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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1333958 |
審判番号 | 不服2016-8310 |
総通号数 | 216 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-06-06 |
確定日 | 2017-10-25 |
事件の表示 | 特願2014-131108「情報処理装置および情報処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月 6日出願公開、特開2014-209778〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成22年10月7日に出願した特願2010-227868号の一部を平成26年6月26日に新たな特許出願としたものであって、手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 手続補正 :平成26年 7月10日 拒絶理由通知 :平成27年 7月10日 意見書 :平成27年 8月11日 手続補正 :平成27年 8月11日 拒絶理由通知(最後):平成27年10月27日 意見書 :平成27年12月 3日 拒絶査定 :平成28年 3月 2日 審判請求 :平成28年 6月 6日 2.本願発明 本願の請求項1、2に係る発明は、平成27年8月11日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 なお、説明のために、AないしEの記号を当審において付与した。以下、「構成A」、「構成B」などと称することとする。 「A 通信対象装置のユーザを表すユーザ画像を受信する通信部と、 B 前記ユーザ画像を含む第1の表示画面からコンテンツ画像を含む第2の表示画面への切替えを制御する制御部と、 を備え、 C 前記第2の表示画面は、前記通信対象装置とネットワーク接続中であることを示す表示を含み、 D 前記制御部は、前記第1の表示画面から前記第2の表示画面への切替えを、前記第1の表示画面のフェードアウトを開始させた後に、前記第1の表示画面を所定方向に移動させながらフレームアウトさせつつ、前記第2の表示画面を前記所定方向に移動させながらフレームンインさせることで行う、 E 情報処理装置。」 3.引用例1?4について (1)引用例1について 原査定の拒絶理由に引用された特開2008-85493号公報(以下、「引用例1」という。)には、「遠隔会話システム、遠隔会話装置、遠隔会話方法」として、以下の事項が記載されている。 なお、下線は、当審が付したものである。 ア「【0020】 相談システム100は、本発明の遠隔会話システムの一例であり、金融機関に対して預貯金等の相談を受けたい相談者が、遠隔地にいる金融機関の担当者に対して相談を行うためのものである。相談システム100は、担当者端末110と、相談者端末130と、システムサーバ140と、を含んで構成される。担当者端末110と、相談者端末130と、システムサーバ140とはネットワーク150を介して接続されている。ここで、ネットワーク150としては、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable TV)インターネット、専用線などの常時接続による通信サービスを用いるのが好ましい。 (中略) 【0022】 相談者端末130は、本発明の第2の端末の一例であり、相談を受ける相談者が使用する端末である。相談者端末130は、例えばネットワークに接続可能なパーソナルコンピュータや、相談システム専用の装置であってもよい。相談者端末130は、相談者がネットワーク150を介して相談を行う際に使用するものである。相談者端末130には、担当者端末110と同様に、マイク137、カメラ138およびモニタ139が接続されている。」 イ「【0026】 図2に示したように、本発明の一実施形態にかかる担当者端末110は、CPU111と、ROM112と、RAM113と、ストレージ装置114と、外部I/F115と、通信部116と、を含んで構成される。 【0027】 CPU111は、担当者端末110の各部の制御を行うためのものであり、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムを起動・実行することにより、プログラムに従って動作し、担当者端末110内の各部を制御する。 (中略) 【0031】 通信部116は、例えば、ネットワーク150に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。より具体的には、通信部116は、例えば、10Base-T等の通信コネクタ等を例示することができる。この通信部116は、相談者端末130やシステムサーバ140との間で、各種データを送受信する。」 ウ「【0034】 図3に示したように、本発明の一実施形態にかかる担当者端末110に含まれるCPU111は、モード切換部121と、画像表示部122と、を含んで構成される。 【0035】 モード切換部121は、本発明の一実施形態にかかる相談システムを用いた相談方法において、相談時のモードの切換を行うものである。本実施形態においては、相談時のモードとしては会話モードと説明モードがある。会話モードは本発明の第1のモードの一例であり、お互いの顔画像をそれぞれ相手のモニタ上に表示させるモードである。説明モードは本発明の第2のモードの一例であり、担当者端末110のモニタ119には、相談者への説明に用いる資料の画像および相談者の顔画像を表示させ、相談者端末130のモニタ139には、担当者が提示した資料のみを表示させるモードである。つまり、会話モードと説明モードとを切り換えることで、相談者端末130のモニタ139には、相談を受ける際に適切な画像が表示されることとなる。」 エ「【0043】 図6は、本発明の一実施形態にかかる相談システムの会話モード時の画面の一例を示す説明図である。図6に示した会話モード時の画面の例においては、相談者画面200と担当者画面300で一部異なる画面を表示する。相談者画面200には図5の初期画面表示と同様に、相談ボタン202、切断ボタン204および主画像領域210が含まれている。一方、担当者画面300には、相談ボタン302、切断ボタン304、主画像領域310に加え、第1副画像領域320が含まれている。 【0044】 相談者画面200の主画像領域210には、担当者端末110に接続されたカメラ118で撮影された担当者の画像が表示される。また、担当者画面300の主画像領域310には、相談者端末130に接続されたカメラ138で撮影された相談者の画像が表示される。そして、担当者画面300の第1副画像領域320には、担当者端末110に接続されたカメラ118で撮影された担当者の画像が表示される。担当者画面300に第1副画像領域320を設けることで、担当者は自分がどう写っているかを把握することが可能になり、写り具合を確認することで自らの体裁を整えることができる。 【0045】 相談の開始後しばらくは、お互いの顔を見ながらの相談が行われる。相談が進むと、相談内容に応じて担当者が資料を相談者に提示する必要が生じる場合がある。そのため、担当者は、担当者端末110を操作して、資料を相談者に向けて提示する。 【0046】 すると、担当者画面300の主画像領域310には資料画像が表示され、連動して相談者画面200の主画像領域210にも同じ資料画像が表示される。このとき、担当者画面300では、それまで主画像領域310に表示されていた相談者の画像は副画像領域に表示され、担当者は引き続き相談者の様子を確認することが可能となる。一方、相談者画面200では副画像領域は存在せず、主画像領域が資料画像に切り替わると、担当者の画像は表示されていない状態となる。 【0047】 このように、担当者画面300には、相談者画面に表示する内容と同一内容を表示する主画像領域と、相談者場面には表示しない情報を表示する副画像領域とが備わっており、相談者画面200には担当者画面300の主画像領域と同一の内容を表示する主画像領域が備わっている。そして、モードの切り替えに応じて、相談者画面200では担当者の画像か資料画像かのいずれか一方のみを確認可能なように構成され、担当者画面300では相談者の画像を常に確認可能なように構成される。」 オ「【0053】 相談者画面200の主画像領域210には、担当者が提示した資料の画像が表示される。担当者が提示した資料の画像は、例えば担当者端末110のストレージ装置114やシステムサーバ140に保管されており、必要に応じて適切な資料の画像を読み出すことができる。このように、本発明の一実施形態にかかる相談システムは、相談者画面200に担当者が提示した資料のみを表示させることで、相談者は担当者からの説明に集中することができる効果を有する。」 