通知日 2017-09-08 
審決日 2017-09-20 
出願番号 特願2015-540930(P2015-540930)
審決分類 P 1 41・ 813- Y (A61N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 井上 哲男  
特許庁審判長 高木 彰
特許庁審判官 根本 徳子
平瀬 知明
登録日 2017-01-13 
登録番号 特許第6072275号(P6072275)
発明の名称 植込み型リード  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
代理人 本田 淳  
代理人 恩田 博宣  
代理人 本田 淳  

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