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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 6項4号請求の範囲の記載形式不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1334182
審判番号 不服2016-1249  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-28 
確定日 2017-11-08 
事件の表示 特願2012-253153「無線通信システムのための信号取得」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 6月13日出願公開、特開2013-118632〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯及び本願発明

1 手続の経緯
本願は,2007年(平成19年)5月22日(優先権主張 2006年5月22日 米国,2006年6月21日 米国)を国際出願日とする特願2009-512264号の一部を,平成24年11月19日に新たに外国語書面出願したものであって,平成25年10月3日付けで拒絶の理由が通知され,平成26年4月8日付けで意見書及び手続補正書が提出され,平成26年6月2日付けで拒絶の理由(最後)が通知され,同年12月10日付けで意見書及び手続補正書が提出され,平成27年2月17日付けで拒絶の理由(最後)が通知され,同年8月24日付けで意見書及び手続補正書が提出され,同年9月18日付けで拒絶査定されたところ,同日付けで補正の却下の決定がなされ,平成28年1月28日に拒絶査定不服審判の請求がされ,同時に手続補正がなされたものであり,同年8月8日付けで拒絶の理由を当審から通知し,同年11月16日付けで意見書及び手続補正書が提出され,同年12月9日付けで拒絶の理由を当審から通知し,平成29年3月13日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。


2 本願発明
本願の請求項に係る発明は,平成29年3月13日付け手続補正書における特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。(下線は請求人が付与。)