上記ア?オの記載、並びにこの分野における技術常識を考慮し、以下で検討する。 (ア)上記アの段落0022の記載から、引用例1には、相談者が使用するパーソナルコンピュータが記載されている。 (イ)上記アの段落0020、エの段落0043、0044の記載から、引用例1の相談者が使用するパーソナルコンピュータは、会話モード時に、ネットワークを介して接続されている担当者端末に接続されたカメラで撮影された担当者の画像を表示するものである。 (ウ)上記ウの段落0035、エの段落0046、0047の記載から、引用例1の相談者が使用するパーソナルコンピュータは、説明モード時に、資料画像が表示され、モードの切り替えに応じて、担当者の画像か資料画像かのいずれか一方のみを確認可能なように構成されているものである。 したがって、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。 なお、説明のために、aないしcの記号を当審において付与した。以下、「構成a」、「構成b」などと称することとする。 「a 会話モード時に、ネットワークを介して接続されている担当者端末に接続されたカメラで撮影された担当者の画像を表示し、 b 説明モード時に、資料画像が表示され、モードの切り替えに応じて、担当者の画像か資料画像かのいずれか一方のみを確認可能なように構成されている c 相談者が使用するパーソナルコンピュータ。」 (2)引用例2について 原査定の拒絶理由に引用された特開2008-125025号公報(以下、「引用例2」という。)には、「切替装置、切替方法、切替装置制御プログラム、記録媒体、および通信装置」として、以下の事項が記載されている。 なお、下線は、当審が付したものである。 ア「【0029】 <概要について> 通常のテレビ電話による通話を行う際、双方の携帯電話機の表示画面には、図3に示すような画面が表示されている。この状態において、携帯電話機1のユーザが受信メールを閲覧するためにメールソフトウェアプリケーションを立ち上げると、携帯電話機1の画面表示は、図4に示すようなメールソフトウェアプリケーションの画面となり、また通話が、テレビ電話による通話から音声のみによる通話に切り替わる。通話相手である携帯電話機2の画面は、図3に示すような画面から、図5に示すような、相手がどのようなアプリケーションを立ち上げたかを示す画面に切り替わる。」 イ「【0038】 表示部60は、例えば液晶ディスプレイなどで構成され、携帯電話機1において処理を行う際のユーザインタフェースであり、各種情報の表示を行う。また、テレビ電話による通話時には、携帯電話機1を使用しているユーザの画像と、通話相手である携帯電話機2を使用しているユーザの画像とを表示する。但し、この表示部60を構成する表示画面はパーソナルコンピュータ等の表示画面に比べてかなり狭く、テレビ電話の際に、他のアプリケーションを起動した場合は、テレビ電話に伴う画像と、起動したアプリケーションの画像とを同時に表示するために十分な面積を有しておらず、起動したアプリケーションの画面により、テレビ電話に伴う画像が隠れてしまう、すなわち画像が置換されてしまう状況を想定している。」 ウ「【0048】 携帯電話機2の切替手段20は、通話相手である携帯電話機1から受信した音声通話切替要求に基づき、テレビ電話による通話を音声のみによる通話に切り替えると共に、受信した起動アプリケーション情報に基づき、通話相手である携帯電話機1において起動されたアプリケーションが何であるかを、表示画面上に表示する。」 エ 図5では、「Aさんはメールソフトを起動中」という画面の上部に、「通話中」との表示が見て取れる。 上記ア?エより、引用例2には、「携帯電話機1とのテレビ電話による通話中に、携帯電話機1のユーザがアプリケーションプログラムを起動すると、ユーザの画像の表示から、携帯電話機1でアプリケーションプログラムが起動されていること、かつ、通話中であることの表示に切り替わる携帯電話機2」が開示されている。 (3)引用例3について 原査定の拒絶理由に引用された特開2009-60540号公報(以下、「引用例3」という。)には、画面の切替え時に、カット切替え、カットイン、カットアウト、フェードイン、フェードアウト等の技法や、それらの技法を組み合わせたカットアウトフェードイン、フェードアウトカットイン、ディゾルブ等の技法を用いることが記載されている(特に、段落0034?0040、図6?8を参照。)