【請求項1】
無線通信システムにおいて取得信号を送信するための方法であって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、
前記取得信号のための複数のシンボルを生成すること、
第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信すること、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々においてパイロットを送信すること
を備え、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、
方法。
【請求項2】
前記第2のセットのキャリアは、少なくとも前記第1のセットのキャリアを含み、前記第2の帯域幅は、前記無線通信システムにおける使用可能な帯域幅に対応し、少なくとも前記第1の帯域幅を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第2の帯域幅は、前記無線通信システムにおける実質的に全ての使用可能な帯域幅を備える、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第2の帯域幅は、前記無線通信システムのセクタにおける実質的に全ての使用可能な帯域幅を備える、請求項1の方法。
【請求項5】
前記第1および前記第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、5MHz、または2.5MHz、または1.25MHzの帯域幅を備える、請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1のセットのキャリアおよび前記第2のセットのキャリアは、前記無線通信システムでの通信をサポートするための制御情報を送信および受信するために用いられる、請求項1の方法。
【請求項7】
前記パイロットおよび前記取得信号の両方は、少なくとも1つのキャリアを用いて送信され、前記パイロットおよび前記取得信号の各々は、前記少なくとも1つのキャリア中の異なるセットのサブキャリアで送信される、請求項1の方法。
【請求項8】
前記第2のセットのキャリアは、7つの利用されるキャリア及び1つの利用されないキャリアを含み、前記第1のセットのキャリアは、前記7つの利用されるキャリアに対する予め定められた周波数再使用プランに従う前記7つの利用されるキャリアの一部である、請求項1の方法。
【請求項9】
前記第2のセットのキャリアは7つのキャリアを含み、前記第2のセットのキャリアは、前記7つのキャリアに対する予め定められた周波数再使用プランに従う前記7つのキャリアの一部である、請求項1の方法。
【請求項10】
前記取得信号は、少なくとも1つの放送チャンネルに関する情報を含む、請求項1の方法。
【請求項11】
前記取得信号を送信することは、ホップ・シーケンスに少なくとも部分的に基づいて、1つの又はそれより多いサブキャリアで前記取得信号を送信することを含む、請求項1の方法。
【請求項12】
前記取得信号を送信することは、前記第1のセットのキャリアで前記取得信号をアクセス端末に送信することを備える、請求項1の方法。
【請求項13】
前記第1のセットのキャリアは、スーパーフレームのプリアンブルに関連付けられ、前記取得信号を送信することは、前記スーパーフレームのプリアンブルにおいて前記取得信号を送信することを含む、請求項1の方法。
【請求項14】
前記第2のセットのキャリア間の1つの又はそれより多いキャリアでアクセス端末をスケジュールすること、
前記1つの又はそれより多いキャリアを用いて前記アクセス端末と通信すること
を更に備える、請求項1の方法。
【請求項15】
1つの又はそれより多いキャリアで前記アクセス端末をスケジュールすることは、
前記アクセス端末からアクセス要求を受信すること、
前記アクセス要求に少なくとも部分的に基づいて、前記1つの又はそれより多いキャリアで前記アクセス端末をスケジュールすること、
前記1つの又はそれより多いキャリアに対する割当てを前記アクセス端末に送信すること
を含む、請求項14の方法。
【請求項16】
前記アクセス端末から受信される前記アクセス要求は、前記アクセス端末が1つより多いキャリアで通信できるかどうかの表示を含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記1つの又はそれより多いキャリアで前記アクセス端末をスケジュールすることは、前記表示が負であれば1つのキャリアで前記アクセス端末をスケジュールし、前記表示が正であれば少なくとも2つのキャリアで前記アクセス端末をスケジュールすることを含む、請求項16の方法。
【請求項18】
第3のセットのキャリアで前記アクセス端末をスケジュールすること、
前記第3のセットのキャリアに対する割当てを含むチェンジ・キャリア・メッセージを前記アクセス端末に送信すること、
前記第3のセットのキャリアを用いて前記アクセス端末と通信すること
を更に備える、請求項15の方法。
【請求項19】
無線通信装置であって、
通信のために使用可能な複数のキャリアおよび取得信号に関するデータを記憶するメモリと、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含む、
下りリンクにおける第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信し、第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々においてパイロットを送信するように構成されたプロセッサと
を備え、
前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、
無線通信装置。
【請求項20】
前記メモリは、識別コードに関するデータを更に記憶し、前記プロセッサは、前記識別コードの関数に少なくとも部分的に基づいて前記取得信号を送信するように更に構成される、請求項19の無線通信装置。
【請求項21】
前記識別コードは擬似雑音(PN)シーケンスである、請求項20の無線通信装置。
【請求項22】
前記識別コードは、ウオルシュ・シーケンスである、請求項20の無線通信装置。
【請求項23】
無線通信ネットワークにおいて取得信号を送信するための装置であって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、
通信のために使用可能な複数のキャリアを判定するための手段と、
下りリンクにおける第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信するための手段と、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々においてパイロットを送信するための手段と
を備え、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、
装置。
【請求項24】
前記取得信号は、少なくとも1つの放送チャンネルに関する情報を含む、請求項23の装置。
【請求項25】
前記取得信号を送信するための手段は、ホップ・シーケンスに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信するための手段を含む、請求項23の装置。
【請求項26】
無線通信システムにおいて取得信号を送信するためのコンピュータ実行可能命令を記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、前記命令は、
通信のために使用可能な複数のキャリアを判定すること、
前記取得信号のための複数のシンボルを生成すること、
下りリンクにおける第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信すること、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々においてパイロットを送信すること
を備え、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
複数のシンボルを生成することは、取得情報、および干渉情報の1つ又はそれより多くを備える前記複数のシンボルを生成することを含む、請求項26のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
取得信号を送信するためのコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサであって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、前記命令は、
第1の取得信号及び第2の取得信号を生成すること、
使用可能なシステム帯域幅の第1の部分に対応する第1のセットのキャリアで前記第1の取得信号を第1のアクセス端末に送信すること、
前記使用可能なシステム帯域幅の第2の部分に対応する第2のセットの連続したキャリアで前記第2の取得信号を第2のアクセス端末に送信すること、
前記使用可能なシステム帯域幅に対応する第3のセットのキャリアの各々においてパイロットを送信すること
を備え、前記第1、第2、および第3のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、
プロセッサ。
【請求項29】
前記第1のアクセス端末からの第1のアクセス要求及び前記第2のアクセス端末からの第2のアクセス要求を受信すること、
前記第1のアクセス要求に少なくとも部分的に基づいて前記第1のアクセス端末をキャリアに割当てること、
前記第2のアクセス要求に少なくとも部分的に基づいて前記第2のアクセス端末を複数のキャリアに割当てること
を更に備える、請求項28のプロセッサ。
【請求項30】
前記第1のアクセス端末は、該第1のアクセス端末が複数のキャリアで通信できないことを示す前記第1のアクセス要求における情報に基づいて、キャリアに割当てられ、かつ、前記第2のアクセス端末は、該第2のアクセス端末が複数のキャリアで通信できることを示す前記第2のアクセス要求における情報に基づいて、複数のキャリアに割当てられる、請求項29のプロセッサ。
【請求項31】
無線通信システムにおいて取得信号を受信するための方法であって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、
下りリンクにおける第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで送信される前記取得信号を検知すること、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々において送信されるパイロットを検知することであって、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、検知すること、
前記取得信号に少なくとも部分的に基づいて、情報がアクセスポイントによって通信される、前記第1または第2のセットのキャリアに後続するキャリアを判定すること
を備える、方法。
【請求項32】
前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、5MHz、または2.5MHz、または1.25MHzの帯域幅を備える、請求項31の方法。
【請求項33】
前記第1のセットのキャリアおよび前記第2のセットのキャリアは、前記無線通信システムでの通信をサポートするための制御情報を送信および受信するために用いられる、請求項31の方法。
【請求項34】
前記キャリアを判定することは、ホップ・シーケンスに少なくとも部分的に基づいて、情報が通信されるキャリアを判定することを含む、請求項31の方法。
【請求項35】
無線通信装置であって、
通信のために使用可能な複数のキャリアに関するデータを記憶するメモリと、
無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、かつ、第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで下りリンクで送信される取得信号を検知し、第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々で送信されるパイロットを検知するように構成され、前記第1の帯域幅は前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅であり、前記取得信号に少なくとも部分的に基づいてセクタによって情報が通信される、前記第1または第2のセットのキャリアに後続するキャリアを判定するように構成されるプロセッサと
を備える、無線通信装置。
【請求項36】
前記プロセッサは、ホップ・シーケンスに少なくとも部分的に基づいて、前記キャリアを判定するように更に構成される、請求項35の無線通信装置。
【請求項37】
前記取得信号は、前記セクタのための識別子を含む、請求項35の無線通信装置。
【請求項38】
前記セクタのための識別子は、擬似雑音(PN)シーケンスである、請求項37の無線通信装置。
【請求項39】
前記セクタのための識別子は、ウオルシュ・シーケンスである、請求項37の無線通信装置。
【請求項40】
無線通信ネットワークにおいて取得信号を受信するための装置であって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、
第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで送信された前記取得信号を検知するための手段と、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々で送信されるパイロットを検知するための手段であって、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、検知するための手段と、
前記取得信号に少なくとも部分的に基づいて、アクセスポイントとの通信のためのキャリアを判定するための手段と
を備える、装置。
【請求項41】
無線通信システムにおいて取得信号を受信するためのコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、前記命令は、
第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアでアクセスポイントによって送信される前記取得信号を検知すること、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々でアクセスポイントによって送信されたパイロットを検知することであって、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、検知すること、
前記取得信号に少なくとも部分的に基づいて、前記アクセスポイントとの通信のためのキャリアを判定すること
を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項42】
無線通信システムにおいて取得信号を受信するためのコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサであって、前記取得信号は、無線通信環境における通信を容易にするための情報を含み、前記命令は、
第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記無線通信システムのセクタから送信される前記取得信号を受信すること、
第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアで前記無線通信システムのセクタから送信されるパイロットを受信することであって、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である、受信すること、
前記取得信号に少なくとも部分的に基づいて、前記セクタとの通信のための1つの又はそれより多いキャリアを判定すること、
前記通信のために判定された1つの又はそれより多いキャリアを用いることに少なくとも部分的により、前記セクタと通信すること
を備える、プロセッサ。
【請求項43】
前記セクタと通信することは、
前記通信のために判定された1つの又はそれより多いキャリアで前記セクタにアクセス要求を送信すること、
アクセス許可及び通信のための少なくとも1つの新しく割当てられるキャリアを前記セクタから受信すること、
前記少なくとも1つの新しく割当てられるキャリアを用いて前記セクタと通信すること
を含む、請求項42のプロセッサ。