。 (4)引用例4について 原査定の拒絶理由に引用された特開2006-139614号公報(以下、「引用例4」という。)には、画面の切替え時に、切り替え前の画面を右方向に移動して表示スクリーンからスライドアウトさせるとともに、切り替え後の画面を右方向に移動して表示スクリーン内へスライドインさせることが記載されている(特に、段落0045、図6を参照。)。 4.対比 本願発明と引用発明を対比する。 (1)本願発明の構成Eと引用発明の構成cについて 引用発明の構成cは、パーソナルコンピュータであるから、情報を処理する装置といえ、引用発明の構成cは、本願発明の構成Eに相当する。 (2)本願発明の構成Aと引用発明の構成aについて 引用発明の構成aは、「ネットワークを介して接続されている担当者端末に接続されたカメラで撮影された担当者の画像を表示」するのであるから、「担当者端末に接続されたカメラで撮影された担当者の画像」は、担当者端末からネットワークを介して受信することにより得られるといえる。 そして、担当者端末についての説明ではあるが、上記イの段落0031に、各種データを受信する通信部を有することが記載されているように、パーソナルコンピュータが、各種データを受信する際には、受信するための通信部を有することは自明である。 そうすると、引用発明は、『担当者端末の担当者の画像を受信する通信部』を有するといえる。 引用発明の『担当者端末の担当者』は、自装置と通信する装置を使用する人のことであるから、本願発明の構成Aの「通信対象装置のユーザ」に相当する。 したがって、引用発明の『担当者端末の担当者の画像を受信する通信部』は、本願発明の構成Aに相当する。 (3)本願発明の構成Bと引用発明の構成bについて 引用発明の構成bは、「モードの切り替えに応じて、担当者の画像か資料画像かのいずれか一方のみを確認可能なように構成されている」ものであり、担当者の画像の表示から資料画像の表示に切り替えるものである。 ここで、担当者端末についての説明ではあるが、上記イの段落0026、0027、上記ウの段落0034、0035に、端末の各部の制御を行うためのCPUを含むこと、CPUは、モードの切換を行うモード切換部と、モードに応じた画面表示を行う画像表示部を含むことが記載されているように、画像を切り替えるためには、装置内に切換のための制御をする制御部を有することは自明である。 そうすると、引用発明は、『担当者の画像の表示から資料画像の表示への切換を制御する制御部』を有するといえる。 引用発明の『担当者の画像の表示』、『資料画像の表示』は、それぞれ、本願発明の構成Bの「前記ユーザ画像を含む第1の表示画面」、「コンテンツ画像を含む第2の表示画面」に相当する。 したがって、引用発明の『担当者の画像の表示から資料画像の表示への切換を制御する制御部』は、本願発明の構成Bに相当する。 (4)本願発明の構成Cについて 上記(3)で検討したように、引用発明の『資料画像の表示』は、本願発明の構成Bの「コンテンツ画像を含む第2の表示画面」に相当する。 しかし、引用発明は、当該画面が、担当者端末とネットワーク接続中であることを示す表示を含むものではない。 したがって、引用発明は、本願発明の構成Cのような構成を含むものではない。 (5)本願発明の構成Dについて 上記(3)で検討したように、引用発明の『担当者の画像の表示から資料画像の表示への切換を制御する制御部』は、本願発明の構成Bの「前記ユーザ画像を含む第1の表示画面からコンテンツ画像を含む第2の表示画面への切替えを制御する制御部」に相当する。 しかし、引用発明は、当該制御部が、担当者の画像の表示から資料画像の表示への切換に際して、具体的にどのような切換えを行うかについての限定がない。 したがって、引用発明は、本願発明の構成Dのような構成を含むものではない。 (6)一致点・相違点 したがって、上記(1)?(5)により、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「通信対象装置のユーザを表すユーザ画像を受信する通信部と、 前記ユーザ画像を含む第1の表示画面からコンテンツ画像を含む第2の表示画面への切替えを制御する制御部と、 を備える、 情報処理装置。」 (相違点) <相違点1> 第2の表示画面に関して、本願発明は、「前記通信対象装置とネットワーク接続中であることを示す表示を含」むのに対し、引用発明は、そのような表示を含むものではない点。 <相違点2> 制御部が、第1の表示画面から第2の表示画面への切替えを行うことに関して、本願発明は、「前記第1の表示画面のフェードアウトを開始させた後に、前記第1の表示画面を所定方向に移動させながらフレームアウトさせつつ、前記第2の表示画面を前記所定方向に移動させながらフレームンインさせる」のに対し、引用発明は、どのような切替えを行うかについての限定がない点。 5.当審の判断 上記相違点について検討する。 (1)相違点1について 上記3.(2)で前述したように、引用例2には、「携帯電話機1とのテレビ電話による通話中に、携帯電話機1のユーザがアプリケーションプログラムを起動すると、ユーザの画像の表示から、携帯電話機1でアプリケーションプログラムが起動されていること、かつ、通話中であることの表示に切り替わる携帯電話機2」が開示されている。 すなわち、引用例2の携帯電話機2は、ユーザ画像の表示画面から別画面に切り替えられても、当該別画面に、通話中であることを示す表示を含むものである。 このような構成を採用することにより、携帯電話機2のユーザは、通話中の相手ユーザが表示されておらず、別画面が表示されている場合においても、通話が切断されておらず、通話中であることを確認できるものである。 引用発明の相談者が使用するパーソナルコンピュータにおいて、担当者が表示されている会話モードから、担当者が表示されずに別画面が表示されている説明モードに切り替えられた場合において、上記引用例2に記載された技術を適用することにより、本願発明のように、通信対象装置とネットワーク接続中であることを示す表示を含むようにすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 (2)相違点2について 上記3.(3)及び(4)で前述したように、画面の切替え時に、カットイン、カットアウト、フェードイン、フェードアウト、それらを組み合わせた、カットアウトフェードイン、フェードアウトカットイン、ディゾルブ等の技法を用いることは、引用例3に記載されているように周知の技術である。また、画面の切替え時に、切り替え前の画面を右方向に移動して表示スクリーンからスライドアウトさせるとともに、切り替え後の画面を右方向に移動して表示スクリーン内へスライドインさせることも、引用例4に記載されているように周知の技術である。 そうすると、画面の切替え時に、「フェードアウト」を行うこと、「切り替え前の画面を右方向に移動して表示スクリーンからスライドアウトさせるとともに、切り替え後の画面を右方向に移動して表示スクリーン内へスライドインさせること」がいずれも周知の技術であり、更に、画面の切替えにおいて知られている様々な技法を組み合わせて画面切替えを行うことも周知の技術であることを勘案することにより、引用発明の『担当者の画像の表示から資料画像の表示への切換』において、「フェードアウト」を行うこと、「切り替え前の画面を右方向に移動して表示スクリーンからスライドアウトさせるとともに、切り替え後の画面を右方向に移動して表示スクリーン内へスライドインさせること」を組み合わせて、「担当者の画像の表示のフェードアウトを開始させた後に、第1の表示画面を所定方向に移動させながらフレームアウトさせつつ、第2の表示画面を所定方向に移動させながらフレームインさせること」は、当業者が適宜なし得るものである。 (3)小括 よって、各相違点については、格別のものではなく、本願発明に関する作用・効果も、その容易想到である構成から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された技術、引用例3,4に記載された周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された技術、引用例3,4に記載された周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-05-25 |
結審通知日 | 2017-05-30 |
審決日 | 2017-06-13 |
出願番号 | 特願2014-131108(P2014-131108) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 坂東 大五郎、牛丸 太希 |
特許庁審判長 |
篠原 功一 |
特許庁審判官 |
渡辺 努 藤井 浩 |
発明の名称 | 情報処理装置および情報処理方法 |
代理人 | 金本 哲男 |
代理人 | 松本 一騎 |
代理人 | 萩原 康司 |
代理人 | 亀谷 美明 |