第2 当審拒絶理由の概要

平成28年12月9日付けで当審から通知した拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」といい,[理由2]を「当審理由[2]」といい,[理由3]を「当審理由[3]」という。)の概要は次のとおりである。(下線は,当審拒絶理由通知書に記載のとおり。)

理 由
[理由2](実施可能要件)
本願は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
[理由3](サポート要件)
本願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

本願の請求項1から43に係る発明は,平成28年11月16日付け手続補正書の特許請求の範囲に記載されたとおりである。
○ 理由2及び3(36条4項1号及び同条6項1号)について
◇ 請求項1について
(1) 本請求項には,「第1の帯域幅は第2の帯域幅よりも小さい」旨の記載がある。
しかし,該記載に相当する記載が,発明の詳細な説明には記載されていない。
ここで,「帯域幅」に関しては,例えば,本願に係る図面【図4】,【図5A】,【図5B】に記載がある。
しかし,上記「第1の帯域幅」及び「第2の帯域幅」が,該図面に記載された「チャンネル構造」,「フレーム構造」のいずれの部分に該当するのかを特定することもできない。
そのため,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
(2) 上記手続補正により,本請求項記載の「取得信号」に関しては,「無線通信環境における通信を容易にするための情報」を含む旨の特定がされた。
ここで,本願の明細書【0068】には「アクセスポイント識別は,取得信号の一部として送信されてもよく」との記載がある。
しかし,本願の発明の詳細な説明には,このような「取得信号」あるいは「アクセスポイント識別」を,どのように送信するのかの具体的な記載はなく,例えば,本願に係る図面【図4】,【図5A】,【図5B】に記載された「チャンネル構造」,「フレーム構造」等を利用して,どのように送信するのかの具体的な記載もない。
このことから,本請求項に記載された「第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信する」との事項は,実質的に,発明の詳細な説明に記載されたものであるということはできない。
そして,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
(3) 上記(1)及び(2)に関連して,次の<ア>から<ウ>のことがいえる。
<ア> 本願の願書に最初に添付された特許請求の範囲,明細書及び図面における記載,そして,補正後の特許請求の範囲,明細書及び図面における記載を総合してみれば,本請求項記載の「取得信号」あるいは「アクセスポイント識別」は,本願に係る図面【図4】,【図5A】,【図5B】等に記載された「チャンネル構造」,「フレーム構造」等における「制御チャンネル(406,510,530)」で送信されると一応解することができる。
このことから,「取得信号」は,「帯域幅(400)」の「キャリア(402)」の各々において送信されるものであるといわざるを得ない。
この点を,本請求記載の「第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信すること」に照らしてみると,「第1の帯域幅」は「帯域幅(400)」に対応し,「第1のセットのキャリア」は「キャリア(402)」に対応するということができる。
<イ> 本願に係る明細書【0059】及び【0063】等をみると,該「制御チャンネル(406,510,530)」は,「パイロット・チャンネル(512,514,532)を有しおり,「パイロット」が「制御チャネル」を介して送信され若しくは受信されることは明白である。
そして,このように「パイロット」の送信若しくは受信を介する「制御チャンネル(406,510,530)」は,「キャリア(402)」の各々,若しくは「フォワードリンクフレーム(404,502)」の各々及び「リバースリンクフレーム(408,504)」の各々が有していることは,図4の記載及び該図に関する明細書の記載からも明白である。
<ウ> 上記<ア>及び<イ>に述べたことから,「取得信号」を送信する「第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリア」と,「パイロット」を送信する「第2の帯域幅に対応する第2のキャリアの各々」とは,同一であるといわざるを得ない。
そうすると「第1の帯域幅」と「第2の帯域幅」は「同じ帯域幅」であるということができるから,「第1の帯域幅」と「第2の帯域幅」は「等しい帯域幅」であるといえる。
(4) したがって,本請求項に記載された「第1の帯域幅は,第2の帯域幅よりも小さく」という発明は,発明の詳細な説明に記載されたものであるということはできず,また,該発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
◇ 請求項2から18について
本請求項に記載された発明は,直接的若しくは間接的に請求項1を引用する点で,上記「◇ 請求項1について」に述べた事項が該当する。
したがって,本請求項に記載された発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということはできず,また,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
◇ 請求項19,23,26,28,40,41,42について
本請求項に記載された発明についても,上記「◇ 請求項1について」に述べた事項が該当する。
したがって,本請求項に記載された発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということはできず,また,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
◇ 請求項20から22,24,25,27,29,30,43について
請求項19から22は直接的若しくは間接的に請求項18を引用する点で,請求項24,25は直接的若しくは間接的に請求項23を引用する点で,請求項27は請求項26を引用する点で,請求項29,30は請求項28を直接的若しくは間接的に引用する点で,請求項43は請求項42を引用する点において,上記「◇ 請求項18,23,26,28,40,41,42について」に述べた事項が該当する。
したがって,本請求項に記載された発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということはできず,また,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
◇ 請求項31,35について
本請求項に記載された発明についても,上記「◇ 請求項1について」に述べた事項が該当する。
したがって,本請求項に記載された発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということはできず,また,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
◇ 請求項32,33,36から39,について
請求項32,33は請求項31を引用する点で,請求項36から39は請求項35を直接的若しくは間接的に引用する点において,上記「◇ 請求項31,35について」に述べた事項が該当する。
したがって,本請求項に記載された発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということはできず,また,本請求項に記載された発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。
◇ 理由2及び3のまとめ
以上のとおりであり,本願は,特許法第36条第4項第1号及び同条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。


第3 請求人意見の概要

請求人は,当審拒絶理由に対し,平成29年3月13日付け意見書(以下「請求人意見書」という。)において,次の事項を述べている。(下線は「請求人意見書」に記載のとおり。)

【意見の内容】
1.平成28年12月13日付で理由1(特許法第29条第2項)、理由2(特許法第36条第4項第1号)、および理由3(特許法第36条第6項第1号)による拒絶理由通知を受けました。これに対し、審判請求人は、本日付で手続補正書を提出するとともに、下記のとおり意見を述べます。

2.補正の説明
手続補正書において、特許請求の範囲を補正しました。補正の根拠は、下記の項目「3.本願が特許されるべき理由」で説明します。
手続補正書で行われている補正は、出願当初の明細書、特許請求の範囲、または図面に記載された事項の範囲内のものであり、新規事項を追加したものではありません。また、この補正は、発明の特別な技術的特徴を変更するものではなく、特許法第17条の2第4項の要件を満たすものです。

3.本願が特許されるべき理由
3-1.拒絶理由2(特許法第36条第4項第1号)、および拒絶理由3(特許法第36条第6項第1号)に対する意見
審判官殿は、以下の点で本願発明が、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に発明の詳細な説明に記載されていないと判断されました。

(1)請求項1?43について
請求項1に記載の「第1の帯域幅は第2の帯域幅よりも小さく」という記載が、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に発明の詳細な説明に記載されていないと判断されました。
しかしながら、本願明細書には下記の記載があります。(強調線が付されています。)
[0005]
…システム内の各装置は、信号取得を実行することができ、あるいは1つの又はそれより多いキャリアに対応する配備された帯域幅の一部を用いて他の方法で通信することができる。全システム帯域幅の一部だけを含むキャリアを用いて通信することによって、…

[0006]
…この方法は、1つの又はそれより多いキャリアの帯域幅の全て又は全てより小さいに等しい数のサブキャリアに取得信号の送信を割当てることを含んでもよい。

[0029]
他の態様によれば、取得信号は、所定のスーパーフレームの1つのキャリアに対してだけに提供されてもよい。…

[0031]
…各アクセスポイント210及び(又は)1つのアクセスポイント210における各アンテナグループ212は、アクセス端末220と通信するためにキャリアの1つ以上を利用できる。この通信は、例えば、アクセス端末への1つの又はそれより多い取得パイロット及び(又は)放送チャンネルの送信を含んでもよい。各キャリアは、各アクッセスポイント210において利用可能であり、あるいは、各アクセスポイント210は、使用可能なキャリアのサブセットを使用できる。同様に、アクセスポイント210における各アンテナグループ212は、アクセスポイント210によって提供されるキャリアの全て又はそれらのキャリアのサブセットを使用できる。…

[0051]
…あるいは、1つのアクセス端末が、帯域幅内のキャリア402の全てより少ない任意の数のキャリア402に割当てられてもよい。…

[0010]
…その命令は、使用可能なシステム帯域幅を、それぞれ複数のサブキャリア及びシステム帯域幅の一部に等しい帯域幅を備える複数のキャリアに分割することを備えてもよい。更に、その命令は、取得信号のための複数のシンボルを生成することを含んでもよい。

上記記載から理解されるように、取得信号を送信するために使用される第1の帯域幅は、パイロットを送信するために使用される第2の帯域幅である、システム帯域幅の一部に過ぎません。したがって、第1の帯域幅は、第2の帯域幅よりも小さいことは明確です。
よって、請求項1に記載の「第1の帯域幅は第2の帯域幅よりも小さく」は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明に記載されているものと思料いたします。
請求項1の上記事項と同様の事項に関連する他の請求項もまた、上記記載および意見から、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明に記載されていることは明らかです。

(2)請求項31、32、33、35、36?39について
請求項31、32、33、35、36?39は、上記(1)の事項に加えて、「将来のキャリア」が発明の詳細な説明に記載されていないと判断されました。
これに対して審判請求人は、本願請求項31および35において「将来のキャリア」という記載を、例えば図4に基づいて、「前記第1または第2のセットのキャリアに後続するキャリア」と記載するように補正しました。また、請求項32、および36も、上記補正と整合を取るように補正しました。
上記補正により、本願補正後の請求項31、32、33、35、36?39は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明に記載されていることが明確になったものと確信いたします。

上記意見および補正から、本願補正後の請求項1?43は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明に記載されていることが明らかとなったため、拒絶理由2および拒絶理由3は解消したものと確信いたします。

3-2.拒絶理由1(特許法第29条第2項)に対する意見
審判官殿は、引用刊行物(特開2005-73221号公報)を用いて、本願発明の進歩性を否定されました。
しかしながら引用刊行物は、本願請求項1の「前記第1の帯域幅に対応する第1のセットのキャリアで前記取得信号を送信すること、前記第2の帯域幅に対応する第2のセットのキャリアの各々においてパイロットを送信することを備え、前記第1の帯域幅は、前記第2の帯域幅よりも小さく、前記第1および第2のセットのキャリアにおける前記キャリアの各々は、等しい帯域幅である」という特徴的構成を開示も示唆もしていません。したがって、引用刊行物に記載の発明からは、本願発明の「全システム帯域幅の一部だけを含むキャリアを用いて通信することによって、1つのキャリアにおける通信のために用いられるチャンネルは、全帯域幅にわたる通信のために用いられるチャンネルよりも分散が少なくてよい(本願明細書の段落0005)という効果は到底得られません。
よって、本願発明は、引用刊行物から当業者が容易に想到できる発明ではないため、拒絶理由1は解消したものと確信いたします。

4.むすび
以上の意見および別途提出した手続補正書により、拒絶理由は解消したものと考えております。これらの意見書および手続補正書をご勘案の上、特許査定を賜りたく存じます。
なお、もし審判官殿におかれて、拒絶理由を解消していない請求項があるために、いまだ特許できないとの心証を持たれる場合にあっては、審判請求人としては、さらに補正について検討をする用意がございますので、ご連絡を頂きますようお願い申し上げます。


第4 当審の判断

<はじめに>
1 上記請求人意見書の【意見の内容】における「3.」の「3-1.拒絶理由2(特許法第36条第4項第1号)、および拒絶理由3(特許法第36条第6項第1号)に対する意見」の「(1) 請求項1?43について」には,「[0010] …その命令は、使用可能なシステム帯域幅を、それぞれ複数のサブキャリア及びシステム帯域幅の一部に等しい帯域幅を備える複数のキャリアに分割することを備えてもよい。更に、その命令は、取得信号のための複数のシンボルを生成することを含んでもよい。」との記載がある。

2 しかし,本願の翻訳文における明細書(以下「本願明細書」ということがある。)の【0009】及び【0010】には,次のように記載されている。(下線は当審が付与。なお,これら【0009】及び【0010】に関しては,当該翻訳文の提出の日以降補正されていない。)

【0009】
更に他の態様は、無線通信環境において取得のための情報を生成しかつ送信するためのコンピュータ実行可能命令を記憶されたコンピュータ可読媒体に関する。その命令は、使用可能なシステム帯域幅を、それぞれ複数のサブキャリア及びシステム帯域幅の一部に等しい帯域幅を備える複数のキャリアに分割することを備えてもよい。更に、その命令は、取得信号のための複数のシンボルを生成することを含んでもよい。更に、その命令は、複数のキャリアの少なくとも1つにおける1つの又はそれより多いサブキャリアのいくつかで取得信号を送信することを含んでもよい。
【0010】
他の態様によれば、取得情報を送信するためのコンピュータ実行可能命令を実行できるプロセッサがここに提供される。その命令は、第1の取得信号及び第2の取得信号を生成することを備えてもよい。更に、その命令は、使用可能なシステム帯域幅の一部を備えたキャリアで第1の取得信号を第1のアクセス端末に送信することを備えてもよい。更に、その命令は、使用可能なシステム帯域幅の一部を備えたキャリアで第2の取得信号を第2のアクセス端末に送信することを含んでもよい。

3 上記2によれば,上記1に示した記載に関し,「[0010]」は誤りであって,正しくは「[0009]」であると解される。
しかし,請求人意見書において「[0010]」として記され,下線の附された事項「一部」とを併せてみると,請求人は,本願明細書【0009】及び【0010】の両方を意図していると解することもできる。
ここで,当審は,請求人意見が本願明細書【0009】及び【0010】の両方を意図したものとして判断する。しかし,該判断をする際において,【0009】と【0010】との記載が相反した場合,請求人の意見は【0009】を意図するものと解する。

<請求項1についての当審判断>
1 上記「第2」にも記したように,当審拒絶理由通知書において,請求項1について「(4) したがって,本請求項に記載された「第1の帯域幅は,第2の帯域幅よりも小さく」という発明は,発明の詳細な説明に記載されたものであるということはできず,また,該発明を,当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明の詳細な説明は記載したものであるということもできない。」ことを当審は通知した。

2 これに対し,請求人は,上記「第3」に記したとおり,本願明細書における記載(【0005】,【0006】,【0009】,【0010】,【0029】,【0031】,及び【0051】(以下,これらを「請求人根拠記載箇所」という。)を根拠に,「取得信号を送信するために使用される第1の帯域幅は、パイロットを送信するために使用される第2の帯域幅である、システム帯域幅の一部に過ぎません。したがって、第1の帯域幅は、第2の帯域幅よりも小さいことは明確です。」と請求人意見書において主張する。

3 ここで,請求人根拠記載箇所における記載を再掲し確認する。
(1) 【0005】
説明される実施の形態は、無線通信システムに対して配備される帯域幅を複数のキャリアに分割することによって、上記の問題を緩和する。システム内の各装置は、信号取得を実行することができ、あるいは1つの又はそれより多いキャリアに対応する配備された帯域幅の一部を用いて他の方法で通信することができる。全システム帯域幅の一部だけを含むキャリアを用いて通信することによって、1つのキャリアにおける通信のために用いられるチャンネルは、全帯域幅にわたる通信のために用いられるチャンネルよりも分散が少なくてもよい。従って、システム内の装置のために必要とされる送信電力量が軽減されうる。更に、キャリアは、各キャリアがコンポーネント周波数レスポンスに対するフェーデイング(fading)の影響を最小限にするのに十分なだけ大きくなるように配置システム帯域幅から分割されて、それによりシステム性能を更に最適化するようになされうる。
【0006】
1つの態様によれば、無線通信システムにおいて取得情報を生成しかつ送信するための方法がここに提供される。この方法は、取得信号の複数のシンボルを生成することを備える。更に、この方法は、1つの又はそれより多いキャリアの帯域幅の全て又は全てより小さいに等しい数のサブキャリアに取得信号の送信を割当てることを含んでもよい。

(2) 【0009】
更に他の態様は、無線通信環境において取得のための情報を生成しかつ送信するためのコンピュータ実行可能命令を記憶されたコンピュータ可読媒体に関する。その命令は、使用可能なシステム帯域幅を、それぞれ複数のサブキャリア及びシステム帯域幅の一部に等しい帯域幅を備える複数のキャリアに分割することを備えてもよい。更に、その命令は、取得信号のための複数のシンボルを生成することを含んでもよい。更に、その命令は、複数のキャリアの少なくとも1つにおける1つの又はそれより多いサブキャリアのいくつかで取得信号を送信することを含んでもよい。
【0010】
他の態様によれば、取得情報を送信するためのコンピュータ実行可能命令を実行できるプロセッサがここに提供される。その命令は、第1の取得信号及び第2の取得信号を生成することを備えてもよい。更に、その命令は、使用可能なシステム帯域幅の一部を備えたキャリアで第1の取得信号を第1のアクセス端末に送信することを備えてもよい。更に、その命令は、使用可能なシステム帯域幅の一部を備えたキャリアで第2の取得信号を第2のアクセス端末に送信することを含んでもよい。

(3) 【0029】
他の態様によれば、取得信号は、所定のスーパーフレームの1つのキャリアに対してだけに提供されてもよい。更に、取得信号は、スーパーフレーム・プリアンブル(superframe preamble)に提供されてもよい。取得信号のために用いられるキャリアは、例えば、ホップ・シーケンス(hop sequence)に基づいて時間と共に変化してもよい。取得信号を1つのキャリアに縮小すると、端末120による取得のために遭遇される分散効果が軽減されうる。更に、各ベース・ステーション110が異なるホップ・シーケンス又はパターンを有することができる例では、取得信号の衝突の可能性が低下され、端末120による取得能力を改善する。更に、システム100は、物理セクタ104を含むものとして例示されているが、他のアプローチが利用されてもよいことが認識されるべきである。例えば、1つのセル102の異なる領域をそれぞれカバーしうる多数の固定された「ビーム」(”beams”)が、物理セクタ104に代えて、又は物理セクタ104と組み合わせて、利用されてもよい。このようなアプローチは、全体が参照としてここに取り入れられた「セル方式における適応セクタ化」(“ADAPTIVE SECTORIZATION IN CELLULAR SYSTEMS”)というタイトルの2005年10月27日に提出だれた同時継続の米国特許出願第11/269,895号に図示されかつ開示されている。

(4) 【0031】
他の態様によれば、システム200での通信のために使用可能な帯域幅は、複数のキャリアに分割可能である。各アクセスポイント210及び(又は)1つのアクセスポイント210における各アンテナグループ212は、アクセス端末220と通信するためにキャリアの1つ以上を利用できる。この通信は、例えば、アクセス端末への1つの又はそれより多い取得パイロット及び(又は)放送チャンネルの送信を含んでもよい。各キャリアは、各アクッセスポイント210において利用可能であり、あるいは、各アクセスポイント210は、使用可能なキャリアのサブセットを使用できる。同様に、アクセスポイント210における各アンテナグループ212は、アクセスポイント210によって提供されるキャリアの全て又はそれらのキャリアのサブセットを使用できる。システム200において利用されるキャリアは、各アクセスポイント210及び(又は)1つのアクセスポイント210内のアンテナグループ212に対して特有(ユニーク)であってもよく、あるいは、1つより多いアクセスポイント210及び(又は)アンテナグループ212は、特定のキャリアを使用してもよい。

(5) 【0051】
1つの実例では、いくつかのアクセス端末が単一のキャリア402に割当てられて、1つのスーパーフレーム又はスーパーフレームの多数のフレームで1つの端末に送られる各フォワード・リンク送信が同じキャリアに割当てられる。従って、任意の時点において帯域幅の一部を復調するだけの能力を有するアクセス端末が、1つのキャリア402に対応する帯域幅400のサブセットをモニタするためだけに必要とされうる。あるいは、1つのアクセス端末が、帯域幅内のキャリア402の全てより少ない任意の数のキャリア402に割当てられてもよい。1つの実例では、所定のキャリア402上で動作するアクセス端末が他のキャリアに含まれた情報を参照することなしにそのキャリアの制御チャンネル406及び440によってサポートされうるようにフォワード・リンク制御チャンネル406及びリバース・リンク制御チャンネル440が各キャリアに対して十分な情報を含むようにすることによって、シングルキャリア送信がサポートされうる。所要のサポートは、各キャリア402のフォワード・リンク制御チャンネル406及びリバース・リンク制御チャンネル440に同等のチャンネル情報を含めることによって提供されうる。従って、1つの態様によれば、取得、割当て、アクセス、要求、電力制御、パイロット、及び報告チャンネルのうちの1つ以上がキャリア402のそれぞれに存在してもよい。これらのチャンネルは、例えば、スーパーフレーム・プリアンブル(例えば、スーパーフレーム・プリアンブル312)に提供されてもよく、かつ、1つのキャリア402に対するフォワード・リンク制御チャンネル406及び(又は)リバース・リンク制御チャンネル440に含まれてもよい。しかし、各キャリア402は上記のチャンネルを提供しうるが、実際のコード化、送信レート、メッセージ・タイプ及びタイミング、リソース割当て、オーバーヘッド・メッセージング(overhead messaging)、ホップ・パターン及び(又は)シーケンス、及び他の送信及び割当てパラメータは異なるキャリア402に対して変化してもよいことが認識されるべきである。更に、フォーマット、送信レート、及び(又は)ホッピング情報は、特定のキャリア402と関連付けられていない独別の制御チャンネルによって及び(又は)他の手段によってアクセス端末に信号で送られてもよく、あるいは他の方法で使用可能となってもよい。

4 本願の請求項1においては,「第1の帯域幅」が「取得信号」の送信に係るものであり,また,「第2の帯域幅」が「パイロット」の送信に係るものであることは文言上明らかである。
これを基に,上記請求人根拠記載箇所をみても,「パイロット」の送信に係る「帯域幅」についての記載を発見することはできず,また,他の記載箇所にも発見しない。

そうすると,「パイロット」の送信に係る「帯域幅」についての記載がないのであるから,仮に,「取得信号」の送信に係る「帯域幅」について,本願明細書に明示的な記載があったとしても,両者に関して,いずれか一方が「小さい」あるいは「大きい」ということができないことは明白である。
このことは,請求項1に記載された発明について,本願の発明の詳細な説明は,当業者が実施することができる程度に明確に記載したものでなく,また,十分に記載したものでないいことを示しているといわざるを得ず,そして,請求項1に記載された発明が発明の詳細な説明に記載したものでもないことを示しているといわざるを得ない。


第5 むすび

以上のとおりであるから,本願は,特許法第36条第4項第1号及び同条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
したがって,他の理由について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-06-07 
結審通知日 2017-06-13 
審決日 2017-06-26 
出願番号 特願2012-253153(P2012-253153)
審決分類 P 1 8・ 538- WZ (H04W)
P 1 8・ 537- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡 裕之  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 近藤 聡
山本 章裕
発明の名称 無線通信システムのための信号取得  
代理人 井関 守三  
代理人 福原 淑弘  
代理人 奥村 元宏  
代理人 蔵田 昌俊  
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